JP3975875B2 - 砥石随伴空気層遮断装置及び同装置を用いた研削装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、砥石により工作物を研削する研削装置において、クーラントまたは潤滑油を研削点に確実に供給するために、回転する砥石に連れ回りする砥石随伴空気層を遮断する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、高速で回転する砥石により工作物を研削加工する研削装置において、砥石に連れ回りする砥石随伴空気層を遮断して研削点にクーラントを確実に供給するために、クーラントの圧力を高圧にし、ノズル45からクーラントを砥石Gが工作物Wを研削加工する研削点に高速で供給する図7に示す高圧クーラント方式、ノズル46の噴出口を砥石Gの外周面に直角に対向させ、クーラントを砥石外周面に直角に噴き付ける図8に示す直角ノズル方式が行われている。
【0003】
また、エア源から供給される圧縮エアに潤滑油を滴下して霧化し圧縮エアとともにノズルから砥石の研削面に噴き付けて砥石の研削点での潤滑を行い、且つ工作物に掛ける冷却用のクーラントの使用量を極めて少なくしたエコロジー研削が試用されている。
【0004】
然しながら、高圧クーラント方式や、直角ノズル方式は、クーラントを砥石外周面の随伴空気層に打ち勝って目標とする部位に強制的に到達させるもので、クーラントは必然的に高圧で且つ大きな容量が必要となる。大容量のクーラントを使用する場合、クーラントを清浄に維持するために大きなコストを必要とするばかりでなく、廃液処理等の環境保全での問題も生じる。つまり、これらの方式は、研削点やワークへの目標とする部位へのクーラントを供給する際における砥石外周の随伴空気層による悪影響を解決するものではない。
【0005】
また、上記したエコロジー研削では、圧縮エアに含まれる霧状の潤滑油は少量であるので、砥石随伴空気層の影響を直接受けやすい。この点からも砥石随伴空気層の確実な遮断が要望されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
砥石外周面に連れ回りする砥石随伴空気層をクーラントで遮断し、クーラントを砥石外周面に巻き付けて研削点に導く直角ノズル方式では、砥石幅が薄くなる程、砥石側面からの空気層の流れの影響が大きくなり、クーラントが砥石外周面に巻き付き難くなって研削点に到達することが困難となる。また、高圧クーラント方式では、高い圧力で研削点にクーラントを供給するため、クーラント供給量が多くなり、高圧ポンプやクーラントタンクが大型化して設備コストが高くなり、クーラント消費量、使用電力等が多くなり維持管理コストがアップする不具合があった。
【0007】
本発明は、係る従来の不具合を解消するためになされたもので、砥石の回転に連れ回りする砥石随伴空気層を確実に遮断し、流量を減少したクーラントまたは霧状の潤滑油を研削面に効果的に付着させて研削点に十分供給することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1に記載の発明の構成上の特徴は、砥石台に回転可能に支承された砥石とワーク支持装置に支持されたワークとを相対移動させて前記ワークを前記砥石の研削面によりクーラントまたは潤滑油を研削点に供給しながら研削加工する研削装置において、クーラント流または霧状の潤滑油を含んだ圧縮エア流が前記研削面に到達する到達点より僅かに砥石回転方向上流側位置で、砥石に連れ回りする砥石随伴空気層を遮断するために、流体ジェットを砥石の研削面に沿って一側面側から他側面側に向かって横断するように噴き付ける流体ジェットノズルを設け、該流体ジェットが前記クーラント流または圧縮エア流に干渉することを防止するように、整流部材を前記クーラント流または圧縮エア流と流体ジェットとの間に該流体ジェットと平行に前記研削面に接近して設けたことである。
【0009】
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、前記整流部材を前記流体ジェットノズルに一体的に設けたことである。
【0010】
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項1または2において、前記整流部材が、前記流体ジェットの前記研削面と接触しない部分を覆うように、前記研削面側が開いた断面凹状に形成されていることである。
【0011】
請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項3において、前記整流部材が、前記研削面に沿って屈曲されていることである。
【0012】
請求項5に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至4のいずれかにおいて、前記流体ジェットノズルの配置位置より僅かに砥石回転方向上流側位置で、前記砥石と僅かな隙間を持って対向する遮風板を設けたことである。
【0013】
請求項6に係る発明の構成上の特徴は、砥石台に回転可能に支承された砥石と工作物支持装置に支持された工作物とを相対移動させて前記工作物を前記砥石により研削加工する研削装置において、請求項1乃至5のいずれかに記載の砥石随伴空気層遮断装置を前記砥石台に取り付けたことである。
【0014】
【発明の作用・効果】
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、砥石台に回転可能に支承された砥石とワーク支持装置に支持されたワークとを相対移動させて、ワークを砥石の研削面によりクーラントまたは潤滑油を研削点に供給しながら研削加工する。クーラント流または霧状の潤滑油を含んだ圧縮エア流が研削面に到達する到達点より僅かに砥石回転方向上流側位置で、流体ジェットを砥石の研削面に沿って一側面側から他側面側に向かって横断するように噴き付ける。砥石に連れ回りする砥石随伴空気層が流体ジェットにより遮断されるので、流量を減少したクーラントまたは霧状の潤滑油を研削面に確実に付着させて研削点に十分供給することができる。流体ジェットが到達点の近傍で研削面沿って横断されるので、流体ジェットと到達点との間で砥石随伴空気層が研削面に発生することはない。流体ジェットがクーラント流または潤滑油を含んだ圧縮エア流に接近しているが、両者間に整流部材が介在されているので、流体ジェットがクーラント流または潤滑油を含んだ圧縮エア流に干渉してクーラントまたは潤滑油が研削面に付着することを阻害することはなく、クーラントまたは潤滑油が流体ジェットにより噴き飛ばされて環境を悪化することもない。
【0015】
上記のように構成した請求項2に係る発明においては、請求項1において、整流部材を流体ジェットノズルに一体的に設けたので、流体ジェットノズルと整流部材との位置関係が正確になり、且つ研削盤への取付け作業が容易になる。
【0016】
上記のように構成した請求項3に係る発明においては、流体ジェットの研削面と接触しない部分が、研削面側に開口した断面凹状の整流部材によって覆われるので、流体ジェットが拡散したり外乱の影響を受けることがなく、砥石随伴空気層を効果的に遮断することができ、流体ジェットの流量を減少することができる。
【0017】
上記のように構成した請求項4に係る発明においては、整流部材を研削面に沿って屈曲したので、請求項3に記載の効果に加え、研削面の複数の屈曲箇所に合わせて複数の流体ジェットノズルを設ける必要がなく、一つの流体ジェットノズルから噴出された流体ジェットを屈曲した研削面に沿って砥石の一側面側から他側面側に向かって横断させ、屈曲した研削面に連れ回りする砥石随伴空気層を低コストな簡単な構成で遮断することができる。
【0018】
上記のように構成した請求項5に係る発明においては、流体ジェットノズルの配置位置より僅かに砥石回転方向上流側位置で、砥石と僅かな隙間を持って対向する遮風板により砥石随伴空気層が先ず遮断されるので、砥石随伴空気層が、遮風板と流体ジェットにより2段階で遮断され、クーラントまたは潤滑油は砥石随伴空気層に邪魔されることなく研削面に一層確実に付着する。
【0019】
上記のように構成した請求項6に係る発明においては、砥石台に回転可能に支承された砥石と工作物支持装置に支持された工作物とを相対移動させて工作物を砥石により研削加工する。砥石随伴空気層は、請求項1乃至5のいずれかに記載の砥石随伴空気層遮断装置により確実に遮断され、且つ流体ジェットがクーラント流または霧状の潤滑油を含んだ圧縮エア流に干渉することがないので、クーラントまたは潤滑油は研削面に確実に付着することができる。これにより構造が簡単で、低コストな砥石随伴空気層遮断装置を研削装置に装備するだけで、流量を減少したクーラントまたは潤滑油を砥石随伴空気層に邪魔されることなく研削面に確実に付着させて研削点に十分供給することができ、高能率、高精度な研削加工が可能な研削盤を提供することができる。
【0020】
【実施の形態】
以下本発明の第1の実施形態に係る砥石随伴空気層遮断装置及び同装置を備えた研削装置について図1乃至3に基づいて説明する。ベッド10上には、砥石台11が摺動可能に載置され、サーボモータ12によりボールネジ機構を介してワークWに接近離間するX軸方向に進退移動される。砥石台11には、一端に砥石Gが取り付けられた砥石軸13が回転可能に軸承されモータにより回転駆動される。砥石Gは鉄又はアルミニウム等の金属で成形された円盤状の基体の外周面に複数の砥石チップが接着されて構成されている。ベッド10上にはテーブル14が摺動可能に装架され、サーボモータ15によりボールネジ機構16を介してX軸と直角なY軸方向に移動される。テーブル14上には、ワーク支持装置17を構成する主軸台(図略)及び心押台18が取り付けられ、ワークWは主軸台と心押台18との両センタ間に挟持され回転駆動される。
【0021】
砥石台11には砥石Gを覆う砥石ガード19が固定されている。砥石ガード19の上面には、クーラント供給装置20のクーラントノズル21が取り付けられ、クーラントノズル21からは、砥石GがワークWを研削加工する研削点Pに向けてクーラントが供給され、このクーラント流22は研削点P近傍の到達点Gdで研削面Gaに到達する。
【0022】
砥石ガード19の側板19bには、クーラント流22が砥石Gの研削面Gaに到達する到達点Gdより僅かに砥石回転方向上流側位置で、砥石Gの一側面Gbの前端縁に向かって水平方向に開口するエアジェットノズル23が取り付けられている。該エアジェットノズル23は例えば電磁駆動式の開閉弁24を介して工場エア等の加圧エア源25に接続され、エアジェット26を砥石Gの研削面Gaに沿って一側面側Gbから他側面側Gcに向かって横断するように噴き付け、砥石Gに連れ回りする砥石随伴空気層27を遮断する。エアジェットノズル23の開口断面は、砥石Gの径がドレッシングにより減少してもエアジェット26が砥石Gの前端縁に噴き付けられるように砥石Gの半径方向に細長く形成されている。
【0023】
28はエアジェットノズル23に一体的に固定された板状の整流部材で、エアジェット26がクーラント流22に干渉することを防止するために、クーラント流22とエアジェット26との間にエアジェット26と平行に研削面Gaに接近して配置されている。
【0024】
砥石ガード19の天井板19aには、遮風板30が固定されている。遮風板30には開口溝31が形成され、開口溝31の溝端縁31aは、砥石Gの外周研削面Gaに連れ回りする砥石随伴空気層27を遮断するために、エアジェット26より僅かに砥石回転方向上流側位置で、砥石Gの外周研削面Gaと微小隙間を持って対向して砥石Gの外周研削面Gaを横切る方向に延在している。開口溝31の両側縁31b,31cは砥石Gの両側面Gb,Gcと僅かな隙間を持って夫々対向し研削点Pより下方位置まで延在している。なお、遮風板30は開口溝31の溝端縁31aと砥石Gの外周研削面Gaとの間の微小隙間を一定に保つために、砥石Gのドレッシングによる砥石径の減少に連れて自動的に位置補正されるように位置補正機構を介して砥石ガード19に取り付けてもよい。
【0025】
次に、上記のように構成した第1の実施形態の作動を説明する。ワークWが主軸台と心押台18との両センタ間に挟持されて回転される。砥石台11がサーボモータ12により前進され、クーラントノズル21から供給されたクーラント流22が砥石Gの到達点Gdに到達して研削点Pに供給された状態で、高速回転される砥石GによりワークWが研削加工される。
【0026】
エアが加圧エア源25から開状態の開閉弁24を介してエアジェットノズル23に供給され、エアジェット26が、研削面Gaにクーラント流22が到達する到達点Gdより僅かに砥石回転方向上流側位置で、研削面Gaに側方から噴き付けられ、砥石Gの一側面側から他側面側に向かって横断するように研削面Gaに沿って噴流する。高速回転する砥石Gの研削面Gaに連れ回りする砥石随伴空気層27がエアジェット26により遮断されて到達点Gdに到達しないので、クーラントノズル21から供給されたクーラント流22は、流量を極めて減少しても、砥石随伴空気層27に邪魔されることなく外周研削面Gaに密着して研削点Pに確実に供給される。エアジェット26は到達点Gdより僅かに砥石回転方向上流側位置で研削面Gaに沿って横断するので、エアジェット26と到達点Gdとの間で砥石随伴空気層27が研削面Gaに発生することはない。
【0027】
エアジェット26は板状の整流部材28によりクーラント流22と隔離されるので、エアジェット26がクーラント流22に干渉してクーラントが研削面Gaに供給されることを阻害することはない。またクーラントがエアジェット26により噴き飛ばされて環境を悪化することもない。
【0028】
砥石随伴空気層27は、エアジェット26より僅かに砥石回転方向上流側位置で、遮風板30により遮断されて流量が減少されるので、エアジェット26は流量が減少した砥石随伴空気層27を確実に遮断することができ、クーラントノズル21からのクーラント流22は砥石随伴空気層27に邪魔されることなく到達点Gdに確実に到達し、研削面Gaに密着して研削点Pに供給される。また、外周研削面Gaに連れ回りする砥石随伴空気層27は、外周研削面Gaと僅かな隙間を持って対向する遮風板30の開口溝31の溝端縁31aにより遮断されて流量が減少され、砥石Gの両側面Gb,Gcにつれ回りする砥石随伴空気層は、砥石両側面Gb,Gcと僅かな隙間を持って対向する遮風板30の開口溝31の両側縁31a,31bにより遮断されて、砥石両側面Gb,Gcの砥石随伴空気層が外周研削面Gaに伝わる量を減少することができ、外周研削面Gaの砥石随伴空気層27を効果的に遮断することができる。
【0029】
次に、砥石随伴空気層遮断装置の第2の実施形態について図4に基づいて説明する。第2の実施形態は、整流部材28の形状が板状でなく、エアジェット26を案内する断面凹状になっている点のみが第1の実施形態と相違するので、この相違点のみについて説明する。整流部材38がエアジェットノズル23の先端に一体的に突設され、砥石Gの一側面Gb側から他側面Gc側に向かって研削面Gaを横切って対向して延在している。整流部材38には、エアジェット26の研削面Gaと接触しない部分を覆うように研削面側に開口した断面凹状の長溝39が全長に亙って刻設されている。
【0030】
エアジェット26は断面凹状の整流部材38によりクーラント流22と隔離されるので、エアジェット26がクーラント流22に干渉してクーラントが研削面Gaに供給されることを阻害することはない。またクーラントがエアジェット26により噴き飛ばされることもない。さらに、エアジェット26は、整流部材38によって覆われるので、拡散したり外乱の影響を受けることがなく、エアジェット26の流量を減少しても砥石随伴空気層27を効果的に遮断することができる。
【0031】
砥石随伴空気層遮断装置の第3の実施形態について図5に基づいて説明する。第3の実施形態は、整流部材38を砥石Gの研削面Gaに沿って屈曲した点のみが第2の実施形態と相違するので、この相違点のみについて説明する。砥石Gの研削面Gaは、研削加工される工作物Wの形状に合わせて円弧状、或いは断面が複数の直線から構成される形状等に成形される。このような形状の研削面Gaに沿ってエアジェット26を砥石の一側面側から他側面側に向かって横断して噴流させるために、整流部材38が屈曲した研削面Gaと僅かな隙間で対向するように研削面Gaの断面形状に倣って屈曲されている。
【0032】
エアジェットノズル23から噴出されたエアジェット26は、研削面Gaに倣って屈曲された整流部材38の長溝39に案内され、屈曲した研削面Gaに沿って砥石Gの一側面側から他側面側に向かって横断して噴流し、屈曲した研削面Gaに連れ回りする砥石随伴空気層を遮断する。これにより、屈曲した研削面Gaの複数の屈曲箇所に合わせて複数のエアジェットノズルを設ける必要がなく、一つのエアジェットノズル23から噴出されたエアジェット26を屈曲した研削面Gaに沿って噴流させることができる。
【0033】
次に、圧縮エア流に潤滑油を滴下して霧化し、圧縮エアノズルから砥石の研削面に噴き付けて砥石の研削点での潤滑を行い、且つワークWに掛ける冷却用クーラントの使用量を極めて少なくしたエコロジー研削装置に砥石随伴空気層遮断装置を組み込んだ第4の実施形態を図6に基づいて説明する。砥石ガード19に取り付けられたクーラントノズル21からワークWに、毎分0.1〜0.5リッターの少量のクーラントが冷却のためにワークWに掛けられる。砥石Gの研削点Pより砥石回転方向上流側位置では、圧縮エアノズル32が砥石Gの外周研削面Gaに対向して開口されている。圧縮エアノズル32には、潤滑油33を滴下するノズル34が配置され、ノズル34は潤滑油33を収納するタンク35に連通されている。これにより霧化された潤滑油33は圧縮エアとともに砥石Gの研削面Gaに噴き付けられ、研削点Pで砥石Gを潤滑する。
【0034】
砥石ガード19の側板19bには、砥石Gの一側面Gbの前端縁に向かって水平方向に開口するエアジェットノズル23が、霧化された潤滑油33を含む圧縮エア流36が研削面Gaに到達する到達点Gdより僅かに砥石回転方向上流側位置で固定されている。エアジェットノズル23に一体的に固定された板状の整流部材28が、エアジェット26が圧縮エア流36に干渉することを防止するために、圧縮エア流36とエアジェット26との間にエアジェット26と平行に研削面Gaに接近して配置されている。
【0035】
高速回転する砥石Gの研削面Gaに連れ回りする砥石随伴空気層27がエアジェット26により遮断されて到達点Gdに到達しないので、圧縮エアノズル32から噴出された圧縮エア流36に含まれる霧状の潤滑油33は、砥石随伴空気層27に邪魔されることなく外周研削面Gaに確実に付着して研削点Pに十分供給される。エアジェット26は到達点Gdより僅かに砥石回転方向上流側位置で研削面Gaに沿って横断するので、エアジェット26と到達点Gdとの間で砥石随伴空気層27が研削面Gaに発生することはない。そして、エアジェット26は整流部材28により圧縮エア流36と隔離されるので、エアジェット26が圧縮エア流36に干渉して潤滑油33の研削面Gaへの付着を阻害することが防止できる。
【0036】
上記実施形態では、エアジェットノズル23と整流部材28との位置関係を正確にするために、整流部材28をエアジェットノズル23に一体的に設けているが、整流部材28を、クーラントノズル21または圧縮エアノズル32に取り付けてもエアジェット26がクーラント流22または霧状の潤滑油を含んだ圧縮エア流36に干渉することを防止できる。
【0037】
上記実施形態では、エアジェット23を砥石Gの研削面Gaに沿って一側面から他側面に向かって横断するように噴き付けているが、クーラントの圧力を高めたクーラントまたは霧状のミスト等の流体ジェットを砥石Gの研削面Gaに沿って一側面から他側面に向かって横断するように噴き付けて砥石随伴空気層を遮断するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態に係る砥石随伴空気層遮断装置を備えた研削装置を示す側面図。
【図2】 砥石随伴空気層遮断装置を正面から見た図。
【図3】 整流部材を固定されたエアジェットノズル部分を示す拡大図。
【図4】 砥石随伴空気層遮断装置の第2の実施形態を示す斜視図。
【図5】 第3の実施形態を示す図。
【図6】 第4の実施形態を示す図。
【図7】 従来の高圧クーラント方式を示す図。
【図8】 従来の直角クーラント方式を示す図。
【符号の説明】
10…ベッド、11…砥石台、12,15…サーボモータ、14…テーブル、17…ワーク支持装置、19…砥石ガード、20…クーラント供給装置、21…クーラントノズル、22…クーラント流、23…エアジェットノズル、26…エアジット、27…砥石随伴空気層、28,38…整流部材、30…遮風板、31…開口溝、32…圧縮エアノズル、33…潤滑油、36…圧縮エア流、39…長溝、G…砥石、Ga…外周研削面、Gd…到達点、W…ワーク。
Claims (6)
- 砥石台に回転可能に支承された砥石とワーク支持装置に支持されたワークとを相対移動させて前記ワークを前記砥石の研削面によりクーラントまたは潤滑油を研削点に供給しながら研削加工する研削装置において、クーラント流または霧状の潤滑油を含んだ圧縮エア流が前記研削面に到達する到達点より僅かに砥石回転方向上流側位置で、砥石に連れ回りする砥石随伴空気層を遮断するために、流体ジェットを砥石の研削面に沿って一側面側から他側面側に向かって横断するように噴き付ける流体ジェットノズルを設け、該流体ジェットが前記クーラント流または圧縮エア流に干渉することを防止するように、整流部材を前記クーラント流または圧縮エア流と流体ジェットとの間に該流体ジェットと平行に前記研削面に接近して設けたことを特徴とする砥石随伴空気層遮断装置。
- 請求項1において、前記整流部材を前記流体ジェットノズルに一体的に設けたことを特徴とする砥石随伴空気層遮断装置。
- 請求項1または2において、前記整流部材が、前記流体ジェットの前記研削面と接触しない部分を覆うように、前記研削面側が開いた断面凹状に形成されていることを特徴とする砥石随伴空気層遮断装置。
- 請求項3において、前記整流部材が、前記研削面に沿って屈曲されていることを特徴とする砥石随伴空気層遮断装置。
- 請求項1乃至4のいずれかにおいて、前記流体ジェットノズルの配置位置より僅かに砥石回転方向上流側位置で、前記砥石と僅かな隙間を持って対向する遮風板を設けたことを特徴とする砥石随伴空気層遮断装置。
- 砥石台に回転可能に支承された砥石と工作物支持装置に支持された工作物とを相対移動させて前記工作物を前記砥石により研削加工する研削装置において、請求項1乃至5のいずれかに記載の砥石随伴空気層遮断装置を前記砥石台に取り付けたことを特徴とする研削装置。
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