JP3978915B2 - 電解コンデンサ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電解コンデンサ装置に関し、電解コンデンサの取り付けを容易にし、かつ電界コンデンサの極性が適正かどうか検査できるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
インバータ装置は図4に示すように電解コンデンサ1と順変換部2,3とで構成されている。インバータ装置は、小形化と高密度化と組立工数の低減化とを実効あらしめるため、主回路配線をプリント基板上のパターンで行った主回路P板を設け、該主回路P板に電解コンデンサを結合している。このようなことから、ケースと、該ケースに収容した電解コンデンサと、該ケースに取り付けられるとともに電解コンデンサに接続された主回路P板とで電解コンデンサ装置が構成される。電解コンデンサには正と負との極性があるため、極性に対する配慮が必要である。
【0003】
従来の電解コンデンサ装置の構造を図5に示す。図中、4は一方側が開口した筐体状のケース、5はケース4の開口部を閉塞する主回路P板、6は固定ネジ、7は接続ネジである。電解コンデンサ1は固定ネジ6を介してケース4内に固定され、接続ネジ7を介して主回路P板5と電気的に接続されている。
【0004】
一方、容量の小さい電解コンデンサは高さが小さいため、図6に示すようにアダプタ8を介して電解コンデンサ1をケース4の底面4aに固定している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、固定ネジを用いて電解コンデンサをケースに結合するため、組立工数が増える。また、ケースの開口部を主回路P板で閉塞してしまうことから、電解コンデンサの極性が適性かどうか検査することができない。電解コンデンサの高さが小さい場合にアダプタを用いると部品数が増えるだけでなく組立工数も増えてコスト高になる。
【0006】
そこで本発明は、斯る課題を解決した電解コンデンサ装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
斯る目的を達成するための請求項1に係る電解コンデンサ装置の構成は、一方側が開口した筐体状のケースに電解コンデンサを収容し、該電解コンデンサの一端を該ケースの底面に支持する一方、該ケースの開口部を主回路P板により閉塞し、該主回路P板に前記電解コンデンサの他端に設けられた端子を接続固定した電解コンデンサ装置において、前記電解コンデンサの一端側を挿入するための筒部を前記ケースの底面に一体成形し、絶縁材料により形成されると共に一端が電解コンデンサの外周面より外側へ突出する位置決め材を該位置決め材に形成された一対の孔に前記電解コンデンサの他端の前記端子を嵌合した状態で前記電解コンデンサの前記端子を前記主回路P板に接続固定する一方、前記位置決め材の一端を案内するためのガイド溝を前記筒部の内周面に軸心方向に沿って形成し、前記電解コンデンサの一端の端面であって前記位置決め材の一端に近い方の電解コンデンサの端子と対応する位置に、前記位置決め材の一端に近い方の電解コンデンサの端子の電極の正負を表わす表示を設ける一方、該表示と対応する位置に前記筒部の底面を貫通する検査孔を設けたことを特徴とし、
請求項2に係る電解コンデンサ装置の構成は、前記位置決め材の一端を屈曲させることにより前記位置決め材を、前記筒部の底面と前記電解コンデンサの一端との隙間を埋めるためのスペーサとして兼用し、前記筒部の内部の底面に前記電解コンデンサの前記一対の端子と同じ間隔で前記一対の端子の外径寸法と同じ外径寸法の係合部を一体成形し、該係合部に前記スペーサを着脱自在に取り付けたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による電解コンデンサ装置の実施の形態を説明する。なお、この実施の形態は従来の電解コンデンサ装置の一部を改良したものなので、従来と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
【0009】
実施の形態を図1に基づいて説明する。図のように、ケース4の底面4aには、電解コンデンサ1の一端を支持するために一対の筒部4bがケース4と一体に形成されている。筒部4bの内径寸法は電解コンデンサ1の外径寸法よりも少しだけ大きく設定されており、筒部4bの長さは電解コンデンサ1の長さ寸法よりも少し短い値に設定されている。
【0010】
電解コンデンサ1の端子の正負極と主回路P板5の正負極との接続が適正に行われるようにするため、主回路P板5と電解コンデンサ1との間には位置決め板9が挾持される一方、筒部4bにはガイド溝4cが形成されている。位置決め板9は絶縁材料によりL字形状に形成されるとともに電解コンデンサ1の一対の電極が嵌合するための一対の孔が形成され、一対の電極を一対の孔に嵌合した状態で接続ネジ7を介して電解コンデンサ1に主回路P板5が結合され、L字形に曲げた屈曲部が電解コンデンサ1の外周面から突出する。一方、ガイド溝4cは、位置決め板9の屈曲部を案内するために筒部4bの内周面に軸心方向に沿って形成されている。
【0011】
電解コンデンサ1の全長が短いために電解コンデンサ1と底面4aとの間に隙間が生じる場合は該隙間を埋めて電解コンデンサ1の動きを拘束するスペーサを取り付ける必要があり、そのために、筒部4bの内部に位置する底面4aに、電解コンデンサ1の一対の端子と同じ間隔で、一対の端子の外径寸法と同じ外径寸法の係合部として円柱形の一対の凸部4dが形成されている。この一対の凸部4dを前記位置決め板9と同一形状の他の位置 決め板9aの一対の孔に嵌合させることにより、図2のように位置決め板9aをスペーサとして用いることができる。このとき、電界コンデンサ1の端面に位置決め板9aを当接させる必要があるので、位置決め板9の屈曲部は電解コンデンサ1の外周面よりも内側に配置される。
【0012】
このほか、電解コンデンサ1の端子の正負極と主回路P板5の正負極との接続が適正に行われたか否かを電解コンデンサ装置の組立後に検査するために、底面4aに検査孔4eが形成されている。これは、図3(b)に示すように電解コンデンサ1におけるマイナスの端子側にはマイナス表示ライン1aが形成されており、電解コンデンサ1が適正にセットされた場合は図3(a)に示すように検査孔4eからマイナス表示ライン1aが見えるようにするためである。検査孔4e側の外周面の近傍にはマイナスの端子がくることを明確にするため、検査孔4eの近傍には「一」の文字が刻印されている。
【0013】
次に、斯る電解コンデンサ装置の作用を説明する。電解コンデンサ装置を組み立てるには、以下のようにして行う。まず、図1に示すように位置決め板9の一対の孔に電解コンデンサ1の一対の端子を嵌合し、位置決め板9の端部の屈曲部がマイナス端子の外側にくるようにする。そして、電解コンデンサ1の一端をケース4の筒部4bに挿入する。このとき、位置決め板9の屈曲部がガイド溝4cに挿入される。このあと、主回路P板5と電解コンデンサ1とにおけるプラス,マイナスの夫々の端子どうしが対向する状態で接続ネジ7により両者を結合する。最後に、図示しないネジを介して主回路P板5をケース4に結合する。
【0014】
これにより、電解コンデンサ装置の組立が完了する。電解コンデンサ1の一端は筒部4bを介してケース4に支持される一方、他端は接続ネジ7を介して主回路P板5に結合される。電解コンデンサ1と主回路P板5との接続の極性が適正になされているか否かを調べるには、ケース4の底面4aに形成された検出孔4eを見る。図3(a)に示すようにマイナス表示ライン1aが検出孔4eから見えれば合格である。
【0015】
次に、図2に示すように電解コンデンサ1の長さがケース4の高さよりもHだけ小さい場合について説明する。この場合は、筒部4bに一端を挿入した電解コンデンサ1と主回路P板5とを接続ネジ7でネジ止めする作業がやりにくいので、ケース4の底面4aに形成した一対の凸部4dに前記位置決め板9aを嵌合する。このとき、位置決め板9aの屈曲部が電解コンデンサ1の端面に当接するので、電解コンデンサ1が筒部4bの奥へ入り込むのが防止される。
【0016】
なお、本実施の形態ではスペーサとして位置決め板を兼用したが、別個に設けるようにしてもよい。
【0017】
【発明の効果】
以上の説明からわかるように、請求項1に係る電解コンデンサ装置によればケースの底面に筒部を形成したので、筒部に電解コンデンサの一端を挿入して支持することができ、固定ネジが不要になる。また、筒部の存在によって周囲からの熱の影響が少なくなり、電解コンデンサの寿命が長くなる。更に、電解コンデンサの一端の端面であって位置決め材の一端に近い方の電解コンデンサの端子と対応する位置に、位置決め材の一端に近い方の電解コンデンサの端子の電極の正負を表わす表示を設ける一方、該表示と対応する位置に筒部の底面を貫通する検査孔を設けたので、検査孔から電解コンデンサの極性を検査することができる。
【0018】
【0019】
請求項2に係る電解コンデンサ装置によれば、位置決め材の一端を屈曲させることによ り位置決め材を、筒部の底面と電解コンデンサの一端との隙間を埋めるためのスペーサとして兼用し、筒部の内部の底面に電解コンデンサの一対の端子と同じ間隔で一対の端子の外径寸法と同じ外径寸法の係合部を一体成形し、該係合部にスペーサを着脱自在に取り付けたので、長さ寸法の異なる電解コンデンサの取り付けが容易になり、組立工数が少なくてすむ。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による電解コンデンサ装置の実施の形態を示す分解斜視図。
【図2】 本発明による電解コンデンサ装置の実施の形態の他の例を示す分解斜視図。
【図3】 本発明による電解コンデンサ装置の実施の形態の要部に係り、(a)は詳細図、(b)は電解コンデンサの斜視図。
【図4】 インバータ装置の回路図。
【図5】 従来の電解コンデンサ装置の斜視図。
【図6】 従来の電解コンデンサ装置の他の例を示す斜視図。
【符号の説明】
1…電解コンデンサ
1a…マイナス表示ライン(表示)
4…ケース
4a…底面
4b…筒部
4c…ガイド溝
4d…凸部(係合部)
4e…検査孔
5…主回路P板
9…位置決め板
9a…位置決め板(スペーサ)
Claims (2)
- 一方側が開口した筐体状のケースに電解コンデンサを収容し、該電解コンデンサの一端を該ケースの底面に支持する一方、該ケースの開口部を主回路P板により閉塞し、該主回路P板に前記電解コンデンサの他端に設けられた端子を接続固定した電解コンデンサ装置において、
前記電解コンデンサの一端側を挿入するための筒部を前記ケースの底面に一体成形し、絶縁材料により形成されると共に一端が電解コンデンサの外周面より外側へ突出する位置決め材を該位置決め材に形成された一対の孔に前記電解コンデンサの他端の前記端子を嵌合した状態で前記電解コンデンサの前記端子を前記主回路P板に接続固定する一方、前記位置決め材の一端を案内するためのガイド溝を前記筒部の内周面に軸心方向に沿って形成し、
前記電解コンデンサの一端の端面であって前記位置決め材の一端に近い方の電解コンデンサの端子と対応する位置に、前記位置決め材の一端に近い方の電解コンデンサの端子の電極の正負を表わす表示を設ける一方、該表示と対応する位置に前記筒部の底面を貫通する検査孔を設けたことを特徴とする電解コンデンサ装置。 - 前記位置決め材の一端を屈曲させることにより前記位置決め材を、前記筒部の底面と前記電解コンデンサの一端との隙間を埋めるためのスペーサとして兼用し、前記筒部の内部の底面に前記電解コンデンサの前記一対の端子と同じ間隔で前記一対の端子の外径寸法と同じ外径寸法の係合部を一体成形し、該係合部に前記スペーサを着脱自在に取り付けたことを特徴とする請求項1に記載の電解コンデンサ装置。
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