JP3979476B2 - 電気端子 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は電気端子、特に相手コンタクトピンと接触する接触領域（部）及び電気導体に接続される接続領域（部）を有する電気コネクタ用リセプタクル（雌型）コンタクトに関する。
【０００２】
【従来の技術】
相手コンタクトピン又はタブ（平板状の雄型コンタクト）と接触する接触領域及び導体と接続される接続領域を有する電気端子（コンタクト）が、例えばヨーロッパ特許第７００１２２Ａ２号で知られている。この接触領域は内部接触ばねと外部ばねとを有する。この接触ばねは接続領域と併合し、外部ばねにより支持される相互に対向する少なくとも２個の接触ばねアームを有する。
【０００３】
この電気端子は、いずれの場合にも３対の接触ばねアームの各々に外部接触ばねアームを有し、各ばねアームは接触ばねのサイドアームに接続され、これに支持される。また、中央接触ばねアームは自由端を有し、且つ支持されていない。これにより、接触ばねアームは、異なる接圧を有する。内部接触ばねアームの接圧が不十分であると、その支持が必要となる。
【０００４】
外部ばねを有するダブルフラットばねコンタクトもヨーロッパ特許第１１４，１８７号に開示されており、外部ばねは外部ばねブラケットアームを有する。これらアームは、ダブルフラットばねコンタクトの接触ばねアームに平行に走り、外部からこれら接触ばねアームを押圧する。この場合の外部ばねブラケットアームは、略挿入方向に走り且つ端面に向かう自由端を有する。
【０００５】
ここに開示する電気端子の目的は、接触ばねアームを外部ばねにより支持することであり、その為に、電気端子は相手コンタクトピンと接触する接触領域及び導体と接続される接続領域を具え、接触領域は内部接触ばねと外部ばねとを有する。この接触ばねは接続領域と併合され、相互に対向すると共に、外部ばねにより支持される少なくとも２個の接触ばねアームを有する。更に、この電気端子は、接触ばねアームに対向する外部ばねの少なくとも１側において、挿入方向に対して直交して切欠かれているウェブを有する。このウェブは内方に折曲げられて外方から内部の接触ばねアームを押圧する。
【０００６】
多くのアプリケーションで、電気端子の接触ばねアームは外部ばねにより支持される必要がある。例えば、ヨーロッパ特許第１１４，１８７号で周知の如く、斯る支持は、挿入方向と実質的に平行に走る外部ばねブラケットアームにより行われる。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、斯る従来の電気端子の外部ばねによると、形状が極めて不規則且つ不均一となる。最近の電気端子の傾向は、電気端子の挿入作業性及び取扱作業性の改善の為に可能な限り円滑な外面を有する外部ばねを使用することである。
【０００８】
従って、本発明の目的は、外面が比較的スムーズであって、電気コンタクトの端子受容キャビティへの挿入作業が容易であると共に、電気端子同士又は電気端子とワイヤ等のからみつきやひっかき傷等を生じることなく作業性の優れた電気端子を提供することである。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
本発明の電気端子は、対向する中央及び両外側接触アームの合計３対からなる接触ばねを有する端子本体と、該端子本体の外側に配置される略箱状の外部ばねとを具備し、前記接触ばねは、前記接触アームが延びる略箱状のばねアームベースを有する電気端子において、前記ばねアームベースは、側壁の前記中央接触アームが形成されている部分に対応する中央領域が内方へ凹んでおり、前記外部ばねには、相手コンタクトの挿入方向と交差して前記中央接触アームと協働するウェブが形成されると共に、前記ばねアームベースの前記中央領域に対応して凹んでいる側壁領域にコネクタハウジングへの固定用ばね舌片が形成され、該固定用ばね舌片は、前記外部ばねの最大幅の範囲内に収容されていることを特徴とする。
【００１１】
即ち、本発明の電気端子によると、長手方向の側面においてのみ切欠いたウェブを設け、これにより接触ばねアームを支持する。或いは、ウェブを２つの舌片に分割し、自由端が協働して接触ばねアームを押圧するようにしてもよい。
【００１２】
また、本発明による電気端子は、例えば、電気コネクタのプラスチック製ハウジングの空洞（チャンバ）に挿入保持されて使用される。この目的の為に、外部ばねにはラッチ用ばね舌片（ランス）を設け、電気端子を電気コネクタのハウジングにラッチ（固定）するのが普通である。
【００１３】
本発明にあっては、ラッチ用ばね舌片は外部ばねのウェブと同じ側に設けるのが特に好ましい。これにより、ウェブが占有するスペ−スを最小にすることができる。
【００１４】
この電気端子は、その接続領域に、導体と接続する為の２個の圧着（クリンプ）領域又は１個以上の圧接成端領域を設けてもよい。
【００１５】
本発明の電気端子は、３対の接触ばねアームを有し、中央接触ばねアームが外部ばねウェブにより支持される構成とするのが特に好ましい。
【００１６】
【実施形態】
以下、本発明の電気端子の好適実施形態を添付図を参照して詳細に説明する。
【００１７】
先ず、図１は本発明の電気端子１の好適実施形態の側面図である。この電気端子１は相手コンタクトピン又はタブ、例えば刃状コンタクトと接触する接触領域２を有する。更に、この電気端子１は、この特定実施形態では２個の圧着領域４、５により成る接続領域３を有する。各圧着領域４、５は、圧着（かしめ）作業中に適当に内方に折曲げられる２個の対向するラグを有する。接触領域２に近い方の圧着領域４は導体に圧着され、他方これに隣接する第２圧着領域５は、導体外面の絶縁体に圧着される。他の実施例では、導体と接続する為の圧着の代りに例えば、周知の圧接成端を行ってもよい。この接触領域２と接続領域３を含む部材をここでは端子本体Ｍという。
【００１８】
接触領域２は、接触ばね６と外部ばね７とを具える。先ず、図５乃至図８を参照して、接触ばね６を説明する。図５、図７及び図８から容易に理解される如く、この特定実施例における接触ばね６は、３対の相互に対向する接触ばねアーム８乃至１３を有する。中央接触ばねアーム９、１２が、この場合には自由端を有する。これに対して、外側の接触ばねアーム８、１０、１１、及び１３は、外面端の接続部１４−１７を介して側方アーム１８−２１に連続され、接触ばねアーム８、１０、１１及び１３を支持する。特に図６から容易に判る如く、接触ばね８−１３は、相互に接点Ｋに向けて延び、その後外方に拡がる。これにより相手コンタクトピン等の挿入用開口を形成する。
【００１９】
図５及び図６から判る如く、内部接触ばね６は略箱（ボックス）状のばねアームベース２２を有する。しかし、この箱は長手面の中央領域即ち中央接触ばねアーム９、１２が形成されている部分でテ−パを有する。これは特に図７及び図８を見ると明らかである。
【００２０】
次に、外部ばね７につき、図９乃至図１４を参照して以下に説明する。外部ばね７は略箱形に形成されている。この外部ばね７は、上壁１２、底壁２４及び両側壁２５、２６を有する。外部ばね７の断面は側壁２５、２６の中央部でテ−パ（内方に凹み）し、中央部が圧縮されたＯ状である。固定（ラッチ）用ばね舌片２７、２８が、この領域の各側に形成されている。この固定用ばね舌片２７、２８は外部ばね７、更には電気端子１自体をコネクタハウジングＨ内にラッチするのに使用される。固定用ばね舌片２７、２８は、側壁２５、２６を切起して形成される。図示の如く、この固定用ばね舌片２７、２８は、ハウジングＨに当接係合するが、外部ばねの最大幅を超えることはない。このことは、外部ばね７の面は可能な限りスムーズであることを意味する。従って、この電気端子を防水コネクタの共通防水栓（シール）に挿入しても、この固定用舌片により防水栓を破損又は損傷することはないので、防水型コネクタ用電気端子に特に好適である。
【００２１】
図１５は、電気端子１が挿入固定された電気コネクタハウジングＨのチャンバ１３０を横切る断面図を示す。図１５には２個の肩３１、３２が示され、その背後に電気端子１の固定用舌片２７、２８がラッチされる。これら肩３１、３２はチャンバ１３０の全幅にまたがり延びてはおらず、中央領域のみに形成され、この部分に電気端子１の外部ばね７にテーパが形成されている。
【００２２】
端面の近傍領域において、外部ばね７には更にウェブ２９、３０が側壁に形成されている。これらウェブ２９、３０の長軸は、電気端子１の挿入方向に対して直角に走り、これらウェブ２９、３０は長手方向の両側において切起こし形成されている。
【００２３】
ウェブ２９、３０は両方共に内方に折曲げられ、テーパ領域よりも外部ばね７内に更に突出する。この様子は、特に図１０中によく示されている。更に、外部ばね７は停止ラグ３１−３６を有し、これらは端面に折曲げられ、これらラグ３１−３６は下記の機能を果す。
【００２４】
先ず、これらラグ３１−３６は、相手コンタクトピンが挿入されるとき、このコンタクトピンが側部に衝突せず接触ばねアーム間のみに挿入されるのを保証する。
【００２５】
次に、これらラグ３１−３６は、電気端子１の接触ばねアームがプレストレス（予歪）付与され、これにより相手コンタクトピンの挿入力を低下され且つ相手コンタクトピンが相当挿入される迄、挿入力が生じないようにするのを保証する。
【００２６】
このプレストレス位置は、特に図４から容易に理解されよう。図４は、外部ばね７を有する電気端子１の断面図である。この図において、停止ラグ３５及び３２が中央接触ばねアーム９及び１２のプレストレスを保証するのみならず、これら接触ばねアームはウェブ２９、３０により支持されることが判る。
【００２７】
以上、本発明の電気端子の好適実施形態を添付図を参照して説明したが、本発明は斯る特定実施形態のみに限定されるべきではなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であることが容易に理解できよう。
【００２８】
【発明の効果】
本発明の電気端子によると、端子本体（又は内部部材）の外側に外部ばねを設け、外部ばねには側壁を切起して形成した固定用舌片の近傍にウェブを有し、内部接触ばねアームの支持を行うので、相手コンタクトピン又はタブと良好な電気的接触を保証する。更に、この電気端子の外面は比較的円滑であるので、取扱時のからみ等が少なく作業性が良好であり、且つ防水栓を装着する際に防水栓を装着する際に防水栓への挿入作業性がよく且つ防水栓を傷めることがない。従って、本発明の電気端子は防水型電気コネクタに使用する場合に特に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明による電気端子の好適実施形態の側面図。
【図２】 図１の電気端子の相手コンタクトピン挿入端から見た端面図。
【図３】 図１の電気端子の線Ａ−Ａに沿う横断面図。
【図４】 図１の電気端子の線Ｂ−Ｂに沿う縦断面図。
【図５】 図１の電気端子を構成する内部接触ばねを含む端子本体の側面図。
【図６】 図５の端子本体の線Ａ−Ａに沿う縦断面図。
【図７】 図５の端子本体の図２と同様の端面図。
【図８】 図５の端子本体の線Ｃ−Ｃに沿う横断面図。
【図９】 図１の電気端子を構成する外部ばねの側面図。
【図１０】 図９の外部ばねの線Ｃ−Ｃに沿う縦断面図。
【図１１】 図９の外部バネの線Ｄ−Ｄに沿う縦断面図。
【図１２】 図９の外部ばねの図２と同様の端面図。
【図１３】 図９の外部ばねの線Ａ−Ａに沿う横断面図。
【図１４】 図９の外部ばねの線Ｂ−Ｂに沿う横断面図。
【図１５】 電気コネクタハウジングのチャンバに挿入固定された図１の電気端子の縦断面図。
【符号の説明】
１ 電気端子
Ｍ 端子本体
２ 接触領域
６ 接触アーム
７ 外部ばね
８、１０、１１、１３ 両側接触アーム
９、１２ 中央接触アーム
２７、２８ 固定用舌片
２９、３０ ウェブ
Ｈ ハウジング

Claims (2)

1. 対向する中央及び両外側接触アームの合計３対からなる接触ばねを有する端子本体と、該端子本体の外側に配置される略箱状の外部ばねとを具備し、前記接触ばねは、前記接触アームが延びる略箱状のばねアームベースを有する電気端子において、
   前記ばねアームベースは、側壁の前記中央接触アームが形成されている部分に対応する中央領域が内方へ凹んでおり、
   前記外部ばねには、相手コンタクトの挿入方向と交差して前記中央接触アームと協働するウェブが形成されると共に、前記ばねアームベースの前記中央領域に対応して凹んでいる側壁領域にコネクタハウジングへの固定用ばね舌片が形成され、
   該固定用ばね舌片は、前記外部ばねの最大幅の範囲内に収容されていることを特徴とする電気端子。
2. 前記ウェブ及び前記固定用ばね舌片は、前記外部ばねの同一の前記側壁に形成されていることを特徴とする請求項１記載の電気端子。

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