JP3978015B2 - 表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発光ダイオードを用いて各種電子機器の状態を動作表示する表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、発光ダイオードは、消費電力が低く、また比較的安価であることから、各種電子機器に組み込まれ、その動作状態(例えば、電子機器の電源のON・OFF状態、電子機器の動作モード、電子機器の動作時間、電子機器が把握している現在時刻等)を表示するのに利用されている。
【0003】
ところで、このように表示媒体として発光ダイオードを備えた表示装置では、昼間のように周囲が明るいときにでも、使用者が発光ダイオードの点灯を確実に視認できるようにするために、点灯時に発光ダイオードに流す順方向電流を大きくして、発光ダイオードの輝度(明るさ)を高くしている。
【0004】
しかし、このような表示装置では、周囲が明るい環境下での視認性を高めることはできるものの、夜間等、周囲が暗くなったときには、発光ダイオードの輝度が高くなりすぎ、使用者に不快感を与えるといった問題が生じる。また、例えば7セグメント発光ダイオードのように、複数のダイオードを用いて数字等の文字を表示する表示装置では、周囲が暗くなったときの発光ダイオードの輝度が高くなりすぎると、使用者が文字を認識できなくなるという問題もある。
【0005】
一方、こうした問題を解決するために、従来では、表示装置に、発光ダイオードの輝度(具体的には点灯時に発光ダイオードに流す順方向電流)を手動で切り替えるためのスイッチを設けるとか、或いは、周囲の明るさ(照度)を検出するセンサ(CdS、フォトダイオード等)と、このセンサによる検出結果に従い発光ダイオードの輝度を自動調整する輝度調整回路とを設ける、といったことが行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記前者のように、輝度調整用のスイッチを設けた場合、使用者は、周囲の明るさに応じて、このスイッチを切り替えなければならず、使い勝手が悪いという問題がある。また、この場合、表示装置が組み込まれた電子機器が使用者の手の届かない場所に設置されているときには、使用者は、スイッチを操作することができず、輝度調整を行うことができなくなるという問題もある。
【0007】
一方、周囲の明るさを検出するセンサを設けて、そのセンサによる検出信号に応じて、発光ダイオードの輝度を自動調整するようにした場合、発光ダイオードの輝度が周囲の明るさに応じて自動で調整されるので、発光ダイオードの輝度は常に最適な輝度に設定され、発光ダイオードの点灯によって使用者に不快感を与えることはない。
【0008】
しかし、この種の表示装置を実現するには、明るさ検出用のセンサが必要になるだけでなく、このセンサを、表示装置が組み付けられる電子機器に固定しなければならず、しかも、この固定時には、センサに周囲の光だけが入射し、発光ダイオードからの光が入射することのないようにする必要があるため、センサ固定のための構成が複雑になり、電子機器のコストアップを招くという問題がある。
【0009】
また、例えば、表示装置が組み付けられる電子機器が、防水型のハウジング(ケース)内に収納されて屋外に設置される屋外用の電子機器である場合には、そのハウジングに外光取り込み用の孔を穿設して、その孔にセンサを組み付ける必要があるため、この部分からの雨水の浸入を防止するための対策が別途必要になり、電子機器のコストアップを招くという問題がある。また、こうした外光取り込み用の孔をハウジングに穿設すると、電子機器の見栄え(デザイン)が悪くなって、電子機器の商品価値が低下してしまうということもある。
【0010】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたもので、明るさ検出用のセンサを用いることなく、発光ダイオードの輝度を周囲の明るさに応じて自動調整できる表示装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載の表示装置においては、通電遮断手段が、発光ダイオードの点灯時に、発光ダイオードへの通電を一時的に遮断し、検出手段が、通電遮断手段による発光ダイオードへの通電経路の遮断時に外光により発光ダイオードに発生した電圧を検出し、電流制御手段が、その検出手段による検出電圧に基づき、検出電圧が大きいほど発光ダイオードに流れる順方向電流が多くなるよう、発光ダイオードの点灯時に流れる順方向電流を制御する。
【0012】
つまり、発光ダイオードは、順方向に電流を流した際に、その順方向電流に応じた強度の光を発生するが、その通電経路を遮断すると、周囲からの入射光に応じた電圧を発生する光電変換素子として機能することから、本発明では、こうした発光ダイオードの光電変換素子としての特性を利用して、明るさ検出用のセンサを用いることなく、周囲の明るさを検出し、その検出結果(検出手段による検出電圧)に応じて、発光ダイオード点灯時に発光ダイオードに流れる順方向電流を制御するようにしているのである。
【0013】
このため、本発明の表示装置によれば、明るさ検出用のセンサを用いることなく、発光ダイオード点灯時の輝度を周囲の明るさに応じて自動調整できることになる。そして、本発明の表示装置によれば、明るさ検出用のセンサを電子機器に固定する必要がないため、発光ダイオードの輝度を自動調整できるようにするために電子機器のコストが著しく増加するとか、明るさ検出用のセンサの取付のために電子機器の見栄え(デザイン)が悪くなって、電子機器の商品価値が低下する、といった問題を解決できる。
【0014】
ここで、電流制御手段は、検出手段による検出電圧に基づき、検出電圧が大きい程多くなるように発光ダイオードの順方向電流を制御するものであることから、この電流制御手段としては、発光ダイオードの通電経路に電気抵抗を調整可能な抵抗回路を設けて、その抵抗値を検出電圧に応じて調整することで、発光ダイオードに流れる電流を制御するように構成してもよい。しかし、このような抵抗回路は構成が複雑であり、また、その抵抗値を検出電圧の変化に応じて連続的に変化させるのは難しいことから、電流検出手段としては、より好ましくは、請求項2に記載のように、電気負荷への通電電流を制御するのに一般的に用いられている駆動電圧の制御回路を用いて構成するとよい。
【0015】
即ち、請求項2に記載の表示装置において、電流制御手段は、発光ダイオードの点灯時に電流制限用抵抗を介して発光ダイオードに印加される駆動電圧若しくは駆動パルスのデューティ比を検出電圧に基づき制御することにより、発光ダイオードに流れる順方向電流を制御する。従って、この表示装置においては、電流制御手段を、一般的な電圧制御回路若しくはパルス幅変調回路にて実現できることになり、発光ダイオードに流れる順方向電流を、発光ダイオードの駆動電圧若しくは駆動デューティ比によって最適に制御できることになる。また、こうした電圧制御回路やパルス幅変調回路は、オペアンプ等を用いて比較的簡単に構成できることから、電流制御手段を安価に実現できる。
【0016】
一方、通電遮断手段としては、例えば、発光ダイオードが、電子機器の電源のON・OFF状態を表示するために電子機器の動作中に連続的に点灯されるような場合には、その点灯中に定期的に発光ダイオードへの通電を遮断するように構成すればよいが、例えば、上述した7セグメント発光ダイオードのように、表示装置が、複数の発光ダイオードを備え、これら各発光ダイオードを時分割で点灯(ダイナミック点灯)することにより、文字や図形を表示する装置である場合には、通電遮断手段としては、請求項3に記載のように、その複数の発光ダイオードをダイナミック点灯する表示制御手段の一機能として実現すればよい。
【0017】
つまり、ダイナミック点灯では、複数の発光ダイオードが時分割で点灯されることから、点灯すべき状態にある発光ダイオードであっても通電は周期的に行われ、点灯時に必ず通電が遮断されることから、こうしたダイナミック点灯を行う表示制御手段を本発明の通電遮断手段として用いればよい。
【0018】
そして、この場合、検出手段としては、各発光ダイオード毎に、通電遮断時に発生した電圧を検出する必要はなく、複数の発光ダイオードの内の一つを検出用発光ダイオードとして、表示制御手段による検出用発光ダイオードへの通電が遮断されたときに、検出用発光ダイオードに発生した電圧を検出するようにすればよく、また、電流制御手段としては、その検出手段による検出電圧に基づき、各発光ダイオードがダイナミック点灯により通電される際の順方向電流を制御するようにすればよい。
【0019】
つまり、このようにすれば、検出手段及び電流制御手段を、各発光ダイオード毎に夫々設ける必要がなく、表示装置の構成を簡素化して、そのコストダウンを図ることができる。
また次に、本発明の表示装置は、テレビ、VTR、電子レンジ、…といった家庭用電化製品、パーソナルコンピュータ、プリンタ、複写装置、…といった業務用電子機器、或いは、携帯電話、ノート型パーソナルコンピュータ、…といった携帯型情報機器等、あらゆる電子機器に適用可能であるが、特に、請求項4に記載のように、防水型のハウジングに収納されて屋外に設置される屋外用電子機器に組み込まれ、発光ダイオードが、そのハウジングに穿設された孔に組み付けられて、屋外用電子機器の動作状態を周囲に報知(表示)するのに使用される表示装置である場合には、本発明の効果をより有効に発揮することができる。
【0020】
例えば、CATVシステムにおいて、電柱を利用して架設される伝送線には、その伝送線を流れる信号を増幅するための増幅装置(所謂トランクアンプ)が設けられるが、このトランクアンプでは、その動作状態を表示するためのパイロットランプとして、発光ダイオードが設けられている。
【0021】
そして、この発光ダイオードは、CATVシステムの管理者等が地上からトランクアンプの動作状態を確認できるように、トランクアンプのハウジングに穿設された取り付け用の孔に埋め込まれ、周囲に光を放射しているが、この発光ダイオードの輝度が高いと、夜間、トランクアンプが設置された付近を通る人に不快感を与えてしまうことがある。
【0022】
しかし、こうした屋外用電子機器に本発明を適用すれば、明るさ検出用のセンサを別途設けることなく(換言すればハウジングにセンサ取り付け用の孔を穿設することなく)、発光ダイオードの輝度調整を自動で行うことができるようになり、上述した効果をより有効に発揮することができるようになるのである。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例を図面と共に説明する。
図1は、本発明が適用された実施例の表示装置全体の構成を表すブロック図である。
【0024】
本実施例の表示装置は、例えば、上述したCATVシステム用のトランクアンプ(換言すれば屋外用電子機器)に組み込まれて、その動作状態を、トランクアンプのハウジングに穿設された孔に埋め込まれた発光ダイオード2の点灯により、周囲に報知(表示)するためのものであり、トランクアンプ内の直流電源4から電源供給を受けて、発光ダイオード2の駆動電圧Vdを発生する電圧制御回路6と、この駆動電圧Vdを受けて発光ダイオード2に駆動電流Idを流す電流制限用抵抗8とを備える。
【0025】
また、電圧制御回路6から電流制限用抵抗8に至る発光ダイオード2の通電経路には、この通電経路を導通・遮断し、遮断時には、外光により発光ダイオード2に発生した電圧を電流制限用抵抗8を介してサンプルホールド回路12に入力するスイッチ10が設けられている。
【0026】
このスイッチ10は、トランジスタ等を用いた周知の半導体スイッチにより構成されており、タイマ回路16から一定周期(例えば1時間)で一定時間(例えば1秒間)だけ出力されるHighレベルのパルス信号によって、発光ダイオード2の通電経路を遮断する側に切り替えられ、タイマ回路16からの出力がLow レベルになる通常時には、発光ダイオード2の通電経路を形成している。
【0027】
また、サンプルホールド回路12は、スイッチ10と同様、タイマ回路16からのパルス信号を受けて動作するようになっており、そのパルス信号がHighレベルであるとき、電流制限用抵抗8及びスイッチ10を介して入力される発光ダイオード2の両端電圧をサンプリングし、タイマ回路16からの出力がLow レベルになる通常時には、そのサンプリングした電圧(検出電圧)Vsを、増幅回路14に出力する。
【0028】
次に、増幅回路14は、この検出電圧Vsを増幅し、その増幅後の電圧を、電圧制御回路6が出力する駆動電圧Vdの目標電圧Vcとして、電圧制御回路6に出力する。尚、増幅回路14には、電圧発生回路18から出力される一定のオフセット電圧Voが入力され、増幅回路14は、検出電圧Vsを増幅すると同時に、その増幅後の電圧にオフセット電圧を加算して、電圧制御回路6の目標電圧Vcを設定する。
【0029】
そして、電圧制御回路6は、電流制限用抵抗8と発光ダイオード2との直列回路に印加する駆動電圧Vdが、増幅回路14からの出力電圧(目標電圧)Vcとなるように駆動電圧Vdをフィードバック制御する。この結果、発光ダイオード2の駆動電圧Vdは、増幅回路14からの出力電圧(目標電圧)Vcに制御され、発光ダイオード2に流れる順方向電流(駆動電流)Idは、目標電圧Vc(延いては駆動電圧Vd)に対応して変化することになる。
【0030】
ここで、増幅回路14は、例えば、オペアンプを用いた非反転増幅回路から構成されており、図2に例示する検出電圧対駆動電圧特性から明らかなように、検出電圧Vsが約0.4V以下であるとき、駆動電圧Vdが、検出電圧Vsに比例して、オフセット電圧Vo(本実施例では+3V)から増幅回路14の飽和電圧(本実施例では+7V)の範囲内で連続的に変化し、検出電圧Vsが約0.4Vを越える領域では、駆動電圧Vdが増幅回路14の飽和電圧(+7V)で安定するように、目標電圧Vcを生成する。
【0031】
尚、このように、増幅回路14から出力される目標電圧Vcの下限を、オフセット電圧Voにて制限するのは、発光ダイオード2の通電遮断時に、周囲が暗く、検出電圧Vsが著しく低い場合でも、発光ダイオード2の通電時には、発光ダイオード2を所定の輝度で確実に発光させることができるようにするためである。
【0032】
つまり、発光ダイオード2と電流制限用抵抗8との直列回路に印加される駆動電圧Vdと、その駆動電圧Vdの印加によって電流制限用抵抗8を介して発光ダイオード2に流れる順方向電流(駆動電流)Idとは、図3に例示する駆動電圧対駆動電流特性から明らかなように、基本的には比例関係にあるが、駆動電圧Vdがある下限値(例えば1.5V程度)を下回ると、駆動電流Idが流れなくなり、また、駆動電圧Vdが下限値よりも高く、駆動電流Idが流れても、その電流が小さければ、発光ダイオード2を視認し得る程度の輝度で発光させることができないことから、本実施例では、増幅回路14にて目標電圧Vcを生成するに当たって、その下限値を、周囲が暗い場合に発光ダイオード2の点灯を視認できる程度の輝度となるように、所定電圧(+3V)に設定しているのである。
【0033】
また、上記のように、増幅回路14を、検出電圧Vsが約0.4V以下であるとき、駆動電圧Vdが検出電圧Vsに比例して連続的に変化し、検出電圧Vsが約0.4Vを越える領域では、駆動電圧Vdが増幅回路14の飽和電圧(+7V)で安定するように構成したのは、以下の理由による。
【0034】
即ち、まず、本願発明者が実験により屋外の照度変化を測定したところ、図4に示すように、トランクアンプが設置される屋外では、昼間は、曇りや雨天であっても、1000ルクス(LUX)を越え、最大100000ルクス(LUX)程度の照度が得られ、夜明けや日暮れ(朝・夕)の薄暗いときには、約300〜1000ルクス(LUX)程度の照度となり、夜間は、0〜300ルクス(LUX)程度の照度となることがわかった。
【0035】
そして、本実施例で用いた発光ダイオード2の場合、照度が1000ルクス(LUX)を越える昼間は、発光ダイオード2の光電変換特性によって発生する電圧(換言すれば検出電圧Vs)が略0.4V〜1.7Vの範囲で変化し、照度が約300〜1000ルクス(LUX)の範囲で変化する朝・夕は、検出電圧Vsが略0.1V〜0.4Vの範囲で変化し、照度が約0〜300ルクス(LUX)の範囲内となる夜間は、検出電圧Vsが略0〜0.1Vの範囲内となった。
【0036】
そこで、本実施例では、夕方から次の日の夜明けにかけて、発光ダイオード2の輝度が高くなりすぎるのを防止するために、この領域で得られる検出電圧Vsの範囲内(0〜約0.4V)では、検出電圧Vsに比例して駆動電圧Vdを上記範囲内(3V〜7V)で変化させ、検出電圧Vsが約0.4Vを越える昼間は、駆動電圧Vdを約7Vにして、発光ダイオード2を最大輝度で発光させるようにしているのである。
【0037】
以上説明したように、本実施例の表示装置は、発光ダイオード2の点灯時に、定期的に(本実施例では、1時間に1秒の割で)、発光ダイオード2への通電を遮断し、その時発光ダイオード2に発生した電圧から、トランクアンプ周囲の明るさ(照度)を測定し、その測定結果(検出電圧Vs)に応じて、発光ダイオード2の点灯時に電流制限用抵抗8と発光ダイオード2との直列回路に印加する駆動電圧Vdを制御するように構成されている。
【0038】
このため、本実施例の表示装置によれば、明るさ検出用のセンサ(CdSやフォトダイオード等)を用いることなく、発光ダイオード2の点灯時の輝度を、周囲の明るさに応じて自動調整できる。
よって、本実施例によれば、発光ダイオード2の輝度調整のために、トランクアンプのハウジングに明るさ検出用のセンサを取り付けるための孔を穿設したり、その孔から侵入する雨水を防止するための防水加工を施す必要がなく、トランクアンプのコストが増加するのを防止できる。また、明るさ検出用のセンサを取り付けるためにハウジングに孔を穿設する必要がないので、その孔によってトランクアンプの見栄え(デザイン)が悪くなる、といったことも防止できる。
【0039】
尚、本実施例においては、スイッチ10及びタイマ回路16が、本発明の通電遮断手段に相当し、サンプルホールド回路12が、本発明の検出手段に相当し、増幅回路14,電圧発生回路18及び電圧制御回路6が、本発明の電流制御手段に相当する。
【0040】
以上、本発明の一実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
例えば、上記実施例では、発光ダイオード2が、トランクアンプが動作していることを表すパイロットランプとして単体で用いられる場合について説明したが、複数の発光ダイオード2をダイナミック点灯させることによって文字や数字を表示する表示装置であっても、本発明は適用できる。
【0041】
即ち、複数の発光ダイオード2をダイナミック点灯させる表示装置には、表示制御手段として、例えば図5に示すように、各発光ダイオード2への通電経路を個々に導通・遮断する複数のスイッチからなる駆動回路20と、点灯すべき発光ダイオードと消灯すべき発光ダイオードとを表す表示データDATAに従い駆動回路20内でONすべきスイッチを特定し、そのスイッチを外部クロックCLKに同期して順にONする駆動信号を発生する制御回路30とが設けられる。
【0042】
そこで、こうした表示装置に本発明を適用する際には、表示制御手段としての駆動回路20及び制御回路30を本発明の通電遮断手段として利用し、図5に示すように、特定の発光ダイオード2(図では最も左側の発光ダイオード)の通電経路を導通・遮断するために制御回路30から出力される駆動信号をサンプルホールド回路12に反転入力することにより、その通電経路が遮断されているときにサンプルホールド回路12をサンプリング動作させ、しかも、サンプルホールド回路12には、対応する発光ダイオード2が発生した電圧を電流制限用抵抗8を介して入力するようにする。
【0043】
この結果、サンプルホールド回路12は、複数の発光ダイオード2の内、特定の発光ダイオード(図では最も左側の発光ダイオード)を検出用発光ダイオードとして、その発光ダイオード2の通電遮断時に外光により発生した電圧をサンプリングし、これを検出電圧Vsとして出力することになる。
【0044】
そして、上記実施例の表示装置と同様、サンプルホールド回路12から出力される検出電圧Vsは、増幅回路14に入力することにより、増幅回路14にて目標電圧Vcを生成させ、更に、この目標電圧Vcは、電圧制御回路6に入力することにより、電圧制御回路6で目標電圧Vcに対応した駆動電圧Vdを生成させ、この駆動電圧Vdを、駆動回路20が各発光ダイオード2を通電する際の駆動電圧として、駆動回路20に入力する。尚、増幅回路14には、上記実施例と同様に、電圧発生回路18にて生成したオフセット電圧Voを入力する。
【0045】
この結果、各発光ダイオード2の点灯時に各発光ダイオード2に流れる順方向電流は、検出用発光ダイオード2の通電遮断時にサンプルホールド回路12が検出した検出電圧Vsに対応して変化することになり、上記実施例と同様、各発光ダイオード2の輝度を周囲の明るさに応じて自動調整できることになる。
【0046】
一方、上記実施例では、電圧制御回路6は、発光ダイオード2の駆動電圧Vdとして、増幅回路14にて生成された目標電圧Vcと同じ電圧を生成するものとして説明したが、発光ダイオード2の輝度調整のために点灯時の順方向電流を制御するには、発光ダイオード2への通電・遮断を高速に切り替え、そのときの通電時間の割合(デューティ比)、若しくは、通電時の駆動電圧Vdを制御してもよいことから、電圧制御回路6を、このような制御を行うように構成してもよい。
【0047】
即ち、このように発光ダイオード2をパルス駆動する際には、電圧制御回路6に代えて周知のパルス幅変調回路を設け、増幅回路14からの出力を、駆動パルスのデューティ比を制御するための制御信号として、パルス幅変調回路に入力するか、或いは、電圧制御回路6に代えて一定周期で一定パルス幅の駆動パルスを発生するパルス発生回路を設け、増幅回路14からの出力を、このパルス発生回路が発生する駆動パルスの振幅(電圧)を制御するための制御信号として、パルス発生回路に入力するようにすればよい。
【0048】
また次に、上記実施例では、屋外用電子機器であるトランクアンプのパイロットランプを点灯する表示装置を例に採り、本発明を説明したが、本発明は、トランクアンプ以外の屋外用電子機器であっても、或いは、テレビ、VTR、電子レンジ、…等の屋内用電子機器であっても、上記実施例と同様に適用して、同様の効果を得ることができる。
【0049】
但し、この場合、検出電圧Vsと駆動電圧Vd(若しくは駆動デューティ比)との関係については、使用される電子機器の周囲の環境、発光ダイオードの特性等に応じて、適宜設定する必要はある。また、タイマ回路16による発光ダイオード2の通電遮断時間やその周期についても、電子機器の周囲の環境に応じて適宜設定すればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の表示装置全体の構成を表すブロック図である。
【図2】 実施例の検出電圧と駆動電圧との関係を表すグラフである。
【図3】 実施例の駆動電圧と駆動電流との関係を表すグラフである。
【図4】 実施例の発光ダイオードで得られる検出電圧と周囲の明るさ(照度)との関係を表すグラフである。
【図5】 実施例の表示装置の他の構成例を表すブロック図である。
【符号の説明】
2…発光ダイオード、4…直流電源、6…電圧制御回路、8…電流制限用抵抗、10…スイッチ、12…サンプルホールド回路、14…増幅回路、16…タイマ回路、18…電圧発生回路、20…駆動回路、30…制御回路。

Claims (4)

  1. 電子機器に組み込まれ、発光ダイオードを点灯させて該電子機器の動作状態を表示する表示装置において、
    前記発光ダイオードの通電経路に設けられ、該発光ダイオードの点灯時に該発光ダイオードへの通電を一時的に遮断する通電遮断手段と、
    該通電遮断手段が前記発光ダイオードへの通電を遮断した際、外光により前記発光ダイオードに発生した電圧を検出する検出手段と、
    該検出手段による検出電圧に基づき、該検出電圧が大きいほど前記発光ダイオードに流れる順方向電流が多くなるよう、前記発光ダイオードの点灯時に流れる順方向電流を制御する電流制御手段と、
    を備えたことを特徴とする表示装置。
  2. 前記電流制御手段は、前記発光ダイオードの点灯時に電流制限用抵抗を介して前記発光ダイオードに印加される駆動電圧若しくは駆動パルスのデューティ比を前記検出電圧に基づき制御することにより、前記発光ダイオードに流れる順方向電流を制御することを特徴とする請求項1記載の表示装置。
  3. 前記通電遮断手段は、複数の発光ダイオードをダイナミック点灯する表示制御手段の一機能として実現され、
    前記検出手段は、前記複数の発光ダイオードの内の一つを検出用発光ダイオードとして、前記表示制御手段による該検出用発光ダイオードへの通電が遮断されたときに、該検出用発光ダイオードに発生した電圧を検出し、
    前記電流制御手段は、該検出手段による検出電圧に基づき、前記各発光ダイオードが前記ダイナミック点灯により通電される際の順方向電流を制御することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の表示装置。
  4. 当該表示装置が組み込まれる電子機器は、防水型のハウジングに収納されて屋外に設置される屋外用電子機器であり、
    前記発光ダイオードは、該屋外用電子機器のハウジングに穿設された孔に組み付けられて、該屋外用電子機器の動作状態を周囲に報知するものであることを特徴とする請求項1〜請求項3何れか記載の表示装置。
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