JP3979477B2 - 単リール型の磁気テープカートリッジ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピュータ用データレコーダの磁気記録媒体に代表される、単リール型の磁気テープカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の磁気テープカートリッジにおいては、磁気テープの繰り出し端にテープ引出具を連結しておき、このテープ引出具をテープドライブ側の捕捉具で捕捉して、磁気テープをケース本体から引出し操作する。テープ引出具には、自己保形性を持つプラスチックシートで形成したもの(特開平8−63940号公報)や、プラスチックブロックで形成したもの(特開昭62−66486号公報)などがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
プラスチックシートで形成したテープ引出具は、磁気テープの全量をケース本体内へ巻き戻した状態において、シート遊端が片持ち状態でテープ引出口に露出しているうえ、テープ引出具これ自体がシート厚み方向へ弾性変形可能である。そのため、テープ引出具を正確に位置決め保持するのが難しい。このことは、使用状態において捕捉具によるテープ引出具の捕捉に失敗する可能性のあることを意味している。
【0004】
プラスチックブロックで形成したテープ引出具は、それ自体が変形することはなく、ケース本体で待機時の姿勢保持を行うので、プラスチックシート形に比べて位置保持精度は高い。しかし、テープ引出具は待機状態において僅かに遊動できるうえ、テープ引出具がケース周側面に常時露出していて、例えば落下衝撃を受けるような場合に、テープ引出具の遊端がケース外へ突出する余地があるため、十分な信頼性を得難い。テープ引出具を操作するためにローディング用のポケットが開口しているため、そこから塵埃等がケース内へ侵入しやすいところにも問題がある。
【0005】
本発明者等は、このようなテープ引出具に関する問題点を解消するために、テープ引出具をピンで形成し、これをケース本体の周側壁に設けたテープ引出口の内部に待機保持する形態を開発しつつある。
【0006】
本発明の目的は、ピン状のテープ引出具を備えた磁気テープカートリッジにおいて、待機状態のテープ引出具を常に正確に位置保持し、以て使用時におけるテープ引出具の捕捉連結を失敗なく確実に行うことにある。
本発明の他の目的は、ピン状のテープ引出具をケース本体とこれに組み込んだばねとで待機保持して、長期使用時にも待機状態のテープ引出具を正確に位置決め固定することにある。
本発明の更に他の目的は、ピン状のテープ引出具を待機保持するばねを、ケース本体と一体に形成した抜止壁で保持固定して、その分だけ磁気テープカートリッジの構成部品点数を減らすことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の磁気テープカートリッジは、図2に示すごとく箱状のケース本体1の内部に、テープ3を巻装した1個のリール2が配置してあって、テープ3の繰り出し端にピン状のテープ引出具7が連結してある。ケース本体1の周側壁には、テープ引出具7を引出し操作するテープ引出口4が開口している。テープ引出口4に臨むケース本体1の上壁内面と底壁内面とには、図1および図3に示すごとくテープ引出具7の上下両端に設けた係合軸部11を受け止める軸受部15をそれぞれ設ける。各係合軸部11に外接して、係合軸部11を軸受部15と協同して位置決め保持するばね16を有し、このばね16がケース本体1の内部に配設されている。
【0008】
具体的には、ケース本体1の上壁内面と底壁内面に設けたばね受突起26に、図1に示すごとく係合軸部11に外接する保持ばね腕21を含む、捻じりコイル形のばね16のコイル部20をそれぞれ外嵌する。各保持ばね腕21の一部を受け止める抜止壁29をケース本体1と一体に成形し、この抜止壁29でコイル部20がばね受突起26から抜け外れるのを阻止する。
【0009】
不使用状態において、テープ引出口4を閉止する蓋5を設け、この蓋5をケース本体1でスライド開閉自在に支持し、ばねで閉じ勝手に移動付勢する。
【0010】
テープ引出具7は、図4に示すごとくテープ3が巻き掛け連結される連結軸部8と、連結軸部8の上下に設けられた操作軸部10と、操作軸部10より大径の係合軸部11とを備えている。係合軸部11を受け入れる軸受部15は、図5に示すごとくケース本体1の上壁および底壁にそれぞれ凹み形成されている。
【0011】
【作用】
テープ引出具7の上下両端の係合軸部11は、テープ引出口4の内部の軸受部15でそれぞれ受け止め支持し、更にばね16で係合軸部11を押さえて、不使用時のテープ引出具7を軸受部15とばね16との協同作用によって確実に位置決め保持するので、従来のテープ引出具に比べて、テープ引出具7の位置保持精度が向上する。落下衝撃を受けてテープ引出具7が動いたとしても、ばね16の押圧力でテープ引出具7を適正位置に復帰保持できる。テープ引出具7を、独立部品として形成したばね16で常に押さえ保持するので、長期使用時にも位置保持精度を維持し続けることができる。
【0012】
テープ引出具7の各係合軸部11に対応して、ケース本体1の上壁内面と底壁内面とに、一対の捻じりコイル形のばね16をそれぞれ配置してあるので、ケース本体1を構成する上ケース1aと下ケース1bとに対して、各ばね16を両ケース1a・1bの組み立て前に容易に組み付けることができる。反面、落下衝撃を受けるような場合に、片方のばね16がばね受突起26から脱落するおそれがあるが、これを防ぐために、保持ばね腕21の一部を抜止壁29で受け止める。上下のばね16に対応する抜止壁29は、ケース本体1と一体に成形することにより、部品点数が増えるのを防止する。
【0013】
テープ引出口4をスライド開閉自在な蓋5で閉止すると、不使用時のテープ引出具7がテープ引出口4を介してケース外面に露出するのを阻止し、塵埃等がテープ引出口4から侵入することもない。軸受部15をケース本体1の上壁および底壁に凹み形成すると、保持ばね腕21が軸受部15に対して接当干渉する余地がないので、ばね16の設計の自由度が増す。
【0014】
【実施例】
図1ないし図6は本発明に係る単リール型の磁気テープカートリッジの実施例を示す。図2において磁気テープカートリッジは、上下ケース1a・1bを蓋合わせ状に接合してなる角箱状のケース本体1を有し、ケース本体1の内部に配置した1個のリール2にテープ3を巻装している。ケース本体1の前側壁の一側端には、テープ引出口4が開口しており、これがスライド自在な蓋5で開閉できる。蓋5はばねで閉じ勝手に移動付勢されている。
【0015】
リール2に巻装したテープ3をケース外へ引き出し操作するために、テープ3の繰り出し端にテープ引出具7を連結する。図3においてテープ引出具7は、金属ピン状の旋削加工品からなり、その上下高さの大半を小径の連結軸部8が占め、連結軸部8の上下のそれぞれにフランジ状の薄い区分壁9を張り出し形成して、区分壁9の上下に操作軸部10と係合軸部11とを一体に形成する。操作軸部10は連結軸部8と同径にし、係合軸部11は区分壁9の直径寸法と一致させる。連結軸部8にテープ3の端部を輪奈状に巻き付け、輪奈部の外面に断面C字形の緩衝体12を外嵌し、更に緩衝体12に金属薄板で形成した断面C字形のクランプ13を外嵌することにより、図1に示すごとくテープ引出具7をテープ3に連結している。緩衝体12は、クランプ13の周方向端縁にテープ3が接当して千切れるのを防ぐために介装する。
【0016】
不使用時のテープ引出具7をテープ引出口4のケース内方において直立姿勢で位置決め保持するために、上ケース1aの上壁内面と下ケース1bの底壁内面とには、各係合軸部11を保持固定する軸受部15とばね16とをそれぞれ設ける。図5において下ケース1b側の軸受部15は、底壁内面に形成した釣鐘形の凹みからなり、その前縁とテープ引出口4の開口縁との間に、下り傾斜状の縦案内面17を設ける。軸受部15は、係合軸部11の周面を受け止める部分円弧状の受壁15aを有し、受壁15aに連続する凹部側壁を前拡がりテーパー状に形成して横案内面18としている。上ケース1a側には、図3に示すごとく下ケース1b側の軸受部15および縦案内面17と同等の軸受部15および縦案内面17が、上下対称に設けられている。上下の軸受部15の対向間隔は、テープ引出具7の上下長より僅かに大きい。
【0017】
図1において各ばね16は、コイル部20の一端から係合軸部11に外接する長い保持ばね腕21を連出し、コイル部20の他端に短い掛止腕22を連出した、捻じりコイル型の金属線ばねからなる。保持ばね腕21の遊端側には、係合軸部11の周面に密着する部分円弧状の押圧部23と、ケース側壁24側へ傾くガイド部25を連続して折り曲げ形成してある。
【0018】
ばね16を組むために、図1および図5に示すごとく軸受部15よりケース内方の底壁内面(および上壁内面)には、コイル部20が外嵌するピン状のばね受突起26と、掛止腕22をケース側壁24と協同して受け止めるリブ27とをそれぞれ突設する。更に、ばね受突起26に外嵌したばね16の抜け出しを防ぐために、軸受部15のケース側壁24側の凹み周縁の上方に、保持ばね腕21の遊端寄りを受け止める抜止壁29を設ける。抜止部29はケース側壁4の基端寄りに連続する横向きの張り出し壁からなり、底壁あるいは上壁との間に、保持ばね腕21の進入を許す隙間が確保してある。なお、テープ引出具7がケース外へ引き出されて、保持ばね腕21が自由状態になった場合にも、ばね腕21はそのガイド部25がテープ引出具7の進入経路上に位置している(図6参照)。
【0019】
使用時には、磁気テープカートリッジをケース側壁24の側を始端にしてテープドライブに装填することにより、蓋5が開き操作されてテープ引出口4を開放する。同時にリール2の遊転を阻止していたリールロックが解除される。この状態でテープドライブ側の捕捉具がテープ引出口4からケース内へ進入し、テープ引出具7の上下の操作軸部10を捕捉係合して、テープ引出具7を介してテープ3を引き出し、テープドライブ側の巻き取りリールにテープ引出具7を引き渡す。テープ3に対するデータの記録あるいは読み込みが終了したら、テープ3はリール2に巻き戻される。テープ引出具7は捕捉具に再び係合捕捉されて、ケース本体1内へ元の状態にして収容される。
【0020】
捕捉具に支持されたテープ引出具7は、テープ引出口4内へ復帰収容される間に、テープ引出具7の上下端が上下の縦案内面17で案内されて上下位置のずれが修正される。軸受部15の前縁を乗り越えた時点で、図6に示すように係合軸部11の周面がばね16のガイド部25に接当する。そのため、保持ばね腕21は弾性力に抗してケース側壁24側へ押し退けられ、係合軸部11はガイド部25を乗り越えて、受壁15aで受け止められる。同時に、押圧部23が係合軸部11に弾性接当して、テープ引出具7の全体を受壁15aに押し付けて、軸受部15とばね16とでテープ引出具7を保持固定する。なお、テープ引出具7が横方向へずれた状態で軸受部15内へ進入する場合には、横案内面18で位置ずれを修正して、係合軸部11を受壁15aへ導く。
【0021】
上記の実施例以外にテープ引出具7は、プラスチック成形品で形成してもよい。テープ引出具7に対するテープ3の連結構造は、実施例に限定されず、例えば連結軸部8を区分壁9と同径の筒状に形成して、その周面にクランプ溝を設け、このクランプ溝にテープ端とクランプを圧嵌係合してもよい。係合軸部11は丸軸である必要はなく、多角形断面状に形成してもよい。同様に、軸受部15の凹み形状は、三角形や台形等に変更でき、上壁や底壁に突起を設けて軸受部15とすることができる。ばね16は板ばねで形成することができる。必要があれば、上下の掛止腕22を縦腕で一体に接続して、ばね16を1個にすることができる。この場合には、上ケース1a側の抜止壁29を省略できる。抜止壁29の保持ばね腕21と接当する側の壁面に、保持ばね腕21の拡開方向の揺動限界を規制する突起を設けて、保持ばね腕21の位置規制を行うことができる。テープ引出口4の開口位置はケースの四隅の近傍であれば、どの隅部であってもよい。
【0022】
【発明の効果】
本発明では、テープ引出口4の内方上下に軸受部15を設け、これら軸受部15でテープ引出具7の上下端の係合軸部11を受け止めるようにした。更に、軸受部15の近傍にばね16を設け、その保持ばね腕21で係合軸部11を押さえることにより、軸受部15とばね16とが協同してテープ引出具7を常に適正に位置決め保持できるようにした。従って、テープドライブの捕捉具によるテープ引出具7の捕捉連結を確実に行え、従来例に比べて使用時の信頼性を向上できる。ばね16でテープ引出具7を押圧保持するので、長期使用時にも待機状態のテープ引出具7を正確に位置決め保持できるうえ、他物との衝突や落下衝撃等によるテープ引出具7の位置ずれもよく解消できる。
【0023】
上下一対のばね16で上下の係合軸部11をそれぞれ個別に押さえ保持する形態によれば、各ばね16の上下ケース1a・1bに対する組み付けを容易化できるうえ、上下ケース1a・1bの組み立ても容易になる。各ばね16の脱落を防ぐ抜止壁29がケース本体1と一体に成形されていれば、磁気テープカートリッジの構成部品点数の増加を防いで、その分だけ製造コストを削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図3におけるA−A線断面図である。
【図2】磁気テープカートリッジの横断平面図である。
【図3】テープ引出口の正面図である。
【図4】テープ引出具の斜視図である。
【図5】軸受部の斜視図である。
【図6】テープ引出具の収容状態を示す図1と同等の断面図である。
【符号の説明】
1 ケース本体
2 リール
3 テープ
4 テープ引出口
5 蓋
7 テープ引出具
11 係合軸部
15 軸受部
20 コイル部
21 保持ばね腕
29 抜止壁
Claims (4)
- 箱状のケース本体(1)の内部に、テープ(3)を巻装した1個のリール(2)が配置されており、テープ(3)の繰り出し端にピン状のテープ引出具(7)が連結してあり、
ケース本体(1)の周側壁に、テープ引出具(7)を引出し操作するテープ引出口(4)が開口している磁気テープカートリッジであって、
テープ引出口(4)に臨むケース本体(1)の上壁内面と底壁内面とに、テープ引出具(7)の上下両端に設けた係合軸部(11)を受け止める軸受部(15)がそれぞれ設けられており、
各係合軸部(11)を軸受部(15)と協同して位置決め保持するばね(16)が、ケース本体(1)の上壁内面と底壁内面とにそれぞれ配設されており、
各ばね(16)は、係合軸部(11)に外接する保持ばね腕(21)を含み、
保持ばね腕(21)の一部を受け止めて、ばね(16)がケース本体(1)から脱落するのを阻止する抜止壁(29)が、ケース本体(1)のケース側壁(24)の基端寄りに連続して成形されており、
抜止壁(29)は、ケース本体(1)の上壁あるいは底壁と平行な方向の張り出し壁からなり、ケース本体(1)の上壁あるいは底壁との間に、保持ばね腕(21)の進入を許す隙間が確保されている単リール型の磁気テープカートリッジ。 - 不使用状態においてテープ引出口(4)を閉止する蓋(5)が、ケース本体(1)にスライド開閉自在に支持されており、
前記蓋(5)がばねで閉じ勝手に移動付勢されている請求項1記載の単リール型の磁気テープカートリッジ。 - テープ引出具(7)が、テープ(3)が巻き掛け連結される連結軸部(8)と、連結軸部(8)の上下に設けられた操作軸部(10)と、操作軸部(10)より大径の係合軸部(11)とを備えており、
係合軸部(11)を受け入れる軸受部(15)が、ケース本体(1)の上壁および底壁にそれぞれ凹み形成されている請求項1又は2記載の単リール型の磁気テープカートリッジ。 - 各ばね(16)は、コイル部(20)の一端から保持ばね腕(21)を連出した捻じりコイル型のばねからなり、
ケース本体(1)の上壁内面と底壁内面に設けた各ばね受突起(26)に、ばね(16)のコイル部(20)がそれぞれ外嵌されており、
抜止壁(29)で保持ばね腕(21)の一部を受け止めて、コイル部(20)がばね受突起(26)から抜け外れるのを阻止する請求項1記載の単リール型の磁気テープカートリッジ。
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