JP3979620B2 - 光ピックアップ装置 - Google Patents
光ピックアップ装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3979620B2 JP3979620B2 JP2000136354A JP2000136354A JP3979620B2 JP 3979620 B2 JP3979620 B2 JP 3979620B2 JP 2000136354 A JP2000136354 A JP 2000136354A JP 2000136354 A JP2000136354 A JP 2000136354A JP 3979620 B2 JP3979620 B2 JP 3979620B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- objective lens
- actuator
- base
- pickup housing
- optical pickup
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Moving Of The Head For Recording And Reproducing By Optical Means (AREA)
- Optical Recording Or Reproduction (AREA)
- Optical Head (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は光ピックアップ装置に関し、詳細には光源等を支持するピックアップハウジングと、アクチュエータによって支持された対物レンズとの間に介在する部品点数が多いために精度が悪化したり、剛性が低下したり、或は組み付け作業数が増えて支持剛性が低下するという不具合を解消することができる光ピックアップ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ピックアップ装置は、光源である半導体レーザの発する光束を対物レンズに集光して光スポットを作り、情報記録媒体である光ディスク上に光スポットを形成して、情報の記録、再生、消去を行う。この際に、対物レンズの光軸と光ディスク面とが垂直な位置関係にないと、コマ収差が光スポットに発生し、記録、再生、消去特性が劣化する。
このために、製造段階において対物レンズの傾き調整を行うのが、一般的である。
図8は特開平11−110777号公報に開示された対物レンズの傾き調整を行う機構についての従来例を示す。対物レンズ47は、レンズホルダー70に固定され、調整プレート78に固定されたダイヤフラムバネ80aから延びる4本のバネワイヤ80が2軸支持体79とレンズホルダー70との間に介在することにより、対物レンズは、その光軸方向と光軸直交方向とに移動自在に弾性支持されている。2軸支持体79は、調整プレート78に固定されている。対物レンズ47の光軸の傾き調整は、調整プレート78を傾き調整微動させることにより行われる。図示しないピックアップハウジングには、ヨークベース(アクチュエータベース)74がネジ固定されている。ヨークベース74に設けた立ち上げ部74a、調整プレート78に設けた立ち上げ部78aとの間を半田Sにより接着することにより、前記傾き調整後の対物レンズの傾き位置を固定する。
しかし、上記従来例には、次の問題点がある。
まず、調整プレート78は、直接ピックアップハウジングに固定されていないので、部品点数が増大する。即ち、ヨークベース74と調整プレート78とが必要になる。このように部品点数が増大することにより、部品コスト、組み付け工数が増大する。
また、ヨークベース74をピックアップハウジングに対してネジ締め固定する必要がある為、その分組み付け作業数が増えて生産性が低下するばかりでなく、接続部が増える為支持剛性が低下する。
また、ピックアップハウジングと対物レンズとの間に介在する部品点数が多くなり、部品点数が増大する結果、性能、機能等についての信頼性が低下する。即ち、部品精度の積み上げ数の増大、経時変化する部品点数の増大、温度により形状変形する箇所の増大により、信頼性の低下が著しくなる。特に、部品点数が増大し接続部分が増えることにより対物レンズの支持剛性が劣化することが問題である。特にヨークベースとピックアップハウジングとのネジ締め部分追加により剛性劣化が起き、信頼性が著しく低下する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例では、ピックアップハウジングに直接ヨークベース(アクチュエータベース)を固定していないために、調整プレートと言う新たな部品が格別に必要となる。また、ピックアップハウジングと対物レンズとの間に介在する部品点数が多いために、精度が悪化し、剛性が低下する。また、ピックアップハウジングと調整プレートとの間の固定手段(ネジ締めなど)が必要になり、その分組み付け作業数が増えて、支持剛性が低下する、という欠点があった。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、対物レンズの傾き調整後に、ピックアップハウジングに対してアクチュエータベースを固定する手段として半田等の接着剤を用いることにより、部品点数を削減することを課題とする。また、光ピックアップ装置を薄型化し、かつアクチュエータベースの部品精度を向上させることを課題とする。
即ち、請求項1に記載の発明は、対物レンズを弾性支持する部品を、ピックアップハウジングに直接接着することを可能にすることで、上記主目的を実現し、かつ光ピックアップ装置を薄型化することを目的とする。
請求項2記載の発明は、対物レンズを弾性支持する部品を、ピックアップハウジングに直接接着することを可能にすることで、上記主目的を実現し、かつ光ピックアップ装置を薄型化し、アクチュエータベースの部品精度を向上させることを目的とする。
請求項3記載の発明は、対物レンズの傾き調整を簡易化することを目的とする。
請求項4記載の発明は、対物レンズを弾性支持する部品を、ピックアップハウジングに直接接着することを可能にすることで、上記主目的を実現することを目的とする。
請求項5記載の発明は、対物レンズを弾性支持する部品を、ピックアップハウジングに直接接着することを可能にすることで、上記主目的を実現することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
情報記録媒体に光スポットを形成して情報記録媒体に対する情報の記録、再生を行う光ピックアップ装置であって、光源からの光束を集光して前記情報記録媒体上に前記光スポットを形成するための対物レンズと、該対物レンズを保持する対物レンズアクチュエータと、前記対物レンズに光束を供給する前記光源と、当該光源を保持するピックアップハウジングと、からなる光ピックアップ装置において、前記対物レンズの光軸と直交する方向で前記ピックアップハウジングの適所に複数のピンを突設し、前記対物レンズアクチュエータは、前記対物レンズと、該対物レンズを保持するレンズホルダーと、該レンズホルダーを支持する弾性支持部材と、該弾性支持部材の基部を固定するステムと、該ステムを固定するアクチュエータベースと、からなり、前記アクチュエータベースは、後端に立上げ部分を有する板金であり、前記立上げ部分の端部に切欠き状の複数の開口部を設け、前記ピックアップハウジングに前記対物レンズアクチュエータを組み付けた時に前記各開口部と前記各ピンを嵌合した状態で各開口部内に接着剤を充填して前記アクチュエータベースを前記ピックアップハウジングに接着固定する光ピックアップ装置を特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の光ピックアップ装置において、情報記録媒体に光スポットを形成して情報記録媒体に対する情報の記録、再生を行う光ピックアップ装置であって、光源からの光束を集光して前記情報記録媒体上に前記光スポットを形成するための対物レンズと、該対物レンズを保持する対物レンズアクチュエータと、該対物レンズに光束を供給する前記光源と、該光源を保持するピックアップハウジングと、からなる光ピックアップ装置において、前記対物レンズの光軸と直交する方向で前記ピックアップハウジングの適所に複数のピンを突設し、前記対物レンズアクチュエータは、前記対物レンズと、該対物レンズを保持するレンズホルダーと、該レンズホルダーを支持する弾性支持部材と、該弾性支持部材の基部を固定するステムと、該ステムを固定するアクチュエータベースと、からなり、前記アクチュエータベースは、後端に立上げ部分を有する板金であり、前記立上げ部分の屈曲部分に複数の開口部を設け、前記ピックアップハウジングに前記対物レンズアクチュエータを組み付けた時に前記各開口部と前記各ピンを嵌合した状態で各開口部内に接着剤を充填して前記アクチュエータベースを前記ピックアップハウジングに接着固定する光ピックアップ装置を特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載の光ピックアップ装置において、前記対物レンズから見て前記情報記録媒体とは反対側位置となる前記アクチュエータベース部分に複数の突起部を設けた光ピックアップ装置を特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3の何れか一項に記載の光ピックアップ装置において、前記ピンは半田接着可能な材料から構成され、前記接着剤は半田である光ピックアップ装置を特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1乃至3の何れか一項に記載の光ピックアップにおいて、前記ピンは、半田接着可能な材料でメッキされ、前記接着剤は半田である光ピックアップ装置を特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
図1(a) は本発明の一実施形態に係る光ピックアップ装置を構成する対物レンズアクチュエータの一例の全体構成を示す斜視図、(b) はその平面図である。
対物レンズ165は、レンズホルダー170に固定されている。レンズホルダー170には、対物レンズ光軸方向(以下、フォーカシング方向、という)に推力を得るためにフォーカシングコイル171、フォーカシング方向に直交した方向(以下、トラッキング方向、という)に推力を得るためにトラッキングコイル172が夫々固定されている。より詳細には、これらのコイル171、172を固定するボビン173をレンズホルダー170に固定している。これらのコイル171、172に磁束を供給して推力を得るために、2つの磁石175が底部を構成するアクチュエータベース174に設けたヨーク176に固定されている。さらに、2つのヨーク176をトップヨーク177で連結している。レンズホルダー170は、4個のダイヤフラムバネ180aから夫々延びる4本のワイヤー(弾性支持部材)180を介して、アクチュエータベース174に固定されたステム179に弾性支持されている。以上の構成により対物レンズ165は、アクチュエータベース174に対して、フォーカシング方向とトラッキング方向に関して移動自在に弾性支持されており、かつ、コイル175、176に給電することにより、2方向に駆動推力を得ることが可能である。
上記構成部品から成る対物レンズアクチュエータ160は、その底部を構成するアクチュエータベース174の直下位置にあるピックアップハウジング210により支持されている。
対物レンズアクチュエータ160の近傍には図示しないスピンドルモータにより回転自在に支持されたターンテーブルが設けられており、ターンテーブルによって図示しない光ディスクの中心部を支持してこれを回転させる。対物レンズ165からの光軸が光ディスクの面に対して直交するように対物レンズの傾きを微動調整する必要がある為、製造工程において傾き調整が行われる。
【0006】
本発明においては、ピックアップハウジング210と対物レンズアクチュエータ160との間の簡単な調整のための機構を利用して、簡単な操作によって対物レンズの傾きを調整可能としている。
即ち、ピックアップハウジング210には、ピン200が所定の配置で2か所突設されている。各ピン200の位置に対応して、アクチュエータベース174には2つの開口部201が設けてある。開口部201の径、形状は、ピン200を嵌合した際に十分な余裕を有するように設定されている。この例では、開口部201は前後方向へ長い長穴(楕円形)状である。
なお、開口部201は、ほぼ矩形の対物レンズアクチュエータ160に対して、張り出し部状のアクチュエータベース174上に左右対称位置に形成されている。
ピックアップハウジング210に対して、対物レンズアクチュエータ160(アクチュエータベース174)を傾斜調整することにより、対物レンズ165の傾きを調整し、対物レンズの光軸を情報記録媒体面と直交させる調整を行うが、この調整操作後に、ピン200と開口部201との間の空間に半田、導電性接着剤等の接着剤(バインダ)を流し込んで固定する。図2は、接着剤203を開口部201内に充填して固定した後の状態を示す。
このように対物レンズ165の傾きを調整操作した後に、ピックアップハウジング210に対してアクチュエータベース174(対物レンズアクチュエータ)を固定する手段として半田等の接着剤を用いることにより、部品点数を削減することができる。また、対物レンズを弾性支持する部品を、ピックアップハウジングに直接接着することにより、部品点数を減らし、ピックアップハウジングと対物レンズとの間に介在する部品点数を低減して、精度を高め、剛性を高めることができる。また、調整プレート等の余計な部品が不要となる為、ピックアップハウジングと調整プレートとの間の固定手段(ネジ締めなど)が不要になり、その分組み付け作業数を減少し、支持剛性を向上することができる。
【0007】
次に、光ピックアップ装置は、光ディスクの半径方向に移動して、光ディスクの任意の半径位置に対して情報の記録、再生、消去を行う為に、軽量化して、高速に移動できるようにする必要がある。また、光ピックアップに搭載されている光源である半導体レーザは、温度上昇により寿命が低下するから、ピックアップハウジングを高熱伝導率な材質で作り放熱を促進してやる必要がある。さらに、各種光学部品を搭載し位置決めするので、高い加工精度が要求される。
以上の理由から、アクチュエータベース174等を支持するピックアップハウジング210を、軽量で熱伝導率が高く加工精度がよいアルミダイキャストや亜鉛ダイキャスト、マグネシューム合金で作ることが好ましい。これらの材質は、半田の着きが悪い(半田とのなじみが悪い)。
また、アクチュエータベース174は、磁気回路に使用されるので、鉄により構成されている。図1で説明したように、ピン200と開口部201とを接着する手段として半田を用いる場合、経時硬化型接着剤や紫外線硬化型接着剤を用いる場合と比べて、作業時間が少なく、温度をかける、紫外線を照射する等の特別な接着剤硬化工程が不要であるという利点がある。しかしながら、既に説明したように、ピックアップハウジング210に用いられる材質は、軽量で熱伝導率が高く加工精度がよい一方で半田の着きが悪い材質である。
このような問題に対処する為に、本発明では、ピン200の材質として、銅、黄銅、金等、半田との接着性が良好な材料を選定している。即ち、ピン200だけをピックアップハウジング210とは異なる材質のものを用いる。
従って、上記各材質から成るピン200が開口部201内に嵌合するように位置決めした後で、開口部201内に半田を充填して固化させることにより、確実な固着が行われる。
なお、ピン200の基材の材質が半田とのなじみの悪い材質であっても、その表面に錫、半田などの半田接着可能な材料をメッキしてもよい。これにより、ピン200と開口部201とを接着する接着剤に半田を使用できる。
【0008】
次に、図3は他の実施形態であり、この実施形態では、ピックアップハウジング210から突出するピン200の突出方向が対物レンズの光軸と平行であったが、この実施形態ではピン200は対物レンズの光軸と直交する方向へ突出している。
即ち、図3に示すようにアクチュエータベース174の後端縁には、略直角に折り曲げられた立上げ部212が設けてある。さらに、立上げ部212には、貫通孔或は切欠き部等から成る開口部215が少なくとも2個所設けてある。ピックアップハウジング210は、立上げ部212と対面するように垂直な壁210aを有し、この垂直な壁210aからは前方へ向けて2本のピン211が一体的に突設されている。各ピン211は各開口部215と対応しており、各開口部215内に各ピン211が嵌合する。
なお、立ち上げ部212は、弾性支持部材としてのワイヤー180の基部(180a)を支持する手段でもある。
2本のピン211の材質は、例えば銅、黄銅、金などの半田接着可能な材質か、あるいは、半田接着しにくい金属の表面に錫、半田などをメッキしたものであってもよい。
ピックアップハウジング210に対する対物レンズアクチュエータ160の位置関係を傾斜微動調整して、対物レンズ165の傾きを調整した後に、ピン211と開口部215との間の空所に溶融半田を流し込んで固定する。このような構成にすれば、図2の例のようにアクチュエータベース174の下面に沿ってピックアップハウジングを配置する必要がない。つまり、対物レンズ165の厚み方向にピックアップハウジングを配置する必要がなく、対物レンズ165の直径方向にのみピックアップハウジングを存在させればよいので、光ピックアップ装置の薄型化が可能である。
【0009】
次に、図4は本発明の他の実施形態に係る光ピックアップ装置の要部(アクチュエータベース、レンズホルダ等から成る対物レンズアクチュエータ160)を底面から見た図である。
後端に立ち上げ部212を有したアクチュエータベース174の底面には、円形突起(被保持部分)220が4つ設けてある。ロボットアーム等の図示しない治具によってアクチュエータベースの底面と立上げ部212を保持してこの部品の移載、組み付け作業等を実施する際に、治具に設けた穴を円形突起220に嵌合させて位置決めした上で、アクチュエータベース174に設けた立上げ部212を軸の保持手段によって保持する。対物レンズ165の傾き調整作業は、対物レンズにより形成される光スポットの観察、あるいは、再生信号などの信号特性観察によって傾き誤差を測定した上で行っている。前者の場合は、対物レンズ近傍に顕微鏡レンズを設置し、後者の場合は、対物レンズの近傍に光ディスクを設置する必要があるが、いずれの場合も、対物レンズ近傍にアクチュエータベース(対物レンズアクチュエータ)を保持する治具を差し込む為の十分なスペースがないので、アクチュエータベースを保持する為の治具(ロボットアーム)の省スペース化が必要である。本発明によれば、円形突起220を利用してアクチュエータベースを保持する治具をアクチュエータベース下面に設置できるので、アクチュエータベースを保持する治具のためのスペースが充分確保される。
なお、アクチュエータベース174の底面に設ける突起としては、円形突起に限らず、治具による保持が可能な突起であればどのような突起であってもよい。
【0010】
次に、図5は図4のアクチュエータベースをA方向から見た図であり、立上げ部212の上端縁212aから下向きに設けた切欠き状の開口部215は、ピックアップハウジング210に設けたピン211(図3参照)の挿入をガイドする入口のガイド部分215Bと、ピン211と半田接着される内奥の被接着部分215Aからなる。
アクチュエータベース174(対物レンズアクチュエータ160)をピックアップハウジング210に組み付けるに際しては、対物レンズ165の光軸方向下側からピックアップハウジング210のピン211に対して開口部215を嵌合させる操作を行う。その際には、ピン211は、開口部215のガイド部分215Bから挿入される。このようにしてアクチュエータベース174をピックアップハウジング210に挿入した後に、アクチュエータベース174の傾斜微動調整を行い、その後対物レンズの傾き調整を実施した後に、ピン211と開口部215の被接着部分215Aとを半田接着する。
この実施形態では、開口部入口のガイド部分215Bに向けてピン211を上から下向きに移動するだけでピンは開口部内に嵌合し、ピックアップハウジングにアクチュエータベースを挿入することが可能となり、組みつけが容易となる。さらに、ピックアップハウジングに対物レンズアクチュエータを挿入する際のアクチュエータベースの移動軌跡が最小であるので、光ピックアップ装置の小型化、薄型化が可能となる。
図6は本発明の他の実施形態に係る光ピックアップ装置の要部構成(対物レンズアクチュエータ)を説明する平面図であり、この実施形態の対物レンズアクチュエータはその平面形状がほぼ長方形であり、その底部を構成するアクチュエータベース174には、2つの張り出し部174A、174Bが左右非対称状、換言すれば対角状に配置されており、各張り出し部上には夫々開口部250,251が貫通形成されている。各開口部250、251にピックアップハウジング210の上面に設けた各ピン200を挿入し、半田接着する。このように、半田接着箇所としての開口部250、251が対角状に設けられているので、ピックアップハウジング210に対するアクチュエータの支持剛性が高くなる。つまり、図3、図4にて説明した他の実施形態の場合は、アクチュエータベース174がその後端の立上げ部212のみを片持ち状態で支持されているので支持剛性が低いが、本実施形態では対角状に配置した2つの開口部250、251を利用して固定しているので、支持安定性が高い。
対物レンズアクチュエータは、対物レンズ165を高精度にフォーカス方向、トラッキング方向に位置決めするので、アクチュータベース174が微動してしまうと、対物レンズの位置が動いてしまう。対物レンズアクチュエータ内に設けられたコイルに発生する反力はアクチュエータベースに伝わるので、アクチュエータベースはピックアップハウジング210に対して高い支持剛性で保持されている必要がある。本発明によれば、アクチュエータベースをピックアップハウジング210に対して高い支持剛性で保持することが可能である。
【0011】
次に、図7は本発明の他の実施形態に係るアクチュエータベース174の底部斜視図であり、図4、図5の例と同様にアクチュエータベース174の底面には円形突起220が設けられている(図7では円形突起2つ図示されているが、他の2つが省略されており、図4の場合と同様に合計4つある)。符号176はヨークであり、2つある内の1方を図示してある。
既に説明したように、対物レンズ165を保持するレンズホルダー170は、4本のワイヤー180を介してステム179に保持される。符号212は、ステム179を固定する為の立上げ部である。アクチュエータベース174の底面から立上げ部212にかけては長穴状の開口部215を設けてある。鎖線で示したピックアップハウジング210に設けた各ピン211を各開口部215内に挿入して、半田等の接着剤により接着固定する。
このように、立上げ部212の根元(屈曲部)に開口部215を設けたので、立上げ部212の折り曲げ加工時に折り曲げる部分が少なくなり、折り曲げ精度が向上する。立上げ部212はステム179を保持する部分であるので、高い折り曲げ精度が要求される。つまり、対物レンズ165の位置精度は、折り曲げ部212の精度に依存する。従って、立上げ部212の折り曲げ角度の精度が大きく変動する場合、対物レンズの位置、傾斜量が変動し、対物レンズの位置の変動は、ピックアップハウジング210に設けられている光源から発せられる光束の光軸と対物レンズの光軸とのずれを惹起し、対物レンズの傾斜量の変動は、傾き調整時の調整ストロークの増大を招く。
従って、立上げ部212を屈曲させる際に折り曲げ部に開口部215があることにより、折り曲げ面積が少なくなり、折り曲げ精度が向上し、上記不具合を一挙に解消できる。
【0012】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、対物レンズの傾き調整後に、ピックアップハウジングに対してアクチュエータベースを固定する手段として半田等の接着剤を用いることにより、部品点数を削減する等の効果を奏することができる。
即ち、請求項1の発明は、ピックアップハウジングの上面等に複数のピンを突設すると共に、対物レンズアクチュエータの底部を構成するアクチュエータベ−スの張り出し部に設けた複数の開口部内に前記ピンを嵌合して対物レンズの傾斜量の調整を行った上で、複数のピンと開口部との間に接着剤を充填してアクチュエータベースをピックアップハウジングに接着固定したので、対物レンズを弾性支持する部品をピックアップハウジングに直接接着することが可能になり、中間部材が不要となり、部品点数を削減することが可能となる。
また、ピックアップハウジングのピンは、対物レンズの光軸と直交する方向へ突出しているので、アクチュエータベースの下面にピックアップハウジングが存在する必要がなく、光ピックアップの薄型化が可能となる。
請求項2の発明は、ピックアップハウジングの上面等に複数のピンを突設すると共に、対物レンズアクチュエータの底部を構成するアクチュエータベ−スの張り出し部に設けた複数の開口部内に前記ピンを嵌合して対物レンズの傾斜量の調整を行った上で、複数のピンと開口部との間に接着剤を充填してアクチュエータベースをピックアップハウジングに接着固定したので、対物レンズを弾性支持する部品をピックアップハウジングに直接接着することが可能になり、中間部材が不要となり、部品点数を削減することが可能となる。
また、ピックアップハウジングのピンは、対物レンズの光軸と直交する方向へ突出しているので、アクチュエータベースの下面にピックアップハウジングが存在する必要がなく、光ピックアップの薄型化が可能となる。
また、対物レンズアクチュエータのアクチュエータベースは、少なくとも弾性支持部材(4本のワイヤー)を固定したステムを固定する板金であって立上げ部を後部に有し、開口部は、立上げ部の根本(屈曲部)に設けたので、立上げ部分の折り曲げ加工の曲げ精度が向上し、対物レンズの保持位置精度の高精度化が可能となる。つまり、アクチュエータベースの部品精度を向上させることができる。
請求項3の発明は、対物レンズの傾き調整時には、対物レンズ周辺に顕微鏡あるいは調整基準ディスクがある為に、対物レンズアクチュエータを保持する治具を差し込む空スペースが少ない。そこで、対物レンズの光軸と情報記録媒体とが直交するべく、ピックアップハウジングに対して対物レンズアクチュエータの傾き調整を行うために、アクチュエータベース底面に被保持部分を設けた。この被保持部分は、対物レンズに対して情報記録媒体と反対側位置に設けたので、傾き調整時にアクチュエータベースを保持する治具は、対物レンズと反対側(アクチュエータベース底面)にあればよく、対物レンズ周辺に治具を差し込む空スペースが不要となり、傾き調整が容易となる。
請求項4の発明は、ピックアップハウジングに設けたピンを、銅、黄銅、金などの半田接着可能な材料から構成したので、接着剤を半田とした場合に、簡単な構造で、対物レンズを弾性支持する部品をピックアップハウジングに直接接着することが可能になり、中間部材が不要となり、部品点数を削減することが可能となる。
請求項5の発明は、ピックアップハウジングのピンとして半田接着不良の材料を用いたとしてもその表面に錫、半田などの半田接着可能な材料をメッキするので、接着剤として半田を用いた場合に、簡単な構造で、対物レンズを弾性支持する部品をピックアップハウジングに直接接着することが可能になり、中間部材が不要となり、部品点数を削減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a) は本発明の一実施形態に係る光ピックアップ装置の一例の全体構成を示す斜視図、(b) はその平面図。
【図2】接着剤を開口部内に充填して固定した後の状態を示す図。
【図3】本発明の他の実施形態に係る対物レンズアクチュエータ及びピックアップハウジングの構成説明図。
【図4】本発明の他の実施形態に係る対物レンズアクチュエータの平面図。
【図5】本発明の他の実施形態に係る対物レンズアクチュエータの後面図。
【図6】本発明の他の実施形態に係る対物レンズアクチュエータの平面図。
【図7】本発明の他の実施形態に係るアクチュエータベースの斜視図。
【図8】従来例の説明図。
【符号の説明】
160 対物レンズアクチュエータ、165 対物レンズ、170 レンズホルダー、171 フォーカシングコイル、172 トラッキングコイル、173 ボビン、174 アクチュエータベース、175 磁石、176 ヨーク、177 トップヨーク、179 ステム、180 ワイヤー、180a ダイヤフラムバネ,200 ピン、201 開口部、203 接着剤、210 ピックアップハウジング、212 立上げ部、215 開口部、215A 被接着部分、215B ガイド部分、250、251 開口部。
Claims (5)
- 情報記録媒体に光スポットを形成して情報記録媒体に対する情報の記録、再生を行う光ピックアップ装置であって、光源からの光束を集光して前記情報記録媒体上に前記光スポットを形成するための対物レンズと、該対物レンズを保持する対物レンズアクチュエータと、前記対物レンズに光束を供給する前記光源と、当該光源を保持するピックアップハウジングと、からなる光ピックアップ装置において、
前記対物レンズの光軸と直交する方向で前記ピックアップハウジングの適所に複数のピンを突設し、
前記対物レンズアクチュエータは、前記対物レンズと、該対物レンズを保持するレンズホルダーと、該レンズホルダーを支持する弾性支持部材と、該弾性支持部材の基部を固定するステムと、該ステムを固定するアクチュエータベースと、からなり、
前記アクチュエータベースは、後端に立上げ部分を有する板金であり、
前記立上げ部分の端部に切欠き状の複数の開口部を設け、前記ピックアップハウジングに前記対物レンズアクチュエータを組み付けた時に前記各開口部と前記各ピンを嵌合した状態で各開口部内に接着剤を充填して前記アクチュエータベースを前記ピックアップハウジングに接着固定することを特徴とする光ピックアップ装置。 - 情報記録媒体に光スポットを形成して情報記録媒体に対する情報の記録、再生を行う光ピックアップ装置であって、光源からの光束を集光して前記情報記録媒体上に前記光スポットを形成するための対物レンズと、該対物レンズを保持する対物レンズアクチュエータと、該対物レンズに光束を供給する前記光源と、該光源を保持するピックアップハウジングと、からなる光ピックアップ装置において、
前記対物レンズの光軸と直交する方向で前記ピックアップハウジングの適所に複数のピンを突設し、
前記対物レンズアクチュエータは、前記対物レンズと、該対物レンズを保持するレンズホルダーと、該レンズホルダーを支持する弾性支持部材と、該弾性支持部材の基部を固定するステムと、該ステムを固定するアクチュエータベースと、からなり、
前記アクチュエータベースは、後端に立上げ部分を有する板金であり、
前記立上げ部分の屈曲部分に複数の開口部を設け、前記ピックアップハウジングに前記対物レンズアクチュエータを組み付けた時に前記各開口部と前記各ピンを嵌合した状態で各開口部内に接着剤を充填して前記アクチュエータベースを前記ピックアップハウジングに接着固定することを特徴とする光ピックアップ装置。 - 前記対物レンズから見て前記情報記録媒体とは反対側位置となる前記アクチュエータベース部分に複数の突起部を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の光ピックアップ装置。
- 前記ピンは半田接着可能な材料から構成され、前記接着剤は半田であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の光ピックアップ装置。
- 前記ピンは、半田接着可能な材料でメッキされ、前記接着剤は半田であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の光ピックアップ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000136354A JP3979620B2 (ja) | 2000-05-09 | 2000-05-09 | 光ピックアップ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000136354A JP3979620B2 (ja) | 2000-05-09 | 2000-05-09 | 光ピックアップ装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001319343A JP2001319343A (ja) | 2001-11-16 |
JP3979620B2 true JP3979620B2 (ja) | 2007-09-19 |
Family
ID=18644307
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000136354A Expired - Lifetime JP3979620B2 (ja) | 2000-05-09 | 2000-05-09 | 光ピックアップ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3979620B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20030062895A (ko) * | 2002-01-21 | 2003-07-28 | 삼성전기주식회사 | 위치 조정 기능을 갖는 광픽업 액추에이터 |
US7272840B2 (en) | 2002-08-24 | 2007-09-18 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Objective lens driving apparatus used with an optical pickup |
-
2000
- 2000-05-09 JP JP2000136354A patent/JP3979620B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001319343A (ja) | 2001-11-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR20010093031A (ko) | 광 픽업 엑츄에이터 | |
KR100702636B1 (ko) | 2축 액추에이터, 광학 부품 및 광학 디스크 장치 | |
US20010028621A1 (en) | Optical pickup apparatus | |
JP3979620B2 (ja) | 光ピックアップ装置 | |
JPH11306570A (ja) | 対物レンズ駆動装置 | |
KR20030005290A (ko) | 대물렌즈 구동장치 및 대물렌즈 구동장치를 이용한광학픽업 장치 | |
JP3306197B2 (ja) | 対物レンズ駆動装置 | |
JP3999143B2 (ja) | 微小位置調整装置 | |
KR20050024219A (ko) | 광픽업 장치, 광디스크 장치 및 광픽업 조정 방법 | |
JP4217217B2 (ja) | 光学素子の支持装置およびその製造方法、製造装置 | |
JP3570129B2 (ja) | 光ピックアップモジュール | |
JP3521540B2 (ja) | 光学ピックアップ装置 | |
JPH11232679A (ja) | 光学式ピックアップ | |
JP4239762B2 (ja) | 光ピックアップ装置及び光ディスク装置 | |
JP3831603B2 (ja) | 光学ヘッド装置 | |
JP3413736B2 (ja) | 二軸アクチュエータ | |
KR100403145B1 (ko) | 일체형 광 픽업 액츄에이터의 제작방법 | |
KR100503009B1 (ko) | 광픽업장치의 액추에이터 스큐조정장치 및 방법 | |
JP3481106B2 (ja) | ピックアップ装置 | |
JP2005085299A (ja) | 光ディスク装置及びその光ピックアップ調整方法 | |
JP2001056951A (ja) | 部品取付構造及び光ピックアップ装置 | |
JP2006277853A (ja) | 対物レンズ駆動装置とその製造方法 | |
JPH1069655A (ja) | 光ピックアップ | |
JP2005327420A (ja) | 光学式ピックアップの対物レンズ支持機構 | |
JP2004133992A (ja) | 対物レンズのアクチュエータおよびその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050126 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20050315 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060706 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060724 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060922 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070313 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070514 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070612 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070625 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100706 Year of fee payment: 3 |