JP5320845B2 - 洗浄装置、洗浄方法及び電子デバイスの製造方法 - Google Patents

洗浄装置、洗浄方法及び電子デバイスの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電子デバイスの製造工程において基板の表面の洗浄に用いられる洗浄装置、洗浄方法及び電子デバイスの製造方法に関する。
電子デバイスの製造工程のうち、基板(ウエハ)の表面の洗浄に用いられる洗浄装置として、ウエハを1枚ずつ洗浄する枚葉式の洗浄装置が知られている。この枚葉式の洗浄装置はウエハの大口径化への対応が比較的容易であり、大口径のウエハの洗浄装置として主流を占めつつある。
枚葉式の洗浄装置の一つとして、超音波を用いた洗浄装置がある。図1は従来の超音波を用いた枚葉式の洗浄装置の一例を示す模式図である。図1に示すように、従来の超音波洗浄装置100では、超音波ノズル101に内蔵された超音波振動子(図示せず)を作動させつつ超音波ノズル101から洗浄液102を噴射させて洗浄を行っていた。
また、図2に示すような超音波振動体(以下、単に振動体と呼ぶ)を用いた洗浄装置200が知られている。ここに、図2は、従来の超音波振動体を用いた枚葉式の洗浄装置の一例を示す模式図である。図2に示すように、洗浄装置200は、超音波振動子202が取り付けられた振動体201を備えている。振動体201には、照射面201aが形成されている。振動体201は支持体204によって支持され、照射面201aとウエハ99の表面とが僅かな隙間をあけて平行に対向するように配置される。図2(b)に示すように、洗浄液205は振動体201の近くに配置された洗浄液ノズル203から噴出され、照射面201aとウエハ99の表面との隙間を満たす。それと同時に、超音波振動子202で発生させた超音波を照射面201aからウエハ99に照射して洗浄を行なっていた。
特開2003−181394号公報 特開2003−31540号公報
ところが、近年半導体装置の微細化が進行し、表面上のデバイスパターンの機械的強度が低下している。さらに、層間絶縁膜の比誘電率を下げる目的でポアと呼ばれる微細な空孔が内部に一様に分布した多孔質シリカ(ポーラスシリカ)等の機械的強度の弱い材料が用いられるようになり、洗浄によるデバイスパターン破壊が一層発生しやすくなっている。このため、上述の洗浄装置100(図1参照)では、超音波の与えるダメージによってウエハ99表面のデバイスパターンが破壊されることがある。
また、上述の洗浄装置200(図2参照)は、ウエハ表面に付着した異物の除去効率が低いという問題点がある。このため、洗浄装置200は、十分な洗浄効果を得るために、上述の洗浄装置100と比べて数倍の洗浄時間が必要となる。したがって、洗浄装置200ではウエハ1枚当たりの処理に長時間を要し、電子デバイスの製造工程全体の処理能力を低下させてしまうおそれがある。さらに、洗浄装置200では、振動体の洗浄面と基板(ウエハ)の表面との間の隙間に対して、外部から洗浄液を供給しているため、当該隙間全体に亘って洗浄液を行き渡らせることが困難である。洗浄液の膜がない部分では超音波がウエハ99に到達せず洗浄効果が期待できないため、ウエハ99全体で均一に洗浄できないおそれがある。
そこで、洗浄装置、洗浄方法及び電子デバイスの製造方法において、処理速度を向上するとともに基板(ウエハ)全面を均一に洗浄可能とすること目的とする。
上記目的は、超音波を照射する第1の照射面及び第2の照射面を備え、かつ、前記第1の照射面及び前記第2の照射面内に洗浄液を噴出する噴出口をそれぞれ備えた振動体と、前記第1の照射面及び前記第2の照射面のそれぞれと対向する基板を保持する保持部材と、を備え、前記保持部材は前記基板を鉛直方向に立てて保持し、前記噴出口は前記照射面の中央よりも上側であって、前記洗浄液が前記基板と第1の照射面及び前記第2の照射面との間の領域全体に均一に行き渡るような位置に配置されている洗浄装置により達成することができる。
すなわち、振動体は超音波を照射する照射面を両側に備えることにより、照射面と対向する基板の2つの被洗浄面を同時に洗浄できる。これにより、被洗浄面1面当たりの処理速度(洗浄速度)が向上する。また、洗浄液の噴出口が照射面内に設けられているため、照射面とウエハ表面との隙間に確実に洗浄液を供給することができ、回転するウエハに対して安定した洗浄液の膜を形成することができる。これによりウエハの全面にわたって均一な洗浄を行うことができる。
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図3は、本発明の第1実施形態に係る洗浄装置の全体構成を示す模式図である。図4(a)は、本発明の第1実施形態に係る洗浄装置の超音波洗浄ユニットの先端部分の外観を示す斜視図であり、図4(b)はその正面図である。図5は、本発明の第1実施形態に係る洗浄装置の洗浄中の様子を示す断面図である。図6は、本発明の第1実施形態に係る洗浄装置でのウエハ及び超音波照射ユニットの移動方向を示す模式図である。なお、図中の矢印Yで示す方向は鉛直上方向に対応する(上記以外の他の図でも同様である)。
図3に示すように、本発明の第1実施形態に係る洗浄装置10は、振動体20、超音波振動子21及び支持体22よりなる超音波洗浄ユニット24を備えている。超音波洗浄ユニット24の両側方には、基板である基板(ウエハ)50を立てた状態で保持するガイドローラ11cが配置されている。また、超音波洗浄ユニット24の上方にはウエハ50を搬送するためのロボットハンド14及びロボットハンドガイド15が設けられている。以下、洗浄装置10の構成について更に説明する。
振動体20は、超音波振動子21を介して支持体22に取り付けられる。図4(a)に示すように、振動体20は、円筒形に形成されており、水平方向の両端には、平坦な円形の照射面20aが形成されている。振動体20の内部には、洗浄液の流路となるT字型の洗浄液流路20cが形成されている。また、図4(b)に示すように照射面20aの中心部分には、洗浄液を噴出する噴出口20bが形成されている。
照射面20aは例えば直径30mm程度に形成され、噴出口20b及び洗浄液流路20cの直径は、例えば4mm程度に形成される。また、照射面20a同士の間隔は、例えば60mm程度に形成される。
なお、振動体20の形状は上述のように円筒形に限定されるものではなく、2つの平行な照射面20aを有し、照射面20aから超音波を均一な強度で照射できる形状であれば適宜変更しても良い。また、照射面20aの形状も円形に限定されるものではく、例えば矩形状等としても良い。
振動体20の材料は、周波数1MHz以上の超音波を少ない損失で伝達できる材料として合成石英を用いることができる。なお、振動体20の材料はこれに限定されるものではなく、超音波を良好に伝搬させる材料であり、かつ、洗浄液の化学的作用によって腐食等の発生しない材料であれば採用することができる。洗浄液の種類によっては、例えば、ステンレスやセラミック等を使用してもよい。
振動体20には、図3に示すように配管17を介して洗浄液供給装置12が接続されている。洗浄液供給装置12はポンプ(図示せず)を備え、洗浄液を一定の流量で供給することができる。また、配管17は耐薬品性に優れ、柔軟性を有するテフロンチューブ等を用いることができる。
超音波振動子21は、1MHz以上の周波数の振動を発生できるものを用いることができ、より好ましくは3MHz程度で振動するものを用いることができる。周波数1MHz以上の高い周波数の超音波は、キャビテーションによる気泡(真空の領域)の発生を抑制でき、衝撃波によるデバイスパターンの破壊を抑制できる。また周波数を高くすることにより超音波の振動による加速度が増大するため、デバイスパターン破壊を抑制しつつ異物を除去できる。超音波振動子21は、図3に示すように、配線13aを介して電源装置13と接続されている。
支持体22は、例えば、テフロン(登録商標)樹脂を焼き付けた直径30mm程度のステンレス管を用いることができる。支持体22は、図3に示すように、駆動機構23と連結されている。駆動機構23は、例えばクランク機構やシリンダ機構等を備えており、振動体20を上下方向(Y方向)に往復運動させることができる。洗浄動作中において、駆動機構23は振動体20を、例えば速度30mm/秒で移動させることができる。
ガイドローラ11cは、図3に示すように回転軸11b上に設けられている。回転軸11bはモーター11aと連結されており、モーター11aによってガイドローラ11cを回転させることができる。モーター11a、回転軸11b及びガイドローラ11cは、図3の紙面奥行き方向に更に1組並列して配置されている。そして、ガイドローラ11cは、図6に示すように、2つ一組となって下から支えるようにしてウエハ50を鉛直方向に立てた状態で保持することができる。
一組のガイドローラ11cが例えば図6の矢印R2方向に回転することにより、ウエハ50を鉛直方向に立てたまま姿勢を変化させることなく、矢印R1方向に回転させることができる。ウエハ50の回転速度は、直径12インチのウエハにおいて、例えば200rpm程度とすることができる。なお、ウエハ50の回転速度を速くすることにより、洗浄液がウエハ50の表面から排出される速度を速め、異物の再付着防止効果を高めることができる。しかし、ウエハ50の回転速度を速くしすぎると、ウエハ50と照射面20aとの隙間に安定して洗浄液の膜が形成できなくなり、均一な洗浄効果が得られなくなる。
ガイドローラ11cは、振動体20の照射面20aとウエハ50との間隔が3mm以下、さらに好ましくは1mm程度となるように配置される。なお、照射面20aとウエハ50との間隔が3mm以上開くと洗浄液中での超音波の減衰が増大し、洗浄効率が低下する。
ロボットハンド14は、図3に示すように、ロボットハンドガイド15に取り付けられており、ウエハ50の上方に配置される。ロボットハンド14はウエハ50の外周部を挟むようにしてウエハ50を保持することができる。ロボットハンド14は、ロボットハンドガイド15によって上下方向に移動でき、横方向へはロボットハンドガイド15に沿って移動することができる。これにより、ウエハ50を図3の矢印A、B及びCに示すように、ウエハカセット16a、16b及びガイドローラ11c間を搬送することができる。
ウエハカセット16a、16bは、洗浄装置10へウエハ50を搬入及び搬出するために用いられる。搬入側ウエハカセット16aは、洗浄装置10へ搬入するウエハ50を収容し、搬出側ウエハカセット16bは洗浄が終了したウエハ50を収容する。
その他、特に図示しないが、洗浄装置10は洗浄液を回収する洗浄液回収装置と、洗浄装置10内の浮遊パーティクル等を除去するクリーンエア装置と、洗浄を終えたウエハを回転させて乾燥させるスピン乾燥装置と、洗浄装置10の各部の動作を集中管理するコンピュータ等の制御装置とを備えている。
以下、第1実施形態に係る洗浄装置10による洗浄動作について説明する。
まず、基板であるウエハ50を、搬入側ウエハカセット16aに収容した状態で洗浄装置10に搬入する。続いて、ロボットハンド14及びロボットハンドガイド15を協働させて最初のウエハ50を搬入側ウエハカセット16aから取り出し、図3の超音波洗浄ユニットの左側のガイドローラ11c上に載置する。次に、モーター11aを駆動してウエハ50を回転させるとともに、洗浄液供給装置12から振動体20に洗浄液を送り出す。それと同時に電源装置13から超音波振動子21に高周波電力を供給して超音波を発生させる。この状態で、図6に示すように、駆動装置23により振動体20を上下方向(Y方向)に往復運動させることで、照射面20aをウエハ50の外周と中心との間を往復運動させることにより、1枚目のウエハ50の一方の面を洗浄する。
洗浄が完了した後、ロボットハンド14及びロボットハンドガイド15を駆動して、最初のウエハ50を、図3の矢印Bに示すように搬送して、超音波洗浄ユニットの右側のガイドローラ11c上に載置する。同時に、2枚目のウエハ50を搬送側ウエハカセット16aから取り出して、矢印Aに示すように搬送する。これにより、振動体20の両方の照射面20aと2枚のウエハ50とが対向するように配置される。
続いて、モーター11aを駆動させてガイドローラ11c上の2枚のウエハ50を回転させつつ、洗浄液供給装置12から振動体20に洗浄液を供給し、電源装置13から超音波振動子21に高周波電力を供給して洗浄を行う。このとき、洗浄液は図5に示すように、配管17及び振動体20内部の洗浄液流路20cを通って両方の照射面20a内に設けられた噴出口20bから噴出する。そして、ウエハ50と照射面20aとの間の隙間に洗浄液の膜55を形成する。一方、超音波振動子21で発生した超音波は振動体20内を伝搬してゆき、照射面20aからウエハ50に向けて照射される。超音波は洗浄液の膜55を伝搬してウエハ50の表面に到達してウエハ50の表面を振動させる。この振動でウエハ50の表面に付着した異物が脱落して、異物が洗浄液側に移行する。異物はウエハ50の洗浄液の流れとともにウエハ50表面から排出される。図3に示すように、ウエハ50が鉛直方向に立てて配置されているため洗浄液はウエハ50の表面に沿って下方に流れる。
振動体20は、図6に示すように、ウエハ50の外周と中心との間を矢印Qにより示す方向に往復運動することにより、ウエハ50の被洗浄面全面を洗浄することができる。噴出口20bは、照射面20a内に形成されているため、照射面20aとウエハ50との間隔が狭くても、照射面20aとウエハ50との間に安定した洗浄液の膜55を形成することができる。これにより、ウエハ50の被洗浄面全面を均一に洗浄することができる。
以上のように、1つの振動体20によって、2つのウエハ50の被洗浄面を同時に洗浄することができる。
つづいて、ロボットハンド14及びロボットハンドガイド15により、最初のウエハ50を図3の矢印Cに示すように搬出側ウエハカセット16bに移送する。同時に、2枚目のウエハ50を矢印Bに示すように搬送し、3枚目のウエハ50を矢印Aに示すように順送りで搬送する。その後、上述したように超音波洗浄ユニット24を用いた洗浄を行う。以後、搬入側ウエハカセット16aの全てのウエハ50の洗浄が完了するまで、ウエハ50を順送りに移動させながら、超音波洗浄ユニット24を用いた洗浄を繰り返す。以上のようにして搬入側ウエハカセット16aに収容された1ロット分のウエハ50の洗浄が完了する。
洗浄装置10は最初と最後のウエハ50の洗浄を除き、1回の洗浄動作でウエハ50の2つの被洗浄面を洗浄することができる。このため、従来よりも早くウエハの洗浄を行うことができる。
また、洗浄液の噴出口20bが照射面20a内に配置されているため、洗浄液の膜55を安定して形成することができウエハ50の全面を均一に洗浄することができる。
(第1実施形態の変形例)
以下、第1実施形態の変形例について説明する。ここに、図7(a)は、中心に噴出口が設けられた照射面を水平に配置したときの洗浄液の流れの様子を示す模式図であり、図7(b)は、同じ照射面を垂直に配置した時の洗浄液の流れの様子を示す模式図である。
振動体20において、照射面20aが水平となるように配置されて洗浄が行われる場合には、図7(a)に示すように、中央に配置された噴出口20bから噴出した洗浄液はあらゆる方向に均一に流れて、照射面20aとウエハ50との間を均一に満たすことができる。
しかし、本発明の第1実施形態のように、ウエハ50を鉛直方向に立てた状態で洗浄を行う洗浄装置10では、照射面20aが垂直に配置される。ウエハ50と照射面20aの隙間内での洗浄液の流れには、鉛直下向きに重力が作用する。したがって、図7(b)に示すように噴出口20bよりも下側の下向きの洗浄液の流れは重力によって加速され、噴出口20bより上側の上向きの洗浄液の流れは重力によって減速される。このため、洗浄液の供給流量、ウエハ50と照射面20aとの間隔、使用する洗浄液の粘度及び表面張力のバランスによっては、照射面20aの下側部分に洗浄液の流れが集中し、例えば図7(b)の斜線部Dに示すような照射面20aの上側の領域で洗浄液が行き渡らない可能性がある。このように、条件によっては照射面20aとウエハ50との間に安定した洗浄液の膜が形成できず、ウエハ50を均一に洗浄することができないおそれがある。
また、鉛直下向きの洗浄液の流れが速い部分では、洗浄液が照射面20aと接触している時間が短く、洗浄液の洗浄作用の有効活用という観点からは効率が低下する。すなわち、同一の洗浄効果を得るのに必要な洗浄液の量が増大してしまう。
(変形例1)
そこで、第1実施形態に係る振動体20の変形例1として、図8に示すような振動体25を洗浄装置10に用いることができる。ここに、図8(a)は、本発明の第1実施形態の変形例1に係る振動体の外観を示す斜視図であり、図8(b)はその正面図である。
図8(a)、(b)に示すように、振動体25は、その照射面25a内部における噴出口25bの位置が中心(I-I線)よりも上側に形成されている。噴出口25bの位置は、例えば、照射面25aの中心より7.5mm程度上方に移動した位置とすることができる。なお、噴出口25bの位置以外の振動体25の形状は、第1実施形態の振動体20(図4参照)と同様とすることができる。
このように、噴出口25bを照射面25aの中心よりも上側に形成することにより、噴出口25aよりも上側の照射面25aの面積を小さくすることができ、洗浄面25aとウエハ50との間に洗浄液の膜が形成されない領域が発生するのを防ぐことができる。
(変形例2)
振動体20の変形例2として、図9に示すような振動体26を洗浄装置10に用いることができる。ここに、図9(a)は、本発明の第1実施形態の変形例2に係る振動体の外観を示す斜視図であり、図9(b)はその正面図である。
図9(a)、(b)に示すように第1実施形態の変形例2に係る振動体26は、その水平方向の両方の端部に平坦な照射面26aが形成されている。照射面26aは、楕円形に形成されており、その楕円の長軸は鉛直方向と一致するように配置されている。照射面26aの中心(II-II線)よりも上側の部分に噴出口26bが形成されている。噴出口26bは、図9(a)に示すように、振動体26の内部に形成されたT字型の洗浄液流路26cにつながっている。
照射面26aは、長軸と短軸との比率を例えば5:3程度とすることができ、例えば、長軸側の長さを50mm程度、短軸側の長さを30mm程度とすることができる。この場合には、噴出口26b及び洗浄液流路の直径を例えば4mm程度とし、噴出口26bの位置は、照射面26aの上端から例えば7.5mm程度下の位置に配置することができる。
振動体26は、超音波振動子21を介して支持体22と接続されている。第1実施形態に係る振動体20(図3参照)のときと同様に、振動体26は2つの照射面26aがウエハ50と3mm以下の間隔をあけて配置されて、ウエハ50の2つの被洗浄面を同時に洗浄することができる。さらに、ウエハ50を鉛直方向に立てて配置した場合に、噴出口26bの位置が中心よりも上側に設けられているため、噴出口26bよりも上側で洗浄液によって満たされない領域が発生するのを防止することができる。また、照射面26aは上下方向に長い形状とされているため、鉛直下向きに速い流速で流れ落ちる洗浄液に対して、より広い領域で照射面26b上の洗浄液の膜を形成することができる。これにより、洗浄液の洗浄作用をより効率良く活用することができ、一定の洗浄液当たりの洗浄効率を向上させることができる。
(変形例3)
振動体20の変形例3として、図10に示すような振動体27を洗浄装置10に用いることができる。ここに、図10(a)は、本発明の第1実施形態の変形例3に係る振動体の正面図であり、図10(b)は図10(a)のIII-III線に沿った断面図である。
変形例3の振動体27は第1実施形態に係る振動体20と同様の円筒形に形成され、照射面27aの形状及び噴出口27bの位置も振動体20と同様に形成されている。ただし、図10に示すように、照射面27aに溝27dが形成されている点で振動体20の照射面20aと異なる。溝27dは、図10(a)、(b)に示すように、水平方向に伸び、一定の幅及び一定の間隔をあけて形成されている。溝27dは、例えば幅1mm程度、深さ0.5mm程度に形成され、例えば2mm程度の間隔で平行に配置される。これにより、照射面27aとウエハとの間の隙間を流れる洗浄液の流水抵抗は、水平方向の成分よりも上下方向の成分の方が大きくなる。このため、洗浄液は溝27dを形成しない場合に比べて水平方向により流れやすくなる。したがって、重力の作用によって上下方向に集中しがちであった洗浄液の流れが水平方向にも分散され、洗浄液が照射面27aとウエハ50との間の領域全体により均一に行き渡る。
(変形例4)
第1実施形態に係る振動体20の変形例4として、図11に示すような振動体28を洗浄装置10に用いることができる。ここに、図11は、本発明の第1実施形態の変形例4に係る振動体の正面図である。本実施形態の変形例4に係る振動体28は、変形例3に係る振動体27の噴出口27b(図10参照)の位置を変更したものである。図11に示すように、変形例4に係る振動体28は、照射面28a上に水平方向に伸びる溝28dが形成されており、噴出口28bの位置が照射面28aの中心よりも上側に配置されている。噴出口28bの位置は、例えば照射面28aの上端側から7.5mm程度下の位置とすることができる。なお、振動体28の溝28dを含めたその他の部分の形状は、変形例3に係る振動体27と同様とすることができる。
変形例4に係る振動体28は、水平方向に伸びる溝28dが形成されるとともに噴出口28bの位置が照射面28の中心よりも上側に形成されている。このため、噴出口28bよりも上側で洗浄液によって満たされない領域が発生するのを防止することができる。また、重力の作用によって上下方向に集中しがちであった洗浄液の流れが水平方向にも分散されて、洗浄液が照射面28aとウエハ50との間の領域全体により均一に行き渡らせることができる。
(変形例5)
第1実施形態に係る振動体20の変形例5として、図12に示すような振動体29を洗浄装置10に用いることができる。ここに、図12は、本発明の第1実施形態の変形例5に係る振動体の正面図である。本実施形態の変形例5に係る振動体29は、変形例3に係る振動体27の照射面27aの形状及び噴出口27b(図10参照)の位置を変更したものである。
図12に示すように、変形例5に係る振動体29は、照射面29aの長軸が鉛直方向に一致するように形成された楕円形とされ、照射面29a上には水平方向に伸びる溝29dが形成されている。また、噴出口29bの位置が照射面29aの中心よりも上側に配置されている。なお、照射面29aの形状及び噴出口29bの位置は、変形例2に係る振動体26(図9参照)のときと同様とすることができる。また、振動体29の溝29dの幅、深さ、及び間隔は、変形例3に係る振動体27(図10参照)のときと同様とすることができる。
変形例に係る振動体29は、水平方向に伸びる溝29dが形成されるとともに、照射面29aが楕円形に形成され、噴出口29bの位置が照射面29の中心よりも上側に形成されている。このため、噴出口29bよりも上側で洗浄液によって満たされない領域が発生するのを防止することができる。また、重力の作用によって上下方向に集中しがちであった洗浄液の流れが水平方向にも分散されて、洗浄液が照射面29aとウエハ50との間の領域全体により均一に行き渡らせることができる。さらに、上下方向に縦長に形成されているため、鉛直下向きに速い流速で流れる洗浄液に対しより広い領域で照射面29a上に洗浄液の膜を形成することができる。これにより、洗浄液の洗浄作用をより効率よく活用することができ、一定の洗浄液あたりの洗浄効果を向上させることができる。
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態について説明する。ここに、図13は、本発明の第2実施形態に係る洗浄装置の全体構成を示す模式図である。図14は、本発明の第2実施形態に係る洗浄装置の第1の洗浄動作を示す模式図である。図15は、本発明の第2実施形態に係る洗浄装置の第2の洗浄動作を示す模式図である。なお、上記各図において、第1実施形態と同様の構成については同様の符号を付してある。
第2実施形態に係る洗浄装置30は、図13に示すように、複数の超音波洗浄ユニット24が一列に並んで配置されている。各超音波洗浄ユニット24及びそれを構成する振動体20、超音波振動子21、支持体22は第1実施形態の超音波洗浄ユニット24と同様である。なお、振動体20に代えて、第1実施形態の変形例1〜5に係る振動体25〜29を用いてもよい。超音波洗浄ユニット24の数に特に制限はないが、例えば、25枚のウエハ50を1ロットとする製造工程に用いる洗浄装置30の場合には、超音波洗浄ユニット24を26台並べて1ロット分のウエハ50の両面を一度に洗浄できるようにすることもできる。
駆動機構23は、各々の超音波洗浄ユニット24に設けられている。駆動機構23の動作は第1実施形態と同様である。なお、本実施形態の洗浄装置30はこれに限定されるものではなく、例えば、駆動機構23を1台のみとして、全ての超音波洗浄ユニット24を1台の駆動機構23に接続してもよい。
モーター11a及び回転軸11bは、第1実施形態と同様に図13の紙面奥行き方向に2つ並列して配置されている。ガイドローラ11cは超音波洗浄ユニット24の側方に配置されている。ただし、隣接する超音波洗浄ユニット24に挟まれる部分にはガイドローラ11cが1組のみ配置され、この部分では1枚のウエハ50のみ載置される。このため、隣接する超音波洗浄ユニット24に挟まれる部分に載置されるウエハ50は、その表裏両面が隣接する2つの超音波洗浄ユニット24で同時に洗浄される。
各ガイドローラ11cの位置は、その上に載置されるウエハ50の表面と超音波洗浄ユニット24の照射面20aとの間隔が3mm以下、より好ましくは1mm程度となるように調整されている。
ロボットハンド14は、洗浄装置30で一度に洗浄されるウエハ50の数と同じか又はそれ以上設けられている。これにより、洗浄装置30内でのウエハ50の搬送を迅速に行うことができる。なお、ロボットハンド14及びそれを支持するロボットハンドガイド15の動作は第1実施形態と同様である。
図13に示すように、洗浄装置30には複数の洗浄液供給装置12a、12b、12cが設けられている。これにより、洗浄液供給装置12aに接続された超音波洗浄ユニット24と洗浄液供給装置12bに接続された超音波洗浄ユニット24との間で異なる種類の洗浄液を用いて洗浄を行うことができる。また、洗浄液供給装置12aのように2つの超音波洗浄ユニット24に接続することにより、複数の超音波洗浄ユニット24に同じ洗浄液を供給することができる。なお、洗浄装置30において、洗浄液供給装置(例えば12a〜12c)の数は使用する洗浄液の種類数に応じて適宜変更することができる。例えば、洗浄液の種類が1つのみの場合には洗浄液供給装置12aのみとしてもよい。また、洗浄液供給装置の数を超音波洗浄ユニット24の数と同数とすれば、各超音波洗浄ユニット24に供給する洗浄液を洗浄目的に応じてそれぞれ変えることができる。例えば、ウエハ表面に付着しているパーティクルを除去するのに効果的な洗浄液を用いた洗浄と、重金属イオンを除去するための洗浄液を用いた洗浄とを、1台の洗浄装置30で行うこともできる。また、洗浄装置30において、搬出側カセット16b側の超音波洗浄ユニット24に超純水を供給して超純水によるリンスを行うようにすることもできる。
高周波電源13は、各超音波洗浄ユニット24の超音波振動子21と接続されている。本実施形態の高周波電源13は、各々の超音波洗浄ユニット24で異なる周波数の電力を供給してそれぞれ異なる周波数の超音波を発生させることができる。また、高周波電源13は、すべての超音波洗浄ユニット24に同じ周波数の電力を供給して超音波の周波数を全部同じとすることもできる。
その他、特に図示しないが、第2実施形態に係る洗浄装置30にも、洗浄液を回収する洗浄液回収装置と、洗浄装置30内の浮遊パーティクル等を除去するクリーンエア装置と、洗浄を終えたウエハを回転させて乾燥させるスピン乾燥装置と、洗浄装置30の各部の動作を集中管理するコンピュータ等の制御装置とが設けられている。
以下、第2実施形態の洗浄装置30の洗浄動作について説明する。
(第1の洗浄動作)
以下、図13及び図14を参照しつつ、本実施形態に係る洗浄装置30の第1の洗浄動作について説明する。ここに、図14は、第2実施形態の洗浄装置の第1の洗浄動作を示す模式図である。なお、図14は、超音波洗浄ユニット24を10台設けた洗浄装置30を例に示すものであり、符号M1〜M11は、ウエハ50がガイドローラ11cに載置されて洗浄が行われる洗浄位置を示す。符号M1は最も搬入側寄りの洗浄位置を示し、符号M11が最も搬出側寄りの洗浄位置を示す。
第1の洗浄動作では、ウエハ50を洗浄位置M1〜M11に向けて順送りに搬送しながら洗浄を繰り返す。以下、具体的な洗浄動作について説明する。
ウエハ50は搬入側ウエハキャリア16aに収容されて1ロット分まとめて洗浄装置30に搬入される。
まず、ロボットハンド14及びロボットハンドガイド15を駆動させて、最初のウエハ50を搬入側ウエハキャリア16aから取り出し、矢印S1に示すように洗浄位置M1に搬送する。つづいて、ウエハ50を回転させ、振動体20から洗浄液の噴出及び超音波の照射を行いながら、超音波洗浄ユニット24を駆動して最初のウエハ50の被洗浄面を洗浄する。
次に、最初のウエハ50を、矢印S2に示すように洗浄位置M2に搬送するとともに、2枚目のウエハ50をS1に示すように洗浄位置M1に搬送する。その後、洗浄位置に載置されたウエハ50の被洗浄面を洗浄する。
以後、同様にしてウエハ50を矢印S1〜S12に示すように順送りに搬送しながら、洗浄動作を繰り返す。洗浄が終了したウエハ50は、搬出側ウエハキャリア16bに収容される。1ロット分のウエハ50の洗浄が完了したら、ウエハ50は搬出側ウエハキャリア16bによって洗浄装置30から搬出されて一連の洗浄動作が完了する。
図14に示すように、10台の超音波洗浄ユニット24を用いた洗浄装置30の第1の洗浄動作では、超音波洗浄ユニット24がウエハ50に挟まれるように配置される。これにより、複数の被洗浄面の洗浄が同時に進行する。10台の超音波洗浄ユニット24を用いた洗浄装置30の場合には、すべての洗浄位置にウエハ50が配置されると、20面の被洗浄面を1度に洗浄することができ、洗浄速度を高めることができる。
なお、上述のようにウエハ50を順送りに搬送しながら洗浄を行う場合には、各々の超音波洗浄ユニット24で使用する洗浄液の種類を、洗浄目的に応じてそれぞれ変えると効果的である
また、各々の超音波洗浄ユニット24で超音波振動子21の発生する超音波の周波数を異なる値とすると好適である。ウエハ50の表面に付着しているパーティクルはその粒径に応じて最適な超音波周波数がある。そこで、ウエハ50の表面へのダメージが顕著にならない範囲で、異なる複数の周波数の超音波を各超音波洗浄ユニット24から順次照射することによって、パーティクルの除去効率が向上させつつ、迅速な洗浄を行うことができる。
(第2の洗浄動作)
以下、図13及び図15を参照しつつ本実施形態に係る洗浄装置30の第2の洗浄動作について説明する。ここに、図15は、第2実施形態の洗浄装置30の第2の洗浄動作を示す模式図である。なお、図15は、超音波洗浄ユニット24を10台設けた洗浄装置30を例に示すものであり、符号M1〜M11は、ウエハがガイドローラ11cに載置されて洗浄が行われる洗浄位置を示す。符号M1は最も搬入側寄りの洗浄位置を示し、符号M11が最も搬出側寄りの洗浄位置を示す。
本実施形態の洗浄装置30の第2の洗浄動作は、複数のウエハ50を同時処理する。以下、具体的な洗浄動作について説明する。
ウエハ50は搬入側ウエハキャリア16aに収容された形で1ロット分まとめて洗浄装置30に搬入される。
まず、ロボットハンド14及びロボットハンドガイド15(図13参照)を駆動させて、複数のウエハ50を搬入側ウエハキャリア16aから取り出し、矢印S1に示すように洗浄位置M2〜M10に搬送する。ここで、洗浄位置M2〜M10は、隣接した2つの超音波洗浄ユニット24に挟まれた洗浄位置であり、ウエハ50の表裏両面を同時に洗浄できる洗浄位置である。つぎに、ウエハ50を回転させ、振動体20から洗浄液の噴出及び超音波の照射を行いながら、各超音波洗浄ユニット24をウエハ50で移動させて、複数のウエハ50の表裏両面の洗浄を行う。
次に、矢印S2に示すように、洗浄位置M2〜M10のウエハ50を、搬送側ウエハキャリア16bに搬送する。
以後、搬入側ウエハキャリア16aに収容された1ロット分全てのウエハ50の洗浄が完了するまで、同様の動作を繰り返すことで洗浄が完了する。
洗浄が終了したウエハ50は搬出側ウエハキャリア16bに収容され、1ロット分全てのウエハ50の洗浄が完了すると洗浄装置30から搬出される。
図15に示すように、10台の超音波洗浄ユニット24を用いた洗浄装置30の第2の洗浄動作では、最大で18面の被洗浄面の洗浄を1度に洗浄でき、9枚のウエハ50の表裏両面が同時に洗浄できる。
このため、第2の洗浄動作によれば、従来よりも洗浄速度を高めることができる。
なお、洗浄装置30を第2の洗浄動作で使用する場合には、すべてのウエハ50について均一な条件で洗浄を行うべく、各超音波洗浄ユニット24に供給する洗浄液の種類を同じとすることが好ましい。また、各超音波洗浄ユニット24の超音波の周波数も全て同じものとすることが好ましい。
(実験例)
本願発明者は、第2実施形態の洗浄装置30を用いることによって単位時間当たりのウエハ処理量を増大できることを実験的に確認した。
直径8インチ(約200mm)の両面鏡面研磨されたシリコンウエハの両方の表面に、厚さ100nmの熱酸化膜を形成し、その表面に平均粒径0.15μmのシリカ(SiO2)微粒子を片面当たり3万個程度付着させた試料を作製した。
超音波振動子21の振動周波数は1MHzとして全ての超音波洗浄ユニット24について同一の周波数で振動させた。また、洗浄液はすべての超音波洗浄ユニット24について、1Lの超純水中に水素ガスを1.5mL溶解させた水素溶解水を用いた。
なお、ウエハ表面の洗浄効果の評価は、洗浄の前後でウエハ表面検査装置を用いてウエハ表面に付着しているシリカ粒子の数を計測して行い、ウエハ上に付着したシリカ微粒子の99%が除去できたところで洗浄が完了したものと判定した。
まず、振動体20の洗浄能力の条件を揃えて評価を行うため、第2実施形態の洗浄装置の1つの超音波洗浄ユニット24を用いて、試料の片面の洗浄に要する時間を測定した。その結果、片面を洗浄するのに必要な時間は330秒であった。
つぎに、本実施形態の洗浄装置30を第2の洗浄動作で動作させた時に、1ロット分の25枚のシリコンウエハの洗浄に必要な時間の測定を行った。ここで実験例では、洗浄装置30として超音波洗浄ユニット24を10個備えた装置を用いた。また、洗浄はシリコンウエハの両面を同時に洗浄することができる部分、すなわち、超音波洗浄ユニット24に挟まれた部分(9枚分)のみを用いて洗浄を行った。このため、25枚のシリコンウエハ(試料)を9枚、9枚、7枚の3回に分けて洗浄を行った。本実験例では、1回目〜3回目までの各洗浄は330秒かかるため、25枚のシリコンウエハの洗浄に990秒要した。
これに対し、従来の洗浄装置ではシリコンウエハを片面ずつ洗浄するため、1枚のシリコンウエハの洗浄に必要な時間は片面の所要時間を2倍して660秒かかってしまう。さらに、1ロット分(25枚)のシリコンウエハを洗浄するためには660秒を25倍して、16500秒かかってしまう。
このように、10個の超音波洗浄ユニット24を備えた洗浄装置30を用いることにより、25枚のウエハの表裏両面を研磨するのに要する時間が、16分の1以下に短縮できることが確認できた。
つぎに、本願発明者は、上述の10個の超音波洗浄ユニット24を備えた洗浄装置30を用いて、シリコンウエハを順送りに移送しながら洗浄を行う第1の洗浄動作させた時の洗浄速度及び洗浄効果について評価を行った。
順送りで移送しながら洗浄を行う場合についても、シリコンウエハの表裏両面を同時に洗浄することができる9か所の洗浄位置のみを用いて洗浄した。なお、超音波振動子21の振動周波数は1MHzとして全ての超音波洗浄ユニット24について同一の周波数で振動させた。また、洗浄液はすべての超音波洗浄ユニット24について、1Lの超純水中に水素ガスを1.5mL溶解させた水素溶解水を用いた。
各洗浄位置では40秒間だけ洗浄を行い、シリコンウエハを順送りに次の洗浄位置に送って洗浄作業を進めた。その結果、9番目の洗浄位置での洗浄が終わった時点では、付着させた微粒子が99%以上洗浄できることが確認できた。ロボットハンド14による各洗浄位置間の搬送には約5秒を要するため、最後の9番目の洗浄位置から洗浄が完了したウエハが取り出される時間間隔、すなわちシリコンウエハ1枚当たりの洗浄時間は約45秒であった。
一方、従来の洗浄装置では、上述のようにシリコンウエハを片面ずつ洗浄するため、両面の洗浄に660秒必要である。したがって、10個の超音波洗浄ユニット24を備えた洗浄装置30でウエハを順送りしながら洗浄することによって、ウエハ1枚当たりの洗浄に要する時間を14分の1に短縮できることが確認できた。
(その他の実施形態)
以上で説明した上記各実施形態に係る洗浄装置及びそれを用いた洗浄方法は、半導体装置等の電子デバイスの製造工程に使用することができる。この場合には、ウエハ上への成膜やパターニング工程等の間の洗浄工程に本実施形態に係る洗浄装置及び洗浄方法を用いることができる。
例えば、機械的強度が低い微細の配線構造やポーラスシリカ等の低誘電率膜などをパターニングした直後の洗浄工程に上記各実施形態の洗浄装置及び洗浄方法を用いると、ウエハ表面のデバイスパターンを破壊することなく、迅速に洗浄を行うことができ好適である。
以下、本発明の諸態様を、付記としてまとめて記載する。
(付記1)超音波を照射する第1の照射面及び第2の照射面を備え、かつ、前記第1の照射面及び前記第2の照射面内に洗浄液を噴出する噴出口をそれぞれ備えた振動体と、
前記第1の照射面及び前記第2の照射面のそれぞれと対向する基板を保持する保持部材と、
を備えたことを特徴とする洗浄装置。
(付記2)前記保持部材は前記基板を鉛直方向に立てて保持し、前記噴出口は前記照射面の中央よりも上側に配置されていることを特徴とする付記1に記載の洗浄装置。
(付記3)前記第1の照射面及び前記第2の照射面は、鉛直方向に縦長に形成されていることを特徴とする付記1又は2に記載の洗浄装置。
(付記4)前記第1の照射面及び前記第2の照射面には、水平方向の溝が形成されていることを特徴とする付記1乃至3の何れか1項に記載の洗浄装置。
(付記5)前記振動体を複数備え、前記振動体と前記基板とが交互に配置されること特徴とする付記1乃至4の何れか1項に記載の洗浄装置。
(付記6)前記基板を、前記複数の振動体の照射面間で一定方向に順送りしながら洗浄を行うことを特徴とする付記5に記載の洗浄装置。
(付記7)超音波を照射する第1の照射面及び第2の照射面を備え、かつ、前記第1の照射面内及び前記第2の照射面内に洗浄液を噴出する噴出口をそれぞれ備えた振動体と、
前記第1の照射面及び前記第2の照射面のそれぞれと対向する基板を保持する保持部材とを備えた洗浄装置を用いた洗浄方法であって、
前記基板を前記第1の照射面及び前記第2の照射面のそれぞれと対向させて保持し、
該保持した前記基板のそれぞれの被洗浄面を同時に洗浄する
ことを特徴とする洗浄方法。
(付記8)超音波を照射する第1の照射面及び第2の照射面を備え、かつ、前記第1の照射面及び前記第2の照射面内に洗浄液を噴出する噴出口をそれぞれ備えた振動体と、
前記第1の照射面及び前記第2の照射面のそれぞれと対向する基板を保持する保持部材とを備えた洗浄装置を用いた洗浄方法であって、
前記基板と前記第1の照射面及び前記第2の照射面のそれぞれと対向させて保持し、該保持した前記基板のそれぞれの被洗浄面を同時に洗浄する工程を有する
ことを特徴とする電子デバイスの製造方法。
図1は、従来の超音波を用いた枚葉式の洗浄装置の一例を示す模式図である。 図2は、従来の振動体を用いた枚葉式の洗浄装置の一例を示す模式図である。 図3は、本発明の第1実施形態に係る洗浄装置の全体構成を示す模式図である。 図4(a)は、本発明の第1実施形態に係る洗浄装置の超音波洗浄ユニットの先端部分の外観を示す斜視図であり、図4(b)はその正面図である。 図5は、本発明の第1実施形態に係る洗浄装置の洗浄中の様子を示す断面図である。 図6は、本発明の第1実施形態に係る洗浄装置でのウエハ及び超音波照射ユニットの移動方向を示す模式図である。 図7(a)は、中心に噴出口が設けられた照射面を水平に配置したときの洗浄液の流れの様子を示す模式図であり、図7(b)は、同じ照射面を垂直に配置した時の洗浄液の流れの様子を示す模式図である。 図8(a)は、本発明の第1実施形態の変形例1に係る振動体の外観を示す斜視図であり、図8(b)はその正面図である。 図9(a)は、本発明の第1実施形態の変形例2に係る振動体の外観を示す斜視図であり、図9(b)はその正面図である。 図10(a)は、本発明の第1実施形態の変形例3に係る振動体の正面図であり、図10(b)は図10(a)のIII-III線に沿った断面図である。 図11は、本発明の第1実施形態の変形例4に係る振動体の正面図である。 図12は、本発明の第1実施形態の変形例5に係る振動体の正面図である。 図13は、本発明の第2実施形態に係る洗浄装置の全体構成を示す模式図である。 図14は、本発明の第2実施形態に係る洗浄装置の第1の洗浄動作を示す模式図である。 図15は、本発明の第2実施形態に係る洗浄装置の第2の洗浄動作を示す模式図である。
符号の説明
10、30…洗浄装置、11a…モーター、11b…回転軸、11c…ガイドローラ、
12、12a、12b、12c…洗浄液供給装置、13…電源装置、13a…配線、14…ロボットハンド、15…ロボットハンドガイド、16a…搬入側ウエハカセット、16b…搬出側ウエハカセット、17…配管、20、25、26、27、28、29…振動体、20a、25a、26a、27a、28a、29a…照射面、20b、25b、26b、27b、28b、29b…噴出口、20c、25c、26c、27c、28c、29c…洗浄液流路、27d、28d、29d…溝、21…超音波振動子、22…支持体、23…駆動機構、50、99…ウエハ(基板)、100、200…洗浄装置、101…超音波ノズル、102…洗浄液、103…照射領域、104…支持体、201…振動体、201a…照射面、202…超音波振動子、203…洗浄液ノズル、204…支持体、205…洗浄液、M1〜M11…洗浄位置。

Claims (4)

  1. 超音波を照射する第1の照射面及び第2の照射面を備え、かつ、前記第1の照射面及び前記第2の照射面内に洗浄液を噴出する噴出口をそれぞれ備えた振動体と、
    前記第1の照射面及び前記第2の照射面のそれぞれと対向する基板を保持する保持部材と、
    を備え
    前記保持部材は前記基板を鉛直方向に立てて保持し、前記噴出口は前記照射面の中央よりも上側であって、前記洗浄液が前記基板と第1の照射面及び前記第2の照射面との間の領域全体に均一に行き渡るような位置に配置されていることを特徴とする洗浄装置。
  2. 前記振動体を複数備え、前記振動体と前記基板とが交互に配置されること特徴とする請求項1に記載の洗浄装置。
  3. 超音波を照射する第1の照射面及び第2の照射面を備え、かつ、前記第1の照射面内及び前記第2の照射面内に洗浄液を噴出する噴出口をそれぞれ備えた振動体と、前記第1の照射面及び前記第2の照射面のそれぞれと対向する基板を保持する保持部材と、を備え、前記保持部材は前記基板を鉛直方向に立てて保持し、前記噴出口は前記照射面の中央よりも上側であって、前記洗浄液が前記基板と第1の照射面及び前記第2の照射面との間の領域全体に均一に行き渡るような位置に配置されている洗浄装置を用いた洗浄方法であって、
    前記基板を前記第1の照射面及び前記第2の照射面のそれぞれと対向させて保持し、
    該保持した前記基板のそれぞれの被洗浄面を同時に洗浄する
    ことを特徴とする洗浄方法。
  4. 超音波を照射する第1の照射面及び第2の照射面を備え、かつ、前記第1の照射面及び前記第2の照射面内に洗浄液を噴出する噴出口をそれぞれ備えた振動体と、前記第1の照射面及び前記第2の照射面のそれぞれと対向する基板を保持する保持部材と、を備え、前記保持部材は前記基板を鉛直方向に立てて保持し、前記噴出口は前記照射面の中央よりも上側であって、前記洗浄液が前記基板と第1の照射面及び前記第2の照射面との間の領域全体に均一に行き渡るような位置に配置されている洗浄装置を用いた洗浄方法であって、
    前記基板を前記第1の照射面及び前記第2の照射面のそれぞれと対向させて保持し、該保持した前記基板のそれぞれの被洗浄面を同時に洗浄する工程を有する
    ことを特徴とする電子デバイスの製造方法。
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