JP3979732B2 - 清酒濾過方法及びそれを達成するための濾過エレメント - Google Patents

清酒濾過方法及びそれを達成するための濾過エレメント Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、清酒の濾過方法及びそれを達成するための濾過エレメントに関し、特に、清酒のおり下げ工程の後の上澄みとおりの濾過方法及びそれを達成するための濾過エレメントに関する。
【0002】
【従来の技術】
清酒の製造方法は、一般的に原料である玄米の精米工程と、得られた白米等から糠を洗い去り、水に浸して吸水させる洗米浸漬工程と、吸水した白米を蒸す蒸し工程と、蒸米、米麹及び水を使用してもろみを形成する仕込工程と、得られたもろみを発酵させる発酵工程と、熟成したもろみを圧搾して清酒と酒粕を分離する圧搾工程と、清酒の活性炭処理工程と、清酒を加熱殺菌する第一の火入れ工程と、清酒を熟成させる貯蔵工程と、熟成した清酒を上澄みとおりに分離し、おり下げを行なうおり下げ工程と、おり下げの後の上澄みとおりを濾過する濾過工程と、最後の加熱殺菌をする第二の火入れ工程と、得られた清酒を瓶等に詰める充填工程とからなる。
【0003】
かかる清酒の製造は、従来伝統的手法に従い蔵人と杜氏が所謂手作りにより行なうものとされてきたが、近代科学の進歩により伝習的醸造法に科学的管理法が導入され、冷凍設備、ボイラー、物流装置、発酵装置、圧搾装置及び原料処理装置等の技術の進歩も相まって、製造工程のある部分は十分機械化が可能となっている。
【0004】
特に機械化への期待が大きくその進歩も著しいのは、上記圧搾工程以後の各工程である。そして、その中でも上記濾過工程での濾過方法及びそれに使用する濾過装置については、その進歩により大量の清酒の処理を迅速且つ低コストに行なうこと、ひいては、高品質の清酒を大量に生産することが可能となり、その期待は非常に大きい。
【0005】
従来の清酒製造において、清酒の濾過は、先ず、通常所謂おり下げタンクに製造された清酒を導入して満たし、1乃至10日間程度そのまま放置して所謂おり下げを行い、清酒中に懸濁している不溶性蛋白質微粒子を十分沈殿させ、清酒をおり下げタンク内で上澄みと沈殿物からなる清酒特有のおりとに分離する。
続いて、上澄みとおりとを別々に、濾紙や濾布などの平面フィルタエレメントを用いた、例えばフィルタプレス等の濾過装置を用いて、濾過を行なっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
即ち従来は、上澄みは上澄み用の平面フィルタエレメントを用いた濾過装置を用いて濾過を行い、おりの濾過については更に別のおり用の平面フィルタエレメントを用いた濾過装置を用いて濾過を行なっていた。
このように上澄み用とおり用に二つの別個の濾過装置を設ける理由は、おりの難濾過性に起因する。清酒におけるおりの占める割合は4%程度に過ぎないが、上澄みに比べて極端に難濾過性を有するため、平面フィルタエレメントを用いた形式の濾過装置では、濾過の進行に伴ってエレメント濾過面に蓄積される濾過物の増大で容易に濾過渋滞(濾過能力の低下)を起こし易い。したがって、複数の貯蔵タンクに収容されている清酒をおり下げ処理する場合、あるいは大量の清酒を一度におり下げ処理する場合には濾過の容易な上澄みとおりとを別個に濾過処理することにより全体としては濾過時間がかかってしまうが、上澄み分で生産に支障が出ないよう対応していた。
【0007】
しかしながら、全てを終了するためには多くの時間を要し、さらにおり濾過では上述のように濾過能力の低下が起こり、濾過精度が低下する。これを補うため、さらに上澄み濾過装置で再度処理を繰り返したりして濾過品質を補わなければならず、濾過処理時間が更に長時間化してしまい、製造の高効率化の妨げとなっていた。
【0008】
また、設備としても二系列の濾過システムを設置する必要が有り、作業の繁雑化、設備費用の増大等製造コストを大幅に高める要因となっていた。
そこで本発明の課題は、清酒製造にかかる濾過工程において、上記問題を解決し、新規な濾過方法を提供することである。
また、本発明の別の課題は、清酒の濾過において、濾過装置を二系列準備する必要がないように、濾過方法を高効率化、高性能化することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、おり下げ工程により上澄みとおりとに分けられた清酒を濾過助剤をプリコートした筒状の濾過エレメントを用いて先ず上澄みを濾過した後引き続いて同濾過エレメントを用いておりを濾過処理する清酒の濾過方法において、
プリコート層は、前記濾過エレメント上に設けられたセルロースからなる第一濾過助剤層と、更にその上に異なる濾過助剤によって形成された第二濾過助剤層とで構成され、
濾過するおりには濾過助剤を添加して濾過を行うことを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の清酒濾過方法において、前記第二濾過助剤層はケイソウ土又はパーライトからなることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2の何れか記載の清酒濾過方法において、前記第一濾過助剤層と前記第二濾過助剤層の鉄分の含有量が、濾液後の清酒に含まれる鉄分含有量を0.1ppm以下にする量であることを特徴とする。
【0012】
請求項1記載の発明によれば、濾過に使用する、表面に濾過助剤のプリコートされた筒状の濾過エレメントは、濾過の進行に伴うケークの形成に従い濾過面積が増大するため、濾過エレメントでの濾過に従う濾過能力の低下が比較的少なく、清酒のおり下げ工程の後の高効率の濾過処理を可能とし、上澄みにつづいて、おりについても同一の濾過エレメントを装着して濾過処理を行なうことが可能となる。
【0013】
よって、清酒の濾過において、上澄み用の濾過装置と、おり用の濾過装置とを別個に設ける必要が無くなり、濾過工程を二系列に分割する必要は無くなる。
また、濾材と第一濾過助剤層と第二濾過助剤層とを設けることにより、該第一濾過助剤層が該濾材との間で剥離し、結果的に第一及び第二の濾過助剤層が一体となって濾過助剤層の濾材からの剥離が容易となり、濾過の後処理が簡単に行なえるようになる。
【0014】
以上より、濾過処理の精度を低下させること無く、従来の清酒の濾過工程における設備を大幅に簡素化し、また濾過処理にかかる作業を減らし、濾過処理の低コスト化、ひいては清酒製造にかかる高効率化と低コスト化を可能にする。
請求項2記載の発明によれば、表面に濾過助剤のプリコートされた筒状の濾過エレメントは、濾過の進行に伴うケークの形成に従い濾過面積が増大するため、濾過エレメントでの濾過に伴う濾過能力の低下が比較的少なく、清酒のおり下げ工程の後の高効率の濾過処理を可能とし、上澄みにつづいて、おりについても同一の濾過エレメントを使用して濾過処理を行なうことが可能となる。
【0015】
よって、上澄み用の濾過装置と、おり用の濾過装置とを別個に設ける必要が無くなり、濾過工程を二系列に分割する必要は無くなる。
また、濾材と第一濾過助剤層と第二濾過助剤層とを設けることにより、該第一濾過助剤層が該濾材との間で剥離し、結果的に第一及び第二の濾過助剤層が一体となって濾過助剤層の濾材からの剥離が容易となり、濾過の後処理が簡単に行なえるようになる。
【0016】
以上より、濾過処理の精度を低下させること無く、従来の清酒の濾過工程における設備を大幅に簡素化し、また濾過処理にかかる作業を減らし、濾過処理の低コスト化、ひいては清酒製造にかかる高効率化と低コスト化を可能にする。
請求項3記載の発明によれば、ケイソウ土は構成する各粒の具備する形状が複雑であり、非圧縮性を示すため、表面にこれを濾過助剤としてプリコートされた筒状の濾過エレメントは、高い濾過能力を示しうる。
【0017】
パーライトもケイソウ土と同様の性質を有する。
よって、濾過エレメントでの濾過の進行に伴う濾過能力の低下が少ないことと相まって、清酒のおり下げ工程の後の非常に高効率の濾過処理を可能とし、上澄みにつづいて、おりについても同一のケイソウ土等のプリコートされた濾過エレメントを使用して濾過処理を行なうことが可能となる。
【0018】
また、難濾過性を有するおりを濾過する場合、おりに濾過助剤であるケイソウ土又はパーライトを添加し、混合する、いわゆるボディフィードの手法を合わせて用いる。これは特におり下げ剤としてゼラチンを多量に使用した場合、フィルタエレメント濾過面上の濾過物中にゼラチンも含まれることになり濾過能力を阻害することになる。ボディフィードを用いることにより清酒中の濾過助剤が堆積する濾過物中に分散され、堆積濾過物が多孔質となり、濾過能力の低下を解消するため、濾過差圧の上昇を緩和させることで更に安定した濾過処理を行なうことができる。
【0019】
従って、上澄み用の濾過装置と、おり用の濾過装置とを別個に設ける必要が無くなり、濾過工程を二系列に分割する必要は無くなる。
また、セルロースは濾材の上に層を形成してもその濾材からの剥離が容易であり、濾材とケイソウ土からなる第二濾過助剤層との間にセルロースからなる第一濾過助剤層を設けることにより、第一濾過助剤層と第二濾過助剤層とを一体に濾材から剥離することができ、濾材からの濾過助剤層の剥離が容易となり、濾過の後処理が簡単に行なえる。
【0020】
以上より、濾過処理の精度を低下させること無く、従来の清酒の濾過工程における設備を大幅に簡素化し、また濾過処理にかかる作業を減らし、濾過処理の低コスト化、ひいては清酒製造にかかる高効率化と低コスト化を可能にする。
請求項4記載の発明によれば、清酒において、特有の発色を生じることからその含有が問題となる鉄分の含有量を、清酒製品として問題とならない0.1ppm以下に抑えることが可能となる。
【0021】
よって、鉄分の溶出の少ない高信頼の濾過処理が可能となり、高品質の清酒の提供が可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。
(実施例1)
図1は、本発明にかかる第一実施例である清酒用濾過エレメントの構造を示す断面図である。
【0023】
本発明にかかる第一実施例である清酒用濾過エレメント1は、清酒製造に係るおり下げ工程により上澄みとおりに分けられた清酒の濾過に使用する濾過装置のタンク内に取付け部2を用いて一本以上垂下され、上端3から濾液が得られる筒状の濾過エレメントである。
そして、濾過前の上澄みとおりとを濾過するために、筒状の濾材5の上に、第一濾過助剤層7を設け、更にその上に第二濾過助剤層6を設けた構成を有する。
【0024】
濾過助剤としては、ケイソウ土、パーライト、セルロース、絹繊維、炭素(活性炭)等が使用可能であり、それぞれの特性と濾過対象となる清酒の特性とを考慮して適宜選択し使用することが可能である。
次に、本発明の第一実施例である濾過エレメント1を構成する濾材5についてであるが、濾過助剤層7で被覆される濾材5は多孔性の部材であり、具体的には、焼結金属、セラミクス又は金属ワイヤを適当な支持体に巻き付けることによって構成される所謂巻き線タイプの濾材等が使用可能である。
【0025】
かかる濾材上に濾過助剤層を設けて濾過エレメントを構成し、清酒製造にかかるおり下げ後の清酒の濾過に使用することも当然可能であるが、欠点も有している。
つまり、比較的高価な濾材は同一の物を何回も使用して清酒の濾過を行なうことが期待されるものであるが、濾材上に濾過助剤層6を設けた濾過エレメントは清酒の濾過に使用した場合、清酒製造に特有のおりに由来するケークが厚くその濾過助剤層の上に形成される。
【0026】
従って、清酒濾過後は、このケークを濾過エレメントから取り去らない限り、更に濾材を使用することはできない。よって、このケークを濾過エレメントから除去する必要が生じるが、その場合、比較的安価でもあり、濾別されたおりの不溶成分と一体となってケークを形成して繰り返しの使用には不向きな濾過助剤層も合わせて取り去ることが望ましい。
【0027】
よって、濾過助剤層は比較的容易に濾材から剥離されうるものであることが望まれるが、濾過助剤として優れた特性を発揮するものは濾材上に層形成された後容易に剥離できるものばかりではない。
特に最も有用なケイソウ土を濾過助剤層に使用した場合は、ケイソウ土が固い粒子のため、濾材からの完全な剥離が困難で、濾過後に濾材を再度きれいな濾過処理可能な状態にし、再利用するためには、念入りな洗浄作業が必要とされる。
【0028】
かかる欠点を解消するためには、ケイソウ土等から成る濾過助剤層を濾材から剥離しやすくすることが必要である。本発明のにかかる第一実施例である濾過エレメント1はかかる点を考慮して、図1に示すように、濾材5と濾過助剤層6の間に予め第一濾過助剤層7を設けて構成されており、第一濾過助剤層7の存在により濾材5からの濾過助剤層6、およびその表面に形成される濾過ケークの剥離は容易となる。
【0029】
従って、第一濾過助剤層7を設けることにより、清酒の濾過処理、特におりを濾過したあとのケークの除去が容易となる。
第一濾過助剤層7は、濾材5からの剥離が容易で、その上に形成される第二濾過助剤層6と一体となって濾過助剤5からの濾過助剤層6の剥離を助け、濾過助剤層6での濾過を妨げることがなく、また濾液である清酒を汚染しない物であり、更に、濾材5の上に容易に形成できる物であればいかなる物でもよい。
【0030】
かかる必要特性を考慮した場合、既に濾過処理に使用する、特に清酒の濾過処理に使用する上での信頼性を有し、使用の容易さも兼ね備えた濾過助剤の中から適当な物を選択して第一濾過助剤層7に使用することが望ましい。そうすれば、当然に、第二濾過助剤層6の剥離を助ける機能に加えて濾過助剤としての濾過性能の向上機能も発揮する。
【0031】
このとき係る特性の濾過助剤としてはセルロースからなる濾過助剤が使用可能であり、第一濾過助剤層7としてセルロースからなる層を用いることが望ましい。
セルロースからなる第一濾過助剤層7は、濾材5と第二濾過助剤層6との間に形成され、清酒濾過処理後のケーク除去の際に濾過助剤層6と一体となって自身が濾材5から容易に剥離し、第二濾過助剤層6の濾材5からの剥離を助ける。
【0032】
この時、当然濾過助剤としての濾過性能の向上効果も同時に発揮する。
この第一濾過助剤層7の厚みは0.5mmから3mmが望ましく、特に2mm程度が一般的である。
また、おりを濾過する場合、おりに濾過助剤としてケイソウ土等をボディフィードすることにより、濾過差圧の上昇を緩和することも可能である。
【0033】
以上のようなケイソウ土等の濾過助剤層を最表面に有した濾過エレメントでは、濾過の進行に伴い、濾過助剤層の上にケークが形成されて、徐々にその径が増大していくことになり、その結果濾過面積が増大するため、初期に有していた濾過能力の低下の程度が少なく、高効率の濾過処理が可能となり、濾過精度が高い。特に、浮遊粒子を多く含み、ケークを形成し易いおりを濾過する場合、その特徴が顕著である。
【0034】
従って、清酒製造におけるおり下げ工程後の清酒の濾過処理において、上澄みの濾過によっても濾過能力の低下は少ないのは言うまでもなく、引続き同一の濾過エレメントを使用して、おりも濾過することができる。
また、清酒の濾過処理の後のケークの処理も、ケークを容易に濾材から引き剥がすことが可能となり、容易であり、濾材の洗浄作業が簡便になる。
【0035】
尚、第一濾過助剤層と第二濾過助剤層については鉄分の含有量を考慮する必要がある。即ち、清酒は最終製品において特有の発色を防ぐため、鉄分の含有量を0.1ppm以下に抑える必要がある。従って、清酒製造にかかる製造関連部材は製造物である清酒に対し極力鉄分を付与しない、溶出をしない物でなければならない。
【0036】
かかる観点から、第一濾過助剤層と第二濾過助剤層の鉄分の含有量は、濾液である清酒の鉄分含有量を0.1ppm以下にする量であることが望ましい。
次に、本発明にかかる第一実施例である濾過エレメント1の製造方法について説明する。
先ず、濾材5を、濾過装置内に垂下し、別に用意した濾過助剤溶解用タンクすなわちプリコートタンクに予め水等の適当な溶媒を入れ、セルロース等の第一濾過助剤層形成用の濾過助剤を分散・懸濁させたものをポンプを用いて、濾過装置内に送液する。
【0037】
そして濾材5を使用して、清酒の濾過処理と同じ濾過処理をこの第一濾過助剤層形成用の濾過助剤の懸濁した溶媒について行なうことになる。得られた濾液はまだ濾過助剤粒子が存在しており、この濾液を再びプリコートタンクに戻すという循環経路を形成することで、濾材5の表面に第一濾過助剤層を形成させる。
次に、ケイソウ土等の第二濾過助剤層6を第一濾過助剤層7の上に形成するが、先の濾過装置およびプリコートタンクを循環運転したまま用い、予め水等の適当な溶媒にケイソウ土等の濾過助剤を分散・懸濁させたものをプリコートタンクに投入し、暫く濾過循環することにより、濾材5上の第一濾過助剤層7の表面にケイソウ土等の第二濾過助剤層6を形成する。
【0038】
それぞれの濾過助剤層の形成の完了は循環時間と浮遊粒子数の測定即ち清澄度で判断する。また、流量は濾過エレメント上に均一に濾過助剤層が得られるように選定する。
従って、濾過処理の直前に、濾材上に第一濾過助剤層と第二濾過助剤層の形成を行い、続いて清酒の濾過処理に使用することが可能である。
【0039】
次に、本発明にかかる第一実施例である濾過エレメント1の使用について、これを用いた清酒用濾過装置の構成と共に説明する。
図2は本発明にかかる第一実施例である濾過エレメントを装着した清酒用濾過装置の構造を説明する断面図である。
第一実施例である濾過エレメントを装着した清酒用濾過装置11は、上澄みとおりに分けられた清酒が供給されるタンク12と、該清酒を濾過するために該タンク12内に垂下され、上端3から得られた濾液がタンク12外へ送出される筒状の上記第一実施例である濾過エレメント1と、タンク12内へ加圧気体を導入する加圧気体導入手段(図示されない)とを有して構成される。
【0040】
そして、タンク12は隔壁13により上部タンク12aと下部タンク12bとに区画されており、濾過エレメント1は取付け部2により隔壁13から下部タンク12b内に垂下されると共に、上端3が隔壁13の設けられた開口部14を通して上部タンク12aに対し開口している。
そして、下部タンク12bの底部には開閉自在な液入口15が設けられ、上部タンク12aの最上部には開閉自在な液出口16が設けられている。また、上部タンク12aと下部タンク12bのそれぞれに開閉の可能な出入口17,18が具備されている。
【0041】
なお、加圧気体導入手段は後に詳述するが、ケーク排出時に液出口16に接続されて加圧気体濾過エレメント1の濾過側(エレメント内部、二次側ともいう)に供給される。
更に、下部タンク12bの底部には、濾過処理により装置内部に形成されるケークを取り出せるように、液入口15を含む底部分の一定面積部分を開口可能とする開閉機構19が設けられている。
【0042】
次に第一実施例である濾過エレメント1を装着した清酒用濾過装置11の使用について具体的に説明する。
図3は第一実施例である濾過エレメントを装着した清酒用濾過装置を使用して行なうおり下げ工程後の清酒の濾過処理を説明する図である。
図3を参照するに、初めに、一本以上の濾過エレメントが焼結金属から構成された濾材5のみからなり、その表面に第一濾過助剤層も第二濾過助剤層も形成されていない以外は本発明の実施例である清酒用濾過装置11と同じ構成を有する濾過装置を準備する。
【0043】
次に、図3(A)に示すように、▲1▼別に濾過助剤溶解タンクすなわちプリコートタンクを用意し、溶媒として水を選択し、第一濾過助剤層7を形成するための濾過助剤として濾液である清酒での鉄含有量を0.1ppm以下に抑制することの可能な、低い鉄分含有量を有するセルロースを使用して、これを分散・懸濁させ、第一のプリコート液を調製し、これを液入口15から下部タンク12bに供給して下部タンク12bを満たし、液出口16から第一のプリコート液を透過・循環させる。このとき第一のプリコート液中の第一濾過助剤層7を形成するための濾過助剤であるセルロースは焼結金属からなる濾材5の表面で捕捉され、濾材5上にセルロースからなる第一濾過助剤層7を形成する。
【0044】
次に、同様に溶媒として水を選択し、濾過助剤として濾液である清酒での鉄含有量を0.1ppm以下に抑制することの可能な、低い鉄分含有量を有するケイソウ土を分散・懸濁させ、第二のプリコート液を調製し、これを液入口15から下部タンク12bに供給して下部タンク12bを満たし、上部タンク12aの液出口16から第二のプリコート液を透過・循環させる。このとき第二のプリコート液中の濾過助剤であるケイソウ土は濾材5上のセルロースからなる第一濾過助剤層7の表面で捕捉され、濾材5の第一濾過助剤層7上にケイソウ土からなる第二濾過助剤層6を形成する。こうして本発明にかかる第一実施例である濾過エレメント1が製造され、それを使用した清酒用濾過装置11が完成する。
【0045】
次に、図3(B)に示すように、▲2▼おり下げ工程により分離された清酒の上澄みを液入口15から下部タンク12bに供給して下部タンク12bを満たし、上部タンク12aの液出口16から透過する。こうして上澄みは濾過される。
次に、図3(C)に示すように、▲3▼おり下げ工程により分離された清酒のおりを液入口15から下部タンク12bに供給して下部タンク12bを満たし、上部タンク12aの液出口16から透過する。ケイソウ土からなる濾過助剤層6の表面にはケーク21が堆積する。こうして、おりは濾過される。
【0046】
次に、図3(D)に示すように、▲4▼清酒用濾過装置11の下部タンク12b内に残留したおりの濾過を完了するため、水を液入口15から下部タンク12bに供給し、下部タンク12b内のおりを押し(水押)、図3(E)に示すように、▲5▼タンク12内が水で満たされたところで、おりの濾過(水押)を完了する。
次に、図3(F)に示すように、▲6▼下部タンク12bの出入口18から加圧気体導入手段(図示されない)を用いて空気を供給し、ケーク21の脱水を行なう。
【0047】
最後に、図3(G)に示すように、▲7▼タンク内を大気圧状態にした後、タンク12の底部分にある開閉機構19を開けて底部分の一定面積を開口し、続いて、加圧気体導入手段(図示されない)を用いて空気を液出口16から瞬間的に導入する。この空気の導入により、セルロースからなる第一濾過助剤層7の存在により隔離が容易となっているケイソウ土からなる第二濾過助剤層6及びその上のケーク21は焼結金属かならる濾材5から剥離され、タンク12外に排出される。
【0048】
こうして、清酒製造におけるおり下げ後の清酒の濾過は終了する。得られた濾液である清酒は、上澄み濾過によるものも、おりの濾過によるものも、それぞれ同様に十分に澄んでおり、不溶物の除去は従来の方法に劣ること無く十分になされていた。
また、清酒濾過後の処理も非常に容易であり、清酒の濾過を繰り返し行なうことが出来た。
【0049】
尚、図4は、本発明にかかる第一実施例である濾過エレメント1を用いた清酒用濾過装置の変形例を示す図であり、清酒用濾過装置の変形例22は、濾過エレメント1を複数本具備した構成を有する。
このように複数の濾過エレメント1を設けることにより、濾過の効率を向上させることが可能である。
【0050】
尚、複数の濾過エレメント1を装置22のタンク23内に設ける場合は、各濾過エレメント1間の間隔について考慮する必要がある。即ち、清酒製造における清酒の濾過においては、特有のおりを濾過する必要があり、濾過エレメント1の表面に堆積するケークの厚みは非常に厚くなる、従って、濾過効率の向上と形成されるケークの厚みを考慮して、濾過エレメント1の本数や間隔や配置を決める必要がある。
【0051】
この場合、おりの生成量は通常の清酒1klあたり10〜40リットル程度が目安である。生成するケークはほとんどが活性炭である。濾過圧の上昇に伴いケークに圧縮が生じるが、最大の活性炭添加量と活性炭の充填密度による最大活性炭容量が濾過装置のスラッジスペースを決定する指針となる。
(実施例2)
図5は、本発明にかかる第二実施例である清酒用濾過エレメントの構造を示す断面図である。
【0052】
本発明にかかる第二実施例である清酒用濾過エレメント31は、清酒製造に係るおり下げ工程により上澄みとおりとに分けられた清酒の濾過に使用する濾過装置のタンク内に垂下され、上端33から濾液が得られる筒状の濾過エレメントである。
そして、濾過前の上澄みとおりとを濾過するための、下端34が塞がれた筒状の濾材35の上に、第二濾過助剤層36を設けると共にその濾材35と濾過助剤層36の間に第一濾過助剤層37を設けた構成を有し、取付け部32によりタンク内に垂下されると共に上端33が塞がれている。
【0053】
そして更に、取付け部32を貫通して取付け部32に垂下され、濾材35の内面と間隔をあけて濾材35の内側に設けられたサイフォン管38を有する。
かかる構成は、濾材35上に第一濾過助剤層37を介して第二濾過助剤層36を有することにより、清酒の製造にかかる清酒の濾過において、同一の濾過エレメントを使用しており下げ後の上澄みとおりとを順次濾過することを可能にする。
【0054】
また、濾材35内にサイフォン管38を有することにより、おり下げ後の上澄み濾過に続くおりの濾過において、以下で説明する濾過装置のタンク内に最終的に残留するおりの濾過と濾液の回収を容易にすることを可能にする。
尚、清酒の濾過に使用する本発明にかかる第二実施例である清酒用濾過エレメント31は、濾材35内にサイフォン管38を有する以外は、濾材、第一濾過助剤層及び第二濾過助剤層等、本発明にかかる第一実施例である清酒用濾過エレメント1と同様の構成を有している。
【0055】
従って、その構成の詳細や効果及びその製造方法に関する説明については、清酒用濾過エレメント1と異なる特徴的な部分のみについて行ない、他の部分については清酒用濾過エレメント1と同様として省略する。
次に、本発明にかかる第二実施例である濾過エレメント31の使用について、これを用いた清酒用濾過装置の構成と共に説明する。
【0056】
図6は本発明にかかる第二実施例である濾過エレメントを装着した清酒用濾過装置の構造を説明する断面図である。
第二実施例である濾過エレメントを装着した清酒用濾過装置41は、上澄みとおりに分けられた清酒が供給されるタンク42と、該清酒を濾過するためにタンク42内に垂下され、上端33であるサイフォン管38の上端部分から得られた濾液がタンク42外へ送出される筒状の上記第二実施例である濾過エレメント31と、タンク42内へ加圧気体を導入する加圧気体導入手段(図示されない)とを有して構成される。
【0057】
そして、タンク42は隔壁43により上部タンク42aと下部タンク42bとに区画されており、濾過エレメント31は取付け部32により隔壁43から下部タンク42b内に垂下されると共に、上端33であるサイフォン管38の上端部分が隔壁43の設けられた開口部44を通して上部タンク42aに対し開口している。
【0058】
そして、下部タンク42bの底部には開閉自在な液入口45が設けられ、上部タンク42aの最上部には開閉自在な液出口46が設けられている。また、上部タンク42aと下部タンク42bのそれぞれに開閉の可能な出入口47,48が具備されている。
更に、下部タンク42bの底部には、濾過処理により装置内部に形成されるケークを取り出せるように、液入口45を含む底部分の一定面積部分を開口可能とする開閉機構49が設けられている。
【0059】
次に第二実施例である濾過エレメント31を装着した清酒用濾過装置41の使用について具体的に説明する。
図7は第一実施例である濾過エレメントを装着した清酒用濾過装置を使用して行なうおり下げ工程後の清酒の濾過処理を説明する図である。
図7を参照するに、初めに、濾過エレメントが焼結金属から構成された濾材35のみからなり、その表面に第一濾過助剤層も第二濾過助剤層も形成されていない以外は本発明の実施例である清酒用濾過装置41と同じ構成を有する濾過装置を準備する。
【0060】
次に、図7(A)に示すように、▲1▼別に用意したプリコートタンクに溶媒として水を選択し、層37を形成するための濾過助剤として濾液である清酒での鉄含有量を0.1ppm以下に抑制することの可能な、低い鉄分含有量を有するセルロースを使用して、これを分散・懸濁させ、第一のプリコート液を調製し、これを液入口45から下部タンク42bに供給して下部タンク42bを満たし、液出口46から第一のプリコート液を透過・循環させる。このとき第一のプリコート液中の第一濾過助剤層37を形成するための濾過助剤であるセルロースは焼結金属からなる濾材35の表面で捕捉され、濾材35上にセルロースからなる第一濾過助剤層37を形成する。
【0061】
次に、同様に溶媒として水を選択し、濾過助剤として濾液である清酒での鉄含有量を0.1ppm以下に抑制することの可能な、低い鉄分含有量を有するケイソウ土を分散・懸濁させ、第二のプリコート液を調製し、これを液入口45から下部タンク42bに供給して下部タンク42bを満たし、上部タンク42aの液出口46から第二のプリコート液を透過・循環させる。このとき第二のプリコート液中の濾過助剤であるケイソウ土は濾材35上のセルロースからなる第一濾過助剤層37の表面で捕捉され、濾材35の第一濾過助剤層37上にケイソウ土からなる第二濾過助剤層36を形成する。こうして本発明にかかる第一実施例である濾過エレメント31が製造され、それを使用した清酒用濾過装置41が完成する。
【0062】
次に、図7(B)に示すように、▲2▼おり下げ工程により分離された清酒の上澄みを液入口45から下部タンク42bに供給して下部タンク42bを満たし、上部タンク42aの液出口46から透過する。こうして上澄みは濾過される。
次に、図7(C)に示すように、▲3▼おり下げ工程により分離された清酒のおりを液入口45から下部タンク42bに供給して下部タンク42bを満たし、上部タンク42aの液出口46から透過する。ケイソウ土からなる第二濾過助剤層36の表面にはケーク51が堆積する。こうして、おりは大部分が濾過される。
【0063】
次に、図7(D)に示すように、▲4▼清酒用濾過装置41の下部タンク42b内に残留したおりの濾過を完了するため、水を液入口45から下部タンク42bに供給し、濾過エレメント31の下端付近までを水で満たして下部タンク42b内のおりを押し(水押)、続いて図7(E)に示すように、▲5▼下部タンク42bの出入口48を開けて今度は上から水を供給し、同様に下部タンク42b内のおりを押す(水押)。こうして水押された下部タンク42b内の残留のおりは濾過エレメント31を通り、サイフォン管38を経由して上部タンク42aの液出口46から回収される。
【0064】
図7(F)に示すように、▲6▼タンク42内が水で満たされたところで、おりの濾過(水押)を完了する。
尚、以上までの各工程において、濾過エレメント31は上澄みやおりを濾過する濾材35の内側にサイフォン管38が設けられているので、タンク42内の上澄み及びおりは濾材35及び第一濾過助剤37及び第二濾過助剤層36により濾過され、サイフォン管38の下端部分から中空部を通って上端部分の開口部44に達し、濾過エレメント31の外部に送出されることになる。このため、下部タンク42b内の水位が下がり濾過エレメント31が露出しても、タンク42内の水位がサイフォン管38の下端に達するまでは濾過が可能となる。
【0065】
従って、図7(E)に示す出入口48から空気を供給して下部タンク42b内に残留するおりを押し、その濾過を完了する事も可能である。また、図7(G)に示すように、以下に続く空気を用いたケークの脱水も可能となる。
次に、図7(G)に示すように、▲7▼下部タンク42bの出入口48から加圧気体導入手段(図示されない)を用いて空気を供給し、サイフォン管38の下端部分から中空部を通って上部タンク42aの液出口46と出入口47から水を排出し、ケーク51の脱水を行なう。
【0066】
次に、図7(H)に示すように、▲8▼下部タンク42bの出入口48から加圧気体導入手段(図示されない)を用いて空気を供給しながら、下部タンク42bの底部分にある液入口48を開き、下部タンク42bの底に溜まった残液をタンク42外に排出し、ケーク51の乾燥を十分に行なう。
最後に、図7(I)に示すように、▲9▼タンク内を大気圧状態にした後、タンク42の底部分にある開閉機構49を開けて底部分の一定面積を開口し、続いて、加圧気体導入手段(図示されない)を用いて空気を液出口46から瞬間的に導入する。この空気の導入により、セルロースからなる第一濾過助剤層37の存在により隔離が容易となっているケイソウ土からなる第二濾過助剤層36及びその上のケーク51は焼結金属かならる濾材35から剥離され、タンク42外に排出される。
【0067】
こうして、清酒製造におけるおり下げ後の清酒の濾過は終了する。得られた濾液である清酒は、上澄み濾過によるものも、おりの濾過によるものも、それぞれ同様に十分に澄んでおり、不溶物の除去は従来の方法に劣ること無く十分になされていた。
また、清酒濾過後の処理も非常に容易であり、清酒の濾過を繰り返し行なうことが出来た。
【0068】
尚、図8は、本発明にかかる第二実施例である濾過エレメント31を装着した清酒用濾過装置の変形例を示す図であり、清酒用濾過装置の変形例52は、濾過エレメント31を複数本装着した構成を有する。
このように複数の濾過エレメント31を設けることにより、濾過の効率を向上させることが可能である。
【0069】
尚、複数の濾過エレメント31を装置52のタンク53内に設ける場合は、各濾過エレメント31間の間隔について考慮する必要がある。即ち、清酒製造における清酒の濾過においては、特有のおりを濾過する必要があり、濾過エレメント31の表面に堆積するケークの厚みは非常に厚くなる、従って、濾過効率の向上と形成されるケークの厚みを考慮して、濾過エレメント31の本数や間隔や配置を決める必要がある。
【0070】
この場合、おりの生成量は通常の清酒1klあたり10〜40リットル程度が目安である。生成するケークはほとんどが活性炭である。濾過圧の上昇に伴いケークに圧縮が生じるが、最大の活性炭添加量と活性炭の充填密度による最大活性炭容量が濾過装置のスラッジスペースを決定する指針となる。
なお、先に説明したとおり、実施例1、2においてボディフィードの手法を合わせて用いることにより、濾過能力を長時間持続することができる。
【0071】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、清酒の濾過において、上澄み用の濾過装置と、おり用の濾過装置とを別個に設ける必要が無くなり、濾過工程を二系列に分割する必要は無くなる。
また、第一濾過助剤層と一体となって第二濾過助剤層の濾材からの剥離が容易となり、濾過の後処理が簡単に行なえるようになる。
【0072】
以上より、濾過処理の精度を低下させること無く、従来の清酒の濾過工程における設備を大幅に簡素化し、また濾過処理にかかる作業を減らし、濾過処理の低コスト化、ひいては清酒製造にかかる高効率化と低コスト化を可能にする。
請求項2記載の発明によれば、上澄み用の濾過装置と、おり用の濾過装置とを別個に設ける必要が無くなり、濾過工程を二系列に分割する必要は無くなる。
【0073】
また、第一濾過助剤層と一体となって第二濾過助剤層の濾材からの剥離が容易となり、濾過の後処理が簡単に行なえるようになる。
以上より、濾過処理の精度を低下させること無く、従来の清酒の濾過工程における設備を大幅に簡素化し、また濾過処理にかかる作業を減らし、濾過処理の低コスト化、ひいては清酒製造にかかる高効率化と低コスト化を可能にする。
【0074】
請求項3記載の発明によれば、上澄み用の濾過装置と、おり用の濾過装置とを別個に設ける必要が無くなり、濾過工程を二系列に分割する必要は無くなる。
また、第一濾過助剤層と第二濾過助剤層とを一体に濾材から剥離することができ、濾材からの濾過助剤層の剥離が容易となり、濾過の後処理が簡単に行なえる。
【0075】
以上より、濾過処理の精度を低下させること無く、従来の清酒の濾過工程における設備を大幅に簡素化し、また濾過処理にかかる作業を減らし、濾過処理の低コスト化、ひいては清酒製造にかかる高効率化と低コスト化を可能にする。
請求項4記載の発明によれば、鉄分による汚染の無い高信頼の濾過処理が可能となり、高品質の清酒の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる第一実施例である清酒用濾過エレメントの構造を示す断面図である。
【図2】本発明にかかる第一実施例である濾過エレメントを装着した清酒用濾過装置の構造を説明する断面図である。
【図3】本発明にかかる第一実施例である濾過エレメントを装着した清酒用濾過装置を使用して行なうおり下げ工程後の清酒の濾過処理を説明する図である。
【図4】本発明にかかる第一実施例である濾過エレメントを装着した清酒用濾過装置の変形例を示す図である。
【図5】本発明にかかる第二実施例である清酒用濾過エレメントの構造を示す断面図である。
【図6】本発明にかかる第二実施例である濾過エレメントを装着した清酒用濾過装置の構造を説明する断面図である。
【図7】本発明にかかる第一実施例である濾過エレメントを装着した清酒用濾過装置を使用して行なうおり下げ工程後の清酒の濾過処理を説明する図である。
【図8】本発明にかかる第二実施例である濾過エレメントを装着した清酒用濾過装置の変形例を示す図である。
【符号の説明】
1,31 清酒用濾過エレメント
2,32 取付け部
3,33 上端
4,34 下端
5,35 濾材
6,36 第二濾過助剤層
7,37 第一濾過助剤層
11,22,41,52 清酒用濾過装置
12,23,42,53 タンク
12a,42a 上部タンク
12b,42b 下部タンク
13,43 隔壁
14,44 開口部
15,45 液入口
16,46 液出口
17,18,47,48 出入口
19,49 開閉手段
21,51 ケーク
38 サイフォン管

Claims (3)

  1. おり下げ工程により上澄みとおりとに分けられた清酒を濾過助剤をプリコートした筒状の濾過エレメントを用いて先ず上澄みを濾過した後引き続いて同濾過エレメントを用いておりを濾過処理する清酒の濾過方法において、
    プリコート層は、前記濾過エレメント上に設けられたセルロースからなる第一濾過助剤層と、更にその上に異なる濾過助剤によって形成された第二濾過助剤層とで構成され、
    濾過するおりには濾過助剤を添加して濾過を行うことを特徴とする清酒濾過方法。
  2. 前記第二濾過助剤層はケイソウ土又はパーライトからなることを特徴とする請求項1に記載の清酒濾過方法。
  3. 前記第一濾過助剤層と前記第二濾過助剤層の鉄分の含有量が、濾液後の清酒に含まれる鉄分含有量を0.1ppm以下にする量であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の清酒濾過方法。
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