JP3973338B2 - 光ディスク装置、情報処理装置及び光ディスク装置のレーザパワー制御方法 - Google Patents

光ディスク装置、情報処理装置及び光ディスク装置のレーザパワー制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク装置、この光ディスク装置を備えた情報処理装置及び光ディスク装置のレーザパワー制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
マルチメディアの普及に伴い音楽用CD,CD−ROM、最近ではDVD−ROMなどの再生専用メディア(光ディスク)や再生専用光ディスク装置が実用化されている。また、最近では、色素メディアを用いた追記型光ディスクや、光磁気(MO)メディアを用いた書き換え可能なMOディスクの他に相変化型メディアも注目されており、これらの光ディスクを用いた情報記録再生装置が実用化されている。また、書き換え可能なDVDメディアは次世代のマルチメディア記録媒体及び大容量ストレージ媒体として多いに注目されている。
【0003】
何れにしても、光ディスクに対して記録又は再生を良好に行なうためには、半導体レーザ等のレーザ光源が発するレーザ光の発光パワーの制御を正しく行なうことが必要である。半導体レーザに対する制御方法の一つに、発光パワーの変動によらず一定の電流を半導体レーザに流して駆動する制御方法があり、この方法をACC(Automatic Current Control)と呼んでいる。しかし、半導体レーザは自己発熱などにより駆動電流−発光パワー特性が容易に変動してしまうので、半導体レーザの発光パワーを安定化させる制御方法として、一般的には、APC(Automatic Power Control=オートパワーコントロール)方法が採用されている。これは、半導体レーザの出射光の一部をモニタ用のフォトディテクタに入射させ、半導体レーザの発光パワーに比例して発生するモニタ電流を用いて所望の発光パワーとなるように半導体レーザに対する駆動電流値を制御するようにしたものである。
【0004】
再生動作のみを考えた場合は、一般的に、半導体レーザの駆動電流にはノイズ抑制のために高周波電流が重畳されるが、直流的には一定電流であるため、比較的低帯域の帰還ループを構成することで容易にAPCを実現することができる。記録動作時にAPCを行なう場合は、例えば光ディスク上にマーク/スペースを形成するために記録パワーが高速で変化するので、制御に工夫が必要である。例えば、CD系やDVD系では記録データのDSV(Digital Sum Value)がゼロになることを利用して、低帯域の帰還ループを構成すれば、再生動作時と同様に簡易な構成で記録時の発光パワーを制御することができる。
【0005】
一般的なAPC回路の一例を図8に示す。このAPC回路は、半導体レーザ(LD)100の出射光の一部を受光しその発光パワーに対応した電流をモニタ信号として出力するモニタ用のフォトディテクタ(PD)101と、このフォトディテクタ101から出力される電流を電圧に変換するI/Vアンプ(電流/電圧変換回路)102と、このI/Vアンプ102から出力される電圧値に対応した駆動電流値の駆動電流を半導体レーザ100に供給するLD電流駆動回路103とにより構成されている。LD電流駆動回路103は、アンプ104、電流制御アンプ105及びLD駆動装置106により構成され、CPU107からD/A変換器108を介して電流制御アンプ105に与えられる目標発光パワーに応じた目標電圧値とI/Vアンプ102の出力電圧値とが常に等しくなるように半導体レーザ100に対する駆動電流値を制御するので、半導体レーザ100を常に目標発光パワーで発光させることができる。
【0006】
ここに、フォトディテクタ101は、その一般的な特性として、受光していない時でも(半導体レーザ100が消灯している時でも)、わずかに電流を出力(暗電流)するため、回路オフセットとなる。また、I/Vアンプ102や、LD電流駆動回路103内のアンプ104,105も定常的にオフセット電圧を有する。これらの回路オフセットを除去するため、一般に、装置の初期化時に、APC回路のオフセットを調整するようにしている。即ち、半導体レーザ100を消灯させておき、何れかのアンプ102,104又は105の出力電圧と基準電圧(Vref)との電圧差がほぼゼロになるように何れかのアンプ102,104又は105の入力側にオフセット電圧が加算又は減算されるように印加させることでAPC回路のオフセットを除去するようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、フォトディテクタ101の暗電流や、各アンプ102,104,105のオフセット電圧は、温度変動により変動する特性を有する(温度ドリフト)。特に、フォトディテクタ101の暗電流は温度上昇とともに指数関数的に増加する特性を有している。通常の記録又は再生動作中、即ち、半導体レーザ100が点灯している状態では、温度ドリフトによるオフセット電圧は検知することができないので、APCに制御誤差を生じてそのパワー制御が適正でなくなり、半導体レーザ100の発光パワーが目標発光パワーに対して変動してしまうことになる。
【0008】
この点、特開平6−215404号公報によれば、このような温度ドリフトを考慮してAPC回路のオフセットを調整する提案がなされている。即ち、同公報によれば、暗電流温度係数が予め分かっているフォトディテクタと温度変動検知手段とを具備し、測定された温度変動と暗電流温度係数よりオフセット電圧を算出し、オフセットの調整するようにしている。
【0009】
ところが、同公報例のような温度ドリフト対策による場合、フォトディテクタの暗電流温度係数を予め測定して保存させておく必要がある上に、この暗電流温度係数が経時的に変化してしまうと正確にオフセット電圧を算出できないという問題点がある。
【0010】
一方、温度ドリフトの回路構成上の影響について考えると、特に、フォトディテクタ101の暗電流及びI/Vアンプ102に対する温度ドリフトは、後段のアンプ104,105に比べて、元々の電圧レベルが小さいので発光パワー変動に対する影響度が大きなものとなってしまう。例えば、DVD−ROMドライブのように再生専用の光ディスク装置の場合であれば、I/Vアンプ102のゲインを大きくすることで温度ドリフトによる影響を相対的に小さくすることができ、さほど問題にはならない。これは、記録も可能な光ディスク装置において、I/Vアンプ102のゲインを記録時と再生時とで切換える構成の場合であれば、再生時のゲインを大きくし得るので、再生専用の場合と同様となる。しかし、記録も可能な光ディスク装置において、例えば、レーザパワー制御系の構成・動作を簡単化させるためにI/Vアンプ102のゲインを固定(即ち、記録時と再生時とで同じゲインとなる)とした構成の場合、記録発光パワーの大きな記録時を考えるとI/Vアンプ102のゲインを大きくとることができないので、相対的に発光パワーの小さめな再生時のI/Vアンプ102の出力電圧値は非常に微小となり温度ドリフトの影響が大きく、結果的に、再生パワーの変動が大きくなってしまう。
【0011】
そこで、本発明は、実際の再生動作に伴い生じ得る温度ドリフトによるオートパワー制御回路のオフセットを、モニタ用受光素子の暗電流温度係数の経時的な変化等の影響を受けることなく、ドライブ動作中に適正に除去することができ、良好なるパワー制御が行える光ディスク装置及びそのレーザパワー制御方法を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、記録も可能な光ディスク装置において、オートパワー制御回路中の電流/電圧変換回路のゲインを記録時と再生時とで同一とし再生動作時の温度ドリフトの影響が大きくなるような構成条件下に、実際の再生動作に伴い生じ得る温度ドリフトによるオートパワー制御回路のオフセットを、ドライブ動作中に適正に除去することができ、良好なるパワー制御が行える光ディスク装置及びそのレーザパワー制御方法を提供することを目的とする。
【0013】
また、本発明は、実際のドライブ動作中にオートパワー制御回路の温度ドリフトに伴うオフセットの調整を行う上で、その制御動作の連続性を損なうことのない光ディスク装置及びそのレーザパワー制御方法を提供することを目的とする。
【0014】
また、本発明は、実際のドライブ動作に伴い生じ得る温度ドリフトによるオートパワー制御回路のオフセットを簡単かつ正確に除去し得る光ディスク装置及びそのレーザパワー制御方法を提供することを目的とする。
【0015】
さらに、本発明は、実際のドライブ動作に伴い生じ得る温度ドリフトによるオートパワー制御回路のオフセットの影響を受ける前に適正にそのオフセットを除去し得る光ディスク装置及びそのレーザパワー制御方法を提供することを目的とする。
【0016】
さらには、本発明は、再生等の実際のドライブ動作中にオートパワー制御回路の温度ドリフトに伴うオフセットの調整を行う上で、トラッキング等のサーボ制御を維持し得る光ディスク装置及びそのレーザパワー制御方法を提供することを目的とする。
【0017】
さらには、本発明は、再生等の実際のドライブ動作中にオートパワー制御回路の温度ドリフトに伴うオフセットの調整を行う上で、トラッキング等のサーボ制御が外れても、外部に出力する再生信号の連続性を維持し得る光ディスク装置及びそのレーザパワー制御方法を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明のレーザパワー制御方法は、光ディスクに照射するレーザ光を発するレーザ光源の発光パワーが一定となるようにオートパワー制御回路を用いて前記レーザ光源に対する駆動電流値を制御するレーザパワー制御方法において、前記光ディスクの情報の再生動作開始から所定期間経過後に前記レーザ光源をエラー訂正が可能な時間消灯させて前記レーザ光源の消灯状態で前記オートパワー制御回路に生ずるオフセットを調整するようにした。
【0019】
従って、再生動作中であってもレーザ光源を所定時間消灯させることによりその時点での温度ドリフトによるオートパワー制御回路のオフセット量を検知することが可能となり、そのオフセット量に基づきオートパワー制御回路に生ずるオフセットを打ち消すように適正に調整することができ、結果として、実際のドライブ動作に伴う温度ドリフトの影響を受けないオートパワー制御回路によるレーザパワー制御が可能となる。
【0020】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のレーザパワー制御方法において、消灯直前の前記レーザ光源に対する駆動電流値をサンプルホールド回路に保持させておくようにした。
【0021】
従って、再生動作中にオフセットの調整を行うためにレーザ光源を消灯させることで、消灯直前のレーザ光源に対する駆動電流値を失うとレーザ光源の再点灯に伴いオートパワー制御回路によりパワー制御を行う上でその制御動作が安定するまでにかなりの時間を要することとなるが、レーザ光源の消灯直前の駆動電流値をサンプルホールド回路により保持しておくことにより、再点灯後のオートパワー制御回路の制御動作が速やかに安定し、制御の連続性を維持できる。
【0022】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のレーザパワー制御方法において、前記情報を再生する動作が所定期間に亘って連続して行われた場合に、その所定期間経過時点で前記レーザ光源を所定時間だけ消灯させて前記オートパワー制御回路のオフセットを調整するようにした。
【0023】
従って、実際の再生動作に伴い生じ得る温度ドリフトによるオートパワー制御回路のオフセットの影響が出ないように設定された所定期間に亘って再生動作が連続して行われた場合にその所定期間経過時点でレーザ光源を消灯させてオートパワー制御回路のオフセットの調整を行わせることで、時間的管理による簡単な制御で温度ドリフトによる悪影響を受けることのないパワー制御が可能となる。
【0024】
請求項4記載の発明は、請求項1又は2記載のレーザパワー制御方法において、前記光ディスク装置内の温度を監視し、その温度変動が予め設定された所定範囲を超える場合に、超えた時点で前記レーザ光源を前記所定時間だけ消灯させて前記オートパワー制御回路のオフセットを調整するようにした。
【0025】
従って、実際の再生動作に伴い生じ得る温度ドリフトの最大要因である光ディスク装置内の温度変動を監視し、温度ドリフトによるオートパワー制御回路のオフセットの影響が出ないように設定された温度変動の範囲を超える変動を生じた場合にレーザ光源を消灯させてオートパワー制御回路のオフセットの調整を行わせることで、実際に温度ドリフトによるオフセットの調整の必要性が生じた場合のみの必要最小限の制御で温度ドリフトによる悪影響を受けることのないパワー制御が可能となる。
【0026】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし4の何れか一に記載のレーザパワー制御方法において、前記情報の生中に前記レーザ光源を消灯させる前記所定時間は、前記レーザ光源の再点灯時にサーボ信号が追従し得る時間の範囲内に設定されている。
【0027】
従って、再生動作中にレーザ光源を消灯させる所定時間をその直後の再点灯時にサーボ信号が追従し得る時間の範囲内に設定することで、再生動作中に消灯を伴うオートパワー制御回路のオフセットの調整動作を行っても、トラッキング等のサーボ制御には何ら支障を来たすことがなく、従って、再点灯後の再生動作等の連続性も維持させることができる。
【0028】
請求項6記載の発明は、請求項1ないし4の何れか一に記載のレーザパワー制御方法において、前記情報の生中に前記レーザ光源を消灯させる前記所定時間は、その時間内に前記オートパワー制御回路のオフセット調整を完了させ得る時間に設定され、前記再生動作により再生された情報を一旦バッファメモリを介して出力させるようにした。
【0029】
従って、再生動作中にレーザ光源を消灯させる所定時間をその時間内にオートパワー制御回路のオフセット調整を完了させ得る時間に設定した場合、比較的消灯時間が長くなり、トラッキング等のサーボ信号が追従し得ずサーボが外れてしまい、再点灯後のサーボ復帰に時間を要し、外部に出力する再生信号の連続性が損なわれるが、再生動作により再生された情報を一旦バッファメモリを介して出力させることで、オフセットの調整に伴う再生信号の不連続性を調整してその連続性を維持させて出力させることができる。
【0030】
請求項7記載の発明の光ディスク装置は、光ディスクに照射するレーザ光を発するレーザ光源と、前記レーザ光源の発光パワーが一定となるように前記レーザ光源に対する駆動電流値を制御するオートパワー制御回路とを備えた光ディスク装置において、前記レーザ光源の消灯状態で前記オートパワー制御回路に生ずるオフセットを調整するオフセット調整手段と、前記光ディスクの情報の再生動作開始から所定期間経過後に前記レーザ光源をエラー訂正が可能な時間消灯させる消灯制御手段と、を備える。
【0031】
従って、再生動作中であっても消灯制御手段によりレーザ光源を所定時間消灯させることによりその時点での温度ドリフトによるオートパワー制御回路のオフセット量を検知することが可能となり、そのオフセット量に基づきオートパワー制御回路に生ずるオフセットを打ち消すようにオフセット調整手段により適正に調整することができ、結果として、実際のドライブ動作に伴う温度ドリフトの影響を受けないオートパワー制御回路によるレーザパワー制御が可能となる。
【0032】
請求項8記載の発明の光ディスク装置は、再生動作又は記録動作のために光ディスクに照射するレーザ光を発するレーザ光源と、再生動作時と記録動作時とでゲインが固定された電流/電圧変換回路を有し前記レーザ光源の発光パワーのレベルに対応するモニタ信号の前記電流/電圧変換回路により検出されるレベルの変化に基づき前記発光パワーが一定となるように前記レーザ光源に対する駆動電流値を制御するオートパワー制御回路とを備えた光ディスク装置において、前記レーザ光源の消灯状態で前記オートパワー制御回路に生ずるオフセットを調整するオフセットの調整手段と、前記光ディスクの情報の再生動作開始から所定期間経過後に前記レーザ光源をエラー訂正が可能な時間消灯させる消灯制御手段と、を備える。
【0033】
従って、再生動作中であっても消灯制御手段によりレーザ光源を所定時間消灯させることによりその時点での温度ドリフトによるオートパワー制御回路のオフセット量を検知することが可能となり、そのオフセット量に基づきオートパワー制御回路に生ずるオフセットを打ち消すようにオフセット調整手段により適正に調整することができ、結果として、実際の再生動作に伴う温度ドリフトの影響を受けないオートパワー制御回路によるレーザパワー制御が可能となる。特に、オートパワー制御回路中の電流/電圧変換回路のゲインを記録時と再生時とで同一とし再生動作時の温度ドリフトの影響が大きくなるような構成条件下において再生動作時の温度ドリフトの影響を受けないようにオフセットの調整を行える。
【0034】
請求項9記載の発明は、請求項7又は8記載の光ディスク装置において、前記オートパワー制御回路は、前記レーザ光源の発光パワーに対応した電流をモニタ信号として出力するモニタ用受光素子と、このモニタ用受光素子から出力される電流を電圧に変換する電流/電圧変換回路と、少なくとも1つ以上の増幅器を含み、前記電流/電圧変換回路から出力される電圧値に対応した駆動電流値の駆動電流を前記レーザ光源に供給する光源電流駆動回路と、前記電流/電圧変換回路の出力電圧又は前記光源電流駆動回路中の何れか1つの増幅器の出力電圧と、前記レーザ光源の消灯時に比較対象となる前記電流/電圧変換回路又は前記増幅器が出力すべき電圧値に設定された基準電圧とを比較する比較手段と、を備える。
【0035】
従って、請求項7又は8記載の光ディスク装置を実現する上で、オートパワー制御回路中の比較手段の基準電圧を、レーザ光源の消灯時に比較対象となる電流/電圧変換回路又は増幅器が出力すべき電圧値に設定しておくことにより、実際のドライブ動作に伴い生じ得る温度ドリフトによるオートパワー制御回路のオフセットを簡単かつ正確に除去させることができる。
【0036】
請求項10記載の発明は、請求項9記載の光ディスク装置において、前記オフセット調整手段は、前記オートパワー制御回路のオフセットの調整動作を制御するデジタル制御装置と、このデジタル制御装置により電圧値が制御されたオフセット電圧を前記電流/電圧変換回路又は前記光源電流駆動回路中の何れか1つの増幅器に対して印加するD/A変換手段とを備え、前記レーザ光源を消灯させたときの前記比較手段の比較出力に基づき前記オートパワー制御回路のオフセットを打ち消すように前記D/A変換手段によるオフセット電圧の電圧値を前記デジタル制御装置により制御するようにした。
【0037】
従って、請求項9記載の光ディスク装置におけるオフセットの調整を実現する上で、いわゆるCPU等のデジタル制御装置によりD/A変換手段のオフセット電圧の電圧値を制御設定することにより、容易かつ正確に温度ドリフトに伴うオフセットの調整を行わせることができる。
【0038】
請求項11記載の発明は、請求項9又は10記載の光ディスク装置において、前記光源電流駆動回路は、消灯直前の前記レーザ光源に対する駆動電流値を保持するサンプルホールド回路を備える。
【0039】
従って、再生動作中にオフセットの調整を行うためにレーザ光源を消灯させることで、消灯直前のレーザ光源に対する駆動電流値を失うとレーザ光源の再点灯に伴いオートパワー制御回路によりパワー制御を行う上でその制御動作が安定するまでにかなりの時間を要することとなるが、サンプルホールド回路を備えてレーザ光源の消灯直前の駆動電流値を保持しておくことにより、再点灯後のオートパワー制御回路の制御動作が速やかに安定し、制御の連続性を維持できる。
【0040】
請求項12記載の発明は、請求項7ないし11の何れか一記載の光ディスク装置において、前記消灯制御手段は、前記情報を再生する動作が所定期間に亘って連続して行われた場合に、その所定期間経過時点で前記レーザ光源を所定時間だけ消灯させる。
【0041】
従って、実際の再生動作に伴い生じ得る温度ドリフトによるオートパワー制御回路のオフセットの影響が出ないように設定された所定期間に亘って再生動作が連続して行われた場合にその所定期間経過時点でレーザ光源を消灯させてオートパワー制御回路のオフセットの調整を行わせることで、時間的管理による簡単な制御方法で温度ドリフトによる悪影響を受けることのないパワー制御が可能となる。
【0042】
請求項13記載の発明は、請求項7ないし11の何れか一記載の光ディスク装置において、装置内の温度を監視する温度監視手段を備え、前記消灯制御手段は、前記温度監視手段により監視される温度変動が予め設定された範囲を超える場合に、超えた時点で前記レーザ光源を前記所定時間だけ消灯させる。
【0043】
従って、実際の再生動作に伴い生じ得る温度ドリフトの最大要因である光ディスク装置内の温度変動を温度監視手段により監視し、温度ドリフトによるオートパワー制御回路のオフセットの影響が出ないように設定された温度変動の範囲を超える変動を生じた場合にレーザ光源を消灯させてオートパワー制御回路のオフセットの調整を行わせることで、実際に温度ドリフトによるオフセットの調整の必要性が生じた場合のみの必要最小限の制御で温度ドリフトによる悪影響を受けることのないパワー制御が可能となる。
【0044】
請求項14記載の発明は、請求項7ないし13の何れか一に記載の光ディスク装置において、前記情報の生中に前記レーザ光源を消灯させる前記所定時間は、前記レーザ光源の再点灯時にサーボ信号が追従し得る時間の範囲内に設定されている。
【0045】
従って、再生動作中にレーザ光源を消灯させる所定時間をその直後の再点灯時にサーボ信号が追従し得る時間の範囲内に設定することで、再生動作中に消灯を伴うオートパワー制御回路のオフセットの調整動作を行っても、トラッキング等のサーボ制御には何ら支障を来たすことがなく、従って、再点灯後の再生動作等の連続性も維持させることができる。
【0046】
請求項15記載の発明は、請求項7ないし13の何れか一に記載の光ディスク装置において、前記再生された情報を一旦蓄積して出力するバッファメモリを備え、前記情報の生中に前記レーザ光源を消灯させる前記所定時間は、その時間内に前記オートパワー制御回路のオフセットの調整を完了させ得る時間に設定されている。
【0047】
従って、再生動作中にレーザ光源を消灯させる所定時間をその時間内にオートパワー制御回路のオフセット調整を完了させ得る時間に設定した場合、比較的消灯時間が長くなり、トラッキング等のサーボ信号が追従し得ずサーボが外れてしまい、再点灯後のサーボ復帰に時間を要し、外部に出力する再生信号の連続性が損なわれるが、再生動作により再生された情報を一旦バッファメモリを介して出力させることで、オフセットの調整に伴う再生信号の不連続性を調整してその連続性を維持させて出力させることができる。
【0048】
請求項16記載の発明は、請求項15記載の光ディスク装置において、前記バッファメモリの出力側は、外部情報処理装置に接続されている。
【0049】
従って、請求項15記載の光ディスク装置に関して、再生動作により再生された情報を一旦バッファメモリを介していわゆるホスト等の外部情報処理装置に出力させることで、オフセットの調整に伴う再生信号の不連続性を調整してその連続性を維持させて外部情報処理装置に出力させることができる。
【0050】
請求項17記載の発明の情報処理装置は、請求項7ないし15の何れか一に記載の光ディスク装置を内蔵している。
【0051】
従って、請求項7ないし15の何れか一に記載の光ディスク装置を内蔵しているので、再生動作等の実際のドライブ動作に伴い生じ得る温度ドリフトによるオートパワー制御回路のオフセットをそのドライブ動作中に適正に除去することができ、良好なるパワー制御が行われた状態の光ディスク装置を利用でき、信頼性が向上する情報処理装置を提供することができる。
【0052】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の実施の形態を図1ないし図3に基づいて説明する。本実施の形態は、再生だけでなく、記録に際して所定の発光規則によりレーザ光源をパルス発光させてDVD−R等の光ディスクにマーク/スペースを記録する記録可能な光ディスク装置への適用例を示す。
【0053】
図1にこのような記録再生可能な光ディスク装置の基本的な構成例を示す。本実施の形態の光ディスク装置1においては、スピンドルモータ(図示せず)により回転駆動される例えばDVD−Rによる光ディスク2に対して再生動作又は記録動作のために照射するレーザ光を発するレーザ光源としての半導体レーザ(LD)3が設けられている。この半導体レーザ3から発せられたレーザ光はコリメータレンズ4により平行光束に変換された後、偏光ビームスプリッタ5、λ/4板6及び対物レンズ7を経て光ディスク2上に集光照射される。光ディスク2から反射された戻り光は再び対物レンズ7及びλ/4板6を経て偏光方向が90°回転されて再び偏光ビームスプリッタ5に入射することにより、入射光と分離されるように反射されて、検出レンズ8により受光領域が4分割された分割受光素子(PD)9に入射して受光される。この分割受光素子9により受光された各分割領域の受光信号は情報信号となるRF信号、フォーカシング用のサーボ信号Fo及びトラッキング用のサーボ信号Trの基となるもので、RF信号はRF信号復調回路10に入力されて再生信号としての再生データの出力に供される。一方、フォーカシング用のサーボ信号Fo及びトラッキング用のサーボ信号Trは、Fo/Trサーボ制御装置11に入力されて対物レンズ7に対するフォーカシング/トラッキング用のアクチュエータ12のサーボ制御に供され、光ディスク2に対するレーザ光が合焦状態で正しくトラック上をトラッキングするように制御される。本実施の形態では、これらのフォーカシング用のサーボ信号Fo及びトラッキング用のサーボ信号Trを合わせてサーボ信号と称する。
【0054】
一方、RF信号復調回路10からの再生データを取り込むとともに、各種の演算処理及び制御処理を実行しデジタル制御装置として機能するCPU13が設けられている。このCPU13には再生データや記録データ、その他の信号の授受を行うホスト14が接続されている。このCPU13には制御信号や記録データに基づき半導体レーザ3の発光パワーや発光状態等を制御するLDパワー制御装置15が接続されている。また、半導体レーザ3から出射されて偏光ビームスプリッタ5によりその一部が反射されて分岐されたモニタ光を集光レンズ16を介して受光しその発光パワーに対応した電流をモニタ信号としてCPU13に出力するモニタ用受光素子としての前方フォトディテクタ(PD)17が設けられている。
【0055】
このような基本的な構成において、本実施の形態では、図2に示すようなオートパワー制御回路(以下、実施の形態では、APC回路と称する)21が設けられている。このAPC回路21は、基本的には、前方フォトディテクタ17と、この前方フォトディテクタ17から出力される電流を電圧に変換する電流/電圧変換回路なるI/Vアンプ22と、光源電流駆動回路なるLD電流駆動回路23とにより構成されており、半導体レーザ3の発光パワーのレベルに対応するモニタ信号のレベルの変化に基づき半導体レーザ3の発光パワーが一定となるようにこの半導体レーザ3に対する駆動電流値を制御する。このAPC回路21は再生動作時にも記録動作時にも共用されるものであり、I/Vアンプ22のゲインは再生動作時も記録動作時も同じ、即ち、記録動作時を考慮したゲインに固定されている。ここに、LD電流駆動回路23は、I/Vアンプ22の出力電圧を所定の基準電圧と比較して増幅するアンプ(増幅器)24(1個でも複数個でもよい)と、CPU13からD/A変換器25を介して入力される目標発光パワーに相当する目標電圧値とアンプ24の出力電圧とを比較する差動アンプ構成の電流制御アンプ26と、この電流制御アンプ26からの出力電圧値に基づき実際に半導体レーザ3に供給する駆動電流値を設定しその駆動電流を半導体レーザ3に供給するLD駆動装置27とにより構成されている。
【0056】
さらに、本実施の形態のAPC回路21にあっては、アンプ24の出力電圧を所定の基準電圧Vrefと比較しその比較結果の出力電圧を出力する比較手段としての比較器28が設けられている。この比較器28の比較出力はCPU13によりL側とH側とが切換え制御されるアナログスイッチ構成のスイッチSW2のL側端子を介してCPU13に接続されている。このスイッチSW2のH側端子と比較器28の出力側との間にはCPU13からのオフセットサンプル信号に基づき比較器28の出力をラッチするDフリップフロップ構成のラッチ回路(DFF)29が介在されている。ここに、本実施の形態では、比較器28の所定の基準電圧Vrefが、半導体レーザ3の消灯時に比較対象となるアンプ24が本来出力すべき電圧値に設定されている。
【0057】
また、本実施の形態のAPC回路21では、アンプ24と電流制御アンプ26との間に、CPU13からの制御信号により開閉されるアナログスイッチ構成のスイッチSW1を介してサンプルホールド回路30が介在されている。
【0058】
さらに、本実施の形態のCPU13は半導体レーザ3に対する消灯制御手段としての機能を有し、タイマによる時間制御の基に所定タイミングでLD駆動装置27に対してLDオン信号として所定時間T0だけLレベルの信号を出力させることによりLD駆動装置27を介して半導体レーザ3を適宜消灯させる。
【0059】
また、CPU13にはD/A変換手段としてのD/A変換器31が接続され、D/A変換器31の出力側はCPU13により電圧値が設定制御されたオフセット電圧をアンプ24の入力端子に加算して印加させるように接続されている。ここに、これらのCPU13とD/A変換器31とによりオフセット調整手段32が構成されている。なお、D/A変換器31(D/A変換器25も)はCPU13内に内蔵された形態であってもよい。
【0060】
このような構成において、ドライブ動作時、例えば再生動作におけるAPC回路21による動作制御及びこのAPC回路21に生ずるオフセットの調整動作について図3に示すタイムチャートを参照して説明する。
【0061】
まず、再生時における通常のAPC動作について説明する。スイッチSW1は通常はオン状態(Hレベル)となっている。そこで、LD駆動装置27により半導体レーザ3に再生用の駆動電流が供給されると、半導体レーザ3からレーザ光が出射されて光ディスク2に集光照射させることにより、情報の再生が行なわれる。この再生動作の際、半導体レーザ3からの出射光の一部が前方フォトディテクタ17に入射して、発光パワーのレベルに比例したレベルのモニタ電流(モニタ信号)がI/Vアンプ22に出力される。I/Vアンプ22より電流−電圧変換された電圧(モニタ電圧)はアンプ24で増幅され、サンプルホールド回路30を介して電流制御アンプ26に出力される。
【0062】
電流制御アンプ26にはCPU13よりD/A変換器25を介して目標再生発光パワーに応じた目標電圧が出力されており、電流制御アンプ26はアンプ24の出力電圧がこの目標電圧に常に一致するように駆動信号をLD駆動装置27に出力する。LD駆動装置27では、この駆動信号のレベルに応じて再生発光パワーの駆動電流値を決定して半導体レーザ3を点灯駆動させる。このようなAPC動作により、半導体レーザ3を常に目標再生発光パワーで発光させることができる。
【0063】
このようなAPC回路21においては、前述したように前方フォトディテクタ17の暗電流、I/Vアンプ22及びアンプ24のオフセット電圧に生ずるオフセットを除去するため、本光ディスク装置1の初期化時に予めオフセットの調整を行う。まず、スイッチSW2はLレベルとなっており(比較器28の出力が直接的にCPU13に接続されている)、比較器28には、半導体レーザ3の消灯時にアンプ24が本来出力すべき電圧と同じレベルの電圧が基準電圧Vrefとして設定されており、アンプ24の出力を入力させてこの基準電圧Vrefと比較させ、この比較器28の比較出力を取り込むことにより、その時点でのAPC回路21のオフセット量がCPU13により検知される。即ち、比較器28の基準電圧Vrefが半導体レーザ3の消灯時にアンプ24が本来出力すべき電圧と同じレベルの電圧として設定されているので、比較器28の比較出力のレベルがその時点でのオフセット量を直接的に示すものとなる。そこで、CPU13では、比較器28の比較出力の結果、即ち、オフセット量に応じてD/A変換器31に対する設定値を変化させる(例えば、アンプ24の出力>Vrefの場合であれば、アンプ24の出力電圧が減少するようにD/A変換器31に対する設定値を設定する)。これにより、アンプ24にはD/A変換器31の出力がオフセット電圧としてアンプ24に対する基準電圧Vrefを基準に加算又は減算される。このような動作を、アンプ24の出力電圧が比較器28に対する基準電圧Vrefとほぼ同じ電圧値になるまで何度か繰り返すことにより、オフセットの調整がなされ、半導体レーザ3の発光パワーの制御に際してAPC回路21のオフセットの影響が出ないように初期設定される。
【0064】
本来的には、このように初期化時にAPC回路21のオフセットの調整を行っているので、再生動作等の動作開始時にはオフセットの影響はほぼ排除できるが、再生動作を長時間連続して行っていると、光ディスク装置1内の温度上昇に伴って次第に温度ドリフトによるオフセットが発生してくる。温度ドリフトによるオフセットは、再生動作に伴う半導体レーザ3の発光中は除去することができない。
【0065】
そこで、本実施の形態では、図3に示すように再生動作が所定期間T1だけ連続した場合、その所定期間T1を経過した時点で一時的に所定時間T0だけ、半導体レーザ3を強制的に消灯させて温度ドリフトによるオフセット量を認識し、その温度ドリフトによるオフセットを除去させるものである。
【0066】
まず、再生動作中は、スイッチSW2を常にHレベルの状態とし、ラッチ回路29の出力がCPU13に接続される状態とする。CPU13はLDオン信号をLレベルとしてLD駆動装置27に対して半導体レーザ3の消灯を指示する。すると、半導体レーザ3は発光状態から消灯状態に切換えられ、前方フォトディテクタ17の出力をI/Vアンプ22を介してモニタしているアンプ24の出力電圧は半導体レーザ3の消灯時の出力電圧レベルとなる。この際、温度ドリフトによるオフセットが発生していると基準電圧Vrefに対して電圧差が現れ、比較器28においてこの基準電圧Vrefとの比較結果がオフセット量として出力される。DFFによるラッチ回路29は半導体レーザ3の消灯中においてCPU13から出力されるオフセットサンプル信号のタイミングで比較器28の出力をラッチして、CPU13に出力する。CPU13では、初期化時オフセット調整の場合と同様に、ラッチ回路29の出力結果(比較器28の出力結果)に応じて、アンプ24の出力が基準電圧Vrefにほぼ等しくなるようにD/A変換器31の電圧値(温度ドリフトによるオフセット電圧値)を設定する。
【0067】
このように、基本的には、実際の再生動作なるドライブ動作中に半導体レーザ3を所定時間T0だけ消灯させて温度ドリフトに伴うオフセットを打ち消すようにオフセット調整を行うことにより、温度ドリフトによるオフセットの影響を受けることのないAPC動作が可能となる。特に、再生動作中において実際のオフセット量を検知してそのオフセットを打ち消すように調整しているので、前方フォトディテクタ17の暗電流温度係数の経時的な変化等の影響を受けることなく、オフセットの調整を適正に行える。
【0068】
また、CPU13は、半導体レーザ3の消灯直前にスイッチSW1をLレベル(オフ)とし、サンプルホールド回路30で半導体レーザ3の消灯直前のアンプ24の出力電圧(即ち、消灯直前の駆動電流値)を保持しておき、再点灯直前にスイッチSW1をHレベル(オン)に切換える。これにより、半導体レーザ3を再点灯させた後、APC回路21による本来のAPC動作を行わせる上で直前の駆動電流値から再開させることができるので、速やかにAPC回路21を目標値に整定させることができる。
【0069】
ところで、再生動作中に半導体レーザ3を消灯すべき所定時間T0は、光ディスク装置1内の温度変動の勾配とそれに伴う温度ドリフトによる発光パワー変動により決定される。例えば、光ディスク装置1内の温度変動が60℃/hであり、発光パワーの変動が温度変動として10℃まで許容できるなら、10分以内に温度ドリフトのオフセットを排除できればよい。また、半導体レーザ3を消灯させる所定時間T0は、再点灯後もFo/Trサーボ制御装置11においてサーボ信号(フォーカシングサーボ信号Fo及びトラッキングサーボ信号Tr)が追随できる時間の範囲内とされている。これにより、再生動作中に一時的に半導体レーザ3を強制的に消灯させてもサーボ制御は通常動作を継続することができる。例えば、サーボ信号(フォーカシングサーボ信号Fo及びトラッキングサーボ信号Tr)の制御帯域がfc=50kHzの場合、時定数τの1/2の時間、即ち、
Figure 0003973338
程度であれば、サーボ制御は通常動作を継続することができる。この所定時間T0の間は、半導体レーザ3が強制的に消灯されているので光ディスク2からは記録情報を読み取ることができず、再生データが欠損することとなる。しかし、再生動作に関して、例えばDVD−ROM規格によれば、"Local defects"(きず)として300μmが許容されており、これは約1.5Syncに相当する。この時間内であればエラー訂正が可能であり、8倍速で再生した場合でも半導体レーザ3を消灯させる所定時間T0としては、
38.2ns*1488*1.5/8=10.66μs
まで許容されるので、上記の如くT0=1.6μsは十分にエラー訂正が可能な時間範囲と見倣せる。
【0070】
ちなみに、消灯させる所定時間T0が短めであり、この所定時間T0内では温度ドリフトのオフセットの調整を完了させることはできないので、本実施の形態では、一回の所定期間T1経過毎に消灯回数として図3中に▲1▼▲2▼で示すように2回消灯させ、1回目▲1▼の消灯で温度ドリフトによるオフセット量を取込み、▲1▼▲2▼の間の点灯時にCPU13においてD/A変換器31に対するオフセット電圧値を決定し(オフセットの調整)、2回目▲2▼の消灯時にそのオフセット電圧値により温度ドリフトによるオフセットが解消されているかをチェックするようにしている。
【0071】
なお、所定期間T1経過毎に半導体レーザ3を消灯させる回数は、2回に限らず、さらに増やしてもよい。また、逆に、所定期間T1をもっと短めとし、所定期間T1経過毎に半導体レーザ3を1回だけ消灯させるようにしてもよい。これによれば、温度ドリフトによるオフセットの少ない段階で半導体レーザ3を消灯させてそのオフセットの調整を行うので、次のオフセット調整がなされるまでの所定期間T1内(即ち、再生動作中)におけるオフセットの影響が少なくて済む。
【0072】
なお、記録動作中に関しては、I/Vアンプ22の出力電圧が大きめであり、温度ドリフトによるオフセットの影響が少ないので、必ずしも温度ドリフトによるオフセットの調整を必要としないが、上記の再生動作中に準じて記録動作中においても半導体レーザ3を適宜消灯させることにより、オフセットの調整を行い、オフセットの影響を全く受けないようにしてもよい。
【0073】
また、本実施の形態では、比較器28に対する入力をアンプ24の出力としたが、I/Vアンプ22の出力を比較器28に対する入力としてもよい。この場合、比較器28の基準電圧Vrefは半導体レーザ3の消灯時にI/Vアンプ22が出力すべき電圧値に設定される。
【0074】
本発明の第二の実施の形態を図4及び図5に基づいて説明する。図1ないし図3で示した部分と同一部分は同一符号を用いて示し、説明も省略する(以降の実施の形態でも同様とする)。
【0075】
本実施の形態では、再生動作に伴い光ディスク2から読み出された再生情報をホスト14側に出力する前に一旦蓄積するバッファメモリ41が付加されている。
【0076】
一般的な光情報記録再生装置ではこのようなバッファメモリを具備していることが多い。例えば、DVD−Rメディアに記録を行う場合、連続記録中にデータが途絶えることは許されないので、ホスト14からの入力データが一時的に転送されない場合でも連続的に光ディスク2に記録データを供給するためにバッファメモリに記録データを一旦蓄積しておく。また、再生時においては、振動等でサーボが一時的に外れてしまった場合でもホスト14へのデータ転送が連続的に行われるように再生データをバッファメモリに蓄積しておく。
【0077】
このようにバッファメモリ41を備えた構成下で、本実施の形態では、CPU13においてオフセットサンプル信号を使用せず、半導体レーザ3の消灯中に連続的に比較器28の出力電圧を取得し温度ドリフトによるオフセットの調整を行うようにしたものである。半導体レーザ3の消灯中にCPU13が比較器28の比較出力を判定してD/A変換器31にオフセット電圧値の設定を行う必要があるので、所定時間T0としてはその時間内にオフセットの調整が完了するように比較的長期間に設定する必要がある。また、半導体レーザ3を比較的長時間消灯させることで、サーボ信号(フォーカシングサーボ信号Fo及びトラッキングサーボ信号Tr)が外れてしまい、復帰にかなりの時間を要する。CPU13がオフセットの調整処理に要する時間はサーボ制御の復帰時間より十分短いので、サーボ信号の復帰までに必要な時間の間、再生データを一時的にバッファメモリ41に蓄積させるものである。
【0078】
このような構成において、図5に示すように、再生動作が所定期間T1連続した場合、その期間経過時点でCPU13はLDオン信号をLレベルとしてLD駆動装置27に対し半導体レーザ3の消灯を指示する。すると、半導体レーザ3が消灯されるとともに、アンプ24の出力は消灯時の出力電圧レベルとなり、比較器28において基準電圧Vrefと比較され、比較結果が出力される。CPU13は、比較器28の比較出力を直接的に取得し、初期化時オフセット調整の場合と同様に、比較器28の出力結果に応じて、アンプ24の出力電圧が基準電圧Vrefにほぼ等しくなるようにD/A変換器31のオフセット電圧値を設定する。このような調整動作を半導体レーザ3が消灯している所定時間T0の間に完了させる。
【0079】
ところで、上記のように半導体レーザ3を消灯させる所定期間T0が長めとなるとサーボ制御が外れるとともに、その間の再生データの欠損をエラー訂正で補うことができず、連続して再生している再生データが不連続となってしまう。いま、サーボ制御の復帰に1秒必要として、この1秒間の再生データを蓄積するためのバッファメモリ41の必要メモリ容量を算出してみる。例えば、DVD8倍速再生で考えた場合、
1倍速時のチャネルクロック周期:38.2ns
EFM+データの冗長度:2倍
誤り訂正による冗長度:15%
とすると、バッファメモリ41に転送される1bitデータの転送時間は
38.2ns/8×2×1.15≒11ns/bit
であるので、1秒間分のデータを蓄積するには
1/11ns≒11MByte
あればよい。
【0080】
従って、本実施の形態によれば、再生データを一時的に格納するバッファメモリ41を備えているので、再生動作中に半導体レーザ3をオフセットの調整のための消灯させる所定時間T0を長めとすることにより、再生データに欠損を生じても、それ以前の再生データをバッファメモリ41に格納させておき、再点灯後には欠損した部分の再生データを改めて取得してバッファメモリ41に格納させることにより、バッファメモリ41からホスト14側に出力させる段階ではこれらの再生データを連続させることができ、再生データが不連続となってしまうような不具合を生じない。
【0081】
本発明の第三の実施の形態を図6に基づいて説明する。本実施の形態では、光ディスク装置1内に温度変動検出器42が配設されている。この温度変動検出器42はCPU13に接続されており、光ディスク装置1内の温度を検出し、その値をデジタル化してCPU13に出力する機能を有す。ここに、CPU13はその検出出力を監視することにより温度監視手段の機能を発揮する。即ち、CPU13が温度変動検出器42の出力を監視し、その温度変動が予め設定された所定の範囲を超えて変動した場合に、半導体レーザ3を消灯させて、前述した場合と同様に温度ドリフトに伴うオフセットの調整動作を行わせるようにしたものである。つまり、前述した第一,二の実施の形態では、温度ドリフトに伴うオフセットの調整動作を行う時期を所定期間T1経過後として時間的管理によって制御しているのと異なる。
【0082】
温度ドリフトに伴うAPC回路21のオフセットの調整動作を開始させるべき温度の変動範囲としては、温度ドリフトに伴う発光パワーの変動により決定される。例えば、発光パワーの変動が温度変動として10℃まで許容できるなら、温度変動検出器42の検出出力が10℃変化した場合にCPU13によりAPC回路21のオフセットの調整動作を開始させるようにすればよい。
【0083】
従って、本実施の形態によれば、実際の再生動作に伴い生じ得る温度ドリフトの最大要因である光ディスク装置1内の温度変動を温度変動検出器42の検出出力に基づき常時監視し、温度ドリフトによるAPC回路21のオフセットの影響が出ないように設定された温度変動の範囲を超える変動を生じた場合に半導体レーザ3を消灯させてAPC回路21のオフセットの調整を行わせることで、不規則ではあるが、実際に温度ドリフトによるオフセットの調整の必要性が生じた場合のみの必要最小限の制御で温度ドリフトによる悪影響を受けることのないパワー制御が可能となる。
【0084】
本発明の第四の実施の形態を図7に基づいて説明する。本実施の形態は、情報処理装置としてパーソナルコンピュータ51に適用したものであり、3.5型FDドライブ装置52の他に、前述したような光ディスク装置1をDVD−Rドライブとして内蔵(一体に内蔵させたタイプでも、いわゆるビルトインタイプでもよい)した構成とされている。従って、ホスト14もパーソナルコンピュータ51内に内蔵されている。
【0085】
このようなパーソナルコンピュータ51によれば、上述したような光ディスク装置1を内蔵しているので、実際の再生動作等のドライブ動作に伴い生じ得る温度ドリフトによるAPC回路21のオフセットをそのドライブ動作中に適正に除去することができるので、常に良好なるレーザパワー制御が行われた状態の光ディスク装置1を利用できるパーソナルコンピュータ51を提供することができる。
【0086】
もっとも、本実施の形態のようにパーソナルコンピュータ51に内蔵されたタイプの光ディスク装置に限らず、単体で設けられ、外部のホスト等の情報処理装置に接続された形態であってもよい。
【0087】
また、これらの各実施の形態では、再生だけでなく記録も可能な光ディスク装置1への適用例として説明したが、再生専用の光ディスク装置の場合にも同様に適用できる。この場合、前述したように本来的にはAPC回路中に含まれるI/Vアンプのゲインを大きくとることができるので、温度ドリフトによるオフセットがあってもその影響を小さくすることができるものの、前述した場合に準じて再生動作中に半導体レーザを消灯させて温度ドリフトによるオフセットの調整を行うようにすれば、より完全にオフセットの影響をなくすことができ、再生動作の信頼性を向上させることができる。このようなことから、対象となる光ディスクに関しても、前述したようなDVD−Rに限らず、記録再生可能な各種光ディスク、再生専用の各種光ディスクについて適用できる。
【0088】
【発明の効果】
請求項1記載の発明の光ディスク装置のレーザパワー制御方法によれば、再生動作中であってもレーザ光源を所定時間消灯させることによりその時点での温度ドリフトによるオートパワー制御回路のオフセット量を検知することが可能となり、そのオフセット量に基づきオートパワー制御回路に生ずるオフセットを打ち消すように適正に調整することができ、結果として、実際のドライブ動作に伴う温度ドリフトの影響を受けないオートパワー制御回路によるレーザパワー制御が可能となる。
【0089】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の光ディスク装置のレーザパワー制御方法において、再生動作中にオフセットの調整を行うためにレーザ光源を消灯させることで、消灯直前のレーザ光源に対する駆動電流値を失うとレーザ光源の再点灯に伴いオートパワー制御回路によりパワー制御を行う上でその制御動作が安定するまでにかなりの時間を要することとなるが、レーザ光源の消灯直前の駆動電流値をサンプルホールド回路により保持しておくことにより、再点灯後のオートパワー制御回路の制御動作を速やかに安定させることができ、よって、パワー制御の連続性を維持することができる。
【0090】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2記載の光ディスク装置のレーザパワー制御方法において、実際のドライブ動作に伴い生じ得る温度ドリフトによるオートパワー制御回路のオフセットの影響が出ないように設定された所定期間に亘って再生動作が連続して行われた場合にその所定期間経過時点でレーザ光源を消灯させてオートパワー制御回路のオフセットの調整を行わせるようにしたので、時間的管理による簡単な制御方法で温度ドリフトによる悪影響を受けることのないパワー制御が可能となる。
【0091】
請求項4記載の発明によれば、請求項1又は2記載の光ディスク装置のレーザパワー制御方法において、実際のドライブ動作に伴い生じ得る温度ドリフトの最大要因である光ディスク装置内の温度変動を監視し、温度ドリフトによるオートパワー制御回路のオフセットの影響が出ないように設定された温度変動の範囲を超える変動を生じた場合にレーザ光源を消灯させてオートパワー制御回路のオフセットの調整を行わせるようにしたので、実際に温度ドリフトによるオフセットの調整の必要性が生じた場合のみの必要最小限の制御で温度ドリフトによる悪影響を受けることのないパワー制御が可能となる。
【0092】
請求項5記載の発明によれば、請求項1ないし4の何れか一に記載の光ディスク装置のレーザパワー制御方法において、再生動作中にレーザ光源を消灯させる所定時間をその直後の再点灯時にサーボ信号が追従し得る時間の範囲内に設定したので、再生動作中に消灯を伴うオートパワー制御回路のオフセットの調整動作を行っても、トラッキング等のサーボ制御には何ら支障を来たすことがなく、従って、再点灯後の再生動作等の連続性も維持させることができる。
【0093】
請求項6記載の発明によれば、請求項1ないし4の何れか一に記載の光ディスク装置のレーザパワー制御方法において、再生動作中にレーザ光源を消灯させる所定時間をその時間内にオートパワー制御回路のオフセット調整を完了させ得る時間に設定した場合、比較的消灯時間が長くなり、トラッキング等のサーボ信号が追従し得ずサーボが外れてしまい、再点灯後のサーボ復帰に時間を要し、外部に出力する再生信号の連続性が損なわれるが、再生動作により再生された情報を一旦バッファメモリを介して出力させるようにしたので、オフセットの調整に伴う再生信号の不連続性を調整してその連続性を維持させて出力させることができる。
【0094】
請求項7記載の発明の光ディスク装置によれば、レーザ光源の消灯状態でオートパワー制御回路に生ずるオフセットを調整するオフセット調整手段と、再生動作中にレーザ光源を所定時間消灯させる消灯制御手段とを備えるので、再生動作中であっても消灯制御手段によりレーザ光源を所定時間消灯させることによりその時点での温度ドリフトによるオートパワー制御回路のオフセット量を検知することが可能となり、そのオフセット量に基づきオートパワー制御回路に生ずるオフセットを打ち消すようにオフセット調整手段により適正に調整することができ、結果として、実際のドライブ動作に伴う温度ドリフトの影響を受けないオートパワー制御回路によるレーザパワー制御が可能となる。
【0095】
請求項8記載の発明の光ディスク装置によれば、請求項7記載の発明の光ディスク装置の場合と同様に、再生動作中であっても消灯制御手段によりレーザ光源を所定時間消灯させることによりその時点での温度ドリフトによるオートパワー制御回路のオフセット量を検知することが可能となり、そのオフセット量に基づきオートパワー制御回路に生ずるオフセットを打ち消すようにオフセット調整手段により適正に調整することができ、結果として、実際のドライブ動作に伴う温度ドリフトの影響を受けないオートパワー制御回路によるレーザパワー制御が可能となる上に、オートパワー制御回路中の電流/電圧変換回路のゲインを記録時と再生時とで同一とし再生動作時の温度ドリフトの影響が大きくなるような構成条件下において再生動作時の温度ドリフトの影響を受けないようにオフセットの調整を行うことができる。
【0096】
請求項9記載の発明によれば、請求項7又は8記載の光ディスク装置を実現する上で、オートパワー制御回路中の比較手段の基準電圧を、レーザ光源の消灯時に比較対象となる電流/電圧変換回路又は増幅器が出力すべき電圧値に設定したので、実際のドライブ動作に伴い生じ得る温度ドリフトによるオートパワー制御回路のオフセットを簡単かつ正確に除去させることができる。
【0097】
請求項10記載の発明によれば、請求項9記載の光ディスク装置におけるオフセットの調整を実現する上で、いわゆるCPU等のデジタル制御装置によりD/A変換手段のオフセット電圧の電圧値を制御設定することにより、容易かつ正確に温度ドリフトに伴うオフセットの調整を行わせることができる。
【0098】
請求項11記載の発明によれば、請求項9又は10記載の光ディスク装置において、再生動作中にオフセットの調整を行うためにレーザ光源を消灯させることで、消灯直前のレーザ光源に対する駆動電流値を失うとレーザ光源の再点灯に伴いオートパワー制御回路によりパワー制御を行う上でその制御動作が安定するまでにかなりの時間を要することとなるが、サンプルホールド回路を備えてレーザ光源の消灯直前の駆動電流値を保持しておくことにより、再点灯後のオートパワー制御回路の制御動作を速やかに安定させ、制御の連続性を維持させることができる。
【0099】
請求項12記載の発明によれば、請求項7ないし11の何れか一記載の光ディスク装置において、実際の再生動作に伴い生じ得る温度ドリフトによるオートパワー制御回路のオフセットの影響が出ないように設定された所定期間に亘って再生動作が連続して行われた場合にその所定期間経過時点でレーザ光源を消灯させてオートパワー制御回路のオフセットの調整を行わせるようにしたので、時間的管理による簡単な制御方法で温度ドリフトによる悪影響を受けることのないパワー制御が可能となる。
【0100】
請求項13記載の発明によれば、請求項7ないし11の何れか一記載の光ディスク装置において、実際の再生動作に伴い生じ得る温度ドリフトの最大要因である光ディスク装置内の温度変動を温度監視手段により監視し、温度ドリフトによるオートパワー制御回路のオフセットの影響が出ないように設定された温度変動の範囲を超える変動を生じた場合にレーザ光源を消灯させてオートパワー制御回路のオフセットの調整を行わせるようにしたので、実際に温度ドリフトによるオフセットの調整の必要性が生じた場合のみの必要最小限の制御で温度ドリフトによる悪影響を受けることのないパワー制御が可能となる。
【0101】
請求項14記載の発明によれば、請求項7ないし13の何れか一に記載の光ディスク装置において、再生動作中にレーザ光源を消灯させる所定時間をその直後の再点灯時にサーボ信号が追従し得る時間の範囲内に設定したので、再生動作中に消灯を伴うオートパワー制御回路のオフセットの調整動作を行っても、トラッキング等のサーボ制御には何ら支障を来たすことがなく、従って、再点灯後の再生動作等の連続性も維持させることができる。
【0102】
請求項15記載の発明によれば、請求項7ないし13の何れか一に記載の光ディスク装置において、再生動作中にレーザ光源を消灯させる所定時間をその時間内にオートパワー制御回路のオフセット調整を完了させ得る時間に設定した場合、比較的消灯時間が長くなり、トラッキング等のサーボ信号が追従し得ずサーボが外れてしまい、再点灯後のサーボ復帰に時間を要し、外部に出力する再生信号の連続性が損なわれるが、再生動作により再生された情報を一旦バッファメモリを介して出力させるようにしたので、オフセットの調整に伴う再生信号の不連続性を調整してその連続性を維持させて出力させることができる。
【0103】
請求項16記載の発明によれば、請求項15記載の光ディスク装置に関して、再生動作により再生された情報を一旦バッファメモリを介していわゆるホスト等の外部情報処理装置に出力させるようにしたので、オフセットの調整に伴う再生信号の不連続性を調整してその連続性を維持させて外部情報処理装置に出力させることができる。
【0104】
請求項17記載の発明の情報処理装置によれば、請求項7ないし15の何れか一に記載の光ディスク装置を内蔵しているので、再生動作等の実際のドライブ動作に伴い生じ得る温度ドリフトによるオートパワー制御回路のオフセットをそのドライブ動作中に適正に除去することができ、良好なるパワー制御が行われた状態の光ディスク装置を利用でき、信頼性が向上する情報処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態の光ディスク装置の概略を示すブロック的構成図である。
【図2】そのLDパワー制御装置等を示すブロック的回路図である。
【図3】APC回路の温度ドリフトによるオフセットの調整処理を示すタイムチャートである。
【図4】本発明の第二の実施の形態のLDパワー制御装置等を示すブロック的回路図である。
【図5】APC回路の温度ドリフトによるオフセットの調整処理を示すタイムチャートである。
【図6】本発明の第三の実施の形態のLDパワー制御装置等を示すブロック的回路図である。
【図7】本発明の第四の実施の形態のパーソナルコンピュータを示す外観斜視図である。
【図8】従来のAPC回路を示すブロック的回路図である。
【符号の説明】
1 光ディスク装置
2 光ディスク
3 レーザ光源
13 デジタル制御装置
17 モニタ用受光素子
21 オートパワー制御回路
22 電流/電圧変換回路
23 光源電流駆動回路
24 増幅器
28 比較手段
30 サンプルホールド回路
31 D/A変換手段
32 オフセット調整手段
41 バッファメモリ

Claims (17)

  1. 光ディスクに照射するレーザ光を発するレーザ光源の発光パワーが一定となるようにオートパワー制御回路を用いて前記レーザ光源に対する駆動電流値を制御するレーザパワー制御方法において、
    前記光ディスクの情報の再生動作開始から所定期間経過後に前記レーザ光源をエラー訂正が可能な時間消灯させて前記レーザ光源の消灯状態で前記オートパワー制御回路に生ずるオフセットを調整することを特徴とするレーザパワー制御方法。
  2. 消灯直前の前記レーザ光源に対する駆動電流値をサンプルホールド回路に保持させておくようにしたことを特徴とする請求項1記載のレーザパワー制御方法。
  3. 前記情報を再生する動作が所定期間に亘って連続して行われた場合に、その所定期間経過時点で前記レーザ光源を所定時間だけ消灯させて前記オートパワー制御回路のオフセットを調整するようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載のレーザパワー制御方法。
  4. 前記光ディスクの装置内の温度を監視し、その温度変動が予め設定された所定範囲を超える場合に、超えた時点で前記レーザ光源を前記所定時間だけ消灯させて前記オートパワー制御回路のオフセットを調整するようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載のレーザパワー制御方法。
  5. 前記情報の再生中に前記レーザ光源を消灯させる前記所定時間は、前記レーザ光源の再点灯時にサーボ信号が追従し得る時間の範囲内に設定されていることを特徴とする請求項1ないし4の何れか一に記載のレーザパワー制御方法。
  6. 前記情報の再生中に前記レーザ光源を消灯させる前記所定時間は、その時間内に前記オートパワー制御回路のオフセット調整を完了させ得る時間に設定され、前記再生動作により再生された情報を一旦バッファメモリを介して出力させるようにしたことを特徴とする請求項1ないし4の何れか一に記載のレーザパワー制御方法。
  7. 光ディスクに照射するレーザ光を発するレーザ光源と、前記発光パワーが一定となるように前記レーザ光源に対する駆動電流値を制御するオートパワー制御回路とを備えた光ディスク装置において、
    前記光ディスクの情報の再生動作開始から所定期間経過後に前記レーザ光源をエラー訂正が可能な時間消灯させる消灯制御手段と、
    前記レーザ光源の消灯状態で前記オートパワー制御回路に生ずるオフセットを調整するオフセット調整手段と、を備えることを特徴とする光ディスク装置。
  8. 再生動作又は記録動作のために光ディスクに照射するレーザ光を発するレーザ光源と、再生動作時と記録動作時とでゲインが固定された電流/電圧変換回路を有し前記レーザ光源の発光パワーのレベルに対応するモニタ信号の前記電流/電圧変換回路により検出されるレベルの変化に基づき前記発光パワーが一定となるように前記レーザ光源に対する駆動電流値を制御するオートパワー制御回路とを備えた光ディスク装置において、
    前記光ディスクの情報の再生動作開始から所定期間経過後に前記レーザ光源をエラー訂正が可能な時間消灯させる消灯制御手段と、
    前記レーザ光源の消灯状態で前記オートパワー制御回路に生ずるオフセットを調整するオフセット調整手段と、を備えることを特徴とする光ディスク装置。
  9. 前記オートパワー制御回路は、
    前記レーザ光源の発光パワーに対応した電流をモニタ信号として出力するモニタ用受光素子と、
    このモニタ用受光素子から出力される電流を電圧に変換する電流/電圧変換回路と、
    少なくとも1つ以上の増幅器を含み、前記電流/電圧変換回路から出力される電圧値に対応した駆動電流値の駆動電流を前記レーザ光源に供給する光源電流駆動回路と、
    前記電流/電圧変換回路の出力電圧又は前記光源電流駆動回路中の何れか1つの増幅器の出力電圧と、前記レーザ光源の消灯時に比較対象となる前記電流/電圧変換回路又は前記増幅器が出力すべき電圧値に設定された基準電圧とを比較する比較手段と、を備えることを特徴とする請求項7又は8記載の光ディスク装置。
  10. 前記オフセット調整手段は、
    前記オートパワー制御回路のオフセットの調整動作を制御するデジタル制御装置と、
    このデジタル制御装置により電圧値が制御されたオフセット電圧を前記電流/電圧変換回路又は前記光源電流駆動回路中の何れか1つの増幅器に対して印加するD/A変換手段とを備え、
    前記レーザ光源を消灯させたときの前記比較手段の比較出力に基づき前記オートパワー制御回路のオフセットを打ち消すように前記D/A変換手段によるオフセット電圧の電圧値を前記デジタル制御装置により制御するようにしたことを特徴とする請求項9記載の光ディスク装置。
  11. 前記光源電流駆動回路は、消灯直前の前記レーザ光源に対する駆動電流値を保持するサンプルホールド回路を備えることを特徴とする請求項9又は10記載の光ディスク装置。
  12. 前記消灯制御手段は、前記情報を再生する動作が所定期間に亘って連続して行われた場合に、その所定期間経過時点で前記レーザ光源を所定時間だけ消灯させることを特徴とする請求項7ないし11の何れか一記載の光ディスク装置。
  13. 装置内の温度を監視する温度監視手段を備え、前記消灯制御手段は、前記温度監視手段により監視される温度変動が予め設定された範囲を超える場合に、超えた時点で前記レーザ光源を前記所定時間だけ消灯させることを特徴とする請求項7ないし11の何れか一記載の光ディスク装置。
  14. 前記情報の再生中に前記レーザ光源を消灯させる前記所定時間は、前記レーザ光源の再点灯時にサーボ信号が追従し得る時間の範囲内に設定されていることを特徴とする請求項7ないし13の何れか一に記載の光ディスク装置。
  15. 前記再生された情報を一旦蓄積して出力するバッファメモリを備え、前記情報の再生中に前記レーザ光源を消灯させる前記所定時間は、その時間内に前記オートパワー制御回路のオフセットの調整を完了させ得る時間に設定されていることを特徴とする請求項7ないし13の何れか一に記載の光ディスク装置。
  16. 前記バッファメモリの出力側は、外部情報処理装置に接続されていることを特徴とする請求項15記載の光ディスク装置。
  17. 請求項7ないし15の何れか一に記載の光ディスク装置を内蔵したことを特徴とする情報処理装置。
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