JP3975696B2 - 圧電振動子の製造方法および圧電振動子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電振動子の製造方法に係り、特に音叉型振動片のような縦横比の大きな振動片を有する圧電振動子の製造方法および圧電振動子に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子機器の小型化に伴って、電子機器に搭載する圧電振動子の小型薄型化が要求されている。図8は、従来の薄型化された圧電振動子の一例を示す説明図である。図8において、圧電振動子10は、パッケージ11の内部に振動片14が収納してある。パッケージ11は、箱型のパッケージ容器12と、このパッケージ容器12の上部に設けた蓋体22とからなっている。そして、振動片14は、パッケージ容器12と蓋体22とによって形成したキャビティ(収納空間)15に配置してある。
【0003】
パッケージ容器12は、薄いセラミックテープを積層して形成してあって、底面の長手方向の一端側に一対の電極パターン16(16a、16b)を有している。電極パターン16の上には、スクリーン印刷などによって塗布して固化させたタングステンなどからなるマウント電極18が設けてあって、このマウント電極18に振動片14の基端部を取り付けるようになっている。この振動片14は、水晶などの圧電性材料によって音叉型に形成してあって、図8(2)の紙面に直交した面内(水平面内)で振動する。そして、音叉型振動片14は、基端部に金薄膜などによる接続電極が設けてあって、接続電極を設けた基端部が導電性接着剤20を介してマウント電極18に固着されている。
【0004】
パッケージ容器12の上部には、蓋体22が配置してある。この蓋体22は、透明なガラスによって形成してあって、音叉型振動片14の先端側に設けた重り用の金薄膜に蓋体22越しにレーザ光を照射し、金薄膜を蒸発させて振動片14の周波数調整を行なえるようにしてある。そして、蓋体22は、封止ガラス24によってパッケージ容器12の縁部の上面に固着してある。また、パッケージ容器12の底部には、封止孔26が設けてあり、振動片14を収納したパッケージ11を図示しない真空容器内に配置し、パッケージ11の内部を真空にした状態で封止孔26にボール状のロウ材(封止金属)28を配置し、ロウ材28を溶融したのち固化させてパッケージ11を封止し、パッケージ11のキャビティ15を真空に保持している。
【0005】
このように構成してある圧電振動子10は、セラミックテープを積層してパッケージ容器12を形成し、パッケージ容器12の縁部の上に封止ガラス24を塗布したのち、マウント電極18の上に導電性接着剤20を塗布する。その後、画像処理技術によってパッケージ容器12の電極16の位置と、キャビティ15の境界とを認識し、図示しないロボットによって振動片14を吸着してパッケージ容器12内に搬入し、振動片14の基端部を導電性接着剤20が塗布してあるマウント電極18の上に配置する。そして、導電性接着剤20を乾燥、硬化することによって振動片14をマウント電極18に固定するようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、パッケージ本体12の上部に塗布した封止ガラス24は、パッケージ容器12を形成しているセラミックと同色系の茶系であって、振動片14を搬入するキャビティ15の境界を画像処理技術によって認識することが難しい。このため、振動片14を吸着したロボットのハンドがパッケージ容器12の縁に当たり、振動片14をキャビティ内に配置することができなかったり、キャビティ15内に収納した振動片14が曲がって配置され、振動片14がパッケージ容器12の縁部に当たって動作不能となったりすることがある。そして、このような不都合をなくすためにキャビティ15を大きく形成すると、近年の電子機器の小型化に伴い、強く要求されている圧電振動子10の小型化に応えることができない。
【0007】
一方、圧電振動子10の小型化の要求によって、高さ寸法hも小さくなってきている。そして、高さ寸法hが小さくなるのに伴って、振動片14の下面とパッケージ容器12の底面との距離dも小さくなっている。このため、圧電振動子10を、例えば携帯電話のような携帯用電子機器に搭載した場合、これらの携帯用電子機器が落とされたりすると、その衝撃によって振動片14が上下方向に振れ、欠けやすい振動片14の先端か底面に衝突して損傷し、動作不能となることがある。そこで、振動片14の先端部に対応したパッケージ容器12の底面に凹部を形成し、電子機器の落下などによる衝撃によって振動片14が上下方向に振れたときに、その先端部が底面に衝突するのを防止することが考えられている。しかし、圧電振動子10の小型化の要求はますます強くなっており、衝突防止用の凹部を充分に深くすることができず、振動片14の先端が凹部の底面に衝突して欠けるおそれがある。
【0008】
本発明は、前記従来技術の欠点を解消するためになされたもので、振動片を容易、確実にパッケージ内に配置できるようにすることを目的としている。
また、本発明は、小型化を図ることを目的としている。
そして、本発明は、衝撃を受けたときに、片持ち梁状に固定した振動片の先端がパッケージの底面に衝突するのを防止することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係る圧電振動子は、パッケージ容器内の底部に設けたマウント電極に振動片の基端部を固定した圧電振動子において、前記振動片の先端部に対応した前記底部に凹部が形成してあるとともに、前記凹部の前記振動片の基端部側縁部に振動片の長手方向中間部が接触可能な衝撃受け部を設け、前記衝撃受け部は、前記パッケージ容器内に前記振動片を配置するときの位置決めマークであることを特徴としている。
【0016】
このように構成した本発明に係る圧電振動子は、圧電振動子に落下などによる衝撃などが作用して振動片が上下方向に振れたとしても、振動片の中間部が衝撃受けに当たることにより、振動片の先端が凹部の底面に衝突するのを防止することができ、振動片の先端が損傷するのを防ぐことができる。従って、振動片の先端が衝突するのを防止する凹部を浅くすることができ、高さ寸法を小さくできて小型化が図れる。
また、衝撃受け部を位置決めマークとすることにより、振動片をパッケージ容器内に高精度で配置することができ、振動片を配置するパッケージのキャビティの寸法を小さくすることが可能で、パッケージの寸法を小さくすることができる。
【0017】
本発明に係る圧電振動子は、パッケージ容器内の底部に設けたマウント電極に振動片の基端部を固定した圧電振動子において、前記振動片の先端部に対応した前記底部に凹部が形成してあるとともに、前記凹部の前記振動片の基端部側縁部に振動片の長手方向中間部が接触可能な衝撃受け部を設け、前記衝撃受け部は、金属によって形成され、前記振動片の基端部が電気的に接続される前記マウント電極と電気的に分離してあることを特徴としている。
【0018】
このように構成した本発明に係る圧電振動子は、圧電振動子に落下などによる衝撃などが作用して振動片が上下方向に振れたとしても、振動片の中間部が衝撃受けに当たることにより、振動片の先端が凹部の底面に衝突するのを防止することができ、振動片の先端が損傷するのを防ぐことができる。従って、振動片の先端が衝突するのを防止する凹部を浅くすることができ、高さ寸法を小さくできて小型化が図れる。
また、衝撃受け部をマウント電極と電気的に分離すると、レーザ光によって振動片に設けた金薄膜を蒸発させて振動片の周波数調整をしたときに、蒸発した金が凝固して振動片の両側部に対応して設けた衝撃受け部が電気的に接続された状態となったとしても、振動片の動作に影響を与えることがない。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明に係る圧電振動子の製造方法および圧電振動子の好ましい実施の形態を、添付図面に従って詳細に説明する。
【0020】
図1は、第1実施の形態に係るパッケージ容器を示したものであって、(1)は平面図、(2)は断面図、(3)は底面図である。図1において、圧電振動子のパッケージを構成するパッケージ容器30は、セラミックテープを積層して形成してある。すなわち、パッケージ容器30は、同図(2)に示したように、ベース用シート32の上に底板用シート34が積層してあり、底板用シート34の上にキャビティ用シート36が積層してある。キャビティ用シート36は、水晶などの圧電性材料からなる振動片40を収納するキャビティ(収納空間)38を形成するためのもので、額縁状に形成してあって、パッケージ容器30の縁部を構成する。
【0021】
額縁状のキャビティ用シート36の上部には、透明なガラス板から形成した蓋体を固着するための低融点ガラスからなる封止ガラス41が塗布してある。また、ベース用シート32の中央部には、封止孔42が設けてある。さらに、底板用シート34には、中央部に封止孔42と同心の排気孔44が形成してある。これらの封止孔42と排気孔44とは、キャビティ38に振動片40を収納し、パッケージ容器30の上部を蓋体によって閉鎖したのち、パッケージを真空雰囲気に配置してキャビティ38内を真空にするためのものである。そして、封止孔42は、真空雰囲気中において金と錫、銀ロウ等の合金からなる封止金属(ロウ材)が配置され、この封止金属がレーザ光や加熱ピンによって溶融されることにより閉塞され、キャビティ38を封止してキャビティ38内を真空に保持する。
【0022】
底板用シート34の上面には、スクリーン印刷方式などにより形成したタングステン金属膜からなる一対の電極46(46a、46b)が設けてある。これらの電極46は、キャビティ38の長手方向一端側に形成してあって、後述するように、振動片40の基端部に設けた接続電極(図示せず)と電気的に接続される。また、ベース用シート32の下面には、長手方向両側に電子機器の基板に平面実装するための実装用電極52(52a、52b)が設けてある。そして、電極46は、ベース用シート32の下面に設けた実装用電極52に電気的に接続してある。すなわち、電極46aは実装用電極52aに電気的に接続され、電極46bは実装用電極52bに電気的に接続される。
【0023】
さらに、底板用シート34の上面には、キャビティ38の幅方向両側に位置決めマーク48(48a、48b)、50(50a、50b)が一対ずつ設けてある。これらの位置決めマーク48、50は、キャビティ38内に振動片40を搬入、配置するためのもので、対向する位置決めマーク48、50の間隔が振動片40の幅よりやや広くなっている。そして、位置決めマーク48、50は、図示しないCCDカメラによって撮影して画像処理をしたときに、パッケージ容器30を形成しているセラミック(セラミックテープ)と容易に区別できる部材によって形成してある。この実施形態の場合、位置決めマーク48、50は、電極46と同様にタングステンによって形成してあって、電極46の形成工程において電極と同時に形成される。すなわち、位置決めマーク48、50は、図2に示したように、電極46a、46bを構成する電極パターン54a、54bの一部として形成してあって、電極46と一体となっている。そして、電極パターン54aは、図2において右上角部に設けた円弧状パターン部55aを介して、ベース用シート32の下面に設けた実装用電極52aに電気的に接続され、電極パターン52bは左下角部の円弧状パターン部55bを介して実装用電極52bに電気的に接続される。
【0024】
電極46の上部には、タングステンの厚塗りによるマウント電極56(56a、56b)が設けてある。このマウント電極56は、セラミックテープを積層したのち、焼成する前にタングステンペーストをスクリーン印刷などによって電極46の上に塗布して乾燥させ、さらに治具によって上方から押圧して上部が平坦面となるようにしてある。そして、マウント電極56の上には、振動片40の基端部をマウント電極56に固着するための導電性接着剤58が塗布してある(図1参照)。
【0025】
このように形成されるパッケージ30を有する圧電振動子の製造は、図3のようにして行なわれる。まず、図3のステップ60に示したように、長尺のセラミックテープを所定の大きさにブランクカットして底板用シート34を形成する。この実施形態においては、複数のパッケージを同時に形成できる大きさにセラミックテープを切断している。
【0026】
次に、切断した底板用シート34に電極46、位置決めマーク48、50を有するタングステンからなる電極パターン54を形成する(ステップ62)。この電極パターンの形成は、実施形態の場合、スクリーン印刷方式によって形成しているが、蒸着、スパッタリングなどによって金薄膜を堆積し、これをエッチングして形成したり、メッキによって形成したりしてもよい。また、電極パターン54を下方のベース用シート32に電気的に接続する場合、底板用シート34の適宜の位置にビアホールを形成し、このビアホールをスクリーン印刷方式によりタングステンなどの導電性金属によって埋める。
【0027】
その後、電極パターン54の電極46の位置にマウント電極56を形成する(ステップ64)。このマウント電極56は、タングステンペーストをスクリーン印刷方式によって厚く塗布したのち、100〜200℃程度に加熱して有機溶媒を蒸発さて形成する。このようにして形成したマウント電極56は、表面張力の影響により、上部が球面状に盛り上がっているため、ステップ66に示したように、有機溶媒を蒸発させたマウント電極56を上方から押圧治具によって押圧し、上部を平坦化する。
【0028】
次に、キャビティ用シート36を形成する(ステップ68)。このキャビティ用シート36は、キャビティ38に相当する部分が打ち抜かれた格子状となっている。また、ベース用シート32は、底板用シート34と並行して切断され、配線パターンなどが形成される。そして、このように形成したベース用シート32、底板用シート34、キャビティ用シート36を順次積層する(ステップ70)。これにより、図2に示したように、電極パターン54は、電極46、位置決め用マーク48、50の部分がキャビティ38内に露出し、電極46、位置決めパターン48、50を連結している部分キャビティ用シート36の下部に隠れる。
【0029】
ベース用シート32、底板用シート34、キャビティ用シート36の積層体は、1300℃程度で焼成される(ステップ70)。これにより、ベース用シート32、底板用シート34、キャビティ用シート36が相互に接合され、複数のパッケージ容器30が連結されたパッケージブロックが形成される。その後、キャビティ38内に露出している電極46、マウント電極56、位置決めパターン48、50の表面に、NiメッキとAuメッキとをこの順に施し(ステップ71)、さらに複数のパッケージ容器30が一体となっている積層体を切断し、個々のパッケージ容器30に分割する(ステップ72)。次に、ステップ74に示したように、焼成したキャビティ用シート36の上に封止ガラス41をスクリーン印刷方式によって塗布し、乾燥させる。そして、分割したパッケージ容器30のマウント電極56の上に導電性接着剤58を塗布する(ステップ76)。
【0030】
次に、図1(2)に示したように、ロボット100によって振動片40を真空吸着し、パッケージ容器30のキャビティ38内に搬入し、振動片40の接続電極部が設けてある基端部を導電性接着剤58が設けてあるマウント電極56の上に配置する(ステップ78)。このロボット100による振動片40のキャビティ38内への搬入、位置決めは、図示しないCCDカメラによってパッケージ容器30を上方から撮影し、画像処理技術によって撮影した画像を2値化するなどして電極46、位置決めマーク48、50を、パッケージ容器30を構成しているセラミックから識別し、キャビティ38の境界および位置決めマーク48、50の内側端部をロボット100に認識させることにより行なう。
【0031】
このように、実施形態においては、茶色系と異なる色彩を有する金薄膜からなる電極46と位置決めマーク48、50とを、画像処理によってパッケージ容器30を構成しているセラミックから識別しているため、キャビティ38の境界と位置決めマーク48、50との位置とを容易に認識することができ、ロボット100による振動片40のキャビティ38内への搬入、位置決めを高精度で行なうことができる。このため、従来のようにロボット100がパッケージ容器30の縁に当たって振動片40をパッケージ容器30内に搬入できなかったり、振動片40が曲がって配置されたりしてパッケージ容器30の内壁に接触して動作しないなどの不都合をなくすことができる。しかも、振動片40の位置決めを正確に行なうことができるため、キャビティ38の幅方向寸法を小さくすることが可能で、パッケージを小さくでき、圧電振動子の小型化を図ることができる。
【0032】
振動片40の基端部部をマウント電極56に上に配置したのちは、導電性接着剤58を加熱して硬化させ(ステップ80)、振動片40のマウント電極56の上に固着する。その後、パッケージ容器30の上下を逆にして封止ガラス41を下方にし、透明なガラス板からなる蓋体の上に配置する。そして、上方から封止ガラス41を蓋体に押圧した状態でベルト炉などによって320℃程度に加熱し、封止ガラスを溶融して蓋体をパッケージ容器30に接合する(ステップ82)。
【0033】
次に、パッケージ容器30に蓋体を接合したパッケージを、封止孔42が設けてあるベース用シート32を上にして図示しない真空容器内に配置し、封止孔42、排気孔44を介してキャビティ38の内部を真空にする(ステップ84)。その後、真空中において金と錫、銀ロウなどの合金からなるロウ材を封止孔42に配置し、このロウ材をレーザ光や加熱ピンなどによって溶融して封止孔42を閉塞し、真空容器から取り出す(ステップ86)。さらに、ステップ88に示したように、透明なガラス板からなる蓋体の上方からレーザ光を振動片40の先端部に照射し、この先端部に設けてある図示しない重り用金薄膜を蒸発させ、振動片40の共振周波数を所定の周波数(例えば、32kHz)に調整する。
【0034】
このように第1実施形態においては、パッケージ容器30のキャビティ38内に位置決めマーク48、50を設けたことにより、振動片40の位置決めを容易、確実に高精度で行なうことができる。そして、振動片40の位置決めを正確に行なえるため、キャビティ38の幅方向寸法を小さくできて圧電振動子の小型化が図れる。また、実施の形態においては、位置決めマーク48、50を電極46と同時に形成するため、工程の簡素化が図れる。しかも、実施形態においては、電極46と位置決めパターン48、50とが電極パターン54によって一体に形成してあるため、一対の電極パターン54a、54bをほぼ同じ大きさ、形状にすることができ、電極パターンによる静電容量などをバランスさせることができ、圧電振動子を電子機器の基板に実装する場合に、圧電振動子の向きを考慮することなく実装することができる。さらに、実施形態においては、振動片40の両側に一対ずつの位置決めマーク48、50を設け、これらの対向部の間隔を振動片40の幅よりわずかに大きくして振動片40の位置決めを行なっているため、振動片40の位置決めを極めて正確に行なうことができる。
【0035】
なお、前記実施形態においては、振動片40の長手方向に沿った2箇所に位置決めマーク48、50を設けた場合について説明したが、振動片40の先端部に対応した位置の位置決めマーク50または振動片40の長手方向中間部に対応した位置の位置決めマーク48のいずれか一方だけ設けてもよい。
【0036】
図4は、第2実施形態の説明図であって、底板用シートに形成したパターンの説明図である。この第2実施形態においては、電極46aを構成する電極パターン90aと、電極46bを構成する電極パターン90bとが非対称となっている。すなわち、電極パターン90aは、底板用シート34の図4における上辺に沿ってリード部92を有しており、このリード部92の先端がベース用シート32に形成した実装用電極52aに接続するための円弧状パターン部55aに繋がっている。これに対して、他方の電極パターン90bは、電極パターン90aのリード部92に相当した部分を有していない。そして、電極用パターン90aのリード部92は、底板用シート34にキャビティ用シート36を積層したときに、キャビティ用シート36に下になって、キャビティ38内に露出しないようになっている。
【0037】
また、底板用シート34aには、幅方向中央部であって、長手方向の中心線に対して対象に位置決めパターン94(94a、94b)が設けてある。これらの位置決めパターン94a、94bは、電極パターン90と同様に金薄膜によって形成してあり、電極パターン90の形成工程において電極パターン90と同時にスクリーン印刷によって形成される。そして、位置決めパターン94は、電極パターン90a、90bと独立していて、電極46と電気的に分離してある。また、各位置決めパターン94の対向部には、位置決めマーク48、50が設けてある。これらの位置決めマーク48、50は、底板用シート34aにキャビティ用シート36を積層したときに、キャビティ用シート36から露出するようになっている。
【0038】
このように構成した第2実施形態においても、底板用シート34aを用いてパッケージ容器30を形成したときに、位置決めマーク48、50がキャビティ38内に露出し、第1実施形態の場合と同様の効果を得ることができる。しかも、位置決めパターン94は、電極パターン90と電気的に分離してあるため、前記したように、パッケージの封止後にレーザ光によって振動片40の周波数調整をしたときに、振動片40から蒸発した金が凝固してパッケージ容器30の内面に付着し、位置決めマーク48aと位置決めマーク48b、または位置決めマーク50aと位置決めマーク50bとが電気的に接続状態となったとしても、振動片40の動作に影響を与えることがない。しかも、凝固した金粒子を金薄膜からなる位置決めマーク48、50に付着させることにより、金粒子が分散して電極46a、46b間の短絡の原因などになるのを防止することができる。
【0039】
図5ないし図7は、第3実施形態の説明図であって、図5は底板用シートの平面図、図6はベース用シートの平面図、図7は圧電振動子の断面図である。この第3実施形態に係る底板用シート34cの上面には、電極46a、46bを形成する一対の電極パターン110(110a、110b)が、底板用シート34cの長手方向に沿う中心線に対して対象に設けてある。そして、底板用シート34cには、各電極パターン110に対応した位置にタングステンプラグ112(112a、112b)を設けたビアホールが形成してある。このタングステンプラグ112は、スクリーン印刷によってタングステン元素を有する有機物をビアホールに充填し、溶媒を蒸発させることにより形成される。
【0040】
また、ベース用シート32cの上面には、タングステンプラグ112と対応した位置に、タングステンによって形成した配線パターン114(114a、114b)のランド部116(116a、116b)が配置してあって、配線パターン110a、110bがタングステンプラグ112を介してランド部116a、116bに電気的に接続される。そして、配線パターン114aはベース用シート32cの下面に形成した実装用電極52aに電気的に接続され、配線パターン114は実装用電極52bに電気的に接続される。
【0041】
各ランド部116の間には、アースパターン118が形成してある。このアースパターン118は、ベース用シート32cの幅方向中心部に、長手方向に延びる中心線に沿って設けられ、ベース用シート32cの中心側にランド部120を有する。そして、このランド部120には、底板用シート34cに形成したタングステンプラグ122が接触するようになっている。このタングステンプラグ122は、底板用シート34cの上面に設けたダミーパターン130のアース部132と対応した位置の底板用シート34cに形成したビアホールを埋めている。
【0042】
ダミーパターン130は、底板用シート34cの長手方向に沿った中心線に対象に形成してあって、その中心線に沿った連結部134(134a、134b)を有する。そして、ダミーパターン130は、電極パターン110の形成工程において電極パターン110と同時に形成され、金薄膜からなっている。また、ダミーパターン130は、電極パターン110と独立して形成してあって、電極パターン110と電気的に分離されている。
【0043】
ダミーパターン130の各連結部134は、一端側である電極46側においてアース部132により相互に連結してある。また、各連結部134は、他端側の対向部に位置決めマーク136(136a、136b)が設けてある。これらの位置決めマーク136は、振動片40の下方まで延在させて形成してある。一方、底板用シート34cの振動片40の先端部と対応した位置には、振動片40の先端が衝突するのを避けるための凹部を形成する矩形状の開口140が設けてある。そして、ダミーパターン130に設けた一対の位置決めマーク136は、開口140の電極46側の縁部、すなわち開口140の振動片40の基端部側となる縁部に位置していて、図7に示した圧電振動子150に衝撃が作用して振動片40が上下方向に振れたときに、振動片40の長手方向中間部が当たるようになっている。なお、図7に示した符号152は、封止孔42を封止する封止用ロウ材である。
【0044】
このようになっている第3実施形態においては、位置決めマーク136を設けたことにより、図7に示した圧電振動子150のキャビティ38の境界を容易に検出することができ、前記したように振動片40の位置決めを容易、正確に行なうことができ、圧電振動子150の小型化が図れる。しかも、パッケージ容器30の底面に凹部を形成する底板用シート34cの、開口140の振動片40基端部側縁部に金薄膜からなる位置決めマーク136が配置してあるため、振動片40の先端が凹部の底面となるベース用シート32cの上面に衝突して損傷するのを防ぐことができる。
【0045】
すなわち、圧電振動子150に衝撃が作用して振動片40が上下方向に振れた場合、振動片40の長手方向中間部が開口140の縁部に設けた位置決めマーク136に当たるため、欠けやすい振動片40の先端がベース用シート32cの上面に衝突するのを防止することができる。しかも、位置決めマーク136は、パッケージ容器30を構成しているセラミックよりも軟らかいため、衝突のエネルギーを吸収して振動片の損傷を防止する。
【0046】
【発明の効果】
以上に説明したように、パッケージ容器に位置決めマークを設けたことにより、振動片をパッケージ容器内に容易、確実に高精度で配置することができる。そして、振動片のパッケージ内の位置決めを高精度に行なえるため、振動片を収容するパッケージのキャビティを小さくすることが可能となり、パッケージの寸法を小さくできて圧電振動子の小型化を図ることができる。
【0047】
また、本発明によれば、衝撃により振動片が上下方向に振れたとしても、凹部の振動子基端部側に設けた衝撃受け部に振動片の長手方向中間部が当たるため、欠けしやすい振動片の先端が凹部の底面に衝突するのを防止することができ、振動片の先端が損傷するのを防ぐことができ、振動片の先端が衝突するのを防止する凹部を浅くすることが可能で、高さ寸法を小さくできて小型化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るパッケージ容器の説明図である。
【図2】第1実施形態に係る底板用シートに形成した電極パターンの説明図である。
【図3】本発明の実施形態に係る圧電振動子の製造方法を説明するフローチャートである。
【図4】第2実施形態に係る底板用シートの平面図である。
【図5】第3実施形態に係る底板用シートの平面図である。
【図6】第3実施形態に係るベース用シートの平面図である。
【図7】第3実施形態に係る圧電振動子の断面図である。
【図8】従来の圧電振動子の説明図である。
【符号の説明】
30………パッケージ容器、32、32c………ベース用シート、
34、34a、34c………底板用シート、36………キャビティ用シート、
38………キャビティ、40………振動片、46、46a、46b………電極、
48a、48b、50a、50b………位置決めマーク、54a、54b、
90a、90b、110a、110b………電極パターン、
58………導電性接着剤、94a、94b………位置決めパターン、
100………ロボット、130………ダミーパターン、136a、
136b………位置決めマーク(衝撃受け部)、150………圧電振動子。
Claims (2)
- パッケージ容器内の底部に設けたマウント電極に振動片の基端部を固定した圧電振動子において、前記振動片の先端部に対応した前記底部に凹部が形成してあるとともに、前記凹部の前記振動片の基端部側縁部に振動片の長手方向中間部が接触可能な衝撃受け部を設け、
前記衝撃受け部は、前記パッケージ容器内に前記振動片を配置するときの位置決めマークであることを特徴とする圧電振動子。 - パッケージ容器内の底部に設けたマウント電極に振動片の基端部を固定した圧電振動子において、前記振動片の先端部に対応した前記底部に凹部が形成してあるとともに、前記凹部の前記振動片の基端部側縁部に振動片の長手方向中間部が接触可能な衝撃受け部を設け、
前記衝撃受け部は、金属によって形成され、前記振動片の基端部が電気的に接続される前記マウント電極と電気的に分離してあることを特徴とする圧電振動子。
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