JP3975972B2 - 紡機のスピンドル駆動テープのテンション装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リング精紡機、リング撚糸機等の紡機のスピンドル駆動テープのテンション装置に係り、詳しくは所謂チンプーリ駆動方式を採用した紡機のスピンドル駆動テープのテンション装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
所謂チンプーリ駆動方式のスピンドル駆動装置は、機台の長手方向に延びる駆動シャフトが設けられるとともに、該駆動シャフトに所定間隔でチンプーリが多数設けられ、各チンプーリ毎に片側2錘ずつ計4個のスピンドルを1本の無端状の駆動テープ(スピンドルテープ)で駆動する。
【0003】
また、リング精紡機、リング撚糸機等の紡機においては、生産する糸の種類として、Z撚りと、S撚りとがある。生産する糸がZ撚りか、S撚りかでスピンドルの回転方向が異なり、Z撚りの場合は時計回りに回転させ、S撚りの場合は反時計回りに回転させる。一般的には、Z撚りの糸の生産が主であり、S撚りの糸の生産は少ない。
【0004】
チンプーリ駆動方式では、一般に1個のテンションプーリを備えたテンション装置を使用して、駆動テープを適正な張力に調整するようになっている(例えば、特許文献1参照)。図8に示すように、テンション装置51は、可動軸(駆動シャフト)52(図9に図示)と平行に設けられた固定軸53と、固定軸53に揺動自在に支持されたテンションアーム54と、テンションアーム54の上端に回転自在に支持されたテンションプーリ55と、ウェイト56(図9に図示)とを備えている。図9に示すように、駆動テープ57はチンプーリ58、テンションプーリ55及びスピンドル59に巻き掛けられている。駆動テープ57が安定した状態で走行可能となるように、テンションプーリ55は、図8に示すように、固定軸53と直交する平面に対して所定の角度傾いた状態で回転するように設けられている。そして、テンション装置51はZ撚りの場合と、S撚りの場合とでは、チンプーリ58に対するテンション装置51の配置を機台の左右方向(図8における左右方向)において逆にする必要があるとともに、テンションプーリ55の傾きも逆にする必要がある。
【0005】
一方、チンプーリの回転方向を変更するだけで、スピンドルの回転をZ撚りとS撚りとに変更可能な紡機機台として、各チンプーリ毎に、チンプーリに対して左右両側にテンション装置を設けた構成(ダブルテンションプーリ)の機台もある。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−243130号公報(明細書の段落[0006],[0007]、図1,図2,図4)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ダブルテンションプーリの機台では、チンプーリを駆動するモータの回転方向を変更するだけで、駆動テープが逆方向に安定した状態で走行し、スピンドルの回転方向を変更することができるため、Z撚りとS撚りとの変更を簡単に行うことができる。ところが、ダブルテンションプーリの場合は、機台運転中に各駆動テープが2個のテンションプーリを駆動する必要があり、テンションプーリ55が1個の構成に比べて動力消費が増大する。また、テンションプーリ55が1個の構成に比べて部品点数が増加し、その分、製造コストが高くなる。
【0008】
一方、テンションプーリ55が各駆動テープに対して1個ずつ設けられた従来のテンション装置51の構成では、テンション装置51のチンプーリ58に対する配設位置を変更するだけでは、Z撚りに適した状態からS撚りに適した状態にテンションプーリ55の位置を変更することができない。従って、Z撚り専用のテンション装置51とS撚り専用のテンション装置51とを準備しておき、Z撚り機台、S撚り機台とする必要があり、2種類のテンション装置51が必要になるため、製造コストが高くなる。また、使用しないテンション装置51を保管しておく保管スペースの確保が必要となる。
【0009】
本発明は前記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は各駆動テープ毎に2個のテンションプーリを設けずに、Z撚りとS撚りとに対応することができる紡機のスピンドル駆動テープのテンション装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、紡機機台の長手方向に延設された駆動シャフトに複数の駆動プーリが一体回転可能に固定され、前記各駆動プーリと、紡機機台の両側に設けられた複数のスピンドルとに巻き掛けられる無端状のスピンドル駆動テープのテンション装置である。テンション装置は、前記駆動シャフトに平行に延設された支持軸に対して揺動可能に支持される基端部と、前記基端部から延設されたレバー部と、前記レバー部の上部に設けられ、前記支持軸と直交する平面に対して対称位置に設けられた2箇所のテンションプーリ支持部とを備えている。テンション装置は、前記両テンションプーリ支持部の一方に、支軸を介して前記平面に対して所定の角度をなす状態で回転可能かつ取り外し可能に取り付けられたテンションプーリと、前記レバー部を前記駆動テープの張力を増大させる方向に付勢する付勢手段とを備えている。
【0011】
この発明では、テンションプーリ支持部が、1本のレバー部に2箇所設けられ、テンションプーリの取付け位置を変更するだけで、テンション装置がS撚りに適した状態あるいはZ撚りに適した状態に変更される。そして、テンション装置のチンプーリに対する取付け位置を変更することにより、S撚りあるいはZ撚りに適した状態で駆動テープに張力を付与することができる。従って、各駆動テープ毎に2個のテンションプーリを設けずに、Z撚りとS撚りとに対応することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記基端部は、前記支持軸に固定されるとともに円弧領域とこれに続く台形領域とからなる外形断面を有する支持部を備えた位置決め部材を介して前記支持軸に揺動可能に支持されている。また、前記基端部は下方に開放されるとともに前記支持軸が貫挿される収容部を備え、前記収容部には前記支持部の厚みより大きな幅の溝が形成され、前記溝に前記支持部が遊嵌されている。
【0013】
この発明では、基端部が直接支持軸に揺動可能に支持されるのではなく、支持軸に固定された位置決め部材の支持部を介して前記支持軸に揺動可能に支持される。そして、円弧面を有する支持部に、基端部に装備された収容部に形成された溝が遊嵌されることで、基端部が支持軸の所定位置に支持される。従って、基端部を支持軸に直接揺動可能に支持する構成に比較して、基端部を支持軸の所定位置に組み付ける作業が容易になる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記付勢手段は、一端が前記支持軸側に固定され、他端が前記基端部側に固定されたねじりコイルばねである。ここで、「支持軸側に固定され」とは、支持軸に直接固定される場合と、支持軸に固定された部材に固定される場合とのいずれかを意味する。また、「基端部側に固定され」とは、基端部に直接固定される場合と、基端部に固定された部材に固定される場合とのいずれかを意味する。この発明では、付勢手段として重りを使用する構成に比較して、テンション装置がコンパクトになり、風綿の堆積が少なくなる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記付勢手段は、一端が前記支持軸側に固定され、他端が前記基端部側に固定されたねじりコイルばねであり、該ねじりコイルばねのコイル部は、前記溝と区画された空間に収容されている。ここで、「支持軸側に固定され」及び「基端部側に固定され」とは、前記と同様な意味である。従って、この発明では、ねじりコイルばね上に風綿が堆積するのが防止されるとともに、ねじりコイルばねが支持部と干渉し難くなる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記支持部には、前記ねじりコイルばねの他端を所定位置に保持可能、かつ前記ねじりコイルばねの他端に前記支持軸と直交する平面内の力が作用したときに前記他端の前記平面内での移動を許容する切り欠きが形成されている。一方、前記基端部には前記ねじりコイルばねの他端が挿通される孔が形成されている。この発明では、ねじりコイルばねは、一端が支持軸側に固定され、他端が支持部の切り欠きに係止された状態で所定位置に保持される。その状態で基端部の溝が支持部と対応するように基端部を位置決め部材に装着すれば、基端部の装着時にねじりコイルばねを所定の位置に手で保持した状態で装着するのに比較して、簡単に基端部を所定の位置に装着できる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項4又は請求項5に記載の発明において、前記レバー部は前記基端部に対してその軸方向の一端側に設けられ、前記支持軸と直交する前記基端部の壁の少なくともレバー部が設けられた側と反対側の壁には、前記基端部の前記支持軸から離脱する方向への傾動を抑制する凸部が形成されている。この発明では、レバー部が支持軸の長手方向に傾動するのが抑制され、レバー部が安定した状態で揺動される。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項3〜請求項6のいずれか一項に記載の発明において、前記基端部は樹脂で形成され、前記レバー部は金属で形成されるとともに前記ねじりコイルばねを係止する係止部が一体に形成されている。この発明では、基端部を金属製とした場合に比較して軽量化が図れるとともに、低コストで製造できる。また、樹脂製の基端部にねじりコイルばねが係止された状態でレバー部が揺動すると、ねじりコイルばねとの係止部において基端部が摩耗し易くなるが、ねじりコイルばねは樹脂製の基端部ではなく金属製の係止部に係止されるため、基端部が摩耗し難くなる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をリング精紡機のテンション装置に具体化した一実施の形態を図1〜図6に従って説明する。図1(a)はテンション装置の分解斜視図、(b)はテンションアームの背面図、(c)は基端部の支持軸を含む切断面での概略断面図、(d)は基端部の支持軸と直交する切断面での断面図を示す。図2は精紡機の概略正面図、図3はスピンドル、チンプーリ及びテンション装置の関係を示す概略平面図を示す。図4(a)はテンションアームの右側面図、(d)は同じく左側面図、図5(a)はS撚り用テンション装置ユニットの斜視図、(b)はZ撚り用テンション装置ユニットの斜視図を示す。図6はテンションプーリをS撚り用の位置に取り付けたテンションアームの右側面図を示す。
【0020】
図2及び図3に示すように、紡機としてのリング精紡機11の機台の左右両側には機台の長手方向(図2の紙面と垂直方向)に沿ってスピンドルレール12が延設されている。スピンドルレール12上にはスピンドル13が一定ピッチで回転可能に支持されている。機台のほぼ中央には全錘共通の駆動シャフト14が機台長手方向に沿って配設され、駆動シャフト14には駆動プーリとしてのチンプーリ15が複数個、所定間隔で一体回転可能に固定されている。駆動シャフト14は機台の端部に配設された図示しないモータにより回転駆動されるようになっている。
【0021】
駆動シャフト14の斜め下方位置には、支持軸16が駆動シャフト14に平行に延設されている。支持軸16にはテンション装置17が、各チンプーリ15に対応してそれぞれ1個ずつ装備されている。各テンション装置17はそれぞれ1個のテンションプーリ18を備えている。そして、図3に示すように、4錘のスピンドル13、チンプーリ15及びテンションプーリ18間に無端状の駆動テープ19が巻き掛けられ、1本の駆動テープ19により4錘のスピンドル13が駆動されるようになっている。図2及び図3はZ撚りの糸を紡出するのに適したテンション装置17が装備された場合を示している。
【0022】
次にテンション装置17について、詳細に説明する。図1(a),(b)に示すように、テンション装置17は、支持軸16に対して揺動可能に支持されるテンションアーム20を備えている。テンションアーム20は、支持軸16に対して揺動可能に支持される基端部21と、基端部21から延設されたレバー部22とを備え、レバー部22の上部には、支持軸16と直交する平面に対して対称位置に設けられた2箇所のテンションプーリ支持部23a,23bを備えている。テンションプーリ18は、両テンションプーリ支持部23a,23bの一方に、支軸24を介して前記平面に対して所定の角度をなす状態で回転可能かつ取り外し可能に取り付けられている。この実施の形態では、テンションプーリ支持部23aがS撚り用に使用され、テンションプーリ支持部23bがZ撚り用に使用される。
【0023】
この実施の形態では基端部21は直接支持軸16に揺動可能に支持されるのではなく、支持軸16に固定されるとともに、円弧領域25aとこれに続く台形領域25bとからなる外形断面を有する支持部25を備えた位置決め部材26を介して支持軸16に揺動可能に支持される。位置決め部材26は支持部25と一体に形成され、支持軸16に貫通される筒部27を備えている。筒部27の周囲に、レバー部22を駆動テープ19の張力を増大させる方向に付勢する付勢手段としてのねじりコイルばね(以下、単にコイルばねと記す)28が装着されている。
【0024】
筒部27には位置決め部材26が支持軸16に固定された状態で下側となる箇所に、コイルばね28の一端が係止される係止部が形成されている。支持部25にはコイルばね28の他端を所定位置に保持可能、かつ他端の支持軸16と直交する平面内での移動を許容する切り欠き25cが形成されている。位置決め部材26は、例えばアルミニウムやアルミニウム合金等の金属で形成されている。
【0025】
基端部21とレバー部22とは別体に形成され、基端部21は樹脂製で、レバー部22は金属製(例えば、鉄製)である。レバー部22にはコイルばね28を係止する係止部22aが一体に形成されている。レバー部22は基端部21に対してその軸方向の一端側に、ボルト29により固定されている。
【0026】
図1(c),(d)に示すように、基端部21は、下方に開放されるとともに支持軸16が貫挿される収容部30を備え、収容部30には支持部25の厚みより大きな幅の溝31が形成され、溝31に支持部25が遊嵌されるようになっている。収容部30は区画壁30aにより、内部に溝31と区画された空間32が設けられている。
【0027】
基端部21にはコイルばね28の他端の直線部28aが挿通される孔33(図1(d)に図示)が、孔33から突出した直線部28aが係止部22aと係合可能な位置に形成されている。コイルばね28は、コイル部が空間32に収容され、直線部28aが孔から突出する状態で収容部30に収容されている。
【0028】
基端部21を構成する壁のうち、支持軸16と直交する壁21a,21bの少なくともレバー部22が設けられた側と反対側の壁21bには、基端部21の支持軸16から離脱する方向への傾動を抑制する凸部21cが形成されている。凸部21cは支持軸16の中心軸線を含む水平面より下方において支持軸16と係合するように設けられている。
【0029】
次に前記のように構成されたテンション装置17の作用を説明する。テンション装置17は図5(a),(b)に示すように、所定長さの支持軸16に対して所定数組み付けられたテンション装置ユニット34として、リング精紡機11の機台に取り付けられる。テンション装置17を支持軸16に組み付ける場合は、先ずコイルばね28が装着された位置決め部材26を支持軸16の所定位置に固定する。コイルばね28は一端が筒部27に形成された係止部に係止され、他端の直線部28aが支持部25の切り欠き25cに係止された状態で位置決め部材26に装着され、図1(a)に示す状態に保持される。
【0030】
次にその状態の位置決め部材26の上方からテンションアーム20の基端部21を位置決め部材26に係合させる。このとき、直線部28aが孔33から突出するように基端部21を移動させると、溝31が円滑に支持部25に遊嵌され、支持軸16が収容部30を貫通した状態となり、テンションアーム20が支持部25を介して支持軸16に対して揺動可能に支持される。
【0031】
Z撚りに対応するテンション装置ユニット34を組み立てる場合は、図1(a)、図4(a),(b)等に示すように、テンションプーリ18をZ撚りに対応するテンションプーリ支持部23bに支持した状態のテンションアーム20を使用する。そして、支持軸16にコイルばね28が装着された所定数の位置決め部材26及びテンションアーム20を組み付けると、図5(b)に示すようなZ撚り用のテンション装置ユニット34が完成する。このテンション装置ユニット34を駆動シャフト14に対して図2における右側の所定位置に固定する。次に駆動テープ19を4錘のスピンドル13、チンプーリ15及びテンションプーリ18間に巻き掛けることにより、リング精紡機11の全体のテンション装置17が完成する。
【0032】
また、S撚りに対応するテンション装置ユニット34を組み立てる場合は、図6に示すように、テンションプーリ18をS撚りに対応するテンションプーリ支持部23aに支持した状態のテンションアーム20を使用する。そして、その他はZ撚りに対応するテンション装置ユニット34を組み立てる場合と同様にして、図5(a)に示すようなS撚り用のテンション装置ユニット34が完成する。このテンション装置ユニット34を駆動シャフト14に対して図2における左側の所定位置に固定した後、駆動テープ19を4錘のスピンドル13、チンプーリ15及びテンションプーリ18間に巻き掛けることにより、S撚りに対応するリング精紡機11の全体のテンション装置17が完成する。
【0033】
駆動テープ19は、回転軸線が水平に延びる駆動シャフト14の回転を回転軸線が垂直に延びるスピンドル13に伝達する必要があるため、走行経路の途中でねじれる状態となる。従って、駆動テープ19が安定して走行するには、テンションプーリ18の姿勢が重要となる。図4(b)及び図6から明らかに、テンションプーリ18をZ撚りに適したテンションプーリ支持部23bに取り付けたものを逆向きにした場合と、テンションプーリ18をS撚りに適したテンションプーリ支持部23aに取り付けた場合とでは、テンションプーリ18の姿勢がことなる。即ち、Z撚りに適した状態のテンションアーム20を、逆向きにして支持軸16に揺動可能に支持したのでは、駆動テープ19をS撚りに適した状態で安定して走行するように案内することはできない。しかし、本発明の構成では、支持軸16と直交する平面に対して対称位置に設けられた2箇所のテンションプーリ支持部23a,23bに対するテンションプーリ18の取付け位置を変更するだけで、Z撚りに適した状態からS撚りに適した状態への変更あるいはその逆の変更を行うことができる。
【0034】
リング精紡機11が運転されると、駆動シャフト14が図2の反時計方向に回転駆動されると、駆動テープ19を介してスピンドル13が図3の時計方向に回転され、Z撚りの糸が紡出される。テンションアーム20はコイルばね28によって図2の時計方向に回動付勢され、駆動テープ19に作用する張力の変動に対応して、支持軸16と直交する平面内で揺動する。従って、駆動テープ19に過剰なテンションが掛かったり、駆動テープ19に弛みが発生するのが防止され、駆動テープ19が安定して走行する。
【0035】
この実施の形態では以下の効果を有する。
(1) テンションプーリ支持部23a,23bが、1本のレバー部22に2箇所設けられ、テンションプーリ18の取付け位置を変更するだけで、テンション装置17がS撚りに適した状態あるいはZ撚りに適した状態に変更される。そして、テンション装置17のチンプーリ15に対する取付け位置を変更することにより、S撚りあるいはZ撚りに適した状態で駆動テープ19に張力を付与することができる。従って、各駆動テープ19毎に2個のテンションプーリを設けずに、Z撚りとS撚りとに対応することができる。その結果、各チンプーリ毎に2個のテンションプーリを備えた所謂ダブルテンションプーリ方式のテンション装置に比較して、スピンドル13を駆動するための動力消費量が少なくなる。また、Z撚り及びS撚り専用の部品をそれぞれ準備しておき、Z撚り及びS撚りに対応してそれぞれ専用の部品を使用してZ撚りあるいはS撚りに対応するテンション装置を製造する場合に比較して、部品の保管スペースを小さくできるとともに、製造コストを低くできる。また、Z撚りのリング精紡機11であっても、支持軸16の位置及びテンションプーリ18の支持位置を変更することで、簡単にS撚りのリング精紡機11に変更でき、その逆も同様である。
【0036】
(2) 基端部21は、支持軸16に固定されるとともに円弧領域25aとこれに続く台形領域25bとからなる外形断面を有する支持部25を備えた位置決め部材26を介して支持軸16に揺動可能に支持されている。また、基端部21は下方に開放されるとともに支持軸16が貫挿される収容部30を備え、収容部30には支持部25の厚みより大きな幅の溝31が形成され、溝31に支持部25が遊嵌されている。従って、基端部21を支持軸16に直接揺動可能に支持する構成に比較して、基端部21を支持軸16の所定位置に組み付ける作業が容易になる。また、基端部21が直接支持軸16に揺動可能に支持される構成に比較して、揺動半径が大きくなるため摺動面が摩耗し難くなる。
【0037】
(3) 付勢手段として、一端が支持軸16側に固定され、他端が前記基端部21側に固定されたねじりコイルばね28が使用されている。従って、付勢手段として重りを使用する構成に比較して、テンション装置17がコンパクトになり、風綿の堆積が少なくなる。
【0038】
(4) コイルばね28は、コイル部が収容部30の溝31と区画された空間32に収容されている。従って、ねじりコイルばね28上に風綿が堆積するのが防止されるとともに、ねじりコイルばね28が支持部25と干渉し難い。
【0039】
(5) 支持部25には、ねじりコイルばね28の他端の直線部28aを所定位置に保持可能、かつ直線部28aに支持軸16と直交する平面内の力が作用したときに直線部28aの前記平面内での移動を許容する切り欠き25cが形成され、基端部21には直線部28aが挿通される孔33が形成されている。そして、ねじりコイルばね28は、一端が支持軸16側に固定され、他端が支持部25の切り欠き25cに係止された状態で所定位置に保持される。従って、その状態で基端部21の溝31が支持部25と対応するように基端部21を位置決め部材26に装着すれば、基端部21の装着時にねじりコイルばね28を所定の位置に手で保持した状態で装着するのに比較して、簡単に基端部21を所定の位置に装着できる。
【0040】
(6) レバー部22は基端部21に対してその軸方向の一端側に設けられ、支持軸16と直交する基端部21の壁21a,21bの少なくともレバー部22が設けられた側と反対側の壁21bには、基端部21の支持軸16から離脱する方向への傾動を抑制する凸部21cが形成されている。従って、凸部21cの作用によりレバー部22が支持軸16に沿った方向に傾動するのが抑制され、レバー部22が安定した状態で揺動される。
【0041】
(7) 基端部21は樹脂で形成され、レバー部22は金属で形成されるとともにねじりコイルばね28を係止する係止部22aが一体に形成されている。従って、基端部21を金属製とした場合に比較して軽量化が図れるとともに、低コストで製造できる。また、樹脂製の基端部21にねじりコイルばね28が係止された状態でレバー部22が揺動すると、ねじりコイルばね28との係止部において基端部21が摩耗し易くなるが、ねじりコイルばね28は樹脂製の基端部21ではなく金属製の係止部22aに係止されるため、基端部21が摩耗し難くなる。
【0042】
(8) 所定長さの支持軸16に所定数のテンションアーム20が固定されたテンション装置ユニット34を組み立てた後、テンション装置ユニット34を機台に組み付ける。従って、予め機台に組み付けられた支持軸16に1個ずつテンションアーム20を取り付ける場合に比較して、機台に対するテンション装置17の組み付けが容易になる。
【0043】
(9) テンションアーム20の揺動の最大範囲が支持部25の台形領域25bと収容部30の内面とが係合することで決まるため、テンションアーム20の揺動範囲を規制する部材を特別に設ける必要がない。
【0044】
実施の形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
〇 レバー部22を駆動テープ19の張力を増大させる方向に付勢する付勢手段はコイルばね28に限らない。例えば、図7に示すように、付勢手段として重り35を使用する構成としてもよい。
【0045】
〇 位置決め部材26にコイルばね28を装着する筒部27を設けずに、コイルばね28を支持軸16に直接装着し、コイルばね28の一端を直接支持軸16に固定してもよい。
【0046】
〇 付勢手段としてコイルばね28を使用する場合、コイルばね28を基端部21で覆わずに露出状態で使用する構成としてもよい。
〇 コイルばね28のコイル部を収容する空間32を溝31と区画するために、収容部30に設けた区画壁30aを省略してもよい。
【0047】
〇 支持部25に切り欠き25cを設けずに、テンションアーム20を支持部25に装着する際、コイルばね28の直線部28aを孔33に挿通した状態でコイルばね28をねじって溝31が円弧領域25aと対向する状態に配置して、基端部21を支持部25に装着してもよい。
【0048】
〇 支持軸16と直交する基端部21の両壁21a,21bに、基端部21の支持軸16から離脱する方向への傾動を抑制する凸部21cを形成してもよい。また、両壁21a,21bに凸部21cを形成するのを省略してもよい。
【0049】
〇 基端部21を金属製としてもよい。この場合、レバー部22の係止部22aをなくして、コイルばね28の直線部28aが基端部21に係止される構成としても、基端部21が摩耗し難い。また、基端部21が樹脂製の場合でも係止部22aをなくしてもよい。
【0050】
〇 基端部21を支持部25を介して支持軸16に揺動可能に支持する構成に代えて、基端部21を支持軸16に直接揺動可能に支持する構成としてもよい。
〇 駆動シャフト14を機台の中央に設けてもよい。この場合、Z撚りの場合と、S撚りの場合とで支持軸16の固定位置を駆動シャフト14からの距離が同じ位置に設定できる。
【0051】
〇 リング精紡機に限らずリング撚糸機に適用してもよい。
以下の技術的思想(発明)は前記実施の形態から把握できる。
(1) 支持軸に対して揺動可能に支持される基端部と、前記基端部から延設されたレバー部とを備え、前記レバー部の上部には、前記支持軸と直交する平面に対して対称位置に設けられた2箇所のテンションプーリ支持部を備えているテンションアーム。
【0052】
【発明の効果】
以上、詳述したように、請求項1〜請求項7に記載の発明によれば、各駆動テープ毎に2個のテンションプーリを設けずに、Z撚りとS撚りとに対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)はテンション装置の分解斜視図、(b)はテンションアームの背面図、(c)はテンションアームの基端部の支持軸を含む切断面での概略断面図、(d)は同じく支持軸と直交する切断面での概略断面図。
【図2】 精紡機の概略正面図。
【図3】 テンション装置の配置を示す概略平面図。
【図4】 (a)はテンションアームの右側面図、(b)は同じく左側面図。
【図5】 (a)はS撚り用のテンション装置ユニットの概略斜視図、(b)はZ撚り用テンション装置ユニットの概略斜視図。
【図6】 テンションプーリをS撚り用位置に取り付けた状態の右側面図。
【図7】 別の実施の形態のテンションアームの概略斜視図。
【図8】 従来技術のテンション装置の側面図。
【図9】 テンション装置の配置を示す概略平面図。
【符号の説明】
11…紡機としてのリング精紡機、13…スピンドル、14…駆動シャフト、15…駆動プーリとしてのチンプーリ、16…支持軸、17…テンション装置、18…テンションプーリ、19…駆動テープ、21…基端部、21a,21b…壁、21c…凸部、22…レバー部、22a…係止部、23a,23b…テンションプーリ支持部、24…支軸、25…支持部、25a…円弧領域、25b…台形領域、25c…切り欠き、26…位置決め部材、28…コイルばね、30…収容部、31…溝、32…空間、33…孔。
【発明の属する技術分野】
本発明は、リング精紡機、リング撚糸機等の紡機のスピンドル駆動テープのテンション装置に係り、詳しくは所謂チンプーリ駆動方式を採用した紡機のスピンドル駆動テープのテンション装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
所謂チンプーリ駆動方式のスピンドル駆動装置は、機台の長手方向に延びる駆動シャフトが設けられるとともに、該駆動シャフトに所定間隔でチンプーリが多数設けられ、各チンプーリ毎に片側2錘ずつ計4個のスピンドルを1本の無端状の駆動テープ(スピンドルテープ)で駆動する。
【0003】
また、リング精紡機、リング撚糸機等の紡機においては、生産する糸の種類として、Z撚りと、S撚りとがある。生産する糸がZ撚りか、S撚りかでスピンドルの回転方向が異なり、Z撚りの場合は時計回りに回転させ、S撚りの場合は反時計回りに回転させる。一般的には、Z撚りの糸の生産が主であり、S撚りの糸の生産は少ない。
【0004】
チンプーリ駆動方式では、一般に1個のテンションプーリを備えたテンション装置を使用して、駆動テープを適正な張力に調整するようになっている(例えば、特許文献1参照)。図8に示すように、テンション装置51は、可動軸(駆動シャフト)52(図9に図示)と平行に設けられた固定軸53と、固定軸53に揺動自在に支持されたテンションアーム54と、テンションアーム54の上端に回転自在に支持されたテンションプーリ55と、ウェイト56(図9に図示)とを備えている。図9に示すように、駆動テープ57はチンプーリ58、テンションプーリ55及びスピンドル59に巻き掛けられている。駆動テープ57が安定した状態で走行可能となるように、テンションプーリ55は、図8に示すように、固定軸53と直交する平面に対して所定の角度傾いた状態で回転するように設けられている。そして、テンション装置51はZ撚りの場合と、S撚りの場合とでは、チンプーリ58に対するテンション装置51の配置を機台の左右方向(図8における左右方向)において逆にする必要があるとともに、テンションプーリ55の傾きも逆にする必要がある。
【0005】
一方、チンプーリの回転方向を変更するだけで、スピンドルの回転をZ撚りとS撚りとに変更可能な紡機機台として、各チンプーリ毎に、チンプーリに対して左右両側にテンション装置を設けた構成(ダブルテンションプーリ)の機台もある。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−243130号公報(明細書の段落[0006],[0007]、図1,図2,図4)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ダブルテンションプーリの機台では、チンプーリを駆動するモータの回転方向を変更するだけで、駆動テープが逆方向に安定した状態で走行し、スピンドルの回転方向を変更することができるため、Z撚りとS撚りとの変更を簡単に行うことができる。ところが、ダブルテンションプーリの場合は、機台運転中に各駆動テープが2個のテンションプーリを駆動する必要があり、テンションプーリ55が1個の構成に比べて動力消費が増大する。また、テンションプーリ55が1個の構成に比べて部品点数が増加し、その分、製造コストが高くなる。
【0008】
一方、テンションプーリ55が各駆動テープに対して1個ずつ設けられた従来のテンション装置51の構成では、テンション装置51のチンプーリ58に対する配設位置を変更するだけでは、Z撚りに適した状態からS撚りに適した状態にテンションプーリ55の位置を変更することができない。従って、Z撚り専用のテンション装置51とS撚り専用のテンション装置51とを準備しておき、Z撚り機台、S撚り機台とする必要があり、2種類のテンション装置51が必要になるため、製造コストが高くなる。また、使用しないテンション装置51を保管しておく保管スペースの確保が必要となる。
【0009】
本発明は前記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は各駆動テープ毎に2個のテンションプーリを設けずに、Z撚りとS撚りとに対応することができる紡機のスピンドル駆動テープのテンション装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、紡機機台の長手方向に延設された駆動シャフトに複数の駆動プーリが一体回転可能に固定され、前記各駆動プーリと、紡機機台の両側に設けられた複数のスピンドルとに巻き掛けられる無端状のスピンドル駆動テープのテンション装置である。テンション装置は、前記駆動シャフトに平行に延設された支持軸に対して揺動可能に支持される基端部と、前記基端部から延設されたレバー部と、前記レバー部の上部に設けられ、前記支持軸と直交する平面に対して対称位置に設けられた2箇所のテンションプーリ支持部とを備えている。テンション装置は、前記両テンションプーリ支持部の一方に、支軸を介して前記平面に対して所定の角度をなす状態で回転可能かつ取り外し可能に取り付けられたテンションプーリと、前記レバー部を前記駆動テープの張力を増大させる方向に付勢する付勢手段とを備えている。
【0011】
この発明では、テンションプーリ支持部が、1本のレバー部に2箇所設けられ、テンションプーリの取付け位置を変更するだけで、テンション装置がS撚りに適した状態あるいはZ撚りに適した状態に変更される。そして、テンション装置のチンプーリに対する取付け位置を変更することにより、S撚りあるいはZ撚りに適した状態で駆動テープに張力を付与することができる。従って、各駆動テープ毎に2個のテンションプーリを設けずに、Z撚りとS撚りとに対応することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記基端部は、前記支持軸に固定されるとともに円弧領域とこれに続く台形領域とからなる外形断面を有する支持部を備えた位置決め部材を介して前記支持軸に揺動可能に支持されている。また、前記基端部は下方に開放されるとともに前記支持軸が貫挿される収容部を備え、前記収容部には前記支持部の厚みより大きな幅の溝が形成され、前記溝に前記支持部が遊嵌されている。
【0013】
この発明では、基端部が直接支持軸に揺動可能に支持されるのではなく、支持軸に固定された位置決め部材の支持部を介して前記支持軸に揺動可能に支持される。そして、円弧面を有する支持部に、基端部に装備された収容部に形成された溝が遊嵌されることで、基端部が支持軸の所定位置に支持される。従って、基端部を支持軸に直接揺動可能に支持する構成に比較して、基端部を支持軸の所定位置に組み付ける作業が容易になる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記付勢手段は、一端が前記支持軸側に固定され、他端が前記基端部側に固定されたねじりコイルばねである。ここで、「支持軸側に固定され」とは、支持軸に直接固定される場合と、支持軸に固定された部材に固定される場合とのいずれかを意味する。また、「基端部側に固定され」とは、基端部に直接固定される場合と、基端部に固定された部材に固定される場合とのいずれかを意味する。この発明では、付勢手段として重りを使用する構成に比較して、テンション装置がコンパクトになり、風綿の堆積が少なくなる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記付勢手段は、一端が前記支持軸側に固定され、他端が前記基端部側に固定されたねじりコイルばねであり、該ねじりコイルばねのコイル部は、前記溝と区画された空間に収容されている。ここで、「支持軸側に固定され」及び「基端部側に固定され」とは、前記と同様な意味である。従って、この発明では、ねじりコイルばね上に風綿が堆積するのが防止されるとともに、ねじりコイルばねが支持部と干渉し難くなる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記支持部には、前記ねじりコイルばねの他端を所定位置に保持可能、かつ前記ねじりコイルばねの他端に前記支持軸と直交する平面内の力が作用したときに前記他端の前記平面内での移動を許容する切り欠きが形成されている。一方、前記基端部には前記ねじりコイルばねの他端が挿通される孔が形成されている。この発明では、ねじりコイルばねは、一端が支持軸側に固定され、他端が支持部の切り欠きに係止された状態で所定位置に保持される。その状態で基端部の溝が支持部と対応するように基端部を位置決め部材に装着すれば、基端部の装着時にねじりコイルばねを所定の位置に手で保持した状態で装着するのに比較して、簡単に基端部を所定の位置に装着できる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項4又は請求項5に記載の発明において、前記レバー部は前記基端部に対してその軸方向の一端側に設けられ、前記支持軸と直交する前記基端部の壁の少なくともレバー部が設けられた側と反対側の壁には、前記基端部の前記支持軸から離脱する方向への傾動を抑制する凸部が形成されている。この発明では、レバー部が支持軸の長手方向に傾動するのが抑制され、レバー部が安定した状態で揺動される。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項3〜請求項6のいずれか一項に記載の発明において、前記基端部は樹脂で形成され、前記レバー部は金属で形成されるとともに前記ねじりコイルばねを係止する係止部が一体に形成されている。この発明では、基端部を金属製とした場合に比較して軽量化が図れるとともに、低コストで製造できる。また、樹脂製の基端部にねじりコイルばねが係止された状態でレバー部が揺動すると、ねじりコイルばねとの係止部において基端部が摩耗し易くなるが、ねじりコイルばねは樹脂製の基端部ではなく金属製の係止部に係止されるため、基端部が摩耗し難くなる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をリング精紡機のテンション装置に具体化した一実施の形態を図1〜図6に従って説明する。図1(a)はテンション装置の分解斜視図、(b)はテンションアームの背面図、(c)は基端部の支持軸を含む切断面での概略断面図、(d)は基端部の支持軸と直交する切断面での断面図を示す。図2は精紡機の概略正面図、図3はスピンドル、チンプーリ及びテンション装置の関係を示す概略平面図を示す。図4(a)はテンションアームの右側面図、(d)は同じく左側面図、図5(a)はS撚り用テンション装置ユニットの斜視図、(b)はZ撚り用テンション装置ユニットの斜視図を示す。図6はテンションプーリをS撚り用の位置に取り付けたテンションアームの右側面図を示す。
【0020】
図2及び図3に示すように、紡機としてのリング精紡機11の機台の左右両側には機台の長手方向(図2の紙面と垂直方向)に沿ってスピンドルレール12が延設されている。スピンドルレール12上にはスピンドル13が一定ピッチで回転可能に支持されている。機台のほぼ中央には全錘共通の駆動シャフト14が機台長手方向に沿って配設され、駆動シャフト14には駆動プーリとしてのチンプーリ15が複数個、所定間隔で一体回転可能に固定されている。駆動シャフト14は機台の端部に配設された図示しないモータにより回転駆動されるようになっている。
【0021】
駆動シャフト14の斜め下方位置には、支持軸16が駆動シャフト14に平行に延設されている。支持軸16にはテンション装置17が、各チンプーリ15に対応してそれぞれ1個ずつ装備されている。各テンション装置17はそれぞれ1個のテンションプーリ18を備えている。そして、図3に示すように、4錘のスピンドル13、チンプーリ15及びテンションプーリ18間に無端状の駆動テープ19が巻き掛けられ、1本の駆動テープ19により4錘のスピンドル13が駆動されるようになっている。図2及び図3はZ撚りの糸を紡出するのに適したテンション装置17が装備された場合を示している。
【0022】
次にテンション装置17について、詳細に説明する。図1(a),(b)に示すように、テンション装置17は、支持軸16に対して揺動可能に支持されるテンションアーム20を備えている。テンションアーム20は、支持軸16に対して揺動可能に支持される基端部21と、基端部21から延設されたレバー部22とを備え、レバー部22の上部には、支持軸16と直交する平面に対して対称位置に設けられた2箇所のテンションプーリ支持部23a,23bを備えている。テンションプーリ18は、両テンションプーリ支持部23a,23bの一方に、支軸24を介して前記平面に対して所定の角度をなす状態で回転可能かつ取り外し可能に取り付けられている。この実施の形態では、テンションプーリ支持部23aがS撚り用に使用され、テンションプーリ支持部23bがZ撚り用に使用される。
【0023】
この実施の形態では基端部21は直接支持軸16に揺動可能に支持されるのではなく、支持軸16に固定されるとともに、円弧領域25aとこれに続く台形領域25bとからなる外形断面を有する支持部25を備えた位置決め部材26を介して支持軸16に揺動可能に支持される。位置決め部材26は支持部25と一体に形成され、支持軸16に貫通される筒部27を備えている。筒部27の周囲に、レバー部22を駆動テープ19の張力を増大させる方向に付勢する付勢手段としてのねじりコイルばね(以下、単にコイルばねと記す)28が装着されている。
【0024】
筒部27には位置決め部材26が支持軸16に固定された状態で下側となる箇所に、コイルばね28の一端が係止される係止部が形成されている。支持部25にはコイルばね28の他端を所定位置に保持可能、かつ他端の支持軸16と直交する平面内での移動を許容する切り欠き25cが形成されている。位置決め部材26は、例えばアルミニウムやアルミニウム合金等の金属で形成されている。
【0025】
基端部21とレバー部22とは別体に形成され、基端部21は樹脂製で、レバー部22は金属製(例えば、鉄製)である。レバー部22にはコイルばね28を係止する係止部22aが一体に形成されている。レバー部22は基端部21に対してその軸方向の一端側に、ボルト29により固定されている。
【0026】
図1(c),(d)に示すように、基端部21は、下方に開放されるとともに支持軸16が貫挿される収容部30を備え、収容部30には支持部25の厚みより大きな幅の溝31が形成され、溝31に支持部25が遊嵌されるようになっている。収容部30は区画壁30aにより、内部に溝31と区画された空間32が設けられている。
【0027】
基端部21にはコイルばね28の他端の直線部28aが挿通される孔33(図1(d)に図示)が、孔33から突出した直線部28aが係止部22aと係合可能な位置に形成されている。コイルばね28は、コイル部が空間32に収容され、直線部28aが孔から突出する状態で収容部30に収容されている。
【0028】
基端部21を構成する壁のうち、支持軸16と直交する壁21a,21bの少なくともレバー部22が設けられた側と反対側の壁21bには、基端部21の支持軸16から離脱する方向への傾動を抑制する凸部21cが形成されている。凸部21cは支持軸16の中心軸線を含む水平面より下方において支持軸16と係合するように設けられている。
【0029】
次に前記のように構成されたテンション装置17の作用を説明する。テンション装置17は図5(a),(b)に示すように、所定長さの支持軸16に対して所定数組み付けられたテンション装置ユニット34として、リング精紡機11の機台に取り付けられる。テンション装置17を支持軸16に組み付ける場合は、先ずコイルばね28が装着された位置決め部材26を支持軸16の所定位置に固定する。コイルばね28は一端が筒部27に形成された係止部に係止され、他端の直線部28aが支持部25の切り欠き25cに係止された状態で位置決め部材26に装着され、図1(a)に示す状態に保持される。
【0030】
次にその状態の位置決め部材26の上方からテンションアーム20の基端部21を位置決め部材26に係合させる。このとき、直線部28aが孔33から突出するように基端部21を移動させると、溝31が円滑に支持部25に遊嵌され、支持軸16が収容部30を貫通した状態となり、テンションアーム20が支持部25を介して支持軸16に対して揺動可能に支持される。
【0031】
Z撚りに対応するテンション装置ユニット34を組み立てる場合は、図1(a)、図4(a),(b)等に示すように、テンションプーリ18をZ撚りに対応するテンションプーリ支持部23bに支持した状態のテンションアーム20を使用する。そして、支持軸16にコイルばね28が装着された所定数の位置決め部材26及びテンションアーム20を組み付けると、図5(b)に示すようなZ撚り用のテンション装置ユニット34が完成する。このテンション装置ユニット34を駆動シャフト14に対して図2における右側の所定位置に固定する。次に駆動テープ19を4錘のスピンドル13、チンプーリ15及びテンションプーリ18間に巻き掛けることにより、リング精紡機11の全体のテンション装置17が完成する。
【0032】
また、S撚りに対応するテンション装置ユニット34を組み立てる場合は、図6に示すように、テンションプーリ18をS撚りに対応するテンションプーリ支持部23aに支持した状態のテンションアーム20を使用する。そして、その他はZ撚りに対応するテンション装置ユニット34を組み立てる場合と同様にして、図5(a)に示すようなS撚り用のテンション装置ユニット34が完成する。このテンション装置ユニット34を駆動シャフト14に対して図2における左側の所定位置に固定した後、駆動テープ19を4錘のスピンドル13、チンプーリ15及びテンションプーリ18間に巻き掛けることにより、S撚りに対応するリング精紡機11の全体のテンション装置17が完成する。
【0033】
駆動テープ19は、回転軸線が水平に延びる駆動シャフト14の回転を回転軸線が垂直に延びるスピンドル13に伝達する必要があるため、走行経路の途中でねじれる状態となる。従って、駆動テープ19が安定して走行するには、テンションプーリ18の姿勢が重要となる。図4(b)及び図6から明らかに、テンションプーリ18をZ撚りに適したテンションプーリ支持部23bに取り付けたものを逆向きにした場合と、テンションプーリ18をS撚りに適したテンションプーリ支持部23aに取り付けた場合とでは、テンションプーリ18の姿勢がことなる。即ち、Z撚りに適した状態のテンションアーム20を、逆向きにして支持軸16に揺動可能に支持したのでは、駆動テープ19をS撚りに適した状態で安定して走行するように案内することはできない。しかし、本発明の構成では、支持軸16と直交する平面に対して対称位置に設けられた2箇所のテンションプーリ支持部23a,23bに対するテンションプーリ18の取付け位置を変更するだけで、Z撚りに適した状態からS撚りに適した状態への変更あるいはその逆の変更を行うことができる。
【0034】
リング精紡機11が運転されると、駆動シャフト14が図2の反時計方向に回転駆動されると、駆動テープ19を介してスピンドル13が図3の時計方向に回転され、Z撚りの糸が紡出される。テンションアーム20はコイルばね28によって図2の時計方向に回動付勢され、駆動テープ19に作用する張力の変動に対応して、支持軸16と直交する平面内で揺動する。従って、駆動テープ19に過剰なテンションが掛かったり、駆動テープ19に弛みが発生するのが防止され、駆動テープ19が安定して走行する。
【0035】
この実施の形態では以下の効果を有する。
(1) テンションプーリ支持部23a,23bが、1本のレバー部22に2箇所設けられ、テンションプーリ18の取付け位置を変更するだけで、テンション装置17がS撚りに適した状態あるいはZ撚りに適した状態に変更される。そして、テンション装置17のチンプーリ15に対する取付け位置を変更することにより、S撚りあるいはZ撚りに適した状態で駆動テープ19に張力を付与することができる。従って、各駆動テープ19毎に2個のテンションプーリを設けずに、Z撚りとS撚りとに対応することができる。その結果、各チンプーリ毎に2個のテンションプーリを備えた所謂ダブルテンションプーリ方式のテンション装置に比較して、スピンドル13を駆動するための動力消費量が少なくなる。また、Z撚り及びS撚り専用の部品をそれぞれ準備しておき、Z撚り及びS撚りに対応してそれぞれ専用の部品を使用してZ撚りあるいはS撚りに対応するテンション装置を製造する場合に比較して、部品の保管スペースを小さくできるとともに、製造コストを低くできる。また、Z撚りのリング精紡機11であっても、支持軸16の位置及びテンションプーリ18の支持位置を変更することで、簡単にS撚りのリング精紡機11に変更でき、その逆も同様である。
【0036】
(2) 基端部21は、支持軸16に固定されるとともに円弧領域25aとこれに続く台形領域25bとからなる外形断面を有する支持部25を備えた位置決め部材26を介して支持軸16に揺動可能に支持されている。また、基端部21は下方に開放されるとともに支持軸16が貫挿される収容部30を備え、収容部30には支持部25の厚みより大きな幅の溝31が形成され、溝31に支持部25が遊嵌されている。従って、基端部21を支持軸16に直接揺動可能に支持する構成に比較して、基端部21を支持軸16の所定位置に組み付ける作業が容易になる。また、基端部21が直接支持軸16に揺動可能に支持される構成に比較して、揺動半径が大きくなるため摺動面が摩耗し難くなる。
【0037】
(3) 付勢手段として、一端が支持軸16側に固定され、他端が前記基端部21側に固定されたねじりコイルばね28が使用されている。従って、付勢手段として重りを使用する構成に比較して、テンション装置17がコンパクトになり、風綿の堆積が少なくなる。
【0038】
(4) コイルばね28は、コイル部が収容部30の溝31と区画された空間32に収容されている。従って、ねじりコイルばね28上に風綿が堆積するのが防止されるとともに、ねじりコイルばね28が支持部25と干渉し難い。
【0039】
(5) 支持部25には、ねじりコイルばね28の他端の直線部28aを所定位置に保持可能、かつ直線部28aに支持軸16と直交する平面内の力が作用したときに直線部28aの前記平面内での移動を許容する切り欠き25cが形成され、基端部21には直線部28aが挿通される孔33が形成されている。そして、ねじりコイルばね28は、一端が支持軸16側に固定され、他端が支持部25の切り欠き25cに係止された状態で所定位置に保持される。従って、その状態で基端部21の溝31が支持部25と対応するように基端部21を位置決め部材26に装着すれば、基端部21の装着時にねじりコイルばね28を所定の位置に手で保持した状態で装着するのに比較して、簡単に基端部21を所定の位置に装着できる。
【0040】
(6) レバー部22は基端部21に対してその軸方向の一端側に設けられ、支持軸16と直交する基端部21の壁21a,21bの少なくともレバー部22が設けられた側と反対側の壁21bには、基端部21の支持軸16から離脱する方向への傾動を抑制する凸部21cが形成されている。従って、凸部21cの作用によりレバー部22が支持軸16に沿った方向に傾動するのが抑制され、レバー部22が安定した状態で揺動される。
【0041】
(7) 基端部21は樹脂で形成され、レバー部22は金属で形成されるとともにねじりコイルばね28を係止する係止部22aが一体に形成されている。従って、基端部21を金属製とした場合に比較して軽量化が図れるとともに、低コストで製造できる。また、樹脂製の基端部21にねじりコイルばね28が係止された状態でレバー部22が揺動すると、ねじりコイルばね28との係止部において基端部21が摩耗し易くなるが、ねじりコイルばね28は樹脂製の基端部21ではなく金属製の係止部22aに係止されるため、基端部21が摩耗し難くなる。
【0042】
(8) 所定長さの支持軸16に所定数のテンションアーム20が固定されたテンション装置ユニット34を組み立てた後、テンション装置ユニット34を機台に組み付ける。従って、予め機台に組み付けられた支持軸16に1個ずつテンションアーム20を取り付ける場合に比較して、機台に対するテンション装置17の組み付けが容易になる。
【0043】
(9) テンションアーム20の揺動の最大範囲が支持部25の台形領域25bと収容部30の内面とが係合することで決まるため、テンションアーム20の揺動範囲を規制する部材を特別に設ける必要がない。
【0044】
実施の形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
〇 レバー部22を駆動テープ19の張力を増大させる方向に付勢する付勢手段はコイルばね28に限らない。例えば、図7に示すように、付勢手段として重り35を使用する構成としてもよい。
【0045】
〇 位置決め部材26にコイルばね28を装着する筒部27を設けずに、コイルばね28を支持軸16に直接装着し、コイルばね28の一端を直接支持軸16に固定してもよい。
【0046】
〇 付勢手段としてコイルばね28を使用する場合、コイルばね28を基端部21で覆わずに露出状態で使用する構成としてもよい。
〇 コイルばね28のコイル部を収容する空間32を溝31と区画するために、収容部30に設けた区画壁30aを省略してもよい。
【0047】
〇 支持部25に切り欠き25cを設けずに、テンションアーム20を支持部25に装着する際、コイルばね28の直線部28aを孔33に挿通した状態でコイルばね28をねじって溝31が円弧領域25aと対向する状態に配置して、基端部21を支持部25に装着してもよい。
【0048】
〇 支持軸16と直交する基端部21の両壁21a,21bに、基端部21の支持軸16から離脱する方向への傾動を抑制する凸部21cを形成してもよい。また、両壁21a,21bに凸部21cを形成するのを省略してもよい。
【0049】
〇 基端部21を金属製としてもよい。この場合、レバー部22の係止部22aをなくして、コイルばね28の直線部28aが基端部21に係止される構成としても、基端部21が摩耗し難い。また、基端部21が樹脂製の場合でも係止部22aをなくしてもよい。
【0050】
〇 基端部21を支持部25を介して支持軸16に揺動可能に支持する構成に代えて、基端部21を支持軸16に直接揺動可能に支持する構成としてもよい。
〇 駆動シャフト14を機台の中央に設けてもよい。この場合、Z撚りの場合と、S撚りの場合とで支持軸16の固定位置を駆動シャフト14からの距離が同じ位置に設定できる。
【0051】
〇 リング精紡機に限らずリング撚糸機に適用してもよい。
以下の技術的思想(発明)は前記実施の形態から把握できる。
(1) 支持軸に対して揺動可能に支持される基端部と、前記基端部から延設されたレバー部とを備え、前記レバー部の上部には、前記支持軸と直交する平面に対して対称位置に設けられた2箇所のテンションプーリ支持部を備えているテンションアーム。
【0052】
【発明の効果】
以上、詳述したように、請求項1〜請求項7に記載の発明によれば、各駆動テープ毎に2個のテンションプーリを設けずに、Z撚りとS撚りとに対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)はテンション装置の分解斜視図、(b)はテンションアームの背面図、(c)はテンションアームの基端部の支持軸を含む切断面での概略断面図、(d)は同じく支持軸と直交する切断面での概略断面図。
【図2】 精紡機の概略正面図。
【図3】 テンション装置の配置を示す概略平面図。
【図4】 (a)はテンションアームの右側面図、(b)は同じく左側面図。
【図5】 (a)はS撚り用のテンション装置ユニットの概略斜視図、(b)はZ撚り用テンション装置ユニットの概略斜視図。
【図6】 テンションプーリをS撚り用位置に取り付けた状態の右側面図。
【図7】 別の実施の形態のテンションアームの概略斜視図。
【図8】 従来技術のテンション装置の側面図。
【図9】 テンション装置の配置を示す概略平面図。
【符号の説明】
11…紡機としてのリング精紡機、13…スピンドル、14…駆動シャフト、15…駆動プーリとしてのチンプーリ、16…支持軸、17…テンション装置、18…テンションプーリ、19…駆動テープ、21…基端部、21a,21b…壁、21c…凸部、22…レバー部、22a…係止部、23a,23b…テンションプーリ支持部、24…支軸、25…支持部、25a…円弧領域、25b…台形領域、25c…切り欠き、26…位置決め部材、28…コイルばね、30…収容部、31…溝、32…空間、33…孔。
Claims (7)
- 紡機機台の長手方向に延設された駆動シャフトに複数の駆動プーリが一体回転可能に固定され、前記各駆動プーリと、紡機機台の両側に設けられた複数のスピンドルとに巻き掛けられる無端状のスピンドル駆動テープのテンション装置であって、
前記駆動シャフトに平行に延設された支持軸に対して揺動可能に支持される基端部と、
前記基端部から延設されたレバー部と、
前記レバー部の上部に設けられ、前記支持軸と直交する平面に対して対称位置に設けられた2箇所のテンションプーリ支持部と、
前記両テンションプーリ支持部の一方に、支軸を介して前記平面に対して所定の角度をなす状態で回転可能かつ取り外し可能に取り付けられたテンションプーリと、
前記レバー部を前記駆動テープの張力を増大させる方向に付勢する付勢手段とを備えた紡機のスピンドル駆動テープのテンション装置。 - 前記基端部は、前記支持軸に固定されるとともに円弧領域とこれに続く台形領域とからなる外形断面を有する支持部を備えた位置決め部材を介して前記支持軸に揺動可能に支持され、かつ下方に開放されるとともに前記支持軸が貫挿される収容部を備え、前記収容部には前記支持部の厚みより大きな幅の溝が形成され、前記溝に前記支持部が遊嵌されている請求項1に記載の紡機のスピンドル駆動テープのテンション装置。
- 前記付勢手段は、一端が前記支持軸側に固定され、他端が前記基端部側に固定されたねじりコイルばねである請求項1又は請求項2に記載の紡機のスピンドル駆動テープのテンション装置。
- 前記付勢手段は、一端が前記支持軸側に固定され、他端が前記基端部側に固定されたねじりコイルばねであり、該ねじりコイルばねのコイル部は、前記溝と区画された空間に収容されている請求項2に記載の紡機のスピンドル駆動テープのテンション装置。
- 前記支持部には、前記ねじりコイルばねの他端を所定位置に保持可能、かつ前記ねじりコイルばねの他端に前記支持軸と直交する平面内の力が作用したときに前記他端の前記平面内での移動を許容する切り欠きが形成され、前記基端部には前記ねじりコイルばねの他端が挿通される孔が形成されている請求項4に記載の紡機のスピンドル駆動テープのテンション装置。
- 前記レバー部は前記基端部に対してその軸方向の一端側に設けられ、前記支持軸と直交する前記基端部の壁の少なくともレバー部が設けられた側と反対側の壁には、前記基端部の前記支持軸から離脱する方向への傾動を抑制する凸部が形成されている請求項4又は請求項5に記載の紡機のスピンドル駆動テープのテンション装置。
- 前記基端部は樹脂で形成され、前記レバー部は金属で形成されるとともに前記ねじりコイルばねを係止する係止部が一体に形成されている請求項3〜請求項6のいずれか一項に記載の紡機のスピンドル駆動テープのテンション装置。
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