JP2001339157A - マルチワイヤ配線板の製造方法 - Google Patents

マルチワイヤ配線板の製造方法

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JP2001339157A
JP2001339157A JP2000158491A JP2000158491A JP2001339157A JP 2001339157 A JP2001339157 A JP 2001339157A JP 2000158491 A JP2000158491 A JP 2000158491A JP 2000158491 A JP2000158491 A JP 2000158491A JP 2001339157 A JP2001339157 A JP 2001339157A
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conductor pattern
circuit
nonwoven fabric
hole
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JP2000158491A
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Yuichi Shimayama
裕一 島山
Eiitsu Shinada
詠逸 品田
Shigeharu Ariga
茂晴 有家
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Showa Denko Materials Co Ltd
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接続信頼性を低下させることなく導体パター
ンの形成精度に優れ、またビルドアップ層の絶縁層厚の
制御に優れたマルチワイヤ配線板の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 複数の導体パターン層の表裏面に樹脂層
をそれぞれ重ねて積層一体化する工程と、複数の導体パ
ターン層を貫通する貫通孔を形成する工程と、貫通孔の
内壁に導体を堆積して回路基板を形成する工程と、回路
基板の表面及び裏面のうち少なくとも片面に不織布プリ
プレグを重ねて積層一体化して、貫通孔に不織布プリプ
レグが充填され、回路基板の少なくとも片面にビルドア
ップ層が形成された積層板を形成する工程と、内層回路
が表出する孔を選択的にビルドアップ層に形成する工程
と、孔の内壁に導体を堆積する工程と、ビルドアップ層
の上に内層回路に接続された導体パターンを形成する工
程とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はマルチワイヤ配線板
の製造方法に関わり、特に、貫通孔とビルドアップ層の
形成に不織布プリプレグを用いるマルチワイヤ配線板の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に電気機器に拾ける構成部品間の電
気接続は、絶縁被覆電線、裸電線などのワイヤ、あるい
は印刷配線板が用いられるが、ワイヤ配線は大きなスペ
ースを必要とするほか、配線の混乱や断線が生じやす
く、また分岐接続が複雑になる欠点を有し、他方、印刷
配線板を用いると、このような欠点は改善できるが、印
刷配線板自体は特殊な製造技術を要し、特に多層配線の
場合は高価なものとなり、また印刷配線板の形状は平板
形に限定されるので、配線設計上に拾いて種々の制限を
受ける。
【0003】そこで、これらワイヤ配線、印刷配線のそ
れぞれの特徴を生かすように考え出されたのが、ワイヤ
または導体を絶縁基板上に布設または絶縁基板内に埋設
して配線板としたのがワイヤ布線配線板である。このワ
イヤ布線配線板は印刷配線板と比べて、配線導体の剥離
がなく、機械的に堅牢であり、交差配線が簡単で自由に
行えるので、多層回路の形成が容易であり、さらに立体
的な配線回路の設計が可能である。また、印刷配線板で
は、比較的配線の交差接触を避けるために、配線路が長
くなり、そのため高周波回路ではイノビーダンスの増加
を招くなどの問題のあるところも、ワイヤ布線配線板で
は配線路を短くすることができ、また、配線ワイヤの余
端を絶縁基板から引き出しておくだけで、リード端子と
することができるなど、種々の利点がある。
【0004】一方、このワイヤ布線配線板は印刷配線板
と比べて微小配線回路の形成にはその構成上不向きであ
り、また、ワイヤ布設、埋設ならびにワイヤ層間の接続
技術が大量生産には向いていないので、少量、多品種生
産の範囲で有効なものといえる。現在では、絶縁基板や
内層回路基板の表面を樹脂で平坦にした基板の上に接着
シートをラミネートし、その上に絶縁電線(ワイヤ)を数
値制御式布線機で回路の形状に固定し、カバーレイ層を
重ねて過熱・加圧して積層一体化し、ワイヤを切断する
ように穴をあけ、その穴内部を金属化して、ワイヤと他
の回路を電気的に接続している。
【0005】この布線機の先端は、超音波で振動してワ
イヤの上から接着シートを加熱、活性化し、ワイヤを接
着シートに固定するようになっている。
【0006】近年、電子機器の小型化、高性能化に伴
い、マルチワイヤ配線板における表面実装部品(以下、
「SMD」という)の実装密度が急上昇し、実装端子の
導体パターンには、微細化、高精度化等の要求が高まっ
てきている。
【0007】マルチワイヤ配線板の製造方法において、
接続端子や回路などの導体パターンを形成する方法とし
て、銅箔の表面に必要な形状にエッチングレジストを形
成し、不要な箇所の銅箔を化学エッチング液を噴射して
エッチング除去するという、いわゆるサブトラクト法が
ある。このサブトラクト法を用いると、導体パターンの
下面積は上面積よりも広くなってしまう。つまり、導体
パターンの断面形状が台形状となり、導体パターンの厚
さが厚いほど上下の面積差が大きくなってしまう。した
がって、高密度なSMDの実装を行うために導体パター
ンの精度が要求される場合には、導体パターンの厚さを
限りなく薄くすることが行われている。
【0008】また、導体パターンを形成するその他の方
法としてアディティブ法がある。アディティブ法は、絶
縁基板上の導体パターンが形成されない箇所にめっきレ
ジスト像を形成し、その間際に無電界めっき銅を析出さ
せて、導体パターンを形成する方法である。サブトラク
ト法と異なり、アディティブ法によれば、上面積と下面
積がほぼ等しくなるような方形状の断面形状を有する導
体パターンを形成することができる。このアディティブ
法において、導体パターンの精度が要求される場合、め
っきレジスト像の形成精度がその厚さに反比例するた
め、めっきレジスト像の厚さを薄くする必要があり、そ
れに伴って、形成される導体パターンの厚さも制限され
てしまう。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、スーパーコ
ンピュータ、半導体装置の検査等の分野に使用されるマ
ルチワイヤ配線板には、例えば、層数が20層以上、板
厚が5mm以上の高密度・高多層のものが使用されるこ
とがある。このような高密度で高多層なマルチワイヤ配
線板において、接続端子の接続信頼性を確保するため
に、配線層間を貫通する貫通孔の内壁に堆積される内層
銅厚をできるだけ厚くすることが必要であり、上記のサ
ブトラクト法やアディティブ法などの従来の方法では、
内層銅厚である導体パターンの厚さを厚くした上で、高
精度化することが困難である。
【0010】また、一般にマルチワイヤ配線板では配線
路の特性インピーダンスを一定にするために、層間絶縁
膜の厚さを均一に制御する必要が有る。しかし、板厚が
5mm以上の高密度・高多層のマルチワイヤ配線板に対
して、銅箔付き接着フィルムなどを用いて貫通孔の孔埋
め及びビルドアップ層の形成を一括プレスで行ってしま
うと、ビルドアップ層の絶縁膜厚を均一に制御すること
が困難である。
【0011】また、ガラス織布プリプレグなどを用いて
貫通孔の孔埋めとビルドアップ層の形成を一括プレスで
行った場合、ビルドアップ層の絶縁膜厚を均一に制御す
ることは可能であるが、表面回路と内層回路を電気的に
接続する孔の形成をレーザで行うことが困難となる。
【0012】本発明はこのような従来技術の問題点を解
決するために成されたものであり、その目的は、接続信
頼性を低下させることなく、導体パターンの形成精度に
優れ、またビルドアップ層の絶縁層厚の制御に優れたマ
ルチワイヤ配線板の製造方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の特徴は、(1)1つまたは2つ以上の導体
パターン層の表裏面に樹脂層を重ねて加圧・加熱して積
層一体化する第1工程と、(2)積層一体化された樹脂
層の上に内層回路を形成する第2工程と、(3)内層回
路の上を樹脂層で平坦化し、接着シートをラミネート
し、その上から、絶縁電線を押しつけながら、超音波振
動によって接着シートを活性化し固定し、カバーレイ層
を加熱・加圧して積層一体化する第3工程と、(4)導
体パターン層及び樹脂層を貫通する貫通孔を形成する第
4工程と、(5)貫通孔の内壁に導体を堆積して、導体
パターン層と内層回路間が相互に電気的に接続された回
路基板を形成する第5工程と、(6)回路基板の表面及
び裏面のうち少なくとも片面に不織布プリプレグを重ね
て加圧・加熱して積層一体化して、貫通孔に不織布プリ
プレグが充填され、回路基板の少なくとも片面にビルド
アップ層が形成された積層板を形成する第6工程と、
(7)内層回路が表出する孔を選択的にビルドアップ層
に形成する第7工程と、(8)孔の内壁に導体を堆積す
る第8工程と、(9)ビルドアップ層の上に内層回路に
接続された導体パターンを形成する第9工程とを有する
マルチワイヤ配線板の製造方法であることである。ここ
で、「導体パターン層」は、平板状の絶縁基板と、この
絶縁基板上に配置された所定の導体パターンとからな
る。
【0014】本発明の特徴によれば、不織布プリプレグ
を用いて貫通孔に充填し、ビルドアップ層を形成するこ
とにより、ビルドアップ層の層厚を均一に形成すること
ができる。したがって、マルチワイヤ配線板の導体パタ
ーンの特性インピーダンスを一定に保つことができる。
同時に、孔の内壁に堆積された導体の厚さを、貫通孔の
内壁に堆積された導体の厚さより薄くできるので、貫通
孔の内壁に堆積された導体の接続信頼性を低下させるこ
となく、ビルドアップ層の上に形成精度の高い導体パタ
ーンを形成することができる。
【0015】本発明の特徴において、不織布プリプレグ
は、ガラス不織布プリプレグであることが望ましい。あ
るいは、不織布プリプレグは、有機繊維不織布プリプレ
グであってもよい。また、導体パターン層の層数は任意
である。さらに、不織布プリプレグは、貫通孔の孔埋め
とビルドアップ層の形成に必要な枚数だけ必要な個所に
重ねて加圧、加熱することが望ましい。つまり、貫通孔
の孔埋めとビルドアップ層の形成に1枚の不織布プリプ
レグでは不十分であれば、2枚以上を重ねることが望ま
しく、回路基板の表裏面の片面だけでは不十分であれ
ば、両面に不織布プリプレグを重ねることが望ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】(実施例1)以下図面を参照して
本発明の実施の形態を説明する。図1は、実施例1に係
わるマルチワイヤ配線板の構成を示す断面図である。図
1に示すように、実施例1に係わるマルチワイヤ配線板
11は、導体パターン層2と、導体パターン層2の表面
及び裏面に配置された樹脂層15と、樹脂層15の内部
に配置された極細銅線3と、積層一体化された導体パタ
ーン層2及び樹脂層15の表面及び裏面に形成された内
層回路9と、積層一体化された導体パターン層2及び樹
脂層15を貫通する貫通孔4と、貫通孔4の内壁に堆積
され、導体パターン層2と内層回路9の間を電気的に接
続する導体と、内層回路9の上に積層されたビルドアッ
プ層16と、ビルドアップ層16の上に形成された導体
パターン10とを有する。導体パターン層2は、平板状
の絶縁基板と、この絶縁基板の表裏面に配置された導体
パターンとからなる。樹脂層15は、プリプレグと接着
シートとカバーレイ層とからなる。貫通孔4の内部は、
ビルドアップ層16と同一材料である不織布プリプレグ
が充填されている。導体パターン10と内層回路9と
は、ビルドアップ層16中に形成された孔8の内壁に堆
積された導体を介して接続されている。
【0017】次に、図1に示したマルチワイヤ配線板1
1の製造方法を図2(a)乃至(d)を参照して説明す
る。図2(a)乃至(d)は、本発明の実施例1に係わ
るマルチワイヤ配線板11の製造方法における主要な工
程を示す工程断面図である。なお図2(a)乃至(d)
の切断面は、図1の切断面に対応している。
【0018】(イ)まず、平板状の絶縁板の表裏面に銅
箔が堆積されたガラス布ポリイミド樹脂銅張り積層板M
CL−I−67(日立化成工業株式会社製、商品名)を
用意する。このガラス布ポリイミド樹脂銅張り積層板の
表面に、エッチングレジストフィルムHP−250(日
立化成工業株式会社製、商品名)をラミネートする。フ
ォトマスクを介してエッチングレジストフィルムに紫外
線を照射し、現像して、所定の導体パターン(内層回路
パターン)と同一形状のエッチングレジストを形成す
る。このエッチングレジストをマスクとして銅箔を選択
的にエッチング除去して、図2(a)に示すように、絶
縁板の表裏面に所定の導体パターンが配置された導体パ
ターン層2を形成する。なお、図1及び図2(a)乃至
(d)に示すように実施例1では、導体パターン層2の
層数が1つである場合について説明を続けるが、これに
限られるわけではなく2層以上であってもかまわない。
その後、エッチングレジストを剥離除去する。導体パタ
ーン層2の表面及び裏面にプリプレグをそれぞれ重ね
て、圧力2.94Mpa、温度175℃、90分の条件
で積層一体化する。なお、プリプレグには、ガラス布ポ
リイミド樹脂プリプレグGIA−67(日立化成工業株
式会社製、商品名)を使用する。次に、このプリプレグ
の上にワイヤ接着シートAS−U01(日立化成工業株
式会社製、商品名)をラミネートし、その上に絶縁被覆
極細銅線0HAW−1IMW(日立電線株式会社製、商
品名)3を数値制御式の布線機で接着層に固定し、その
上にカバーレイ層と、厚さ18μmの銅箔とを重ね、圧
力2.94Mpa、温度175℃、90分の条件で再び
積層一体化する。極細銅線3は樹脂層(プリプレグ、接
着シート、カバーレイ層)15の内部に配置され、銅箔
は樹脂層15の表面に堆積される。積層一体化された導
体パターン層2、樹脂層15、極細銅線3、及び銅箔と
を回路基板1という。
【0019】(ロ)次に、図2(a)に示すように、数
値制御孔あけ機を用いて所定の位置に回路基板1の表裏
面を貫通する貫通孔4を形成する。無電界めっきを30
μm、電気銅めっきを20μm行って、貫通孔4の内壁
と回路基板1の表裏面に必要な導体(銅箔)を堆積す
る。銅箔の上にエッチングレジストフィルムHP−25
0をラミネートし、フォトマスクを介して紫外線を照射
し、現像して、内層回路9と同一形状のエッチングレジ
ストを形成する。このエッチングレジストをマスクとし
て銅箔を選択的にエッチング除去して、回路基板1の表
裏面に内層回路9を形成する。その後、エッチングレジ
ストを剥離除去する。貫通孔4の内壁に堆積された銅箔
により、表裏面に形成された内層回路9と内層回路パタ
ーン(導体パターン層2)との間が接続される。以上の
工程を経て、図2(a)に示すように、積層一体化され
た導体パターン層2及び樹脂層15を貫通する貫通孔4
を有する板厚が約5mmの回路基板1を形成することが
できる。
【0020】(ハ)次に、図2(b)に示すように、回
路基板1の表裏面に、不織布プリプレグ5、その外側に
膜厚12μmの銅箔6を重ね、加圧・加熱して積層一体
化する。図2(c)に示すように、不織布プリプレグ5
の一部が貫通孔4に充填され、他の不織布プリプレグ5
は、内層回路9と銅箔6間のスペーサーとなって残り、
回路基板1の表裏面に堆積されたビルドアップ層16が
形成される。積層一体化された回路基板1と不織布プリ
プレグ5と銅箔6とを積層板7という。以上の工程を経
て、回路基板1の表面及び裏面に不織布プリプレグ5及
び銅箔6を重ねて加圧・加熱して積層一体化して、貫通
孔4の孔埋めとビルドアップ層16の形成を一括プレス
で行うことができる。なお、不織布プリプレグ6は、ガ
ラス不織布プリプレグの一種であるガラス不織布エポキ
シプリプレグGEA−679P(日立化成工業株式会社
製、商品名)を使用する。また、図2(b)は、積層一
体化する前の積層板7の各層(1、5、6)の配置関係
を示す図である。
【0021】(ニ)次に、積層板7の表面及び裏面にエ
ッチングレジストフィルムHP−250をラミネートす
る。フォトリソグラフィー法を用いてフォトマスクを介
して紫外線を照射し、現像して、図2(d)に示す孔8
を形成したい領域に窓を有するエッチングレジストを形
成する。このエッチングレジストをマスクとして銅箔6
を選択的にエッチング除去する。炭酸ガスレーザ孔あけ
機であるLCO−1B21(日立ビアメカニクス株式会
社製、商品名)を用いて、孔8の位置に、周波数500
Hz、パルス幅12μs、ビーム径φ0.2mm、ショ
ット回数8回の条件でレーザ光を照射し、孔8の位置の
硬化したエポキシ樹脂及びガラス不織布基材であるビル
ドアップ層16を選択的に取り除き、図2(d)に示す
ように内層回路9が露出した孔8を形成する。その後、
エッチングレジストを剥離除去する。
【0022】(ホ)次に、以下の組成の無電解銅めっき
液を用いて以下の条件で無電解銅めっきを行い、積層板
7の表裏面及び孔8の内壁に厚さ12μmの導体(銅
箔)を堆積する。
【0023】<無電解銅めっき液の組成及び使用条件> ・CuSO・5HO …………10g/リットル ・EDTA・4Na …………40g/リットル ・37%CHO …………3mg/リットル ・pH:12.4 ・液温:70℃ (へ)次に、積層板7の表裏面にエッチングレジストフ
ィルムHP−250をラミネートし、フォトリソグラフ
ィー法を用いて、導体パターン10と同一形状を有する
エッチングレジストを形成する。このエッチングレジス
トをマスクとして銅箔を選択的にエッチング除去して導
体パターン10を形成する。導体パターン10は、孔8
の内壁に堆積された銅箔を介して内層回路9に接続され
ている。その後、エッチングレジストを剥離除去する。
最後に、数値制御ルーターで外形加工を行い、図1に示
したマルチワイヤ配線板11を製造することができる。
【0024】実施例1に係わるマルチワイヤ配線板11
によれば、貫通孔4を有する回路基板1に不織布プリプ
レグ5を重ねて加圧・加熱して積層一体化することによ
り、不織布プリプレグ5の一部は貫通孔4に充填され、
残りの不織布プリプレグ5は回路基板1の表裏面に堆積
されたビルドアップ層16を形成する。ビルドアップ層
16の層厚を均一に形成することができ、またレーザに
よる層間接続用の孔8の形成も可能となる。内層回路9
と導体パターン10(最外層銅箔)間のスペーサとして
役割を果たすビルドアップ層16を均一に形成すること
ができるため、マルチワイヤ配線板11の配線路の特性
インピーダンスを一定に保つことができる。
【0025】また、マルチワイヤ配線板11は、最外層
の導体パターン10とそれに隣接する内層回路9とを接
続する孔8と、内層の導体パターン間を接続する貫通孔
4との2種類の孔を有する。孔8の内壁に堆積された導
体の厚さ(12μm)が、内層の導体パターン間を接続
する貫通孔4の内壁に堆積された導体の厚さ(50μ
m)より薄く形成するので、貫通孔4の内壁に堆積され
た導体の接続信頼性を低下させることなく、導体パター
ン10の形成精度を高めることができる。
【0026】なお、実施例1に係るマルチワイヤ配線板
11における導体パターン層2の層数、絶縁材の種類な
どは、本発明を限定する事項ではなく、任意の層数、種
類を有するマルチワイヤ配線板であってもよい。また、
図2(b)に示した回路基板1と不織布プリプレグ5と
銅箔6を重ねて加圧・加熱して積層一体化する際、不織
布プリプレグ1枚では層間接続用の貫通孔4への樹脂充
填が十分にできない場合、樹脂充填に必要な枚数だけ複
数の不織布プリプレグ5を重ねて加圧、加熱すればよ
い。逆に、回路基板1の表裏面にそれぞれ不織布プリプ
レグ5を重ねずとも十分に貫通孔4への樹脂充填が可能
である場合、回路基板1の片面にのみ不織布プリプレグ
5を配置してもよい。この場合、ビルドアップ層16
は、マルチワイヤ配線板11の片面にのみ形成される。
さらに、不織布プリプレグ5として、ガラス不織布エポ
キシプリプレグGEA−679A等のガラス不織布プリ
プレグを使用したが、有機繊維不織布プリプレグを代わ
りに使用してもよい。
【0027】(比較例1)発明者らは、図1に示した実
施例1にかかわるマルチワイヤ配線板と、以下に示す2
つの比較例(比較例1、比較例2)に係るマルチワイヤ
配線板等について、接続信頼性の試験を行い、実施例1
にかかわるマルチワイヤ配線板の接続信頼性の優位性を
検証した。まず、2つの比較例に係るマルチワイヤ配線
板等の製造方法について説明する。なお、比較例の説明
において実施例1にかかわるマルチワイヤ配線板の製造
方法と同一な部分についてはその旨をしるし、説明を省
略した。図3(a)乃至(e)は、比較例1に係わるマ
ルチワイヤ配線板の製造方法における主要な工程を示す
工程断面図である。図3(a)乃至(e)において図1
の同一な部分には同一な符号を付している。
【0028】(イ)まず、3つのガラス布ポリイミド樹
脂銅張り積層板MCL−I−67を用いて、図3(a)
に示すように、絶縁板の表裏面に所定の導体パターンが
配置された導体パターン層2を形成する。そして、導体
パターン層2の表裏面にプリプレグを重ね、圧力2.9
4Mpa、温度175℃、90分の条件で積層一体化す
る。なお、プリプレグには、ガラス布ポリイミド樹脂プ
リプレグGIA−67を使用する。さらに、プリプレグ
の上にワイヤ接着シートAS−U01をラミネートし、
その上に絶縁被覆極細銅線0HAW−1IMW3を数値
制御式の布線機で接着層に固定し、その上にカバーレイ
層と、厚さ18μmの銅箔とを重ね、圧力2.94Mp
a、温度175℃、90分の条件で積層一体化する。極
細銅線3は樹脂層(プリプレグ、接着シート、カバーレ
イ層)15の内部に配置され、銅箔は樹脂層15の表面
に堆積される。積層一体化された導体パターン層2、樹
脂層15、極細銅線3、及び銅箔とを回路基板1とい
う。
【0029】(ロ)次に、回路基板1の表裏面を貫通す
る貫通孔4を形成する。そして、無電界めっきを30μ
m、電気銅めっきを20μm行って、貫通孔4の内壁と
回路基板1の表裏面に銅箔を堆積する。銅箔の上にエッ
チングレジストフィルムHP−250を用いて、内層回
路9と同一形状のエッチングレジストを形成する。この
エッチングレジストを用いて内層回路9を形成する。以
上の工程(イ)及び(ロ)は実施例1と同じ工程であ
り、図3(a)に示す板厚が約5mmの回路基板1は図
2(a)に示した回路基板1と同じものである。
【0030】(ハ)次に、実施例1における不織布プリ
プレグ5、銅箔6の代わりに、図3(b)に示すよう
に、回路基板1の表裏面に、銅箔付き接着フィルムMC
F−6000E(日立化成工業株式会社製、商品名)1
2を重ね、加圧・加熱して積層一体化する。図3(c)
に示すように、接着フィルム12の一部が貫通孔4に充
填され、残りの接着フィルム12は回路基板1の表裏面
に堆積されたビルドアップ層16を形成する。積層一体
化された回路基板1と接着フィルム12とを積層板13
という。なお、図3(b)は、積層一体化する前の積層
板13の各層(1、12)の配置関係を示す図である。
【0031】(ニ)次に、実施例1と同様な方法によ
り、図3(d)に示す内層回路9が露出した孔8を形成
する。そして、実施例1と同一条件で、積層板14の表
裏面及び孔9の内壁に厚さ12μmの銅箔を堆積する。
【0032】(ホ)次に、実施例1と同様な方法によ
り、接着フィルム13の銅箔を選択的にエッチング除去
して導体パターン10を形成する。最後に、数値制御ル
ーターで外形加工を行い、図3(e)に示すようなマル
チワイヤ配線板14を製造することができる。
【0033】(比較例2)比較例2にかかわるマルチワ
イヤ配線板は、実施例1の図2(a)に示した回路基板
1である。つまり、以下に示す方法により製造された回
路基板1である。
【0034】まず、図4(a)に示すように、ガラス布
ポリイミド樹脂銅張り積層板MCL−I−67を用い
て、絶縁板の表裏面に所定の導体パターンが配置された
導体パターン層2を形成する。そして、導体パターン層
2の表裏面にプリプレグを重ね、圧力2.94Mpa、
温度175℃、90分の条件で積層一体化する。なお、
プリプレグには、ガラス布ポリイミド樹脂プリプレグG
IA−67を使用する。さらに、プリプレグの上にワイ
ヤ接着シートAS−U01をラミネートし、その上に絶
縁被覆極細銅線0HAW−1IMW3を数値制御式の布
線材で接着層に固定し、その上にカバーレイ層と、厚さ
18μmの銅箔とを重ね、圧力2.94Mpa、温度1
75℃、90分の条件で積層一体化する。極細銅線3は
樹脂層(プリプレグ、接着シート、カバーレイ層)15
の内部に配置され、銅箔は樹脂層15の表面に堆積され
る。
【0035】次に、回路基板1の表裏面を貫通する貫通
孔4を形成する。無電界めっきを30μm、電気銅めっ
きを20μm行って、貫通孔4の内壁と回路基板1の表
裏面に銅箔を堆積する。銅箔の上にエッチングレジスト
フィルムHP−250を用いて、内層回路9と同一形状
のエッチングレジストを形成する。このエッチングレジ
ストを用いて内層回路9を形成する。以上の工程を経
て、図4(a)に示す板厚が約5mmの回路基板1を形
成することができる。
【0036】(試験結果)次に、実施例1、比較例1及
び2に係るマルチワイヤ配線板等について、発明者が行
った接続信頼性の試験結果について説明する。表1に実
施例1、比較例1及び2に係るマルチワイヤ配線板等の
仕様と接続信頼性の試験結果を示す。
【0037】
【表1】 表1に示すように、実施例1、比較例1及び2に係るマ
ルチワイヤ配線板等の板厚は、すべて5mmである。マ
ルチワイヤ配線板等の表裏面に表出している導体パター
ン(表面回路)は、実施例1については、銅箔6から形
成された導体パターン10であり、比較例1について
は、接着フィルム12の銅箔から形成された導体パター
ン10である。これらの導体パターン10の導体厚はと
もに24μmである。一方、比較例2の表面回路は、銅
箔から形成された内部回路9である。内部回路9の導体
厚は68μmである。また、導体パターン10のライン
/スペースは60μm/60μmであり、内部回路9の
ライン/スペースは120μm/130μmである。貫
通孔4の孔径はすべて0.4mmであり、貫通孔4の孔
数はすべて1000個である。また、実施例1及び比較
例1において、導体パターン10と内部回路9間を接続
する孔(非貫通孔)9の孔径はともに0.15mm、孔
数はともに50個である。
【0038】接続信頼性の試験方法、試験条件はMIL
−STD−202Method107Bに従った。つま
り、−65℃で30分/25℃で5分/125℃で30
分/25℃/5分の熱サイクルを繰り返し、評価は初期
の接続抵抗値から10%上昇するまでのサイクル数で行
うこととした。接続信頼性を示すサイクル数は、比較例
2に係る回路基板1が150サイクルであるのに対し、
実施例1及び比較例1では150サイクル以上の良好な
結果が得られた。また、ビルドアップ層16の膜厚は、
比較例1が30〜110μmであるのに対し、実施例1
が100〜110μmであった。比較例1に比べ実施例
1のほうが、均一なビルドアップ層16が形成されるこ
とが検証された。つまり、実施例1に係るマルチワイヤ
配線板11の製造方法では、ライン/スペース=60μ
m/60μmの微細配線形成と接続信頼性が良好で、か
つ絶縁層の厚みバラツキが少ないマルチワイヤ配線板が
形成できることが検証された。
【0039】以上説明したように、本発明によって微細
配線形成と接続信頼性が良好で且つ絶縁層の厚みバラツ
キが少ないマルチワイヤ配線板を提供することができ
る。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、接
続信頼性を低下させることなく、導体パターンの形成精
度に優れ、またビルドアップ層の絶縁層厚の制御に優れ
たマルチワイヤ配線板の製造方法を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係るマルチワイヤ配線板の
構成を示す断面図である。
【図2】図2(a)乃至(d)は、本発明の実施例1に
係るマルチワイヤ配線板の製造方法における主要な工程
を示す工程断面図である。
【図3】図3(a)乃至(e)は、比較例1に係るマル
チワイヤ配線板の製造方法における主要な工程を示す工
程断面図である。
【図4】比較例2に係る回路基板の構成を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1 回路基板 2 導体パターン層 3 極細銅線 4 貫通孔 5 不織布プリプレグ 6 銅箔 7、13 積層板 8 孔 9 内層回路 10 導体パターン 11、14 マルチワイヤ配線板 12 接着フィルム 15 樹脂層 16 ビルドアップ層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 有家 茂晴 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 5E346 AA42 CC04 CC10 CC32 DD12 DD44 EE08 EE09 EE13 EE32 GG08 GG09 GG15 GG18 GG22 GG28 HH31

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1つまたは2つ以上の導体パターン層の
    表裏面に樹脂層を重ねて加圧・加熱して積層一体化する
    第1工程と、 積層一体化された前記樹脂層の上に内層回路を形成する
    第2工程と、 前記内層回路の上を樹脂層で平坦化し、接着シートをラ
    ミネートし、その上から、絶縁電線を押しつけながら、
    超音波振動によって接着シートを活性化し固定し、カバ
    ーレイ層を加熱・加圧して積層一体化する第3工程と、 前記導体パターン層及び前記樹脂層を貫通する貫通孔を
    形成する第4工程と、 前記貫通孔の内壁に導体を堆積して、前記導体パターン
    層と前記内層回路間が相互に電気的に接続された回路基
    板を形成する第5工程と、 前記回路基板の表面及び裏面のうち少なくとも片面に不
    織布プリプレグを重ねて加圧・加熱して積層一体化し
    て、前記貫通孔に当該不織布プリプレグが充填され、当
    該回路基板の少なくとも当該片面にビルドアップ層が形
    成された積層板を形成する第6工程と、 前記内層回路が表出する孔を選択的に前記ビルドアップ
    層に形成する第7工程と、 前記孔の内壁に導体を堆積する第8工程と、 前記ビルドアップ層の上に前記内層回路に接続された導
    体パターンを形成する第9工程とを有することを特徴と
    するマルチワイヤ配線板の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記不織布プリプレグが、ガラス不織布
    プリプレグであることを特徴とする請求項1記載のマル
    チワイヤ配線板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記不織布プリプレグが、有機繊維不織
    布プリプレグであることを特徴とする請求項1記載のマ
    ルチワイヤ配線板の製造方法。
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