JP3972839B2 - 温水利用システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、温水利用システムに関し、詳しくは例えば、ヒートポンプ給湯機に浴室暖房や乾燥機等の熱負荷端末を追加した温水利用システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の温水利用システムとして、図5に示すように、熱源ユニットAの水−冷媒熱交換器として、高圧側熱交換器31と、給湯用熱交換器36と、ブライン用熱交換器37とを備え、高圧側熱交換器31からの高温水を温水暖房機32、浴室乾燥機33等に供給したり、高圧側熱交換器31で放熱した低温水と高温水とを貯水タンク34で混合して低温水を作り、この低温水を床暖房装置35に供給するようにした多機能給湯装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。なお図5中の38は風呂追い焚き用熱交換器、Bは台所、洗面台39や、風呂40等への貯湯ユニットである。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−364912号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが上記従来例では、異なる温度の温水を同時に供給可能とするにあたって、熱源ユニットAの水−冷媒熱交換器として、高圧側熱交換器31と、給湯用熱交換器36と、ブライン用熱交換器37とを必要としており、装置の大型化及びコストアップを招くという問題があった。
【0005】
そこで、本発明者らは本発明に至る過程で、図4に示すように、水道水や井戸水が流入する貯湯タンク1に、貯湯タンク1の下部から低温水を取り出してヒートポンプ2により加熱して貯湯タンク1の上部に高温水として戻す加熱用循環経路3を接続し、貯湯タンク1の上部に先端に給湯口4を有する出湯経路5を接続し、出湯経路5の途中から分岐した分岐路6を熱交換器7の一次側7Aを介して貯湯タンク1の下部に接続して一次側循環路8を形成し、熱交換器7の二次側7Bを浴室暖房や乾燥機、床暖房装置などの熱負荷端末10(循環機器)の入側と出側とに接続して二次側循環路9を形成するようにした温水利用システムを考えた。図4中のP1、P2は循環ポンプ、16は給水経路、17は貯湯タンク1から低温水を出湯経路5に供給する配管である。
【0006】
ところが、この温水利用システムでは、熱負荷端末10からの中温の復水(戻り温水)が熱交換器7の二次側7Bに直接戻るようにしているため、熱交換器7の一次側7Aの戻り温度が低くならず、このため、貯湯タンク1の下部に中温水が多く残るようになる。ところで、ヒートポンプ2としてCO2ヒートポンプを使用する場合、低温から高温にワンパスで温水を沸き上げる能力があるにもかかわらず、中温水が多く残ると、中温から高温に沸き上げる場合、本来の能力を使いきることができず、結果的にヒートポンプ2のCO2(成績計数(=加熱能力/消費電力))が低下するという問題がある。つまり、貯湯タンク1内の中央に中温水が溜まると、貯湯タンク1内の水をCO2ヒートポンプ2によって熱交換する場合、中温水では効率の良い熱交換ができないため、システム全体の熱効率を上げるためには、貯湯タンク1の中温水を少なくすることが要求される。
【0007】
本発明は、上記の従来例の問題点に鑑みて発明したものであって、その目的とするところは、熱交換器の二次側の戻り温度を下げることによって貯湯タンク内の中温水を少なくでき、これにより熱源となるヒートポンプの沸き上げ効率を向上させることができる温水利用システムを提供することにあり、他の目的とするところは、高温負荷端末からの中温の復水を低温負荷端末の熱媒体として利用することができ、効率良く熱利用できる温水利用システムを提供することにあり、更に他の目的とするところは、温度領域の異なる複数の負荷端末(高温負荷端末、低温負荷端末)を順に加熱でき、効率良く熱利用ができる温水利用システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、水道水や井戸水が流入する貯湯タンク1に、貯湯タンク1の下部から低温水を取り出してヒートポンプ2等の熱源により加熱して貯湯タンク1の上部に高温水として戻す加熱用循環経路3を接続し、貯湯タンク1の上部に先端に給湯口4を有する出湯経路5を接続し、出湯経路5の途中から分岐した分岐路6を熱交換器7の一次側7Aを介して貯湯タンク1の下部に接続して一次側循環路8を形成し、熱交換器7の二次側7Bを熱負荷端末10の入側と出側とに接続して二次側循環路9を形成すると共に、二次側循環路9の往路9a側に、熱負荷端末10からの復水の少なくとも一部と熱交換器7の二次側7Bから流出する高温水とを混合して加熱手段を介することなく熱負荷端末10に循環させるための混合弁11を設けたことを特徴としており、このように構成することで、熱負荷端末10からの復水の少なくとも一部を混合弁11を介して熱負荷端末10に循環させることが可能となり、これにより、熱交換器7の二次側7Bの戻り温度を下げることが可能となり、結果、熱交換器7の一次側7Aの戻り温度を下げることが可能となる。従って、貯湯タンク1内の中温水を少なくできるので、貯湯タンク1内の水をヒートポンプ2によって熱交換する場合において、熱交換の効率が悪い中温水が存在しないことで、ヒートポンプ2の沸き上げ効率を向上させることができる。
【0009】
また本発明は、水道水や井戸水が流入する貯湯タンク1に、貯湯タンク1の下部から低温水を取り出してヒートポンプ2等の熱源により加熱して貯湯タンク1の上部に高温水として戻す加熱用循環路を接続し、貯湯タンク1の上部に先端に給湯口4を有する出湯経路5を接続し、出湯経路5の途中から分岐した分岐路6を熱交換器7の一次側7Aを通して貯湯タンク1の下部に接続して一次側循環路8を形成し、熱交換器7の二次側7Bを高温負荷端末10Aの入側と出側とに接続して二次側高温循環路13を形成し、二次側高温循環路13の復路13bに低温負荷端末10Bの入側を接続すると共に低温負荷端末10Bの出側を熱交換器7の二次側7Bに接続して二次側低温循環路14を形成し、二次側高温循環路13の往路13a側と復路13b側との間をバイパス路21を介してバイパス接続し、このバイパス路21に、高温負荷端末10Aからの復水の少なくとも一部を熱交換器7の二次側7Bから流出する高温水と混合して加熱手段を介することなく低温負荷端末10Bに循環させるための混合弁11を設けたことを特徴としており、このように構成することで、高温負荷端末10Aと低温負荷端末10Bの個別動作中において、動作温度領域の異なる高温負荷端末10Aからの復水と低温負荷端末10Bからの復水とを混合弁11によって混合して、低温負荷端末10Bに循環させることで、各負荷端末10A,10Bからの復水の温度を下げることができ、これにより熱交換器7の二次側7Bの戻り温度を下げることができる。
【0010】
また上記高温負荷端末10Aからの復水と低温負荷端末10Bからの復水とを混合する混合器20を上記混合弁11の上流側に配置するのが好ましく、この場合、高温負荷端末10Aと低温負荷端末10Bの個別動作中において、低温負荷端末10Bからの低温の復水を高温負荷端末10Aからの中温の復水とを混合器20により混合した後に更に混合弁11で高温水と混合させて低温負荷端末10Bに循環させることができる。
【0011】
また上記二次側高温循環路13の温水を循環させるための循環ポンプP2を、上記混合器20の下流側に配置するのが好ましく、この場合、1台の循環ポンプP2で高温負荷端末10Aと低温負荷端末10Bの両者の個々の駆動が可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0014】
図1は1台の熱負荷端末10を設けた温水利用システムの一例を示している。図1中のCはヒートポンプユニット、Dは多機能タンクユニット、Eは浴室である。
【0015】
貯湯タンク1の下部には水道水や井戸水の給水経路16が接続される給水口が設けられている。さらに貯湯タンク1の下部と上部との間には、貯湯タンク1の下部から低温水を取り出して熱源となるCO2ヒートポンプ2により加熱して貯湯タンク1の上部に高温水として戻す加熱用循環経路3が形成されている。貯湯タンク1は縦長形状をしており、上部から高温(例えば90℃程度)の温水を供給する方式が採用される。
【0016】
ここで、熱源として用いられるCO2ヒートポンプ2は、冷媒としてのCO2が従来の冷媒よりも高圧になり、高圧側が臨界点を越える超臨界サイクルを達成することで加熱性能が向上し、他のヒートポンプ2と比べてワンパスで90℃程度の高温まで加熱できるという利点があり、またCO2は従来の冷媒(フロン)と比較してほぼ同等の冷媒性能を有しながら、オゾン層破壊の危険はきわめて少ないという利点もある。
【0017】
上記貯湯タンク1の上部には、先端に給湯口4(蛇口)を有する出湯経路5が接続されている。ここでは、出湯経路5からの高温水を分岐管を介して浴槽の給湯口4に供給できるようにしている。なお、出湯経路5からの高温水は風呂用に限らず、台所等に利用されてもよいものである。また出湯経路5の温水の温度が高くなり過ぎる(例えば90℃以上)のを避けるために、水道水や井戸水を給水分岐管16aを介して出湯経路5に供給できるようにし、さらに貯湯タンク1の下部から低温水を配管17を介して出湯経路5に供給できるようにしている。
【0018】
さらに上記出湯経路5には、出湯経路5の途中から分岐した分岐路6を熱交換器7の一次側7Aのパイプ(以下、「一次パイプ7A」という)を介して貯湯タンク1の下部に接続することで一次側循環路8が形成されている。熱交換器7の一次パイプ7Aの戻り側に循環ポンプP1が設けられており、この循環ポンプP1によって出湯経路5の高温水が分岐路6から熱交換器7の一次パイプ7Aに取り込まれ、後述の二次側循環路9の水と熱交換された後に貯湯タンク1の下部に戻されるようになっている。
【0019】
上記熱交換器7の二次側7Bのパイプ(以下「二次パイプ7B)という)の流出側には1台の熱負荷端末10の入側が接続され、熱負荷端末10の出側が二次パイプ7Bの流入側に接続されることで二次側循環路9が形成されている。なお熱負荷端末10として例えば浴室暖房や乾燥機があるが、もちろんこれに限られるものではなく、浴槽の追い焚き等であってもよい。また熱負荷端末10の数も1台に限らず、複数台であってもよい。二次側循環路9の復路9b側には循環ポンプP2が設けられており、この循環ポンプP2によって熱交換器7の二次パイプ7Bから流出する高温水が熱負荷端末10の入側に供給され、熱負荷端末10からの復水が後述の混合弁11に送られるようになっている。
【0020】
また上記二次側循環路9の往路9a側には、熱負荷端末10からの復水の少なくとも一部と熱交換器7の二次パイプ7Bから流出する高温水とを混合して熱負荷端末10に循環させるための混合弁11が設けられている。混合弁11は本例ではサーボモータの操作により開閉制御される三方弁からなる。本例では三方弁からなる混合弁11のポートaは熱交換器7の二次パイプ7Bの流出側に連通し、ポートbは二次側循環路9の復路9bにおける循環ポンプP2の下流側に設けたバイパス路21に連通しており、ポートcは熱負荷端末10の入側に連通している。熱負荷端末10の動作中において、ポートbを開くことによりバイパス路21を開放して熱負荷端末10からの復水と熱交換器7の二次パイプ7Bから流出する高温水とを所定比率で混合して熱負荷端末10の入側に循環させるものである。この混合比率及び混合流量は、復水の戻り温度及び熱負荷端末10に供給される必要温度に応じて適宜設定される。一方、熱負荷端末10から低温の復水は、ポートbを閉じて熱交換器7の二次パイプ7Bの流入側に戻すようにしている。
【0021】
次に本実施形態の動作を説明する。先ず給水経路16から水道水を貯湯タンク1の下部に供給して、貯水される。そして、加熱用循環経路3のヒートポンプ2を作動して貯湯タンク1の下部の低温水を加熱して貯湯タンク1の上部に循環させることで、貯湯タンク1の上部に例えば90°C程度の高温水が貯湯される。貯湯タンク1内に貯湯された高温水は、出湯経路5から取り出されて風呂、或いは台所、洗面台等の給湯機器に供給される。一方、熱負荷端末10としての浴室暖房を稼動するときは、各循環ポンプP1,P2を作動させる。これにより、貯湯タンク1内の高温水が熱交換器7の一次パイプ7Aに供給されると共に、二次側循環路9の熱媒体(水)が熱交換器7の二次パイプ7Bに供給される。これにより、熱交換器7で加熱された約70°C程度の高温水が混合弁11を通って熱負荷端末10に供給されて、浴室暖房や乾燥作用を果たす。熱負荷端末10から回収される復水は約50℃程度の中温水となり、この復水の少なくとも一部がバイパス路21を通って混合弁11のポートbに流入し、ポートaに供給される二次パイプ7Bからの高温水と混合されて熱負荷端末10に循環される。そして、熱負荷端末10からの低温の復水はポートbを閉じることで二次パイプ7Bの流入側へ戻すようにしている。このように熱負荷端末10からの復水の温度に応じてポートbを開閉操作することによって、二次パイプ7Bの流入側への戻り温度を下げることが可能となる。
【0022】
しかして、熱負荷端末10から回収される中温の復水を熱負荷端末10に循環させることで、熱交換器7の二次パイプ7Bに中温水が戻されることがなく、低温水のみを熱交換器7の二次パイプ7Bに戻すことによって熱交換器7の戻り温度を下げることができるので、結果、熱交換器7の一次パイプ7Aの戻り温度を下げることが可能となる。従って、貯湯タンク1内の中温水を少なくできる。この結果、貯湯タンク1内の水をヒートポンプ2によって熱交換する場合において、熱交換の効率が悪い中温水が存在しないことで、ヒートポンプ2の沸き上げ効率を向上させることができるという利点がある。
【0023】
図2は本発明の他の実施形態では、熱負荷端末10として高温領域で動作する高温負荷端末10Aと、低温領域で動作する低温負荷端末10Bとを備えた温水利用システムの一例を示している。高温負荷端末10Aとして例えば浴室暖房や乾燥機等があり、低温負荷端末10Bとして例えば床暖房装置がある。図2中のFは多機能ヘッダーシステムであり、V1、V2は高温負荷端末10A用のバルブ、V3、V4は低温負荷端末10B用のバルブである。なお、貯湯タンク1、加熱用循環経路3、出湯経路5に関しては前記実施形態と同様であり、対応する箇所には同一符号を付してその説明は省略する。
【0024】
本例では、出湯経路5の途中から分岐した分岐路6を熱交換器7の一次パイプ7Aを通して貯湯タンク1の下部に接続して一次側循環路8を形成し、熱交換器7の二次パイプ7Bを高温負荷端末10Aの入側と出側とに接続して二次側高温循環路13を形成し、二次側高温循環路13の復路13bに低温負荷端末10Bの入側を接続すると共に低温負荷端末10Bの出側を熱交換器7の二次パイプ7Bに接続して二次側低温循環路14を形成し、二次側高温循環路13の往路13a側と復路13b側との間をバイパス路21を介してバイパス接続し、このバイパス路21に、高温負荷端末10Aからの復水の少なくとも一部を熱交換器7の二次パイプ7Bから流出する高温水と混合して低温負荷端末10Bに循環させるための三方弁からなる混合弁11を設けてある。この混合弁11の上流側には、高温負荷端末10Aからの復水と低温負荷端末10Bからの復水とを混合する混合器20が配置されている。さらに二次側高温循環路13の温水を循環させるための循環ポンプP2は、上記混合器20の下流側に配置されている。
【0025】
次に本実施形態の動作を説明する。貯湯タンク1の加熱動作は上記実施形態と同様である。高温負荷端末10Aと低温負荷端末10Bとの片側のみ或いは両方を同時運転する際は、運転するバルブV1〜V4を選択的に開き、各循環ポンプP1,P2を作動させる。これにより、貯湯タンク1内の90℃程度の高温水が熱交換器7の一次パイプ7Aに供給されると共に、二次側高温循環路13の熱媒体(水)が熱交換器7の二次パイプ7Bに供給される。これにより、熱交換器7で加熱された約70°C程度の高温水が二次側高温循環路13の往路13aから高温負荷端末10Aに供給されて浴室暖房や乾燥作用を果たす。さらに、高温負荷端末10Aから回収される復水は約50°C程度の中温水となり、この復水は混合器20からバイパス路21を通って混合弁11のポートbに供給される。この復水は、ポートaから供給される二次側高温循環路13の往路13aからの高温水と混合され、約55°C程度の温水として二次側低温循環路14の往路14aから低温負荷端末10Bに供給され、床暖房作用を果たす。さらに、低温負荷端末10Bから回収される復水は約40°C程度の温水となり、この復水は二次側低温循環路14の復路14bに設けた混合器20の流入口eに流入し、流入口dに流入する高温負荷端末10Aからの復水と混合され、さらに混合器20から流出してバイパス路21から混合弁11のポートbに供給され、ポートaから供給される二次側高温循環路13の往路13aからの高温水と混合されて、約55°C程度の温水として低温負荷端末10Bに供給される。そして、混合器20から流出する低温の復水は、ポートbを閉じて熱交換器7の二次パイプ7Bの流入側へ戻すようにする。このように各負荷端末からの復水の温度に応じてポートbを開閉操作することによって、二次パイプ7Bの流入側への戻り温度を下げることが可能となる。
【0026】
しかして、高温負荷端末10Aと低温負荷端末10Bの個別動作中において、動作温度領域の異なる高温負荷端末10Aからの復水と低温負荷端末10Bからの復水とを混合弁11によって混合して、低温負荷端末10Bに循環させるようにしたので、各負荷端末10A,10Bからの復水の温度を下げることができ、これにより熱交換器7の二次パイプ7Bの戻り温度を下げることができ、結果、熱交換器7の一次パイプ7Aの戻り温度を下げることができ、貯湯タンク1内の中温水を減らすことができ、結果、ヒートポンプ2の沸き上げ効率を向上させることができる。
【0027】
また本例では熱交換器7の二次パイプ7Bから流出する高温水を二次側高温循環路13を介して高温負荷端末10Aに供給した後に二次側低温循環路14を介して低温負荷端末10Bに循環させるようにしたので、温度領域の異なる複数の負荷端末に順に温水を循環させることができ、効率良く熱利用ができ、また高温負荷端末10Aを低温負荷端末10Bの熱源として兼用できるので、システム構造を簡素化できる。しかも熱交換器7の二次パイプ7Bの戻り温度を下げることができ、結果、貯湯タンク1内の中温水を少なくでき、ヒートポンプ2の沸き上げ効率をより一層、向上させることができる。
【0028】
また、高温負荷端末10Aからの復水と低温負荷端末10Bからの復水とを混合する混合器20を上記混合弁11の上流側に配置したので、高温負荷端末10Aと低温負荷端末10Bの個別動作中において、低温負荷端末10Bからの低温の復水を高温負荷端末10Aからの中温の復水と混合した後に更に混合弁11で高温水と混合させてから低温負荷端末10Bに循環させることができ、熱交換器7の二次パイプ7Bの戻り温度を更に下げることが可能となる。
【0029】
さらに、二次側高温循環路13の温水を循環させるための循環ポンプP2を、上記混合器20の下流側に配置したので、1台の循環ポンプP2で高温負荷端末10Aと低温負荷端末10Bの両者の個々の駆動が可能となる。
【0030】
図3は本発明の更に他の実施形態であり、熱負荷端末10として熱負荷端末10を高温領域で動作する第1高温負荷端末10Aと、第2高温負荷端末10Cと、低温領域で動作する1台の低温負荷端末10Bとを備えた温水利用システムの一例を示している。第1及び第2高温負荷端末10Cとして例えば浴室暖房や乾燥機等があり、低温負荷端末10Bとして例えば床暖房装置がある。図3中のV5、V6は第2高温負荷端末10C用のバルブである。本例では、二次側高温循環路13の往路13aと復路との間をバイパス路21及び三方弁からなる混合弁11を介してバイパス接続すると共に、当該バイパス路21よりも上流側の二次側高温循環路13の往路13aと復路との間を第2バイパス路21を介してバイパス接続し、この第2バイパス路21に三方弁からなる第2混合弁12を設けている。この第2混合弁12のポートcに第2高温負荷端末10Cの入側を接続すると共に第2高温負荷端末10Cの出側を混合器20の流入口fに接続することで二次側高温循環路15を形成している。他の構成は図2の実施形態と同様であり、対応する箇所には同一符号を付してその説明は省略する。
【0031】
本例では第2高温負荷端末10Cを稼動する際には、第2混合弁12のポートbを開放することにより、混合器20から流出する復水と熱交換器7の二次パイプ7Bからの高温水とを混合して、約70°C程度の高温水として往路15aを介して第2高温負荷端末10Cの入側に供給され、浴室暖房や乾燥作用を果たす。さらに第2高温負荷端末10Cからの復水(約50℃)は、復路15bから流出して混合器20の流入口fに流入し、他の流入口d,eに流入する負荷端末10A,10Bから各復水と混合され、更にバイパス路21から第2混合弁12に送られて、熱交換器7の二次パイプ7Bからの90℃程度の高温水と混合されて、約70°C程度の高温水として第2高温負荷端末10Cに循環されるようになっている。なお、第1高温負荷端末10A及び低温負荷端末10Bの動作は前記実施形態と同様である。しかして、混合器20から流出する低温の復水は、第1及び第2混合弁12のポートbを閉じて、熱交換器7の二次パイプ7Bの流入側へ戻すようにする。このように3つの各負荷端末からの復水の温度に応じて2つの混合弁11,12の各ポートbを開閉操作することによって、二次パイプ7Bの流入側への戻り温度を下げることが可能となる。また、第2高温負荷端末10Cを循環する二次側高温循環路15は、他の二次側高温循環路13及び二次側低温循環路14とは独立しているので、他の高温負荷端末10A或いは低温負荷端末10Bとは別に或いは同時に、第2高温負荷端末10Cが運転可能となる。
【0032】
前記各実施形態では、混合弁11として三方弁を例示したが、三方弁には限定されず、複数経路からの水を所定比率で混合して流出することができる混合器などであってもよい。
【0033】
【発明の効果】
上述のように請求項1記載の発明にあっては、水道水や井戸水が流入する貯湯タンクに、貯湯タンクの下部から低温水を取り出してヒートポンプ等の熱源により加熱して貯湯タンクの上部に高温水として戻す加熱用循環経路を接続し、貯湯タンクの上部に先端に給湯口を有する出湯経路を接続し、出湯経路の途中から分岐した分岐路を熱交換器の一次側を介して貯湯タンクの下部に接続して一次側循環路を形成し、熱交換器の二次側を熱負荷端末の入側と出側とに接続して二次側循環路を形成すると共に、二次側循環路の往路側に、熱負荷端末からの復水の少なくとも一部と熱交換器の二次側から供給される高温水とを混合して加熱手段を介することなく熱負荷端末に循環させるための混合弁を設けたので、熱負荷端末からの復水の少なくとも一部を混合弁を介して熱負荷端末に循環させることが可能となり、これにより、熱交換器の二次側の戻り温度を下げることが可能となり、結果、熱交換器の一次側の戻り温度を下げることが可能となる。従って、貯湯タンク内の中温水を少なくできるので、貯湯タンク内の水をヒートポンプによって熱交換する場合において、熱交換の効率が悪い中温水が存在しないことで、ヒートポンプの沸き上げ効率を向上させることができ、システム全体の熱効率を高めることができる。
【0034】
また請求項2記載の発明は、水道水や井戸水が流入する貯湯タンクに、貯湯タンクの下部から低温水を取り出してヒートポンプ等の熱源により加熱して貯湯タンクの上部に高温水として戻す加熱用循環路を接続し、貯湯タンクの上部に先端に給湯口を有する出湯経路を接続し、出湯経路の途中から分岐した分岐路を熱交換器の一次側を通して貯湯タンクの下部に接続して一次側循環路を形成し、熱交換器の二次側を高温負荷端末の入側と出側とに接続して二次側高温循環路を形成し、二次側高温循環路の復路に低温負荷端末の入側を接続すると共に低温負荷端末の出側を熱交換器の二次側に接続して二次側低温循環路を形成し、二次側高温循環路の往路側と復路側との間をバイパス路を介してバイパス接続し、このバイパス路に、高温負荷端末からの復水の少なくとも一部を熱交換器の二次側から流出する高温水と混合して加熱手段を介することなく低温負荷端末に循環させるための混合弁を設けたので、高温負荷端末と低温負荷端末の個別動作中において、動作温度領域の異なる高温負荷端末からの復水と低温負荷端末からの復水とを混合弁によって混合して、低温負荷端末に循環させることで、各負荷端末からの復水の温度を下げることができ、これにより熱交換器の二次側の戻り温度を下げることができ、結果、貯湯タンク内に中温水を減らすことができ、結果、ヒートポンプの沸き上げ効率を向上させることができる。
【0035】
また請求項3記載の発明は、請求項2記載の効果に加えて、上記高温負荷端末からの復水と低温負荷端末からの復水とを混合する混合器を上記混合弁の上流側に配置したので、高温負荷端末と低温負荷端末の個別動作中において、低温負荷端末からの低温の復水を高温負荷端末からの中温の復水とを混合器により混合した後に更に混合弁で高温水と混合させてから低温負荷端末に循環させることができ、熱交換器の二次側の戻り温度を更に下げることが可能となる。
【0036】
また請求項4記載の発明は、請求項3記載の効果に加えて、上記二次側高温循環経路の温水を循環させるための循環ポンプを、上記混合器の下流側に配置したので、1台の循環ポンプで高温負荷端末と低温負荷端末の両者の個々の駆動が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の温水利用システムの構成図である。
【図2】他の実施形態の温水利用システムの構成図である。
【図3】更に他の実施形態の温水利用システムの構成図である。
【図4】同上の温水利用システムの基本概念の説明図である。
【図5】従来例の説明図である。
【符号の説明】
1 貯湯タンク
2 ヒートポンプ
3 加熱用循環経路
4 給湯口
5 出湯経路
6 分岐路
7 熱交換器
7A 一次側
7B 二次側
8 一次側循環路
9 二次側循環路
9a 往路
9b 復路
10 熱負荷端末
10A,10C 高温負荷端末
10B 低温負荷端末
11 混合弁
13 二次側高温循環路
13a 往路
13b 復路
14 二次側低温循環路
20 混合器
21 バイパス路
P1,P2 循環ポンプ
Claims (4)
- 水道水や井戸水が流入する貯湯タンクに、貯湯タンクの下部から低温水を取り出してヒートポンプ等の熱源により加熱して貯湯タンクの上部に高温水として戻す加熱用循環経路を接続し、貯湯タンクの上部に先端に給湯口を有する出湯経路を接続し、出湯経路の途中から分岐した分岐路を熱交換器の一次側を介して貯湯タンクの下部に接続して一次側循環路を形成し、熱交換器の二次側を熱負荷端末の入側と出側とに接続して二次側循環路を形成すると共に、二次側循環路の往路側に、熱負荷端末からの復水の少なくとも一部と熱交換器の二次側から流出する高温水とを混合して加熱手段を介することなく熱負荷端末に循環させるための混合弁を設けたことを特徴とする温水利用システム。
- 水道水や井戸水が流入する貯湯タンクに、貯湯タンクの下部から低温水を取り出してヒートポンプ等の熱源により加熱して貯湯タンクの上部に高温水として戻す加熱用循環路を接続し、貯湯タンクの上部に先端に給湯口を有する出湯経路を接続し、出湯経路の途中から分岐した分岐路を熱交換器の一次側を通して貯湯タンクの下部に接続して一次側循環路を形成し、熱交換器の二次側を高温負荷端末の入側と出側とに接続して二次側高温循環路を形成し、二次側高温循環路の復路に低温負荷端末の入側を接続すると共に低温負荷端末の出側を熱交換器の二次側に接続して二次側低温循環路を形成し、二次側高温循環路の往路側と復路側との間をバイパス路を介してバイパス接続し、このバイパス路に、高温負荷端末からの復水の少なくとも一部を熱交換器の二次側から流出する高温水と混合して加熱手段を介することなく低温負荷端末に循環させるための混合弁を設けたことを特徴とする温水利用システム。
- 上記高温負荷端末からの復水と低温負荷端末からの復水とを混合する混合器を上記混合弁の上流側に配置したことを特徴とする請求項2記載の温水利用システム。
- 上記二次側高温循環経路の温水を循環させるための循環ポンプを、上記混合器の下流側に配置したことを特徴とする請求項3記載の温水利用システム。
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