JP3970118B2 - 玉縁縫い装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は玉縁縫いを行う玉縁縫い装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、身生地に玉縁口布(以下、「玉布」とする。)を縫い付ける玉縁縫い装置が知られている。
図7(A)に示すように、一般的な玉縁縫い装置100では、まず、縫製準備位置P1において身生地C1をテーブル101に押えつけた状態の大押え102に対して、玉布C2を保持した状態のバインダ103aが下降する。
バインダとしては、上記縫製準備位置P1から縫針が設けられている縫製位置P2(図8を参照)にまで至る前後方向に長いバインダや、この前後方向に長いバインダを前後に二分割したバインダが知られているが、以下、前後に二分割したバインダ(後方のバインダ103a及び前方のバインダ103b(図8を参照))について説明する。
そして、大押え102の折込板102aが玉布C2を左右両側から折り込むように移動することで、図7(B)に示すように、身生地C1上の玉布C2は後方のバインダ103aの外形の逆T字形状に沿って折曲した状態で保持される。
【0003】
その後、大押え102は玉布C2を保持した状態で縫製位置P2に存在する前方のバインダ103b側に移動する。
前方のバインダ103bを左右から挟む位置には縫針(図示せず)が二本一組で取付けられており、これら縫針は図8中の線Lに沿って上下動する。なお、説明の便宜のため図8には大押え102の図示を省略している。
前方のバインダ103bの前部には、身生地C1及び玉布C2にポケット穴を形成するセンターメスの上下動を案内するためのメスガイド103cが設けられている。
図9に示すように、メスガイド103cは前方のバインダ103bの鉛直板103dの前端から前方に向かって左右に二股状に分かれる部材であり、その内部にセンターメスが位置することになる。
【0004】
生地ガイド104は前方のバインダ103bを支持するバインダ取付け台105の左右両側に配置される二枚一組の板状の部材であり、その上部において生地ガイドアーム106に接合している。なお、生地ガイド104はその後部から前部に向かうに従って鉛直板103bからの距離が次第に近くなるように、つまり、二枚の生地ガイド104間の距離が前方に向かって次第に接近するようになっている。
生地ガイドアーム106は、その後部106aにおいてバインダ取付け台105に前後方向に沿った鉛直平面内で回転可能に軸支されている。
また、バインダ取付け台105の前側面には板ばね107が取付けられており、この板ばね107の前端部分が生地ガイドアーム106の前部上面に当接している。
【0005】
従って、生地ガイド104は板ばね107により下方に常時付勢されると共に、
縫製位置P2まで移動してきた玉布C2の厚みに応じて、生地ガイドアーム106が軸支されている部分106aを中心として上下方向に回転することで、玉布C2を底板103eの上面に押し付けた状態で鉛直板103dに沿って移動させる機能を有している。
その後、二本の縫針により身生地C1及び玉布C2に対して前後方向に二本の平行な縫い目を形成し、後の工程においてポケット穴とポケット穴両端のV字形の切り込みを形成して一連の玉縁縫いが完了する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、上述のように、生地ガイド104は玉布C2の厚みに応じて生地ガイドアーム106が軸支されている部分106aを中心として上下方向に回転する。従って、生地ガイド104の前端部分は、図8に矢印で示すように前方に移動しながら上昇することになる。
従って、図9(A)に示すように、玉布C2の厚みが小さい場合には、生地ガイド104の先端部分とメスガイド103cの間に一定の隙間が形成される。しかし、図9(B)に示すように、玉布C2の厚みが大きい場合には、玉布C2により生地ガイド104は上方へ押し上げられ、生地ガイド104の先端部分が前方へ移動することになるので、生地ガイド104の先端部分とメスガイド103cの間の隙間が小さくなる。
【0007】
従って、玉布C2は生地ガイド104とメスガイド103cに挟まれた状態となり、ポケット穴の両端にV字形の切り込みを形成すべく玉布C2を縫針より前方に移動させる際の玉布C2の通過性が悪化するという問題があった。
なお、玉縁縫いの作業時間を短縮するためには、身生地C1及び玉布C2に縫い目を形成した後に、これら身生地C1及び玉布C2をセンターメス側に移動させることなくポケット穴を形成することが望ましいので、縫針とセンターメスとは近接して配置しておく必要がある。
また、例えば、玉布C2の後端部分において返し縫いを行なう際には、前方に移動させた玉布C2を再び後方に移動させる必要があるが、この際に、玉布C2の後端部分が生地ガイド104から抜け出すことを防止すべく、生地ガイド104の前端部分は少なくとも縫針よりも前方に位置している必要がある。
以上の理由から、縫針と生地ガイド104の前端部分とメスガイド103cの位置は近接させる必要があり、これらの配設位置を離すことで上述の問題を解消することは困難であった。
【0008】
本発明の課題は、上述の問題を考慮したものであり、メスガイドと生地ガイドの間の玉布の通過性を向上できる玉縁縫い装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の玉縁縫い装置(10)は、生地の搬送方向に直交する方向に離間して配設され、生地に対して平行な二本の縫目を形成する二本の縫針(N)と、前記二本の縫針に対して前記搬送方向に沿って後方に配設され、これら二本の縫目の間にポケット穴を形成するセンターメス(70)と、略鉛直面内で前記搬送方向に沿って配設されると共に前記二本の縫針間を通って前記センターメス近傍まで延出する鉛直板(41)と略水平面内で前記鉛直板の下部に配設される底板(42)とにより略逆T字状に形成されるバインダ(前方のバインダ40b)と、前記バインダの前記センターメス側の端部に配設され、前記センターメスの側面を覆うように延出するメスガイド(44)と、前記鉛直板の両側面側において略鉛直面内で前記搬送方向に沿って配設され、前記二本の縫針間を通って前記メスガイド近傍まで延出する生地ガイド(50)と、前記生地ガイドを常時下方に付勢しながら上下方向に移動可能に保持する昇降機構(60)とを備え、前記バインダの外形に沿って略逆T字状に屈曲した状態の玉布のうち、前記底板上に位置する部分を前記生地ガイドにより下方に押え付けた状態で、前記鉛直板の側面に位置する部分が前記二本の縫針間を通過するように、生地及び玉布を移動させて前記二本の縫い目及びポケット穴を形成する玉縁縫い装置であって、前記昇降機構が、前記生地ガイドを略鉛直方向に移動させる鉛直運動構造を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、昇降機構により保持された生地ガイドは玉布の厚みに応じて略鉛直方向に移動する。
従って、生地ガイドが上昇する前の状態と生地ガイドが上昇した後の状態とで、生地ガイドはほとんど前方へ移動せず、生地ガイドの先端部分とメスガイドとの距離がほとんど変化しないので、玉布を移動させる際にメスガイドと生地ガイドの間を容易に通過させることができ、玉縁縫い作業の作業性を向上できる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の玉縁縫い装置であって、前記鉛直運動構造が、前記搬送方向に沿った略鉛直面内で駆動する平行4節リンク機構を備え、略鉛直方向に延出する一対の節のうち、前記搬送方向に対して前方に位置する節(第2の節62)に前記生地ガイドが接合し、後方に位置する節(第4の節64)を固定節とすることを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1と同様の効果を得られると共に、鉛直運動構造が平行4節リンク機構を備え、略鉛直方向に延出する一対の節のうち、前記搬送方向に対して前方に位置する節に前記生地ガイドが接合し、後方に位置する節を固定節とすることにより生地ガイドを略鉛直方向に移動させる。
従って、例えば回転型モータや油圧シリンダ等の電気的に駆動する装置を用いて生地ガイドを鉛直方向に移動させる場合と比較して、昇降機構の製造コスト及び重量の増加を抑えることができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の玉縁縫い装置であって、前記昇降機構が、略鉛直方向に延出する一対の節のうち前記搬送方向に対して前方に位置する節(第2の節62)と、略水平方向に延出する一対の節のうち上方に位置する節(第1の節61)との連結部分に当接することで、前記生地ガイドを常時下方に付勢するばねを備えることを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2と同様の効果を得られると共に、略鉛直方向に延出する一対の節のうち前記搬送方向に対して前方に位置する節と、略水平方向に延出する一対の節のうち上方に位置する節との連結部分に当接するばねにより、生地ガイドを常時下方に付勢する。
従って、ばねからの付勢力は略鉛直方向に延出する一対の節のうち前記搬送方向に対して前方に位置する節を介して全て生地ガイドに伝達される。また、生地ガイドが略鉛直方向に移動するので、生地ガイドはその下面の略全域において玉布を押え付けることになる。従って、玉布をより効果的に押え付けることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の玉縁縫い装置の実施の形態について説明する。
なお、以下の説明においては、図1に示すように、玉縁縫い開始時に生地(身生地及び玉布)を大押え20及びバインダ40aにセットする位置を「縫製準備位置P1」とし、二本の縫針Nにより身生地及び玉布に二本の縫い目を形成する位置を「縫製位置P2」とし、コーナーメス80によりポケット穴の前後両端部にV字状の切り込みを形成する位置を「縫製終了位置P3」とする。図1には、縫製準備位置P1での大押え20を大押え20(P1)、縫製終了位置P3での大押え20を大押え20(P3)と示している。
【0016】
玉縁縫い装置10は、ベッド部11、縦胴部12、二本の縫い針Nを上下動可能に支持するアーム部13、ベッド部11の上方に前後方向に沿って配置されたテーブル14、テーブル14上面に身生地を押えつけると共に、玉布を保持した状態で、縫製準備位置P1、縫製位置P2、縫製終了位置P3間を移動する大押え20、大押え20を移動させる搬送機構30、玉布を大押え20にセットすると共に玉布を逆T字状に折り込む際の型板となるバインダ40(後方のバインダ40a及び前方のバインダ40b)、縫製位置P2において身生地及び玉布の移動を案内する生地ガイド50(図2を参照)、生地ガイド50を略鉛直方向に移動可能に保持する昇降機構60(図2を参照)、縫製位置P2において上下動して、身生地にポケット穴を形成するセンターメス70、縫製終了位置P3においてテーブル14に形成された開口14aから出没する前後一対のコーナーメス80等から概略構成される。
【0017】
なお、図1には生地ガイド50及び昇降機構60の図示を省略する。また、符号15は、玉布を載置しておくための玉布載置台を示す。また、玉縁縫い装置10が備えるセンターメス70、コーナーメス80、後方のバインダ40a及び大押え20の形状及び動作については一般的に知られている玉縁縫い装置が備えるものと同様の構成であるため説明を省略し、以下、主に前方のバインダ40b、メスガイド44、生地ガイド50及び昇降機構60の形状及び動作について説明する。また、生地ガイド50及び昇降機構60はバインダ40bを挟んで左右一対の構成となるので、左側に位置する昇降機構60及び生地ガイド50についてのみ説明する。
【0018】
図2〜図5に示すように、前方のバインダ40b(以下、単に「バインダ40b」という。)は鉛直板41と底板42とを備える正面視略逆T字状の部材である。
【0019】
鉛直板41は略鉛直面内で身生地及び玉布の搬送方向(前後方向)に沿って配設される略矩形状の部材であり、その上部においてバインダ取付台43に複数のねじ41aによりねじ止めされている。なお、バインダ取付台43は装置本体側に接続している。
図3に示すように、鉛直板41の前端は二本の縫針N間を通ってセンターメス70近傍まで延出しており、この前端にメスガイド44が取り付けられている。また、鉛直板41の上部には左右に貫通する開口41bが形成されており、この開口内に中空シャフト41cが挿通されている。なお、この中空シャフト41cについては後述する。
【0020】
メスガイド44は鉛直板41の前端から前方に向かって左右に二股状に分かれる部材であり、その内部にセンターメス70が位置することになる。従って、メスガイド44はセンターメス70の上下動を案内する機能を有するとともに、センターメス70の周囲に存在する玉布をセンターメス70から保護する機能を有する。
底板42は略水平面内で鉛直板41の下部に複数のねじ42aによりねじ止めされる略矩形状の薄板部材であり、その前端部分に前方に向かって左右に二股状に分かれる針落ち部42bを備えている。針落ち部42bの上方には二本の縫針Nが位置しており、各縫針が針落ち部42b内を上下動することで縫製作業が行なわれるようになっている。
【0021】
昇降機構60は後述する生地ガイド50を常時下方に付勢した状態で上下方向に移動可能に保持するために設けられ、第1の節61〜第4の節64からなる平行四節リンクを構成している。
第1の節61は前後方向に延出する略矩形状の部材であり、その後部には左右に貫通した開口61aが形成されている。この開口61a内にはスリーブ61bが挿通され、さらにスリーブ61b内に中空シャフト61cが挿通されている。そして、第1の節61の後部に上下に貫通して形成されているねじ穴61iにねじ61jを挿通することで、第1の節の後部であって開口61aから上下に分かれて後方に延出する延出部61kの間隔が狭くなり、スリーブ61bが開口61a内に固定されるようになっている。換言すると、第1の節61はねじ61jによりスリーブ61bに固定されている。
【0022】
また、スリーブ61bの左側には後述する第4の節64が配設され、右側にはバインダ取付台43が配設されるので、スリーブ61b、ひいては第1の節61はこれら第4の節64とバインダ取付台43との間で左右方向への移動が規制されるようになっている。
なお、ねじ61jを緩めることで、第1の節61をスリーブ61b上で左右方向にスライド移動させて、鉛直板41と生地ガイド50間の距離を調節することができる。この場合、第3の節63の後部の開口63cは中空シャフト41c上をスライド移動することになる。
【0023】
中空シャフト61cはバインダ取付台43の開口43aに挿通されており、その左右方向の中央部分に切欠部61dが形成されている。
切欠部61dは中空シャフト61cの軸方向に沿った鉛直面61eを有しており、この鉛直面61eは後方に向いた状態でバインダ取付台43の開口43a内に位置する。そして、バインダ取付台43の背面から開口43aにまで至るねじ穴43bにねじ61fを挿通し、ねじ61fの前端面を鉛直面61eに当接させることで、中空シャフト61cはバインダ取付台43に固定されることになる。
【0024】
このように、第1の節61は中空シャフト61cを介してバインダ取付台43と連結する構成となっており、連結した部分を中心として前後方向に沿った鉛直面内で上下に回転可能となっている。
なお、中空シャフト61cはバインダ40bに対して右側に位置する昇降機構60の中空シャフト61cとしても用いられる。
また、第1の節61の前部にも左右に貫通した開口61gが形成されており、この開口61aに挿通されるピン61hを介して、第2の節62の上部に連結している。
【0025】
第2の節62は上下方向に延出する略矩形状の部材であり、その上部及び中央部には左右に貫通した開口62a、62bが形成されている。そして、上述のように、第1の節61の前部の開口61gに挿通されたピン61hが上部の開口62aに挿通されることで、第1の節61と第2の節62とはピン結合した部分を中心として、前後方向に沿った鉛直面内で相対的に回転可能となっている。
また、第2の節62の中央部の開口62bには、後述する第3の節63の前部の開口63aに挿通されたピン63bが挿通されている。
また、第2の節62の下部には、左右方向に貫通したねじ穴62cが複数形成されており、後述する生地ガイド50が第2の節62の下部にねじ止めされている。
【0026】
第3の節63は前後方向に延出する略矩形状の板状部材であり、その前部には左右に貫通した開口63aが形成されている。そして、上述のように、この前部の開口63aに挿通されるピン63bが第2の節62の中央部の開口62bに挿通されることで、第2の節62と第3の節63とはピン結合した部分を中心として、前後方向に沿った鉛直面内で相対的に回転可能となっている。
また、第3の節63の後部にも左右に貫通した開口63cが形成されており、この開口63cに上述した中空シャフト41cが挿通されている。
また、図2に示すように、第1の節61の前後両開口61g、61aを結んだ長さL1と、第3の節63の前後両開口63a、63cを結んだ長さL2はほぼ同一長さとなっている。
【0027】
第4の節64は上下方向に延出する略矩形状の板状部材であり、その上部及び下部には左右に貫通した開口64a、64bが形成されている。
図2に示すように、第4の節64の上下両開口64a、64bを結んだ長さL3と、第2の節62の上部の開口62aと中央部の開口62bを結んだ長さL4はほぼ同一長さとなっている。
また、上述のように第3の節63の後部の開口63cに挿通された中空シャフト41cの左側面を第4の節64の下部の開口64bの周囲に当接させた状態で、ねじ64cを第4の節64の左側面側から開口64b及び中空シャフト41cの中空孔に挿通してねじ止めすることで、第4の節64は中空シャフト41cに固定されている。
【0028】
また、中空シャフト61cの左側面を第4の節64の上部の開口64aの周囲に当接させた状態で、ねじ64dを第4の節の左側面側から開口64a及び中空シャフト61cの中空孔に挿通してねじ止めすることで、第4の節64は中空シャフト61cに固定されている。
このように、第4の節64はその上部において中空シャフト61cに固定され、下部において中空シャフト41cに固定され、これら中空シャフト61cと中空シャフト41cは共に移動不可能な構造となっているので、第4の節64は固定節となる。
【0029】
一方、第3の節63は中空シャフト61cが挿通されている後部の開口63cを中心として、前後方向に沿った鉛直面内で回転可能となっている。
以上のように、第1の節61〜第4の節64からなる平行四節リンクは、第4の節64を固定節とし、第1の節61と第3の節63とがほぼ同一長さ、第2の節62と第4の節64とがほぼ同一長さとなる。そして、第2の節62の下部に生地ガイド50がねじ止めされている。
従って、玉布の厚みに対応して上下動する生地ガイド50を介して平行4節リンクに外力が作用した場合、第2の節62は第4の節64(固定節)に対して側面視略平行な状態を維持しつつ略鉛直方向に移動し、第2の節62にねじ止めされている生地ガイド50も略鉛直方向に移動するようになっている。
よって、第1の節61〜第4の節64からなる平行四節リンクが鉛直運動構造を有している。
【0030】
また、バインダ40bに対して左側に位置する生地ガイド50及び昇降機構60と、バインダ40bに対して右側に位置する生地ガイド50及び昇降機構60とは中空シャフト41c及び中空シャフト61cを共有するのみであり、これらは各々独立駆動するようになっている。
バインダ取付台43の前側面には板ばね65が取付けられている。
板ばね65は左右方向に沿った鉛直面を有する取付板65aの下部から前方に向かって傾斜する左右二本の部材である。取付板65aはバインダ取付台43の前側面にねじ止めされ、板ばね65はその前端の下面側において第1の節61と第2の節62との連結部分の上面に当接することで、第2の節62を介して生地ガイド50を常時下方に付勢するようになっている。
【0031】
生地ガイド50はバインダ40bの鉛直板41の左右両側に配設される二枚一組の板状の部材であり、上述のように、その上部において第2の節62の下部にねじ止めされている。
生地ガイド50はその後部から前部に向かうに従って鉛直板41からの距離が次第に近くなるように、つまり、生地ガイド50と鉛直板41との距離が前方に向かって次第に接近するようになっており、生地ガイド50の前端は二本の縫針Nの間を通過して、メスガイド44の後部近傍にまで及んでいる。
そして、生地ガイド50は板ばね65により下方に常時付勢されると共に、バインダ40bの外形に沿って略逆T字状に折曲した状態で縫製位置P2まで搬送される玉布の厚みに応じて略鉛直方向に移動することで、玉布をバインダ40bの底板42の上面に押し付けると共にバインダ40bの鉛直板41に沿って移動させるようになっている。
【0032】
以上のような構成を備える玉縁縫い装置10の動作について説明すると、縫製準備位置P1においてバインダ40bの外形の逆T字形状に沿って折曲した状態で保持された玉布と身生地は搬送機構30により縫製位置P2まで搬送される。
縫製位置P2において身生地及び玉布には二本の縫針Nにより前後方向に沿った二本の平行な縫い目が形成され、必要に応じてフラップが縫い付けられる。
また、メスガイド44内に位置するセンターメス70が下降することで、二本の縫い目の間が切り開かれてポケット穴が形成される。
そして、身生地及び玉布は搬送機構30により縫製終了位置P3まで搬送され、縫製終了位置P3において図1に示す前後二つのコーナーメス80を上昇させることでポケット穴の両端にV字形の切り込みが形成されて、一連の玉縁縫い作業が完了する。
【0033】
以上のように、本実施の形態に示した玉縁縫い装置10によれば、昇降機構60により保持された生地ガイド50は玉布の厚みに応じて略鉛直方向に移動する。
従って、生地ガイド50が上昇する前の状態(図6(A)を参照)と生地ガイド50が上昇した後の状態(図6(B)を参照)とで、生地ガイド50の前方への移動量はごく僅かなものとなり、生地ガイド50の先端部分とメスガイド44との距離Dがほとんど変化しないので、玉布を縫製位置P2から縫製終了位置P3まで移動させる際に、メスガイド44と生地ガイド50の間を容易に通過させることができ、玉縁縫い作業の作業性を向上できる。
【0034】
また、昇降機構60が平行4節リンクを備え、上下方向に延出する2つの節(第2の節62及び第4の節64)のうち後方に位置する節(第4の節64)を固定節とし、固定節に対向する第2の節62に生地ガイド50を取付けることにより生地ガイド50を略鉛直方向に移動させる構成を備える。
従って、例えば回転型モータや油圧シリンダ等の電気的に駆動する装置を用いて生地ガイド50を鉛直方向に移動させる場合と比較して、昇降機構60の製造コスト及び重量の増加を抑えることができる。
【0035】
また、板ばね65が第1の節61と第2の節62の連結部分の上面に当接して生地ガイド50を下方に付勢する構成となっている。
従って、例えば従来の玉縁縫い装置のように、バインダ取付け台に生地ガイドアームの後端部分を連結し、前後方向に沿った鉛直平面内で回転可能となった生地ガイドアームの前端部分の上面に板ばねを当接させ、生地ガイドがその前後方向のほぼ中央部分において生地ガイドアームに接合する構成とした場合には、生地ガイドは生地ガイドアームの後端部分を中心として上下に回転し、主にその先端部分において玉布を押え付けることになる。
【0036】
従って、生地ガイドが玉布を押え付ける力は板ばねによる付勢力の作用点(生地ガイドアームの前端部分)から生地ガイドの先端部分までの距離に反比例することとなり、実際には板ばねからの付勢力の半分程度に減少してしまう。
しかし、本実施の形態に示した玉縁縫い装置10では、板ばね65からの付勢力は全て第2の節62を介して生地ガイド50に伝達され、また、生地ガイド50が略鉛直方向に移動するので、生地ガイド50はその下面の略全域において玉布を押え付けることになる。従って、玉布をより効果的に押え付けることができる。
【0037】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく本発明の趣旨の範囲内で適宜変更可能である。
例えば、本実施の形態では昇降機構60が4節リンク機構を備えることで生地ガイド50を略鉛直方向に移動させる構成としたが、これに限らず、例えば、鉛直板41に、鉛直方向への直線運動を案内する直線運動用案内を固定すると共に、生地ガイド50に、前記直線運動用案内によってスライド可能に支持される軸受けを固定することによって、生地ガイド50が鉛直方向に移動を案内されるように構成してもよい。
また、エアシリンダやソレノイド等のアクチュエータを、その出力軸が鉛直方向になるように鉛直板41に取り付け、この出力軸に生地ガイドを固定する構成としてもよい。
【0038】
また、回転型モータや油圧シリンダ等の電気的に駆動する装置を用いて生地ガイド50を鉛直方向に移動させるものとしても良い。
また、板ばね65が第1の節61と第2の節62の連結部分の上面に当接して、生地ガイド50を下方に付勢するものとしたが、板ばね65の付勢力を調節することにより、板ばね65の当接箇所を変更することができる。
また、本実施の形態においては、一般的に知られている前後方向に長いバインダを二分割した前後二つのバインダを用いるものとしたが、これに限らず、前後方向に長いバインダを用いても良い。
また、メスガイド44、生地ガイド50、センターメス70、コーナーメス80、大押え20等の形状及び動作についても本発明の趣旨の範囲内で適宜変更可能である。
【0039】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、昇降機構により保持された生地ガイドは玉布の厚みに応じて略鉛直方向に移動する。
従って、生地ガイドが上昇する前の状態と生地ガイドが上昇した後の状態とで、生地ガイドはほとんど前方へ移動せず、生地ガイドの先端部分とメスガイドとの距離がほとんど変化しないので、玉布を移動させる際にメスガイドと生地ガイドの間を容易に通過させることができ、玉縁縫い作業の作業性を向上できる。
【0040】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1と同様の効果を得られると共に、鉛直運動構造が平行4節リンク機構を備え、略鉛直方向に延出する一対の節のうち、前記搬送方向に対して前方に位置する節に前記生地ガイドが接合し、後方に位置する節を固定節とすることにより生地ガイドを略鉛直方向に移動させる。
従って、例えば回転型モータや油圧シリンダ等の電気的に駆動する装置を用いて生地ガイドを鉛直方向に移動させる場合と比較して、昇降機構の製造コスト及び重量の増加を抑えることができる。
【0041】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2と同様の効果を得られると共に、略鉛直方向に延出する一対の節のうち前記搬送方向に対して前方に位置する節と、略水平方向に延出する一対の節のうち上方に位置する節との連結部分に当接するばねにより、生地ガイドを常時下方に付勢する。
従って、ばねからの付勢力は略鉛直方向に延出する一対の節のうち前記搬送方向に対して前方に位置する節を介して全て生地ガイドに伝達される。また、生地ガイドが略鉛直方向に移動するので、生地ガイドはその下面の略全域において玉布を押え付けることになる。従って、玉布をより効果的に押え付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る玉縁縫い装置の要部側面図である。
【図2】バインダ、生地ガイド及び昇降機構の要部側面図である。
【図3】バインダ、生地ガイド及び昇降機構の要部平面図である。
【図4】バインダ、生地ガイド及び昇降機構の要部斜視図である。
【図5】バインダ、生地ガイド及び昇降機構の分解斜視図である。
【図6】メスガイドと生地ガイドの位置関係を示す平面図(A)及び(B)である。
【図7】大押え及びバインダの動作を示す図面(A)及び(B)である。
【図8】従来のバインダ及び生地ガイドの要部側面図である。
【図9】メスガイドと生地ガイドの位置関係を示す平面図(A)及び(B)である。
【符号の説明】
N 縫針
10 玉縁縫い装置
40 バインダ
40a 後方のバインダ
40b 前方のバインダ
41 鉛直板
42 底板
44 メスガイド
50 生地ガイド
60 昇降機構
61 第1の節
62 第2の節
63 第3の節
64 第4の節
70 センターメス

Claims (3)

  1. 生地の搬送方向に直交する方向に離間して配設され、生地に対して平行な二本の縫目を形成する二本の縫針と、前記二本の縫針に対して前記搬送方向に沿って後方に配設され、これら二本の縫目の間にポケット穴を形成するセンターメスと、略鉛直面内で前記搬送方向に沿って配設されると共に前記二本の縫針間を通って前記センターメス近傍まで延出する鉛直板と、略水平面内で前記鉛直板の下部に配設される底板とにより略逆T字状に形成されるバインダと、前記バインダの前記センターメス側の端部に配設され、前記センターメスの側面を覆うように延出するメスガイドと、前記鉛直板の両側面側において略鉛直面内で前記搬送方向に沿って配設され、前記二本の縫針間を通って前記メスガイド近傍まで延出する生地ガイドと、前記生地ガイドを常時下方に付勢しながら上下方向に移動可能に保持する昇降機構とを備え、前記バインダの外形に沿って略逆T字状に屈曲した状態の玉布のうち、前記底板上に位置する部分を前記生地ガイドにより下方に押え付けた状態で、前記鉛直板の側面に位置する部分が前記二本の縫針間を通過するように、生地及び玉布を移動させて前記二本の縫い目及びポケット穴を形成する玉縁縫い装置であって、
    前記昇降機構が、前記生地ガイドを略鉛直方向に移動させる鉛直運動構造を備えることを特徴とする玉縁縫い装置。
  2. 請求項1記載の玉縁縫い装置であって、
    前記鉛直運動構造が、前記搬送方向に沿った略鉛直面内で駆動する平行4節リンク機構を備え、略鉛直方向に延出する一対の節のうち、前記搬送方向に対して前方に位置する節に前記生地ガイドが接合し、後方に位置する節を固定節とすることを特徴とする玉縁縫い装置。
  3. 請求項2記載の玉縁縫い装置であって、
    前記昇降機構が、略鉛直方向に延出する一対の節のうち前記搬送方向に対して前方に位置する節と、略水平方向に延出する一対の節のうち上方に位置する節との連結部分に当接することで、前記生地ガイドを常時下方に付勢するばねを備えることを特徴とする玉縁縫い装置。
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