JP3973134B2 - 画像形成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体及び二成分現像剤を用いた画像形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方法は、帯電及び露光手段を用いて感光体表面に静電潜像を形成した後、この静電潜像を現像剤により現像してトナー像を得、このトナー像を転写部材に転写後定着して可視像を得るものである。静電潜像を現像する方法としては、パウダークラウド法、カスケード法、磁気ブラシ法等が挙げられるが、通常は磁気ブラシ法が用いられている。
【0003】
この磁気ブラシ法に用いられている二成分系乾式現像剤は、フェライト粉等からなる磁性キャリアに樹脂、着色剤等からなるトナー粒子が、両粒子の摩擦により発生した電気力により保持されており、静電潜像に近接すると、静電潜像が形成する電界によるトナー粒子に対する潜像方向への吸引力がトナー粒子とキャリア粒子間の接合力に打ち勝ち、トナー粒子が静電潜像上に吸引付着されて静電潜像が可視化されるものである。そして、現像剤は現像によって消費されたトナーを補充しながら反復使用される。
【0004】
このような電子写真方法を用いた機器としては、従来まで広く一般に用いられてきた複写機のみならず、近年ではコンピューターの普及によりその出力機器としてレーザービームプリンターも多く利用されるようになってきており、これに伴って高画質化の要求も次第に高まってきている。
【0005】
このような高画質化を達成するために、現像剤側からまず考えられる手段としてはトナー及びキャリアの小粒径化が挙げられる。トナー粒径を小さくした場合、トナーの現像性を確保するためトナー濃度を上げるのと同時にキャリアの粒径を小さくする必要がある。キャリアの小粒径化は、上述の磁気ブラシを緻密に形成できることから階調性やベタ均一性の向上が期待できると同時に、キャリア自体が軽量化されるため現像剤の劣化防止の面でも有利である。
【0006】
しかし、このようにキャリアの粒径を小さくした場合にはキャリア付着という問題が生じる。通常キャリアは磁気力により現像スリーブ上に保持されているが、同時に静電誘導或いは電荷注入による電荷がキャリアに存在し、感光体上の電荷との間に静電力が働いている。キャリアの粒径が小さくなるほど粒子1個当たりに働く磁気力が弱くなることから、感光体との静電力がスリーブの保持力に打ち勝って、キャリアが感光体上に付着しやすくなってしまう。特にキャリア粒径を80μm以下に小さくした場合、地肌部分へのキャリア付着を発生し易く更に感光体の摩耗、傷が激しくなる傾向にあった。このように付着したキャリアはトナー像と共に転写媒体へ転写されるため、画像上では地肌部へのチリ状汚れとなって現れてしまう。
【0007】
こうした問題を解決する方法として、感光体の表面性に着目した改善策がこれまでにいくつか提案されている。例えば特開平9−152775号公報には体積平均粒径が20〜80μmの磁性キャリアを用いる際に、感光体最表面層に無機粒子を含有させ、かつ十点平均粗さを規定する案が記載されている。しかし、この方法では、より小粒径のキャリアを用いるには未だ効果が不十分であり、また無機粒子を分散した塗膜を必要とすることから製法面でも難があるため、より簡便な方法で優れた画質を得られる画像形成方法の確立が望まれている。
【0008】
また、特許第2925605号公報には二成分系現像剤に用いる磁性キャリヤの平均粒径、飽和磁化及び磁気ブラシの動摩擦係数に応じて感光体ドラムに対するマグネットスリーブの周速比を一定範囲内に設定して現像を行なうことにより、画像濃度が高くしかも解像度も良好な画像を得られることが記載されている。しかし、この方法では小粒径のトナー及びキャリアを用いるには未だ効果が不十分であり、トナーが小粒径なため単位体積当たりの比表面積が増え、トナーの帯電量が大きくなり、連続でプリントした場合には帯電量が上昇し、カウンターチャージよる非画像部へのキャリア付着が発生するという問題が生ずる。さらにまた、これにより、地肌部分へのキャリア付着による感光体の摩耗、傷が激しくなる傾向にあった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記のような問題点に鑑み、より小粒径のトナー及びキャリアを用いた場合にも、キャリア付着や磁気ブラシ等の摩擦による感光体表面の減耗量を少なくし、さらには、キャリア付着を防止し、長期使用においても画像上のキズ、濃度低下のない画像形成方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記問題点につき種々検討した結果、表面層にシリコーンオイルを含有する感光体の表面摩擦係数、及び小粒径の非磁性トナーと磁性キャリアを使用した場合の磁気ブラシの動摩擦係数係を規定することによって、高精細な画質を達成しながら感光体表面の膜削れを防止し、また、キャリアの飽和磁化の範囲を規定し、シリカと酸化チタンを所定量含有させることにより、初期及びラン経時でのキャリア付着を防止し、地肌部汚れのない、優れた画像を提供できることを見出した。さらに、感光体表面への摩擦を低下させる手段として、シリコーンオイル処理をした外添剤を含有させることによって、さらに良好な結果が得られることを見出し本発明に至った。
すなわち、本発明によれば第一に、電子写真感光体の表面層にシリコーンオイルを含有し、該感光体上に帯電及び露光手段を用いて形成された静電潜像を、非磁性トナー及び磁性キャリアからなる二成分現像剤を用いて現像を行う画像形成方法において、該トナーは、外添する添加剤として、シリカ微粒子と酸化チタン微粒子を含有し、且つ該シリカ微粒子と該酸化チタン微粒子の添加重量比率が、酸化チタン微粒子/シリカ微粒子≦3/7であって、その重量平均粒径が5〜10μmであり、該キャリアは、飽和磁化が50〜90emu/gであって、その重量平均粒径が15〜45μmであり、しかもそのとき、該電子写真感光体の表面摩擦係数をA、磁気ブラシの動摩擦係数をBとすると、次式の関係が成立することを特徴とする画像形成方法が提供される。
【0011】
A/2+B≦0.55
【0015】
に、上記第に記載した画像形成方法において、上記シリカ微粒子がシリコーンオイルを含む処理剤により処理されていることを特徴とする画像形成方法が提供される。
【0016】
に、上記第一または第二に記載した画像形成方法において、上記電子写真感光体の表面層に含有されるシリコーンオイルの粘度が、100cs以下であることを特徴とする画像形成方法が提供される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明する。
本発明における非磁性トナーとしては、従来の公知の方法を用いて作製したものを広く用いることができる。具体的には、結着樹脂、着色剤及び極性制御剤よりなる混合物を、熱ロールミルで溶融混練した後、冷却固化せしめ、これを粉砕分級して得られる。また、必要に応じて任意の添加物などが添加される。本発明に使用することのできるトナーとしては、重量平均粒径が5〜10μmの範囲であるが、トナーの重量平均粒径は、種々の方法によって測定できる。本発明では具体的には、例えばコールターカウンターを使用する方法を挙げることができる。
【0018】
上述の測定に使用することのできるコールターカウンターとしては、具体的にはコールターカウンターII型(コールター社製)を挙げることができ、得られた結果は、例えば個数分布、体積分布と言った特性について解析される。この際に使用する電解液としては1級塩化ナトリウムを使用して調節した1%塩化ナトリウム水溶液を挙げることができる。具体的測定例については後述するものとする。
【0019】
また、結着樹脂としては、従来からトナー用結着樹脂として使用されてきたものの全てが適用される。具体的には、ポリスチレン、ポリクロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン/p−クロロスチレン共重合体、スチレン/プロピレン共重合体、スチレン/ビニルトルエン共重合体、スチレン/ビニルナフタリン共重合体、スチレン/アクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリル酸エチル共重合体、スチレン/アクリル酸ブチル共重合体、スチレン/アクリル酸オクチル共重合体、スチレン/メタクリル酸メチル共重合体、スチレン/メタクリル酸エチル共重合体、スチレン/メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン/α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン/ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン/ビニルメチルケトン共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/イソプレン共重合体、スチレン/アクリロニトリル/インデン共重合体、スチレン/マレイン酸共重合体、スチレン/マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリビニルブチルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、これらは、単独であるいは2種以上混合して使用される。
【0020】
また、着色剤としては、トナー用として公知のものがすべて使用できる。黒色の着色剤としては、例えばカーボンブラック、アニリンブラック、ファーネスブラック、ランプブラック等が使用できる。シアンの着色剤としては、例えばフタロシアニンブルー、メチルレンブルー、ビクトリアブルー、メチルバイオレット、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー等が使用できる。マゼンタの着色剤としては、例えばローダミン6Gレーキ、ジメチルキナクリドン、ウォッチングレッド、ローズベンガル、ローダミンB、アリザリンレーキ等が使用できる。イエローの着色剤としては、例えばクロムイエロー、ベンジジンイエロー、ハンザイエロー、ナフトールイエロー、モリブデンオレンジ、キノリンイエロー、タートラジン等が使用できる。
【0021】
さらに、これらのトナーは、より効率的な帯電付与を与えるために、少量の帯電付与剤、例えば染顔料、極性制御剤などを含有することができる。極性制御剤としては、例えばモノアゾ染料の金属錯塩、ニトロフミン酸及びその塩、サリチル酸、ナフトエ酸、ジカルボン酸のCo、Cr又はFe等の金属錯体、有機染料、四級アンモニウム塩等がある。
【0022】
また、本発明ではトナー用の添加剤としてシリコーンオイル処理剤にて処理したシリカ微粒子及び酸化チタン微粒子を含有することを特徴とするが、シリカ微粒子の処理剤の具体例としては、分子中に反応性基を有する変性シリコーンオイル、ハイドロジェンシリコーンオイルまたはフッ素含有シリコーンオイルの1種以上を用いることが好ましいが、分子中にこのような活性な基を有さない未変性シリコーンオイルを用いることも可能である。分子中に反応基を有する変性シリコーンオイルとしては、分子中にヒドロキシ基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、エーテル基及びメルカプト基からなる群から選ばれる基を1種以上含む変性シリコーンオイルの1種以上が好ましい。また、シリコーンオイルの粘度は室温で5〜15000cpであるものが好ましい。シリコーンオイル処理剤にて処理したシリカ微粒子を用いる場合、シリカ微粒子による感光体ドラムの摩耗が低減される。
【0023】
使用する酸化チタン微粒子の表面積としては、BET法による窒素吸着によった比表面積が30m/g以上、特に50〜400m/gの範囲のものが良好な結果が得られる。トナー小粒径化により、摺擦による過剰帯電を生じやすくなるが、これに対して帯電を制御し、流動性を付与できる酸化チタン微粒子を含有させことにより、連続でプリントした場合での帯電量の上昇を抑止し、カウンターチャージよる非画像部へのキャリア付着を防止できる。
しかし、酸化チタン微粒子をシリカ微粒子よりも多量に添加すると、プリント経時での帯電量の低下が発生する。このため、酸化チタン微粒子/シリカ微粒子の添加重量比率が3/7以下で含有されることで防止できる。微粉末の総添加量は、トナーに対しても0.5〜2重量%で使用することが好適である。
【0024】
本発明における磁性キャリアとしては、磁性を有した核体粒子に必要に応じて被覆層を設けたものが広く一般に用いられる。核体粒子としては従来より公知の磁性体が使用され、例えば鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属やマグネタイト、ヘマタイト、フェライトなどの合金あるいは化合物等が挙げられる。
【0025】
ところで、キャリアはその磁気特性で現像スリーブに内蔵されたマグネットローラーによって影響を受け、現像剤の現像特性及び搬送性に大きく影響を及ぼすものである。また、キャリアの飽和磁化が50〜90emu/gのとき、カラー複写においては画像の均一性や階調再現性に優れ好適である。飽和磁化が90emu/g(3000エルステッドの印加磁場に対し)を超える場合であると、現像時感光体上の静電潜像に対向した現像スリーブ上のキャリアとトナーにより構成されるブラシ状の穂立ちが固く締った状態となり、階調性や中間調の再現が悪くなる。また、50emu/g未満であると、トナー及びキャリアを現像スリーブ上に良好に保持することが困難になり、キャリア付着やトナー飛散が悪化するという問題点が発生しやすくなる。
【0026】
さらにキャリアの残留磁化及び保磁力が高すぎると現像器内の現像剤の良好な搬送性が妨げられ、画像欠陥としてカスレやベタ画像中での濃度不均一等が発生しやすくなり、現像能力を低下せしめるものとなる。それゆえ、現像性を維持するためには、その残留磁化が10emu/g以下、好ましくは5emu/g以下、より好ましくは実質上0であり、保磁力が40エルステッド以下(3000エルステッド、印加磁場に対し)、好ましくは30エルステッド以下、より好ましくは10エルステッド以下であることが重要である。これらを考慮した場合、コア材料としては、フェライトを使用するのが好ましい。
【0027】
また、被覆層に用いられる樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン及びクロロスルホン化ポリエチレン;ポリビニル及びポリビニリデン系樹脂、例えばポリスチレン、アクリル樹脂(例えばポリメチルメタクリレート)、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル及びポリビニルケトン;塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体;スチレン/アクリル酸共重合体;オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコン樹脂のようなシリコン樹脂又はその変性品(例えばアルキド樹脂、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリウレタン等による変性品);弗素樹脂、例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリ弗化ビニル、ポリ弗化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン;ポリアミド;ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート;ポリウレタン;ポリカーボネート;アミノ樹脂、例えば尿素・ホルムアルデヒド樹脂;エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの樹脂の中でもトナースペントを防止する点で好ましいのは、アクリル樹脂、シリコン樹脂又はその変性品及び弗素樹脂であり、特にシリコン樹脂又はその変性品が好ましい。被覆層の形成法としては、従来と同様、キャリア核体粒子の表面に噴霧法、浸漬法等の手段で樹脂を塗布すればよい。
【0028】
また、キャリアの抵抗調整等の目的で、被覆層中に微粉末を添加することができる。被覆層中に分散される微粉末は、0.01〜5.0μm程度の粒径のものが好ましい。また、該微粉末は被覆樹脂100重量部に対して2〜30重量部添加されることが好ましく、特に5〜20重量部が好ましい。微粉末としては従来より公知のものが使用され、例えばシリカ、アルミナ、チタニア等の金属酸化物やカーボンブラック等の顔料が挙げられる。
【0029】
本発明におけるキャリアの重量平均粒径は15〜45μmであるが、キャリア及びトナーを小粒径化した場合に生じる弊害として現像剤としての流動性が低下し、現像器中の現像剤が循環しにくくなることが挙げられる。この対策として現像器中の撹拌強度を高めるなどの装置条件の変更があげられるが、現像剤の耐久寿命を短かくするなどの問題を生じるため、好ましいものではない。そこで、現像剤としてあるレベルの流動性を確保することが重要である。現像剤の流動度が25〜55(秒/50g)であることが好ましい。
【0030】
次に本発明において用いられる電子写真感光体について説明する。
本発明においては、導電性基体上に感光層を設けてなる電子写真感光体として広く一般に知られたものを使用することができるが、低価格、生産性及び無公害等の利点を有する有機系の感光材料を用いたものが好ましく、中でも電荷発生物質と電荷移動物質とを組み合わせて用いる機能分離型の感光体が性能面から最も好ましく用いられる。
【0031】
本発明において用いることのできるドラム状の導電性支持体としては、Al、Ni、Fe、Cu、Au等の金属または合金;ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド等のプラスチック又はガラス等の絶縁性基板上にAl、Ag、Au等の金属膜又はIn2 3 、SnO2 等の金属酸化物膜を設けたもの等が例示できる。
【0032】
機能分離型の感光体は、これらの導電性支持体上に電荷発生層と電荷輸送層とを積層して形成される。電荷発生層は電荷発生物質のみから形成されていても、あるいは電荷発生物質がバインダー中に均一に分散されて形成されていてもよい。電荷発生層はこれらの成分を適当な溶媒中に分散し、これを導電性支持体上に塗布、乾燥することにより形成される。
【0033】
電荷発生物質としては、例えばシーアイピグメントブルー25(カラーインデックス(CI21180)、シーアイピグメントレッド52(CI45100)、シーアイベーシックレッド3(CI45210)等の他に、ポルフィリン骨格を有するフタロシアニン系顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−95033号に記載)、スチルベン骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−138229号に記載)、ジスチリルベンゼン骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−133455号に記載)、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−132547号に記載)、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−21728号に記載)、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−12742号に記載)、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−22834号に記載)、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−17733号に記載)、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−2129号に記載)、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−17734号に記載)、カルバゾール骨格を有するトリスアゾ顔料(特開昭57−195767号、同57−195758号に記載)、等、更にはシーアイピグメントブルー16(CI74100)等のフタロシアニン系顔料、シーアイバットブラウン5(CI173410)等のインジゴ顔料、アルゴスカーレッドB(バイオレット社製)インダンスレンスカーレットR(バイエル社製)等のペリレン系顔料、スクエアリック顔料等の有機顔料:Se、Se合金、CdS、アモルファスSi等の無機顔料を使用することができる。
【0034】
バインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド等が用いられる。バインダー樹脂の量は電荷発生物質100重量部に対して5〜100重量部、好ましくは10〜50重量部が適当である。
【0035】
ここで用いられる溶媒としてはテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン、メチルエチルケトン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ジクロロメタン、エチルセルソルブ等の単独溶媒または混合溶媒が好ましい。
【0036】
電荷発生層の平均膜厚は0.01〜2μm、好ましくは0.1〜1μmである。
【0037】
電荷輸送層は電荷輸送物質、バインダー樹脂及び必要ならば可塑剤、レベリング剤を適当な溶媒に溶解し、これを電荷発生層上に塗布し乾燥することにより形成される。
【0038】
電荷輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメート及びその誘導体、ピレン− ホルムアルデヒド縮合物及びその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリル) アントラセン、1,1−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体等の電子供与性物質が挙げられる。
【0039】
バインダー樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0040】
バインダー樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0041】
電荷輸送層を形成するための溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、モノクロルベンゼン、1,2−ジクロロエタン、シクロヘキサノン、ジクロロメタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン及びこれらの混合溶媒が望ましい。
【0042】
電荷輸送層の膜厚は10〜100μm、好ましくは20〜40μmである。
【0043】
なお、本発明においては、接着性、電荷ブロッキング性を向上させるために、必要に応じて導電性支持体と電荷発生層との間に中間層を設けてもよい。また、導電性基体上に電荷輸送層、電荷発生層の順に積層された逆層構造をとっていても良く、また最表面層が耐摩耗性向上等の目的で設けられた保護層であっても良い。
【0044】
本発明においては、先述のように電子写真感光体の表面摩擦係数Aと磁気ブラシの動摩擦係数をBとした時に、A/2+B≦0.55の関係が成立するように両者を組み合わせて用いることによって、高精細な画質を達成しながら感光体表面の膜削れを防止し、高精細な画像を得ることができる。すなわち、磁気ブラシの動摩擦係数Bが0.40である場合には感光体の表面摩擦係数Aが0.30以下、磁気ブラシの動摩擦係数0.46を用いた場合には0.18以下であれば良い。
【0045】
磁気ブラシの動摩擦係数μは、特開平2−147937号公報に記載された測定方法に従って算出される。測定用の感光体ドラムの回転軸にトルクメータを設け、この状態で現像操作を行なうことにより磁気ブラシが該ドラム表面(感光体表面)に接触した時のトルク変化から磁気ブラシ摩擦力F1 とし、回転ドラム表面に荷重検知手段を設け、該ドラムを位置固定した状態で、現像操作を行うことにより、現像圧力F2 を算出し、式、B=F1 /F2 から動摩擦係数μが算出される。また、感光体の摩擦係数の測定は塗膜を一部はがしてアルミ板上に貼り付け、表面摩擦係数を協和界面科学社製の自動摩擦摩耗解析装置(DFPM−SS型)にて測定する。本発明において感光体の表面摩擦係数を低減するためには、感光層表面層に潤滑性の樹脂或いは樹脂粉体、界面活性剤等を溶解或いは分散させれば良いが、特にシリコーンオイルを含有させることによって優れた効果が得られる。これはシリコーンオイルのレベリング作用に基づき、感光体表面が樹脂粉体等を用いた場合よりも更に平滑化され、磁気ブラシとの摩擦による摩耗が抑制されるためと考えられる。また、シリコーンオイルの粘度については、本発明では100cs以下である場合に効果が最も良好に発揮される。100cs以上である場合にも本発明の効果は十分に得られるのだが、粘度が高いために感光体表面の付着力が多少増す結果となる。
【0046】
なお、本発明において用いることのできるシリコーンオイルは一般に上市されているものであれば何でも良く、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイルなどのストレートシリコーンオイルの他に、アルキル変性、アミノ変性、カルボキシル変性、高級脂肪酸変性、エポキシ変性、アルコール変性、ポリエーテル変性、アルキル・ポリエーテル変性、フッ素変性等に代表される各種変性シリコーンオイルのいずれも好ましく用いることができる。これらのシリコーンオイルの添加量は所望の摩擦係数が得られる程度に感光体表面層に含有させれば良いが、目安としては添加される層の樹脂量に対して0.01〜5%程度が好ましい。
【0047】
以下に本発明における現像剤の特性値の測定法について述べる。
(1)キャリアの磁気特性:測定装置は、BHU−60型磁化測定装置(理研測定社製)を用いる。具体的に述べると測定試料は約1.0g秤量し内径7mmφ、高さ10mmのセルにつめ、前記の装置にセットする。測定は印加磁場を徐々に加え最大3,000エルステッドまで変化させる。次いで印加磁場を減少せしめ、最終的に記録紙上に試料のヒステリシスカーブを得る。これより、飽和磁化、残留磁化、保磁力を求める。
(2)キャリアの粒度分布の測定:測定装置は、マイクロトラック粒度分析計(日機装社製)のSRAタイプを使用し、0.7〜125μmのレンジ設定で行った。
(3)トナー粒径の測定方法
上述した電解質溶液100〜150mlに界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml添加し、これに測定試料を2〜20mg添加する。試料を懸濁した電解液を超音波分散器で1〜3分間分散処理して、前述したコールターカウンターTAII型により100μmのアパーチャーを用いて体積を基準として2〜40μmの粒度分布等を測定する。
【0048】
(実施例)
次に、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。なお、実施例中、部はすべて重量部を表わす。
実施例1
(トナーの作製)
ポリエステル樹脂 80部
スチレン−メチルアクリレート共重合体 20部
カルナウバワックス 5部
カーボンブラック 8部
含金属モノアゾ染料 3部
これらの混合物をヘンシェルミキサー中で十分攪拌混合した後、ロールミルで130〜140℃の温度で約30分間加熱溶融し、室温まで冷却後得られた混練物をジェットミルで粉砕分級し、7.5μmの粒径の分級品を得た。この分級品100部に対し、シリコーンオイル処理をしたシリカ微粒子0.8部と酸化チタン微粒子0.2部を添加混合し、トナーを得た。
(キャリア、現像剤の作製)
シリコーン樹脂溶液 100部
カーボンブラック 4部
トルエン 100部
これらの処方をホモミキサーで30分分散して被覆層形成液を調製した。
これを体積平均粒径45μmのフェライト1000部の表面に、流動床型塗布装置を用いて被覆層を形成しキャリアを作製した。
上記のように作製したトナー2.5部とキャリア97.5部をボールミルにて混合し、二成分現像剤を得た。
【0049】
(感光体の作製)
下引き層
アルキッド樹脂 15部
メラミン樹脂 10部
酸化チタン粉末 90部
メチルエチルケトン 150部
これらの処方をボールミルで12時間分散し、下引層用塗布液を調製した。
これを外径10mm、長さ360mmのアルミドラム上に浸漬塗布、140℃20分間乾燥して、厚さ4.5μmの下引層を形成した。
電荷発生層
ポリビニルブチラール樹脂 4部
トリスアゾ顔料 10部
メチルエチルケトン 700部
これらの処方をボールミルで72時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。
これを前記下引層上に浸漬塗布、130℃20分間乾燥して、厚さ0.2μmの電荷発生層を形成した。
電荷輸送層
ポリカーボネート樹脂 10部
トリフェニルアミン化合物 7部
テトラヒドロフラン 85部
これらの処方をスターラーにて攪拌溶解した後、潤滑性物質としてシリコーンオイルとして80csのアルコール変性シリコーンオイル(信越化学社製KF−851)を0.005部を添加して更に1時間攪拌し、分散させて電荷輸送層塗布液を調製した。
これを前記電荷発生層上に浸漬塗布、130℃20分間乾燥して、厚さ25μmの電荷輸送層を形成した。
【0050】
(摩擦係数の測定)
このように作製した電子写真感光体及び現像剤について、摩擦係数を測定したところ、感光体の表面摩擦係数Aと磁気ブラシBとの関係A/2+Bは0.54である。物性測定結果を表1及び表2に示す。
【0051】
(画像評価)
上記のように作製した現像剤及び感光体を(株)リコー製複写機imagio6550改造機に搭載して現像を行い、地肌汚れ及びキャリア付着の程度を評価した。初期及び100K枚(100000枚)ラン後でもキャリア付着、画像濃度及び地肌汚れは良好であった。また、100K枚ラン後の電荷輸送層膜削れ量はほとんどなく、非常に良好であった。なお、キャリア付着、画像濃度及び地肌汚れは、程度によってランク付けを行い、○を合格レベル、△を許容レベル、×許容不可レベルとした。結果を表3及び表4に示す。
【0052】
実施例2
(トナーの作製)
実施例1で得られた混練物をジェットミルで粉砕分級し、6.0μmの粒径の分級品を得た。この分級品100部に対し、シリコーンオイル処理をしたシリカ微粒子0.7部と酸化チタン微粒子0.3部を添加混合し、トナーを得た。
(キャリア、現像剤の作製)
実施例1において、体積平均粒径40μmのフェライトに変えた以外は実施例1と同様に作製した。
(感光体の作製)
実施例1において、感光体作製時に添加するシリコーンオイルの量を0.02部に変えた以外は実施例1と同様に作製した。
(画像評価)
上記のように作製した現像剤及び感光体について実施例1の場合と同様にして地肌汚れ及びキャリア付着の程度を評価した。初期及び100K枚ラン後でもキャリア付着、画像濃度及び地肌汚れは良好であった。また、100K枚ラン後の電荷輸送層膜削れ量はほとんどなく、非常に良好であった。このときの物性測定結果を表1及び表2に、画像評価結果を表3及び表4に示す。
【0053】
実施例3(参考例)
(現像剤の作製)
実施例1において、キャリア作製時に体積平均粒径が45μmで、飽和磁化の低いフェライトを用いた以外は実施例1と同様にして現像剤を作製した。
(感光体の作製)
実施例2で作製した感光体ドラムをそのまま用いた。
(画像評価)
上記のように作製した現像剤及び感光体について実施例1の場合と同様にして地肌汚れ及びキャリア付着の程度を評価した。
初期のキャリア付着、画像濃度及び地肌汚れは良好であった。100K枚ラン後でも、画像濃度及び地肌汚れは良好であったが、許容レベルのキャリア付着が発生していた。100K枚ラン後の電荷輸送層膜削れ量は少なく、良好であった。
このときの物性測定結果を表1及び表2に、画像評価結果を表3及び表4に示す。
【0054】
実施例4
(現像剤及び感光体の作製)
実施例2において、トナー作製時にシリコーンオイル未処理のシリカ微粒子に変えた以外は実施例2と同様にして現像剤及び感光体を作製した。
(画像評価)
上記のように作製した現像剤及び感光体について実施例1の場合と同様にして地肌汚れ及びキャリア付着の程度を評価した。初期及び100K枚ラン後でもキャリア付着、画像濃度及び地肌汚れは良好であった。また、100K枚ラン後の電荷輸送層膜削れ量は少なく、良好であった。このときの物性測定結果を表1及び表2に、画像評価結果を表3及び表4に示す。
【0055】
実施例5(参考例)
(現像剤及び感光体の作製)
実施例1において、トナー作製時にシリコーンオイル処理をしたシリカ微粒子1.0部のみを添加混合した以外は実施例1と同様に現像剤及び感光体を作製した。
(画像評価)
上記のように作製した現像剤及び感光体について実施例1の場合と同様にして地肌汚れ及びキャリア付着の程度を評価した。
初期のキャリア付着、画像濃度及び地肌汚れは良好であった。100K枚ラン後では、帯電量の上昇が発生し、画像濃度及び地肌汚れは良好であったが、カウンターチャージよる非画像部へのキャリア付着(許容レベル)が少し発生していた。100K枚ラン後の電荷輸送層膜削れ量は少なく、良好であった。
このときの物性測定結果を表1及び表2に、画像評価結果を表2及び表4に示す。
【0056】
実施例6(参考例)
(現像剤及び感光体の作製)
実施例1において、トナー作製時にシリコーンオイル処理をしたシリカ微粒子0.5部と酸化チタン微粒子0.5部を添加混合した以外は実施例1と同様にして現像剤及び感光体を作製した。
(画像評価)
上記のように作製した現像剤及び感光体について実施例1の場合と同様にして地肌汚れ及びキャリア付着の程度を評価した。
初期のキャリア付着、画像濃度及び地肌汚れは良好であった。100K枚ラン後では、帯電量が低下し、画像濃度及びキャリア付着は良好であっあったが、地肌汚れ(許容レベル)が少し発生していた。100K枚ラン後の電荷輸送層膜削れ量は少なく、良好であった。
このときの物性測定結果を表1及び表2に、画像評価結果を表3及び表4に示す。
【0057】
実施例7
(現像剤及び感光体の作製)
実施例1において、感光体作製時に潤滑性物質としてシリコーン樹脂微粒子の代わりに粘度180csのポリエーテル変性シリコーンオイル(東芝シリコーン社製TSF4440)を0.005部添加した以外は実施例1と同様にして現像剤及び感光体を作製した。
(画像評価)
上記のように作製した現像剤及び感光体について実施例1の場合と同様にして地肌汚れ及びキャリア付着の程度を評価した。初期及び100K枚ラン後でもキャリア付着、画像濃度及び地肌汚れは良好であった。また、100K枚ラン後の電荷輸送層膜削れ量は少なく、良好であった。しかし、感光体表面の塗布ムラによる画像欠陥が少し発生していた。このときの物性測定結果を表1及び表2に、画像評価結果を表3及び表4に示す。
【0058】
比較例1
(トナー、キャリア、現像剤の作製)
実施例1において、キャリア作製時に体積平均粒径が45μmで、飽和磁化の高いマグネタイトを用いた以外は実施例1と同様にしてトナー、キャリア、現像剤を作製した。
(感光体の作製)
感光体作製時にシリコーン樹脂微粒子を未添加にした以外は実施例1と同様に作製した。
(画像評価)
上記のように作製した現像剤及び感光体について実施例1の場合と同様にして地肌汚れ及びキャリア付着の程度を評価した。初期のキャリア付着、画像濃度及び地肌汚れは良好であった。100K枚ラン後では、画像濃度及びキャリア付着は良好であったが、地肌汚れが発生していた。100K枚ラン後の電荷輸送層膜削れ量は多く、膜削れにより画像濃度低下及び地肌汚れが発生した。このときの物性測定結果を表1及び表2に、画像評価結果を表3及び表4に示す。
【0059】
比較例2
(トナー、キャリア、現像剤、感光体の作製)
実施例5において、キャリア作製時に体積平均粒径が45μmで、飽和磁化の低いフェライトを用いた以外は実施例5と同様にしてトナー、キャリア、現像剤、感光体を作製した。
(画像評価)
上記のように作製した現像剤及び感光体について実施例1の場合と同様にして地肌汚れ及びキャリア付着の程度を評価した。初期の画像濃度及び地肌汚れは良好であったが、キャリア付着(許容レベル)が少し発生していた。100K枚ラン後では、画像濃度が低く、地肌汚れ及びキャリア付着が発生していた。100K枚ラン後の電荷輸送層膜削れ量は多く、膜削れにより画像濃度低下及び地肌汚れが発生した。このときの物性測定結果を表1及び表2に、画像評価結果を表3及び表4に示す。
【0060】
【表1】
Figure 0003973134
注)実施例3、5、6は参考例である。
【0061】
【表2】
Figure 0003973134
注)実施例3、5、6は参考例である。
【0062】
【表3】
Figure 0003973134
注)実施例3、5、6は参考例である。
【0063】
【表4】
Figure 0003973134
注)実施例3、5、6は参考例である。
【0064】
【発明の効果】
以上のように、請求項1の発明は、表面層にシリコーンオイルを含有する電子写真感光体上に形成された静電潜像を二成分現像剤を用いて現像を行う画像形成方法において、非磁性トナーは、外添する添加剤として、シリカ微粒子と酸化チタン微粒子を含有し、且つ該シリカ微粒子と該酸化チタン微粒子の添加重量比率が、酸化チタン微粒子/シリカ微粒子≦3/7であって、その重量平均粒径が5〜10μmであり、磁性キャリアは、飽和磁化が50〜90emu/gであって、その重量平均粒径が15〜45μmであり、しかもそのとき、該感光体の表面摩擦係数Aと磁気ブラシの動摩擦係数Bとが上記の関係を有することから、上記するような、より小粒径のトナー及びキャリアを用いても、キャリア付着や磁気ブラシ等の摩擦による感光体表面の減耗量を少なくすることができると共に長期使用においても画像上のキズや濃度低下がなく、高精細な画像を得ることができる。
【0068】
請求項の発明は、上記シリカ微粒子がシリコーンオイルを含む処理剤により処理されていることから、感光体表面の摩擦低下に、より良好な結果を与える。
【0069】
請求項の発明は、上記感光体の表面層に含有されるシリコーンオイルの粘度が100cs以下であることから、感光体の表面摩擦係数の低減を良好に行なわせる。

Claims (3)

  1. 電子写真感光体の表面層にシリコーンオイルを含有し、該感光体上に帯電及び露光手段を用いて形成された静電潜像を、非磁性トナー及び磁性キャリアからなる二成分現像剤を用いて現像を行う画像形成方法において、該トナーは、外添する添加剤として、シリカ微粒子と酸化チタン微粒子を含有し、且つ該シリカ微粒子と該酸化チタン微粒子の添加重量比率が、酸化チタン微粒子/シリカ微粒子≦3/7であって、その重量平均粒径が5〜10μmであり、該キャリアは、飽和磁化が50〜90emu/gであって、その重量平均粒径が15〜45μmであり、しかもそのとき、該電子写真感光体の表面摩擦係数をA、磁気ブラシの動摩擦係数をBとすると、次式の関係が成立することを特徴とする画像形成方法。
    A/2+B≦0.55
  2. 前記シリカ微粒子がシリコーンオイルを含む処理剤により処理されていることを特徴とする請求項記載の画像形成方法。
  3. 前記電子写真感光体の表面層に含有されるシリコーンオイルの粘度が、100cs以下であることを特徴とする請求項1または2記載の画像形成方法。
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