JPH1069655A - 光ピックアップ - Google Patents

光ピックアップ

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Publication number
JPH1069655A
JPH1069655A JP22631596A JP22631596A JPH1069655A JP H1069655 A JPH1069655 A JP H1069655A JP 22631596 A JP22631596 A JP 22631596A JP 22631596 A JP22631596 A JP 22631596A JP H1069655 A JPH1069655 A JP H1069655A
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JP
Japan
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elastic member
plate
collecting means
light
optical pickup
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Application number
JP22631596A
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English (en)
Inventor
Susumu Uragami
進 浦上
Toshio Mitsuyasu
利夫 光安
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ローリングやピッチング、ヨーイングに対す
る剛性が高く、ワイヤをステータに取り付ける際に接着
や半田付け等を行わなくて良い、従って熱や体積収縮の
問題が発生しない、信頼性の高い、高性能な光ピックア
ップを提供することを目的とする。 【解決手段】 弾性部材103はステータ104もしく
はレンズホルダ102の少なくとも一方にモールドされ
ているという構成を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術の分野】本発明は、コンピュータ等
の外部記憶装置として用いられる光ディスクドライブや
音楽用再生の光ディスク装置等に用いられる光ピックア
ップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】以下に従来の光ピックアップについて説
明する。図6は従来の光ピックアップ対物レンズ駆動装
置の平面図、図7(a)は図6の対物レンズ駆動装置の
X−X線断面図、図7(b)は図6の対物レンズ駆動装
置のY−Y線断面図である。
【0003】図において、1は対物レンズ保持筒で、情
報を記録された光ディスク2にレーザ光3を集光するた
めの対物レンズ4が接着剤等の手段によって固定されて
いる。また、対物レンズ保持筒1には、フォーカス方向
(光ディスク2の面に垂直な方向)とトラッキング方向
(光ディスク2の半径方向)に動作するためのフォーカ
スコイル5、トラッキングコイル6が接着剤等の手段に
よって固定されている。7a、7bは対物レンズ保持筒
1をフォーカス方向及びトラッキング方向に駆動するた
めの磁気回路を構成する永久磁石であって、対物レンズ
4側にN極、反対側にS極が着磁されている。情報を記
録された光ディスク2は、スピンドルモータ等(図示省
略)によって回転する。
【0004】8は対物レンズ保持筒1を中立位置に保持
する導電性の線状弾性部材で、フォーカスコイル5及び
トラッキングコイル6に電力を供給している。また、マ
グネット7a、7bによって磁気的吸引力が働かないよ
うに非磁性の弾性部材である。9は対物レンズ保持筒1
の両側に接着剤等の手段によって取り付けられている中
継基板であって、フォーカスコイル5とトラッキングコ
イル6とに線状弾性部材8より電力を供給するための中
継の基板であり、中継基板9上の各々のパターンが個々
の線状弾性部材8に導電するように一端を半田付けによ
って接続されている。
【0005】10はサスペンションホルダーであって、
一端に電力を供給するためのFPC(図示省略)が接着
剤等によって固定され、さらに、対物レンズ4とは反対
側の位置で線状弾性部材8が半田付けによって固定され
ている。また、サスペンションホルダー10は、光ディ
スク2の内周から外周まで移動可能なキャリッジ11に
固定されている。12はダンピング部材であって、対物
レンズ保持筒1を含む光学的可動部(アクチュエータ)
と線状弾性部材8とで構成される系が有する一次共振の
Q値を抑えるために用いられ、ダンピング部材12には
シリコンゲル等の低粘度の材料から選択される。
【0006】以上のように構成された対物レンズ駆動装
置について、その動作を説明する。まず、電源からFP
C(図示省略)を経て、線状弾性部材8及び中継基板9
を介してフォーカスコイル5及びトラッキングコイル6
に電力が供給される。フォーカスコイル5及びトラッキ
ングコイル6に流れる電流は、永久磁石7a、7bが発
生する磁界を受けフレミングの左手の法則に従って、そ
れぞれフォーカスコイル5及びトラッキングコイル6に
力が作用し、対物レンズ保持筒1を含む光ピックアップ
の可動部(アクチュエータ)が駆動される。この各々の
コイルに流れる電流の方向と大きさを制御することによ
り、対物レンズ4によってレーザ光3を集光させた光学
スポットを光ディスク2に常時合焦させ、かつ光ピット
のトラックに追従(微少トラッキング)するように制御
している。また、電力の供給を停止すると、線状弾性部
材8のバネ力でフォーカス方向及びトラッキング方向に
対し常に中立位置に戻るようになっている。
【0007】13は光学ユニットであって、レーザ光3
の発光素子と受光素子を備え、光学ユニット13から発
光したレーザ光3はホログラムを構成した光学部品13
aを通り、多層膜コーティングされた立ち上げミラー1
4の表面で完全反射し、対物レンズ4によって集光さ
れ、光ディスク2に光学スポットを結像する。また、光
ディスク2から反射したレーザ光3は逆に立ち上げミラ
ー14で反射し、ホログラムを構成した光学部品13a
を通過し、受光素子(図示省略)に集光される。受光素
子(図示省略)により電気信号に変換された受光信号に
基づき、対物レンズ4を光ディスク2に合焦させ、かつ
光ピットのトラックに追従するように制御する。
【0008】次に、以上のような光ピックアップの組立
て方法について図に従って説明する。図8は中継基板と
線状弾性部材との接続工程の説明図、図9はサスペンシ
ョンホルダーと線状弾性部材との組み合わせ工程の説明
図、および、図10は線状弾性部材の接続完了工程の説
明図である。
【0009】まず図8において、対物レンズ保持筒1を
含めた可動部(アクチュエータ)を治具A15に取り付
け、給電用のFPC(図示省略)を接着等の手段によっ
て張り付けたサスペンションホルダー10を治具B16
に取り付ける。さらに線状弾性部材8は治具C17にエ
アー吸着等の手段によって、4本の線状弾性部材8が各
々平行になるように取り付けられている。
【0010】この、初期状態では、サスペンションホル
ダー10が線状弾性部材8に接触しない位置まで治具B
16をW方向に後退させ、治具C17を対物レンズ保持
筒1を含めた可動部(アクチュエータ)側に所定の位置
まで近づける。この状態の時、可動部(アクチュエー
タ)側の中継基板9に線状弾性部材8を半田付けによっ
て4箇所固定する。
【0011】次に治具C17から線状弾性部材8の保持
を解除させる。この状態では可動部(アクチュエータ)
の中継基板9に線状弾性部材8は固定されているため落
下することはない。
【0012】次に図9において、治具B16をW方向に
移動させ所定の位置にセットする。このとき線状弾性部
材8の先端は、サスペンションホルダー10に構成され
た小穴10aを貫通している。
【0013】次に図10において、サスペンションホル
ダー10の小穴10aを貫通した線状弾性部材8を半田
付けし、円錐状の空間部をダンピング部材12で充填す
ることで組み立てられている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の光ピックアップに用いられていた4本の線状弾性部
材を用いたアクチュエータにおいては、サスペンション
の組立精度を高くできないため、ローリングやピッチン
グ(面振れ、フォーカス系の二次共振)、ヨーイング
(偏心、トラッキング系の二次共振)等の振動特性のば
らつきが大きい。またアクチュエータの駆動に伴う対物
レンズの傾斜が大きい等の問題点を有していた。
【0015】また、サスペンションホルダと線状弾性部
材との固定に接着や半田付け等の方法を用いていたた
め、接着を用いた場合には硬化収縮が大きいため接着剤
の使用量の管理や硬化中の位置ズレなどの問題が比較的
大きな組立誤差を伴うという問題点や接着剤塗布や硬化
に時間がかかるため組立工数が増加するという問題点を
有していた。さらに半田付けを用いた場合には、工程上
サスペンションワイヤ及びサスペンションワイヤの取付
部に熱を付加することになるため、サスペンションワイ
ヤやサスペンションワイヤ取付部の熱変形等の弊害を生
じる危険性を有するとともにサスペンションワイヤの取
付精度を保つには半田コテの消耗に応じたコテ先位置の
管理やコテ先へ付着する不純物の管理等も必要になると
いった問題点を有していた。
【0016】本発明は前記従来の問題点を解決するもの
で、ローリングやピッチング、ヨーイング等の振動特性
のばらつきが小さく、ワイヤをステータに取り付ける際
に接着や半田づけ等を行わなくて良い、従って熱や体積
収縮の問題が発生しない、信頼性の高い、高性能な光ピ
ックアップを提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、記録媒体に光を集光する集光手段を保持する集光手
段保持部と、前記集光手段保持部を前記光の光軸にほぼ
垂直な方向に駆動させる第一の駆動手段と、前記集光手
段保持部を前記光の光軸にほぼ平行な方向に駆動させる
第二の駆動手段と、前記集光手段保持部を支持するとと
もに前記第一の駆動手段及び前記第二の駆動手段とに電
力を供給する複数の板状弾性部材と、前記板状弾性部材
を支持固定する支持固定部材とを備え、前記板状弾性部
材は前記支持固定部材もしくは前記集光手段保持部の少
なくとも一方にモールドされるという構成を備えてい
る。
【0018】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、記録媒
体に光を集光する集光手段を保持する集光手段保持部
と、その集光手段保持部をフォーカシング方向に駆動さ
せるとともに集光手段保持部をトラッキング方向に駆動
させる駆動手段と、集光手段保持部を支持するとともに
駆動手段に電力を供給する複数の板状弾性部材と、板状
弾性部材を支持固定する支持固定部材とを備え、板状弾
性部材は支持固定部材もしくは集光手段保持部の少なく
とも一方にモールドされて、支持固定部材もしくは集光
手段保持部の少なくともどちらか一方と一体化されてい
ることにより、板状弾性部材の形状をストレートだけで
はなく途中にクランク部を設けたり部分的に線幅を変え
るなどが可能になり、板状弾性部材に発生するローリン
グやピッチング、ヨーイングを任意にコントロールする
ことが出来る。
【0019】請求項2に記載の発明は、記録媒体に光を
集光する集光手段を保持する集光手段保持部と、その集
光手段保持部をフォーカシング方向に駆動させるととも
に集光手段保持部をトラッキング方向に駆動させる駆動
手段と、集光手段保持部を支持するとともに駆動手段に
電力を供給する複数の板状弾性部材と、板状弾性部材を
支持固定する支持固定部材とを備え、板状弾性部材は支
持固定部材もしくは集光手段保持部の少なくとも一方に
モールドされて、支持固定部材もしくは集光手段保持部
の少なくともどちらか一方と一体化されている光ピック
アップであって、板状弾性部材のうち支持固定部材から
集光手段保持部と反対側に突出している端部が折り曲げ
られていることにより、従来垂直に飛び出していた端子
が占めていた空間を有効に活用することができるので、
光ピックアップをより小型化することができる。
【0020】請求項3に記載の発明は、複数の板状弾性
部材のうち支持固定部材から集光手段保持部と反対側に
突出している端部がすべて同一方向に折り曲げられてい
ることにより、外部との接続が容易に行え、生産性を向
上させることができるとともに外部との接続手段の電極
形状も直線状でそれぞれの電極部分が分割されていない
ものを用いることができるので、外部との接続手段と端
子との接続を容易に行え、組立が簡単にできる。
【0021】請求項4に記載の発明は、折り曲げられて
いる複数の板状弾性部材の端部にフレキシブルプリント
サーキットを接続したことにより、組立工程を簡略化で
きるとともに光ピックアップので動作に対してフレキシ
ブルに対応できる。
【0022】請求項5に記載の発明は、支持固定部材に
おいて、板状弾性部材の長軸方向に厚さを部分的に異な
らせたことにより、振動特性や対物レンズの姿勢保持特
性を向上させることができるとともに振動吸収材を充填
する空間を簡単に形成することができるので、対物レン
ズ駆動装置の組立工程を簡略化し、高い生産性を実現す
ることができるとともに低コスト化も実現することがで
きる。
【0023】請求項6に記載の発明は、記録媒体に光を
集光する集光手段を保持する集光手段保持部と、集光手
段保持部をフォーカシング方向に駆動させるとともに集
光手段保持部をトラッキング方向に駆動させる駆動手段
と、集光手段保持部を支持するとともに駆動手段に電力
を供給する複数の板状弾性部材と、板状弾性部材を支持
固定する支持固定部材とを備え、板状弾性部材は支持固
定部材もしくは集光手段保持部の少なくとも一方にモー
ルドされて、支持固定部材もしくは集光手段保持部の少
なくともどちらか一方と一体化されている光ピックアッ
プであって、支持固定部材は集光手段保持部に対向する
面側の端部に段差部が形成されており、その段差部を覆
うようにダンピング保持部を設け、支持固定部材とダン
ピング保持部とで囲まれた空間にダンピング材を充填し
たことにより、より効果的に板状弾性部材に発生するロ
ーリングやピッチング、ヨーイングを任意にコントロー
ルすることが出来る。
【0024】請求項7に記載の発明は、複数の板状弾性
部材のうち記録媒体側に位置する第一の板状弾性部材群
と記録媒体と反対側に位置する第二の板状弾性部材群に
おいて、第一の板状弾性部材群に属する板状弾性部材の
長さと第二の板状弾性部材群に属する板状弾性部材との
長さを異ならせたことにより、それぞれの板状弾性部材
を同一方向に折り曲げた際の板状弾性部材間の長さの差
を小さくすることができ、外部との接続手段と端子の端
部を接続する際の作業性を良好することができる。
【0025】請求項8に記載の発明は、第一の板状弾性
部材群に属する板状弾性部材の長さと第二の板状弾性部
材群に属する板状弾性部材との長さの差を第一の板状弾
性部材群と第二の板状弾性部材群との間の距離にほぼ等
しくしたことにより、一方方向に弾性部材の端部を折り
曲げた際の端部の高さを同一にすることができる。
【0026】請求項9に記載の発明は、複数の板状弾性
部材の幅を部分的に異ならせたことにより、ローリング
やピッチング、ヨーイング等の振動特性のばらつきを低
減することができ、非常に追従性の高い高性能な光ピッ
クアップを実現することができる。
【0027】請求項10に記載の発明によれば、板状弾
性部材が非磁性材料で形成されていることにより、永久
磁石による磁気的吸引力の影響を無くすことができる。
【0028】請求項11に記載の発明によれば、板状弾
性部材を形成する非磁性材料が黄銅,リン青銅,ベリリ
ウム銅のうちの少なくともいずれか1の材料を含有して
いることにより、経時劣化を抑制しつつ低消費電力の光
ピックアップを実現することができる。
【0029】以下本発明の一実施の形態について図を参
照しながら説明する。図1は本発明の一実施の形態にお
けるレンズ保持部材の斜視図である。図1において、1
01は対物レンズで、対物レンズ101は、図1の下方
から上方に向かって対物レンズ101を透過する光を収
束させて記録媒体(図示せず)にビームスポットを形成
する働きを有している。対物レンズ101を形成する材
料としては樹脂やガラス等が一般的に用いられることが
多い。樹脂製の対物レンズを用いた場合には、非常に軽
量であるので、可動部重量を小さくすることが出来、駆
動感度の向上、消費電力の低減、耐衝撃性能の向上等が
可能になる。またガラス製の対物レンズを用いた場合に
は、複屈折の発生がないので光学特性が良好な光ピック
アップを実現することができる。
【0030】102はレンズホルダで、レンズホルダ1
02には対物レンズ保持部102a、フォーカスコイル
・トラッキングコイル設置部102bが設けられてい
る。対物レンズ保持部102aには対物レンズ101が
接着等の方法により嵌着されており、さらに光源(図示
せず)から導かれてきた光が透過する部分については開
口部(図示せず)が設けられている。またフォーカスコ
イル・トラッキングコイル設置部102bには、フォー
カスコイル105及びトラッキングコイル106が設け
られている。さらにここでは図示していないが、フォー
カスコイル・トラッキングコイル設置部102bの開口
部にはトラッキングコイル106及びフォーカスコイル
105を挟むように永久磁石が設けられている。
【0031】そしてレンズホルダ102は4本の弾性部
材103a,103b,103c及び103d(以下特
に必要がない限り弾性部材103と称す)によりステー
タ104に対して弾性的に支持されている。
【0032】ここで、弾性部材103とステータ104
及びレンズホルダ102とを接続する製造工程について
説明する。
【0033】図2は本発明の一実施の形態におけるレン
ズ保持部材と弾性部材の組立工程を示す図である。図2
において、まず凹部112cが設けてあるスライドコア
112aと凹部112dが設けられているスライドコア
112bの上面と下面に沿うように、それぞれに2本の
弾性部材103が形成されている2枚のサスペンション
シート113を金型に装填する(工程1)。そして、ス
ライドコア112aとスライドコア112bを弾性部材
103の長手方向に対して平行にスライドさせ、スライ
ドコア112a及びスライドコア112bを所定の位置
でほぼ接触させる(工程2)。このときスライドコア1
12a,112bの凹部が対向するようにし、接触した
状態でスライドに貫通部112eが存在するように配置
する。つぎに、スライドコア112aとスライドコア1
12bに対し上下(図中の矢指方向)から型を組み合わ
せステータ104とレンズホルダ102を成形するため
の空間を形成するとともに弾性部材103をスライドコ
ア112a、112bと上下型(図示せず)でクランプ
する(工程3)。そして、この空間に樹脂を注入しステ
ータ104とレンズホルダ102を成形すると同時に弾
性部材103の一部をステータ104、レンズホルダ1
02の内部にインサート成形する(工程4)。上下型と
スライドコア112a、112bを外す(工程5)。弾
性部材103をサスペンションシート113から切り離
す(工程6)。
【0034】上述のようにスライドコア112aと11
2bを弾性部材103の長手方向にスライドさせること
により、スライドコア112a,112bのスライド時
に弾性部材103に曲げが発生しないので、弾性部材1
03の精度を維持することが出来る。また、弾性部材1
03を上下型とスライドコア112a,スライドコア1
12bで挟むので上下型の移動方向から見て弾性部材1
03が重なった状態でも成形が出来、弾性部材103の
間隔を上下で異ならせる必要が無く、不要共振を防止す
ることが出来る。
【0035】ここで弾性部材103は、厚さ0.1mm以
下の薄板を打ち抜きまたはエッチング等で所定の形状に
成形されていることが、十分な強度を得ることができる
とともに必要なばね定数を容易に実現できるので好まし
い。さらにこのような方法で弾性部材103を形成する
ことにより、弾性部材103を高精度に形成することが
できるので、弾性部材103の長さ等のばらつきを防止
できるのでレンズの傾き等の発生を抑制できる。そして
弾性部材103はステータ104に対して離間した状態
のレンズホルダ102を弾性的に保持するもので、その
一端はステータ104に固定され、もう一端はレンズホ
ルダ102に固定されている。
【0036】ここで弾性部材103の線幅及び板厚の決
定について説明する。図5(a)及び図5(c)はいず
れも本発明の一実施の形態における板厚とバネ定数の変
化を示す図であり、図5(b)及び図5(d)はいずれ
も本発明の一実施の形態における線幅とバネ定数の変化
を示す図である。
【0037】弾性部材103の線幅はトラッキング方向
及びフォーカス方向の変形に対するバネ定数を決定する
重要なパラメータであり、図5(b)及び図5(d)に
示すように線幅のばらつきが20%を越えるとトラッキ
ング方向の変形に対するバネ定数が50%以上変化する
とともにフォーカス方向の変形に対するバネ定数が20
%以上変化してしまうので、共振点や駆動感度等の緒特
性が設計と大きく異なることになり、正確なフォーカシ
ング及びトラッキング動作を行うことが難しくなってし
まう。よって、線幅のばらつきは線幅の20%以下に抑
えることが望ましい。
【0038】また、弾性部材103の板厚も線幅と同様
にフォーカス方向の変形に対するバネ定数を決定する重
要なパラメータである。図5(a)及び図5(c)に示
すように線幅のばらつきが20%を越えるとトラッキン
グ方向の変形に対するバネ定数が20%以上変化すると
ともにフォーカス方向の変形に対するバネ定数が50%
以上変化してしまうので、共振点や駆動感度等の緒特性
が設計と大きく異なることになり、正確なフォーカシン
グ及びトラッキング動作を行うことが難しくなってしま
う。よって、線幅のばらつきは設計線幅の20%以下に
抑えることが望ましい。
【0039】このような板部材を弾性部材103として
用いることにより、弾性部材103の形状をストレート
だけではなく途中にクランク部を設けたり部分的に線幅
を変えるなどが可能になり、弾性部材103の形状によ
りローリングやピッチング、ヨーイングを任意にコント
ロールすることが出来る。従って非常に追従性の高い高
性能な対物レンズ駆動装置を実現することができる。ま
た弾性部材103はまたフォーカスコイル105及びト
ラッキングコイル106に電力を供給する機能も有して
いるので、弾性部材103を形成する材料としては、高
い弾性と導電性を有するものが好ましい。さらにこれら
の材料の中でも非磁性材料を用いることが永久磁石によ
る磁気的吸引力が働かないので好ましい。このような条
件を満たす材料しては電気抵抗が小さい銅系の合金が好
ましい。銅系の合金の中でも特に酸化しにくく腐食によ
る欠陥を抑制することができる、黄銅、リン青銅、ベリ
リウム銅等の銅の合金を用いることが好ましい。さら
に、これらの中でも特にベリリウム銅は黄銅やリン青銅
に比べ弾性率が高いため、同じ強度でも黄銅やリン青銅
より細い弾性部材103が構成できる。しかも、これら
の比重はほぼ同じであるため、弾性部材103の固有振
動をより低く抑えることが出来、追従性の高い高性能な
対物レンズ駆動装置を実現することが出来る。
【0040】次に図3を用いて、弾性部材103のステ
ータ104側の端部の構成について説明する。弾性部材
103a,弾性部材103b,弾性部材103c及び弾
性部材103dのステータ104を貫通している部分
は、端子110a,端子110b,端子110c及び端
子110d(以下特に必要ない限り端子110と称す)
としてFPC109と接続されている。ここで端子11
0のa,b,c,dは弾性部材103のa,b,c,d
に対応している。この端子110はステータ104の面
104aにほぼ沿うように弾性部材103と面104a
とが交わる部分近傍で折り曲げられて、面104bの上
部でFPC109の電極と半田等の方法で接続されてい
る。このような構成とすることにより、従来ステータ1
04の面104aに垂直に飛び出していた端子110が
占めていた空間を有効に活用することができるので、光
ピックアップをより小型化することができる。また折り
曲げた端子110が直線状に並んでいることで、FPC
109との接続が容易に行え、生産性を向上させること
ができるとともにFPC109の電極形状も直線状でそ
れぞれの電極部分が分割されていないものを用いること
ができるので、FPC109と端子110との接続を容
易に行え、組立が簡単にできる。
【0041】また弾性部材103bと弾性部材103d
の長さは、弾性部材103aと弾性部材103cの長さ
よりも長く形成しておくことが好ましい。なぜならばこ
のようにすることにより、端子110を面104b方向
に折り曲げたときに折り曲げた端子110の端部を面1
04bよりも上部に位置させることができるので、FP
C109の端子110への接続を容易に行うことができ
るからである。さらにこのときの端子110a,110
cと端子110b,110dとの長さの差は、端子11
0aと端子110bとの距離にほぼ等しくすることが好
ましい。このようにすることにより、端子110の面1
04bよりも上部に出ている長さをほぼ同一にすること
ができ、FPC109の端子110への取付を更に容易
に行うことができ、光ピックアップの生産性の大幅な向
上が見込める。
【0042】なお本実施の形態においては端子110は
ステータ104の面104b側に曲げられていたが、面
104aに沿うように曲げるのであればどの方向に曲げ
ても空間の有効利用が可能になる。
【0043】また、端子110a,110cの向きと端
子110b,110dとの向きを反対向きにすれば端子
110の長さを異ならせなくても上述した効果を得るこ
とが可能である。
【0044】以上弾性部材103の端部を折り曲げた場
合の実施の形態について説明してきたが、弾性部材10
3の端部は図4に示すようにモールドした状態のままF
PCを接続するような構成としてもよい。この場合アク
チュエータの厚みを薄くすることができ、これを搭載し
ている光ディスク装置の厚みを薄く構成することができ
る。
【0045】また弾性部材103に減衰効果を付加する
ため弾性部材103の一部をダンピング材で埋めるかま
たは弾性部材103の一部にダンピング材を塗布するか
または弾性部材103の一部にダンパーテープを貼るか
のいずれかを行うことにより、効率よく弾性部材103
の振動を減衰させることができるので好ましい。この中
でも特に弾性部材103の一部をダンピング部材に埋め
る方法が、高い減衰効果を得ることができるとともに組
み立てコストを低減することができるので望ましい。弾
性部材103をステータ104にインサート成形する場
合、ダンピング部材を充填するための凹部をステータ1
04の成型時に設けることは非常に困難であるので、ス
テータ104に凹部を設けるにはダンピング保持部が必
要である。このダンピング保持部は、好ましくはステー
タ104のレンズホルダ102に対向する面の中央部に
凸部を予め設けてステータ104の中央部の厚さ(t
1)を弾性部材103が設けられている部分の厚さ(t
2)よりも厚くすることにより、ステータ104の両側
部に凹部104cを設ける。更に凹部104cにゲル保
持部材111を取り付け、ステータ104とゲル保持部
材111で囲まれた空間にダンピング部材を充填するこ
とにより、弾性部材103の一部をダンピング部材に埋
めることができるように構成すること好ましい。このよ
うな構成を用いることにより、ダンピング部材を充填す
る空間を簡単に形成することができるので、対物レンズ
駆動装置の組立工程を簡略化し、高い生産性を実現する
ことができるとともに低コスト化も実現することができ
る。
【0046】さらに、従来のように4本ワイヤを引き抜
き線材でサスペンションを構成する場合、サスペンショ
ン部の長さLは樹脂成形部の間隔で決まるため、成形収
縮のばらつきやバリなどによりサスペンション部の長さ
Lが安定しないという問題があったが、これに対して本
発明では薄板からの打ち抜きなどによって得られる線材
を弾性部材103として用いているので、線材の幅を部
分的に変えることができる。従って弾性部材103のサ
スペンション部の長さを抜き取り形状で規制でき、サス
ペンション部が成形収縮やバリの影響を受けないので、
サスペンション部の長さLが均一な弾性部材103を供
給することができる。これによりサスペンション部の長
さのばらつき等に起因するロール、ピッチ等の発生を防
止することができるので、対物レンズ駆動装置の性能を
向上させることができる。
【0047】以上示してきたような構成を有する光ピッ
クアップは、特にデジタルバーサタイルディスク(以下
DVDと称す)等の高密度光ディスクを記録再生するこ
とができる光ピックアップとして特に有効である。以下
その理由について説明する。
【0048】高密度光ディスクにおいては非常に記録密
度が大きく、これにしたがってトラックの線幅が非常に
小さくなっているため対物レンズの光ディスクに対する
傾き(以下レンズチルトと称す)についての許容量が小
さくなっている。従ってアクチュエータの特性に起因す
るレンズチルトの発生を低率に抑制することが高密度光
ディスクに要求されているのである。レンズチルトの発
生は主に弾性部材の加工精度と弾性部材間の平行度に起
因することが多い。したがって本実施の形態で示してき
たように、打ち抜きやエッチング等で形成された板状の
弾性部材は、非常に高精度に加工されており、各弾性部
材間での長さや幅等にばらつきが少なくレンズチルトを
低率に抑制することができるので、高密度光ディスクに
用いられる光ピックアップに好ましい構成である。また
弾性部材をステータにモールド成形したことにより、従
来の半田付け等のように熱等による体積収縮の発生を抑
制できるので、弾性部材の平行度を極めて高い精度で保
つことができる。したがってレンズチルトを低率に抑制
することができるので高密度光ディスクに用いられる光
ピックアップに好ましい構成である。
【0049】
【発明の効果】本発明は、板状弾性部材は支持固定部材
もしくは集光手段保持部の少なくとも一方にモールドさ
れて、支持固定部材もしくは集光手段保持部の少なくと
もどちらか一方と一体化されていることにより、板状弾
性部材の形状をストレートだけではなく途中にクランク
部を設けたり部分的に線幅を変えるなどが可能になり、
板状弾性部材に発生するローリングやピッチング、ヨー
イングを任意にコントロールすることが出来る。さらに
板状弾性部材のうち支持固定部材から集光手段保持部と
反対側に突出している端部が折り曲げられていることに
より、従来垂直に飛び出していた端子が占めていた空間
を有効に活用することができるので、光ピックアップを
より小型化することができる。
【0050】また複数の板状弾性部材のうち支持固定部
材から集光手段保持部と反対側に突出している端部がす
べて同一方向に折り曲げられていることにより、外部と
の接続が容易に行え、生産性を向上させることができる
とともに外部との接続手段の電極形状も直線状でそれぞ
れの電極部分が分割されていないものを用いることがで
きるので、外部との接続手段と端子との接続を容易に行
え、組立が簡単にできる。さらに折り曲げられている複
数の板状弾性部材の端部にフレキシブルプリントサーキ
ットを接続したことにより、組立工程を簡略化できると
ともに光ピックアップので動作に対してフレキシブルに
対応できる。
【0051】また支持固定部材において、板状弾性部材
のモールド方向と平行な方向に厚さを部分的に異ならせ
たことにより、振動特性や対物レンズの姿勢保持特性を
向上させることができるとともに振動吸収材を充填する
空間を簡単に形成することができるので、対物レンズ駆
動装置の組立工程を簡略化し、高い生産性を実現するこ
とができるとともに低コスト化も実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態におけるレンズ保持部材
の斜視図
【図2】本発明の一実施の形態におけるレンズ保持部材
と弾性部材の組立工程を示す図
【図3】本発明の一実施の形態における弾性部材の端部
の構成図
【図4】本発明の一実施の形態における弾性部材の端部
の構成図
【図5】(a)本発明の一実施の形態における板厚とバ
ネ定数の変化を示す図 (b)本発明の一実施の形態における線幅とバネ定数の
変化を示す図 (c)本発明の一実施の形態における板厚とバネ定数の
変化を示す図 (d)本発明の一実施の形態における線幅とバネ定数の
変化を示す図
【図6】従来の光ピックアップ対物レンズ駆動装置の平
面図
【図7】(a)従来の対物レンズ駆動装置のX−X線断
面図 (b)従来の対物レンズ駆動装置のY−Y線断面図
【図8】従来の中継基板と線状弾性部材との接続工程の
説明図
【図9】従来のサスペンションホルダーと線状弾性部材
との組み合わせ工程の説明図
【図10】従来の線状弾性部材の接続完了工程の説明図
【符号の説明】
101 対物レンズ 102 レンズホルダ 102a 対物レンズ保持部 102b 対物レンズ保持部 102c 凹部 102d 凹部 102e 貫通部 103 弾性部材 103a 弾性部材 103b 弾性部材 103c 弾性部材 103d 弾性部材 104 ステータ 104a 面 104b 面 104c 凹部 105 フォーカスコイル 106 トラッキングコイル 107 磁束 110 端子 111 ゲル保持部材 112a スライドコア 112b スライドコア 113 サスペンションシート

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録媒体に光を集光する集光手段を保持す
    る集光手段保持部と、前記集光手段保持部をフォーカス
    方向に駆動するとともに前記集光手段保持部をトラッキ
    ング方向に駆動する駆動手段と、前記集光手段保持部を
    支持するとともに前記駆動手段に電力を供給する複数の
    板状弾性部材と、前記板状弾性部材を支持固定する支持
    固定部材とを備え、前記板状弾性部材は前記支持固定部
    材もしくは前記集光手段保持部の少なくとも一方にモー
    ルドされていることを特徴とする光ピックアップ。
  2. 【請求項2】記録媒体に光を集光する集光手段を保持す
    る集光手段保持部と、前記集光手段保持部をフォーカス
    方向に駆動させるとともに前記集光手段保持部をトラッ
    キング方向に駆動させる駆動手段と、前記集光手段保持
    部を支持するとともに前記駆動手段に電力を供給する複
    数の板状弾性部材と、前記板状弾性部材を支持固定する
    支持固定部材とを備え、前記板状弾性部材は前記支持固
    定部材もしくは前記集光手段保持部の少なくとも一方に
    モールドされている光ピックアップであって、前記板状
    弾性部材のうち前記支持固定部材から前記集光手段保持
    部と反対側に突出している端部が折り曲げられているこ
    とを特徴とする光ピックアップ。
  3. 【請求項3】複数の板状弾性部材のうち支持固定部材か
    ら集光手段保持部と反対側に突出している端部はすべて
    同一方向に折り曲げられていることを特徴とする請求項
    2記載の光ピックアップ。
  4. 【請求項4】折り曲げられている複数の板状弾性部材の
    端部にフレキシブルプリントサーキットを接続したこと
    を特徴とする請求項2,3いずれか1記載の光ピックア
    ップ。
  5. 【請求項5】支持固定部材において、板状弾性部材の長
    軸方向に厚さを部分的に異ならせたことを特徴とする請
    求項1〜4いずれか1記載の光ピックアップ。
  6. 【請求項6】記録媒体に光を集光する集光手段を保持す
    る集光手段保持部と、前記集光手段保持部をフォーカス
    方向に駆動させるとともに前記集光手段保持部をトラッ
    キング方向に駆動させる駆動手段と、前記集光手段保持
    部を支持するとともに前記駆動手段に電力を供給する複
    数の板状弾性部材と、前記板状弾性部材を支持固定する
    支持固定部材とを備え、前記板状弾性部材は前記支持固
    定部材もしくは前記集光手段保持部の少なくとも一方に
    モールドされている光ピックアップであって、前記支持
    固定部材は前記集光手段保持部に対向する面側の端部に
    段差部が形成されており、前記段差部を覆うようにダン
    ピング保持部を設け、前記支持固定部材と前記ダンピン
    グ保持部とで囲まれた空間にダンピング材を充填したこ
    とを特徴とする光ピックアップ。
  7. 【請求項7】複数の板状弾性部材のうち記録媒体側に位
    置する第一の板状弾性部材群と記録媒体と反対側に位置
    する第二の板状弾性部材群において、前記第一の板状弾
    性部材群に属する板状弾性部材の長さと前記第二の板状
    弾性部材群に属する板状弾性部材との長さを異ならせた
    ことを特徴とする請求項2,3,4,6いずれか1記載
    の光ピックアップ。
  8. 【請求項8】第一の板状弾性部材群に属する板状弾性部
    材の長さと第二の板状弾性部材群に属する板状弾性部材
    との長さの差が第一の板状弾性部材群と第二の板状弾性
    部材群との間の距離とほぼ等しいことを特徴とする請求
    項7記載の光ピックアップ。
  9. 【請求項9】複数の板状弾性部材の幅が部分的に異なる
    ことを特徴とする請求項1〜8いずれか1記載の光ピッ
    クアップ。
  10. 【請求項10】板状弾性部材が非磁性材料で形成されて
    いることを特徴とする請求項1〜9いずれか1記載の光
    ピックアップ。
  11. 【請求項11】板状弾性部材を形成する非磁性材料が黄
    銅,リン青銅,ベリリウム銅のうちの少なくともいずれ
    か1の材料を含有していることを特徴とする請求項10
    記載の光ピックアップ。
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