JP3977552B2 - エアバッグ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両衝突時に乗員を保護するエアバッグに係り、特に、膨張展開した状態で比較的長い時間その膨張状態を維持して、車両の横転時等の際に連続的に加わる衝撃から乗員を保護し得るエアバッグに関する。
【0002】
【従来の技術】
エアバッグに関して、膨張展開した状態を比較的長く維持するためには、エアバッグの素材となる基布として、一般的には、糸の密度を大きくして内部のガスの漏洩を防止しようとしたもの、あるいは、気密性のコーティングを施して通気度を極めて少なくしたものを使用することが考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、基布を袋体に縫製する際に針穴が形成されるので、この針穴からガスが漏洩するのを防止するために目止処理が必要となり、作業工程が増えて袋体が高価なものになってしまう。
また、たとえ目止処理を行ったとしても、膨張展開時に袋体内圧によって目止部分が剥がれ易く、完全にガス漏れを防止することは極めて困難なものになっている。
このように、袋体に上述の処理を施しても、ガスが漏洩するのを防止することができず、車両の横転時等の際に連続的に加わる衝撃から乗員を有効に保護することができないという問題点を有していた。
【0004】
本発明は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車両の横転時等の際に連続的に加わる衝撃から乗員を保護し得るエアバッグを提供しようとするものである。
本発明によると、エアバッグの中、特に、サイドバッグや、頭部保護のためのヘッドバッグ、あるいは乗員間保護用エアバッグ等に適したものを提供することができる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のうちで請求項1記載の発明は、少なくとも外縁部が互いに溶着により接合されたヒレ部を設けた気密性樹脂からなる内側基材と、この内側基材と略同一形状の織布からなる外側基材とを有し、内側基材のヒレ部で外側基材と内側基材とを縫着したことを特徴としている。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明に加え、内側基材のヒレ部の互いに対向した面の少なくとも片面に熱溶着性フィルムを取着してあることを特徴としている。
さらに、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明に加え、内側基材のヒレ部を溶着後、内側基材のヒレ部と外側基材とを縫着したことを特徴としている。
【0006】
本発明に係るエアバッグは、内側に配置される2枚の内側基材と、外側に配置される2枚の外側基材とで構成してあり、インフレータのガスは2枚の内側基利間に供給される。
2枚の内側基材は、少なくとも外縁部で互いに接合されたヒレ部を有しており、結果として袋状を呈している。
内側基材と外側基材は、略同一の形状を呈している。
【0007】
熱溶着性フィルムとしては、ウレタン系熱可塑性エラストマ・フィルム、中でも、加水分解のリスクのないエーテル系のものは、柔軟性、反発弾性、耐磨耗性に富み、機械的強度が大で、耐熱、耐低温特性が良好であるので好ましい。また、ナイロン系、ポリエステル系のものや、オレフィン系、スチレン系等の熱可塑性エラストマ・フィルム、またはそれらの複合フィルムを使用してもよい。
熱溶着性フィルムの厚さは、30〜300μmとすればよい。
縫着部の片面だけに熱溶着性フィルムを取着した場合には、熱溶着性フィルム面を対向させて内側基材を配置させ、溶着させる。
溶着方法としては、熱による溶着を行えばコストや加工性の面で好ましいが、外部からの熱的ダメージを受けることを考慮して、高周波による溶着を行うと、フィルム自体が内部発熱により融合し、溶着部の材料強度が殆ど落ちることがない。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は展開した状態の乗員間保護用エアバッグの正面図、図2は図1のA−A断面より見たエアバッグの縫製過程を示す断面図で、(a)は積層した状態、(b)は溶着した状態、(c)は縫着した状態を示してあり、図3はカーテンタイプのエアバッグの正面図である。
【0009】
本発明に係るエアバッグは、内側に配置される2枚の内側基材11,11と、外側に配置される2枚の外側基材12,12とで構成してあり、インフレータ(図示略)のガスは2枚の内側基材11,11間に供給される。
【0010】
内側基材11は、気密性樹脂からなる。この樹脂は、伸びのあるフィルムであってもよい。
内側基材11の外縁部には、外側基材12と縫着するために、ヒレ部13を設けてある。
【0011】
前記ヒレ部13には、互いに対向した面の少なくともその片面に熱溶着性フィルム14を取着してある。
ヒレ部13の片面だけに熱溶着性フィルム14を取着した場合には、熱溶着性フィルム14面を対向させて、内側基材11を配置させる。
【0012】
外側基材12は、内側基材11と略同一の形状を呈している。
外側基材12は、織布からなる。
【0013】
内側基材11,11と外側基材12,12とを縫製するには、図2の(a)に示すように、外側基材12,12間に、熱溶着性フィルム14を取着した面が対向するように、内側基材11,11を配置させる。
そして、図2の(b)に示すように、内側基材11のヒレ部13の熱溶着性フィルム14を溶着させる。
【0014】
内側基材11,11の溶着後、図2の(c)に示すように、外側基材12,12の外縁部と内側基材11,11のヒレ部13とをミシン糸15で縫着する。
かくして、エアバッグが作製される。
【0015】
このようにエアバッグを作製すると、内部に気密性の内側基材11,11が収納され、この内側基材11,11内にインフレータからのガスが供給されるので、エアバッグからのガス漏れを完全に防止することができる。
また、内側基材11,11は織布よりなる外側基材12,12で覆われているので、ガス圧に耐えて破断することなく膨張する。
【0016】
そして、エアバッグ作製時には、内側基材11,11のヒレ部13で外側基材12,12と一体になるように縫着できるので、相互の相対的な位置関係が変わらず、エアバッグの折畳時や収納時、さらに展開時にも良好な状態を保持できるので、内側基材11,11が局部的に破断したりするようなことがない。
【0017】
また、内側基材11,11は、熱溶着性フィルム14面を重ね合わせて溶着することにより、気密性のあるエアバッグ内層となると共に、溶着部が自動的に外側基材12,12とのヒレ部となる。
そして、外縁部を溶着した内側基材11,11を覆うように、内側基材11,11の外側に外側基材12,12を配置させ、ヒレ部13に沿って内側基材11,11と外側基材12,12とを縫着することによりエアバッグが作製されるので、外側基材のみを単独で縫製し、その後内側基材との間で縫着するといった2行程の縫製作業を必要とせず、1回の縫製作業でエアバッグを製造することができる。
【0018】
なお、上記した実施の形態においては、内側基材11,11の溶着後、外側基材12,12の外縁部と内側基材11,11のヒレ部13とを縫着した例を示したが、外側基材12,12の外縁部と内側基材11,11のヒレ部13とを縫着した後、内側基材11,11のヒレ部13,13の熱溶着性フィルム14,14を溶着させてもよい。
【0019】
また、上記した実施の形態においては、内側基材11の外縁部に熱溶着性フィルム14を取着した例を示したが、内側基材11の外面全体あるいは部分的に熱溶着性フィルムを取着したものを使用してもよい。
この場合には、内側基材11と外側基材12とを全体的に溶着してもよいし、所用部分(例えば、外縁部、インフレータ取付部など)を部分的に溶着してもよい。
その際、熱溶着性フィルムは、使用場所に応じて、適宜フィルムを選択的に使用してもよく、例えば、インフレータ取付部には発生するガスの温度に応じた耐久性のあるものを使用すればよい。
【0020】
前述した実施形態においては、2枚の内側基材11と2枚の外側基材12とで構成したが、1枚の内側基材11を2枚に折り返し、この内側基材11を2枚の外側基材12の間に配置して、それらの外縁部を縫着等することにより、エアバッグを作製してもよい。
また、内側基材11と外側基材12とを夫々1枚で構成し、内側基材11と外側基材12とを重ね合わせ、内側基材11側に折り返して、それらの外縁部を縫着等することにより、エアバッグを作製してもよい。
【0021】
なお、16は、エアバッグをインフレータ(図示せず)に取り付けるためのインフレータ取付孔である。
【0022】
【発明の効果】
本発明は、上述のとおり構成されており、内側基材は溶着されており縫製の針穴によるガス漏れを生じることがないので、長時間にわたって膨張状態を維持することができる。従って、車両横転時の連続的に加わるような衝撃から乗員を保護することができる。
また、内側基材のヒレ部で内側基材と外側基材とが一体的に縫着されるので、内側基材と外側基材との相対的位置が変わらず、膨張時に内側基材が破断することがない。
さらに、内側基材の外縁部に熱溶着性フィルムを取着することにより、容易に溶着させることができ、この溶着部を外側基材とのヒレ部とすることができる。
また、本発明によると、エアバッグの縫着工程が1回で済み、袋体自体に気密性の高いものを使用する必要がないので、安価に製造することができる。
さらにまた、全体的に熱プレスすれば内側基材と外側基材とを完全に一体的なものにすることができ、従来の内面コーティングを施したエアバッグと同様に取り扱うことができる。また、エアバッグとしての柔軟性を損なわない程度に部分的に溶着することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】展開した状態の乗員間保護用エアバッグの正面図である。
【図2】図1のA−A断面より見たエアバッグの縫製過程を示す断面図であり、(a)は積層した状態、(b)は溶着した状態、(c)は縫着した状態を示してある。
【図3】カーテンタイプのエアバッグの正面図である。
【符号の説明】
11 内側基材
12 外側基材
13 ヒレ部
14 熱溶着性フィルム
15 ミシン糸
Claims (3)
- 少なくとも外縁部が互いに溶着により接合されたヒレ部を設けた気密性樹脂からなる内側基材と、この内側基材と略同一形状の織布からなる外側基材とを有し、内側基材のヒレ部で外側基材と内側基材とを縫着したことを特徴とするエアバッグ。
- 内側基材のヒレ部の互いに対向した面の少なくとも片面に熱溶着性フィルムを取着してあることを特徴とする請求項1記載のエアバッグ。
- 内側基材のヒレ部を溶着後、内側基材のヒレ部と外側基材とを縫着したことを特徴とする請求項1又は2記載のエアバッグ。
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