JP3972567B2 - パイプラインa/d変換器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パイプラインA/D変換器に関し、特に直線性を向上したパイプラインA/D変換器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のパイプラインA/D変換器は入力信号を1ビットのA/D変換器で量子化すると共に入力信号から量子化した分のアナログ値を減算して適宜増幅して後段に出力するパイプラインステージを複数個直列に接続することによりA/D変換器を構成するものである。
【0003】
また、特に直線性を向上させたパイプラインA/D変換器としては本願出願人の出願に係る「特願平10−354262」に記載されている。図2は「特願平10−354262」記載された従来のパイプラインA/D変換器の一例を示す構成ブロック図である。
【0004】
図2において1a,1b,1c,1d及び1eは1ビットA/D変換器、2a,2b,2c及び2dは1ビットD/A変換器、3a,3b,3c及び3dは減算器、4a,4b,4c及び4dは残差増幅器、5a,5b,6a,6b,7a及び7bは抵抗、8はレプリカ回路、9a及び9bはバッファアンプである。100はアナログ入力信号、101はD/A変換器2a〜2dに供給される正負の基準電圧、102はディジタル出力信号である。
【0005】
また、1a〜4aはパイプラインステージ50aを、1b〜4bはパイプラインステージ50bを、1c〜4cはパイプラインステージ50cを、1d〜4dはパイプラインステージ50dを、1e及び50a〜50dはパイプラインA/D変換器51を、5a,5b,6a,6b,7a及び7bは分圧手段52を、8,9a,9b及び52は基準電圧生成手段53をそれぞれ構成している。
【0006】
アナログ入力信号100はA/D変換器1aの入力端子及び減算器3aの加算入力端子にそれぞれ接続され、A/D変換器1aのディジタル出力はMSBとしてディジタル出力信号102に出力されると共にD/A変換器2aのディジタル入力端子に接続される。D/A変換器2aの出力は減算器3aの減算入力端子に接続され、減算器3aの出力は残差増幅器4aを介して後段に出力される。
【0007】
残差増幅器4aの出力はA/D変換器1bの入力端子及び減算器3bの加算入力端子にそれぞれ接続され、A/D変換器1bのディジタル出力がディジタル出力信号102に出力されると共にD/A変換器2bのディジタル入力端子に接続される。D/A変換器2bの出力は減算器3bの減算入力端子に接続され、減算器3bの出力は残差増幅器4bを介して後段に出力される。
【0008】
残差増幅器4bの出力はA/D変換器1cの入力端子及び減算器3cの加算入力端子にそれぞれ接続され、A/D変換器1cのディジタル出力がディジタル出力信号102に出力されると共にD/A変換器2cのディジタル入力端子に接続される。D/A変換器2cの出力は減算器3cの減算入力端子に接続され、減算器3cの出力は残差増幅器4cを介して後段に出力される。
【0009】
残差増幅器4cの出力はA/D変換器1dの入力端子及び減算器3dの加算入力端子にそれぞれ接続され、A/D変換器1dのディジタル出力がディジタル出力信号102に出力されると共にD/A変換器2dのディジタル入力端子に接続される。D/A変換器2dの出力は減算器3dの減算入力端子に接続され、減算器3dの出力は残差増幅器4dを介して後段に出力される。
【0010】
そして、残差増幅器4dの出力はA/D変換器1eの入力端子に接続され、A/D変換器1eのディジタル出力がLSBとしてディジタル出力信号102に出力される。
【0011】
また、基準電圧101の正の基準電圧はD/A変換器2aの正の基準電圧入力端子、抵抗5aの一端及びレプリカ回路8の一方の入力端子に接続され、基準電圧101の負の基準電圧はD/A変換器2aの負の基準電圧入力端子、抵抗5bの一端及びレプリカ回路8の他方の入力端子に接続される。
【0012】
抵抗5aの他端は抵抗6aの一端及びD/A変換器2bの正の基準電圧入力端子に接続され、抵抗5bの他端は抵抗6bの一端及びD/A変換器2bの負の基準電圧入力端子に接続される。
【0013】
抵抗6aの他端は抵抗7aの一端及びD/A変換器2cの正の基準電圧入力端子に接続され、抵抗6bの他端は抵抗7bの一端及びD/A変換器2cの負の基準電圧入力端子に接続される。
【0014】
抵抗7aの他端はD/A変換器2dの正の基準電圧入力端子及びバッファアンプ9aの出力に接続され、抵抗7bの他端はD/A変換器2dの負の基準電圧入力端子及びバッファアンプ9bの出力に接続される。そして、レプリカ回路8の2つの出力がバッファアンプ9a及び9bの入力端子にそれぞれ接続される。
【0015】
ここで、図2に示す従来例の動作を説明する。パイプラインステージは”N−1”個直列接続されており、このパイプラインステージを構成する1ビットA/D変換器1a〜1eは入力されるアナログ信号の極性のみを判定し、アナログ入力が”0”または”負”の場合には”0”のディジタル信号を出力し、アナログ入力が”正”の場合には”1”のディジタル信号を出力する。
【0016】
一方、D/A変換器2a〜2dはA/D変換器1a〜1dからのディジタル入力が”0”の場合には負の基準電圧を出力し、ディジタル入力が”1”の場合には正の基準電圧を出力する。例えば、基準電圧101が”+Vr”及び”−Vr”であるとすれば、ディジタル入力が”0”及び”1”の場合にはそれぞれ”−Vr”及び”+Vr”を出力する。
【0017】
アナログ入力信号100はA/D変換器1aによりその極性が判断され、極性が”正”の場合にはD/A変換器2aの正の基準電圧が減算器3aにおいてアナログ入力信号100から減算される。残差増幅器4aはこの減算結果を2倍に増幅して後段のパイプラインステージ50bに出力される。そして、パイプラインステージ50b〜50dにおいて同様の動作が行われ、最後にA/D変換器1eによりディジタル出力信号102のLSBが確定される。
【0018】
すなわち、このようなパイプラインステージを複数段直列接続することにより、アナログ入力信号100から基準電圧が順次加算若しくは減算されると共に2倍されて後段に出力されることになるので”パイプラインステージ数+1”の分解能を有するA/D変換器として動作することになる。
【0019】
一方、レプリカ回路8は残差増幅器4a等と同一の直流特性を有する演算増幅器を閉ループゲインが”1”になるように帰還回路を構成して”2(N−2)”個直列接続されている。
【0020】
残差増幅器1段で生じる規格化されたゲインエラー”δ”
δ=ΔG/G≒−1/(A・β) (1)
で表され、式(1)に”β=1/2”を代入することにより、
δ=ΔG/G=−2/A (2)
となる。但し、演算増幅器の開ループゲインを”A”、帰還率を”β”とし、その時のループゲインを”G”としている。また。理想ゲインである”1/β”に対してゲインエラーを”ΔG”としている。
【0021】
一方、上述のレプリカ回路8を構成する演算増幅器1段の規格化されたゲインエラー”δrep”は、
δrep=ΔGrep/Grep=−1/A (3)
で表される。
【0022】
ここで、パイプラインA/D変換器51の入力フルスケールを”Vfso(=4Vr)”として”k番目”のパイプラインステージの出力までに蓄積された残差増幅器のゲインエラーによる減衰を考えると”k番目”のパイプラインステージの出力のフルスケール”Vfsk”は、
となる。
【0023】
一方、レプリカ回路8は閉ループゲインが”1”の増幅器が”2(N−2)”個直列接続されており、最終出力のゲインエラー”δrep.total”は、
となる。
【0024】
レプリカ回路8の最終出力と基準電圧101の電位差”Vref0(=2Vr)”をリファレンス・ラダー抵抗52で分圧した”m番目”のタップの出力電圧である補正基準電圧”Vrefm”は、
となる。
【0025】
ここで、タップ番号”m”とパイプラインステージの番号”k”とが等しくなるように対応させると、
となる。
【0026】
すなわち、式(7)から分かるように各パイプラインステージのフルスケールとD/A変換器の補正基準電圧との比は全てのパイプラインステージで同一になる。
【0027】
この状態を図3を用いて説明する。図3は各パイプラインステージを構成するA/D変換器、D/A変換器、減算器及び残差増幅器の動作を説明する説明図であり、図3中(a)及び(e)はA/D変換器1a及び1bのアナログ入力信号100に対するディジタル出力、図3中(b)及び(f)はD/A変換器2a及び2bのアナログ出力、図3中(c)及び(g)は減算器3a及び3bの出力、図3中(d)は残差増幅器4aの出力、図3中(h)は3ビット分の量子化レベルをそれぞれ示している。
【0028】
アナログ入力信号100のフルスケールを”−2Vr〜+2Vr”の”4Vr”、D/A変換器に供給される基準電圧を”−Vr”及び”+Vr”とすると、A/D変換器1aは入力信号の極性を判断するのでその出力は図3中(a)に示すようにアナログ入力信号100の”0”を境に”0”と”1”の値を出力する。
【0029】
このため、D/A変換器2aの出力は図3中(b)に示すようにアナログ入力信号100の”0”を境に”−Vr”と”+Vr”を出力することになる。
【0030】
一方、減算器3aはアナログ入力信号100からD/A変換器2aの出力を減算するものであるから、アナログ入力信号100が”−2Vr”〜”0”に増加する範囲ではアナログ入力信号100から”−Vr”が減算されるので図3中(c)に示すように減算器3aの出力は”−Vr”〜”+Vr”と増加することになる。
【0031】
また、アナログ入力信号100が”0”〜”+2Vr”に増加する範囲ではアナログ入力信号100から”+Vr”が減算されるので図3中(c)に示すように減算器3aの出力は”−Vr”〜”+Vr”と増加することになる。
【0032】
図3中(c)に示すような減算器3aの出力が残差増幅器4aで2倍に増幅されて図3中(d)に示すようになるが実際には前述のゲインエラーにより完全な2倍にはならず”−2(1+δ)Vr”から”+2(1+δ)Vr”の範囲内になる。
【0033】
さらに、A/D変換器1bは残差増幅器4aの出力の極性を判断するのでその出力は図3中(e)に示すようにアナログ入力信号100が”−2Vr”〜”−Vr”及び”0”〜”+Vr”の範囲では”0”の値を出力し、アナログ入力信号100が”−Vr”〜”0”及び”+Vr”〜”+2Vr”の範囲では”1”の値を出力する。
【0034】
この時、式(7)から残差増幅器4aの出力のフルスケール”±2(1+δ)Vr”とD/A変換器2bの補正基準電圧の比は基準電圧生成手段53により”2”に保たれるからD/A変換器2bに供給される補正基準電圧は”±(1+δ)Vr”となる。
【0035】
このため、D/A変換器2bの出力は図3中(f)に示すようにアナログ入力信号100が”−2Vr”〜”−Vr”及び”0”〜”+Vr”の範囲では”−(1+δ)Vr”の値を出力し、アナログ入力信号100が”−Vr”〜”0”及び”+Vr”〜”+2Vr”の範囲では”+(1+δ)Vr”の値を出力することになる。
【0036】
ここで、減算器3bは図3中(d)に示す残差増幅器4aの出力からD/A変換器2bの出力を減算するものであるから、アナログ入力信号100が”−2Vr”〜”−Vr”及び”0”〜”+Vr”の範囲では残差増幅器4aの出力から”−(1+δ)Vr”が減算されるので図3中(g)に示すように減算器3bの出力は”−(1+δ)Vr”〜”+(1+δ)Vr”と増加することになる。
【0037】
また、アナログ入力信号100が”−Vr”〜”0”及び”+Vr”〜”+2Vr”の範囲では残差増幅器4aの出力から”+(1+δ)Vr”が減算されるので図3中(g)に示すように減算器3bの出力は”−(1+δ)Vr”〜”+(1+δ)Vr”と増加することになる。
【0038】
そして、図3(g)に示す減算器3bの出力のゼロクロス点を図3中(h)示すと”●”が量子化レベルが均等に並び直線性が改善されたことが分かる。
【0039】
この結果、残差増幅器と同一の直流特性を有する演算増幅器を複数個直列接続されたレプリカ回路8の出力と基準電圧101を分圧手段52で分圧して各電圧を各パイプラインステージのD/A変換器の補正基準電圧として供給することにより、各パイプラインステージのフルスケールとD/A変換器の補正基準電圧との比は全てのパイプラインステージで同一になるので、動作速度を犠牲にすることなく高速で直線性を向上させることが可能になる。
【0040】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図2に示す従来例では各パイプラインステージの残差増幅器がすべて同一のゲインエラーを有するものとして想定して基準電圧生成手段53を構成しているので、パイプラインステージ間でゲインエラーのばらつきがある場合には完全な補償が困難であると言った問題点があった。
従って本発明が解決しようとする課題は、パイプラインステージ間のゲインエラーのばらつきも補正することが可能なパイプラインA/D変換器を実現することにある。
【0041】
【課題を解決するための手段】
このような課題を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、
パイプラインA/D変換器において、
直列接続された複数段のパイプラインステージ及び1ビットA/D変換器から構成されるパイプラインA/D変換器と、1段目の前記パイプラインステージを構成するD/A変換器に供給される基準電圧が入力された平均補正手段と、前記基準電圧と前記平均補正手段の出力とを分圧して2段目以降の前記各パイプラインステージを構成するそれぞれの残差増幅器のゲインエラーを補正する基準電圧を2段目以降の前記各パイプラインステージを構成するそれぞれのD/A変換器に供給する分圧手段と、1段目の前記パイプラインステージを構成する前記D/A変換器に供給される基準電圧が入力され、前記分圧手段のタップ間に電流を供給し前記各パイプラインステージ間の局所的なゲインエラーを補正する局所補正手段と、前記各パイプラインステージのゲインエラーを検出して前記平均補正手段及び前記局所補正手段の出力を制御する誤差演算手段とを備えたことにより、パイプラインステージ間のゲインエラーのばらつきも補正することが可能になる。
【0042】
請求項2記載の発明は、
請求項1記載の発明であるパイプラインA/D変換器において、
前記パイプラインステージが、
入力信号の極性を判定する1ビットA/D変換器と、このA/D変換器の出力をアナログ信号に変換する1ビットD/A変換器と、前記入力信号から前記D/A変換器の出力を減算する減算器と、この減算器の出力を増幅して出力する残差増幅器とから構成されることにより、パイプラインステージ間のゲインエラーのばらつきも補正することが可能になる。
【0044】
請求項3記載の発明は、
請求項1記載の発明であるパイプラインA/D変換器において、
前記分圧手段が、
複数の抵抗を直列接続し各接続点の電圧を2段目以降の前記各パイプラインステージを構成するそれぞれのD/A変換器に供給するラダー抵抗であることにより、パイプラインステージ間のゲインエラーのばらつきも補正することが可能になる。
【0045】
請求項4記載の発明は、
請求項1記載の発明であるパイプラインA/D変換器において、
前記平均補正手段が、
電流出力D/A変換器であることにより、パイプラインステージ間のゲインエラーのばらつきも補正することが可能になる。
【0046】
請求項5記載の発明は、
請求項1記載の発明であるパイプラインA/D変換器において、
前記局所補正手段が、
差動動作する一対の電流出力D/A変換器であることにより、パイプラインステージ間のゲインエラーのばらつきも補正することが可能になる。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下本発明を図面を用いて詳細に説明する。図1は本発明に係るパイプラインA/D変換器の一実施例を示す構成ブロック図である。図1において1a〜1e、2a〜2d,3a〜3d,4a〜4d,5a,5b,6a,6b,7a,7b,50a〜50d,51,52及び100〜102は図2と同一符号を付してあり、10は誤差演算手段、11,12,13は電流出力D/A変換器である。また、10,11,12,13及び52は基準電圧生成手段54を、13は平均補正手段55を、11及び12は局所補正手段56をそれぞれ構成している。
【0048】
アナログ入力信号100はA/D変換器1aの入力端子及び減算器3aの加算入力端子にそれぞれ接続され、A/D変換器1aのディジタル出力はMSBとしてディジタル出力信号102に出力されると共にD/A変換器2aのディジタル入力端子に接続される。D/A変換器2aの出力は減算器3aの減算入力端子に接続され、減算器3aの出力は残差増幅器4aを介して後段に出力される。
【0049】
残差増幅器4aの出力はA/D変換器1bの入力端子及び減算器3bの加算入力端子にそれぞれ接続され、A/D変換器1bのディジタル出力がディジタル出力信号102に出力されると共にD/A変換器2bのディジタル入力端子に接続される。D/A変換器2bの出力は減算器3bの減算入力端子に接続され、減算器3bの出力は残差増幅器4bを介して後段に出力される。
【0050】
残差増幅器4bの出力はA/D変換器1cの入力端子及び減算器3cの加算入力端子にそれぞれ接続され、A/D変換器1cのディジタル出力がディジタル出力信号102に出力されると共にD/A変換器2cのディジタル入力端子に接続される。D/A変換器2cの出力は減算器3cの減算入力端子に接続され、減算器3cの出力は残差増幅器4cを介して後段に出力される。
【0051】
残差増幅器4cの出力はA/D変換器1dの入力端子及び減算器3dの加算入力端子にそれぞれ接続され、A/D変換器1dのディジタル出力がディジタル出力信号102に出力されると共にD/A変換器2dのディジタル入力端子に接続される。D/A変換器2dの出力は減算器3dの減算入力端子に接続され、減算器3dの出力は残差増幅器4dを介して後段に出力される。
【0052】
そして、残差増幅器4dの出力はA/D変換器1eの入力端子に接続され、A/D変換器1eのディジタル出力がLSBとしてディジタル出力信号102に出力される。
【0053】
また、基準電圧101の正の基準電圧はD/A変換器2aの正の基準電圧入力端子、抵抗5aの一端及び電流出力D/A変換器11,12及び13の第1の入力端子に接続され、基準電圧101の負の基準電圧はD/A変換器2aの負の基準電圧入力端子、抵抗5bの一端及び電流出力D/A変換器11,12及び13の第2の入力端子に接続される。
【0054】
抵抗5aの他端は抵抗6aの一端、D/A変換器2bの正の基準電圧入力端子及び電流出力D/A変換器11の正出力端子に接続され、抵抗5bの他端は抵抗6bの一端、D/A変換器2bの負の基準電圧入力端子及び電流出力D/A変換器12の負出力端子に接続される。
【0055】
抵抗6aの他端は抵抗7aの一端、D/A変換器2cの正の基準電圧入力端子及び電流出力D/A変換器11の負出力端子に接続され、抵抗6bの他端は抵抗7bの一端、D/A変換器2cの負の基準電圧入力端子及び電流出力D/A変換器12の正出力端子に接続される。
【0056】
抵抗7aの他端はD/A変換器2dの正の基準電圧入力端子及び電流出力D/A変換器13の負出力端子に接続され、抵抗7bの他端はD/A変換器2dの負の基準電圧入力端子及び電流出力D/A変換器13の正出力端子に接続される。
【0057】
そして、ディジタル出力信号102が誤差演算手段10に入力され、誤差演算手段10の制御出力は電流出力D/A変換器11,12及び13の第3の入力端子にそれぞれ接続される。
【0058】
ここで、図1に示す実施例の動作を説明する。但し、パイプラインステージは”N−1”個直列接続され、動作に関しても図2に示す従来例と同様であるので説明は省略する。
【0059】
誤差演算手段10は入力されたディジタル出力信号に基づき各パイプラインステージにおける残差増幅器のゲインエラーを計測する。例えば、パイプラインA/D変換器を構成する各ステージのD/A変換器の入力値を2種類の値でそれぞれ固定しておき、2種類の値の時にそれぞれ1つのA/D変換器、例えば、A/D変換器1eの閾値における入力値100を測定し、それらの差分をゲインエラーとする。
【0060】
また、残差増幅器のゲインエラーは平均的なゲインエラーとパイプラインステージ間のゲインエラーに分解でき平均的なゲインエラーは電流出力D/A変換器13により前述の従来例のように補正する。
【0061】
一方、パイプラインステージ間のゲインエラーは電流出力D/A変換器11及び12によって補正する。電流出力D/A変換器11と電流出力D/A変換器12とは一対の差動回路として動作する、言い換えれば、電流出力D/A変換器12は電流出力D/A変換器11の反転動作をするものであるので電流出力D/A変換器11の動作のみを説明する。
【0062】
例えば、残差増幅器4a,4c及び4dのゲインエラーを一律に平均値”δ”とし、残差増幅器4bのゲインエラーを”δ1”とする。この時、残差増幅器4b平均的なゲインエラー”δ”を補正するために、誤差演算手段10は電流出力D/A変換器13の出力電流”I”を、
R×I/Va=δ (8)
となるように設定する。但し、”R”は分圧手段52を構成する各抵抗の抵抗値、”Va”は抵抗5aと抵抗6aとの接続点における電圧である。
【0063】
次に、残差増幅器4bが平均値よりもばらついたゲインエラー”δ1”の補正方法について説明する。抵抗6aと抵抗7aとの接続点における電圧を”Vb”とすると、
Vb/Va=1−δ1 (9)
となる。
【0064】
抵抗6aに流れる電流を”I6a”とすると、
Vb=Va−R×I6a (10)
となる。
【0065】
式(10)を式(9)に代入すると
R×I6a/Va=δ1 (11)
となる。
【0066】
式(8)と式(11)とから電流”I”と”I6a”の差を求めると
I6a−I=Vr/R×(δ1−δ) (12)
となる。(Vrは基準電圧101の電圧値)
【0067】
誤差演算手段10はこの値が電流出力D/A変換器11の出力電流”I11”になるように制御する。すなわち、出力電流”I11”は、
I11=Vr/R×(δ1−δ) (13)
となる。
【0068】
これにより、抵抗6aには電流”I”ではなく電流”I6a”が流れて残差増幅器4bが平均値よりもばらついたゲインエラー”δ1”が補正される。
【0069】
また、ここで、電流出力D/A変換器11の正負の出力は抵抗6a両端、言い換えれば、分圧手段52のタップ間に接続されており、抵抗6aに流れる電流を補償する動作をする。
【0070】
このため、電流出力D/A変換器11の出力電流が隣接する他の抵抗5aや抵抗7aに流れ込むことはない。すなわち、局所的なゲインエラーを補正するための電流は他段のパイプラインステージには干渉しない。
【0071】
この結果、誤差演算手段10が各パイプラインステージのゲインエラーを検出すると共に平均補正手段55を制御して平均的なゲインエラーを補正し、局所的なゲインエラーを局所補正手段56を制御して補正することにより、パイプラインステージ間のゲインエラーのばらつきも補正することが可能になる。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、本発明によれば次のような効果がある。
請求項1乃至請求項5の発明によれば、誤差演算手段が各パイプラインステージのゲインエラーを検出すると共に平均補正手段を制御して平均的なゲインエラーを補正し、局所的なゲインエラーを局所補正手段を制御して補正することにより、パイプラインステージ間のゲインエラーのばらつきも補正することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るパイプラインA/D変換器の一実施例を示す構成ブロック図である。
【図2】従来のパイプラインA/D変換器の一例を示す構成ブロック図である。
【図3】A/D変換器、D/A変換器、減算器及び残差増幅器の動作を説明する説明図である。
【符号の説明】
1a,1b,1c,1d,1e 1ビットA/D変換器
2a,2b,2c,2d 1ビットD/A変換器
3a,3b,3c,3d 減算器
4a,4b,4c,4d 残差増幅器
5a,5b,6a,6b,7a,7b 抵抗
8 レプリカ回路
9a,9b バッファアンプ
10 誤差演算手段
11,12,13 電流出力D/A変換器
50a,50b,50c,50d パイプラインステージ
51 パイプラインA/D変換器
52 分圧手段
53,54 基準電圧生成手段
55 平均補正手段
56 局所補正手段
100 アナログ入力信号
101 基準電圧
102 ディジタル出力信号
Claims (5)
- パイプラインA/D変換器において、
直列接続された複数段のパイプラインステージ及び1ビットA/D変換器から構成されるパイプラインA/D変換器と、
1段目の前記パイプラインステージを構成するD/A変換器に供給される基準電圧が入力された平均補正手段と、
前記基準電圧と前記平均補正手段の出力とを分圧して2段目以降の前記各パイプラインステージを構成するそれぞれの残差増幅器のゲインエラーを補正する基準電圧を2段目以降の前記各パイプラインステージを構成するそれぞれのD/A変換器に供給する分圧手段と、
1段目の前記パイプラインステージを構成する前記D/A変換器に供給される基準電圧が入力され、前記分圧手段のタップ間に電流を供給し前記各パイプラインステージ間の局所的なゲインエラーを補正する局所補正手段と、
前記各パイプラインステージのゲインエラーを検出して前記平均補正手段及び前記局所補正手段の出力を制御する誤差演算手段と
を備えたことを特徴とするパイプラインA/D変換器。 - 前記パイプラインステージが、
入力信号の極性を判定する1ビットA/D変換器と、
このA/D変換器の出力をアナログ信号に変換する1ビットD/A変換器と、
前記入力信号から前記D/A変換器の出力を減算する減算器と、
この減算器の出力を増幅して出力する残差増幅器とから構成されることを特徴とする
請求項1記載のパイプラインA/D変換器。 - 前記分圧手段が、
複数の抵抗を直列接続し各接続点の電圧を2段目以降の前記各パイプラインステージを構成するそれぞれのD/A変換器に供給するラダー抵抗であることを特徴とする
請求項1記載のパイプラインA/D変換器。 - 前記平均補正手段が、
電流出力D/A変換器であることを特徴とする
請求項1記載のパイプラインA/D変換器。 - 前記局所補正手段が、
差動動作する一対の電流出力D/A変換器であることを特徴とする
請求項1記載のパイプラインA/D変換器。
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