JP3979762B2 - 等速継手 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、等速継手に関するものである。等速継手は、主に自動車のフロントアクスル、リアアクスル又はプロペラシャフト等に用いられている。
【0002】
【従来の技術】
従来例として、特開平7―238944に開示されているピン形の等速継手を挙げることができる。この従来例の場合は、駆動部材の回転力が球軸受を介して被駆動部材に伝達されている。駆動部材に嵌合されている駆動ピンが球軸受に差し込まれていて、球軸受は駆動ピンによって支持されている。駆動部材と被駆動部材とが互いに屈曲した状態で回転すると、球軸受は駆動ピン上を移動する。駆動ピンは、片持ち状態で駆動部材に固定されているため、球軸受が駆動ピンの先端部分に来ると駆動ピンのたわみ量が増し、剛性上の問題が考えられる。
類似したものにトライポット・ジョイント又はトリポード形等速継手と呼ばれるものが知られているが、これは一方のシャフトが偏心運動をすることで等速性が生じるものであり、高速回転には不向きと言われている。
【0003】
他の従来例として、特開平11―51071に開示された等速継手を挙げることができる。当該公開公報の図1、図2において、駆動軸の動力は内輪部材を介して外輪部材に伝達される。内輪部材にはジャーナルが内輪部材の軸方向に摺動自在に設けられ、ジャーナルにローラが回転自在に設けられている。このローラが外輪部材に設けられているトラック溝に係合している。駆動軸の動力は、内輪部材、ジャーナル、ローラを経て外輪部材に伝達される。この構造によればジャーナルにモーメントが発生するため、スムースな運動が期待できない、構造が複雑で製造コストが嵩むという問題が考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明は上記の問題を解決するためになされたもので、剛性が高く、動きがスムースな等速継手を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本願発明においては、内輪にレールを設けることによって動力伝達部の剛性を高くし、スライダの中心とレールの中心とを一致させることによってモーメントが発生し難い構造とした。更に詳しく言えば、請求項1の発明は、外輪1の内径部に外輪の長手方向に向けてトラック溝1bと円筒面1cを各3個 以上等分に形成させ、一方内輪2に内輪の長手方向に向けてレール部2bと球面部2cを各3個以上等分に形成させ、前記レール部2bに外周部が球形状であるスライダ3を前記レール部2bの長手方向に摺動自在に係合させ、前記トラック溝1bに前記スライダ3の球部3 aを係合させ、前記円筒面1cに前記内輪の球面部2cを係合させた状態で、前記外輪1に前記内輪2を組み込み、前記レール部2bの中間部に穴6を形成し、当該穴にボール4とこれを付勢するばね5を組み込み、当該ボール4を介して前記スライダ3の球部3 a を前記トラック溝に当接させる構造にした。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1の構成に加えて、前記外輪1のトラック溝1bの中心であるトラック溝中心線Cと前記内輪2のレール部2bの中心であるレール軸中心線Dとの交点Pが動力伝達点である構造にした。
【0007】
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は、等速継手10の外観を示している。外輪1に内輪2がはめ込まれ、外輪軸1aと内輪軸2aの他端には通常各種の回転軸が連結されており、内輪と外輪とは、スライダ3の接点を介して1対1に回転するので、当然等速で回転する。なお、外輪軸1 a と内輪軸2 a が一直線上にあるのは、おもに組み立てたときで、通常は次の図2のように屈曲した状態で使用される。
【0009】
図2には、外輪軸1aと内輪軸2aとが屈曲した状態の等速継手10が示されている。無論このように屈曲した状態でも回転は等速で相手に伝達される。内輪軸2cが回転すると左右にスライドするスライダ3を介して回転力が外輪1に伝達されるが、こ のとき屈曲した角度差に基づく動力伝達点の回転線速度差は、スライダ3の動きによって吸収され等速性が得られる。
【0010】
図3は、 等速継手10を構成している部材を示している。外輪1には、外輪軸1aが付けられ、外輪1の長手方向に向けて、即ち外輪1の軸方向に向けてトラック溝1bが等間隔に3個、円筒面1cが同じく等間隔に3個形成されている。トラック溝1bは筒状であり、その断面は、半円を越えて円形の一部を欠いた形状をしている。
【0011】
一方内輪2には、内輪軸2aが付けられ、内輪2の長手方向にむけて、即ち内輪2の軸方向に向けてレール部2bが等間隔に3個、同じく球面部2cが等間隔に3個設けられている。
【0012】
レール部2bには、図6に示す如く穴6が明けられ、この穴6にボール4とこれを付勢するためのばね5が組み込まれている。
【0013】
スライダ3は、図3に示す如く外周部が球面である球部3aと円形の穴である内径部3bとで構成され、球部3aは前記内輪2のレール部2bを挿入するときに必要な底部と両端の切り欠きが設けられている。更に図6に示す如く、内径部3bにはスライダ3の軸方向に向けてテーパ溝3cが形成されている。内輪2のレール部2bがスライダ3に挿入されると、テーパ溝3cには、前記ボール4がばね5の作用で押し付けられ、スライダ3の中心位置がボール4のある位置に係合する。
【0014】
図7は、ボール4、ばね5等が組み込まれたときの断面図で、外輪1と内輪2が一直線になっていて、スライダ3は内輪2のレール部の中央に来ている。図8は、外輪1と内輪2とが屈曲したときの断面図である。スライダ3の中心は内輪2のレール部2bのレール軸中心線上にあり、かつトラック溝中心線とも一致するためには、屈曲に伴いスライダ3の左下側面は、トラック溝1bのした側面におされレール部2bの右方向に移動している。すなわち、トラック溝中心線Cとレール軸中心線Dの交差点を中心とする球状空間部にスライダ3がはまり込むことになる。なお、軸が180度回転するとスライダ3はレール部2bを左方向へ移動し、360度で1往復する。
【0015】
バネ5によって付勢されたボール4は、テーパ溝3cの中にあって、スライダ3と内輪2のレール部2bとの間の抵抗を増加させ、レール部2bに対してスライダ3が過剰に移動するのを防止している。 一方、テーパ溝3cの役目は、スライダ3が常時レール部2bの中央部に来るよう付勢して、外輪軸1aと内輪軸2aとが一直線になったとき、スライダ3とレール部2bとの抵抗が最大になり、スライダ3の位置を確実に決め、更に各部材相互のガタを吸収することである。特に、スライダ内径部3bとレール部2bとの間の隙間は重要であり、この部分のクリアランスによって軸の回転がスムースに行なわれるようになる。
【0016】
ここで、テーパ溝3cとボール4の作用によって、外輪1に内輪2を挿入する組立て時に、外輪軸1aと内輪軸2aとが一直線になってスライダ3がレール部2bの中央部に位置決めされる。
【0017】
スライダ3が、内輪2のレール部2bに係合され、内輪2と共に外輪1にはめ込まれ、等速継手10になる。この際、スライダ3は外輪1のトラック溝1bに、内輪2の球面部2cは外輪1の円筒面1cに夫々係合される。ここで、前記トラック溝1bは断面が円形の一部を成しているが、前記スライダ3が外輪1の長手方向にのみ移動できる構造にするため、前記円形の一部は少なくとも半円を超えており、その切欠け部分にレール部2bの軸結合部が挿入される。
【0018】
本実施例においては、外輪1のトラック溝1b、円筒面1c及び内輪2のレール部2bと球面部2cが3個ずつ設けられているが、3個以上であれば良い。
【0019】
図4と図5は、各部材の位置関係、及び各軸の回転が等速で相手に伝達されることを示している。外輪軸1aの中心である外輪軸中心線Aと内輪軸2aの中心である内輪軸中心線Bとの交点をOとし、レール部2bの中心であるレール軸中心線Dとトラック溝1bの中心であるトラック溝中心線Cとの交点をPとする。この場合、Pはスライダを介した内輪から外輪又は逆方向の動力伝達点になる。次に、外輪軸中心線A又は内輪軸中心線Bを回転させて、動力伝達点を図上にプロットすると、上記交点Oを通る動力伝達点Pの投影軌跡が得られる。この軌跡が通る面はスライダ中心面Eとなる。当該中心面E上に上記3個の動力伝達点Pが存在する。
【0020】
図5において、外輪軸中心線Aと内輪軸中心線Bとの角度をαとすれば、外輪軸中心線A及び内輪軸中心線Bとスライダ中心面Eとの角度はα/2であって、スライダ中心面Eは外輪軸中心線Aと内輪軸中心線Bとの角を2等分している。すなわち、スライダ3の中心位置は、外輪軸中心線Aからもまた、内輪軸中心線Bからも同じ角度差α/2にあるので、常に両軸は等しい回転速度で回転することになる。この条件が等速継手であるための条件である。
【0021】
そして、図4においてレール軸中心線Dとトラック溝中心線Cは動力伝達点Pで交差しているため、外輪軸1aと内輪軸2aとが傾斜した状態ではスライダ3が動力伝達点Pから逃げることはない。
【0022】
【発明の効果】
本願発明の等速継手は、従来のトライポット・ジョイント又はトリポード形と呼ばれるシャフトの偏心運動で等速性が得られる等速継手に比較して、偏心運動に代わってスライダの往復運動によって等速性が得られるため、機械的振動、騒音が少なく、結果として耐久性の点で優れている。更に、本願発明の等速継手は、従来のピン形の等速継手に比較して撓み量が小でスムーズに動力伝達が行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】等速継手の外観説明図
【図2】外輪軸と内輪軸が屈曲した場合の等速継手の外観説明図
【図3】各部材の説明図
【図4】構造の説明図
【図5】構造の説明図
【図6】レール部とスライダの組付けの説明図
【図7】ボールを組み込んだときの断面図
【図8】ボールを組み込んだときの断面図
【符号の説明】
1は外輪、1aは外輪軸、1bはトラック溝、1cは円筒面、2は内輪、2aは内輪軸、2bはレール部、2cは球面部、3はスライダ、3a球部、3bは内径部、3cはテーパ部、4はボール、5はばね、6は穴、10は等速継手である。
Claims (2)
- 外輪(1)の内径部に外輪の長手方向に向けてトラック溝(1b)と円筒面(1c)を各3個以上等分に形成させ、一方内輪(2)に内輪の長手方向に向けてレール部(2b)と球面部(2c)を各3個以上等分に形成し、前記レール部(2b)に外周部が球形状であるスライダ(3)を前記レール部(2b)の長手方向に摺動自在に係合させ、前記トラック溝(1b)に前記スライダの球部(3a)を係合させ、前記円筒面(1c)に前記内輪の球面部(2c)を係合させた状態で、前記外輪(1)に前記内輪(2)を組み込み、前記レール部(2b)の中間部に穴(6)を形成し、当該穴にボール(4)とこれを付勢するばね(5)を組み込み、当該ボール(4)を介して前記スライダ(3)の球部(3 a )を前記トラック溝(1b)に当接させる構造にしたことを特徴とする等速継手。
- 前記外輪(1)のトラック溝(1b)の中心であるトラック溝中心線Cと前記内輪(2)のレール部(2b)の中心であるレール軸中心線Dとの交点Pが動力伝達点であることを特徴とする請求項1記載の等速継手。
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