JP3973055B2 - 眼鏡用レンズの適合判定方法とその装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ヤゲン加工又は平加工された眼鏡レンズが眼鏡フレームの玉型に正確に適合するかどうかを判定するための眼鏡レンズの適合判定方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、端面加工のうち、ヤゲン加工された加工済眼鏡レンズが眼鏡レンズ枠に正確に嵌合するか否かを検査するために、演算で求められた設計ヤゲン頂点周長と、形状測定器により測定された測定値とを比較し、それらの差が所定範囲内ならば合格品と判断する眼鏡レンズの加工検査方法及び検査装置が提供されている(特開平6−175087号公報を参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような検査方法および検査装置では、単に設計ヤゲン頂点周長と形状測定器による測定値とのそれぞれの値のみを比較して合否を判定しているので、加工済眼鏡レンズに吸着された吸着盤がずれて三針で印点された水平基準位置から傾いて保持されているような場合であっても、誤って合格品と判断してしまい、誤ったデータを基に眼鏡フレーム枠形状データをレンズ研削装置に送信して研削加工を指示する虞がある。
【0004】
そこで、本発明は上記問題点を解決するために、端面加工後の眼鏡レンズのレンズ形状データと眼鏡フレームの玉型形状データとを所定位置を基準に比較して、眼鏡レンズが眼鏡フレームの玉型に適合するかどうかを判定する眼鏡レンズの適合判定方法とその装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、請求項1の発明の眼鏡用レンズの適合判定方法は、眼鏡レンズが枠入れされる眼鏡フレームの眼鏡レンズ枠の玉型形状情報に基づいて周縁部の端面加工をした後の前記眼鏡レンズを左右方向から一対のレンズ回転軸間に挟持し、該眼鏡レンズの周縁に上方から測定子を当接させてレンズ形状を測定することにより、前記端面加工後の眼鏡レンズのレンズ形状情報に基づくレンズ形状を求めた後、前記レンズ形状の瞳孔中心の位置を基準にして、前記瞳孔中心の位置から前記レンズ形状の耳掛側の端までの距離(A)と、前記瞳孔中心から前記レンズ形状の前記耳掛とは反対側の端までの距離(A′)を求める一方、前記玉型形状情報に基づく玉型形状の前記瞳孔中心の位置を基準にして、前記瞳孔中心の位置から前記玉型形状の前記耳掛け側の端までの距離(B)と、前記瞳孔中心の位置から前記玉型形状の前記耳掛け側とは反対側の端までの距離(B′)を求めると共に、前記瞳孔中心の位置から前記レンズ形状の上端までの距離(C)と、前記瞳孔中心の位置から前記レンズ形状の下端までの距離(C′)を求める一方、前記瞳孔中心の位置から前記玉型形状の上端までの距離(D)と、前記瞳孔中心の位置から前記玉型形状の下端までの距離(D′)を求めて、前記距離(A)と(B)及び前記距離(A′)と(B′)とを比較すると共に、前記距離(C)と(D)及び前記距離(C′)と(D′)とを比較することにより、端面加工後の前記眼鏡レンズが前記眼鏡フレームの玉型に適合するかどうかを判定することを特徴とする。
【0008】
また、請求項2の発明の眼鏡用レンズの適合判定装置は、端面加工後の眼鏡レンズを左右方向から一対のレンズ回転軸間に挟持し、該眼鏡レンズの周縁に上方から測定子を当接させてレンズ形状を測定してレンズ形状情報を求めるためのレンズ形状入力手段と、前記眼鏡レンズが枠入れされる眼鏡フレームの玉型形状情報を入力するための玉型形状入力手段と、前記レンズ形状情報に基づくレンズ形状と前記玉型形状情報に基づく玉型形状とを比較して、端面加工後の前記眼鏡レンズが前記眼鏡フレームの玉型に適合するかどうかを判定する判定手段を備えている。しかも、前記判定手段は、前記レンズ形状情報に基づくレンズ形状を求めた後、前記レンズ形状の前記瞳孔中心の位置を基準にして、前記瞳孔中心の位置から前記レンズ形状の耳掛側の端までの距離(A)と、前記瞳孔中心から前記レンズ形状の前記耳掛とは反対側の端までの距離(A′)を求める一方、前記玉型形状情報に基づく玉型形状の前記瞳孔中心の位置を基準にして、前記瞳孔中心の位置から前記玉型形状の前記耳掛け側の端までの距離(B)と、前記瞳孔中心の位置から前記玉型形状の前記耳掛け側とは反対側の端までの距離(B′)を求めると共に、前記瞳孔中心の位置から前記レンズ形状の上端までの距離(C)と、前記瞳孔中心の位置から前記レンズ形状の下端までの距離(C′)を求める一方、前記瞳孔中心の位置から前記玉型形状の上端までの距離(D)と、前記瞳孔中心の位置から前記玉型形状の下端までの距離(D′)を求めて、前記距離(A)と(B)及び前記距離(A′)と(B′)とを比較すると共に、前記距離(C)と(D)及び前記距離(C′)と(D′)とを比較することにより、端面加工後の前記眼鏡レンズが前記眼鏡フレームの玉型に適合するかどうかを判定することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
図1において、1は眼鏡レンズ形状(玉型形状)のための形状データを測定するための玉型形状測定装置である。この玉型形状測定装置としては、眼鏡フレーム(メガネフレーム)の眼鏡レンズ枠(フレーム枠)の形状(フレーム形状)のみを測定するフレーム形状測定装置(フレーム枠形状データ入力手段)を用いることもできるし、又、眼鏡レンズ枠のフレーム形状と眼鏡レンズの倣い研削に用いられる型板や玉型モデル等の形状との両方の形状測定ができる形状測定装置を用いることができる。
【0012】
また、2はフィッテング判定装置(判定手段)、3はレンズ形状測定装置(レンズ形状データ入力手段)、LGは玉摺機(レンズ周縁研削装置)である。この玉型形状測定装置1は、メガネフレーム(眼鏡フレーム)MFにおける左側及び右側の玉型FR,FL(眼鏡枠)のヤゲン溝(図示せず)に沿う玉型形状情報(θi,ρi´,Zi´)、即ち回転角θiにおけるレンズ光軸中心からヤゲン溝までの動径ρi及びヤゲン溝の光軸方向の位置Ziを測定するものである。この玉型形状測定装置1には周知の構造のものを用いることができるので、その詳細な説明は省略する。尚、玉型形状情報(θi,ρi´,Zi´)はレンズ光軸中心のデータに変換されている。
【0013】
<フィッテング判定装置2>
フィッテング判定装置2は、図1(b)に示した様に、演算制御回路(演算制御手段)2aと、演算制御回路2aに接続されたキーボード2bと、演算制御回路2aにより制御される液晶表示装置(表示手段)2cを有する(図1(a),図2参照)。そして、玉型形状測定装置1からの測定結果である玉型形状情報(θi,ρi,Zi)が演算制御回路2aに入力されるようになっている。
【0014】
<レンズ形状測定装置3>
レンズ周縁形状測定手段としてのレンズ形状測定装置3(レンズ周縁形状測定装置)は、図1(a),図3に示した様に、装置本体4を有する。この装置本体4は、左右両側部の前側に突出する軸支用の筺体部4a,4bを有する。また、レンズ形状測定装置3は、図4(a)に示した測定手段5と、図4(b)に示した軸回転駆動手段6と、図4(b)に示した軸移動手段7と、図1(b)に示した演算制御回路(演算制御手段)8を有する。尚、M1,M2は演算制御回路2aに接続されたメモリ、DSPは装置本体4の筺体部4b上部正面に設けられた液晶表示部である。この液晶表示部DSPは演算制御回路8により表示を制御する。
【0015】
(測定手段5)
測定手段5は、左右の筺体部4a,4bの上部内に固定された固定板9,10と、固定板9,10に両端部が固定された一対の軸状のガイドレール11,12と、ガイドレール11,12が摺動自在に貫通するベース13と、ガイドレール11を挟むようにベース13の上端部に回転自在に保持された一対のガイドローラ14,14´を有する(図4(c)参照)。尚、ガイドレール11,12は、互いに平行に設けられていると共に、上下に間隔をおいて配置されている。
【0016】また、測定手段5は、ベース13の正面に設けられた上下に延びるレール15aと、レール15aに上下動自在に保持された測定アーム15と、測定アーム15の上端に設けられた係止ピン16と、測定アーム15の正面下部に固定された操作ツマミ17と、測定アーム15の下端部に回転自在に設けられた鼓形状の測定子18(測定部材)と、ベース13の上端に固定されたブラケット19と、ブラケット19の側部に保持されたフック20を有する。
【0017】
このフック20は、ブラケット19に前後回動可能に取り付けられていると共に、バネ(図示せず)で係止ピン16の上方に位置するように付勢されている。。そして、操作ツマミ17を摘んで測定アーム15を上方に移動させて、フック20の傾斜ガイド20aに係止ピン16を案内させることで、フック20が図示しないバネのバネ力に抗して後方側に回動させられ、係止ピン16がフック20の先端を越えると、フック20が図示しないバネのバネ力で前側に回動する。この後、操作ツマミ17から手を離すと、係止ピン16がフック20に係止させられる。これにより、測定アーム15及び測定子18を上方の初期位置に位置させることができる。
【0018】
また、操作ツマミ17を摘んで測定アーム15を上方に持ち上げ、図示しない操作手段でフック20を後方に回動操作することで、フック20による係止ピン16に係止は解除されるようになっている。
【0019】
しかも、係止ピン16がフック20に係止されているのを検出する検出手段21が設けられている。尚、この検出手段21は図4(a)には図示していないが、この検出手段21にはマイクロスイッチや圧力センサ等を用いることができる。そして、この検出手段21からの検出信号は演算制御回路8に入力される。
【0020】
更に、測定手段5は、ベース13の正面と測定アーム15との間に介装されたX方向測定手段としてのマグネスケール22(リニアスケール)と、ベース13の背面と固定板9,10との間に介装されたZ方向測定手段としてのマグネスケール23(リニアスケール)を有する。
【0021】
このマグネスケール22は、ベース13の正面に上下方向(X軸方向)に向けて固定された磁気検出ヘッド22aと、磁気検出ヘッド22aを上下方向に向けて貫通し且つ測定アーム15に保持されたロッド状の磁気スケール22bを有する。また、マグネスケール23は、ベース13の背面に左右方向(Z軸方向)に向けて固定された磁気検出ヘッド23aと、磁気検出ヘッド23aを左右方向に向けて貫通し且固定板9,10に保持されたロッド状の磁気スケール23bを有する。
【0022】
尚、本実施例では、測定子18のX軸方向及びZ軸方向への移動量検出にマグネケール22,23をリニアスケールとして用いているが、この検出には光電変換素子を用いたリニアスケールやポテンショメータ等を用いることもできる。
【0023】
また、鼓状の測定子18には、谷底部18aを有するV溝18bが設けられている。そして、V溝18bの傾斜角度(開き角度)は、100゜から140゜の範囲に設定される。尚、通常は眼鏡レンズの周縁に設けられるヤゲンの角度は100゜程度に設定されているので、V溝18bの傾斜角度(開き角度)を100゜から140゜としたが、この場合にはV溝18bの傾斜角度(開き角度)を120゜にするのが好ましい。しかし、V溝18bの傾斜角度(開き角度)は上述のものに限定されるものではない。即ち、V溝18bの傾斜角度(開き角度)は、眼鏡レンズの周縁に設けられるヤゲンの角度と同じか、或はこのヤゲンの角度以上で且つヤゲンから測定子が外れない角度であればよい。
【0024】
この傾斜角度(開き角度)
更に、測定子18による測定には測定アーム15の自重を測定圧として眼鏡レンズの周縁部に全て作用させてもよいが、好ましくは、測定アーム15の自重よる下方への力よりも僅かに弱いバネ力のバネ等の付勢手段(図示せず)によって測定アーム15の自重に抗して上方にバネ付勢して、測定アーム15による眼鏡レンズの周縁への測定圧を軽減するようにしてもよい。
【0025】
(軸回転駆動手段6)
軸回転駆動手段6は、筺体部4bの下部に前後に向けて固定された固定板24と、装置本体4内に左右動自在に保持された図示しない可動ベースと、この可動ベースに回転自在に保持された駆動軸25と、可動ベースに固定されたレンズ回転軸用のパルスモータ26と、パルスモータ26の出力軸に固定されたウオーム27と、ウオーム27に噛合し且つ駆動軸25に設けられたウオームホイール28と、可動ベースに回転自在に保持されたレンズ回転軸29と、固定板24に回転自在に保持されたレンズ回転軸30を有する。このレンズ回転軸29,30は、同軸上に設けられていると共に、筺体部4a,4bの対向壁4a1,4b1を貫通して筺体部4a,4b間に突出している。尚、レンズ回転軸30の左端部近傍の部分には図示を省略したスプライン部が設けられている。
【0026】
また、軸駆動手段6は、駆動軸の両端部に固定されたタイミングギヤ31,32とレンズ回転軸29の一端部に固定されたタイミングギヤ33と、レンズ回転軸30の上述したスプライン部(図示せず)にスプライン嵌合されたタイミングギヤ34と、タイミングギヤ31,33に掛け渡されたタイミングベルト35と、タイミングギヤ32,34に掛け渡されたタイミングベルト36を有する。
【0027】
(軸移動手段7)
軸移動手段7は、上述した図示しない可動ベースを駆動して、レンズ回転軸29,30間に眼鏡レンズLを挟持させたり、レンズ回転軸29,30間に保持された眼鏡レンズLを取り外したりするために、レンズ回転軸29,30の対向端部同士を相対接近・離反させるのに用いられる。
【0028】
この軸駆動手段7は、回転自在に且つ軸方向に移動不能に上述の可動ベースに保持された雌ネジ37を有する。この雌ネジ37は、左右方向(Z軸方向)に延びていると共に、他端部が固定板24を螺着されて固定板24を貫通している。従って、雌ネジ37を正回転又は逆回転させることにより、上述の可動ベースが左右方向(Z軸方向)に移動させられる様になっている。
【0029】
また、軸移動手段7は、装置本体4内に固定された軸移動用のパルスモータ38と、パルスモータ38の出力軸に固定されたウオーム39と、ウオーム39に噛合し且つ雌ネジ37に固定されたウオームホイール40を有する。
【0030】
尚、41は左眼鏡レンズMLの測定開始スイッチ、41´は右眼鏡レンズMRの測定開始スイッチ、42は軸駆動用のパルスモータ38を正転させて眼鏡レンズLをレンズ回転軸29,30間にクランプさせるのに用いるクランプスイッチ、43はパルスモータ38を逆転させてレンズ回転軸29,30間にクランプした眼鏡レンズLのクランプを解除させるのに用いるクランプ解除スイッチで、スイッチ41,41´,42,43からの信号は演算制御回路8に入力される。また、44は演算制御回路8に接続されたメモリである。
【0031】
(作用)
次に、この様な構成の眼鏡用レンズの適合判定装置の作用を上述の演算制御回路の機能と共に説明する。
【0032】
玉型形状測定装置1で測定されたメガネフレームMFの玉型FLの玉型形状情報(θi,ρi´,Zi´)は、フィッテング判定装置2に入力されて、演算制御回路2aを介してメモリM1に記憶される。
【0033】
一方、玉型形状測定装置1からの玉型形状情報(θi,ρi´,Zi´)は玉摺機(レンズ周縁研削加工装置)に入力されて、玉摺機は玉型形状情報(θi,ρi´,Zi´)を基に円形の被加工レンズ(未加工レンズ)をレンズ形状に研削加工する。
【0034】
そして、この研削加工された眼鏡レンズLの周縁に形成されたヤゲン頂部のレンズ形状をレンズ形状測定装置3で後述する様にして測定して、この測定されたレンズ形状情報(θi,ρi,Zi)が玉型形状情報(θi,ρi´,Zi´)に一致するか否かをフィッテング装置2を用いて判定させる。
【0035】
(i).眼鏡レンズLの保持
先ず、玉摺機LGにより研削加工され且つ周縁にヤゲン付けされた左眼鏡レンズMLを玉摺機LGのレンズ回転軸(図示せず)から取り外す。この状態では、未加工レンズをレンズ回転軸に取り付けるためのレンズ吸着盤が眼鏡レンズMLに付いた状態となっている。
【0036】
一方、スイッチ43をON操作すると、演算制御回路8はパルスモータ38を逆転させて、雌ネジ37を逆転させ図示しない可動ベース図4(b)中左方に移動させる。これにより、図4(b)中、軸回転駆動手段6のうちレンズ回転軸30を除いた他の全ての部品、即ち駆動軸25,パルスモータ26,ウオーム27,ウオームホイール28,レンズ回転軸29,タイミングギヤ31,32,33,34、タイミングベルト35,タイミングベルト36が図示しない可動ベースと一体に左方に移動させられる。この結果、レンズ回転軸29がレンズ回転軸30から離反させられ、クランプ解除の状態となる。
【0037】
この状態で、レンズ吸着盤が付いている眼鏡レンズMLをレンズ回転軸29,30間に配設して、眼鏡レンズMLのレンズ吸着盤をレンズ回転軸30の端部に玉摺機LGにおける場合と同様にして係合させ、スイッチ42をON操作する。これにより、演算制御回路8はパルスモータ38を正転させて、雌ネジ37を正転させ図示しない可動ベース図4(b)中右方に移動させる。これに伴って、図4(b)中、軸回転駆動手段6のうちレンズ回転軸30を除いた他の全ての部品が右方に移動させられて、レンズ回転軸29が眼鏡レンズMLに当接させられ、眼鏡レンズMLがレンズ回転軸29,30間に挟持(クランプ)される。
【0038】
(ii).レンズ形状測定
a.初期位置
係合ピン16がフック20に係止されている状態では測定開始用のスイッチ41をON操作しても、測定は開始されない。しかし、この位置でスイッチ41をおんさせることにより、測定のための測定子18の上下方向(X軸方向)及び左右(Z軸方向)への原点位置がこの位置に設定される。また、この位置における測定子18とレンズ回転軸29,30の軸線までの距離を図5(a)に示した様にL0とする。
【0039】
b.測定子のセット
この状態で、操作ツマミ17を摘んで測定アーム15を上方に持ち上げ、図示しない操作手段でフック20を後方に回動操作することで、フック20による係止ピン16に係止は解除させる。この解除に伴い、検出手段21からの検出信号が演算制御回路8に入力され、演算制御回路8は眼鏡レンズMLのヤゲン頂点形状すなわち眼鏡レンズMLの周長を測定開始可能な状態となる。
【0040】
そして、操作ツマミ17を摘んだ状態で、測定アーム15を降下させると共に左右動させて、測定アーム15の下端部の測定子18のV溝18aの谷底部18bをレンズ回転軸29,30間の眼鏡レンズMLの周縁のヤゲンygの頂点Tgに図5(b)の如く係合させる。
【0041】
これにともない、測定アーム15と一体にマグネスケール22の磁気スケール22bが降下し、係止ピン16がフック20に係止されている位置からの測定アーム15の降下量Xi(図5(a)参照)がマグネスケール22により測定され、このマグネスケール22からの測定信号が演算制御回路8に入力される。
【0042】
尚、図5(c)の如く周縁部が平らに平加工された後の眼鏡レンズMLを測定する場合には、図5(c)の如く測定子18に筒状軸部(筒部)18cを設け、この筒状軸部18cを平加工後の眼鏡レンズMLの周縁部に係合させ、眼鏡レンズMLの動径ρi(i=0,1,2,3,……n)を求めることができる。
【0043】
c.測定
この後、スイッチ41をON操作すると、演算制御回路8はパルスモータ26を作動制御する。このパルスモータ26の回転は、ウオーム27,ウオームホイール28,タイミングギヤ31,33、タイミングベルト35を介してレンズ回転軸29に伝達されると共に、ウオーム27,ウオームホイール28,タイミングギヤ32,34、タイミングベルト36を介してレンズ回転軸30に伝達される。これによりレンズ回転軸29,30が同期回転させられ、眼鏡レンズMLがレンズ回転軸29,30と一体に回転させられる。この際、演算制御回路8は、パルスモータ26駆動のためのパルス数からレンズ回転軸29,30の回転角θiを求める。
【0044】
そして、このレンズ回転軸29,30の回転に伴い、測定子18は眼鏡レンズMLの周縁によって上下動作せられ、この上下動が測定アーム15を上下動させる。これに伴い、マグネスケール22は測定子18,測定アーム15の上下動を検出して演算制御回路8に入力する。この演算制御回路8は、マグネスケール22からの測定信号を基に、眼鏡レンズMLの光学中心から周縁の測定子18までの距離すなわち動径ρiを求め、この動径ρiをレンズ回転軸29,30の回転角θiに対応させてメモリ44に(θi,ρi)として記憶させる。
【0045】
尚、上述したように、係合ピン16がフック20に係止されている状態においては、測定子18とレンズ回転軸29,30の軸線までの距離をL0であるので、測定子18が眼鏡レンズMLに当接させられた位置における眼鏡レンズMLの動径ρiは、
ρi=(L0−Xi)
[i=0,1,2,3,…n]
として演算制御回路8により求めることができる。
【0046】
一方、眼鏡レンズMLの周縁は光軸方向(左右方向)にも変化するので、上述の測定動作に伴い、即ちレンズ回転軸29,30の回転に伴い、測定子18が眼鏡レンズMLの周縁により左右方向(Z軸方向)にも測定アーム15と一体に移動させられる。この際、測定子18及び測定アーム15の左右方向への移動量はマグネスケール23により検出され、このマグネスケール23からの測定信号が演算制御回路8に入力される。そして、演算制御回路8は、マグネスケール23からの測定信号を基に、眼鏡レンズMLの光軸方向への移動量Ziを求め、この移動量Ziをレンズ回転軸29,30の回転角θiに対応させてメモリ44にレンズ形状情報(θi,ρi,Zi)として記憶させる。
【0047】
この様にして、形状測定が終了すると、メモリ44に記憶されたレンズ形状情報(θi,ρi,Zi)は、演算制御回路8によりフィッテング判定装置2に転送されて、演算制御回路2aを介してメモリM2に記憶される。
【0048】
(iii).眼鏡レンズMLのレンズ枠への適合判定
フィッテング装置2は、メモリM1に記憶された玉型形状情報(θi,ρi´,Zi´)とメモリM2に記憶されたレンズ形状情報(θi,ρi,Zi)とから、回転角θi毎の動径ρi´,ρi及び光軸方向の移動量Zi´,Ziが一致又は許容範囲内にあるか否かを判定して、図2のごとく適合している場合には「OK」を液晶表示装置2cに表示させ、適合していない場合には「NG」を液晶表示装置2cに表示させる。
【0049】
この場合、演算制御回路2aは、メモリM1に記憶された左側の玉型FLの玉型形状情報(θi,ρi´,Zi´)から玉型形状50を液晶表示装置2cに表示させると共に、メモリM2に記憶されたレンズ形状情報(θi,ρi,Zi)から眼鏡レンズMLのヤゲン頂点形状51を液晶表示装置2cに表示させる。尚、同様に右側の玉型FRの玉型形状情報を基に右側の玉型形状50´も表示される。
【0050】
この際、演算制御回路2aは、玉型形状50とレンズ形状51(レンズ形状)を重ねて表示する。これにより、作業者は玉型形状50とレンズ形状51(レンズ形状)から眼鏡レンズMLがレンズ枠3aに適合するか否か(フィットするか否か)を視覚的にも容易に判定できることになる。
【0051】
また、眼鏡レンズMLにはレンズメータ(図示せず)を用いて印点した三針の印点マークが付されており、この印点マークに対応するマーク61,62,63が図6に示した様に玉型形状50に重ねて液晶表示装置2cに表示されている。この場合、眼鏡装用者の瞳孔中心間距離とレンズ枠Fの幾何学中心O1とをもとに求めた眼鏡レンズMLの光学中心O2(瞳孔中心)を基にマーク61,62,63が表示される。
【0052】
尚、玉型幾何学中心位置を示す十字ライン70及び瞳孔中心位置を示す十字ライン71も液晶表示装置2cに表示されている。また、眼鏡レンズMLの光学中心(瞳孔中心)O2を中心とする吸着盤外形72も同時に表示される様になっている。
【0053】
例えば、図7(a)に示すように、眼鏡レンズMLの印点位置61´,62´,63´は正確にも拘らず、レンズ形状測定時に吸着盤がずれてしまった場合や、図7(b)に示すように、印点位置61´,62´,63´がずれていた場合においては、この印点位置61´,62´,63´と演算制御回路8により液晶表示装置2cに表示されたマーク61,62,63とが一致せずにずれて表示されることになる。
【0054】
これによって、加工済眼鏡レンズMLの周長が一致していたとしても、印点位置のズレ等によって、正確なレンズ適合判断を行うことができなかった従来の問題を解決している。
【0055】
そして、このような場合には、再度眼鏡レンズMLの研削加工をやり直し、適正な眼鏡レンズを作成する必要がある。
【0056】
また、図8に示した様に、フィッテング判定装置(レンズ適合判定装置)において、瞳孔間距離(PD)のデータが加工済眼鏡レンズと眼鏡フレームとにおいて一致するか否かを判定することにも応用することができる。
【0057】
この図8(a)は、レンズ形状データに基づくレンズ形状51を示し、図8(b)はフレーム形状データに基づく玉型形状50を示したものである。ここで、図8(a)のレンズ形状51において、瞳孔間距離を基準に即ち瞳孔間距離に基づく光学中心(瞳孔中心)O2の位置を基準とし、この光学中心(瞳孔中心)O2の位置からレンズ形状51の耳掛(テンプル)側(レンズ形状51の左端)までの距離をAとすると共に、この光学中心(瞳孔中心)O2の位置からレンズ形状51の耳掛(テンプル)側とは反対側(レンズ形状51の右端)までの距離をA´とする。また、同様に、図8(b)の玉型形状50において、瞳孔間距離を基準に即ち瞳孔間距離に基づく光学中心(瞳孔中心)O2の位置を基準とし、この光学中心(瞳孔中心)O2の位置から玉型形状50の耳掛(テンプル)側(玉型形状50の左端)までの距離をBとし、光学中心(瞳孔中心)O2の位置から玉型形状50の耳掛(テンプル)側とは反対側(玉型形状50の右端)までの距離をB´とする。そして、AとB及びA´とB´と比較することで、瞳孔間距離(PD)データが加工済眼鏡レンズと眼鏡フレームとにおいて一致するか否かを判定することができる。
【0058】
同様に、図8(a)のレンズ形状データによるレンズ形状51において、光学中心(瞳孔中心)O2の位置を基準として、光学中心(瞳孔中心)O2からレンズ形状51の上端までの大きさをCとし、光学中心(瞳孔中心)O2の位置からレンズ形状51の下端までの大きさをC´とする。また、図8(b)のフレーム形状データに基づく玉型形状50において、光学中心(瞳孔中心)O2の位置を基準とし、光学中心(瞳孔中心)O2の位置から玉型形状50の上端までの大きさをDとし、光学中心(瞳孔中心)O2から玉型形状50の下端までの大きさをD´とする。そして、上述のAとB及びA´とB´と同様にCとD及びC′とD´を比較することで、瞳孔中心位置の上寄せ量あるいは下寄せ量を考慮した、加工済眼鏡レンズと眼鏡フレームとにおいて一致するか否かを判定することができる。
【0059】
また、図8(c)の様に、レンズ形状情報あるいはフレーム形状情報に基づいてレンズ形状51や玉型形状50のようにボックス形式で表示して、レンズ形状51と玉型形状50を比較し、加工済眼鏡レンズと眼鏡フレームとにおいて一致するか否かを判定することができる。
【0060】
<他の実施例>
尚、本実施例では、レンズ枠形状情報(θi,ρi,Zi)[ここで、i=0,1,2,3………n]を演算制御回路2aに直接入力するようにしているが必ずしもこれに限定されるものではない。
【0061】
例えば、図9に示した様に、眼鏡店80a,80b,80c………80n等においてフレーム形状を玉型形状測定装置1で測定して、この測定により得られたレンズ枠形状情報のデータをパソコン(パーソナルコンピュータ)PC1,PC2,PC3……PCn,モデムMD1,MD2,MD3………MDn及びISDN通信回線網81、モデムMDLを介してラボ(レンズ加工工場)82等に配置したサーバー83に転送して、この転送したデータをサーバー83に一時的に記憶保存させ、このサーバー83に記憶したデータをラボ82のフィッテング判定装置2の演算制御回路2aに入力するようにしてもよい。尚、フィッテング判定装置2としては、通常、図1に図示したようなノートブックタイプのパーソナルコンピュータを用いるが、ディスクトップ型のパーソナルコンピュータを用いてもよい。
【0062】
この場合、ラボ82の玉摺機LGで加工した眼鏡レンズL(MR,ML)は、ラボ82のレンズ形状測定装置3でレンズ周長すなわちレンズヤゲン頂点形状が上述と同様にして測定されて、この測定結果をフィッテング判定装置2で上述と同様に判定する。そして、判定結果が適合する場合には二点鎖線で示した様に、ラボ82の玉摺機LGで加工した眼鏡レンズL(MR,ML)が各眼鏡店80a,80b,80c………に搬送される。
【0063】
尚、図10に示した様に、眼鏡店80a,80b,80c……80n等において、モデム機能を有し且つ通信先及び通信データの設定等ができる通信装置1aを玉型形状測定装置1に内蔵させて、通信に必要最小限の機能を持たせると共に、設定や通信時に必要な表示は玉型形状測定装置1に通常設けられる液晶表示装置(表示手段)を用いることで、パソコン(パーソナルコンピュータ)PC1,PC2,PC3……PCn及びモデムMD1,MD2,MD3………MDnを省略して、小スペース化を図り、店内空間を有効に活用することができるようにしてもよい。
【0064】
また、図11に示すように、玉型形状測定装置1、未加工の眼鏡レンズのコバ厚を測定する機能を有するレンズ研削装置LGを、フィッテング判定装置2に通信回線81等を介して直接接続することによって、玉型形状測定装置1からの玉型形状データとレンズ研削装置LGからのコバ厚データを用いて、ヤゲン加工後の予想レンズ形状データを演算で求め、玉型形状データと一致するか否かを判定するようにすることもできる。
【0065】
さらに、上述する眼鏡レンズの適合判定装置をレンズ研削装置LGに組み込むことで適合判定後に即座にレンズ研削加工を行うことができる。
【0066】
【発明の効果】
以上説明した請求項1の発明の眼鏡用レンズの適合判定方法は、端面加工後の眼鏡レンズのレンズ形状情報と眼鏡フレームの玉型形状情報とを所定位置を基準に比較して、眼鏡レンズが眼鏡フレームの玉型に適合するかどうかを判定することができる。しかも、ヤゲン加工後の眼鏡レンズのレンズ形状情報と眼鏡フレームの玉型形状情報とを所定位置を基準に比較して、眼鏡レンズが眼鏡フレームのフレーム枠に適合するかどうかを容易且つ正確に判定することができる。
【0069】
また、請求項2の発明は、端面加工後の眼鏡レンズのレンズ形状情報と眼鏡フレームの玉型形状情報とを所定位置を基準に比較して、眼鏡レンズが眼鏡フレームの玉型に適合するかどうかを判定することができる。しかも、ヤゲン加工後の眼鏡レンズのレンズ形状情報と眼鏡フレームの玉型形状情報とを所定位置を基準に比較して、眼鏡レンズが眼鏡フレームのフレーム枠に適合するかどうかを容易且つ正確に判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はこの発明に係る眼鏡用レンズの適合判定装置を含むシステムの概略説明図、(b)は(a)の制御回路図である。
【図2】図1(a)のフィッテング装置の拡大説明図である。
【図3】図1(a)のレンズ形状測定装置の拡大説明図である。
【図4】(a)は図1(a)のレンズ形状測定装置の測定手段の要部斜視図、(b)は図1(a)のレンズ形状測定装置の軸回転駆動手段及び軸移動手段の要部斜視図、(c)は(a)の部分説明図である。
【図5】(a)は図4(a)に示した測定子の原点位置の説明図で、(b)は図4(a)の測定子と眼鏡レンズとの接触状態を示す説明図、(c)は測定子の他の例を示す説明図である。
【図6】図2に示した左右のレンズ枠形状の説明図である。
【図7】(a),(b)は図4に示した眼鏡レンズの説明図である。
【図8】(a)はレンズ枠形状データの説明図、(b)は玉型形状データの説明図、(c)は形状データのボックス形式の表示例を示す説明図である。
【図9】この発明における各装置の使用例を示す説明図である。
【図10】この発明における各装置の使用例を示す説明図である。
【図11】この発明における各装置の使用例を示す説明図である。
【符号の説明】
1…玉型形状測定装置(玉型形状データ入力手段)
2…フィッテング判定装置(判定手段)
3…レンズ形状測定装置(レンズ形状データ入力手段)
MF…メガネフレーム(眼鏡フレーム)
F…フレーム枠
Claims (2)
- 眼鏡レンズが枠入れされる眼鏡フレームの眼鏡レンズ枠の玉型形状情報に基づいて周縁部の端面加工をした後の前記眼鏡レンズを左右方向から一対のレンズ回転軸間に挟持し、該眼鏡レンズの周縁に上方から測定子を当接させてレンズ形状を測定することにより、前記端面加工後の眼鏡レンズのレンズ形状情報に基づくレンズ形状を求めた後、
前記レンズ形状の瞳孔中心の位置を基準にして、前記瞳孔中心の位置から前記レンズ形状の耳掛側の端までの距離(A)と、前記瞳孔中心から前記レンズ形状の前記耳掛とは反対側の端までの距離(A′)を求める一方、
前記玉型形状情報に基づく玉型形状の前記瞳孔中心の位置を基準にして、前記瞳孔中心の位置から前記玉型形状の前記耳掛け側の端までの距離(B)と、前記瞳孔中心の位置から前記玉型形状の前記耳掛け側とは反対側の端までの距離(B′)を求めると共に、
前記瞳孔中心の位置から前記レンズ形状の上端までの距離(C)と、前記瞳孔中心の位置から前記レンズ形状の下端までの距離(C′)を求める一方、前記瞳孔中心の位置から前記玉型形状の上端までの距離(D)と、前記瞳孔中心の位置から前記玉型形状の下端までの距離(D′)を求めて、
前記距離(A)と(B)及び前記距離(A′)と(B′)とを比較すると共に、前記距離(C)と(D)及び前記距離(C′)と(D′)とを比較することにより、端面加工後の前記眼鏡レンズが前記眼鏡フレームの玉型に適合するかどうかを判定することを特徴とする眼鏡用レンズの適合判定方法。 - 端面加工後の眼鏡レンズを左右方向から一対のレンズ回転軸間に挟持し、該眼鏡レンズの周縁に上方から測定子を当接させてレンズ形状を測定してレンズ形状情報を求めるためのレンズ形状入力手段と、
前記眼鏡レンズが枠入れされる眼鏡フレームの玉型形状情報を入力するための玉型形状入力手段と、
前記レンズ形状情報に基づくレンズ形状と前記玉型形状情報に基づく玉型形状とを比較して、端面加工後の前記眼鏡レンズが前記眼鏡フレームの玉型に適合するかどうかを判定する判定手段を備える眼鏡用レンズの適合判定装置であって、
前記判定手段は、前記レンズ形状情報に基づくレンズ形状を求めた後、前記レンズ形状の前記瞳孔中心の位置を基準にして、前記瞳孔中心の位置から前記レンズ形状の耳掛側の端までの距離(A)と、前記瞳孔中心から前記レンズ形状の前記耳掛とは反対側の端までの距離(A′)を求める一方、前記玉型形状情報に基づく玉型形状の前記瞳孔中心の位置を基準にして、前記瞳孔中心の位置から前記玉型形状の前記耳掛け側の端までの距離(B)と、前記瞳孔中心の位置から前記玉型形状の前記耳掛け側とは反対側の端までの距離(B′)を求めると共に、前記瞳孔中心の位置から前記レンズ形状の上端までの距離(C)と、前記瞳孔中心の位置から前記レンズ形状の下端までの距離(C′)を求める一方、前記瞳孔中心の位置から前記玉型形状の上端までの距離(D)と、前記瞳孔中心の位置から前記玉型形状の下端までの距離(D′)を求めて、前記距離(A)と(B)及び前記距離(A′)と(B′)とを比較すると共に、前記距離(C)と(D)及び前記距離(C′)と(D′)とを比較することにより、端面加工後の前記眼鏡レンズが前記眼鏡フレームの玉型に適合するかどうかを判定することを特徴とする眼鏡用レンズの適合判定装置。
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-
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- 1996-06-20 JP JP16015096A patent/JP3973055B2/ja not_active Expired - Fee Related
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