JP3979364B2 - 照明装置および照明方法 - Google Patents

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Description

本発明は、照明装置および照明方法に関し、特に、光を透過する材料(以下、透光性材料と呼ぶ。)からなる被観察体の内部に埋め込まれている、光を透過しない材料(以下、非透光性材料と呼ぶ。)からなるマークを、コントラスト良く、高精度に観察することが可能な照明装置に関するものである。
透光性材料からなる被観察体の内部に埋め込まれている非透光性材料からなるマークをカメラなどで観察するのに、被観察体にその観察面側から光を当ててマークによる反射光を読み取ろうとすると、被観察体の表面(観察面)での反射により正確な読み取りが困難になる場合がある。
そこで、従来のこの種の照明装置および照明方法においては、位置決めマークが形成された多層プリント配線板をX−Yテーブルに載置し、X−Yテーブルに埋め込まれたLED(光源)からの光が多層プリント配線板の位置決めマークにより遮蔽されてできるシルエットを、カメラにより読み取り、多層プリント配線板の位置決めマークの位置を測定している(例えば、特許文献1参照)。したがって、非透光性材料からなる位置決めマークが、透光性材料からなる多層プリント配線板(被観察体)の内部に埋め込まれている場合にも、位置決めマークを正確に読み取ることができる。
特開平10−200270号公報(第1頁、第1図)
従来の照明装置は、以上のように構成されているので、LED(光源)をX−Yテーブルに埋め込むのにX−Yテーブルを加工しなければならず、製造が容易でなく、しかも高価につくなどの問題点があった。
本発明は、上記のような従来のものの問題点を解決するためになされたものであり、透光性材料からなる被観察体の内部に埋め込まれている、非透光性材料からなるマークを、コントラスト良く、高精度に観察することができる、製造が容易で安価な照明装置および照明方法を提供することを目的とするものである。
本発明に係る照明装置は、光を拡散する光拡散手段上に配置された光を透過する被観察体に埋め込まれて光を透過しないマークを照明する照明装置であって、上記被観察体に上記光拡散手段が配置されない観察面側から光を照射する光照射手段と、上記光拡散手段を通過した光が上記光拡散手段を載せる台で反射して上記被観察体を照明することによるゴースト像の発生を防止するゴースト像防止手段とを備えたものである。
また、本発明に係る照明方法は、光を透過する材料からなる被観察体の内部に埋め込まれている、光を透過しない材料からなるマークを照明する照明方法であって、
上記被観察体に観察面側から光が照射され、
上記被観察体に観察面と反対側の面に配置された光拡散手段にて拡散されて、
上記マークの裏面側から観察面側に向けて上記被観察体を透過照明し、
上記被観察体及び上記光拡散手段を載せる台で反射した光が上記被観察体を照明することによるゴースト像の発生を防止するものである。
上記のように構成された照明装置においては、光照射手段からの光は、透光性材料からなる被観察体を透過して光拡散手段に至り、光拡散手段による散乱光が、台で反射することなく被観察体をその観察面と反対の側から透過照明するので、被観察体の内部に埋め込まれている非透光性材料からなるマークの良好なシルエットを高精度に観察することができる。
さらに、光照射手段からマークの観察面に至る光を遮光手段で遮光しているため、マークが金属等の反射し易い材料で形成されている場合でも、コントラスト良く観察することができる。
しかも、光照射手段は被観察体の観察面側から光を照射するので、上記従来の照明装置におけるように、光源をX−Yテーブルに埋め込まなくてもよく、被観察体の観察面と反対側の面に、光を拡散する材料を配置するだけでよいので、製造が容易で、しかも安価な照明装置が得られる。
また、上記のような照明方法においては、透光性材料からなる被観察体の内部に埋め込まれている、非透光性材料からなるマークを、コントラスト良く、高精度に観察することができる。
しかも、光照射手段は被観察体の観察面側から光を照射するので、上記従来の照明装置におけるように、光源をX−Yテーブルに埋め込まなくてもよく、被観察体の観察面と反対側の面に、光を拡散する材料を配置するだけでよいので、製造が容易で、しかも安価である。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1による照明方法および照明装置の構成を説明するための断面図である。
被観察体2は透光性材料からなり、透明あるいは半透明である。被観察体2の内部には、非透光性材料からなる不透明のマーク(内挿マーク)1が埋め込まれている。
被観察体2の観察面2aと反対側(図では下側である。)の面には、光を拡散する材料を配置してなる光拡散手段として、拡散板3が配置されている。本実施の形態では、拡散板3として、ガラスクロスが織り込まれたエポキシ樹脂を用いている。
また、被観察体2および拡散板3は台5に乗せられており、光照射手段に相当する光源4は、被観察体2の観察面2a側(図では上側である。)から被観察体2を照明している。光源4は、例えばLEDからなり、マーク1を取り囲むようにリング状に配置されている。
さらに、光源4からマーク1の観察面1aに至る光22を遮る遮光手段に相当する筒状(例えば円筒状)の遮蔽体6が、光源4とマーク1との間に、マークを取り囲むように配置されている。
このように構成されたものにおいて、光源4から出た光は被観察体2を透過し、矢印20で示すように拡散板3で散乱する。その一部は拡散板3の中を進行し、さらに拡散すると、一部は被観察体2に向かう(図では上向きである。)光21となる。この光21は、被観察体3をその観察面3aと反対の側(図では下側である。)から透過照明するため、観察面3a側(図では上である。)から観察すると、内挿マーク1のシルエット像が高精度に観察される。
このとき、マーク1の観察面1aで反射した光23で、マーク1が明るくなると、拡散板3による透過照明で暗く観察されていたマーク1のコントラストが低下してしまう。しかしながら、本実施の形態では、光源4とマーク1との間に遮蔽体6を置いて、マーク1の観察面1aに光源4からの光が照射されないようにしている。このように、光源4からの光がマーク1にその観察面1a側から照射されるのを、遮蔽体6が遮ることで、コントラスト良くマーク1のシルエットを観察できる。特にマーク1が金属等の反射率の高い材料からなる場合であっても、コントラスト良く観察できる。
さらに、光源4を、マーク1を取り囲むようにリング状に複数配置したため、マーク1が均等に照明され、光量ムラのない、良好な像が観察される。
しかも、光源4は被観察体2の観察面2a側から光20を照射するので、上記従来の照明装置におけるように、光源をテーブルに埋め込まなくてもよく、被観察体2の観察面2aと反対側の面に、光を拡散する材料(拡散板3)を配置するだけでよいので、製造が容易で、しかも安価な照明装置および照明方法が得られる。さらに、
例えばXYテーブル等の被観察体移動手段等を容易に配置できる。
実施の形態2.
図2は本発明の実施の形態2による照明方法および照明装置の構成を説明するための断面図である。
本実施の形態では、遮蔽体6は、円錐筒状の形状を有し、光源4から被観察体2に照射される光20の内、被観察体2の観察面2aに対して垂直に照射される光24(本明細書ではこの光24を遮蔽角度が90°の光と呼ぶ。)を境とし、それよりもマーク1側に傾斜して照射される光25(本明細書ではこの光24を遮蔽角度が90°を超える光と呼ぶ。)を遮るように、すなわち、光の遮蔽角度が90°以下になるように、構成されている。他の構成は実施の形態1と同じである。
遮蔽角度7が90°を超える光25は、台5で正反射し、内挿マーク1を、図2において斜め下側から照明するため、ゴースト像26が発生し、影の位置にズレが生じる。しかしながら、本実施の形態では、遮蔽角度が90°を超える光25を遮蔽体6で遮るように構成されているので、ゴースト像26の発生を防止し、位置ずれのない正確な像が観察される。
なお、遮蔽角度が90°を超える光25を遮蔽体6で遮るように構成する代わりに、図1で示した照明装置において、拡散板3の被観察体2と反対側に、光を吸収する光吸収手段を備えてもよい。光吸収手段として、より具体的には、例えば、拡散板3の台5側の面あるいは拡散板3が載置される台5の拡散板3側の面に、光を吸収する塗装(例えば黒色)を施してもよく、または、図1におけるマーク1の下に位置する部分だけ台5を削って空間を設けてもよい。
これによって、遮蔽角度が90°を超える光は、光吸収手段で吸収されるので、ゴーストの発生を抑えることができる。
実施の形態3.
図3は本発明の実施の形態3による照明方法および照明装置の構成を説明するための断面図である。
本実施の形態では、遮光手段として、光源4と被観察体2との間で、かつ光源4とマーク1との間に、凸レンズ12を配置している。他の構成は実施の形態1と同じである。
このような構成によれば、マーク1の観察面1aに照射される光源4からの光22は凸レンズ12での屈折によって遮光されるため、マーク1の観察面1aが光源4によって照明されることはない。その結果、実施の形態1の場合と同様の効果が得られる。
なお、光源4を、マーク1を取り囲むようにリング状に配置した場合には、凸レンズ12としては、マーク1を取り囲むドーナツ形状のものを用いるのが望ましく、光源4からの光がマーク1にその観察面1a側から照射されるのを確実に遮ることができる。
実施の形態4.
図4は本発明の実施の形態4による照明方法および照明装置の構成を説明するための断面図である。
本実施の形態では、凸レンズ12の形状を工夫したり、マーク1と光源4に対する凸レンズ12の位置を工夫したりすることにより、光源4から被観察体2に照射される光の内、被観察体2の観察面2aに対して垂直に照射される光24(遮蔽角度が90°の光)を境とし、それよりもマーク1側に傾斜して照射される光(遮蔽角度が90°を超える光)を遮るように、すなわち、遮蔽角度が90°以下になるように、凸レンズ12を構成している。
より具体的に説明すると、例えば、図4に示すように、凸レンズ12を光源4の真下に(光源4から被観察体2の観察面2aに垂線を引いた場合に、その垂線上に凸レンズ12の主点が来るように)配置し、かつ、凸レンズ12の主点と光源4との間隔を凸レンズ12の焦点距離と同じにすれば、凸レンズ12を透過した光24は垂直に被観察体1に照射され、遮蔽角度が90°以下になる。
実施の形態3で説明したように、遮蔽角度が90°を超える光25は、台5で反射し、有害なゴースト像26を生み出すが、この光25を凸レンズ12による屈折で遮光しているため、位置ずれのない正確な像が観察される。
なお、実施の形態2で説明したのと同様に、遮蔽角度が90°を超える光25を凸レンズ12で遮るように構成する代わりに、図3で示した照明装置において、拡散板3の被観察体2と反対側に、光を吸収する光吸収手段(光を吸収する塗装や空間等)を備えてもよい。この場合にも、遮蔽角度が90°を超える光は、光吸収手段で吸収されるので、ゴーストの発生を抑えることができる。
実施の形態5.
図5は本発明の実施の形態5による照明方法および照明装置の構成を説明するための断面図である。
本実施の形態は、観察対象物がプリント配線板8である場合である。プリント配線板8は、図5に示すように、コア材と呼ばれる中央層9の両面に内層配線パターン(図示せず)並びに、非透光性材料からなる基板表面加工用ターゲットマーク1および裏面加工用ターゲットマーク(図示せず)が形成され、これらを覆うように例えば透光性の樹脂からなる層間絶縁層10、11が形成されている。すなわち、層間絶縁層10および11の内部に、それぞれ基板表面加工用ターゲットマーク1および裏面加工用ターゲットマーク(共にマークに相当する。)が埋め込まれている。なお、コア材と呼ばれる中央層9としては、ガラスエポキシ等の光を拡散する材料が使用されている。
本実施の形態では、非透光性材料からなる基板表面加工用ターゲットマーク1が内部に埋め込まれている層間絶縁層10が、透光性材料からなる被観察体に相当し、光を拡散する材料からなる中央層9が光拡散手段に相当する。
本実施の形態においても、実施の形態1と同様に、光源4からの光は、透光性材料からなる被観察体である層間絶縁層10を透過して光拡散手段である中央層9に至り、中央層9による散乱光20が、層間絶縁層10をその観察面10aと反対の側から透過照明するので、層間絶縁層10の内部に埋め込まれている非透光性材料からなるマーク1の良好なシルエットを高精度に観察することができる。
ただし、図5において、プリント配線板8の上下を逆にして台5に設置した場合は、裏面加工用ターゲットマーク(図示せず)が内部に埋め込まれている層間絶縁層11が、透光性材料からなる被観察体に相当する。
さらに、光源4からマーク1の観察面1aに至る光22を遮光手段(筒状の遮蔽体6)で遮光しているため、マーク1が金属等の反射し易い材料で形成されている場合でも、コントラスト良く観察することができる。
このように、本実施の形態においては、光照射手段(光源4)からの光がマーク1にその観察面1a側から照射されるのを遮り、かつ、光照射手段からの光を被観察体2にその観察面2a側から照射し、この照射された光が、被観察体2および被観察体2の観察面2aと反対側の面に配置された光拡散手段(中央層9)を経て、被観察体2をその観察面2aと反対の側から透過照明するので、透光性材料からなる被観察体2の内部に埋め込まれている、非透光性材料からなるマーク1を、コントラスト良く、高精度に観察することができる。
しかも、光源4は層間絶縁層10の観察面10a側から光を照射するので、従来の照明装置におけるように、光源をX−Yテーブルに埋め込まなくてもよく、被観察体(層間絶縁層10)の観察面10aと反対側の面に、光を拡散する材料(中央層9)を配置するだけでよい、と言うよりすでに配置されているので、安価でしかも容易に製造できる。
さらに、プリント配線板8は、層間絶縁層10、中央層9、層間絶縁層11が一体的に形成されているので、層間絶縁層11の中央層9と反対の側に、例えばXYテーブル等の被観察体移動手段や、被観察体2を吸着して固定するための吸着孔を容易に配置できる。
なお、上記では、本実施の形態によるプリント配線板8を実施の形態1に適用した場合について説明したが、実施の形態1に限らず、実施の形態2ないし4の何れに適用してもよい。
本発明による照明装置は、例えば多層プリント配線板の製造時に樹脂層(層間絶縁層)の下層に形成された位置決めマークを読み取るのに利用される。
また、透明モールド半導体のパターンの検査や、薬品や食品のピッキング等、透過照明が適しているものに、利用される。
本発明の実施の形態1による照明方法および照明装置の構成を説明するための断面図である。 本発明の実施の形態2による照明方法および照明装置の構成を説明するための断面図である。 本発明の実施の形態3による照明方法および照明装置の構成を説明するための断面図である。 本発明の実施の形態4による照明方法および照明装置の構成を説明するための断面図である。 本発明の実施の形態5による照明方法および照明装置の構成を説明するための断面図である。
符号の説明
1 マーク、1a マークの観察面、2 被観察体、2a 被観察体の観察面、3 拡散板、4 光源、5 台、6 遮蔽体、8 プリント基板、9 中央層、10,11 層間絶縁層、2 凸レンズ、20 拡散板内部を進行する光を示す矢印、21 拡散板から上向きに散乱する光を示す矢印、22 マークの観察面に照射される光を示す矢印、23 マークの観察面で反射した光を示す矢印、24 遮蔽角度が90°の光を示す矢印、25 遮蔽角度が90°を超える光を示す矢印、26 ゴースト像。

Claims (8)

  1. 光を拡散する光拡散手段上に配置された光を透過する被観察体に埋め込まれて光を透過しないマークを照明する照明装置であって、
    上記被観察体に上記光拡散手段が配置されない観察面側から光を照射する光照射手段と、
    上記光拡散手段を通過した光が上記光拡散手段を載せる台で反射して上記被観察体を照明することによるゴースト像の発生を防止するゴースト像防止手段と
    を備えたことを特徴とする照明装置。
  2. ゴースト像防止手段は、光照射手段と上記マークとの間に配置され、上記光照射手段から上記被観察体に照射される光の内、上記被観察体の観察面に対して垂直に照射される光を境とし、それよりもマーク側に傾斜して上記光照射手段から上記マークの観察面に至る光を遮る遮光手段であることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
  3. 遮光手段は、凸レンズであることを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
  4. ゴースト像防止手段は、光拡散手段の被観察体と反対の側に設けられた光を吸収する光吸収手段であることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
  5. 光を透過する材料からなる被観察体の内部に埋め込まれている、光を透過しない材料からなるマークを照明する照明方法であって、
    上記被観察体に観察面側から光が照射され、
    上記被観察体に観察面と反対側の面に配置された光拡散手段にて拡散され、
    上記被観察体及び上記光拡散手段を載せる台で反射した光が上記被観察体を照明することによるゴースト像の発生を防止し、
    上記マークの裏面側から観察面側に向けて上記被観察体を透過照明することを特徴とする照明方法。
  6. 光を拡散する光拡散手段上に配置された光を透過する被観察体に埋め込まれて光を透過しないマークを照明する照明装置であって、
    上記被観察体に上記光拡散手段が配置されていない観察面側から光を照射する光照射手段と、
    上記光照射手段と上記マークとの間に配置され、上記光照射手段から上記被観察体に照射される光の内、上記被観察体の観察面に対して垂直に照射される光を境とし、それよりもマーク側に傾斜して上記光照射手段から上記マークの観察面に至る光を遮る遮光手段とを備えたことを特徴とする照明装置。
  7. 遮光手段は、凸レンズであることを特徴とする前記請求項6に記載の照明装置。
  8. 光を拡散する光拡散手段上に配置された光を透過する被観察体に埋め込まれて光を透過しないマークを照明する照明装置であって、
    上記被観察体に上記光拡散手段が配置されていない観察面側から光を照射する光照射手段と、
    光拡散手段の被観察体と反対の側に、光を吸収する光吸収手段と
    を備えたことを特徴とする照明装置。
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