JP3983526B2 - 発光パワー制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、MO,MD等の光磁気ディスクに対して光パワーによって情報の記録及び再生を行う光磁気ディスク装置やCD−R,CD−RW,DVD等の光ディスクに対して光パワーによって情報の記録及び再生を行う光ディスク装置等に適用する発光パワー制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ディスク装置における光ディスク(光記録媒体)へのデータの記録は、例えばCD−RディスクではCD−Rディスク上の記録膜に発光素子(レーザ光発光手段)であるレーザダイオード(以下「LD」と称する)から発光される強いレーザ光量を光ビームとして照射して、その熱反応によって記録膜に情報に応じた穴(「ピット」と称する)を開けることにより行われる。
また、CD−RWディスクでは記録膜の結晶状態を変化させることによって行われる。
一方、光ディスクに書き込まれたデータは、LDから発光される弱いレーザ光量を光ビームとして記録膜上に照射して得られる反射光量の反射光に基づいて読み取ることができる。
【0003】
ところで、上述したように光ディスクの記録はLDからの光ビームによって光ディスクにピットを開けることで行われる。そのときのレーザ光の発光パワーの変化を図7に示す。
図7において、記録時にはLDからは第1の光量レベルの発光パワーP1とそれよりも大きい(高い)第2の光量レベルの発光パワーP2が繰り返して出射される。
第2の光量レベルの発光パワーP2は記録パワーであり、その発光パワーで照射した記録膜の部分にピットが形成され、第1の光量レベルの発光パワーP1は再生パワーであり、その発光パワーで照射した記録膜の部分はそのままスペースになる。
【0004】
また、CD−Rディスクでは、P3>P2の関係を有する第3の光量レベルの発光パワーP3を設けて、P1,P2,P3の3値で記録パワー波形を生成することがあり、その第3の光量レベルの発光パワーP3をピット先頭に位置付けるようにしてピットエッジを先鋭化している。
また、CD−RWディスク(Compact Disc ReWritable)のような相変化型の書き換え可能な媒体では、やはり3値を設けるが、第3の光量レベルの発光パワーP3と第1の光量レベルの発光パワーP1を高速で繰り返すことによって記録膜をアモルファス(非結晶)化し、第2の光量レベルの発光パワーP2を持続させることによって結晶化させ、それをデータに対応させる。
【0005】
図7に示すように、時間tライトスタートより前が光ディスクからデータを再生するときの発光波形であり、時間tライトスタートより後が光ディスクにデータを記録する場合の発光波形である。
上述したように光ディスクのデータを再生するとき、LDから発光されるパワーは低くてDC発光であり、一般的に第1の光量レベルの発光パワーP1は1mWほどである。
一方、記録時にLDから発光されるレーザ光のパワーは高くて第2の光量レベルの発光パワーP2は一般に数mW〜数10mWである。記録時は第1の光量レベルの発光パワーP1と第2の光量レベルの発光パワーP2の発光が繰り返すことによって光ディスク上の記録膜にピットをつくることができるのである。
【0006】
ところで、近年の光ディスク装置では再生速度,記録速度共に向上されつつある。再生速度では32倍速のものもあり、記録速度では12倍や16倍になるものもある。
例えば、CD−Rディスクに12倍速でデータを記録する場合、記録パワーは再生パワーに対して30倍くらいになることもあり、それは再生パワーが1mWの時に記録パワーが30mWになることを示す。
また、LDは自らの発振による温度上昇等の原因によってその発光パワーが変化する(特に発光パワーが高パワーであるときには温度上昇する時間は短くなる)ので、光ディスク装置等において受光素子(以下「PD」と称する)でLD出力をモニタしながらLDを駆動する電流を制御してLDの発光パワーを一定にしている。そのLDの発光パワーを制御する部分が発光パワー制御装置である。
【0007】
図8は、従来のLDの発光パワーを定パワー制御する発光パワー制御装置の回路構成例を示す図である。
この発光パワー制御装置では、定パワー制御をディジタルAPC制御で行っている。
図8において、PD1に入射された光は光電変換によって光量に比例した電流のかたちで出力される。ただし、PD1によるモニタはLD2からのレーザ光の一部をモニタするものであり、レーザ光の大部分は光ディスクの記録膜へ照射される。
次に、PD1から出力された電流信号をAPC部のI/V変換器(I/V変換回路)3によって電圧信号に変換して電圧値として出力する。その出力された電圧信号において第1の光量レベルの発光パワーP1に対応した値を電圧信号V(P1),第2の光量レベルの発光パワーP2に対応したものを電圧信号V(P2)とする。
【0008】
記録時における出力は再生時と異なり、電圧信号V(P1)と電圧信号V(P2)が交互に変化する信号であるため、第1サンプルホールド(S/H)回路4と第2サンプルホールド(S/H)回路5によってそれぞれ電圧信号V(P1)と電圧信号V(P2)に分離される。
また、第1S/H回路4における第1サンプル信号は再生時は常に第1S/H回路4内のスイッチSWをオン(ON)する信号であり、記録時は記録時の第1の光量レベルの発光パワーP1で出射されている期間、あるいはそれよりも短い期間のみ第1S/H回路4内のスイッチSWをオン(ON)にし、また、第2の光量レベルの発光パワーP2が出射されている期間は第1S/H回路4内のスイッチSWをオフ(OFF)して第1S/H回路4内のコンデンサCで第1の光量レベルの発光パワーP1に対応した電圧信号Vs(P1)のみを取り出すようにコントロールしている。
【0009】
一方、第2サンプル信号は再生時は常に第2S/H回路5内のスイッチSWをオフ(OFF)する信号であり、記録時は第2の光量レベルの発光パワーP2で出射されている期間、あるいはそれよりも短い期間のみ第2S/H回路5内のスイッチSWをオン(ON)し、記録時に第1の光量レベルの発光パワーP1で出射されている期間は第2S/H回路5内のスイッチSWをオフ(OFF)して第2S/H回路5内のコンデンサCで第2の光量レベルの発光パワーP2に対応した電圧信号Vs(P2)のみを取り出すようにコントロールする信号である。
第1S/H回路4と第2S/H回路5によってI/V変換器3の出力する電圧信号から分離した各電圧信号Vs(P1)及びVs(P2)を、それぞれ第1コンパレータ6及び第2コンパレータ7に入力する。
【0010】
第1コンパレータ6では電圧信号Vs(P1)と第1基準電圧Vref1とを比較し、同様に第2コンパレータ7では電圧信号Vs(P2)と第2基準電圧Vref2とを比較している。
第1コンパレータ6及び第2コンパレータ7からは入力信号(それぞれ電圧信号Vs(P1)と電圧信号Vs(P2))が基準電圧(それぞれ第1基準電圧Vref1と第2基準電圧Vref2)に対して大きいか小さいかのみを示す信号、つまり2値の値(ディジタル値)が出力されてCPU8で読み込むようにしている。
また、ディジタル値をアナログ値に変換する第1D/Aコンバータ9にCPU8からデータが送られ、第1D/Aコンバータ9からは入力されたデータに比例した電圧を出力している。さらに、その出力に比例した値がLDドライバ部の第1V/I変換器11によって電流が出力される。
【0011】
同様にして、第2D/Aコンバータ10にもCPU8からデータが送られて第2V/I変換器12からも電流が出力される。
さらに、第1V/I変換器11と第2V/I変換器12の出力電流をそれぞれ第1電流増幅器13と第2電流増幅器14によって増幅するのだが、再生時はLDON信号をオン(ON)にすることによって第1増幅器13側のスイッチSWを閉じて第1電流増幅器13から出力された電流信号をLD2へ供給し、第1の光量レベルの発光パワーP1レベルでLD2を発光させる。
また、記録時はライトパルス重畳信号をオン(ON)にすることによって第2増幅器14側のスイッチSWを閉じて第2電流増幅器14の出力を電流加算器15へ供給し、電流加算器15によって第1電流増幅器13から出力された電流信号に第2電流増幅器14から出力された電流信号を足してLD2へ供給し、その電流信号によってLD2を第2の光量レベルの発光パワーP2レベルで発光させる。
【0012】
その第1電流増幅器13からの出力を電流信号IP1とし、第2電流増幅器14からの出力を電流信号IP2とする。
ところで、再生開始時、CPU8はまず、第1D/Aコンバータ9に“0”を出力する。それによりLD2の記録パワー分の電流は“0”からスタートする。
そして、CPU8は第1D/Aコンバータ9に出力するデータを徐々に増加させながら、第1コンパレータ6の出力が反転する(つまり電圧信号Vs(P1)が第1基準電圧Vref1よりも大になる)まで増加させる。
その後、第1コンパレータ6の出力が常に反転を繰り返すように(つまり電圧信号Vs(P1)=第1基準電圧Vref1になるように)、第1D/Aコンバータ9へ出力するデータを常に可変する。このようにして、LD2から出射される再生パワーは一定レベルに保たれる。
【0013】
図9は、図8に示した発光パワー制御装置におけるデジタルAPC制御時の第1S/H回路4と第1コンパレータ6のそれぞれの出力電圧を示す波形図である。上述の制御動作の様子を示すものである。
また、上述と同様にして、記録開始時から記録パワーレベルが一定に保たれるまでの制御について説明する。
図10は、図8に示した発光パワー制御装置におけるデジタルAPC制御時の第2S/H回路5と第2コンパレータ7のそれぞれの出力電圧を示す波形図である。
図10に示すように、再生発光時にはCPU8は第2D/Aコンバータ10の出力を“0”にしておく。
【0014】
次に、記録発光が開始されるとCPU8は第2D/Aコンバータ10に出力するデータを“1”ずつ乃至は所定ずつ上げていく。
それにともなって、第2D/Aコンバータ10の出力する電圧信号に比例した電流信号がLD2に記録パワーの電流として第1D/Aコンバータ9の出力する電圧信号に比例した電流信号に重畳されるため、それをモニタして、サンプルホールドした第2S/H回路5の出力する電圧信号も所定量ずつ増加していく。
そしてやがて第2S/H回路5の出力する電圧信号が第2基準電圧Vref2を超えると第2コンパレータ7の出力が反転する。反転するとCPU8は、その前とは逆方向に動かしたデータを第2D/Aコンバータ10へ送出する。
【0015】
このようにして、LD2へ供給される電流信号が減少し、また、第2コンパレータ7が反転する。反転するとCPU8は、その前とは逆方向に.....のようにして、CPU8は永久に第2D/Aコンバータ10を操作し、常に第2S/H回路5の出力する電圧信号と第2基準電圧Vref2とがまたぎあうように操作する。こうしてLD2から一定の第2の光量レベルの発光パワーP2が出射されることになる。
このように構成されたフィードバックループ回路により、基準電圧によって決定される一定パワーがLD2から発光されることになるが、その回路構成はCPUとD/Aコンバータ等を用いたディジタルAPC制御である。
【0016】
しかし、定パワー制御は上述のようなディジタルAPC制御だけではなく、S/H回路からの信号を誤差増幅器等に入力し、誤差増幅器等で基準電圧と比較して、基準電圧に対してずれを生じているときに誤差増幅器はずれを補正するような電圧をV/I変換器に出力することによってもパワー制御することができる。
このように、アナログ制御でもディジタル制御でもLD発光パワーをモニタして第1の光量レベルの発光パワーP1,第2の光量レベルの発光パワーP2といったレベルを基準電圧と比較して基準電圧になるようにLDへの駆動電流を制御するといった点では同じ動作である。
【0017】
すなわち、定パワー制御は上述のようなディジタル制御だけではなく、2つのS/H回路からのそれぞれの信号を誤差増幅器等に入力し、誤差増幅器等で基準電圧と比較して基準電圧に対してずれを生じているときに誤差増幅器はずれを補正するような電圧をそれぞれに対応するV/I変換器に出力するようなアナログ制御であってもパワー制御することができる。
このように、アナログ制御でもディジタル制御でもLDの発光パワーをモニタして所定の光量レベルである第1の光量レベルの発光パワーP1,第2の光量レベルの発光パワーP2といったレベルを基準電圧と比較して基準電圧になるようにLDへの駆動電流を制御するといった点では同じ動作である。
【0018】
ところで、上記第1コンパレータ6の第1基準電圧Vref1と第2コンパレータ7の基準電圧Vref2と第1の光量レベルの発光パワーP1又は第2の光量レベルの発光パワーP2の関係は製造工程などにおいて、例えば関係式のかたちで予め求めておく。
そして、実際の発光時はその関係式に基づいて第1の光量レベルの発光パワーP1と第2の光量レベルの発光パワーP2の設定を行う。
図11は、LDの駆動電流対発光パワー特性の関係の一例を示す線図である。
図11に示すように、LDからの発光パワーとLD駆動電流は所定のしきい値Ithよりも上では1次関数的になっている。
【0019】
もちろん、その傾きはLDによって多少ばらつきもあるが、LD駆動電流と発光パワーの関係に所定の傾きがあるなら、LD駆動電流を設定するD/Aコンバータの設定電圧値とも発光パワーは関係をもつことがわかる。
さらに、D/Aコンバータの設定電圧値はもともとコンパレータの基準電圧によって決まるものなので、コンパレータの基準電圧と発光パワーはある一定の傾きで1次関数的な関係があるといえる。
したがって、その傾きを予め求めておけば、基準電圧に対して発光パワーを求めることができる。
実際は、その傾きや切片をメモリ等に記憶させておくことによって、その制御はたやすくなる。
【0020】
また、上記傾きはLDの特性によって温度などで傾きが変わったり、しきい値Ithがシフトしたりするが、コンパレータの基準電圧をまたぐようにCPUがLD駆動電流を変えるので一定パワーで制御することができる。
そのLDからの発光パワーが一定になるように制御することをオートパワーコントロール(Auto Power Control:以下「APC制御」と略称する)という。
図8に示した発光パワー制御装置では、特に基準電圧と比較して基準電圧になるようにV/I変換器へ電圧を制御するCPUまでをAPC部とした。
【0021】
ところで、PD出力、つまりI/V変換器の出力は、LDが同じ発光パワーで発光していてもPDの取り付け位置のばらつきなどによって異なる。
そのため、ばらつきが大きい場合、上述したように製造工程で上記コンパレータの基準電圧と第1の光量レベルの発光パワーP1又は第2の光量レベルの発光パワーP2の関係を求める際に、実際に発光させるなどして関係を求めたとしても、基準電圧を最も大きくしたときの発光パワーにばらつきがでてしまう。
したがって、I/V変換器の出力を可変ゲインアンプ等の電圧増幅手段でS/H回路への入力をできるだけ一定になった状態で基準電圧と第1の光量レベルの発光パワーP1又は第2の光量レベルの発光パワーP2の関係を求めるのが好ましい。
【0022】
しかし、コンパレータの基準電圧と第1の光量レベルの発光パワーP1,第2の光量レベルの発光パワーP2の関係を求めるために、従来製造工程で実際に発光させるなどして関係式を求める際に、パワーを発光させる手順が複雑である場合に調整工程において時間がかかるといった問題や、発光パワーを検出する装置や設備を必要とするためコストがかかるといった問題があった。
【0023】
そこで従来、再生信号を再生信号判定回路に入力し、再生信号判定回路の出力により記録時のレーザパワーが適切な値か否かを制御回路によって判定し、制御回路からレーザパワー設定回路へ記録時のパワーを補正するためにD/A変換した電圧値を送ることによって、自動的に記録パワーを得る発光パワー制御装置(例えば、特許第2797858号公報参照)が提案されている。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の発光パワー制御装置では、調整工程等を必要としないのでコストや時間等はかからないが、実際の記録パワーの補正のために光ディスクに記録させてからその書かせた部分の再生信号を見る必要がある。そのため、光ディスクにOPC以外で書かせる必要があり、光ディスクにそのための新たな領域を設けなければならず、記録容量の減少を招くという問題があった。また、ユーザが調整用の光ディスクを用意しなければならないので使用時のコストがかかるという問題もあった。
この発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、発光パワー調整を装置や設備を必要とすることなく上記欠点を解消し、製造時の調整工程を削減して組立コストの低減を図ると共に、光記録媒体の記録容量を低減させず、使用者の使用コストを上昇させないようにすることを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記の目的を達成するため、複数のレーザーパワーのレーザ光を光記録媒体に照射するレーザ光発光手段と、上記レーザ光発光手段に電流を供給して発光駆動させるレーザ光発光駆動手段と、上記レーザ光発光手段から発光されるレーザ光の発光パワーを検出し、その発光パワーに応じた電流信号を出力する発光パワー検出手段と、その発光パワー検出手段から出力された電流信号を電圧信号に変換して出力する電流電圧変換手段と、その電流電圧変換手段によって出力された電圧信号のレベルを少なくとも2種類以上の増幅率で増幅させて出力する電圧増幅手段と、その電圧増幅手段から出力された電圧信号のレベルと予め設定された基準電圧レベルとを比較する比較手段と、その比較手段の比較結果に応じて上記発光パワーの光量レベルを調整する光量レベル調整手段と、上記電流電圧変換手段から出力された電圧信号にその電圧信号以外の所定の電圧信号を注入するオフセット電圧信号注入手段と、上記比較手段に入力される電圧信号を検出する電圧信号検出手段を備え、上記オフセット電圧信号注入手段に少なくとも2種類以上の所定の電圧信号を設定したときのそれぞれの電圧信号に対して上記比較手段に入力される電圧信号と上記電圧信号検出手段によって検出された電圧信号との関係に基づいて上記電圧増幅手段の増幅率を設定するようにしたものである。
【0026】
また、上記のような発光パワー制御装置において、上記オフセット電圧信号注入手段から出力する電圧信号に基づいて上記電流電圧変換手段から出力される電圧信号のオフセットを打ち消し、その打ち消したときの上記オフセット電圧信号注入手段から出力された電圧信号の設定値を保存した状態で上記オフセット電圧信号注入手段に少なくとも2種類以上のオフセット電圧信号を設定したときのそれぞれのオフセット電圧信号に対して上記比較手段に入力される電圧信号と上記電圧信号検出手段によって検出された電圧信号との関係に基づいて上記電圧増幅手段の増幅率を設定するようにするとよい。
【0027】
さらに、上記のような発光パワー制御装置において、上記電流電圧変換手段から出力される電圧信号のオフセットを打ち消したときの上記オフセット電圧信号注入手段から出力された電圧信号の設定値に基づいて上記少なくとも2種類以上の所定の電圧信号を区別するようにするとよい。
さらにまた、上記のような発光パワー制御装置において、再生時と記録時にそれぞれ上記増幅手段の増幅率を求め、それぞれある一定の値に増幅率が決定された場合にのみその増幅率を上記増幅手段に設定するようにするとよい。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図6は、この発明の発光パワー制御装置を適用する一般的なCD−Rドライブの構成を示すブロック図であり、このCD−Rドライブは一度だけ書き込み可能なCDフォーマットに準拠したディスクであるCD−R(CD−Recordable)ディスクに対する情報の記録及び再生を行う。
【0029】
光ディスク48は、CD−ROMディスク,CD−Rディスク,CD−RWディスク,CD等の光記録媒体である。例えば、CD(Compact Disc)はディスク基板上の記録膜に予め各種の情報に対応するデータ列がピットと呼ばれる穴の有無で形成されており、それにレーザ光を当てて、その反射光の変化に基づいてデータを読み取る。そのデータ列はレコードの様にディスク基板上に螺旋状に並べられている。その螺旋状に配された線をトラックと呼んでいる。隣り合うトラック間の距離は1.6ミクロンである。
スピンドルモータ(Spindle Motor)30は、情報の記録又は再生時に光ディスク48を所定の回転数で回転駆動する。
モータドライバ(Motor Driver)31とサーボ部(Servo)32は、スピンドルモータ30を一定速度になるように駆動制御する。
【0030】
光ピックアップ部(Pick Up)33は、図示を省略した公知のレーザ発光手段であるレーザダイオード(Laser Diode),レンズ等の光学系,レーザ光の焦点が光ディスク48に合うようにレンズの位置を光ディスク48に対して垂直方向に動かす機構であるフォーカスアクチュエータ,レーザ光の焦点がトラックをトレースするように光ディスク48の半径方向(スレッジ方向)に対してレンズを動かす機構であるトラックアクチュエータ,受光素子及びポジションセンサ等を内蔵したものであり、光ディスク48に対する情報の記録又は再生時にレーザ光を照射する。
また、光ピックアップ部33の全体はシークモータ(同じく図示を省略する)によってスレッジ方向に移動可能である。上記フォーカスアクチュエータ,トラックアクチュエータ,シークモータは、受光素子,ポジションセンサから得られた信号に基づいてモータドライバ31とサーボ部32によってレーザスポットを目的の場所に位置するように制御する。
【0031】
光ディスク48からのデータ読み出しの場合、光ピックアップ部33で得られた再生信号をリードアンプ(Readamp)34で増幅してイコライザ処理や2値化(ディジタル化)を施した後、CDデコーダ(CD Decoder)35へ入力してEFM復調する。また、CD−ROMデータの場合はCD−ROMデコーダ44によってデコードする。光ディスク48には光学的に再生又は記録しやすいように8ビット(bit)データを14ビットのデータに変調したデータが書かれており、それをEFM(Eight to Fourteen Modulation)と呼ぶ。さらに、EFM復調されたデータにデインタリーブ(並べ替え直し)とエラー訂正の処理を施す。
【0032】
その後、そのデータをバッファマネージャ(Buffer Manager)36によって一旦バッファRAM(Buffer RAM)37に蓄えて、セクタデータとして揃った段階でATAPIやSCSI等のインタフェース(I/F)38を介してホストコンピュータ(図示を省略)へ一気に送る。
また、音楽データの場合、CDデコーダ35から出てきたデータをD/Aコンバータ39へ入力してアナログのオーディオ信号を取り出す。
【0033】
一方、データ書き込み時は、I/F38を通してホストコンピュータから送られてきたデータをバッファマネージャ36によって一旦バッファRAM37に蓄えて、バッファRAM37にある程度の量のデータが貯まったところで書き込みを開始するが、その前にレーザスポットを書き込み開始地点に位置させなければならない。その地点はトラックの蛇行によって予め光ディスク48に刻まれているウォブル信号から求められる。ウォブル信号にはATIPと呼ばれる絶対時間情報が含まれており、ATIPデコーダ40によってATIPを取り出せる。
また、ATIPデコーダ40が生成する同期信号をCDエンコーダ41へ入力して正確な位置でのデータの書き出しを可能にしている。
【0034】
バッファRAM37のデータを、CD−ROMエンコーダ42やCDエンコーダ41でエラー訂正コードの付加やインターリーブ(並べ替え)を行った後にEFM変調し、レーザコントロール回路(レーザコントローラ:Laser Controller)43,光ピックアップ部33を介して光ディスク48に記録する。
CPU45は、このCD−Rドライブ全体の制御を司るマイクロコンピュータであり、ROM46はCPU45が実行する各種の制御プログラムを格納するメモリであり、RAM47はCPU45が各種の制御処理を行う際の作業領域であるメモリである。
【0035】
次に、この発明の第1実施形態の発光パワー制御装置について説明する。
図1は、この発明の第1実施形態の発光パワー制御装置の回路構成を示すブロック図である。図8と共通する部分には同一符号を付して共通する機能についての説明を省略する。
図2は、図1に示した発光パワー制御装置における処理を示すフローチャート図である。
図1に示した各スイッチの制御信号、つまり第1サンプル信号,第2サンプル信号,ライトパルス重畳信号とLDON信号は図6のCDエンコーダ41によって出力される信号である。
【0036】
図1において、LD2は上記レーザ光発光手段に、第1V/I変換器11と第2V/I変換器12と第1電流増幅器13と第2電流増幅器14と電流加算器15とは上記レーザ光発光駆動手段に、PD1は上記発光パワー検出手段に、I/V変換器3は上記電流電圧変換手段にそれぞれ相当する。
また、可変ゲインアンプ20は上記電圧増幅手段に、第1S/H回路4と第2S/H回路5と第1コンパレータ6と第2コンパレータ7とは上記比較手段に、CPU8と第1D/Aコンバータ9と第2D/Aコンバータ10とは上記光量レベル調整手段に、第3D/Aコンバータ21は上記オフセット電流注入手段に、A/Dコンバータ22は上記電圧信号検出手段にそれぞれ相当する。
【0037】
予め発光パワー制御装置に組み込んでおくソフトウェア(F/W)において、可変ゲインアンプ20のゲインを求めるために第3D/Aコンバータ21の設定値を2つとする。また、第3D/Aコンバータ21への設定は第1設定値に対して「第1設定値+5LSB」の場合と「第1設定値+10LSB」のいずれか一方を選択できるようにしておき、「+5LSB」の場合は2点目を「第1設定値+10LSB」とし、1点目を「+10LSB」とした場合は2点目を「+20LSB」とする。
なお、第3D/Aコンバータ21は最大100LSBまで設定できるものとし、第3D/Aコンバータ21は上限の5LSB以内で必ず飽和する仕様とする。
【0038】
この場合、「+20LSB」になったときに「95LSB」とならないようにするには第1設定値で75LSBがぎりぎりであるが、余裕をもって70LSBとする。その「70LSB」をしきい値Aとする。
また、第1基準電圧Vref1や第2基準電圧Vref2は予め決定した所定値を設定するとそれに応じたパワーで発光するといった用途があるので、D/Aコンバータ等で細かく設定を可変できるようにしているのだが、ここでは図1への図示を省略したがD/Aコンバータのような回路以外に回路基準電圧にスイッチなどで基準電圧を切り換えられるようにしておくとよい。
【0039】
製造工程において、光ピックアップ部と発光パワー制御装置を接続した後、電源をオン(ON)にする。発光パワー制御装置としては再生側にA/Dコンバータ22を第1S/H回路4の出力側につなげておく。さらに第1基準電圧Vref1を発光パワー制御装置の回路基準電圧に設定する。その後、第1サンプル信号をオン(ON)にすることによって第1S/H回路4から電圧信号が出力される(図2のステップ(図中「S」で示す)1)。
次に、第3D/Aコンバータ21の設定値を変化させ(S2)、第3D/Aコンバータ21の設定値を変化させたときの第1コンパレータ6の出力をみる。第1コンパレータ6の出力が変化したとき、第3D/Aコンバータ21の設定値を第1設定値として保存する(S3)。その保存は図示を省略したRAMのような揮発性メモリ等でよい。
【0040】
さらに、第1設定値がしきい値Aを超えるか否かを判断し(S4)、第1設定値がしきい値Aを超える場合、第3D/Aコンバータ21の値を「第1設定値+5LSB」にしたときのA/Dコンバータ22の値を測定して保存する(S5)。また、第3D/Aコンバータ21の値を「第1設定値+10LSB」とした時のA/Dコンバータ22の値を測定して保存する(S6)。
次に、上記保存された2点を通る直線の傾きを計算し(S9)、その値を可変ゲインアンプ20のゲインとして設定する(S10)。その後、第3D/Aコンバータ21の値を第1設定値に戻す(S11)。
【0041】
一方、第1設定値がしきい値Aを超えない場合は、第3D/Aコンバータ21の値を「第1設定値+10LSB」にしたときのA/Dコンバータ22の値を測定して保存する(S7)。また、第3D/Aコンバータ21の値を「第1設定値+20LSB」とした時のA/Dコンバータ22の値を測定して保存する(S8)。
その後、上記保存された2点を通る直線の傾きを計算し(S9)、その値を可変ゲインアンプ20のゲインとして設定する(S10)。そして、第3D/Aコンバータ21の値を第1設定値に戻す(S11)。
こうして、製造工程において発光パワー調整のための設備や装置が不要になってコストがかからず、さらに発光パワー調整の時間も短縮することができる。
【0042】
次に、この発明の第2実施形態の発光パワー制御装置について説明する。
図3は、この発明の第2実施形態の発光パワー制御装置の回路構成を示すブロック図である。図1及び図8と共通する部分には同一符号を付して共通する機能についての説明を省略する。
【0043】
図3において、LD2は上記レーザ光発光手段に、第1V/I変換器11と第2V/I変換器12と第1電流増幅器13と第2電流増幅器14と電流加算器15とは上記レーザ光発光駆動手段に、PD1は上記発光パワー検出手段に、I/V変換器3は上記電流電圧変換手段にそれぞれ相当する。
また、可変ゲインアンプ20は上記電圧増幅手段に、第1S/H回路4と第2S/H回路5と第1コンパレータ6と第2コンパレータ7とは上記比較手段に、CPU8と第1D/Aコンバータ9と第2D/Aコンバータ10とは上記光量レベル調整手段に、第3D/Aコンバータ21は上記オフセット電流注入手段に、第1A/Dコンバータ23と第2A/Dコンバータ24とは上記電圧信号検出手段にそれぞれ相当する。
【0044】
図4及び図5は、図3に示した発光パワー制御装置における処理を示すフローチャート図である。
第2実施形態と第1実施形態の発光パワー制御装置の相違点は、第2実施形態の発光パワー制御装置では記録側の制御回路にもA/Dコンバータを設けた点である。すなわち、図3では第1A/Dコンバータ23と第2A/Dコンバータ24を設けている。
【0045】
また、第2実施形態の発光パワー制御装置でも第1実施形態と同様に、第3D/Aコンバータ21の設定は第1設定値に対して「第1設定値+5LSB」の場合と「第1設定値+10LSB」のいずれか一方を選択できるようにしておき、「+5LSB」の場合は2点目を「第1設定値+10LSB」とし、1点目を「+10LSB」とした場合は2点目を「+20LSB」とする。
なお、第3D/Aコンバータ21は最大100LSBまで設定できるものとし、第3D/Aコンバータ21は上限の5LSB以内で必ず飽和する仕様にする。
この場合、「+20LSB」になったときに「95LSB」とならないようにするには第1設定値で75LSBがぎりぎりであるが、余裕をもって70LSBとする。その70LSBをしきい値Aとする。
【0046】
また、第1基準電圧Vref1や第2基準電圧Vref2は予め決定した所定値を設定するとそれに応じたパワーで発光するといった用途があるので、D/Aコンバータ等で細かく設定を可変できるようにしているのだが、図3でも図示を省略したが例えばD/Aコンバータのような回路以外に回路基準電圧にスイッチ等で基準電圧を切り換えられるようにしておくとよい。さらに、再生側で求めたゲインを第1ゲインとし、記録側で求めたゲインを第2ゲインとする。
【0047】
製造工程において、光ピックアップ部と発光パワー制御装置を接続した後、発光パワー制御装置としては再生側に第1A/Dコンバータ23を第1S/H回路4の出力側につなげておく。また、記録側に第2A/Dコンバータ24を第2S/H回路5の出力側につなげておいて、電源をオン(ON)にする。さらに第1基準電圧Vref1を発光パワー制御装置の回路基準電圧に設定する。その後、第1サンプル信号をオン(ON)にすることによって第1S/H回路4から電圧信号が出力される(図4のステップ(図中「S」で示す)21)。
次に、第3D/Aコンバータ21の設定値を変化させ(S22)、第3D/Aコンバータ21の設定値を変化させたときの第1コンパレータ6の出力をみる。第1コンパレータ6の出力が変化したとき、第3D/Aコンバータ21の設定値を第1設定値として保存する(S23)。その保存は図示を省略したRAMのような揮発性メモリ等でよい。
【0048】
さらに、第1設定値がしきい値Aを超えるか否かを判断し(S24)、第1設定値がしきい値Aを超える場合、第3D/Aコンバータ21の値を「第1設定値+5LSB」にしたときの第1A/Dコンバータ23の値を測定して保存する(S25)。
また、第3D/Aコンバータ21の値を「第1設定値+10LSB」とした時の第1A/Dコンバータ23の値を測定して保存する(S26)。
その後、上記保存された2点を通る直線の傾きを計算して、その値を可変ゲインアンプ20の第1ゲインとして保存する(S29)。
【0049】
一方、第1設定値がしきい値Aを超えない場合は、第3D/Aコンバータ21の値を「第1設定値+10LSB」にしたときの第1A/Dコンバータ23の値を測定して保存する(S27)。また、第3D/Aコンバータ21の値を「第1設定値+20LSB」とした時の第1A/Dコンバータ23の値を測定して保存する(S28)。
その後、上記保存された2点を通る直線の傾きを計算して、その値を可変ゲインアンプ20の第1ゲインとして保存する(S29)。
【0050】
次に、第2基準電圧Vref2を発光パワー制御装置の回路基準電圧に設定する。その後、第1サンプル信号をオフ(OFF)にして第2サンプル信号をオン(ON)にすることによって第2S/H回路5から電圧信号が出力される(S30)。第3D/Aコンバータ21の設定値を変化させ(S31)、第3D/Aコンバータ21の設定値を変化させたときの第2コンパレータ7の出力をみる。第2コンパレータ7の出力が変化したとき、第3D/Aコンバータ21の設定値を第2設定値として保存する(図5のS32)。その保存は図示を省略したRAMのような揮発性メモリ等でよい。
【0051】
さらに、第2設定値がしきい値Aを超えるか否かを判断し(S33)、第2設定値がしきい値Aを超える場合、第3D/Aコンバータ21の値を「第2設定値+5LSB」にしたときの第2A/Dコンバータ24の値を測定して保存する(S34)。
また、第3D/Aコンバータ21の値を「第2設定値+10LSB」とした時の第2A/Dコンバータ24の値を測定して保存する(S35)。
その後、上記保存された2点を通る直線の傾きを計算して、その値を可変ゲインアンプ20の第2ゲインとして保存する(S38)。
【0052】
一方、第2設定値がしきい値Aを超えない場合は、第3D/Aコンバータ21の値を「第2設定値+10LSB」にしたときの第2A/Dコンバータ24の値を測定して保存する(S36)。また、第3D/Aコンバータ21の値を「第2設定値+20LSB」とした時の第2A/Dコンバータ24の値を測定して保存する(S37)。
その後、上記保存された2点を通る直線の傾きを計算して、その値を可変ゲインアンプ20の第2ゲインとして保存する(S38)。
【0053】
次に、第2基準電圧Vref2を発光パワー制御装置の回路基準電圧に設定する。その後、第1サンプル信号をオフ(OFF)にして第2サンプル信号をオン(ON)にすることによって第2S/H回路5から電圧信号が出力される(S30)。第3D/Aコンバータ21の設定値を変化させ(S31)、第3D/Aコンバータ21の設定値を変化させたときの第2コンパレータ7の出力をみる。第2コンパレータ7の出力が変化したとき、第3D/Aコンバータ21の設定値を第2設定値として保存する(図5のS32)。その保存は図示を省略したRAMのような揮発性メモリ等でよい。
【0054】
次に、上記保存した第1ゲインと第2ゲインについて設定誤差や計算上の誤差も考えられるため、上記保存した第1ゲインと第2ゲインを比較して、両値の誤差が所定の範囲内にあるか否かを判断し(S39)、所定の範囲内なら第1ゲインと第2ゲインの平均値をとり、その平均値を可変ゲインアンプ20のゲインとして設定する(S40)。
さらに、第1設定値と第2設定値の平均値を求め、その平均値を第3D/Aコンバータ21の設定値として設定する(S41)。
一方、上記保存した第1ゲインと第2ゲインの誤差が所定の範囲外ならば、この発光パワー制御装置をNGとする(S42)。
こうして、発光パワー制御装置内の回路の異常があった場合、発光させるような装置や設備を必要とせずに異常があるか否かを判定できるので、次工程での無駄を省くことができる。
【0055】
上記実施形態における請求項1記載の発光パワー制御装置は、可変ゲインアンプ20への入力に第3D/Aコンバータ21をI/V変換器3の出力に注入できるようにし、さらに第1S/H回路4又は第2S/H回路5のそれぞれの出力にA/Dコンバータを備えておく。(第1実施形態の場合は第1S/H回路4の出力側にA/Dコンバータ22を設け、第2実施形態の場合は第1S/H回路4の出力側に第1A/Dコンバータ23を、第2S/H回路5の出力側に第2A/Dコンバータ24をそれぞれ設けた)
【0056】
A/Dコンバータは第1S/H回路4又は第1S/H回路5の出力をディジタル値に変換することができるので、CPU8はその値からS/H回路の出力を測定することができる。S/H回路への入力値が一定であれば基準電圧が最大時の発光パワーの値はばらつかなくなるので、発光パワー制御装置の回路設計時にどのような値になるかを決めておくのだが、そのときI/V変換器3の出力が設計値になっていれば問題はないが、上述したようにばらつきがあるために可変ゲインアンプ20によってS/H回路への入力を一定にする必要がある。
【0057】
そこで、可変ゲインアンプ20の入力用の第3D/Aコンバータ21の値を2種類以上に設定してやり、そのときのA/Dコンバータの値を測定する。第3D/Aコンバータ21の値を2種類にした場合は、その設定値に対するA/Dコンバータの値は2点になるので、その2点を通る直線の関係式の傾きを求める。
また、第3D/Aコンバータ21の設定値を3種類以上にする場合は上述と同様にして3点以上とれるので3点の近似直線を関係式とし、その傾きを求める。
そして、その求めた傾きを可変ゲインアンプ20のゲインとし、そのゲインを可変ゲインアンプ20のゲインとして設定する。
【0058】
したがって、実際に発光させなくてもS/H回路への入力が一定になるので、レーザダイオード等のレーザ発光手段の発光パワー調整を行う装置や設備が必要ではなくなるため、製造時に調整工程を削減することができて組立コストの低減を図ることができる。
このようにして、実際に発光させることなく設備や装置を必要とすることなく発光パワー検出手段であるPDからの出力にばらつきがあっても可変ゲインアンプの最適なゲインをみつける事ができるので、製造時のコスト削減や時間短縮を図ることができる。
【0059】
次に、上記請求項1記載の発光パワー制御装置では、可変ゲインアンプ20にオフセット電圧が生じている場合があり、正確なゲインを求めることができなくなる恐れがある。
そこで、上記実施形態における請求項2記載の発光パワー制御装置では、可変ゲインアンプ20の電圧オフセットを除くため、例えば再生パワーを制御する回路側にある第1コンパレータ6を使用して以下のようにして可変ゲインアンプのゲインを求める。
第1S/H回路4の入力は回路基準電圧であるので、第1サンプル信号をオン(ON)にした状態で第1コンパレータ6の第1基準電圧Vref1を回路基準電圧として第3D/Aコンバータ21を変化させる。
【0060】
そのとき、第1コンパレータ6の出力が“0”の場合はオフセットのために回路基準電圧よりも低くなっていることを示し、逆に“1”の場合は回路基準電圧よりも大きくなっていることを示しており、“0”から“1”又は“1”から“0”へと変化したときのオフセットが無くなった(もっとも小さくなった)ことから、オフセットが無いことを検出したときの第3D/Aコンバータ21の設定値を保存する。
さらに、請求項1と同様にして可変ゲインアンプ20のゲインを求め、可変ゲインアンプ20のゲインを設定する。
そして、第3D/Aコンバータ21の出力はオフセットを無くしたときの出力に設定し直す。
【0061】
したがって、発光パワー制御装置にオフセットがあってもそのオフセットを取り除くことができ、さらに可変ゲインアンプのゲインの設定も設定できるので、実際に発光させなくてもS/H回路への入力が一定になり、レーザダイオード等のレーザ発光手段の発光パワー調整を行う装置や設備が必要ではなくなるため、製造時に調整工程を削減することができて組立コストの低減を図ることができ、設定したパワーに対する発光パワーの精度を高めることができる。
このようにして、可変ゲインアンプにオフセットがある場合でも予めオフセットを除くことによって、可変ゲインアンプのゲインをより正確に見つけることができ、発光パワーの精度を上げることができる。
【0062】
次に、上記請求項2記載の発光パワー制御装置では、オフセット電圧注入手段の設定値が設定範囲ぎりぎりであった場合、例えばオフセット注入手段が第3D/Aコンバータ21であるとすると、D/Aコンバータは一般的に「0LSB」だったとしても出力として0Vではなく、数mVは出力され、それは0LSBから数LSBは同じ値が出力される。
逆にD/Aコンバータの設定を最大にしても、理論的に5Vが出力されるとしても実際は5Vは出力されず、最大設定以下数LSB分はほとんど同じ値が出力されてしまう。
そのため、D/Aコンバータを使用する際はできるだけギリギリの設定を使用しないように予めさまざまな値を設計しておく必要がある。
【0063】
なお、可変ゲインアンプ20のゲインの設定をするために第3D/Aコンバータ21に設定する少なくとも2種類以上の値は予めF/Wで目標値として決めるのだが、それを例えばオフセットを打ち消すために設定した値よりも10LSB大きな値と20LSB大きな値だった場合、さらに使用するD/Aコンバータの設定範囲が100LSBであった時のオフセットを打ち消すための設定値が80LSBであった場合、10LSB大きな値は90LSBであるが、20LSB大きな値は100LSBとなり、レンジの限界になってしまう。
すると、上述したように100LSBでは設定通りの電圧が出力されないため、それら2点の設定でA/Dコンバータで値を検出し、それらの値からゲインを求めてもゲインとしては正確ではなくなってしまう恐れがある。
【0064】
そこで、上記実施形態における請求項3記載の発光パワー制御装置では、オフセットを打ち消すために設定された値が設定値が小さく、且つゲインを求める際の第3D/Aコンバータ21の値を小さく設定するようにF/Wで決められている場合、設定値よりも大きな値で2点をとってゲインを求めるものである。または、2点をとる間隔を狭めることによって値が飽和しない2点で求めるようにする。
【0065】
逆に、オフセットを打ち消すために設定された値が設定値が大きく、かつゲインを求める際の第3D/Aコンバータ21の値を大きく設定するようにF/Wできめられている場合、設定値よりも小さな値で2点をとってゲインを求めるか、または2点をとる間隔をせばめることで値が飽和しない2点で求めるようにすることにより、オフセットを打ち消すために第3D/Aコンバータ21に設定された値とF/Wであらかじめ決められた、ゲインを求めるために第3D/Aコンバータ21に設定する値の目標値とを決めるものである。したがって、第3D/Aコンバータ21の設定がうまくいくので、ゲインを求める精度が上がる。
【0066】
このようにして、可変ゲインアンプ20のゲインを見つける際、第3D/Aコンバータ21が飽和しないようにゲインを見つけるための第3D/Aコンバータ21の設定値を、オフセットをなくすために設定した第3D/Aコンバータ21の値によって変えることにより、第3D/Aコンバータ21が飽和しないで済むようになるので、可変ゲインアンプ20のゲインを正確に見つけることができる。
【0067】
次に、上記請求項1乃至3記載の発光パワー制御装置では、製造工程における設備や装置が必要にならないのだが、再生又は記録側のどちらか一方のみにA/Dコンバータを設けており、そのA/Dコンバータを用いてゲインを求めているが、例えば再生側のみにA/Dコンバータを設けた場合、測定時に仮に再生側の回路に異常があったときにゲインをうまく求めることができなくなる恐れがある。また、再生側に異常が無くてうまくゲインを求めることができたとしても、逆に記録側の回路に問題があったときに記録側の回路の異常をみつけることができずにそのまま次工程へ移ってしまうので、そのような発光パワー制御装置は結局次工程でもNGとなる可能性が高く、次工程の検査時間が無駄になってしまう。
もし、その後に検査がない場合、記録側の回路に異常をもったまま出荷されてしまうという事態を招くことになる。
【0068】
そこで、上記実施形態における請求項4記載の発光パワー制御装置では、再生側と記録側のそれぞれにS/H回路の出力にA/Dコンバータを設けて再生側と記録側それぞれでゲインを求めて、それぞれの回路を用いて求められたゲインがほぼ等しくなったときにゲインを決定するものである。
こうして、求められた2つのゲインが明らかに異なっている場合は回路に異常があるものと判断して、再調整もしくは出荷しないようにすることにより、回路に異常があるような発光パワー制御装置の出荷を防止し、ユーザクレームを減らすことができる。
【0069】
このようにして、可変ゲインアンプのゲインを見つけるために再生側のパワー制御する回路と記録側のパワー制御する回路のそれぞれを用いることで、もし回路に異常が発生している場合でも次工程に移る前に見つけることができるので、次工程での検査の無駄を省くことができるうえ、異常がある回路をつけたCD−Rドライブを市場に出さずにすむ。
【0070】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明の発光パワー制御装置によれば、製造時のレーザパワー調整工程を削減して組立コストの低減を図ると共に、光記録媒体の記録容量を低減させず、使用者の使用コストを上昇させないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の発光パワー制御装置の第1実施形態の回路構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した発光パワー制御装置における処理を示すフローチャート図である。
【図3】この発明の発光パワー制御装置の第2実施形態の回路構成を示すブロック図である。
【図4】図3に示した発光パワー制御装置における処理を示すフローチャート図である。
【図5】同じく図4に示した続きの処理を示すフローチャート図である。
【図6】この発明の実施形態の発光パワー制御装置を適用する光ディスク装置であるCD−Rドライブの概略構成を示すブロック図である。
【図7】従来の光ディスクに記録するときのレーザ光の発光パワーの変化を示す波形図である。
【図8】従来のLDの発光パワーを定パワー制御する発光パワー制御装置の回路構成例を示すブロック図である。
【図9】図8に示した発光パワー制御装置におけるデジタルAPC制御時の第1S/H回路4と第1コンパレータ6のそれぞれの出力電圧を示す波形図である。
【図10】図8に示した発光パワー制御装置におけるデジタルAPC制御時の第2S/H回路5と第2コンパレータ7のそれぞれの出力電圧を示す波形図である。
【図11】従来のLDの駆動電流対発光パワー特性の関係の一例を示す線図である。
【符号の説明】
1:受光素子(PD) 2:レーザダイオード(LD)
3:I/V変換器
4:第1サンプルホールド(S/H)回路
5:第2サンプルホールド(S/H)回路
6:第1コンパレータ 7:第2コンパレータ
8:CPU 9:第1D/Aコンバータ
10:第2D/Aコンバータ 11:第1V/I変換器
12:第2V/I変換器 13:第1電流増幅器
14:第2電流増幅器 15:電流加算器
20:可変ゲインアンプ 21:第3D/Aコンバータ
22:A/Dコンバータ 23:第1A/Dコンバータ
24:第2A/Dコンバータ
Claims (4)
- 複数のレーザーパワーのレーザ光を光記録媒体に照射するレーザ光発光手段と、前記レーザ光発光手段に電流を供給して発光駆動させるレーザ光発光駆動手段と、前記レーザ光発光手段から発光されるレーザ光の発光パワーを検出し、該発光パワーに応じた電流信号を出力する発光パワー検出手段と、該発光パワー検出手段から出力された電流信号を電圧信号に変換して出力する電流電圧変換手段と、該電流電圧変換手段によって出力された電圧信号のレベルを少なくとも2種類以上の増幅率で増幅させて出力する電圧増幅手段と、該電圧増幅手段から出力された電圧信号のレベルと予め設定された基準電圧レベルとを比較する比較手段と、該比較手段の比較結果に応じて前記発光パワーの光量レベルを調整する光量レベル調整手段と、前記電流電圧変換手段から出力された電圧信号に該電圧信号以外の所定の電圧信号を注入するオフセット電圧信号注入手段と、前記比較手段に入力される電圧信号を検出する電圧信号検出手段とを備え、
前記オフセット電圧信号注入手段に少なくとも2種類以上の所定の電圧信号を設定したときのそれぞれの電圧信号に対して前記比較手段に入力される電圧信号と前記電圧信号検出手段によって検出された電圧信号との関係に基づいて前記電圧増幅手段の増幅率を設定するようにしたことを特徴とする発光パワー制御装置。 - 請求項1記載の発光パワー制御装置において、
前記オフセット電圧信号注入手段から出力する電圧信号に基づいて前記電流電圧変換手段から出力される電圧信号のオフセットを打ち消し、該打ち消したときの前記オフセット電圧信号注入手段から出力された電圧信号の設定値を保存した状態で前記オフセット電圧信号注入手段に少なくとも2種類以上のオフセット電圧信号を設定したときのそれぞれのオフセット電圧信号に対して前記比較手段に入力される電圧信号と前記電圧信号検出手段によって検出された電圧信号との関係に基づいて前記電圧増幅手段の増幅率を設定するようにしたことを特徴とする発光パワー制御装置。 - 請求項2記載の発光パワー制御装置において、
前記電流電圧変換手段から出力される電圧信号のオフセットを打ち消したときの前記オフセット電圧信号注入手段から出力された電圧信号の設定値に基づいて前記少なくとも2種類以上の所定の電圧信号を区別するようにしたことを特徴とする発光パワー制御装置。 - 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の発光パワー制御装置において、
再生時と記録時にそれぞれ前記増幅手段の増幅率を求め、それぞれある一定の値に増幅率が決定された場合にのみその増幅率を前記増幅手段に設定するようにしたことを特徴とする発光パワー制御装置。
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