JP3974165B2 - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の吸気弁,排気弁の開閉時期を機関運転状態に応じて可変にするバルブタイミング制御装置に関する。
従来のバルブタイミング制御装置としては、以下の特許文献1に記載されているベーン式のものが知られている。
図5及び図6に基づいて概略を説明すれば、このバルブタイミング制御装置は、外周に歯部50aを有するタイミングスプロケット50と、該タイミングスプロケット50の本体にボルト63によって固定された筒状ハウジング51と、カムシャフト52の端部にボルト64によって固定されて、前記筒状ハウジング51の内部に回転自在に収納されたベーン54とを備えている。また、前記ハウジング51の内周面には、径方向から互いに内方へ突出した断面ほぼ台形状の4つの突状部51a〜51dが一体に設けられている一方、前記ベーン54の外周面には、各突状部51a〜51d間に配置された4つの羽根部54a,54b,54c,54dが一体に設けられている。さらに、各突状部51a〜51dと各羽根部54a〜54dとの間には、それぞれ4つの進角側油圧室55と遅角側油圧室56が隔成されている。
そして、機関運転状態に応じて前記進角側と遅角側の各油圧室55,56に油圧が給排されてベーン54を正逆回転させることによりタイミングスプロケット50とカムシャフト52との相対回動位相を変化させて、吸気弁の開閉時期を可変にするようになっている。
また、前記4つの羽根部54a〜54d中1つの羽根部54aとタイミングスプロケット50との間には、タイミングスプロケット50とベーン54との相対回転を規制ロックあるいはロックを解除するロック機構57が設けられている。
このロック機構57は、一つの羽根部54a内に摺動用孔58がカムシャフト軸方向に沿って形成され、この摺動用孔58内にロックピン59が摺動自在に設けられていると共に、前記タイミングスプロケット50の内端面に摺動用孔58と連続した係止穴60が形成されている。また、前記ロックピン59は、外端側に弾装されたコイルスプリング61のばね力で係止穴60側へ付勢されていると共に、前記摺動用孔58の後端部に有する受圧室62に供給される油圧によって係止穴60から抜け出して、係合を解除するようになっている。
さらに、前記一つの羽根部54aは、カムシャフト62の軸心回りにおける長さL1を、他の羽根部54b〜54dの長さL2よりも長く設定して肉厚に形成されている。これによって、摺動用孔58の形成分の重量を確保でき、各羽根部54a〜58dの慣性モーメントを全て等しくし、この結果、カムシャフトの径の増加を抑制できるようになっている。
特開平9−280018号公報
しかしながら、前記従来の技術にあっては、各羽根部54a〜54dの慣性モーメントを全て等しくするために、単純に一つの羽根部54aの肉厚を他の羽根部54b〜54dより厚く設定している。ところが、摺動用孔58内に配置されるロックピン59は、その材質によって重量が異なるため、ロックピン59の重量によっては、他の羽根部、特に一つの羽根部54aと対称位置にある他の羽根部54bとの重量バランスが崩れてアンバランスとなり、ベーン54の円滑な回転が得られないおそれがある。換言すれば、単純に一つの羽根部54aの肉厚を厚く設定するだけでは、羽根部全体の重量バランスを高精度に調整することが不可能である。
本発明は、機関のクランクシャフトによって回転駆動するハウジングを有する回転体と、該回転体と相対回動可能なカムシャフトの端部に固定されて、前記ハウジング内を摺動回転する4つの羽根部を有するベーンと、前記ハウジングの内周面に内方へ突設された4つの隔壁部と、該隔壁部と前記羽根部の対向する側面との間に画成され、油圧が給排されて前記ベーンを正逆回転させる遅角側油圧室及び進角側油圧室と、前記一つの羽根部内に摺動自在に設けられたロックピンにより、前記回転体とベーンとの相対回転をロックあるいはロックを解除するロック機構と、を備え、前記ロックピンの摺動用孔が形成された第1の羽根部と対向する第2の羽根部の円周方向の肉厚を、他の2つの羽根部の円周方向の肉厚よりも大きく設定すると共に、前記ベーンが一方側へ回転した際に、前記第2の羽根部の側面が前記一つの隔壁部の対向側面に当接する一方、前記他の2つの羽根部の各側面と対向する各隔壁部の対向側面との間に微小隙間が形成されるように構成したことを特徴としている。
したがって、この発明によれば、例えばベーンが最大遅角側の回転位置では第2の羽根部が、これと対向する隔壁部に当接し、第3,第4の羽根部はこれに対向する隔壁部との間に微小隙間が存在することから、第1の羽根部と隔壁部との張り付きが防止されて、ベーンの反対方向の回転時における応答性を向上させることができる。
図1〜図4は本発明に係る内燃機関のバルブタイミング制御装置の実施形態を示し、吸気弁側に適用したものを示している。
すなわち、機関の図外のクランクシャフトにより合成樹脂製のタイミングベルトを介して回転駆動される回転体たるタイミングプーリ1と、該タイミングプーリ1に対して相対回動可能に設けられたカムシャフト2と、該カムシャフト2の端部に固定されてタイミングプーリ1内に回転自在に収容されたベーン3と、該ベーン3を油圧によって正逆回転させる油圧回路4と、タイミングプーリ1とベーン3との相対回動を所定位置でロックするか、あるいはロックを解除するロック機構10とを備えている。
前記タイミングプーリ1は、図3にも示すように、外周にタイミングベルトが噛合する歯部5aを有する回転部材5と、該回転部材5の前方に配置されてベーン3を回転自在に収容したハウジング6と、該ハウジング6の前端開口を閉塞する蓋体たる円板状のフロントカバー7と、ハウジング6と回転部材5との間に配置されてハウジング6の後端開口を閉塞するほぼ円板状のリアカバー8とから構成され、これら回転部材5とハウジング6及びフロントカバー7,リアカバー8は、4本の小径ボルト9によって軸方向から一体的に結合されている。
前記回転部材5は、ほぼ円環状を呈し、周方向の約90°の等間隔位置に各小径ボルト9が螺着する4つの雌ねじ孔5bが前後方向へ貫通形成されていると共に、内部中央位置に後述する通路構成用のスリーブ25が嵌合する段差径状の嵌合孔11が貫通形成されている。さらに、前端面には、前記リアカバー8が嵌合する円板状の嵌合溝12が形成されている。
また、前記ハウジング6は、前後両端が開口形成された円筒状を呈し、内周面の周方向の90°位置には4つの隔壁部13が突設されている。この隔壁部13は、横断面台形状を呈し、それぞれハウジング6の軸方向に沿って設けられて、各両端縁がハウジング6の両端縁と同一面になっていると共に、基端側には、小径ボルト9が挿通する4つのボルト挿通孔14が軸方向へ貫通形成されている。さらに、各隔壁部13の内端面中央位置に軸方向に沿って切欠形成された保持溝13a内にコ字形のシール部材15と該シール部材15を内方へ押圧する板ばね16が嵌合保持されている。
さらに、前記フロントカバー7は、中央に比較的大径なボルト挿通孔17が穿設されていると共に、前記ハウジング6の各ボルト挿通孔14と対応する位置に4つのボルト孔18が穿設されている。
また、リアカバー8は、後端面に前記回転部材5の嵌合溝12内に嵌合保持される円板部8aを有していると共に、中央にスリーブ25の小径な円環部25aが嵌入する嵌入孔8cが穿設され、さらに前記ボルト挿通孔14に対応する位置に4つのボルト孔19が同じく形成されている。
前記カムシャフト2は、シリンダヘッド22の上端部にカム軸受23を介して回転自在に支持され、外周面所定位置に吸気弁をバルブリフターを介して開作動させる図外のカムが一体に設けられていると共に、前端部にはフランジ部24が一体に設けられている。
前記ベーン3は、焼結合金材で一体に形成され、フランジ部24と嵌合孔11に夫々前後部が嵌合した前記スリーブ25を介して軸方向から挿通した固定ボルト26によってカムシャフト2の前端部に固定されており、中央に前記固定ボルト26が挿通するボルト挿通孔27aを有する円環状の基部27と、該基部27の外周面の周方向の90°位置に一体に設けられた4つの羽根部28a,28b,28c,28dとを備えている。
前記第1〜第4羽根部28a〜28dは、夫々断面ほぼ逆台形状を呈し、各隔壁部13間に配置されていると共に、第1羽根部28aと第2羽根部28bの各外周面のベーン3回転同方向の偏倚した位置に保持溝29、29がそれぞれ軸方向へ切欠形成されていると共に、第3、第4羽根部28c、28dの各外周面のベーン3回転方向のほぼ中央位置に保持溝29、29がそれぞれ軸方向へ切欠形成されている。また、この各保持溝29には、ハウジング6の内周面6aに摺接するコ字形のシール部材30と該シール部材30を外方に押圧する板ばね31が夫々嵌着保持されている。また、この各羽根部28a〜28dの両側と各隔壁部13の両側面との間に夫々4つの進角側油圧室32と遅角側油圧室33が隔成されている。
また、前記各羽根部28a〜28dのうち、後述するロック機構10の摺動用孔35が形成される第1の羽根部28aと、これとボルト26の軸心を中心として対称位置にある第2の羽根部28bとは、同一円周方向の肉厚L1,L1が他の第3,第4の羽根部28c,28dの同一円周方向の肉厚L2,L2に比較して大きくかつ同一に設定されている。したがって、摺動用孔35を形成する前の第1の羽根部28aと第2の羽根部28bとの重量は同一に設定されている。
前記ロック機構10は、前記回転部材5の嵌合溝12の外周側所定位置に形成された係合溝20と、前記係合溝20に対応した前記リアカバー8の所定位置に貫通形成されて、内周面がテーパ状の係合孔21と、該係合穴21に対応した前記1つの羽根部28のほぼ中央位置に内部軸方向に沿って貫通形成された摺動用孔35と、該1つの羽根部28の前記摺動用孔35内に摺動自在に設けられたロックピン34と、該ロックピン34の後端側に弾装されたばね部材であるコイルスプリング39と、ロックピン34と摺動用孔35との間に形成された受圧室40とから構成されている。
前記ロックピン34は、鋼材で成形され、図1〜図5に示すように中央側の中径状の本体34aと、該本体34aの先端側にほぼ先細り円錐状に形成された係合部34bと、本体34aの後端側に形成された段差大径状のストッパ部34cとから構成されており、ストッパ部34cの内部凹溝34dの底面とフロントカバー7の内端面との間に弾装された前記コイルスプリング39のばね力によって係合穴21方向へ付勢されるようになっていると共に、前記本体34aとストッパ34cとの間の外周面及び摺動用孔35の内周面との間に形成された前記受圧室40内の油圧によって係合穴21から抜け出る方向に摺動するようになっている。また、この受圧室40は、前記羽根部28の側部に形成された通孔36によって前記遅角側油圧室33に連通している。また、ロックピン34の係合部34bは、ベーン3の最大遅角側の回動位置において係合部34bが係合穴21内に係入するようになっている。
また、この両者34b,21の係合時には、4枚の羽根部28a〜28dのうちの第2の羽根部28bを、これに対向する隔壁部13に当接させ、他の羽根部28a,28c,28dとこれに対向するそれぞれの隔壁部13との間を、微小隙間sをもって離間状態となるように、ロックピン34とその係合穴21との相対的な位置関係が設定されている。ここで、微小隙間sは、平均トルクや摺動フリクション及びベーン3の大きさによって決定されるようになっている。したがって、他のベーン3と隔壁部13との張り付きが防止されて、回転時の応答性を向上させることができる。尚、4枚の羽根部28a〜28dの全てを離間状態に設定することも可能である。
前記受圧室40は、前記通孔36を介して遅角側油圧室33に連通し、該遅角側油圧室33から導入された油圧によってロックピン34をコイルスプリング39のばね力に抗して図中左方向、つまり係合部34bを係止穴21から抜け出す後退方向へ作動させるようになっている。
一方、コイルスプリング39は、そのばね力が機関作動中にカムシャフト2及びベーン3に発生する正負の交番変動トルクと前記受圧室40に供給される油圧との関係で設定されている。すなわち、コイルスプリング39のばね力は、正の変動トルクの最大ピーク値と負の変動トルクの最大ピーク値の平均値よりも高い油圧が受圧室40に作用した場合、つまり、平均値から正あるいは負の最大ピーク値までの範囲内のトルク値に等しい油圧が作用したときにはじめて圧縮変形するばね力に設定されている。なお、図中、80はロックピン34の良好な摺動を確保するための空気抜き溝である。
そして、前記第2の羽根部28bの外端面ほぼ中央位置には、切欠溝たる円柱状の調整用穴49が形成されている。この調整用穴49は、第1の羽根部28a側の重量に対してバランスを調整するので、その大きさは摺動用孔35の切欠分の第1の羽根部28aの重量とロックピン34の重量とを加算した第1羽根部28a側全体の重量に対して同一の重量となるようにその深さQや内径Dが設定されている。
前記油圧回路4は、図1〜図3に示すように進角側油圧室32に対して油圧を給排する第1油圧通路41と、遅角側油圧室33に対して油圧を給排する第2油圧通路42との2系統の油圧通路を有し、この両油圧通路41,42には、供給通路43とドレン通路44とが夫々通路切替用の電磁切替弁45を介して接続されている。前記供給通路43には、オイルパン46内の油を圧送するオイルポンプ47が設けられている一方、ドレン通路44の下流端がオイルパン46に連通している。
前記第1油圧通路41は、シリンダヘッド22内からカムシャフト2の軸心内部に形成された第1通路部41aと、固定ボルト26の内部軸線方向を通って頭部26a内で分岐形成されて第1通路部41aと連通する第1油路41bと、該頭部26aの小径な外周面とベーン3の基部27内のボルト挿通孔27aの内周面との間に形成されて第1油路41bに連通する油室41cと、ベーン3の基部27内にほぼ放射状に形成されて油室41cと各進角側油圧室32に連通する4本の分岐路41dとから構成されている。
一方、第2油圧通路42は、シリンダヘッド22内及びカムシャフト2の内部一側に形成された第2通路部42aと、前記スリーブ25の内部にほぼL字形状に折曲形成されて第2通路部42aと連通する第2油路42bと、回転部材5の嵌合孔11の外周側孔縁に形成されて第2油路42bと連通する4つの油通路溝42cと、リアカバー8の周方向の約90°の位置に形成されて、各油通路溝42cと遅角側油圧室33とを連通する4つの油孔42dとから構成されている。
前記電磁切替弁45は、4ポート2位置型であって、内部の弁体が各油圧通路41,42と供給通路43及びドレン通路44とを相対的に切り替え制御するようになっていると共に、コントローラ48からの制御信号によって切り替え作動されるようになっている。コントローラ48は、機関回転数を検出するクランク角センサや吸入空気量を検出するエアフローメータからの信号によって現在の運転状態を検出すると共に、クランク角及びカム角センサからの信号によってタイミングプーリ1とカムシャフト2との相対回動位置を検出している。
以下、本実施形態の作用を説明する。まず、機関始動時及びアイドリング運転時には、コントローラ48から制御信号が出力された電磁切替弁48が供給通路43と第2油圧通路42を連通させると共に、ドレン通路44と第1油圧通路41とを連通させる。このため、オイルポンプ47から圧送された油圧は第2油圧通路42(油通路溝42c→油孔42d)を通って遅角側油圧室33に供給される一方、進角側油圧室32には、機関停止時と同じく油圧が供給されず低圧状態を維持している。
したがって、ベーン3は、図3に示すように各羽根部28が進角側油圧室32側の各隔壁部13の一側面に当接すると共に、他の羽根部28a、28c、28dは各隔壁部13の一側面に微小隙間sを介して近接した状態になる。したがって、タイミングプーリ1とカムシャフト2との相対回動位置が一方側(遅角側)に保持されて、吸気弁の開閉時期を遅角側に制御する。これによって、慣性吸気の利用による燃焼効率が向上して機関回転の安定化と燃費の向上が図れる。
一方、この運転状態における遅角側油圧室33内の油圧は、今まだ十分に高くならずに比較的低い状態になっているため、ベーン3は図示の位置に保持されるもののロックピン34は、通孔36から受圧室40へ供給される油圧よりもコイルスプリング39のばね力が打ち勝って係合部34aがリアプレート8の係合穴21内に係合した状態を維持する。したがって、ベーン3は、当該遅角側の位置に安定かつ確実に保持されて、遅角側油圧室33内の油圧の変動やカムシャフト2に発生する正負の変動トルクによる揺動振動の発生を防止でき、ひいては、ベーン3と隔壁部13との衝突音を防止できる。
また、車両が走行を開始して所定の低回転低負荷域に移行すると、電磁切替弁45は現状の作動状態を維持し、遅角側油圧室33内の油圧が高くなると、同じく受圧室40内の油圧も高くなって、ロックピン34がコイルスプリング39を圧縮変形させながらばね力に抗して後退動し、係合部34aが係合穴21から抜け出して係合を解除する。このため、ベーン3は、自由な回動が許容されることになるが、遅角側油圧室33内の油圧が高くなっているので、図3に示す位置に安定に保持される。
その後、機関が中回転中負荷域に移行すると、コントローラ48からの制御信号によって電磁切替弁45が作動して、供給通路43と第1油圧通路41を連通させる一方、ドレン通路44と第2油圧通路42を連通させる。したがって、今度は遅角側油圧室33内の油圧が第2油圧通路42を通ってドレン通路44からオイルパン46内に戻されて遅角側油圧室33内が低圧になる一方、進角側油圧室32内に油圧が第1油路41a→41b→分岐路41dを経由して供給されて高圧となる。このため、ベーン3は図3に示す位置から時計方向に回転して各羽根部28a〜28dが反対側(遅角側油圧室側)の各隔壁部13の他側面に当接する位置まで最大に回転する。
尚、この遅角側から進角側へ切り換えられた時点では、遅角側油圧室33の油圧が排出されて低圧になるものの、ベーン3の回転に伴って該遅角側油圧室33内の油圧が押圧されて該油圧も比較的高くなっているため、受圧室40内も高油圧に維持され、したがって、ロックピン34は、コイルスプリング39のばね力に抗して後退位置に保持された状態になっている。したがって、ベーン3は、自由な回転が規制されることなく、遅角側油圧室33方向へ速やかに回転する。
したがって、タイミングプーリ1とカムシャフト2とは、他方側へ相対回動して吸気弁の開閉時期を進角側へ制御する。これによって、機関のポンプ損失が低減して出力の向上が図れる。
さらに、機関高回転高負荷域に移行すると、電磁切替弁45が作動してアイドリング運転時などと同じように供給通路43と第2油圧通路42,ドレン通路44と第1油圧通路41とを夫々連通させて、進角側油圧室32を低圧、遅角側油圧室33を高圧にするため、ベーン3は、図3に示すように反時計方向へ回動して、タイミングプーリ1とカムシャフト2とを一方側へ相対回動させ、吸気弁の開閉時期を遅角側へ制御する。これによって、吸気充填効率の向上による出力の向上が図れる。
尚、機関停止時には、アイドリング運転等を経るためベーン3は、進角側油圧室32方向へ回転して図3に示す状態となり、ロックピン34の係合部34bがコイルスプリング39のばね力で係合孔21に係合する。また、万一アイドリング運転等を経ないで機関が停止しても、カムシャフト2に発生する変動トルクによりベーン3が進角側油圧室32方向へ回動して、ロックピン34が係合穴21に係合する。
そして、第1の羽根部28a全体の重量に対してその対称位置にある第2の羽根部28bに円柱の調整用穴49を形成して、重量バランスを調整したため、羽根部28a〜28d全体の回転のアンバランスが防止されて常時円滑な正逆回転が得られる。したがって、機関運転状態に応じたバルブタイミング制御精度が向上する。
しかも、従来例のように第1の羽根部の周方向の肉厚を大きくするのではなく、第1,第2の羽根部28a,28bの周方向の肉厚を同一にして、さらに第2の羽根部28bに第1の羽根部28a側の重量に応じて調整用穴49を形成するものであるから、重量バランスが精度良く調整できると共に、単に調整用穴49を形成するだけであるから、その成形作業が極めて容易である。
また、各油圧室32,33には、機関の運転状態に応じて油圧を適宜給排することによりベーン3を所望の中間位置に保持することも可能である。
さらに、本実施形態によれば、各油圧室32,33への油圧の給排制御によって吸気弁の開閉時期を可変制御できることは勿論のこと、ロック機構10のコイルスプリング39のばね力を前述のように特異な設定値としたため、ロック解除初期における変動トルクによるベーン3の振動が抑制されて、隔壁部13との振動打音の発生が防止されると共に、ベーン3等の耐久性の向上が図れる。
また、本発明の他の実施形態としては、第2の羽根部28bに、前述のように第1の羽根部28a側の重量を細かく考慮せず、少なくとも、第1の羽根部28a側の全体重量よりも軽量となるような切欠溝、例えば第1の実施形態のような円柱状の穴を形成し、この穴内に所定重量のウエイトを挿入固定することにより、第1の羽根部28a側の重量バランスを調整することも可能である。この場合は、ウエイトの比重を考慮しつつ、その大きさ等を変化させればよいので、より高精度なバランス調整が可能となる。
本発明は前記実施形態の構成に限定されるものではなく、例えばロック機構10の受圧室40に供給される油圧を遅角側油圧室33からではなく、これらとは独立した油圧回路を利用することも可能である。また、調整用孔49は、円柱状である必要はなく、断面矩形状などであってもよい。
本発明の第1の実施形態を示す図3のA−A線断面図。 図3のB−B線断面図。 図1のC−C線断面図。 本実施形態の分解斜視図。 従来のバルブタイミング制御装置を示す断面図。 図5のD−D線断面図。
符号の説明
1…タイミングプーリ(回転体)
2…カムシャフト
3…ベーン
4…油圧回路
6…ハウジング
7…フロントカバー
10…ロック機構
13…隔壁部
27…基部
28a…第1の羽根部
28b…第2の羽根部
28c,28d…第3,第4の羽根部
29…保持溝
30…シール部材
32…進角側油圧室
33…遅角側油圧室

Claims (1)

  1. 機関のクランクシャフトによって回転駆動するハウジングを有する回転体と、
    該回転体と相対回動可能なカムシャフトの端部に固定されて、前記ハウジング内を摺動回転する4つの羽根部を有するベーンと、
    前記ハウジングの内周面に内方へ突設された4つの隔壁部と、
    該隔壁部と前記羽根部の対向する側面との間に画成され、油圧が給排されて前記ベーンを正逆回転させる遅角側油圧室及び進角側油圧室と、
    前記一つの羽根部内に摺動自在に設けられたロックピンにより、前記回転体とベーンとの相対回転をロックあるいはロックを解除するロック機構と、を備え、
    前記ロックピンの摺動用孔が形成された第1の羽根部と対向する第2の羽根部の円周方向の肉厚を、他の2つの羽根部の円周方向の肉厚よりも大きく設定すると共に、
    前記ベーンが一方側へ回転した際に、前記第2の羽根部の側面が前記一つの隔壁部の対向側面に当接する一方、前記他の2つの羽根部の各側面と対向する各隔壁部の対向側面との間に微小隙間が形成されるように構成したことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
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