JP3973897B2 - ポンプ吐出器を備えた容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内容物を充填する容器を外容器に収納しポンプ吐出器によって内容物を適量排出するのに好適な容器に関し、肩カバー内に侵入した水分を効率よく外界へ排出しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
シャンプーやリンス、ボディーソープ等の内容物を充填しておく容器は、資源の有効活用を図る観点から、内容物のみを詰め替えることによって容器そのものを継続して使用できるように詰め替えタイプの容器が多用されてきており、その口部には、内容物の適量吐出ができるように押圧式のポンプ吐出器が配置されている。
【0003】
かかる容器は、大型サイズのものが多く、シャンプー等を充填しておく容器は浴室に常時据え置かれるのが前提になることから、容器内への水分の侵入を防ぐためその肩部には肩カバーが設けられているのが普通であり、この点に関する先行文献としては、実用新案登録第2525996号公報に見られるような注出器が参照される。
【0004】
ところで、この種の容器は、蒸気が立ち込めた雰囲気では、肩カバーと容器との隙間から蒸気が侵入してその内側に水滴が生じるも、その排出ができないために、水が多量に溜まったり、構成部材の連結部分から容器内に水が侵入するおそれがあり、侵入・蓄積された水は時間の経過と共に汚濁する可能性がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、シャワーや浴槽の湯あるいは水が直接かかっても構成部材の間を通して容器内へ侵入するのを確実に防止するとともに、肩カバーの内側に侵入した水を確実に排出できる新規なポンプ吐出器付きの容器を提案するところにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、内容物を充填する容器を内側に収納する外容器と、この外容器を密閉する蓋体にベースキャップを介して固定保持され容器に充填された内容物を吸引、加圧してノズルヘッドの先端ノズルより排出するポンプ吐出器を備えた容器であって、
前記ノズルヘッドに蓋体に向けて開放された開口を有するカバーを設け、前記蓋体にカバーに向けて開放され開口を有し該カバーと協働して内部空間を形成する肩カバーを配設し、
前記蓋体に、内部空間と外容器の内側をつなぐ開口を設け、該外容器の低壁面に、外容器の内側と外界とをつなぐ水抜き孔を成形してなることを特徴とするポンプ吐出器を備えた容器である。
【0007】
内容物を充填する容器若しくは外容器の何れか一方は、その胴部が多角形断面になるのが好適であり、また、内容物を充填する容器は、容器の底部から口部に向けて先細りになるテーパーを有するものとし、外容器の胴部に水抜き孔を設けたものが望ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明をより具体的に説明する。
図1、図2は本発明に従うポンプ吐出器を備えた容器の実施の形態を示した図である。
【0009】
図1、2において1は内容物を充填する容器(以下、内容器と記す)、2は内容器1を内側に収納する外容器である。この外容器2の底面には外容器2の内側と外界をつなぐ水抜き孔2aが設けられている。また、3は外容器2の口部2bにてねじ止めされ該外容器2を密閉する蓋体であり、この蓋体3はその中央部に内容器1の口部1aにつながる開口3aと、該内容器1をねじ止め保持することができる保持部3bと、その表裏を貫通する開口3cを有する。
【0010】
また4はポンプ吐出器である。このポンプ吐出器4は、内容物の吸引、加圧に供するピストンを内挿するシリンダ4aと、シリンダ2内のピストンに連結するノズルヘッド4bと、シリンダ2内に配置される逆止弁4cと、シリンダ2の吸込み口で連結する吸引管4dと、ベースキャップ4eを備えており、該ベースキャップ4eを介して蓋体3に固定保持されている。
【0011】
また、5はノズルヘッド4bと一体成形した例で示したカバーであり、このカバー5は蓋体3に向けて開放された開口5aを有している。
【0012】
6は蓋体3にアンダーカットの如き係合手段によって固定保持することができる肩カバーである。この肩カバー6はカバー5に向けて開放された開口6aを有していて該カバー5と協働してベースキャップ4eを取り囲む内部空間Sを形成する。
【0013】
上掲図1に示した容器は、ノズルヘッド4bを押圧して図3に示すような状態を複数回繰り返すことによって内容物を加圧、排出するものであって、このような動作を導くためカバー5と肩カバー6との間には極微細な隙間が必然的に形成されることになり、水や湯が直接かかった場合等では内部空間Sに水が侵入したり、そこに多量の水が溜まった場合には構成部材の合わせ面から容器内に水が侵入するおそれもあるが、本発明の容器は、蓋体3には内部空間Sと外容器2の内側につながる開口3cが設けらており、該外容器2の低壁面には、外容器2の内側と外界とをつなぐ水抜き孔2aが設けられているため、仮に内部空間Sに水が侵入しても開口3c、外容器2の内側、水抜き孔2aを通して即座に外界に排出されることになる。
【0014】
図4は本発明に従う容器の他の実施の形態を示した図である。この例は、内容器1の胴部を図5に示す如く八角形として、外容器2の内側側壁との間に比較的大きな隙間を形成した例である。内容器1と外容器2の内側側壁との間に比較的大きな隙間を形成しておくことにより、肩カバー6の先端から水が侵入しても効率的に水を排出することが可能になる。また、図示はしないが、内容器胴部を多角形断面とするのに替えて、外容器胴部を多角形断面とすることも可能であり、この場合も前述の効果と同様の効果を奏することができる。
【0015】
図6は本発明に従う容器の他の実施の形態を示した図である。この例は、内容器1の胴部にその底部から口部1aに向けて先細りになるテーパーを設けて外容器2の内側側壁との間に隙間を形成したものであり、この場合、内容器1の底部近傍では、該隙間が小さくなるので、外容器2の胴部に水抜き孔7を別途に設けた構造のものであり、このような構造としても水抜き効率が著しく改善される。
【0016】
本発明に従う容器は上掲図1、図4、図6の何れのものも、ベースキャップ4eと蓋体3とを一方に設けた溝ともう一方に設けた凸部とにてスプライン嵌合させて位置決めするとともにアンダーカットの如き係合手段にて抜け止め保持することができる。
【0017】
内容器1は、ブロー成形によって成形した薄肉の容器が適用できる他、パウチタイプの容器が適用できるものであり、本発明ではこの点に関してはとくに限定はされない。
【0018】
【発明の効果】
本発明によれば、肩カバーの内側に水が入っても外容器の底部から効率よく排出されるので、内部空間に滞った水が容器内に侵入するのは勿論、それによる容器内の汚濁を確実に回避でき、容器を清潔に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に従う容器の実施の形態を示した図である。
【図2】 図1に示した容器の底面図である。
【図3】 ノズルヘッドを押圧した状態を示した図である。
【図4】 本発明に従う容器の他の実施の形態を示した図である。
【図5】 図4に示した容器の底面図である。
【図6】 本発明に従う容器の他の実施の形態を示した図である。
【符号の説明】
1 内容器
1a 口部
2 外容器
2a 水抜き孔
2b 口部
3 蓋体
3a 開口
3b 保持部
3c 開口
4 ポンプ吐出口
4a シリンダ
4b ノズルヘッド
4c 逆止弁
4d 吸引管
4e ベースキャップ
5 カバー
5a 開口
6 肩カバー
6a 開口
7 水抜き孔
S 内部空間
Claims (3)
- 内容物を充填する容器を内側に収納する外容器と、この外容器を密閉する蓋体にベースキャップを介して固定保持され容器に充填された内容物を吸引、加圧してノズルヘッドの先端ノズルより排出するポンプ吐出器を備えた容器であって、
前記ノズルヘッドに蓋体に向けて開放された開口を有するカバーを設け、前記蓋体にカバーに向けて開放された開口を有し該カバーと協働して内部空間を形成する肩カバーを配設し、
前記蓋体に、内部空間と外容器の内側をつなぐ開口を設け、該外容器の低壁面に、外容器の内側と外界とをつなぐ水抜き孔を成形してなることを特徴とするポンプ吐出器を備えた容器。 - 内容物を充填する容器若しくは外容器の何れか一方は、その胴部が多角形断面になる請求項1記載の容器。
- 内容物を充填する容器は、容器の底部から口部に向けて先細りになるテーパーを有するものであり、外容器は、その胴部に水抜き孔を有する請求項1又は2記載の容器。
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