JP3975100B2 - 印刷装置および印刷方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷により回路基板へ導線やはんだバンプ等の回路要素を形成する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
厚膜印刷技術は、容易かつ安価に膜形成が可能であるというメリットを有することから、電子デバイス等における導線や電極、抵抗体、はんだバンプ等の回路要素を含む配線パターンを形成する技術として広く利用されている技術である。
【0003】
厚膜印刷においては、導体等の材料粉末をガラスフリットなどと共に有機溶剤と混合したペーストを、所望の配線パターンに対応して作成された刷版を用いて、半導体やセラミックス、ガラスなどの基板や、多層基板や積層デバイスを構成するグリーンシートなどの被印刷体に配線パターンを印刷し、当該基板ともども焼成し材料粉末のみを焼結させることにより、当該基板への回路形成を行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような厚膜印刷を、エッチング等により配線パターンを形成した食刻凹版において行う場合の従来例を、図15に示す。
【0005】
この場合はまず、図15(a)に示すように、刷版1001に形成された、配線パターンに相当する凹部1002に、ペースト1003が充填される。その後、図15(b)に示すように、被印刷体たる基板1005を圧接することによりペースト1003が基板1005へと転写され、図15(c)に示すように、厚膜配線パターン1006が形成されることになる。
【0006】
しかしながら、この従来の凹版印刷における一連のプロセスにおいては、次のような問題がある。
【0007】
まず1点は、図15(a)にて示したペースト1003の充填の時点で、凹版の印刷面1001pに余計なペースト1004が付着してしまうことがあり、これが、印刷を実行することによって、基板表面1005sに不要な付着物1007として一緒に転写されてしまうという問題である。
【0008】
もう1点は、バンプなど、アスペクト比が高く膜厚の大きな回路要素を印刷する際、十分にペースト1003が転写されず、図15(c)に示すように、刷版1001の凹部1002に残渣1008として残ってしまうという問題である。
【0009】
これらはいずれも回路不良の原因となり得るため、回避されなければならない。また、後者の場合に生ずる残渣1008は、刷版1001を洗浄する際に、除去が困難であるという問題もある。
【0010】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、不要なペーストの基板への付着や、刷版における残渣の発生を回避できる凹版印刷を行うことができる印刷装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、凹版である刷版を用いた印刷により被印刷体に回路要素形成材料からなる回路要素を形成する印刷装置であって、前記刷版の版面から表面に接着層を有する転写体の当該表面へ回路要素を転写する第1の印刷手段と、前記転写体の表面と前記被印刷体の被印刷面とが非接触を保った状態で、前記転写体に転写された前記回路要素を前記被印刷面へと転写する第2の印刷手段と、前記転写体の配置姿勢を、前記転写体の接着層を有する面が前記版面と対向する第1の配置姿勢と、前記被印刷面と対向する第2の配置姿勢との間で変更させる転写体配置姿勢変更手段と、を備えることを特徴とする。
【0013】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の印刷装置であって、前記第1の印刷手段として、前記版面を前記転写体に圧接させることにより、前記接着層に前記回路要素を接着させ、その後前記版面と前記転写体とを乖離させることにより、前記転写体の表面に回路要素を転写する圧接転写手段を備え、前記第2の印刷手段として、前記転写体の表面に転写された前記回路要素と前記被印刷面とが接した状態で、超音波を前記転写体の裏面へと照射することにより前記回路要素を前記被印刷面へと転写させる超音波照射手段を備えることを特徴とする。
【0014】
また、請求項3の発明は、請求項1に記載の印刷装置であって、前記第1の印刷手段として、前記刷版の裏面に対しレーザ光を照射することにより前記回路要素を前記被印刷面へと転写するレーザ光照射手段を備え、前記第2の印刷手段として、前記転写体の表面に転写された前記回路要素と前記被印刷面とが接した状態で、超音波を前記転写体の裏面へと照射することにより前記回路要素を前記被印刷面へと転写させる超音波照射手段を備えることを特徴とする。
【0015】
また、請求項4の発明は、凹版である刷版を用いた印刷により被印刷体に回路要素形成材料からなる回路要素を形成する印刷装置であって、前記刷版の裏面に対しレーザ光を照射するレーザ光照射手段を備え、前記刷版の版面と前記被印刷体の被印刷面とが非接触かつ対向配置した状態で、前記刷版の裏面にレーザ光を照射することにより、前記回路要素を前記被印刷面へと転写することを特徴とする。
【0016】
また、請求項5の発明は、請求項2または請求項3に記載の印刷装置であって、前記超音波の照射が、前記転写体の表面において前記回路要素が存在する位置の裏面にのみに行われることを特徴とする。
【0017】
また、請求項6の発明は、請求項3または請求項4に記載の印刷装置であって、前記レーザ光の照射が、前記版面において前記回路要素が存在する位置の裏面にのみに行われることを特徴とする。
【0018】
また、請求項7の発明は、請求項1に記載の印刷装置であって、前記第2の印刷手段として、前記転写体の表面に転写された前記回路要素と前記被印刷面とが接した状態で、前記被印刷体を加熱することにより、前記回路要素を前記被印刷面へと転写する基板加熱転写手段を備えることを特徴とする。
【0019】
また、請求項8の発明は、請求項1に記載の印刷装置であって、前記第2の印刷手段として、前記転写体の表面に転写された前記回路要素を加熱した後、前記被印刷面と前記回路要素を接触させることにより、前記回路要素を前記被印刷面へと転写する回路要素加熱転写手段を備えることを特徴とする。
【0022】
また、請求項の発明は、凹版である刷版を用いた印刷により被印刷体に回路要素形成材料からなる回路要素を形成する方法であって、前記刷版から表面に接着層を有する転写体の当該表面へ回路要素を転写する第1の印刷工程と、前記回路要素が転写された転写体の配置姿勢を、前記転写体の表面が前記刷版の版面と対向する第1の配置姿勢から、前記被印刷面と対向する第2の配置姿勢へと変更させる転写体配置姿勢変更工程と、前記転写体の表面と前記被印刷面とが非接触を保った状態で、前記転写体に転写された前記回路要素を前記被印刷面へと転写する第2の印刷工程と、を備えることを特徴とする。
【0023】
また、請求項10の発明は、請求項に記載の印刷方法であって、前記第1の印刷工程が、前記版面を前記転写体に圧接させることにより、前記接着層に前記回路要素を接着させ、その後前記印刷面と前記転写体とを乖離させることにより、前記転写体の表面に回路要素を転写する圧接転写工程を含み、前記第2の印刷工程が、前記転写体の表面に転写された前記回路要素と前記被印刷面とが接した状態で、超音波を前記転写体の裏面へと照射することにより前記回路要素を前記被印刷面へと転写させる超音波照射工程を含むことを特徴とする。
【0024】
また、請求項11の発明は、請求項に記載の印刷方法であって、前記第1の印刷工程が、前記刷版の裏面に対し前記レーザ光を照射することにより前記回路要素を前記被印刷面へと転写するレーザ光照射工程を含み、前記第2の印刷工程が、前記転写体の表面に転写された前記回路要素と前記被印刷面とが接した状態で、超音波を前記転写体の裏面へと照射することにより前記回路要素を前記被印刷面へと転写させる超音波発生工程を含むことを特徴とする。
【0025】
また、請求項12の発明は、凹版である刷版を用いた印刷により被印刷体に回路要素形成材料からなる回路要素を形成する方法であって、前記刷版の裏面に対しレーザ光を照射するレーザ光照射工程を備え、前記刷版の版面と前記被印刷体の被印刷面とが非接触かつ対向配置した状態で、前記刷版の裏面にレーザ光を照射することにより、前記回路要素を前記被印刷面へと転写することを特徴とする。
【0026】
また、請求項13の発明は、請求項10または請求項11に記載の印刷方法であって、前記超音波の照射が、前記転写体の表面において前記回路要素が存在する位置の裏面にのみに行われることを特徴とする。
【0027】
また、請求項14の発明は、請求項11または請求項12に記載の印刷方法であって、前記レーザ光の照射が、前記版面において前記回路要素が存在する位置の裏面にのみに行われることを特徴とする。
【0028】
また、請求項15の発明は、請求項に記載の印刷方法であって、前記第2の印刷工程が、前記転写体の表面に転写された前記回路要素と前記被印刷面とが接した状態で、前記被印刷体を加熱することにより、前記回路要素を前記被印刷面へと転写する基板加熱転写工程を含むことを特徴とする。
【0029】
また、請求項16の発明は、請求項に記載の印刷方法であって、前記第2の印刷工程が、前記転写体の表面に転写された前記回路要素を加熱した後、前記被印刷面と前記回路要素を接触させることにより、前記回路要素を前記被印刷面へと転写する回路要素加熱転写工程を含むことを特徴とする。
【0032】
【発明の実施の形態】
<第1の実施の形態>
<印刷装置の構成概要>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る印刷装置1の構成を示すブロック図である。図2は、印刷装置1においてなされる印刷のプロセスを模式的に示す図である。また、図3および図4は、図2の各プロセスにおける印刷の様子を示す断面図である。
【0033】
印刷装置1は、電子デバイスの製造工程において、半導体や液晶などの基板を被印刷体として、導線や電極、バンプ等の回路要素を含む配線パターンを、はんだペーストなどの粘性物質の厚膜印刷を用いて形成するためのものである。その目的のため、印刷装置1は、図1に示すように、制御部2と、刷版搬送部3と、ペースト充填部4と、基板搬送部5と、印刷部6と、シート搬送部7、シート反転部8とを主として備える。
【0034】
制御部2は、作業者の指示に応じて、印刷装置1の後述する各部の動作を制御し、印刷を実行させるために備わる。
【0035】
刷版搬送部3は、印刷を所望する配線パターンに相当する凹部17(図3)が、エッチング等で形成されている食刻凹版たる刷版9(図2)を、図示しない所定の刷版搬送経路に沿って後述するペースト充填部4や印刷部6へと搬送し、印刷の終了後に図示しない所定の排出位置へと搬送する刷版搬送手段31を備える。
【0036】
ペースト充填部4は、刷版9の版面9pに形成された凹部17に、ペースト(はんだペースト)12を充填するためのペースト充填手段41を備える。ペースト充填部4においては、刷版9の凹部17が、ペースト充填手段41によって、図示しないペースト供給源から供給されたペースト12にて空隙なく満たされる。
【0037】
基板搬送部5は、所定の基板搬送経路に沿って、印刷対象たる基板10(図2)を印刷のための所定位置へと搬送し、印刷の終了後に排出させるための基板搬送手段51を備える。
【0038】
印刷部6は、刷版9から基板10への印刷を行うために備わる。ただし、本実施の形態に係る印刷装置1においては、刷版9から基板10へ直接印刷するのではなく、刷版9から転写シート11(図2)へといったん転写した後、転写シート11から基板10へとさらに転写する、という2段階印刷が行われる。そのため、印刷部6は、それぞれの段階に対応した第1印刷部6aと、第2印刷部6bとから構成されている。ここで、転写シート11は、表面に接着層15を有し、刷版9の版面とほぼ同じ大きさに切り出された薄いシートである。
【0039】
第1印刷部6aは、上述のように、刷版9から転写シート11への転写を担うことから、この転写は、後述するように刷版9と転写シート11とを圧接させることによりなされる。そのため、第1印刷部6aには、圧接転写手段61が備わっている。また、第2印刷部6bは、上述のように、転写シート11から基板10への転写を担うが、この転写は、超音波を照射することにより生じる振動を利用してなされる。そのため、第2印刷部6bには、超音波素子63および超音波素子走査機構64が備わっている。超音波素子63は、内蔵する発振子の振動により、所定の振動数の超音波USを発することができるものであり、超音波素子走査機構64によって水平面内の移動、および所定位置への進退動作がなされる。また、転写に際して基板を昇降させる基板昇降手段62も備わっている。第1印刷部6aおよび第2印刷部6bについての詳細は後述する。
【0040】
シート搬送部7は、図示しない所定のシート搬送経路に沿って上述の転写シート11を所定の位置へと搬送し、印刷後に排出するためのシート搬送手段を備える。
【0041】
シート反転部8は、印刷の際に必要な転写シート11の反転動作を行うために備わる。このためにシート反転部8は、シート反転手段81と、シートホルダー82とを備える。シートホルダー82は、略四角形の平板であって、その中央部が、刷版9の版面9pにおける印刷可能領域と略同サイズに打ち抜かれたものであり、その両面に、図示しない固定手段によって転写シート11を張設固定可能とされている。また、シート反転手段81は、矢印AR1にて示すように、当該シートホルダー82を反転軸83を中心として180度反転させる。これらについても詳細は次述する。
【0042】
なお、刷版搬送手段31、基板搬送手段51、シート搬送手段71については、それぞれの搬送対象に適した公知の搬送機構を利用する態様であってよい。また、ペースト充填手段41についても、公知技術を利用する態様であってよい。
【0043】
<印刷装置における印刷>
次に印刷装置1における印刷のプロセスについて説明する。印刷装置1においては、まず、所定の位置から印刷装置1内に導入された刷版9に対し、ペースト充填部4にてペースト12がペースト充填手段41によりその凹部17に充填され、その後、印刷を実行するために第1印刷部6a内の所定位置に配置される。この間の刷版9の搬送は、刷版搬送手段31によってなされる。なお、ペースト充填手段41による凹部17へのペースト12の充填に際しては、刷版9の版面9pに不要な付着物16が付着してしまうことがある。
【0044】
一方、図示しないシート供給部に収納されている転写シート11は、シート搬送手段71によりシート反転部8へと搬送され、シートホルダー82のいずれかの面に張設固定される。このとき、図2(a)に示すように、刷版9とシートホルダー82とは、鉛直方向に略一直線上に、かつ、刷版9の版面9pと転写シート11の接着層15とが対向するように、それぞれが配置される。なお、この時点で、基板10も後述するようにシートホルダー82の略鉛直下方に配置されていてもよい。
【0045】
刷版9と転写シート11との配置が終了すると、第1印刷部6aにおける、刷版9から転写シート11への印刷が実行される。すなわち、圧接転写手段61が、図2(a)において矢印AR2にて示すように、あるいは図3(a)において矢印AR4にて示すように、刷版9の版面9pを転写シート11の表面の接着層15へと接近させ、やがては図3(b)のように接触させる。所定の圧力Fを与えて所定の時間だけ両者を圧接させた後、圧接転写手段61が図3(c)において矢印AR5にて示すように、刷版9を元の位置へと退避させることにより、図2(b)にて示すように、転写シート11への転写がなされる。
【0046】
転写された後の刷版9および転写シート11の状態を示すのが、図3(c)である。すなわち、刷版9の凹部17に充填されていたペースト12は、転写シート11の接着層15に転写され、転写物13を形成している。なお、圧接転写手段61にて刷版9を転写シート11に圧接させつつ転写がなされること、および転写シート11の接着層15とペースト12との接着力が、ペースト12と刷版9の凹部17との界面にはたらいていた粘着力を上回るように与えられることから、転写シート11への転写において、凹部17においてペースト12が残渣となることは回避される。ただし、刷版9の版面9pに付着していた不要な付着物16は、圧接によって転写されてしまい、接着層15上に不要な転写物18として残ることとなる。
【0047】
第1印刷部6aにおける上述のような転写がなされると、シート反転部8のシート反転手段81によって、シートホルダー82が反転軸83を中心に180°反転される。図2(c)および図4(a)がこの状態を示している。なお転写物13は接着層15および自身の粘性によって保持されているので、反転によって落下することはない。また、シート反転手段81によるシートホルダー82の反転は、シートホルダー82が反転可能な間隔を設けることにより、シートホルダー82と刷版9および基板10とが略鉛直方向に配列した状態で行われてもよいし、刷版9および基板10が、シートホルダー82の反転時にはこれを妨げない位置に退避する態様であってもよい。
【0048】
一方、図示しない基板収納部に収納されていた基板10は、あらかじめ、基板搬送手段51によって図示しない所定の基板搬送経路に沿って搬送され、第2印刷部6bの所定位置に配置されている。このとき、基板10は、シートホルダー82の略鉛直下方に、基板10の被印刷面10pと上述の反転を受けた後の転写シート11の接着層15を有する面とが、対向するように配置される。
【0049】
転写シート11と基板10とが上述のような配置関係をとると、第2印刷部6bにおける転写シート11から基板10への転写、すなわち、基板への配線パターンの印刷が実行される。
【0050】
まず、基板昇降手段62によって、基板10が図2(c)において矢印AR3にて示すように、転写物13に接する位置へと移送される。両者が接すると、超音波素子走査機構64によって転写シート11の裏面の上方近傍へと配置された超音波素子63が、制御部2の制御のもとに、図4(b)に示すように、例えば1MHz程度の周波数を有する超音波USを転写シート11の裏面へ向けて発する。超音波素子63は超音波素子走査機構64によって、矢印AR6に示すように水平面内にて走査自在とされているが、印刷対象である配線パターンの配置データをあらかじめ制御部2に読み込ませておくことにより、転写シート11の表面において転写物13が存在する箇所の直上にのみ、超音波USが照射される。これにより、転写物13と転写シート11の接着層15とが接着している箇所に選択的に超音波USによる振動を生じさせることができる。
【0051】
超音波USが所定の時間だけ照射された後、図4(c)において矢印AR7のにて示すように、基板昇降手段62によって、基板10が転写シート11から引き離されると、超音波USによって選択的な振動により、転写物13のみが接着層15から引き離されることとなる。すなわち、基板10の被印刷面10pには、所望の配線パターン14が形成されることとなる。一方、転写シート11に存在していた不要な転写物18へは超音波USを照射していないので転写物18は振動していない。このため、不要な転写物18はそのまま転写シート11に残存し、基板10に転写されることはない。
【0052】
基板10への印刷が終了すると、基板10は基板搬送手段51よって所定位置まで搬送され、乾燥処理等を施されることとなる。本実施の形態に係る印刷装置1は、そのための乾燥処理手段を備えていてもよい。またシートホルダーに張設固定されていた転写シート11は、固定を解かれ、シート搬送手段71によって図示しない所定の廃棄位置まで搬送され、廃棄される。その後、新たな転写シート11がシートホルダー82に固定され、新たな基板10が所定の位置に配置されることで、次回の印刷が実行される。これを繰り返すことで、所定の枚数の基板10に対し連続して印刷がなされることとなる。
【0053】
以上、説明したように、本実施の形態に係る印刷装置1は、接着力と超音波による振動とを利用することで、基板10への不要なペースト12の付着や、残渣の発生を回避でき、膜厚が大きく、高アスペクト比の配線パターンであっても、設計されたとおりの膜厚、線幅、あるいは面積などを実現する印刷を行うことができる。
【0054】
<第2の実施の形態>
高アスペクト比であって、設計されたとおりの配線パターンを印刷するための態様は、第1の実施の形態には限定されない。本実施の形態においては、第1の実施の形態とは異なり、レーザ光を用いてそれらを実現できる印刷を行う態様について説明する。
【0055】
<印刷装置の構成概要>
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る印刷装置101の構成を示すブロック図である。図6は、印刷装置101においてなされる印刷のプロセスを模式的に示す断面図である。
【0056】
印刷装置101は、図5に示すように、制御部2と、刷版搬送部3と、ペースト充填部4と、基板搬送部5と、印刷部160と、レーザ発光部170を主として備える。なお、本実施の形態に係る印刷装置101において、第1の実施の形態に係る印刷装置1と同様の機能を有する構成要素については、同一の符号を付しており、その説明については省略する。
【0057】
印刷部160は、レーザ照射手段161と当該レーザ照射手段161を水平面内にて走査するための走査機構162とを主として備える。また、レーザ発光部170は、例えばKrFレーザやYAGレーザなどのレーザ光の発光源である。レーザ照射手段161は、レーザ発光部170にて発光されたレーザ光LS1のビーム径を光学的に調整し、基板10へと照射させることができる。
【0058】
<印刷装置における印刷>
次に本実施の形態においてなされる印刷のプロセスについて説明する。印刷装置101においても、まず、刷版9が所定の位置から印刷装置101内に導入され、ペースト充填部4にてペースト12がペースト充填手段41によりその凹部17に充填された後、印刷部160内の所定位置に配置される。なお、本実施の形態において用いられる刷版9は、高い透光性を有する高い素材(例えば石英)にて作成されたものであることが望ましい。一方、基板10も、図示しない基板収納部から基板搬送手段51によって搬送され、印刷部160の所定位置に配置される。このとき、図6(a)に示すように、印刷部160においては、刷版9の版面9pが鉛直下方を、基板10の被印刷面10pが鉛直上方を向き、かつ、両者が対向するように配置される。なお、その際の両者の間隔をD1、刷版9の凹部17の深さをD2とすると、D1がD2よりもわずかに大きい、すなわち、
D1−D2>0 (式1)
かつ、
D1−D2〜0 (式2)
となる関係を満たすように配置される。
【0059】
刷版9と基板10とがこのように配置されると、走査機構162によって、レーザ照射手段161が刷版9の裏面の鉛直上方に配置される。そして、制御部2の制御のもとに、レーザ発光部170から発せられたレーザ光LS1が、刷版9の裏面へと照射される。その際、レーザ照射手段161は走査機構162によって、矢印AR6に示すように水平面内にて走査自在とされているが、印刷対象である配線パターンの配置データをあらかじめ制御部2に読み込ませておくことにより、ペースト12が充填されている凹部17の直上の領域102にのみ、レーザ光LS1が照射される。
【0060】
刷版9は透光性であることから、領域102に照射されたレーザ光LS1は領域102直下のペースト12に容易に到達する。したがって、領域102直下のペースト12の温度が上昇する。すると、ペースト12の粘度の低下や、溶媒成分の気化さらには熱膨張が局所的に生じる。その結果、ペースト12の落下を妨げていた粘着力が低下し、図6(b)において矢印AR9にて示すように、凹部17に充填されていたペースト12が、鉛直下方へと移動する。その移動の先には基板10が位置しているので、刷版9から離脱したペースト12は、そのままただちに基板10に転写され、所望の配線パターン14が形成される。すなわち、印刷が実行されたこととなる。
【0061】
式1および式2の関係が満たされていると、基板10へと転写されるまでの時間はわずかである。また、刷版9と基板10とは非接触であり、かつ、いったん基板10に転写されたペースト12が再び刷版9に接触して付着することもない。従って、基板10に転写されるまでの間に、凹部17に充填されていたときの形状からペースト12が大きく変形する可能性は低いといえ、形成された配線パターン14の精度は非常によいものであるといえる。また、凹部17の底部近傍にあるペースト12が、もっとも加熱を受け、熱膨張しやすいので、凹部17に残渣が生じることも回避される。さらに、刷版9の版面9pにペースト充填に際して付着物16が生じたとしても、この部分はレーザ光LS1の照射を受けないので、直接加熱はされない。従って、基板10への付着は回避される。
【0062】
以上、説明したように、本実施の形態に係る印刷装置101においても、第1の実施の形態と同様に、基板10への不要なペースト12の付着や、残渣の発生を回避することができる。また、直進性が高いレーザを利用して選択的に転写が行われるので、不要な付着物が基板10へと付着する可能性をより低減できる。また、転写の際にペーストが変形することがないので、より精度よく配線パターン14を形成することができる。
【0063】
<第3の実施の形態>
さらに、第1および第2の実施の形態における印刷プロセスを組み合わせることにより、印刷を行うこともできる。第3の実施の形態として、これを説明する。
【0064】
<印刷装置の構成概要>
図7は、本発明の第3の実施の形態に係る印刷装置201の構成を示すブロック図である。図8は、印刷装置201においてなされる印刷のプロセスの一部を模式的に示す断面図である。
【0065】
印刷装置201は、第1の実施の形態に係る印刷装置1と同様に、転写シート11を用いて印刷を行うが、転写シート11へのペースト12の転写に、第2の実施の形態に係る印刷装置101にて用いられたレーザ光LS1を利用する。このため、印刷装置201は、図7に示すように、制御部2と、刷版搬送部3と、ペースト充填部4と、基板搬送部5と、シート搬送部7と、シート反転部8と、レーザ発光部170と、印刷部260とを主として備える。なお、本実施の形態に係る印刷装置201において、第1の実施の形態に係る印刷装置1および第2の実施の形態に係る印刷装置201と同様の機能を有する構成要素については、同一の符号を付しており、その説明については省略する。
【0066】
上述のように、印刷装置201においては、2段階印刷が実行されることから、印刷部260は、第1印刷部260aと第2印刷部260bとから構成される。第1印刷部260aは、印刷装置101の印刷部160と同様に、レーザ照射手段161と走査機構162とを備えるほか、刷版昇降手段261をさらに備える。刷版昇降手段261は、レーザ光LS1による転写シート11への転写の際には刷版9と転写シート11とを第2の実施形態と同様に式1および式2を満たす位置に配置する必要がある一方で、シート反転手段81により転写シート11を反転する際には、刷版9を退避させる必要があることから、刷版9をそれらの状況に応じて移動させるために備わるものである。第2印刷部260bは、印刷装置1の第2印刷部6bと同様に、基板昇降手段62と、超音波素子63と、超音波素子走査機構64とを備える。
【0067】
<印刷装置における印刷>
次に、本実施の形態における印刷プロセスについて説明する。本実施の形態においても、刷版9、転写シート11、及び基板10がそれぞれの所定位置に配置されるに至るプロセスは、図2にて示した第1の実施の形態の場合と同様である。すなわち、ペースト12が凹部17に充填された刷版9の版面9pと、転写シート11の接着層15を有する面とが、まずは対向配置される。ただし、刷版9と転写シート11との間隔は、式1および式2を満たす必要がある。なお、基板10も、後段の処理に至るまでに、第1の実施の形態と同様に、所定位置に配置されていればよい。
【0068】
刷版9と転写シート11とが所定の位置に配置されると、図8(a)に示すように、第1印刷部260aにおいて、図6の場合と同様に、走査機構162によって、レーザ照射手段161が刷版9の裏面の鉛直上方に配置される。以降、転写シート11の接着層15上へペースト12が転写されるまでのプロセスは、転写先が転写シート11である点を除けば、第2の実施の形態において基板10へと転写される場合と同様である。
【0069】
転写シート11へとペースト12が転写された後は、シート反転手段81によって転写シートが180°反転され、次に第2印刷部260bにて超音波素子63により転写シート11に振動が与えられて、その結果、基板10への転写が行われるが、これについては第1の実施の形態と同様のプロセスにて実行される。
【0070】
本実施の形態においては、例えば、第1印刷部260aにおけるレーザ光LS1の照射に伴って、図8(b)に矢印AR11にて示すように、付着物16の一部が落下し、図8(c)のように転写シート11の接着層15上に不要な転写物202として付着してしまった場合でも、第1の実施の形態にて示したように、当該転写物202は、転写シート11上に残存し、基板10に付着することは回避される。
【0071】
以上、説明したように、本実施の形態においては、レーザ光LS1を利用することにより、刷版9に残渣が生じるのを確実に回避すると共に、超音波素子63による振動を局所的に与えることで、所望する配線パターンのみを確実に基板10上に形成することができる。
【0072】
<第4の実施の形態>
第2および第3の実施の形態においては、レーザ光を照射して刷版を加熱することで、ペースト粘着力を低下させて、刷版に残渣が生じることを回避していたが、この原理は、刷版の洗浄において利用することができる。以下に、これを説明する。
【0073】
<刷版洗浄装置の装置構成>
図9は、本発明の第4の実施の形態に係る刷版洗浄装置301の構成を示すブロック図である。図10は、刷版洗浄装置301の各部の配置を説明する図である。図11は、刷版洗浄装置301においてなされる洗浄について模式的に示す図である。
【0074】
刷版洗浄装置301は、印刷に使用された刷版を、有機溶剤を含有する洗浄液と、レーザ光とを利用して洗浄するための装置である。その目的のため、刷版洗浄装置301は、図9に示すように、制御部320と、刷版搬送部330と、洗浄液処理部340と、洗浄部350と、レーザ発光部360と、窒素ガス処理部370とを主として備える。
【0075】
制御部320は、作業者の指示に応じて、刷版洗浄装置301の後述する各部の動作を制御し、刷版の洗浄を実行させるために備わる。
【0076】
刷版搬送部330は、洗浄の対象となる刷版を、図示しない所定の刷版搬送経路に沿って、洗浄槽353に備わる保持ピン354上へと搬送し、洗浄の終了後に図示しない所定の排出位置へと搬送する刷版搬送手段331を備える。刷版搬送手段331は、刷版302の搬送に適した公知の搬送手段を用いることができる。
【0077】
洗浄液処理部340は、洗浄液Wの洗浄槽353への供給を担う洗浄液供給手段341と、その排出を担う洗浄液排出手段342とを備える。ここで、洗浄液Wは、印刷に用いられているペーストを溶解する溶解能を有する、例えばシンナーなどの有機溶剤である。洗浄液供給手段341および洗浄液排出手段342は、例えばポンプであり、洗浄液貯留槽343から供給管344を通じ、洗浄槽353へと洗浄液Wを供給し、洗浄後の汚れた洗浄液Wを、廃液管346を通じて廃液槽345へと排出する。なお、途中にフィルターが設けられた循環供給路によって、洗浄液Wが循環供給される態様であってもよい。
【0078】
洗浄部350は、洗浄液Wを貯留した洗浄槽353に浸漬した刷版302に、鉛直上方からレーザ光LS2を照射して、刷版302の洗浄処理を行うためのものである。洗浄槽353の底部には、刷版302を載置するための保持ピン354が複数備わっている。保持ピン354は、例えば刷版302の端部に設けられている図示しない保持用の凸部を嵌合保持する。刷版302は、この保持ピン354によって洗浄槽353内の中空に保持されて、両面が洗浄液Wに触れた状態で洗浄に供される。
【0079】
刷版302へのレーザ光LS2の照射は、レーザ発光部360にて発光されたレーザ光LS2がレーザ照射手段351によって所定のビーム径に光学的に調整された後、走査機構352に備わる反射ミラー352Mに反射されることによりなされる。レーザ発光部360は、第2の実施の形態に係る印刷装置101に備わるレーザ発光部170と同様に、例えばKrFレーザやYAGレーザなどのレーザ光の発光源である。走査機構352は、反射ミラー352Mの姿勢を制御することにより、レーザ光LS2の照射位置を図10において矢印AR12に示すように変化させることができる。これにより、刷版302に対しレーザ光LS2を走査させつつ照射することができる。
【0080】
また、図10においては図示を省略しているが、図11に示すように、洗浄槽353は洗浄室355の内部に配置されている。洗浄室355は密閉が可能であり、窒素ガス処理部370の作用によって、内部を任意の圧力の窒素ガス雰囲気に保つことができる。洗浄室355を不活性な窒素ガス雰囲気に保ちつつ密閉することにより、洗浄液Wからの有害成分の揮発や、レーザ光によるに加熱に伴う不慮の化学反応などに対する、作業者の安全が確保される。窒素ガス処理部370は、そのために、窒素ガス供給手段371と窒素ガス排気手段372とを備えている。
【0081】
窒素ガス供給手段371は、バルブ374の開閉等を行うことにより、流量を制御しつつ、窒素ガス供給源373から配管375を経て洗浄室355内へ窒素ガスを導入する。また、窒素ガス排気手段372は、バルブ377の開閉等を行うことにより、流量を制御しつつ、配管378を経て窒素ガス排気口376へと窒素ガスを排気させる。あるいはポンプなどを備えることにより、洗浄室355内の気体を強制排気させることが可能な態様であってもよい。
【0082】
なお、レーザ照射手段351および走査機構352は、洗浄室355内部に設けられる態様であってもよいし、洗浄室355外に設けられ、洗浄室355が備える透過窓を通じて刷版302にレーザ光LS2を照射する態様であってもよい。
【0083】
<洗浄装置における洗浄>
次に本実施の形態においてなされる刷版の洗浄について説明する。図11は、刷版302が凹版である場合の洗浄の様子を示している。まず、所定の位置から刷版洗浄装置301内に導入された印刷後の刷版302が、刷版搬送手段331によって、所定の搬送経路を経て洗浄槽353内の保持ピン354に保持される。なお、刷版302としては凹版だけでなく貫通版も洗浄が可能であるが、凹版である場合は、裏面をレーザ光LS2が照射される上面側にして保持する態様が望ましい。また、レーザ光LS2が照射されるが洗浄液Wは、あらかじめ供給されていてもよいし、刷版302の保持後に供給される態様であってもよい。
【0084】
その後、洗浄室355が密閉され、窒素ガス処理部370によって洗浄室355の内部が窒素ガス雰囲気とされると、レーザ照射手段351および走査機構352によって、刷版302に対しレーザ光LS2が照射される。印刷後の刷版302においては、凹部303に残渣304が生じていたり、あるいは肉眼では判別が困難な程度の微小な付着物305が各部に付着していることがあり得る。これらは、洗浄液Wのみの作用によってある程度は溶解除去が可能であるが、凹部303が高いアスペクト比を有する場合などは、例えば超音波による洗浄も併用していたとしても、十分な洗浄が困難であった。本実施の形態においては、レーザ光LS2を刷版302の裏面に照射するので、そうしたアスペクト比の高い凹部303を有する場合であっても、加熱によって残渣304や付着物305が脱離が促されるので、これらは刷版302から確実に除去される。
【0085】
付着物305等で汚れた洗浄液Wは、洗浄液排出手段342によって適宜排出され、代わりに洗浄液供給手段341によって清浄な洗浄液Wが供給されるので、刷版302への付着物305などの再付着は抑制される。
【0086】
洗浄が終了すると、洗浄室355が大気圧に戻された後、開放され、洗浄済の刷版302が取り出され、排出される。
【0087】
以上、説明したように、本実施の形態に係る刷版洗浄装置301は、レーザ光を照射することで付着物の脱離を促進するので、高いアスペクト比の凹部を有する刷版であっても、十分な清浄度が確保できる。
【0088】
<変形例>
第1および第3の実施の形態においては、転写シート11から基板10への転写を、超音波素子63にて超音波USを照射することにより行っていたが、これに代わり、例えば、基板10を加熱することにより転写を行ってもよい。
【0089】
図12は、これを説明する図である。図12(a)は、基板10が転写物13と接触した状態で、ランプ401にて基板を加熱する態様、また、図12(b)は、基板10が転写物13と接触した状態で、基板の直下に配した例えばホットプレートなどのヒータ402が基板を加熱する態様を示している。いずれの場合も、基板10を加熱することで、転写物13と基板10との密着力を高めて、両者の接着を促進する。転写シート11と転写物13との密着力よりも、加熱した基板10と転写物13との密着力が上回るようにそれぞれの密着力を調整しておくことで、基板昇降手段62が基板10引き下げることによる基板10への転写物13への転写を、精度よく行うことができる。
【0090】
また、基板10を加熱することが望ましくない場合は、図13に示すように、転写の前にあらかじめ転写物13を加熱しておくことで、基板10との密着力を確保することもできる。すなわち、図13(a)に示すように、転写物13の底部にヒータ403を近接させて当該底部を加熱した後に、図13(b)に示すように、基板10を接触させることで、図12に示した場合と同様に、転写物13と基板10との密着力を高めることも可能である。
【0091】
これらの態様は、配線パターン全体を一括して処理することができるので、転写に要する時間が短縮される。
【0092】
また、第1および第3の実施の形態においては、転写シート11は、刷版9の版面9pとほぼ同じ大きさに切り出されている態様であったが、これに変わり、連続したシートであってもよい。図14は、これを説明する図である。図14において、転写シート501は収納部502から引き出され、シート反転部504に巻掛けられ、巻取部503で巻き取られる、幅が一定の長尺状をなすものである。シート反転部504は、回転中心505を中心に、1ステップに90°ずつ回転する四角柱をなしており、その四角柱の一辺の長さLは、刷版9の幅よりもやや大きく設定されている。すなわち、シート反転部504が1ステップ、すなわち、90°回転するたびに、転写シート501は、長さLずつ進むことになる。この場合、刷版9から転写シート501へのペーストの転写と、転写シート501から基板10への超音波素子63によるペーストの転写が同時に行われ、これらが終了するたびにシートが長さLずつ送られて、次の処理が引き続き行われることになる。
【0093】
第4の実施の形態においては、反射ミラー352Mを用いたレーザ光LS2の照射を行っていたが、これに代わり、刷版302の上方に、水平面内で走査可能なビーム照射口を設け、これを走査しつつレーザ光を照射する態様であってもよい。
【0094】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1ないし請求項16の発明によれば、被印刷面への回路要素の転写過程において、接着機能を利用することにより、転写体の表面と被印刷面との接触を避けるように構成しているため、刷版の版面に付着している不要な回路要素形成材料が、被印刷体に付着するのを防ぐことができる。
【0095】
特に、請求項2ないし請求項8、および、請求項10ないし請求項16の発明によれば、刷版の凹部に残渣を残すことなく、印刷することができる。
【0096】
特に、請求項4および請求項12の発明によれば、回路要素に生じる変形を最小限にとどめた印刷をすることができる。
【0097】
特に、請求項5、請求項6、請求項13、および請求項14の発明によれば、回路要素のみを選択的に転写させることができるので、回路要素の印刷精度をより高めることができる。
【0098】
特に、請求項7、請求項8、請求項15、および請求項16の発明によれば、回路要素全体を一括して処理することができるので、転写に要する時間が短縮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る印刷装置1の構成を示すブロック図である。
【図2】印刷装置1においてなされる印刷のプロセスを模式的に示す図である。
【図3】転写シート11へ転写のプロセスを模式的に示す図である。
【図4】基板10へののプロセスを模式的に示す図である。
【図5】第2の実施の形態に係る印刷装置101の構成を示すブロック図である。
【図6】印刷装置101においてなされる印刷のプロセスを模式的に示す断面図である。
【図7】第3の実施の形態に係る印刷装置201の構成を示すブロック図である。
【図8】印刷装置201においてなされる印刷のプロセスの一部を模式的に示す断面図である。
【図9】第4の実施の形態に係る刷版洗浄装置301の構成を示すブロック図である。
【図10】刷版洗浄装置301の各部の配置を説明する図である。
【図11】刷版洗浄装置301においてなされる洗浄について模式的に示す図である。
【図12】基板10を加熱することによる基板10への転写について模式的に示す図である。
【図13】転写物13を加熱することによる基板10への転写について模式的に示す図である。
【図14】長尺状の転写シートを用いた場合について説明する図である。
【図15】従来の凹版による印刷を説明する図である。
【符号の説明】
1、101、201 印刷装置
9、302 刷版
9p 版面
10 基板
10p 被印刷面
11、501 転写シート
15 接着層
301 刷版洗浄装置
353 洗浄槽
354 保持ピン
355 洗浄室
373 窒素ガス供給源
376 窒素ガス排気口
502 収納部
503 巻取部
504 シート反転部
505 回転中心
82 シートホルダー
83 反転軸
LS1、LS2 レーザ光
US 超音波
W 洗浄液

Claims (16)

  1. 凹版である刷版を用いた印刷により被印刷体に回路要素形成材料からなる回路要素を形成する印刷装置であって、
    前記刷版の版面から表面に接着層を有する転写体の当該表面へ回路要素を転写する第1の印刷手段と、
    前記転写体の表面と前記被印刷体の被印刷面とが非接触を保った状態で、前記転写体に転写された前記回路要素を前記被印刷面へと転写する第2の印刷手段と、
    前記転写体の配置姿勢を、前記転写体の接着層を有する面が前記版面と対向する第1の配置姿勢と、前記被印刷面と対向する第2の配置姿勢との間で変更させる転写体配置姿勢変更手段と、
    を備えることを特徴とする印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置であって、
    前記第1の印刷手段として、前記版面を前記転写体に圧接させることにより、前記接着層に前記回路要素を接着させ、その後前記版面と前記転写体とを乖離させることにより、前記転写体の表面に回路要素を転写する圧接転写手段を備え、
    前記第2の印刷手段として、前記転写体の表面に転写された前記回路要素と前記被印刷面とが接した状態で、超音波を前記転写体の裏面へと照射することにより前記回路要素を前記被印刷面へと転写させる超音波照射手段を備えることを特徴とする印刷装置。
  3. 請求項1に記載の印刷装置であって、
    前記第1の印刷手段として、前記刷版の裏面に対しレーザ光を照射することにより前記回路要素を前記被印刷面へと転写するレーザ光照射手段を備え、
    前記第2の印刷手段として、前記転写体の表面に転写された前記回路要素と前記被印刷面とが接した状態で、超音波を前記転写体の裏面へと照射することにより前記回路要素を前記被印刷面へと転写させる超音波照射手段を備えることを特徴とする印刷装置。
  4. 凹版である刷版を用いた印刷により被印刷体に回路要素形成材料からなる回路要素を形成する印刷装置であって、
    前記刷版の裏面に対しレーザ光を照射するレーザ光照射手段を備え、
    前記刷版の版面と前記被印刷体の被印刷面とが非接触かつ対向配置した状態で、前記刷版の裏面にレーザ光を照射することにより、前記回路要素を前記被印刷面へと転写することを特徴とする印刷装置。
  5. 請求項2または請求項3に記載の印刷装置であって、
    前記超音波の照射が、前記転写体の表面において前記回路要素が存在する位置の裏面にのみに行われることを特徴とする印刷装置。
  6. 請求項3または請求項4に記載の印刷装置であって、
    前記レーザ光の照射が、前記版面において前記回路要素が存在する位置の裏面にのみに行われることを特徴とする印刷装置。
  7. 請求項1に記載の印刷装置であって、
    前記第2の印刷手段として、前記転写体の表面に転写された前記回路要素と前記被印刷面とが接した状態で、前記被印刷体を加熱することにより、前記回路要素を前記被印刷面へと転写する基板加熱転写手段を備えることを特徴とする印刷装置。
  8. 請求項1に記載の印刷装置であって、
    前記第2の印刷手段として、前記転写体の表面に転写された前記回路要素を加熱した後、前記被印刷面と前記回路要素を接触させることにより、前記回路要素を前記被印刷面へと転写する回路要素加熱転写手段を備えることを特徴とする印刷装置。
  9. 凹版である刷版を用いた印刷により被印刷体に回路要素形成材料からなる回路要素を形成する方法であって、
    前記刷版から表面に接着層を有する転写体の当該表面へ回路要素を転写する第1の印刷工程と、
    前記回路要素が転写された転写体の配置姿勢を、前記転写体の表面が前記刷版の版面と対向する第1の配置姿勢から、前記被印刷面と対向する第2の配置姿勢へと変更させる転写体配置姿勢変更工程と、
    前記転写体の表面と前記被印刷面とが非接触を保った状態で、前記転写体に転写された前記回路要素を前記被印刷面へと転写する第2の印刷工程と、
    を備えることを特徴とする印刷方法。
  10. 請求項9に記載の印刷方法であって、
    前記第1の印刷工程が、前記版面を前記転写体に圧接させることにより、前記接着層に前記回路要素を接着させ、その後前記印刷面と前記転写体とを乖離させることにより、前記転写体の表面に回路要素を転写する圧接転写工程を含み、
    前記第2の印刷工程が、前記転写体の表面に転写された前記回路要素と前記被印刷面とが接した状態で、超音波を前記転写体の裏面へと照射することにより前記回路要素を前記被印刷面へと転写させる超音波照射工程を含むことを特徴とする印刷方法。
  11. 請求項9に記載の印刷方法であって、
    前記第1の印刷工程が、前記刷版の裏面に対し前記レーザ光を照射することにより前記回路要素を前記被印刷面へと転写するレーザ光照射工程を含み、
    前記第2の印刷工程が、前記転写体の表面に転写された前記回路要素と前記被印刷面とが接した状態で、超音波を前記転写体の裏面へと照射することにより前記回路要素を前記被印刷面へと転写させる超音波発生工程を含むことを特徴とする印刷方法。
  12. 凹版である刷版を用いた印刷により被印刷体に回路要素形成材料からなる回路要素を形成する方法であって、
    前記刷版の裏面に対しレーザ光を照射するレーザ光照射工程を備え、
    前記刷版の版面と前記被印刷体の被印刷面とが非接触かつ対向配置した状態で、前記刷版の裏面にレーザ光を照射することにより、前記回路要素を前記被印刷面へと転写することを特徴とする印刷方法。
  13. 請求項10または請求項11に記載の印刷方法であって、
    前記超音波の照射が、前記転写体の表面において前記回路要素が存在する位置の裏面にのみに行われることを特徴とする印刷方法。
  14. 請求項11または請求項12に記載の印刷方法であって、
    前記レーザ光の照射が、前記版面において前記回路要素が存在する位置の裏面にのみに行われることを特徴とする印刷方法。
  15. 請求項9に記載の印刷方法であって、
    前記第2の印刷工程が、前記転写体の表面に転写された前記回路要素と前記被印刷面とが接した状態で、前記被印刷体を加熱することにより、前記回路要素を前記被印刷面へと転写する基板加熱転写工程を含むことを特徴とする印刷方法。
  16. 請求項9に記載の印刷方法であって、
    前記第2の印刷工程が、前記転写体の表面に転写された前記回路要素を加熱した後、前記被印刷面と前記回路要素を接触させることにより、前記回路要素を前記被印刷面へと転写する回路要素加熱転写工程を含むことを特徴とする印刷方法。
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