JP6312568B2 - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents

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本発明は、内燃機関の吸気弁や排気弁の開閉タイミングを運転状態に応じて可変制御する内燃機関のバルブタイミング制御装置に関する。
従来のバルブタイミング制御装置としては、例えば、吸気弁側に適用された以下の特許文献1に記載されているものがある。
概略を説明すると、クランク軸から回転力が伝達されるハウジングと、該ハウジングの内部に相対回転自在に収容されて、カムシャフトの端部に固定されたベーンロータと、を備え、前記ハウジングの内周面に直径方向から互いに内方へ突出された複数のシューと前記ベーンロータの複数のベーンとの間に進角油室と遅角油室が隔成されている。
また、前記ハウジングとベーンロータとの間には、例えば機関停止時に、ベーンロータがハウジングに対して最遅角側の相対回転位置でロックさせるロック機構が設けられている。
このロック機構は、前記一つのベーンの内部軸方向に形成された摺動用孔に摺動自在に設けられたロックピンと、前記ハウジング本体の一端開口を閉塞するリアプレートに設けられて、前記ロックピンの先端部がコイルばねのばね力によって係合するロック穴とを備えている。
そして、機関始動時には、オイルポンプから電磁切換弁を介して前記遅角油室に供給された油圧が、同時に前記ロック穴に形成された受圧室にも供給される。この油圧によって、前記ロックピンがコイルばねのばね力に抗して後退移動してロック穴に対するロックが解除されるようになっている。
これにより、前記ハウジングに対するベーンロータの自由な相対回転が許容されて、機関運転状態に応じて進角側あるいは遅角側に相対回転することにより、吸気弁の開閉タイミングを制御するようになっている。
特開2011−220137号公報 特許第4168450号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載のバルブタイミング制御装置は、機関停止後の再始動までに、比較的長い時間放置した場合には、前記各遅角油室や各進角油室内の作動室及び油圧回路内の作動油がオイルパン内に自然落下して、前記各作動室や油圧回路内に空気が溜まってしまう。
したがって、機関始動時のクランキング時に、例えば前記油圧回路を介して前記各遅角油室にオイルポンプから油圧が供給されるが、このとき、前記油圧回路内や各遅角油室に溜まっていた空気が、前記油圧によって圧縮空気となってロック機構の前記記受圧室内に前記油圧よりも先に入り込んで前記ロックピンを不用意に後退移動させてしまうおそれがある。
これによって、前記各遅角油室に油圧が供給される前に、前記ベーンロータのハウジングに対するロックが解除されてしまう。この結果、ベーンロータの挙動が不安定となって前記カムシャフトに作用する交番トルクなどに起因してベーンロータのベーン部がハウジングの各シューに干渉して大きな打音が発生するおそれがある。
特に、冷機始動時には、前記オイルポンプから圧送される作動油の粘性も高いことから、油圧回路内での流動抵抗が大きくなって各遅角油室への油圧の供給が遅れるため、前記圧縮空気によるベーンロータの誤った早期解除が行われ易くなる。
そこで、特許文献2に記載されている発明のように、遅角油室と受圧室との間に空気抜き通路を形成し、この空気抜き通路は、ロータの周方向においてベーンの中間部に形成された溝部によって形成されていると共に、ロータを貫通して形成された大気通路に連通するようになっている。
そして、機関始動時に、前記遅角油室から受圧室側へ作動油に混在した空気が流入すると、前記空気抜き通路から大気通路を通って大気に排出されることにより、ロックピンの不用意な抜けだしを抑制するようになっている。
しかしながら、前記特許文献2に記載されている発明は、前記空気抜き通路が大気通路と常時連通して状態になっているか、あるいは連通状態から所定時間経過した後に連通が遮断されるようになっている。つまり、比較的長い連通状態が維持されている。
このため、遅角油室に供給された空気が排出された後には、作動油もそのまま排出されてしまうおそれがある。この結果、チェーンスプロケットに対するロータの相対回転変換の応答性が低下してしまう。
本発明は、機関始動におけるロック早期解除の発生を抑制して、ベーンロータによる干渉打音の発生を抑制すると共に、エア排出後におけるベーンロータの相対回転変換の良好な作動応答性を確保し得るバルブタイミング制御装置を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、とりわけ、ハウジングに対してベーンロータの相対回転位置をロックするか、または、進角作動室または遅角作動室の少なくとも一方側の作動室からの油圧によって前記ベーンロータのロックを解除するロック機構と、ロータ部の前記ハウジングとの接触面に形成されて、前記進角作動室または遅角作動室の一方と連通する連通溝と、前記ハウジングに設けられ、前記連通溝と大気とを適宜連通する連通孔と、を備え、
前記ロック機構によってベーンロータがロックされている場合は、前記連通溝の一部と連通孔が重なるように形成すると共に、前記連通溝の一部の重なり長さを、前記連通孔の半径長さよりも短く形成し、
前記ロック状態が解除されて、前記ベーンロータが相対回転した際には、前記連通溝の一部と連通孔との連通を規制するように形成し、
前記ロック機構は、前記ベーンロータの最遅角側の相対回転位置でハウジングに対してロックさせると共に、前記連通溝は前記進角作動室と連通することを特徴としている。
本発明によれば、機関始動におけるベーンロータのロックの誤った早期解除を抑制して、ベーンロータによる干渉打音の発生を抑制することができると共に、エア排出後におけるベーンロータの相対回転変換の良好な作動応答性を確保することができる。
本発明に係るバルブタイミング制御装置の一実施形態を示す分解斜視図である。 同実施形態のバルブタイミング制御装置の油圧回路を示す概略図である。 図2のA−A線断面図である。 Aは本実施形態に供されるロータ部のエア抜き溝を示す断面図、Bはエア抜き溝の他の構造を示す断面図である。 第2エア抜き溝と第2連通孔との関係を示し、Aは要部拡大図、BはAのB−B線断面図である。 同実施形態によるバルブタイミングを遅角側に制御した状態を、フロントプレートを外して示す正面図である。 同実施形態によるバルブタイミングを進角側に制御した状態を、フロントプレートを外して示す正面図である。 同実施形態によるバルブタイミングを遅角側に制御した状態を、フロントプレートを取り付けた状態で示す正面図である。 同実施形態によるバルブタイミングを進角側に制御した状態を、フロントプレートを取り付けた状態で示す正面図である。 本発明の第2実施形態におけるバルブタイミングを遅角側に制御した状態を、フロントプレートを取り付けた状態で示す正面図である。 本実施形態によるバルブタイミングを進角側に制御した状態を、フロントプレートを取り付けた状態で示す正面図である。 第3実施形態におけるバルブタイミングを遅角側に制御した状態を、フロントプレートを取り付けた状態で示す正面図である。 第4実施形態における第2エア抜き溝と第2連通孔との関係を示し、Aは要部拡大図、BはAのB−B線断面図である。 第5実施形態に供される第2エア抜き溝と第2連通孔を示す拡大図である。
以下、本発明に係る内燃機関のバルブタイミング制御装置を吸気弁側に適用した実施形態を図面に基づいて説明する。
このバルブタイミング制御装置は、図1、図2、図6〜図9に示すように、機関の図外のクランクシャフトによってタイミングチェーンを介して回転駆動されるスプロケット1と、該スプロケット1に対して相対回動可能に設けられたカムシャフト2と、スプロケット1とカムシャフト2との間に配置されて、該両者1,2の相対回動位置を変換する位相変換機構3と、該位相変更機構3の作動をロックするロック機構4と、を備えている。
前記スプロケット1は、後述するハウジング本体11と一体に形成されており、外周にギア部が形成されている。
前記カムシャフト2は、図外のシリンダヘッドにカム軸受を介して回転自在に支持され、外周面所定位置に図外の吸気弁をバルブスプリングのばね力に抗して開作動させる複数の駆動カムが一体に設けられていると共に、一端部2aの内部軸方向に後述するカムボルト6の雄ねじ部6aが螺着する雌ねじ孔2bが形成されている。
前記位相変換機構3は、カムシャフト2の一端部2a側に配置されたハウジング5と、前記カムシャフト2の一端部2aに前記カムボルト6によって軸方向から固定されて、前記ハウジング5内に回転自在に収容されたベーンロータ7と、前記ハウジング5内に形成されて、後述するハウジング本体11の内周面に一体に有する5つの第1〜第4シュー8a〜8eとベーンロータ7の後述する5枚のベーン22〜26とによって隔成されたそれぞれ5つの遅角作動室である遅角油室9及び進角作動室である進角油室10と、前記各遅角油室9と各進角油室10にそれぞれ油圧を選択的に給排する油圧回路と、を備えている。
前記ハウジング5は、軸方向両端が開口されたほぼ円筒状の前記ハウジング本体11と、該ハウジング本体11の軸方向前端開口を閉塞するフロントプレート12と、ハウジング本体11の軸方向後端開口を閉塞するリアプレート13とを備え、該ハウジング本体11に対してフロントプレート12とリアプレート13が5本のボルト14によって軸方向から共締めにより一体的に結合されている。
前記ハウジング本体11は、焼結金属材によって一体に形成され、外周に前記スプロケット1が一体に設けられていると共に、内周面の円周方向のほぼ等間隔位置に前記5つの第1〜第4シュー8a〜8eが内方へ一体に突設されている。
この各シュー8a〜8eは、それぞれが側面視ほぼ台形状に形成されて、それぞれの先端部に軸方向に沿って形成されたシール溝内にほぼコ字形状のシール部材16がそれぞれ嵌着固定されている。また、各シュー8a〜8eの径方向外周側、つまりハウジング本体11の内周面に対する結合部である付け根部側の内部軸方向には、前記各ボルト14が挿通するボルト挿通孔17が貫通形成されている。
前記フロントプレート12は、金属板をプレス成形によって比較的薄肉な円板状に形成され、中央に前記カムボルト6の頭部6bが嵌入する大径孔12aが穿設されていると共に、外周側の円周方向等間隔位置には、前記各ボルト14が挿通する5つのボルト孔12bが貫通形成されている。
前記リアプレート13は、全体が焼結合金によって形成されていると共に、中央に前記カムシャフト2の一端部2aが挿通して回転自在に支持される支持孔13aが貫通形成されていると共に、外周側の円周方向等間隔位置には、前記各ボルト14の先端部の雄ねじが螺着する5つの雌ねじ孔13bが形成されている。
また、前記リアプレート13の内端面には、前記各進角油室10に連通する5つの進角側油溝18が前記支持孔13aの中心から放射状に形成されている。
前記ベーンロータ7は、金属材によって一体に形成されており、中央に形成された挿通孔7a内に軸方向から挿通した前記カムボルト6によってカムシャフト2の一端部2aに軸方向から固定された円筒状のロータ部21と、該ロータ部21の外周面の円周方向のほぼ等間隔位置に放射状に突設された5枚の第1〜第5ベーン22〜26と、を備えている。
前記ロータ部21は、前記各シュー8a〜8eの先端部上面に嵌着固定された前記シール部材16に摺動しつつ回転するようになっている。また、ロータ部21は、図6〜図9に示すように、前記各ベーン22〜26のそれぞれの両側の径方向に前記各遅角油室9に連通する5つの遅角側油孔19が径方向に沿ってそれぞれ貫通形成されている。また、ロータ部21のカムシャフト2側の端面中央には、図2に示すように、前記カムシャフト2の一端部2a先端が嵌合する嵌合溝21aが形成されている。
前記各ベーン22〜26は、図6にも示すように、それぞれが各シュー8a〜8e間に配置されていると共に、各先端面に軸方向に形成されたシール溝内に前記ハウジング本体11の内周面11aに摺接するほぼコ字形状のシール部材20がそれぞれ嵌着されている。
また、この各ベーン22〜26は、第1ベーン22が最大幅に形成され、他の4枚の第2〜第5ベーン23〜26が第1ベーン22よりも十分に小さい幅でかつほぼ同一の幅に設定されている。このように、最大幅の第1ベーン22に対して他の4つのベーン23〜26の幅をそれぞれ小さくすることによってベーンロータ7全体の重量バランスを均一化するようになっている。
前記第1ベーン22は、ベーンロータ7が図6、図8に示す最大反時計方向へ回転した際に、一側面が前記第1シュー8aの対向側面に当接して前記ハウジング5に対する最大遅角側の相対回転位置が規制され、ベーンロータ7が図7、図9に示す最大時計方向へ回転した際に、他側面が前記第2シュー8bの対向側面に当接して最大進角側の相対回転位置が規制されるようになっている。
なお、前記第1ベーン22が第1、第2シュー8a、8bに当接した状態では、図6,図7に示すように、他のベーン23〜25は円周方向で対向するいずれのシュー8a〜8eにも当接しないようになっている。
前記ロック機構4は、図1〜図3及び図6〜図9に示すように、前記第1ベーン22の内部軸方向に貫通形成された摺動用孔29と、該摺動用孔29内に摺動自在に収容されて、リアプレート13側に対して進退自在が設けられたロックピン30と、前記リアプレート13の径方向のほぼ中央所定位置に形成され、前記ロックピン30の先端部30aが係合してベーンロータ7をロックするロック凹部であるロック穴31と、機関の始動状態に応じて前記ロックピン30の先端部30aをロック穴31に係合させ、あるいは係合を解除させる係脱機構と、から構成されている。
前記摺動用孔29は、図3に示すように、内周面が段差径状に形成されて、リアプレート13側の前端側の小径孔29aと後端側の大径孔29bとを有し、該小径孔29aと大径孔29bとの間に環状の第1段差部29cが形成されている。
前記ロックピン30は、図2、図3に示すように、前記ロック穴31と摺動用孔29に対応して外周面が段差径状に形成され、最小径の前記先端部30aと、該先端部30a側より後ろ側の中空状の小径部30b及び大径部30cと、該小径部30bと大径部30cとの間に形成された第2段差部30dを有し、前記先端部30aは、中実になっており、この外周面が円錐状に形成されて前記ロック穴31内に係合し易い形状になっている。
また、前記摺動用孔29の第1段差部29cとロックピン30の第2段差部30dとの間に環状の第1受圧室33aが形成されていると共に、前記ロックピン30の先端部30aとロック穴31との間に第受圧室33bが形成されている。これら第1、第2受圧室33a、33bは、後述する解除用油圧回路の一部を構成している。
前記ロック穴31は、リアプレート13に穿設された保持孔3cに圧入固定された有底円筒状のロック穴構成部34の内部に形成されて、ロック穴構成部34を介して円周方向の前記進角油室10側寄り、つまり、ベーンロータ7が最大遅角側に相対回転した場合に前記ロックピン30と軸方向から対向する位置に形成されている。
したがって、前記ロックピン30がロック穴31係合した場合には、ハウジング5とベーンロータ7の相対回転角度が機関始動に最適な最大遅角の変換角度となるように設定されている。
また、前記摺動用孔29の後端側のベーンロータ7の後面には、図1及び図2に示すように、切欠溝35がロック穴31の径方向に沿って形成されている。この切欠溝35は、前記フロントプレート13の挿通孔12aの孔縁に周方向に沿って円弧状に切欠形成された溝状の第1連通孔50を介して外気と連通させることによって、ベーンロータ7の回転範囲内で常にロックピン30の摺動用孔29内での良好な摺動性を確保するようになっている。
前記第1連通孔50は、その円弧長さが前記ベーンロータ7の最遅角側と最進角の相対回転する範囲内において常時切欠溝35と連通する長さに設定されていると共に、後述する連通機構の一部を構成している。これによって、前記ロックピン30の摺動用孔29内での良好な摺動性を確保されるようになっている。
前記係脱機構は、前記ロックピン30の後端部とフロントプレート12の内端面との間に弾装されて、ロックピン30を進出方向(ロック穴31方向)へ付勢するコイルスプリング32と、前記ロック穴31と第1、第2受圧室33a、33b内にそれぞれ油圧を供給してロックピン30を後退させる解除用油圧回路と、から構成されている。
前記コイルスプリング32は、前記ベーンロータ7が最大遅角位相位置に相対回転した際に、そのばね力によって前記ロックピン30を進出移動させて、ロックピン30の先端部30aをロック穴31内に係入させて、ハウジング5に対してベーンロータ7をロックさせるようになっている。
この解除用油圧回路は、図3に示すように、前記遅角油室9と進角油室10にそれぞれ供給された油圧を、第1ベーン22の内部及び側面に形成された第1油孔41aと第2油孔41bを介して前記第1受圧室33aと第2受圧室33bにそれぞれ供給する。これによって、前記ロックピン30を、前記コイルスプリング32のばね力に抗して後退移動させて、先端部30aと前記ロック穴31との係合を解除して、ハウジング5に対してベーンロータ7の相対回転を許容するようになっている。
また、前記ハウジング本体11とリアプレート13との間には、これらの各構成部材を前記各ボルト14によって組み付ける際に、ハウジング本体11とリアプレート13の回転位置、つまり前記ロックピン30の先端部30aとロック穴31との円周方向の位置決めなどを行う位置決め手段が設けられている。
この位置決め手段は、図1に示すように、前記ハウジング本体11の一つのシュー22に形成された図外の位置決め溝と、前記リアプレート13の外周部側の内端面の前記位置決め溝と対応する位置に設けられた位置決めピン42と、から構成されている。
前記油圧回路は、前記各遅角、進角油室9,10に対して油圧を選択的に供給するか、あるいは各遅角、進角油室9,10内の油を排出するもので、図2に示すように、前記各遅角側油孔19に連通する遅角側通路36と、前記各進角側油溝18に連通する進角側通路37と、該各通路36,37に設けられた電磁切換弁38と、各通路36,37に電磁切換弁38を介して油圧を選択的に供給するオイルポンプ39と、前記各遅角側、進角側通路36,37に電磁切換弁38を介して選択的に連通するドレン通路40と、を備えている。なお、前記オイルポンプ39の吸入通路39bとドレン通路40はオイルパン41に連通している。
前記両遅角側、進角側通路36、37は、一端部がカムシャフト一端部2aの径方向や内部軸方向に沿って形成された油通路孔36a、37a及び外周側のグルーブ溝36b、37b介して前記各油溝18及び各油孔19に連通している。
前記電磁切換弁38は、2方向弁であって、図外のコントローラかからの出力信号によって各通路36,37とオイルポンプ39の吐出通路39aとドレン通路40とを選択的に切り換え制御するようになっている。
前記コントローラは、内部のコンピュータが図外のクランク角センサやエアーフローメータ、水温センサ、スロットルバルブ開度センサなどの各種センサ類からの情報信号を入力して現在の機関運転状態を検出すると共に、かかる機関運転状態に応じて前記電磁切換弁38の電磁コイルに制御電流を出力するようになっている。
そして、前記フロントプレート12とロータ部22との間には、機関の始動初期に前記遅角油室9と進角油室10内に供給された圧縮空気を大気に排出する連通機構が設けられている。
具体的に説明すれば、前記連通機構は、図1、図3、図5〜図9に示すように、前記ベーンロータ7のロータ部21の前記フロントプレート12の内側面12cに対向した一端面21bに形成された2つの連通溝である第1、第2エア抜き溝51,52と、前記フロントプレート12の挿通孔12aの内周縁に形成されて、前記第1エア抜き溝51に適宜連通する前記第1連通孔50と、フロントプレート12の前記第1連通孔50の側部に形成されて、前記第2エア抜き溝52に適宜連通する第2連通孔53と、から構成されている。
前記第1、2エア抜き溝51、52は、図4及び図5A,Bに示すように、前記一端面21bの前記第1ベーン22を挟んだ周方向両側に形成されていると共に、横断面ほぼ矩形状に形成され、前記ロータ部21の外周縁から径方向内側へ細長く形成されている。この第1エア抜き溝51,52は、前記ロータ部21の一端面21bとサイドクリアランスをもって対向した前記フロントプレート12の内側面12cと協働して通路孔を構成している。
また、各エア抜き溝51,52は、図6及び図8に示すように、前記ベーンロータ7が最大遅角側の相対回転位置において、それぞれの径方向の各外側の各一端部51a、52aが前記一つの遅角油室9と進角油室10にそれぞれ連通する一方、径方向の各内側の各他端部51b、52bが前記第1連通孔50と第2連通孔53にそれぞれ連通するようになっている。
すなわち、図5A,Bに示す第2エア抜き溝52側を例に取ると、該第2エア抜き溝52は、ベーンロータ7が最大遅角側の相対回転位置にある場合には、一端部52aが前記ロータ部21と第1シュー8aの径方向内端面との間に隙間Cを介して前記進角油室9に連通していると共に、他端部52bが前記第2連通孔53に重なり合っている(オーバーラップ領域)。この他端部52bのオーバーラップ領域長さLは、前記第2連通孔53の中心Pからの半径rの長さよりも僅かに短く形成されている。
一方、前記第1エア抜き溝51は、図8に示すように、進角油室9側の一側縁が円弧状の第1連通孔50の周方向の進角油室9側の端縁に沿って形成されていると共に、一端部が進角油室9に連通し、他端部の先端縁が第1連通孔50に連通している。
なお、本実施形態では、第1連通孔50は、円弧状に形成されているが、この第1連通孔50も第2連通孔53と同じく小径な円形孔としてもよく、この場合も第1エア抜き溝51の他端部51bと第1連通孔50との重なり合うオーバーラップ領域が前記Lとrと同じ関係になるように構成することも可能である。
そして、図7及び図9に示すように、前記ベーンロータ7が最遅角側の相対回転位置から進角側へ相対回転すると、各フロントプレート12と位置ずれが生じて各内端開口がフロントプレート12の内側面12cによって閉塞されて連通が規制されるようになっている。
特に、前記第2エア抜き溝52は、前記Lとrとの関係で第2連通孔53とのオーバーラップ領域が小さくなっており、また、第1エア抜き溝51も一側縁が第2連通孔50の側縁に配置されていることから、前記ベーンロータ7の最遅角側から進角側へ僅かな位置ずれが生じると、即座に第2エア抜き溝52との連通が遮断されることになる。また、前記第2連通孔53の内径も比較的小さく形成されていることから、第2エア抜き溝52との連通の規制速度の向上に貢献している。
また、前記各エア抜き溝51,52は、巾寸法が約1mm程度であって断面積が極めて小さく形成されていることから、前記遅角油室9と進角油室10内の空気を通流させることはできるが、作動油は粘度に拘わらず殆ど通流させることができないような大きさになっている。
なお、前記第1、第2エア抜き溝51,52は、図4Bに示すように、横断面ほぼV字形状に形成することも可能であり、このようにすればベーンロータ7の焼結成形時の型抜き性が良好になると共に、断面積を小さくできるので、作動油の通流をさらに制限することが可能になる。
〔本実施形態の作用〕
以下、本実施形態の作用を説明すれば、まず、機関停止時には、図6及び図8に示すように、カムシャフト2に作用する交番トルクによってベーンロータ7が最大遅角位置に相対回転し、この位置でコイルスプリング32のばね力によってロックピン30の先端部30aがロック穴31内に係入して、ベーンロータ7を始動に最適な最遅角側の位置にロックする。
かかる機関停止状態が例えば1日間などの比較的長時間継続されていると、この時点で最大容積となっている前記各遅角油室9や最小容積の各進角油室10及び油圧回路内の作動油が自然にオイルパン41内に落下して、各油室9、10や各通路36、37などの油圧回路内に空気が流入して滞留する。
次に、イグニッションスイッチをオン操作して始動が開始されると、つまり、クランキング初期の段階において、コントローラが電磁切換弁38の電磁コイルへの非通電状態が維持される。これによって、図2に示すように、オイルポンプ39の吐出通路39aと遅角側通路36を連通させると同時に、進角側通路37とドレン通路40を連通させる。
このため、オイルポンプ39から吐出された作動油は、遅角側通路36などを介して各遅角油室9内に流入して、該各遅角油室9が高圧になる一方、各進角油室10内の作動油が進角側通路37を通ってドレン通路40からオイルパン41内に排出されて、各進角油室10内が低圧になる。
このとき、前記各遅角油室9や遅角側通路36などの油圧回路内に溜まった空気は、前記油圧によって押し込まれて圧縮空気となり、前記油圧よりも先に各遅角油室9に圧縮空気として供給されるが、この圧縮空気は、一つの遅角油室9aから前記第1エア抜き溝51を通って、第1連通孔50から大気中へ速やかに排出される。
このように、前記一つの遅角油室9aに流入し、また、この遅角油室9aで形成された圧縮空気は、前記第1エア抜き溝51を通って第1連通孔50から大気中に速やかに排出されるため、前記圧縮空気は、第1油孔41aからロック穴31の第1受圧室33aに流入することがなくなる。したがって、前記ロックピン30は、後退移動することなく、先端部30aが早期にロック穴31から抜けだしてロックが解除されることがなくなる。
このため、ベーンロータ7は、かかる機関始動のクランキン初期の時点ではロック状態が維持されて、最遅角の相対回転位置になっていることから、スムーズなクランキングによって良好な始動性が得られることは勿論のこと、ばたつきが抑制されると共に、各ベーン22〜26と各シュー8a〜8eとの間の干渉が抑制される。この結果、斯かる激しい干渉打音の発生を十分に抑制することができる。特に、前記第1ベーン22と各シュー8a8bとの間の干渉打音の発生を十分に抑制できる。
前記一つの遅角油室9aから圧縮空気が外部に排出されると同時に、前記ポンプ吐出油圧が前記各油孔19から各遅角油室9に供給されると共に、この油圧が前記第1油孔41aから第1受圧室33a内にも流入して高圧となり、これにより、ロックピン30が後退動して先端部30aがロック穴31から抜け出して、ベーンロータ7の自由な回転が確保される。
したがって、各遅角油室9の容積の拡大状態が維持させることに伴い、ベーンロータ7が、図6及び図8に示すように、反時計方向へ回転した状態となって、第1ベーン22の一側面が第1シュー8aの対向側面に当接して、それ以上の反時計方向の回転が規制される。これにより、ベーンロータ7、つまりカムシャフト2は、スプロケット1(リアプレート13)に対して相対回転角度が最遅角側に維持される。
次に、機関が例えばアイドリング運転などの所定の機関運転状態に移行した場合は、コントローラから電磁切換弁38に制御電流が出力されて、吐出通路39aと進角側通路37を連通させると同時に、遅角側通路36とドレン通路40を連通させる。これにより、各遅角油室9内の作動油が排出されて低圧になると共に、各進角油室10に作動油が供給されて内部が高圧になる。このとき、一つの進角油室10aから第2油孔41bを介して第2受圧室33bに油圧が供給されることから、この油圧によってロックピン30はロック穴31から抜け出した状態が維持される。
このため、ベーンロータ7は、図7,図9に示すように、ハウジング5に対して時計方向へ回転して、第1ベーン22の他側面が第2シュー8bの対向側面に当接して、それ以上の時計方向の回転が規制される。これによって、カムシャフト2のスプロケット1に対する相対回動位相が最進角側に変換される。この結果、吸気弁の開閉タイミングが最進角側に制御されて、かかる運転域における機関の性能を向上させることができる。
以上のように、本実施形態では、機関始動のクランキング初期には、油圧回路の遅角側通路36や遅角油室9内の圧縮空気が、連通機構の第1エア抜き溝51と第1連通孔50を介して大気中に速やかに排出されるため、ロックピン30がロック穴31から誤って早期に抜け出してロックが解除されることがなくベーンロータ7は安定に最遅角側の相対回転位置に保持される。
この結果、カムシャフト2に発生する交番トルクなどに起因したベーンロータ7のばたつきが抑制されると共に、各ベーン22〜26や各シュー8a〜8eとの干渉による打音(騒音)の発生を十分に抑制することができる。
また、前記機関の始動初期(クランキング初期)にオイルポンプ39から吐出された油圧によって油圧回路内で圧縮された空気は、油圧回路側のクリアランスなどによって前記進角側通路37に流入して進角油室10にも供給されるおそれがあるが、この一つの進角油室10aに供給された圧縮空気は、前述した第2エア抜き溝52から第2連通孔53を通って大気中に排出される。このため、前記一つの進角油室10aから第2油孔41bを介して第2受圧室33bに流入することがなくなるので、この状態においても、ロックピン30のロック穴31からの早期の抜け出しによるロック解除を抑制することが可能になる。
特に、本実施形態では、前述した機関の始動開始後に、各油室9,10内のエア抜きが完了した後に、ロック機構によるロックが解除されて遅角油室9内の油圧によって前記ベーンロータ7が、進角側へ僅かに相対回転すると、図7及び図9に示すように、前記第1エア抜き溝51と第2エア抜き溝52がフロントプレート12の内側面12cによって速やかに閉止されることから、前記各エア抜き溝51,52からのエアの排出作用はなくなる。
つまり、前記ベーンロータ7が僅かに進角側へ相対回転してフロントプレート12との周方向へ相対的に位置ずれが生じると、前述した特異な構成によって、前記第1エア抜き溝51と第1連通孔50の連通と、第2エア抜き溝52と第2連通孔53との連通が即座に遮断されることから、前記各油室9,10に供給された作動油が前記各エア抜き溝51,52や各連通孔50、53から大気に排出することがない。
したがって、作動油によるベーンロータ7の進角側への作動応答性が向上して、バルブタイミング制御の良好な応答性を確保できる。
〔第2実施形態〕
図10及び図11は本発明の第2実施形態を示し、第1実施形態の構造を前提として、前記ロータ部21側の第1、第2エア抜き溝51、52と、フロントプレート12側の第1、第2連通孔50、53の他に、他の4つの遅角油室9と大気を連通する複数のエア抜き溝を形成したものである。
すなわち、前記ロータ部21の一端面21bに、他のベーン23〜26の一側に各遅角油室9に連通する4つのエア抜き溝54〜57が形成されていると共に、フロントプレート12の前記各エア抜き溝54〜57に対応した位置に小径な連通孔58〜61が貫通形成されている。この各エア抜き溝54〜57は、前記第1エア抜き溝51と同じ構造であって、断面積も同じであるが、前記各連通孔58〜61は、前記第2連通孔53の内径と同じく大きさに形成されている。
したがって、この実施形態によれば、第1実施形態と同じく機関の始動初期において、遅角側通路36などの油圧回路と他の遅角油室9からの圧縮空気を速やかに大気に排出することができる。したがって、各遅角油室9内での油圧によってベーンロータ7の最遅角側への相対回転位置の保持性を向上させることが可能になる。
また、本実施形態では、前記第1連通孔50を、ロックピン30の摺動性を確保するための空気抜き孔を利用したが、これに限定されるものでなく、第2連通孔53と同じく、前記空気抜き孔とは別個に小径な連通孔を形成することも可能である。
〔第3実施形態〕
図12は第3実施形態を示し、第2実施形態における前記ロータ部21の一端面21bに形成された5つのエア抜き溝とフロントプレート12に形成された5つの連通孔をそれぞれ4つとしたものである。
つまり、第1実施形態における第1、第2エア抜き溝51,52と第1、第2連通孔50,53の他に、他の遅角油室9に連通する第2実施形態における第3、第4エア抜き溝54、57が形成されていると共に、これらに対応してフロントプレート12に第3、第4に小径な連通孔58、61が貫通形成されている。この各エア抜き溝54、57は、前記第1エア抜き溝51と同じ構造であって、断面積も同じであるが、前記各連通孔58、61は、前記第2連通孔53の内径と同じく大きさに形成されている。
したがって、この実施形態によれば、前記各実施形態と同じく機関の始動初期において、遅角側通路36などの油圧回路と他の遅角油室9からの圧縮空気を速やかに大気に排出することができる。したがって、各遅角油室9内での油圧によってベーンロータ7の最遅角側への相対回転位置の保持性を向上させることが可能になる。
また、本実施形態では、前記第1連通孔50を、ロックピン30の摺動性を確保するための空気抜き孔を利用したが、これに限定されるものでなく、第2連通孔53と同じく、前記空気抜き孔とは別個に小径な連通孔を形成することも可能である。
〔第4実施形態〕
図13A,Bは第4実施形態を示し、第1実施形態を基本構成として、前記第2エア抜き溝52の長さを短く形成して、ベーンロータ7が最遅角位置にある場合に、他端部52bの前記第2連通孔53に臨む長さLを第2連通孔53の半径r長さよりもさらに短く形成して両者52b、53の重合面積、つまり、オーバーラップ領域をさらに小さくしたものである。
したがって、この実施形態によれば、前記他端部52bと第2連通孔53とのオーバーラップ領域を小さくすることによって、前記機関始動時における良好なエア抜き効果を確保できることは勿論のこと、前記ベーンロータ7が進角側へ僅かに相対回転した際には、前記他端部52bがフロントプレート12によって即座に遮断されて、他端部52bと第2連通孔53との連通がさらに速やかに規制される。したがって、作動油の大気への排出をさらに抑制することができる。
〔第5実施形態〕
図14は第5実施形態を示し、前記第2エア抜き溝52の基本形状は第1実施形態と同じく他端部52bの第2連通孔53に臨む長さLは第2連通孔53の半径r長さよりも短く形成されているが、異なるところは、他端部52bの形状を先端先細り状の流線形状、つまり放物線状に形成したものである。
したがって、この実施形態では、前記他端部52bの特殊形状によってベーンロータ7の進角側への相対回転直後から第2連通孔53との連通を遮断することができる。したがって、この実施形態でも、作動油の大気への排出をさらに抑制することができる。
本発明は、前記各実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば、バルブタイミング制御装置を排気弁側に適用した場合も、機関始動時には、ベーンロータ7が例えば最進角側に相対回転している際にも、圧縮空気の排出によってベーンロータ7のばたつきや各シューとの干渉を効果的に抑制することが可能になる。
1…スプロケット
2…カムシャフト
3…位相変換機構
4…ロック機構
5…ハウジング
7…ベーンロータ
8a〜8e…第1〜第4シュー
9…遅角油室(遅角作動室)
10…進角油室(進角作動室)
11…ハウジング本体
12…フロントプレート(プレート)
13…リアプレート
14…ボルト
18…進角側油溝
19…遅角側油孔
21…ロータ部
22…第1ベーン
23〜26…第2〜第5ベーン
29…摺動用孔
30…ロックピン
31…ロック穴
32…コイルスプリング(付勢部材)
33a・33b…第1、第2受圧室
35…切欠溝
36…遅角側通路
37…進角側通路
38…電磁切換弁
39…オイルポンプ
40…ドレン通路
50・58・59・60・61…連通孔
51・52・54・55・56・57…エア抜き溝(連通溝)
L…他端部の連通孔に臨む長さ
r…連通孔の半径長さ

Claims (2)

  1. クランクシャフトから回転力が伝達され、内周面に複数のシューが突設されたハウジングと、
    前記ハウジングの内部に相対回転自在に収容されている共に、カムシャフトの一端部に固定されたロータ部及び該ロータ部の外周面から放射状に設けられたベーンと、を有し、前記各シューと協働してハウジング内部に遅角作動室と進角作動室を隔成するベーンロータと、
    前記ハウジングに対して前記ベーンロータの相対回転位置をロックするか、または、前記進角作動室または遅角作動室の少なくとも一方側の作動室からの油圧によって前記ベーンロータのロックを解除するロック機構と、
    前記ロータ部の前記ハウジングとの接触面に形成されて、前記進角作動室または遅角作動室の一方と連通する連通溝と、
    前記ハウジングに設けられ、前記連通溝と大気とを適宜連通する連通孔と、
    を備え、
    前記ロック機構によってベーンロータがロックされている場合は、前記連通溝の一部と連通孔が重なるように形成すると共に、前記連通溝の一部の重なり長さを、前記連通孔の半径長さよりも短く形成し、
    前記ロック状態が解除されて、前記ベーンロータが相対回転した際には、前記連通溝の一部と連通孔との連通を規制するように形成し、
    前記ロック機構は、前記ベーンロータの最遅角側の相対回転位置でハウジングに対してロックさせると共に、前記連通溝は前記進角作動室と連通することを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  2. クランクシャフトから回転力が伝達され、内周面に複数のシューが突設されたハウジングと、
    外周に機関弁を開閉する駆動カムを有するカムシャフトの一端部に固定されたロータ部及び該ロータ部の外周面から放射状に設けられたベーン部と、を有し、前記ハウジングの内部に相対回転自在に収容されて前記各シューと協働してハウジング内部に遅角作動室と進角作動室を隔成するベーンロータと、
    前記ハウジングに対する前記ベーンロータの相対回転を最進角位相位置または最遅角位相位置でロックし、前記進角作動室と遅角作動室の両方の作動室を介して供給された油圧によってロックを解除するロック機構と、
    前記ロータ部の前記ハウジングとの接触面に形成されて、前記進角作動室または遅角作動室のいずれか一方と連通する連通溝と、
    前記ハウジングに設けられ、前記連通溝の一部と重なって大気とを連通させる連通孔と、
    を備え、
    前記連通孔に対する前記連通溝の一部の重なり長さを、前記連通孔の半径長さよりも短く形成し、
    前記ロック機構によってベーンロータがロック状態になっている場合は、前記連通溝と連通孔を介して前記一方の作動室を前記大気と連通させると共に、
    前記ロック状態が解除されて前記ベーンロータが所定角度だけ相対回転した際には、前記連通溝と連通孔との位置ずれによって前記一方の作動室と大気との連通が規制されるように構成した連通機構と、
    を備え、
    前記連通機構は、前記カムシャフトに固定された前記ベーンロータのロータ部に設けられて、前記両方の作動室にそれぞれ連通する一対の連通溝と、前記ハウジングに形成され、前記各連通溝と大気とを連通する一対の連通孔と、を有していることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
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