JP3969732B2 - 塀及びその施工方法 - Google Patents
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1.コンクリート製ブロックを積み重ねて作る壁というのは、そのコンクリート製ブロックの重さにより、施工性も悪く、積み重ねた壁全体としての総重量も、かなりの重量となり、高さが増すほどに危険度も増してしまう。
2.図13に示すコンクリート製ブロック20は、小さい物であり、モルタル目地21にて接着しているので、壁として一体化しにくく、強固な塀となりにくく、転倒、崩壊した時には、飛散し、怪我や物損の原因になりやすく、交通の妨げとなる。
3.コンクリートブロック塀基礎22は、モルタルによる簡易な接着部と、コンクリート製ブロックの重みと埋設部分によって直立しているので、壁面に垂直方向に対しての外力に弱く、転倒しやすい。
4.コンクリート製ブロックは加工しずらく、コンクリートブロック塀の仕上げを施すという事は、ほとんどなく、色、形状共に単調で、閉鎖的な印象も受け、外観が良くない。
上記の塀では、発泡スチロールを補強するため側面にメッシュワイヤーを外装したり、発泡スチロールの貫通孔に鉄筋を挿入するとともにモルタルを充填している。
しかし従来のものでは、壁面に垂直方向に対しての外力に弱く、塀が変形したり、傾斜したりする恐れがあった。
さらに従来のものでは、施工現場で塀に細工をしたり、形状を変えたりすることには注意が払われなかった。
また本発明は、工場あるいは施工現場で塀に細工をしたり、形状を変えたりすることのできる塀を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段は、次のとおりである。
上記発泡樹脂板状ブロックを挟持する一対の挟持部、一対の挟持部の中央部において縦補強部材を支持する中空部材及び両端に設けられた立ち上がり壁部を有する帯状板材と、
上記中空部材に支持されるとともに上記貫通孔の中心に挿入されている縦補強部材と、
立ち上がり壁部により幅方向が確定されたコンクリート基礎部分と、
上記発泡樹脂板状ブロック上及びコンクリート基礎部分の表面上に一体に張り付けられたネット状又は布状の表殻材と、を少なくとも有する塀である。
上記発泡樹脂板状ブロックを挟持する一対の挟持部、基礎部分を確定する立ち上がり壁部及び一対の挟持部の中央部において縦補強部材を支持する中空部材を有する帯状板材と、
上記中空部材に支持されるとともに上記貫通孔に挿入されている縦補強部材と、
立ち上がり壁部により幅方向が確定されたコンクリート基礎部分と、
コンクリート基礎部分と上記発泡樹脂板状ブロックとの結合部分に接着されたコーナー補強アングル材と、
上記発泡樹脂板状ブロック、コーナー補強アングル材及びコンクリート基礎部分の表面に沿って全面に設けられ、上記発泡樹脂板状ブロックを補強する、ネット状又は布状の表殻材と、を少なくとも有する塀である。
上記中空部材に鉄筋を挿入する工程と、
貫通孔を有する上記発泡樹脂板状ブロックを上記帯状板材上に載置する工程と、
帯状板材の立ち上がり壁部により幅方向を確定され塀の基礎となる部分をコンクリートで固め、上記発泡樹脂板状ブロックをコンクリート基礎部分と一体化する工程と、
中心に鉄筋の入った貫通孔にモルタルを充填して支柱とする工程と、
上記発泡樹脂板状ブロック上及びコンクリート基礎部分の表面上に、ネット状又は布状の表殻材を一体に張り付ける工程と、を少なくとも含む塀の施工方法である。
縦補強材及び貫通孔へのコンクリート注入に加えて、基礎部分及び発泡樹脂板状ブロックの表面に一体にネット状又は布状の表殻材を設け、さらに必要に応じてコーナー補強アングル材で補強しているため、壁面に垂直方向からの外力に強く、変形したり、傾斜したりすることのない強固な塀を得ることができる。
図1は、本発明に係る塀の全体姿図を示す。
図2は、加工しデザインした塀の全体姿図である。図2では、塀の上部を曲線状に加工するとともにその表面にニッチを施してある。
図7は、帯状板材を砕石上に型枠設置後水平に据え付けた状態を示し、図8は、帯状板材に補強済発泡樹脂板状ブロックを据え付けた状態を示す。
また図9は、基礎部分及び板状ブロックの設置図を示し、図10は、図9のD−D’立面断面図を示す
帯状板材11の素材として、強度的にみて金属製のものが好ましいが、単に位置決めのためであれば樹脂製のものでも十分である。
帯状板材11は、1個の発泡樹脂板状ブロック当たり、複数個が使用される。
塀の芯材となる発泡樹脂板状ブロック1の根元部分、すなわち、コンクリート埋め込み部分よりも高くなる位置までには、図5のようにあらかじめ金属、樹脂、ガラス繊維等でできたネット状又は布状の表殻材3を張り付けておき、コンクリートの基礎部分との境界部分での破断補強としておくこともできる。
なお上記ネット状又は布状の表殻材としては、特にガラス繊維が強度・取り扱い易さ等において優れている。
発泡樹脂板状ブロックのコンクリート基礎部分に隣接する側面部分には、補強のためコーナー補強アングル材14が接着されている。
なお塀として必要な強度が得られるのであれば、コーナー補強アングル材は省略することもできる。
なお上記ネット状又は布状の表殻材としては、特にガラス繊維が強度・取り扱い易さ等において優れている。
ガラス繊維でできたネット状又は布状の表殻材3を、図5で示す発泡スチロールのような発泡樹脂からなる板状ブロックの上に貼り付け、根元部分を補強した発泡樹脂板状ブロック1をあらかじめ作っておく。その際同時に、後から縦補強部材である鉄筋を挿入するとともにモルタルを注入するために、縦方向に貫通孔2を複数個あけておく。なおここで図6は、そのC−C’断面図である。
発泡樹脂板状ブロックとしては、任意の大きさのものが可能であるが、例えば縦1m横2mといった大きさのものが作業効率からみて好ましい。
発泡樹脂板状ブロックは加工が容易なため、あらかじめデザインが決まっているのであれば、この段階で発泡樹脂板状ブロックを加工しておく。また現場の状況を考慮に入れたいのであれば、設置した段階で現場にて加工することもできる。
なお上記のネット状又は布状の表殻材3の張り付けは、後の工程により必要な壁面強度が得られるのであれば省略することもできる。
次に中空部材17の縦補強部材挿入口9に鉄筋を図8で示すように、その一部が露出するように垂直に差し込む。
塀にウエーブをかけたり、窓又はニッチを設ける場合には、この段階で発泡樹脂板状ブロックに加工を行う。
なお上記ベースコートは、接着剤及び下地として機能するものであって、樹脂モルタルにセメントを1:1で混ぜ合わせたものが使用される。
塀となる発泡樹脂板状ブロックに窓・ニッチ等がある場合には、上記ネット状又は布状の表殻材はその表面の形状に合うように適宜加工される。
すなわち、発泡樹脂板状ブロック1の貫通孔2内に鉄筋コンクリート柱を作ることによって、より強固な壁の基本構造体を作り出す。
最後にフィニッシャーと呼ばれる仕上げ材を塗布して塀が完成される。なお、自由な着色等の仕上げを施せば、塀の景観を良好なものとする事ができる。
2 貫通孔
3 ネット状又は布状の表殻材
4 水平レベル調整材
5 型枠材
6 水平レベル調整ライン
7 砕石
8 縦補強部材(鉄筋)
9 縦補強部材(鉄筋)挿入口
10 固定材
11 帯状板材
12 コンクリート基礎部分
13 固定穴
14 コーナー補強アングル材
15 立ち上がり壁部
16 挟持部
17 中空部材
18 中空部材取付部
19 コンクリート基礎部分の表面
20 コンクリート製ブロック
21 モルタル目地
22 コンクリートブロック塀基礎
Claims (9)
- 縦補強部材を挿入するための貫通孔を有する発泡樹脂板状ブロックと、
上記発泡樹脂板状ブロックを挟持する一対の挟持部、基礎部分を確定する立ち上がり壁部及び一対の挟持部の中央部において縦補強部材を支持する中空部材を有する帯状板材と、
上記中空部材に支持されるとともに上記貫通孔に挿入されている縦補強部材と、
立ち上がり壁部により幅方向が確定されたコンクリート基礎部分と、
上記発泡樹脂板状ブロック及びコンクリート基礎部分の表面に沿って全面に設けられ、上記発泡樹脂板状ブロックを補強する、ネット状又は布状の表殻材と、を少なくとも有する塀。 - 縦補強部材を挿入するための貫通孔を有する発泡樹脂板状ブロックと、
上記発泡樹脂板状ブロックを挟持する一対の挟持部、基礎部分を確定する立ち上がり壁部及び一対の挟持部の中央部において縦補強部材を支持する中空部材を有する帯状板材と、
上記中空部材に支持されるとともに上記貫通孔に挿入されている縦補強部材と、
立ち上がり壁部により幅方向が確定されたコンクリート基礎部分と、
コンクリート基礎部分と上記発泡樹脂板状ブロックとの結合部分に接着されたコーナー補強アングル材と、
上記発泡樹脂板状ブロック、コーナー補強アングル材及びコンクリート基礎部分の表面に沿って全面に設けられ、上記発泡樹脂板状ブロックを補強する、ネット状又は布状の表殻材と、を少なくとも有する塀。 - 上記発泡樹脂板状ブロックは、あらかじめ根元部分がネット状又は布状の表殻材で覆われていることを特徴とする請求項1又は2記載の塀。
- 上記発泡樹脂板状ブロックの所望の部分は、所望のデザインに加工されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の塀。
- 上記縦補強部材は鉄筋であり、貫通孔にはモルタルが充填されていることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の塀。
- 発泡樹脂板状ブロックを挟持する一対の挟持部、一対の挟持部の中央部において鉄筋を支持する中空部材を有する帯状板材を水平に設置する工程と、
上記中空部材に鉄筋を挿入する工程と、
貫通孔を有する上記発泡樹脂板状ブロックを上記帯状板材上に載置する工程と、
帯状板材の立ち上がり壁部により幅方向を確定され塀の基礎となる部分をコンクリートで固め、上記発泡樹脂板状ブロックをコンクリート基礎部分と一体化する工程と、
鉄筋の入った貫通孔にモルタルを充填して支柱とする工程と、
上記発泡樹脂板状ブロック及びコンクリート基礎部分の表面に沿った全面を、ネット状又は布状の表殻材で被う工程と、を少なくとも含む塀の施工方法。 - 上記発泡樹脂板状ブロック及びコンクリート基礎部分の表面に沿った全面を、ネット状又は布状の表殻材で覆う工程の前に、コンクリート基礎部分と上記発泡樹脂板状ブロックとの結合部分にコーナー補強アングル材を接着する工程、を含む請求項6記載の塀の施工方法。
- 上記発泡樹脂板状ブロックは、あらかじめ根元部分がネット状又は布状の表殻材で覆われていることを特徴とする請求項6又は7記載の塀の施工方法。
- 上記発泡樹脂板状ブロック及びコンクリート基礎部分の表面に沿った全面を、ネット状又は布状の表殻材で被う工程の前に、発泡樹脂板状ブロックを所望のデザインに加工する工程、を含む請求項6、7又は8記載の塀の施工方法。
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