JP3976901B2 - 文書読み上げ装置及び文書指定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば電話を使って電子メールの内容を音声で確認する電子メール読み上げシステム等の文書読み上げ装置及び文書指定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電話機からアクセスできる電子メール読み上げシステムが提案されている。利用者は、電話機から所定の番号をダイヤルしてこの電子メール読み上げシステムに接続し、その後システム内に設けられた自分のメールボックスを開けるための識別子や暗証番号等を入力する。システムが入力された番号等の正当性を認めると、利用者はメールボックス内のメールにアクセスできる。その際、電子メール読み上げシステムは、メールの本文を読み出す前にまず各メールのヘッダ部に含まれる差出人とサブジェクトを読み、その文字データから音声を合成して利用者の接続している電話機に出力する。これを全てのメールについて順番に繰り返す。利用者はそれを聞きながら、メールの読み上げをスキップして次のメールに進ませたり、あるいはそのメールの本文を読み上げさせる指示を、各メールについて順にプッシュボタン等によって指示していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上述した従来の方法では、必要なメールを読むためには、すべてのメールについて差出人とサブジェクトの読み上げを聞く必要があった。例えば、図3のように9通のメールがたまっていて、その中から「明日の会議」についてのメールを確認したい場合、ユーザは図4の操作が必要であった。すなわち、システムが何通目のメールであるかということとそのメールの差出人及びサブジェクトを読み上げたなら、利用者は電話機の[*]ボタンによって次のメールへのスキップを指示するか、あるいは[0]ボタンによって本文の読み上げを指示する。図4の例では、必要なメールは最後に読み上げられるものであるために、利用者は全てのメールについて差出人とサブジェクトとを聞かなければならない。
【0004】
このように、必要なメールを探し出すために、特にメールが沢山たまっている場合、多くの時間がかかるという問題点があった。
【0005】
本発明は上記従来例に鑑みてなされたもので、読み上げさせるメール等の文書を絞り込み、必要な文書を探し出すための時間を短縮することができる文書読み上げ装置及び文書指定方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は次のような構成からなる。すなわち、複数の電子メールを保持する保持手段から電子メールを順に取得する取得手段と、
前記取得手段で取得した電子メールのヘッダ部に含まれる差出人及びサブジェクトの項目の値を音声情報として、電話機に対して出力する出力手段と、
前記取得手段で取得した電子メールの次の電子メールの差出人及びサブジェクトの項目の値を音声情報として出力するまでの間に、前記電話機から操作ボタンによる指示を受けた場合に、前記出力手段で出力した差出人の項目の値をスキップ条件として加える設定手段とを備え、
前記取得手段は、取得した電子メールが、前記設定手段で設定されたスキップ条件に該当する場合に、該電子メールをスキップし、次の電子メールを取得する。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係るメール読み上げシステムのブロック図である。
【0011】
コンピュータ等の情報処理装置100は公衆回線109に接続されており、利用者の電話機110からアクセスされ、メールを読み上げて電話機110に音声信号を出力する。また、利用者は電話機110の所定のボタンによって情報処理装置100に対して指示を与えることができる。
【0012】
情報処理装置100において、制御部101は情報処理装置100全体を制御する。制御部101には、それによって実行されるプログラムを格納するプログラムメモリ101aを備えている。このプログラムは、固定ディスクやリムーバブル媒体等の外部プログラムメモリ111から供給される。
【0013】
処理中メール保持部102は、現在処理を行なっている電子メールを保持する。音声合成部103は、テキストを合成音声に変換する。メールサーバ104は電子メールを管理する。メールサーバ104は、情報処理装置100と同様にコンピュータであってもよく、その場合には情報処理装置100とLAN等によって接続されることになる。電子メールデータベース105はユーザ宛てに届いた電子メールを保持する。スキップ条件判定部106は、現在処理中のメールをユーザに提示するか、提示せずにスキップするかを、与えられた条件に基づいて判定する。スキップ条件保持部107は、現在処理中のメールをユーザに提示するか、提示せずにスキップするかの条件、すなわち、スキップ条件判定部106が判定に用いる条件を保持する。インターフェース部108は、公衆回線109に接続するためのモデムやターミナルアダプタといった装置である。なお、音声合成部103やスキップ条件判定部106は、制御部101が所定のプログラムを実行することでも実現可能である。
【0014】
図2は、情報処理装置100によるメール読み上げの処理手順を示すフローチャートである。この手順は、利用者によるメールへのアクセスが情報処理装置100によって認められ、利用者がメールの読み出しを指示しすることで実行される。なお、この手順は制御部101により各部を制御することで実行される。
【0015】
ステップS201で、メールサーバ104がユーザ宛てのメールを1通取り出し、処理中メール保持部102に保持させ、ステップS202へ進む。
【0016】
ステップS202で、処理中メール保持部102に保持されているメールのヘッダ部に含まれる差出人及びサブジェクトの文字列を音声合成部103で合成音声に変換し、公衆回線109を通してユーザの電話110に送る。例えば、差出人が「furu」でサブジェクトが「スキー」の9通目のメールについては、「9通目はfuruさんから、スキーに関してのメールです」という合成音声をユーザは聞く。
【0017】
ステップS203で、ユーザにより電話の[0]ボタンが押されたかどうか判定する。押された場合はステップS209へ進み、押されていない場合はステップS204へ進む。
【0018】
ステップS204で、ユーザにより電話の[*]ボタンが押されたかどうか判定する。押された場合はステップS210へ進み、押されていない場合はステップS205へ進む。
【0019】
ステップS205で、ユーザにより電話の[4]ボタンが押されたかどうか判定する。押された場合はステップS207へ進み、押されていない場合はステップS206へ進む。
【0020】
ステップS206で、ユーザにより電話の[5]ボタンが押されたかどうか判定する。押された場合はステップS208へ進み、押されていない場合はステップS203へ進む。
【0021】
[4]ボタンが押された場合には、ステップS207で、スキップ条件保持部107に、条件とする項目の種類を「差出人」とし、その項目の値を処理中のメールの差出人とした項目をスキップ条件として加える。この項目がスキップされる条件となる。例えば図3のようなメールが保持されている場合に、9通目のメールが処理されている場合は、[4]ボタンが押されれば、条件とする項目の種類を差出人とし、その値を「furu」とした項目「差出人,furu」をスキップ条件として加える。この条件が保持される形式を模式的に示した様子を図6に示す。この後、ステップS203へ進む。
【0022】
[5]ボタンが押された場合には、ステップS208で、スキップ条件保持部107に、条件とする項目の種類を「サブジェクト」とし、その項目の値を処理中のメールのサブジェクトとした項目をスキップ条件として加える。例えば、図3のようなメールが保持されている場合に、9通目のメールが処理されている場合は、[5]ボタンが押されれば、条件とする項目の種類をサブジェクトとし、その値を「スキー」とした項目「サブジェクト,スキー」をスキップ条件として加える。この条件が、「差出人,furu」という条件とともに保持される形式を模式的に示した様子を図7に示す。この後、ステップS203へ進む。
【0023】
ステップS209で、処理中メール保持部102に保持しているメールの本文を音声合成部103で合成音声に変換し、公衆回線109を通してユーザの電話に送る。そしてステップS210へ進む。
【0024】
ステップS210で、メールサーバ104にユーザ宛ての次のメールを要求する。メールがあった場合は、そのメールを処理中メール保持部102に保持し、ステップS211へ進む。メールがなかった場合は、処理を終了する。
【0025】
ステップS211で、処理中メール保持部102に保持されているメールのヘッダ部が、スキップ条件保持部107の条件にあてはまるかどうかを、スキップ条件判定部106により判定する。一つでもあてはまる条件がある場合S210へ進み、すべての条件にあてはまらない場合S202へ進む。例えば、スキップ条件保持部107が図7の条件を保持している場合、図3の9通目及び7通目のメールは、2つの条件を共に満たしておりスキップされ、4通目のメールは「サブジェクト,スキー」の条件にあてはまるので、スキップされて、ステップS210に進む。
【0026】
図5は、図2の手順にしたがってメール読み上げシステムと利用者とがメッセージの交換を行う例を示した図である。
【0027】
利用者は、図3のようなメールから、「明日の会議」に関するメールを読もうとしている。この場合、まず、9通目のメールのヘッダが読み上げられると、利用者は[4]及び[5]ボタンを押して、9通目のメールの差出人「furu」とサブジェクト「スキー」とをスキップ条件として登録する。そして、[*]ボタンを押して、スキップ条件に適合しない次のメールのヘッダを読ませる。次のメールは「yshim」からの「21日」に関するメールである。これもまた不要なため、利用者は[4]及び[5]ボタンを押して、8通目のメールの差出人「yshim」とサブジェクト「21日」もスキップ条件として登録する。そして、[*]ボタンを押して、スキップ条件に適合しない次のメールのヘッダを読ませる。次のメールは「mino」からの「明日の会議」に関するメールである。これが目的のメールであるから、[0]ボタンを押して本文を読み上げさせる。
【0028】
以上の手順により、図5の例では、第7通目から第3通目までの5通のメールをスキップすることができる。このように、本発明を用いることにより、必要なメールを見つけだす時間を短縮することができる。また、不要なメールをスキップするための条件の登録もボタンひとつで行え、極めて簡単な操作ですむ。
[変形例]
なお、上述した手順を次のように変えることもできる。
【0029】
1.上記実施例では、ステップS211においてスキップ条件に一致した場合ステップS210へ進んでいたが、逆に、スキップ条件に一致しなかった場合ステップS210へ進むようにしてもよい。そうすることにより、ある特定の人からのメールのみを効率よく確認することが可能となる。
【0030】
2.上記実施例では、スキップ条件に一致した場合ステップS210へ進み、変形例1では、一致しなかった場合ステップS210へ進む。この2つを切り替えるコマンドを例えばプッシュボタンの[1]に割り当て、電子メール読み上げシステムに接続するたびに、ユーザが好む方を選択できるようにしてもよい。
【0031】
3.上記実施例では、スキップの指示は[*]ボタンで行われているが、1つのメールに対して設定可能な全てのスキップ条件が設定されたなら、そのメールをスキップするようにしても良い。このようにすれば、図5の9通目及び8通目のメールに対して、[4],[5]ボタンで条件が設定されたなら、[*]ボタンが押されなくとも処理中のメールはスキップされる。
【0032】
4.なお、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。前述した実施形態の機能を実現する図2の手順のプログラムコードを記録した記録媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても達成される。
【0033】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することにより、そのプログラムコードを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0034】
プログラムコードを供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピーディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
【0035】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOSなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0036】
更に、記録媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能各帳簿度やコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の情報処理装置では、必要なメールを確認するための時間を短縮できるという効果がある。
【0038】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施例に係る処理手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の一実施例に係るユーザ宛てのメールを示すための図である。
【図4】本発明の一実施例に係るユーザの操作を示すための図である。
【図5】本発明の一実施例に係るユーザの操作を示すための図である。
【図6】本発明の一実施例に係るスキップ条件保持部を示すための図である。
【図7】本発明の一実施例に係るスキップ条件保持部を示すための図である。
【符号の説明】
100 情報処理装置
101 制御部
102 処理中メール保持部
103 音声合成部
104 メールサーバ
105 電子メールデータベース
106 スキップ条件判定部
107 スキップ条件保持部
109 公衆網
110 電話機
Claims (5)
- 複数の電子メールを保持する保持手段から電子メールを順に取得する取得手段と、
前記取得手段で取得した電子メールのヘッダ部に含まれる差出人及びサブジェクトの項目の値を音声情報として、電話機に対して出力する出力手段と、
前記取得手段で取得した電子メールの次の電子メールの差出人及びサブジェクトの項目の値を音声情報として出力するまでの間に、前記電話機から操作ボタンによる指示を受けた場合に、前記出力手段で出力した差出人の項目の値をスキップ条件として加える設定手段とを備え、
前記取得手段は、取得した電子メールが、前記設定手段で設定されたスキップ条件に該当する場合に、該電子メールをスキップし、次の電子メールを取得することを特徴とする文書読み上げ装置。 - 複数の電子メールを保持する保持手段から電子メールを順に取得する取得手段と、
前記取得手段で取得した電子メールのヘッダ部に含まれる差出人及びサブジェクトの項目の値を音声情報として、電話機に対して出力する出力手段と、
前記取得手段で取得した電子メールの次の電子メールの差出人及びサブジェクトの項目の値を音声情報として出力するまでの間に、前記電話機から操作ボタンによる指示を受けた場合に、前記出力手段で出力したサブジェクトの項目の値をスキップ条件として加える設定手段とを備え、
前記取得手段は、取得した電子メールが、前記設定手段で設定されたスキップ条件に該当する場合に、該電子メールをスキップし、次の電子メールを取得することを特徴とする文書読み上げ装置。 - 複数の電子メールを保持する保持手段から電子メールを順に取得する取得工程と、
前記取得工程で取得した電子メールのヘッダ部に含まれる差出人及びサブジェクトの項目の値を音声情報として、電話機に対して出力する出力工程と、
前記取得工程で取得し電子メールの次の電子メールの差出人及びサブジェクトの項目の値を音声情報として出力するまでの間に、前記電話機から操作ボタンによる指示を受けた場合に、前記出力工程で出力した差出人の項目の値をスキップ条件として加える設定工程とを備え、
前記取得工程は、取得した電子メールが、前記設定工程で設定されたスキップ条件に該当する場合に、該電子メールをスキップし、次の電子メールを取得することを特徴とする文書読み上げ方法。 - 複数の電子メールを保持する保持手段から電子メールを順に取得する取得工程と、
前記取得工程で取得した電子メールのヘッダ部に含まれる差出人及びサブジェクトの項目の値を音声情報として、電話機に対して出力する出力工程と、
前記取得工程で取得した電子メールの次の電子メールの差出人及びサブジェクトの項目の値を音声情報として出力するまでの間に、前記電話機から操作ボタンによる指示を受けた場合に、前記出力工程で出力したサブジェクトの項目の値をスキップ条件として加える設定工程とを備え、
前記取得工程は、取得した電子メールが、前記設定工程で設定されたスキップ条件に該当する場合に、該電子メールをスキップし、次の電子メールを取得することを特徴とする文書読み上げ方法。 - 請求項3又は4に記載の文書読み上げ方法をコンピュータに実行させる制御プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
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