JP2002213480A - 等速自在継手 - Google Patents

等速自在継手

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JP2002213480A
JP2002213480A JP2001014913A JP2001014913A JP2002213480A JP 2002213480 A JP2002213480 A JP 2002213480A JP 2001014913 A JP2001014913 A JP 2001014913A JP 2001014913 A JP2001014913 A JP 2001014913A JP 2002213480 A JP2002213480 A JP 2002213480A
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constant velocity
velocity universal
retainer
resin
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JP2001014913A
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English (en)
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Norio Yamada
典男 山田
Masaki Egami
正樹 江上
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外輪と、内輪と、外輪と内輪との間に配され
た複数のボールと、これらのボールを転動自在に保持す
る保持器とを備える等速自在継手において、前記保持器
の滑り摩擦面の摩擦力を小さくし、かつ、所定の機械的
強度を持たせ、しかも容易に製造できるようにする。 【解決手段】 内周面1aに軸方向に延びる複数の直線
状の案内溝1bを形成した外輪1と、外周面2aに軸方
向に延びる複数の直線状の案内溝2bを形成した内輪2
と、前記外輪1の案内溝1bと内輪2の案内溝2bとが
協働して形成するボールトラックに配された複数のボー
ル3と、各ボ−ル3を転動自在に収容する保持器6とで
構成され、前記保持器6はその滑り摩擦面が合成樹脂7
で構成され、剛性を有するインサート8を一体に具備
し、ボールを収容するポケットの壁面が前記インサート
によって構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車のホイール駆
動軸や各種産業機械において動力伝達用に用いられる等
速自在継手に関し、特に、その保持器の改良に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】等速自在継手は、駆動軸と従動軸との間
の角度変位のみを許容する固定型と、角度変位および軸
方向変位を許容する摺動型(プランジング型)とに大別
され、それぞれ用途・使用条件に応じて機種選定され
る。
【0003】図3に一例として示すのは、摺動型(プラ
ンジング型)等速自在継手の断面図であり、図4は保持
器の斜視図である。この種の等速自在継手は、内周面1
aに軸方向に延びる複数の直線状案内溝1bを形成した
外輪1と、外周面2aに軸方向に延びる複数の直線状案
内溝2bを形成した内輪2と、前記外輪1の案内溝1b
と内輪2の案内溝2bとが協働して形成するボールトラ
ックに配された複数のボール3と、各ボ−ル3を転動自
在に収容する保持器4とで構成されている。
【0004】保持器4は、図5にその要部を示すよう
に、内周面4aを、その中央部の軸方向の長さeなる円
筒面と、その両側のそれぞれ中心B1,B2から内輪2
の外周面2aの曲率半径と同一半径R=rで形成された
部分球面とを結んで形成し、内輪2の外周面2aとの間
に内輪2の軸方向変位を許容する軸方向隙間g1を形成
している。また、保持器6のポケット4cとボール3と
の間に、適当な間隔のポケット隙間g2を設けてある。
なお、ポケット4cの軸方向部は平行面4dになってい
る。
【0005】上記構造の等速自在継手は、トルクが負荷
された状態で、エンジン側からの振動が作用した場合、
内輪2と保持器4とは軸方向隙間g1により相対的な軸
方向の比較的小さな移動が可能となり、しかも、ボール
3は保持器4のポケット4cとの間にポケット隙間g2
が形成されているので、自由に転がることができるか
ら、外輪1と内輪2との軸方向変位および角度変位の際
の継手内部のスライド抵抗を非常に小さくでき、かつ、
発生する振動を軸方向隙間g1およびポケット隙間g2に
より吸収して車体への伝達を防止する。
【0006】また、この自在継手では、外輪1と内輪2
との軸方向変位の際に、内輪2が保持器4に対して軸方
向に移動した場合、内輪2の外表面2aと保持器4の内
周面4aの部分球面とは、半径が等しくて球面接触する
ので、内輪2が保持器4にロックされる心配がなく、こ
のため、スライド抵抗が安定して変位が極めてスムーズ
になされるとともに、内輪2と外輪1との接触部分での
偏磨耗が生じない(実公昭63−2665号公報)。
【0007】ところで、この種の等速自在継手によっ
て、自動車の走行中や、オートマチック車の停止時にお
けるアイドリング中などのように、駆動軸の回転トルク
を伝達しつつ角度変位や軸方向変位を生じるような使用
条件においては、変位時における継手内部のスライド抵
抗が大きいと、エンジン側からの振動が車体側に伝達さ
れて乗員に不快感を与えるという問題点がある。このた
め、従来から、継手内部のスライド抵抗を低減するた
め、種々の提案がなされており、上記の実公昭63−2
665号公報に記載されたものもその1つであるが、他
に、本出願人において自己潤滑性を有する合成樹脂で形
成した保持器を用いた等速自在継手を先に開発し出願し
ている(特開平8−320026号公報、特開平9−1
51954号公報)。
【0008】本出願人が既に出願した等速自在継手は、
保持器が自己潤滑性を有する合成樹脂で形成されている
点を除くと、図3ないし図5に示す構成と基本的構成を
同じくする。図6に自己潤滑性を有する合成樹脂で形成
した保持器5の断面図を示している。この保持器5は、
図3に示す金属製保持器4と同様、内周面4aが、その
中央部の軸方向長さeの円筒部分と、中心B1,B2か
らそれぞれ内輪2の外周面2aと同一の曲率半径R=r
で形成された部分球面とを結んで形成されている。ま
た、ポケット5cの軸方向部は平行面5dになってい
る。なお、図6中、Dは大径側入り口径、dは最小内径
を示している。
【0009】上記の等速自在継手は、保持器5が自己潤
滑性を有する合成樹脂で形成されているため、金属製保
持器4を用いた構成に比べ、保持器5と外輪1の内周面
1aおよび内輪2の外周面2aとの接触部分における摩
擦力が軽減される。また、保持器5のポケット5cの壁
面とボール3との接触部分における摩擦力が低減される
ことにより、ボール3の転動が促進される。そのため、
金属製保持器4を用いた構成に比べ、スライド抵抗が極
めて小さい。また、駆動軸側からの振動が、合成樹脂か
らなる保持器5の弾性によって吸収されるので、従動軸
側への振動伝達が抑制される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
等速自在継手において、保持器4,5は動力伝達を担う
ボール3を保持するものであるが、保持器4,5のポケ
ット4c,5cの軸方向部は平行面4d,5dになって
おり、この平行面4d,5dに沿ってボール3が移動す
ると同時に、保持器4,5はボール3を介して大きな荷
重を受ける。この荷重の作用する位置は入り口側(図
3,図6の右側)では外径寄り、奥側(図3,図6の左
側)では内径寄りになっている。また、保持器4,5の
内周面4a,5a、外周面4b,5bには、運転時にそ
れぞれ内輪外径部、外輪内径部と接触して滑り摩擦が発
生する。この摩擦力は鋼製保持器4では通常潤滑剤で低
減しており、合成樹脂製保持器5の場合は保持器5自体
が有する自己潤滑性を利用して低減している。
【0011】しかしながら、前記鋼製保持器4の場合
は、潤滑剤によってもその摩擦力低減には限度があり、
その表面を円滑面にするための高精度の研磨加工を施す
ことが必要とされ、この加工費が嵩むという問題があ
る。一方、合成樹脂製保持器5の場合は、摩擦力低減の
効果は大であるが、鋼製保持器4に比べて機械的強度が
小さく、運転時の温度上昇および荷重によって形状が微
妙に変形してしまい、この変形に起因して比較的短時間
で摩擦力が増大するため、短寿命であるという問題点が
ある。
【0012】そこで、本発明は、滑り摩擦面の摩擦力が
小さく、かつ、十分な機械的強度を有し、しかも製造費
の廉価な保持器を有する等速自在継手を提供することを
目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
された等速自在継手は、上記課題を解決するために、内
輪と、内周面に軸方向に延びる複数の案内溝を形成した
外輪と、外周面に軸方向に延びる複数の案内溝を形成し
た内輪と、外輪の案内溝と内輪の案内溝とが協働して形
成するボールトラックに配された複数のボールと、ボー
ルを保持する保持器とを備えた等速自在継手において、
前記保持器の滑り摩擦面を合成樹脂で構成するととも
に、剛性を有するインサートを一体に具備し、ボールを
収容するポケットの壁面が前記インサートによって構成
されてことを特徴とするものである。
【0014】このように、保持器の滑り摩擦面を合成樹
脂で構成すると、滑り摩擦係数が小さく円滑な回転動作
が得られるのみでなく、保持器の製作型の内面さえ高精
度に研磨加工しておけば、保持器そのものは鋳込み成型
によってその表面を高精度の円滑面に形成できるので、
従来の鋼製保持器のような個々の保持器に対する煩雑な
高精度の研磨加工が不要になり、低コストで製作が可能
になる。また、保持器全体を鋼製とする場合に比べ、摩
擦および質量が低減されトルクおよび振動が低減される
ので、自動車に使用した場合は乗員に不快感を与えるこ
とがないのみならず、車体質量の低減によって燃費の低
減が期待できる。しかも、剛性を有するインサートを一
体に具備しているので、所定の機械的強度が容易に得ら
れ、運転時の温度上昇および荷重によっても容易に変形
せず、寿命の長い等速自在継手が得られる。
【0015】本発明の請求項2に記載された等速自在継
手は、請求項1に記載の等速自在継手において、前記イ
ンサートが鋼製であることを特徴とするものである。
【0016】このように、鋼製のインサートを有する
と、保持器全体に所定の機械的強度が容易に得られるの
みならず、その形状をプレス成型等により容易に所望形
状に形成でき、煩雑な研磨加工も不要である。
【0017】本発明の請求項3に記載された等速自在継
手は、請求項2に記載の等速自在継手において、前記保
持器が、内周面の球面中心と外周面の球面中心とがポケ
ット中心に対して軸方向の両側にオフセットされたダブ
ルオフセット型であり、前記鋼製インサートが、保持器
ポケットの平行部において保持器の入り口側は外径寄り
に、奥側は内径寄りに配されていることを特徴とするも
のである。
【0018】このように、鋼製インサートの配置位置
を、保持器ポケットの平行部において保持器の入り口側
(小径側)は外径寄りに、奥側(大径側)は内径寄りに
設定すると、内輪の軸心が等速自在継手の軸心に対して
傾斜し、ボールがポケットの平行面に沿って移動する際
に、それぞれボールによって荷重が作用する部分に鋼製
インサートが位置することになり、耐荷重性を大きくす
ることができる。
【0019】本発明の請求項4に記載された等速自在継
手は、請求項1ないし3に記載の等速自在継手におい
て、前記鋼製インサートが、部分的に貫通穴、切り欠
き、凹部の1つ以上を有することを特徴とするものであ
る。
【0020】このように、鋼製インサートが、部分的に
貫通穴、切り欠き、凹部の1つ以上を有すると、合成樹
脂が貫通穴、切り欠き、凹部に食い込んで、合成樹脂と
インサートとの結合力が大きくなり、高速運転時にも両
者が剥離しなくなる。
【0021】本発明の請求項5に記載された等速自在継
手は、請求項1ないし4に記載の等速自在継手におい
て、前記合成樹脂が、耐熱性ポリアミド樹脂、ポリエー
テルケトン樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、熱可塑性ポ
リアミドイミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹
脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂−熱可塑性ポリア
ミドイミド樹脂よりなるポリマーアロイ、フェノール樹
脂の中から選択された少なくとも1種の樹脂よりなるこ
とを特徴とする。
【0022】このように合成樹脂を選択すると、合成樹
脂が自己潤滑性を有するため、潤滑剤が不要または少な
くて済むのみならず、従来のような油膜不良に起因する
寿命低下が生じない。
【0023】本発明の請求項6に記載された等速自在継
手は、請求項1ないし5に記載の等速自在継手におい
て、前記保持器の内径球面部の合成樹脂は、その入り口
側および奥側の両側から一つおきに交互に軸方向に型が
入った溝が形成されていることを特徴とする。
【0024】このように、保持器の内径球面部の合成樹
脂が、その入り口側および奥側の両側から一つおきに交
互に軸方向に型が挿入される構成になっていると、型の
製作が容易になるのみならず、型の組み立ておよび分解
作業が容易になる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。図1は一実施形態のダブ
ルオフセット型等速自在継手(プランジング型)の断面
図を示し、図2(A)は保持器の部分正面図、図2
(B)はその断面図を示す。
【0026】図1に示すダブルオフセット型等速自在継
手(プランジング型)は、まず形状から説明すると、内
周面1aに軸方向に延びる複数の直線状の案内溝1bを
形成した外輪1と、外周面2aに軸方向に延びる複数の
直線状の案内溝2bを形成した内輪2と、前記外輪1の
案内溝1bと内輪2の案内溝2bとが協働して形成する
ボールトラックに配された複数のボール3と、各ボ−ル
3を転動自在に収容する保持器6とで構成され、図2
(B)に示すように、保持器6は曲率半径がR0の外周
面6bの球面中心Aと内周面6aの球面中心Bとが、ボ
ール3を収容するポケット6cのポケット中心Oからそ
れぞれ軸方向の逆側にオフセットされて、ダブルオフセ
ット構造になっている。
【0027】このようなダブルオフセット構造の等速自
在継手においては、外輪1と内輪2とが作動角を取りつ
つ回転すると、保持器6は、内輪2の傾きに応じてボー
ルトラック上を移動するボール3の位置まで回転し、ボ
ール3を作動角の2等分面内に保持するとともに、その
際ボールトラックから飛び出そうとするボール3の力
を、ポケット6cの壁面で受け止める。さらに、外輪1
と内輪2とが軸方向に変位すると、保持器6の外周面4
bと外輪1の内周面1aとの間ですべりが生じ、円滑な
軸方向変位を可能にする。
【0028】また、保持器6の内周面6aは、前述の図
5および図6で説明したのと同様に、その中央部の軸方
向の長さeなる円筒面6eと、その両側の偏心した中心
B1,B2からそれぞれ内輪2の外周面2aの曲率半径
rと同一曲率半径Ri=rで形成された部分球面とを結
んで形成されており、内輪2の外周面2aとの間に内輪
2の軸方向変位を許容する軸方向隙間g1(図5参照)
を設けるようにしている。
【0029】また、保持器6のポケット6cとボール3
との間に、適当な間隔のポケット隙間g2(図5参照)
を設けるようにしてある。このポケット隙間g2は、ボ
ール3の拘束を解除するとともに、ボール3と保持器6
との衝突の影響を受けないように、5〜50μmの範囲
内に設定する。すなわち、ポケット間隔g2を50μm
以上にすると、ボール3と保持器6との衝突時の打音が
大きくなるとともに、衝突時の衝撃により保持器6の安
定性が損なわれて振動が助長されるといった問題が生じ
るため、ポケット間隔g2の上限を50μm以下に設定
する。また、下限はボール3の拘束を解除できればよい
ので、零に設定してもよいが、製造管理上ポケット間隔
g2を確実にするため、5μm以上に設定する。なお、
ポケット6cの軸方向部は平行面6dになっている。
【0030】次に、保持器6の構造について説明する
と、前記保持器6は、その滑り摩擦面が合成樹脂7で構
成されるとともに、内部に剛性を有する鋼製インサート
8を具備している。より詳細に述べると、前述のとお
り、保持器6はボール3によってポケット6cで大きな
荷重を受けるが、特に入り口側(図1,図2(B)の右
側)では保持器6の内径側で、奥側(図1,図2(B)
の左側)では保持器6の外径側で接触するので、これら
の部分に鋼製インサート8が位置するように形成されて
いる。また、保持器6の内径の頂点である前記円筒面6
eでも荷重を受けるので、この部分も合成樹脂7で形成
されており、バックアップするように鋼製インサート8
が配されている。鋼製インサート8は奥側保持器側面基
準としている。
【0031】また、鋼製インサート8の外径部と内径部
には、必要に応じて部分的に貫通穴、切り欠き、凹部の
1つ以上を設けてもよい。図1および図2には貫通穴8
aを設けた場合を示している。このように構成すれば、
図示するように、前記貫通穴8aや、切り欠き、あるい
は凹部に合成樹脂7が食い込んで、合成樹脂7と鋼製イ
ンサート8との結合力が大きくなり、運転時に両者が剥
離して分離することがなくなる。
【0032】さらに、鋼製インサート8の外径部と内径
部には、部分的に薄い合成樹脂膜を形成してもよい。
【0033】上記保持器6は、例えば所定形状の鋼製イ
ンサート7をプレス成形で製作しておき、この鋼製イン
サート8を鋳込み成形型内に配置して、この鋳込み型の
内面と鋼製インサート8との隙間に合成樹脂7を射出成
形すればよい。このとき、鋼製インサート7は簡単なプ
レス成型のみで製作可能であり、合成樹脂の射出成形型
の内面を高精度に研磨加工しておけば、射出成形された
保持器6の合成樹脂7の表面は高精度の円滑性を有する
ので、従来の鋼製保持器4のように個々の保持器4を高
精度に研磨加工する煩雑な作業が不要になり、大量生産
が可能で製造コストが低減できる。
【0034】なお、保持器6の滑り摩擦面を構成する合
成樹脂7は、耐熱性、耐圧性、耐磨耗性等の特性、なら
びに機械的強度、成形性などの特性が要求される。この
ような緒特性を満足する合成樹脂は、例えば、46ナイ
ロン(JRS)、6Tナイロン(三井化学:アーレ
ン)、9Tナイロン(クラレ:ジェネスタ)等の商品名
で知られる耐熱性ポリアミド樹脂、または、ポリエーテ
ルケトン樹脂(ビクトレックス:PEEK PEK)、
熱可塑性ポリイミド樹脂(三井化学:オーラム)、熱可
塑性ポリアミドイミド樹脂(アモコ:トーロン)、ポリ
フェニレンサルファイド樹脂(東ソー:サスティー
ル)、ポリマーアロイ(三菱ガス化学:AIポリマー)
等のスーパーエンジニアリングプラスチック、あるいは
熱硬化性樹脂のうち射出成形が可能なように調整したフ
ェノール樹脂のうちの、一つ以上を選択して使用するこ
とができる。
【0035】また、上記の各合成樹脂には、カーボンフ
ァイバー(CF),ガラスファイバー(GF),チタン
酸カリウムウィスカ等の強化材を配合することによっ
て、機械的強度を増大させてもよいし、耐摩擦特性改良
剤としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE),黒
鉛,二硫化モリブデン等の固体潤滑剤を添加してもよ
い。
【0036】さらに、保持器6の内径球面部の合成樹脂
7には、その入り口側および奥側の両側から一つおきに
交互に軸方向に型が挿入されて形成された溝9,10を
有していてもよい。このような溝9,10は、その入り
口側および奥側の両側から一つおきに交互に軸方向に型
を挿入することによって合成樹脂7を射出成形した後、
型を軸方向に抜くことによって形成される。ここで、入
り口側の溝9の幅は図示するようにポケット6c間の柱
の幅以上あれば型離脱の問題がない。また、奥側の溝1
0はポケット6c間の柱の球面部を奥側半分のみフラッ
トの柱形状にする。このような型の軸方向からの挿入お
よび抜き出しは、合成樹脂7の射出成形時に型の組み立
ておよび分解作業が容易になり、工数が低減できる。
【0037】また、上記した型の組み立て方は、型を保
持器6の軸方向に挿入および抜き出しする場合について
説明したが、保持器6の内径球面部側の型は、全体が球
面のまま合成樹脂7を射出成形できる球面状の型を用い
ることができる。このような球面状の型を用いた場合
は、当然、上記図2の符号9,10で示した溝は形成さ
れない。ただし、保持器6の内周面6aの最大内径と入
り口側の最小径である球面径との差が大きいと型の離脱
が困難となるので、両径差は球面径に対して6%以下と
しなければいけない。
【0038】
【発明の効果】本発明は以上のように、内周面に軸方向
に延びる複数の案内溝を形成した外輪と、外周面に軸方
向に延びる複数の案内溝を形成した内輪と、外輪の案内
溝と内輪の案内溝とが協働して形成するボールトラック
に配された複数のボールと、ボールを保持する保持器と
を備えた等速自在継手において、前記保持器の滑り摩擦
面を合成樹脂で構成するとともに、剛性を有するインサ
ートを一体に具備し、ボールを収容するポケットの壁面
が前記インサートによって構成されてことを特徴とする
等速自在継手であるから、滑り摩擦面は合成樹脂の柔軟
性および自己潤滑性によって摩擦力を低減することがで
き、しかも保持器の荷重がかかる部分の機械的強度は一
体に設けた剛性を有するインサートによって得ることが
できる。また、インサートは簡単なプレス成型で形成で
き、保持器の内輪および外輪と接触する球面形状の滑り
摩擦面は、合成樹脂の射出成形によって形成できるの
で、従来の鋼製保持器のような個々の保持器への煩雑な
高精度の研磨加工が不要になり、製造工数が削減でき
る。さらに、鋼製保持器に比べて摩擦および質量が低減
でき、トルクおよび振動が低減できるので、自動車に組
み込んだ場合に車体の振動が低減でき乗員の不快感がな
くなり、さらには車体の軽量化による燃費の低減が期待
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る等速自在継手の断面
図である。
【図2】(A)は図1の等速自在継手における保持器の
部分正面図、(B)は(A)の断面図である。
【図3】従来の鋼製保持器を有する等速自在継手の断面
図である。
【図4】従来の鋼製保持器の斜視図である。
【図5】従来の鋼製保持器を有する等速自在継手におけ
る保持器内周面の形状について説明する要部の断面図で
ある。
【図6】従来の合成樹脂製保持器の断面図である。
【符号の説明】
1 外輪 1a 外輪の内周面 1b 外輪の案内溝 2 内輪 2a 内輪の外周面 2b 内輪の案内溝 3 ボール 6 保持器 6a 保持器の内周面 6b 保持器の外周面 6c 保持器のポケット 6d 保持器ポケットの平行面 6e 保持器内周面の頂点 7 合成樹脂 8 インサート 8a 貫通穴 O 保持器の軸方向中心 A 保持器の外周面中心 B1,B2 保持器の内周面中心 Ro 保持器の外周面曲率半径 Ri 保持器の内周面曲率半径 e 円筒面の長さ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内周面に軸方向に延びる複数の案内溝を
    形成した外輪と、外周面に軸方向に延びる複数の案内溝
    を形成した内輪と、外輪の案内溝と内輪の案内溝とが協
    働して形成するボールトラックに配された複数のボール
    と、ボールを保持する保持器とを備えた等速自在継手に
    おいて、 前記保持器の滑り摩擦面を合成樹脂で構成するととも
    に、剛性を有するインサートを一体に具備し、ボールを
    収容するポケットの壁面が前記インサートによって構成
    されてことを特徴とする等速自在継手。
  2. 【請求項2】 前記インサートが鋼製であることを特徴
    とする請求項1に記載の等速自在継手。
  3. 【請求項3】 前記保持器が、内周面の球面中心と外周
    面の球面中心とがポケット中心に対して軸方向の両側に
    オフセットされたダブルオフセット型であり、前記鋼製
    インサートが、保持器ポケットの平行部において保持器
    の入り口側は外径寄りに、奥側は内径寄りに配されてい
    ることを特徴とする請求項2に記載の等速自在継手。
  4. 【請求項4】 前記鋼製インサートが、部分的に貫通
    穴、切り欠き、凹部の1つ以上を有することを特徴とす
    る請求項2または3に記載の等速自在継手。
  5. 【請求項5】 前記合成樹脂が、耐熱性ポリアミド樹
    脂、ポリエーテルケトン樹脂、熱可塑性ポリイミド樹
    脂、熱可塑性ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンサ
    ルファイド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂−熱
    可塑性ポリアミドイミド樹脂よりなるポリマーアロイ、
    フェノール樹脂の中から選択された少なくとも1種の樹
    脂よりなることを特徴とする請求項1ないし4のいずれ
    かに記載の等速自在継手。
  6. 【請求項6】 前記保持器の内径球面部の合成樹脂は、
    その入り口側および奥側の両側から一つおきに交互に軸
    方向に型が入った溝が形成されていることを特徴とする
    請求項1ないし5のいずれかに記載の等速自在継手。
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