JP3979086B2 - 半導体回路検査治具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体回路検査装置や半導体パッケージの一括電気的検査を行うための半導体回路検査治具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の検査治具の一例を図5(a)、(b)及び(c)に示す。
図5(a)は、従来の検査治具の一例を示す斜視図を、図5(b)は、(a)の斜視図をA−A’線で切断した模式構成断面図を、図5(c)は、(a)の斜視図をB−B’線で切断した模式構成断面図をそれぞれ示す。
従来の検査治具は図5(a)及び(b)に示すように、マイクロストリップ配線とよばれるもので、絶縁基材101上に導通リード102が、導通リード102の一方の先端上に検査電極103が形成されており、導通リード102間及び導通リード102上にはソルダーレジスト等からなる絶縁層104が形成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の検査治具の導通リード部分はマイクロストリップ配線とよばれるもので、絶縁基材101上に導通リード102が形成され、導通リード102間には絶縁層104が存在するのみである。これは電気特性的には好ましくない構造で、高周波を流すと干渉が起こり、ノイズやクロストークといった問題が発生する。ノイズやクロストークが発生すると正常な信号が得られないため、検査治具としての役目を果たせなくなる。この問題を解決するための構造としてコプレナー配線という構造がある。これはマイクロストリップ配線と構造が変わらないが、信号線とグランド線を交互に配置することによって、信号線同士がある程度干渉しないようになっている。しかし、上下には金属層がないため、完全に干渉を遮蔽することは出来ない。
【0004】
本発明は、上記問題点に鑑みて考案されたもので、検査電極に接続されている信号配線の役目をする導通リードにノイズやクロストークを発生させない半導体回路検査治具を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明において上記問題を解決するために、本発明では、絶縁基材31上に少なくともグランドからなる導体層12と、絶縁層11aと、信号線からなる導通リード3aと、絶縁層1aと、シールド用導体層15aと、検査電極下地導体層15bと、外部接続端子15cと、検査電極51とが形成されており、前記信号線からなる導通リード3aは前記絶縁層1a及び11aを介してグランドからなる導体層12とシールド用導体層15aとで囲まれた同軸構造をしており、前記検査電極下地導体層15b及び外部接続端子15cはビアホール14にて前記信号線からなる導通リード3aに電気的に接続され、前記検査電極下地導体層15b上に検査電極51が形成されていることを特徴とする半導体回路検査治具としたものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき説明する。
図1(a)は、本発明の半導体回路検査治具の一実施例を示す斜視図を、図1(b)は、(a)の斜視図をA−A’線で切断した模式構成断面図を、図1(c)は、(a)の斜視図をB−B’線で切断した模式構成断面図をそれぞれ示す。本発明の半導体回路検査治具は、図1(a)、(b)及び(c)に示すように、絶縁基材31上に、信号線からなる導通リード3a、絶縁層1a及び11a及び検査電極下地導体層15b上に検査電極51が形成されたもので、信号線からなる導通リード3aは絶縁層1a及び11aを介してグランドからなる導体層12と導体層2a及び15aとで囲まれた同軸構造をしており、導通リード3aはビアホール14にて検査電極下地導体層2b及び15bと外部接続端子2c及び15cとが電気的に接続され、導通リード3aが同軸構造になっているため、高周波信号を用いて検査する場合、検査電極51からの信号はノイズ及びクロストークの影響を受けることなく、外部接続端子2c及び15cを経て測定機器に正確に伝達される。
【0007】
以下、本発明の半導体回路検査治具の製造方法について説明する。
図2(a)〜(h)及び図3(i)〜(n)に、本発明の半導体回路検査治具の製造方法の一実施例を工程順に示すA−A’線で切断した模式構成断面図を、図4(a)〜(h)に、本発明の半導体回路検査治具の製造方法の一実施例を工程順に示すB−B’線で切断した模式構成断面図をそれぞれ示す。
まず、樹脂フィルム(ポリイミド、ポリエステルフィルム等)からなる絶縁層1の両面にあらかじめ銅箔を積層して導体層2及び導体層3を形成する(図2(a)及び図4(a)参照)。
次に、導体層2及び導体層3上にレジストをスピンナー等で塗布するか、またはドライフィルムを加熱転写して感光層4及び感光層5を形成する(図2(b)及び図4(b)参照)。
【0008】
次に、感光層4及び感光層5に所定パターンを露光し、現像等の一連のパターニング処理を行って、導体層2上の所定位置にに開口部4bを有するレジストパターン4a及び導体層3上の所定位置にレジストパターン5aを形成する(図2(c)及び図4(c)参照)。
次に、レジストパターン4a及びレジストパターン5aをマスクにして、導体層2及び導体層3をエッチング処理し、レジストパターン4a及びレジストパターン5aを剥離処理して、絶縁層1の一方の面に開口部6を有する導体層2a及び絶縁層1の他方の面に導通リード3aを形成する(図2(d)及び図4(d)参照)。
ここで、開口部6は後記するビアホール形成用孔をレーザー加工で形成するためのレーザービーム照射用孔として利用する。また、導体層2aは通常の導体層の役目の他に、絶縁層をレーザー加工するための照射マスクとして利用される。
【0009】
次に、導通リード3a上に、接着性を有する絶縁樹脂をラミネート、またはプレスで貼り合わせ、その上から銅箔をラミネートまたはプレスで貼り合わせ、絶縁層11及び導体層12を形成する(図2(e)及び図4(e)参照)。
さらに、導体層12上に所定厚の樹脂フィルム(ポリイミド、ポリエステルフィルム等)をラミネート、またはプレスで貼り合わせ、絶縁基材31を形成する(図2(f)及び図4(f)参照)。
【0010】
次に、導体層2aを照射マスクにして、レーザービーム等を照射して絶縁層1及び絶縁層11を加工して台形状の絶縁パターン層1a及び絶縁パターン層11aを、開口部6よりレーザービーム等を照射してビアホール形成用孔13をそれぞれ形成する(図2(g)及び図4(g)参照)。
【0011】
次に、導体層12及び導体層2a上、絶縁層1a及び絶縁層11a側面、及び絶縁層1のビアホール形成用孔13に、銅スパッタ、あるいは無電解銅めっき等で所定厚の銅皮膜からなる薄膜導体層(特に図示せず)を形成し、薄膜導体層をカソードにして電解銅めっきを行い、ビアホール14及び導体層15を形成する(図2(h)参照)。
【0012】
次に、導体層15上に感光性レジストをスピンナー等により塗布するか、ドライフィルムを加熱転写して感光層21を形成する(図3(i)参照)。
次に、感光層21をパターン露光、現像等の一連のパターニング処理を行って、開口部23を有するレジストパターン21aを形成し(図3(j)参照)、レジストパターン21aをマスクにして開口部23より導体層15及び導体層2をエッチングし、レジストパターン21aを剥離処理して、シールド用導体層導体層15a及び2a、導通リード3aとビアホール14にて電気的に接続された検査電極下地導体層15b及び2b、及び外部接続端子15c及び2cを形成する(図3(k)及び図4(h)参照)。
【0013】
次に、接着性を有する所定厚の樹脂フィルムにあらかじめ検査電極と同じ径の台形状開口部をエキシマレーザー等で形成し、台形状開口部の開口径の大きい部分を下にして貼り合わせ、検査電極形成用孔42を有する絶縁層41を形成する(図3(l)参照)。
【0014】
次に、絶縁層41の検査電極形成用孔42を導電化処理して、検査電極下地導体層15b及び2bをカソードにして電解めっきを行い、金属導体からなる検査電極51を形成する(図3(m)参照)。金属導体としては、銅、ニッケル、金等が使用できる。
【0015】
次に、検査電極先端を必で要に応じて研磨し、絶縁層41を剥離し、絶縁基材31上に信号線からなる導通リード3aが絶縁層1a及び絶縁層11aを介してグランドからなる導体層12及びシールド導体層15aで囲まれ、ビアホール14にて信号線からなる導通リード3aと電気的に接続された検査電極51を有する半導体回路検査治具100を得ることができる(図3(n)参照)。
【0016】
【実施例】
以下実施例により本発明を詳細に説明する。
25μm厚のポリイミドフィルムからなる絶縁層1の両面に9μm厚の銅箔を貼り合わせて導体層2及び導体層3を形成した両面銅張りポリイミドフィルムを用い、両面に25μm厚の感光性ドライフィルムレジストをラミネーターを用いて温度110℃、線圧2kg/cmでラミネートし感光層4及び感光層5を形成した(図2(a〜b)及び図4(a〜b)参照)。
【0017】
次に、感光層4及び感光層5に所定パターンを露光し、1%炭酸ナトリウム水溶液にて現像し、導体層2上の所定位置にに開口部4bを有するレジストパターン4a及び導体層3上の所定位置にレジストパターン5aを形成した(図2(c)及び図4(c)参照)。
次に、レジストパターン4a及びレジストパターン5aをマスクにして、温度45℃、比重1.45の塩化第二鉄を用いて液導体層2及び導体層3をエッチング処理し、レジストパターン4a及びレジストパターン5aを10%、40℃のNaOH水溶液にて剥離して、絶縁層1の一方の面に開口部6を有する導体層2a及び絶縁層1の他方の面に導通リード3aを形成した(図2(d)及び図4(d)参照)。
【0018】
次に、導通リード3a上に、厚み40μmで半硬化状態の絶縁エポキシフィルムを熱プレスで仮張りし、その上に9μm厚の銅箔を熱プレスで張り合わせ、絶縁層11及び導体層12を形成した(図2(e)及び図4(e)参照)。
さらに、導体層12上に50μm厚のポリイミドフィルムをラミネートし、絶縁基材31を形成した(図2(f)及び図4(f)参照)。
【0019】
次に、導体層2aを照射マスクにして、UV−YAGレーザービームを照射して絶縁層1及び絶縁層11を加工して台形状の絶縁パターン層1a及び絶縁パターン層11aを、開口部6よりUV−YAGレーザービームを照射してビアホール形成用孔13をそれぞれ形成した(図2(g)及び図4(g)参照)。
【0020】
次に、導体層12及び導体層2a上、絶縁層1a及び絶縁層11a側面、及び絶縁層1のビアホール形成用孔13に、銅スパッタにて銅皮膜からなる薄膜導体層を形成し、薄膜導体層をカソードにして電解銅めっきを行い、ビアホール14及び10μm厚の導体層15を形成した(図2(h)参照)。
【0021】
次に、導体層15上に25μm厚の感光性ドライフィルム15を温度110℃、線圧2kg/cmの条件でラミネートして感光層21を形成した(図3(i)参照)。
次に、感光層21をパターン露光し、1%炭酸ナトリウム水溶液にて現像して、開口部23を有するレジストパターン21aを形成した(図3(j)参照)。
さらに、レジストパターン21aをマスクにして塩化第二鉄液にて開口部23より導体層15及び導体層2をエッチングし、レジストパターン21aを10%、40℃のNaOH水溶液にて剥離して、シールド用導体層2a及び導体層15a、導通リード3aとビアホール14にて電気的に接続された検査電極下地導体層2b及び15b、及び外部接続端子2c及び15cを形成した(図3(k)及び図4(h)参照)。
【0022】
次に、接着性を有する40μm厚のエポキシフィルム41にあらかじめ40μm径の台形状開口部を形成し、台形状開口部の開口径の大きい部分を下にして検査電極下地導体層15b、シールド用導体層導体層15a及び外部接続端子15c上に貼り合わせ、検査電極形成用孔42を有する絶縁層41を形成した(図3(l)参照)。
【0023】
次に、絶縁層41の検査電極形成用孔42を導電化処理して、検査電極下地導体層2b及び15bをカソードにして電解銅めっきを行い、銅の金属導体からなる検査電極51を形成した(図3(m)参照)。
【0024】
次に、検査電極先端を#1000、#2400の順番に研磨紙で研磨し、絶縁層41を剥離し、絶縁基材31上に信号線からなる導通リード3aが絶縁層1a及び絶縁層11aを介して導体層で囲まれ、ビアホール14にて信号線からなる導通リード3aと電気的に接続された検査電極51を有する半導体回路検査治具100を得た(図3(n)参照)。
上記半導体回路検査治具100を用いて高周波回路基板の導通検査を行った結果10GHzで10db程度クロストークを減少することができた。
【0025】
【発明の効果】
本発明の半導体回路検査治具は信号線からなる導通リードがグランドを含む導体層で囲まれた同軸構造になっているため、検査電極からの高周波信号を測定機器に伝達する際にノイズやクロストークを低減できる。
従って、高周波に対応した精度の良い半導体回路検査治具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の半導体回路検査治具の一実施例を示す斜視図である。
(b)は、(a)の斜視図をA−A’線で切断した模式構成断面図である。
(c)は、(a)の斜視図をB−B’線で切断した模式構成断面図である。
【図2】(a)〜(h)は、本発明の半導体回路検査治具の製造方法の一実施例の一部を工程順に示すA−A’線で切断した模式構成断面図である。
【図3】(i)〜(n)は、本発明の半導体回路検査治具の製造方法の一実施例の一部を工程順に示すA−A’線で切断した模式構成断面図である。
【図4】(a)〜(h)は、本発明の半導体回路検査治具の製造方法の一実施例を工程順に示すB−B’線で切断した模式構成断面図である。
【図5】(a)は、従来の半導体回路検査治具の一例を示す斜視図である。
(b)は、(a)の斜視図をA−A’線で切断した模式構成断面図である。
(c)は、(a)の斜視図をB−B’線で切断した模式構成断面図である。
【符号の説明】
1、11、41……絶縁層
1a、11a……絶縁パターン層
2、3、15……導体層
2a、15a……シールド用導体層
2b、15b……検査電極下地導体層
2c、15c……接続端子
3a……導通リード
4、5、21……感光層
4a、5a、21a……レジストパターン
4b、6、23……開口部
12……導体層
13……ビアホール形成用孔
14……ビアホール
31……絶縁基材
42……検査電極形成用孔
51……検査電極
100……半導体回路検査治具

Claims (1)

  1. 絶縁基材(31)上に少なくともグランドからなる導体層(12)と、絶縁層(11a)と、信号線からなる導通リード(3a)と、絶縁層(1a)と、導体層(15a)と、検査電極下地導体層(15b)と、外部接続端子(15c)と、検査電極(51)とが形成されており、前記信号線からなる導通リード(3a)は前記絶縁層(1a及び11a)を介してグランドからなる導体層(12)とシールド用導体層(15a)とで囲まれた同軸構造をしており、前記検査電極下地導体層(15b)及び外部接続端子(15c)はビアホール(14)にて前記信号線からなる導通リード(3a)に電気的に接続され、前記検査電極下地導体層(15b)上に検査電極(51)が形成されていることを特徴とする半導体回路検査治具。
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