JPH09111820A - 地下貯留槽 - Google Patents

地下貯留槽

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JPH09111820A
JPH09111820A JP7297627A JP29762795A JPH09111820A JP H09111820 A JPH09111820 A JP H09111820A JP 7297627 A JP7297627 A JP 7297627A JP 29762795 A JP29762795 A JP 29762795A JP H09111820 A JPH09111820 A JP H09111820A
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JP
Japan
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precast
members
storage tank
underground storage
concrete
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Application number
JP7297627A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiaki Shiotani
由明 塩谷
Takeshi Kobayashi
猛 小林
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ABE KOGYOSHO KK
Original Assignee
ABE KOGYOSHO KK
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Publication date
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A20/00Water conservation; Efficient water supply; Efficient water use

Abstract

(57)【要約】 【課題】 現場作業の省力化を図って、工期を大幅に短
縮するとともに、プレキャストプレストレストコンクリ
ート部材を使用することにより、強固で優れた地下貯留
槽を提供する。 【解決手段】 地下貯留槽4は、掘削された設置現場K
0に現場打ちコンクリートより形成された底版コンクリ
ート部6と、この底版コンクリート部6上に配列固定さ
れる複数の立壁部用プレキャストプレストレストコンク
リート部材8と、この立壁部用コンクリート部材8上に
載せられる頂版用プレキャストコンクリート部材10と
からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、地表に
降った雨水などの、水等を貯えることができる、地下貯
留槽に関するものである。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】近年、都
市部及びその近郊等では、地表部分の多くが、コンクリ
ート舗装されているので、この舗装面上に降った雨の大
部分が、地面にしみこまずにその上を流れて、側溝に直
接流れ込んでいる。そのため、多くの側溝とつながって
いる、小さな河川は、側溝に流れ込んだ雨水を集水して
短時間で増水し、更に、これら小さな河川とつながって
いる、大きな河川も、同様に増水して、都市部等の河川
は、大雨が降ると短時間で増水して、洪水等の危険があ
った。
【0003】このような洪水等の危険を防止するため、
都市部等では、例えば、雨水を貯える貯留槽を、一定広
さ毎に各地域に設け、この貯留槽は、その地域内の側溝
に流れ込んだ雨水の一部を集水して一時的に貯え、雨水
の全部を小さな河川に直ちに流し込まないようにしてい
る。従って、これら都市部等で、大雨が降っても、貯留
槽が所定量の雨水を貯えることができるので、小さな河
川、及びこれにつながる大きな河川は、短時間に急激に
増水せず、これら河川に洪水が起きる危険性が少なくな
っている。
【0004】そして、大雨が降った後しばらくして、一
旦増水した河川の水位が、ある程度下がったところで、
貯留槽は、貯えた雨水を排水溝等を介して、その河川に
流して排水し、貯留槽内をほぼ空の状態にしておく。そ
れにより、次に、大雨が降っても、貯留槽は、雨水を再
び所定量貯えることができるので、既述したように、そ
の地域に降った雨水の多くを、小さな河川に直ちに流し
込まないようにすることができ、河川の流量を調整する
とともに、その洪水の防止する等の、重要な役割を果た
している。
【0005】ところで、都市部及びその近郊等では、土
地の有効活用のため、前記貯留槽を、例えば、既設の公
園等の地下に設けることが多い。これは、河川等の洪水
を防止するため、貯留槽に大量の雨水を貯えなければな
らず、その貯留量の確保には、広大な敷地面積が必要
で、地表面上に大規模な貯留槽を構築するための敷地を
見つけるのは困難だからである。そのため、地下貯留槽
を、既設の公園等の地下に構築する以外に方法がなく、
その場合、公園等の使用を中止して、その設置工事等を
行うしかなかった。
【0006】しかし、従来、地下貯留槽を構築するにあ
たって、現場のコンクリート用型枠の設置作業、更に
は、現場打ちコンクリートの養生待ちなどが必要であっ
て、長期間の工期を要した。そのため、公共性の高い公
園等の使用を中止すると、使用者の不満が募り、また、
地下貯留槽の事業主等も、できるだけ早期の完成を望ん
でいた。また、地下貯留槽は、一度地中内に設置する
と、補修等が困難であり、所定の品質で、且つ、できる
だけ強固な地下貯留槽を設置するが望ましい。
【0007】この発明は、上記した要望をできるだけ満
たすためになされたものであり、その目的とするところ
は、現場作業の省力化を図って、工期を大幅に短縮する
とともに、プレキャストプレストレストコンクリート部
材を使用することにより、強固で優れた地下貯留槽を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載された地
下貯留槽によれば、地下貯留槽は、掘削された設置現場
に底版コンクリート部を現場打ちコンクリートで形成
し、この底版コンクリート部に立壁部用プレキャストプ
レストレストコンクリート部材(以下、プレストレスト
コンクリート部材をPC部材と略称する)を配列固定
し、これら立壁部用プレキャストPC部材上に、頂版用
プレキャストコンクリート部材を載せて固定することに
より構築されることにより、水等を貯めることができ
る。
【0009】ここで、プレキャストコンクリート部材と
は、工場等で予め製造されたコンクリート部材をいい、
また、PC部材とは、荷重が加えられることによって生
じる引張応力や圧縮応力を打ち消すことができるよう
に、応力(プレストレス)が予め計画的に付与されるコ
ンクリート部材をいう。よって、プレキャストPC部材
とは、工場等で予め製造され、荷重が加えられることに
よって生じる引張応力や圧縮応力を打ち消すことができ
るように、応力(プレストレス)が予め計画的に付与さ
れるコンクリート部材をいう。
【0010】請求項2に記載された地下貯留槽によれ
ば、立壁部用プレキャストPC部材には、PC鋼材が高
さ方向に予め配置されることにより、プレテンション方
式によるプレストレスが、高さ方向に付与されていると
ともに、後からPC鋼材が水平方向に設けられた挿通用
孔部に挿通されることにより、ポストテンション方式に
よるプレストレスが水平方向に付与される。
【0011】そして、PC鋼材は、プレストレスを付与
するための、例えば、PC鋼棒またはPC鋼線等の総称
であり、高強度の鋼材からなる。
【0012】請求項3に記載された地下貯留槽によれ
ば、その外壁部及びその内側に、厚み方向に挿通用孔部
を備えている柱部用プレキャストPC部材をそれぞれ立
設し、この柱部用プレキャストPC部材相互の間に、長
手方向に挿通用孔部を備えている梁部用プレキャストP
C部材を掛け渡すように取り付けることにより、梁部用
プレキャストPC部材は、地下貯留槽の内側及び外壁部
の柱部用プレキャストPC部材との間に掛け渡される。
これら柱部用及び梁部用プレキャストPC部材の挿通用
孔部に、後からPC鋼材を挿通して、ポストテンション
方式により、プレストレスが付与される。
【0013】請求項4に記載された地下貯留槽によれ
ば、その内側の柱部用プレキャストPC部材には、厚み
方向に圧着接合用孔部が設けられており、この柱部用プ
レキャストPC部材を挟むようにして、その両側に梁部
用プレキャストPC部材が取り付けられる。この両側に
取り付けられる梁部用プレキャストPC部材には、その
長手方向に別の圧着接合用孔部がそれぞれ設けられてお
り、これら柱部用及び梁部用プレキャストPC部材の圧
着接合用孔部に、後からPC鋼材を挿通して、ポストテ
ンション方式により、プレストレスが付与される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明にかかる地下貯留
槽の実施の形態につき、図面に基づいて説明する。
【0015】この地下貯留槽4は、図1及び図2に示さ
れるように、例えば、雨水等の水等を貯めることができ
るように、全体形状が、一例として、直方体形状となっ
ており、掘削された設置現場K0に現場打ちコンクリー
トより形成された底版コンクリート部6と、この底版コ
ンクリート部6上に配列固定される複数の立壁部用プレ
キャストプレストレストコンクリート部材(以下、立壁
部用プレキャストPC部材と略称する)8、8と、これ
ら立壁部用プレキャストPC部材8上に載せて固定され
る頂版用プレキャストコンクリート部材(以下、頂版用
コンクリート部材と略称する)10、10とを備えてい
る。
【0016】図示実施の形態の場合、設置現場K0の周
囲に、土砂止め用の矢板(図示せず)を予め打ち込んだ
後に、前記現場K0を、地下貯留槽4の高さ以上掘削し
た穴の底に、基礎栗石12を置き、この基礎栗石12上
に、捨てコンクリート14を敷いている。そして、この
捨てコンクリート14上に、生コンクリートを現場打ち
して、上面側に水平な面を形成するように、底版コンク
リート部6を形成する。
【0017】そして、図3及び4に明示されるように、
立壁部用プレキャストPC部材8及び後述する柱部用プ
レキャストプレストレストコンクリート部材(以下、柱
部用プレキャストPC部材と略称する)18を立てるた
めの設置溝16を、底版コンクリート部6にその外周縁
に沿って周回するように設けて、この設置溝16内に前
記立壁部用プレキャストPC部材8及び柱部用プレキャ
ストPC部材18の基部をはめこんで、底版コンクリー
ト部6上に配列固定する。
【0018】尚、はめこみに際して、図10及び11に
示されるように、高さ調整部材W1を、設置溝16内の
底面上に置き、その高さ調整部材W1上に、柱部用プレ
キャストPC部材18(あるいは立壁部用プレキャスト
PC部材8)を置いたり、あるいは、設置溝16の内側
面と柱部用プレキャストPC部材18(あるいは立壁部
用プレキャストPC部材8)の両側面との間に、位置合
わせ用部材W2を差し込んで、柱部用プレキャストPC
部材18(あるいは立壁部用プレキャストPC部材8)
を、真っ直ぐ且つ所定の高さとなるように立たせること
ができる。
【0019】この場合、地下貯留槽4の外壁部のコーナ
等の所定位置には、図5に示されるように、例えば、縦
横の、厚み方向に挿通用孔部17、17を備えている、
柱部用プレキャストPC部材18、18が配置されてお
り、この柱部用プレキャストPC部材18、18は、立
壁部用プレキャストPC部材8、8と隣り合っている。
そして、地下貯留槽4の外壁部は、その平面形状が長方
形となるように以下の様に構築されている。
【0020】すなわち、図1に示されるように、外壁部
の長辺方向に一定間隔L0毎に配置された、複数の柱部
用プレキャストPC部材18、18の間には、立壁部用
プレキャストPC部材8が、複数個(図示実施の形態で
は3個)相互に隣り合って、前記外壁部の長辺方向に並
設されることにより、外壁部の長辺部分Q1が形成され
ており、この長辺部分Q1と同様な構造からなる外壁部
の長辺部分Q1が、相互に所定間隔L1だけ離れて平行
となるように配置されている。また、外壁部の短辺方向
に一定間隔L0毎に配置された複数の柱部用プレキャス
トPC部材18、18の間には、立壁部用プレキャスト
PC部材8が、複数個(図示実施の形態では3個)相互
に隣り合って、短辺方向に並設されることにより、外壁
部の短辺部分Q2が形成されており、この短辺部分Q2
と同様な構造からなる外壁部の短辺部分Q2は、相互に
所定間隔L2だけ離れて平行となるように配置されてい
る。そして、外壁部のコーナの柱部用プレキャストPC
部材18が、外壁部の短辺部分Q2と長辺部分Q1とを
連結している。
【0021】前記立壁部用プレキャストPC部材8は、
図6及び図7に示されるように、正面形状が高さH1及
び幅B1の縦長の長方形形状であるとともに、その立壁
部用プレキャストPC部材8を、底版コンクリート部6
上に立てた状態で、安定性が良くなるように、図3に明
示されるように、下方側の壁厚が片面側に厚くなる肉厚
部8Xを備えたパネル状のものになっている。そして、
前記肉厚部8Xが張り出す側が、前記地下貯留槽4の内
側を向くのに対して、その反対側が、地下貯留槽4の外
側を向いている。
【0022】また、立壁部用プレキャストPC部材8に
は、図3に明示されるように、PC鋼材P1が前記高さ
H1方向に予め配置されて、プレテンション方式によ
り、プレストレスが高さH1方向に付与されているとと
もに、図5乃至図7に明示されるように、水平方向(図
7において幅B1方向)に設けられた挿通用孔部20
に、後からPC鋼材P2を挿通して、ポストテンション
方式により、プレストレスが付与されるようになってい
る。
【0023】図示実施の形態の場合、前記高さH1方向
に延びるPC鋼材P1、P1は、図5に明示されるよう
に、立壁部用プレキャストPC部材8の前記幅B1方向
に、一定間隔毎に多数並設されるとともに、厚さ方向に
一定間隔明けて並設されている。また、前記幅B1方向
に延びる前記挿通用孔部20、20は、立壁部用プレキ
ャストPC部材8の前記高さH1方向に一定間隔毎に多
数並設される(図3参照)とともに、厚さ方向に一定間
隔毎に並設された、2本のPC鋼材P1、P1間の真ん
中を通るように設けられている。
【0024】それら立壁部用プレキャストPC部材8
は、例えば、工場等で以下の如く製造されている。すな
わち、前記幅B1方向及び厚さ方向に所定間隔毎に並設
された多数のPC鋼材P1は、型枠内で両先端部を予め
一定の張力で引っ張っられておりまた、これらPC鋼材
P1とほぼ直交するように、多数の挿通用孔部20形成
用の管部材22(図9参照)が一定間隔毎に並設されて
おり、これら管部材22内に、後から水平方向にPC鋼
材P2を挿通できるようになっている。そして、これら
PC鋼材P1及び前記管部材22の周囲に、生コンクリ
ート材を打設して養生硬化させ、PC鋼材P1及び管部
材22が、打設されたコンクリートと固着した後、PC
鋼材P1を前記立壁部用プレキャストPC部材8の高さ
H1と一致するように切断して脱型を行う。すると、立
壁部用プレキャストPC部材8には、PC鋼材P1の収
縮する力により、その高さ方向にプレストレスが付与さ
れる。
【0025】また、挿通用孔部20形成用の管部材22
内に、PC鋼材P2を挿通して、管部材22の出入口か
ら外側に出ているPC鋼材P2の両先端部に、締め付け
金具等を取り付けて、工具等を用いてPC鋼材P2を適
当な方法で引っ張り、このPC鋼材P2と立壁部用プレ
キャストPC部材8とを一体化させて、プレストレスを
立壁部用プレキャストPC部材8に付与することができ
る。
【0026】もっとも、上記のような高さH1方向にプ
レテンション方式により、プレストレスを付与するとと
もに、ポストテンション方式により、プレストレスを水
平方向に付与する方法を必ずしも採用する必要はなく、
高さH1方向及び水平方向の両方に、例えば、ポストテ
ンション方式により、プレストレスを付与してもよく、
プレストレスを付与する手法として、プレテンション方
式を採用するか、あるいはポストテンション方式を採用
するかは任意である。
【0027】また、図6に明示されるように、各立壁用
プレキャストPC部材8の内面側の一方の側端部8a及
び他方の側端部8bには、複数(図示実施の形態では3
個)の連結用金具8Yが、前記高さH1方向に所定間隔
毎に取り付けられている。同様に、図7に明示されるよ
うに、その外面側の一方の側端部8a及び他方の側端部
8bには、複数(図示実施の形態では3個)の連結用金
具8Zが、前記高さH1方向に所定間隔毎に取り付けら
れており、しかも、これら連結用金具8Y及び8Zは、
高さH1方向において互い違いに位置している。
【0028】そして、各連結用金具8Y及び8Zは、一
方の側端部8a及び他方の側端部8bの定まった位置に
設定されているので、前記各立壁用プレキャストPC部
材8の一方の側端部8aを、隣り合う立壁用プレキャス
トPC部材8の他方の側端部8bに相互に所定間隔H3
(図9参照)だけ離して設置させると、内面側の各連結
用金具8Y及び外面側の各連結用金具8Zは、図8に明
示されるように、隣り合う立壁用プレキャストPC部材
8の内面側の各連結用金具8Y及び外面側の各連結用金
具8Zとそれぞれ対向する。
【0029】連結用金具8Y(8Z)の具体的構造は、
例えば、前記内面側(外面側)に開口8Ya(8Za)
を備える箱型形状となっており、この箱型形状の各側端
部8a及び8b側には、挿通孔(図示せず)が設けられ
る構造となっている。そして、各立壁用プレキャストP
C部材8の一方の側端部8aを、隣り合う立壁用プレキ
ャストPC部材8の他方の側端部8bに相互に前記所定
間隔H3だけ離して設置させた場合、作業者は、両方の
挿通孔に、例えば、ボルト8Yc(8Zc)を通すこと
ができ、このボルト8Yc(8Zc)の先端のオネジ部
に、ナット8Yd(8Zd)を締め付けることにより、
隣り合う立壁用プレキャストPC部材8の側端部8a及
び8bを、それぞれ仮固定することができる。
【0030】そして、隣り合う立壁用プレキャストPC
部材8の側端部8a及び8bには、図9に示されるよう
な目地処理がなされる。すなわち、前記側端部8a及び
8bの内面側及び外面側に、水を吸収して体積が膨張す
る水膨張ゴムG1、G1が上下に延びるようにそれぞれ
取り付けられ、これら水膨張ゴムG1、G1間の隙間
に、セメントミルク等のグラウト材G2を注入すること
により、隣り合う立壁用プレキャストPC部材8、8が
相互に一体化される。また、水膨張ゴムG1、G1を覆
うように、立壁用プレキャストPC部材8、8の内面側
及び外面側には、シーリング材G3、G3が塗布され、
このシーリング材G3、G3は、隣り合う立壁用プレキ
ャストPC部材8の側端部8a及び8b間の止水性を強
化している。
【0031】この場合、多数の前記管部材22は、PC
鋼材P2用の出入口として、前記側端部8a及び8b側
に露出しているので、前記水膨張ゴムG1、G1間の隙
間に、セメントミルク等のグラウト材G2を注入する前
に、グラウト材G2の侵入防止処理を、管部材22の各
出入口に行って、前記グラウト材G2が、前記管部材2
2内に侵入しないようになっている。すなわち、立壁用
プレキャストPC部材8、8の前記管部材22内には、
この管部材22に比べて小径の管部材24が予め挿入さ
れており、この管部材24が、管部材22の出口もしく
は入口から引き出されて、隣り合う立壁用プレキャスト
PC部材8、8の側端部8a及び8b間に掛け渡され、
管部材22の各出入口を、前記側端部8a及び8b側に
露出しないように塞ぐことにより、管部材22内にグラ
ウト材G2が侵入するのを防止している。
【0032】尚、隣り合う立壁用プレキャストPC部材
8の側端部と柱部用プレキャストPC部材18との側面
には、隣り合う立壁用プレキャストPC部材8の側端部
8a及び8bと同様な、目地処理がなされ、この目地処
理によって、立壁用プレキャストPC部材8と柱部用プ
レキャストPC部材18間の止水性を強化している(図
11参照)。
【0033】また、地下貯留槽4の外壁部の内側には、
必要に応じて、図5に示されるように、例えば、縦横
の、厚み方向に挿通用孔部25、25を備えている、柱
部用プレキャストPC部材26、26が立設される。そ
して、この柱部用プレキャストPC部材26、26と、
前記外壁部のコーナ以外の柱部用プレキャストPC部材
18、18との間に、長手方向に挿通用孔部27、27
を備えている梁部用プレキャストプレストレストコンク
リート部材(以下、梁部用プレキャストPC部材と略称
する)28、28を掛け渡すように取り付ける。これら
柱部用及び梁部用プレキャストPC部材18、26、2
8の各挿通用孔部17、25、27は相互に連通してお
り、この連通した挿通用孔部17、25、27に、後か
らPC鋼材P2を挿通して、ポストテンション方式によ
り、プレストレスが柱部用及び梁部用プレキャストPC
部材18、26、28に付与されるようになっている。
【0034】具体的には、前記柱部用プレキャストPC
部材26は、図1に示されるように、外壁部の柱部用プ
レキャストPC部材18と対向するように、地下貯留槽
4の外壁部の短辺部分Q2の中央位置にて、長辺方向に
沿って、複数個(図示実施の形態では3個)一定間隔毎
に配置されており、しかも、長辺部分Q1方向及び短辺
部分Q2方向のそれぞれの方向において、これら柱部用
プレキャストPC部材18、26間の距離及び26、2
6間の距離は、相互に一致するように設定されている。
そのため、一種類の長さの梁部用プレキャストPC部材
28、28が、柱部用プレキャストPC部材26、26
間、及び、18、26間に掛け渡されるようになってい
る。
【0035】この場合、外壁部の内側の柱部用プレキャ
ストPC部材26、26の各側面、及び、外壁部のコー
ナ以外の柱部用プレキャストPC部材18、18の内側
面に、支持用ブラケット30(図3及び4参照)をそれ
ぞれ後から取り付け固定し、これら支持用ブラケット3
0が、梁部用プレキャストPC部材28、28の長手方
向の両端部を、下方側からそれぞれ支えるようにして、
梁部用プレキャストPC部材28、28を、柱部用プレ
キャストPC部材18、26の間に、掛け渡すように取
り付けるのが望ましい。
【0036】また、柱部用プレキャストPC部材18、
26は、例えば、断面矩形であるとともに、立壁部用プ
レキャストPC部材8の高さH1と、同じ高さH1を有
している。そして、高さH1方向に延びるPC鋼材P
3、P3は、図5に明示されるように、柱部用プレキャ
ストPC部材18、26の内部周縁を周回するように、
一定間隔毎に多数並設されており、立壁部用プレキャス
トPC部材8と同様に、PC鋼材P3が高さH1方向に
予め配置されて(図4参照)、プレテンション方式によ
り、柱部用プレキャストPC部材18、26は、その高
さH1方向に、プレストレスが付与されるようになって
いる。
【0037】図示実施の形態の場合、柱部用プレキャス
トPC部材18、26の挿通用孔部17、25は、立壁
部用プレキャストPC部材8と同様に、前記高さH1方
向に一定間隔毎に多数並設されるとともに、一定間隔毎
に並設されたPC鋼材P3、P3間を通るように設けら
れている。
【0038】前記コーナ以外の柱部用プレキャストPC
部材18の挿通用孔部17は、梁部用プレキャストPC
部材28内の複数の挿通用孔部27と連通する、複数の
挿通用孔部17と、立壁部用プレキャストPC部材8内
の挿通用孔部20と連通する、挿通用孔部17とからな
っており、長辺部分Q1方向及び短辺部分Q2方向にそ
れぞれ延びる各挿通用孔部17は、その内部を通るPC
鋼材P2がぶつからないように予め位置ズレしていると
ともに、柱部用プレキャストPC部材18の厚さ方向に
貫通している。
【0039】また、柱部用プレキャストPC部材26の
挿通用孔部25は、梁部用プレキャストPC部材28内
の複数の挿通用孔部27と連通する、前記外壁部の短辺
部分Q2方向に延びる複数の挿通用孔部25と、前記外
壁部の長辺部分Q1方向に延びる複数の挿通用孔部25
とからなっており、長辺部分Q1方向及び短辺部分Q2
方向にそれぞれ延びる各挿通用孔部25は、その内部を
通るPC鋼材P2がぶつからないように予め位置ズレし
ているとともに、柱部用プレキャストPC部材26の厚
さ方向に貫通している。
【0040】尚、柱部用プレキャストPC部材18、2
6は、立壁部用プレキャストPC部材8と同様に、工場
等で以下の如く製造されている。すなわち、前記厚さ方
向に所定間隔毎に並設された多数のPC鋼材P3は、型
枠内で両先端部を予め一定の張力で引っ張っられてお
り、また、これらPC鋼材P3とほぼ直交するように、
多数の挿通用孔部17、25形成用の管部材が一定間隔
毎に並設されており、これら管部材内に、後から水平方
向にPC鋼材P2を挿通できるようになっている。
【0041】そして、これらPC鋼材P3及び前記挿通
用孔部17、25形成用の管部材の周囲に生コンクリー
ト材を打設して養生硬化させ、PC鋼材P3及び挿通用
孔部17、25形成用の管部材が、打設コンクリートと
固着した後、PC鋼材P3を前記柱部用プレキャストP
C部材18、26の長さH1と一致するように切断して
脱型を行う。すると、柱部用プレキャストPC部材1
8、26には、PC鋼材P3の収縮する力によって、そ
の高さ方向にプレストレスが付与される。
【0042】また、梁部用プレキャストPC部材28
は、型枠内でその長手方向に一対の挿通用孔部27形成
用の管部材を並設して、これら前記挿通用孔部27形成
用の管部材の周囲に生コンクリート材を打設し、養生硬
化後に脱型することにより形成されている。尚、必要が
あれば、梁部用プレキャストPC部材28に予めPC鋼
材を配置し、このPC鋼材で、プレテンション方式によ
り、プレストレスを、その長手方向に付与してもよい。
【0043】そして、外壁部の柱部用プレキャストPC
部材18の挿通用孔部17形成用の管部材の入口から
は、PC鋼材P2が挿入され、この挿入されたPC鋼材
P2は、となり合う立壁用プレキャストPC部材8、
8、または、柱部用及び梁部用プレキャストPC部材2
6、28の挿通用孔部20または25、27の内部を通
った後、反対側の柱部用プレキャストPC部材18の挿
通用孔部17形成用の管部材の出口から外側に出てく
る。
【0044】具体的には、図1の外壁部の柱部用プレキ
ャストPC部材18の前記管部材の各入口S1、S2、
S3、S4、S5、S6、S7は、反対側の柱部用プレ
キャストPC部材18の出口T1、T2、T3、T4、
T5、T7とそれぞれ対応し、入口S1から挿通された
PC鋼材P2は、前記管部材の出口T1から出ることに
なる。以下、同様に、前記管部材の入口S2〜入口S7
から挿通された各PC鋼材P2は、前記管部材の出口T
2〜T7からそれぞれ出ることになる。
【0045】よって、前記管部材の各入口S1〜S7、
各出口T1〜T7から外側に出ているPC鋼材P2の両
先端部に、締め付け金具(図示せず)等をそれぞれ取り
付けて、工具等を用いてPC鋼材P2を緊張し、挿通用
孔部17、20、27を形成用の管部材の内部に、例え
ば、セメントミルク等の充填材を入れて、PC鋼材P2
と立壁部用プレキャストPC部材8とを一体化させて、
立壁部用プレキャストPC部材8にプレストレスを付与
するのが望ましい。
【0046】それにより、外壁部の柱部用プレキャスト
PC部材18と、立壁部用プレキャストPC部材8とが
相互に一体化され、また、前記外壁部の内側の柱部用プ
レキャストPC部材26と、前記コーナ以外の柱部用プ
レキャストPC部材18と、梁部用プレキャストPC部
材28とが相互に一体化されて、地下貯留槽4は極めて
強固で耐久性に富むようになる。
【0047】もっとも、前記PC鋼材P2の挿通を省略
してもよいし、また、梁部用プレキャストPC部材28
を、柱部用プレキャストPC部材26、18間に必ずし
も掛け渡さなくてもよい。
【0048】そして、立壁部用プレキャストPC部材8
上に、図1に示されるように、例えば、外壁部の短辺部
分Q2の長さL1と同程度の長さを有する、頂版用コン
クリート部材10を外壁部の長辺部分Q1、Q1間を掛
け渡すようにして、長辺部分Q1方向に複数個順番に載
せて固定することにより、地下貯留槽4の天井部分が構
築される。
【0049】尚、頂版用コンクリート部材10と、立壁
部用プレキャストPC部材8との固定方法は、以下の通
りである。すなわち、図12に示されるように、頂版用
コンクリート部材10の両端部に設けられた、座ぐり孔
Z1及びこの座ぐり孔Z1と連通するボルト孔Z2とか
らなる貫通孔Zに、上方側からボルトZ3を差し込む。
そして、ボルトZ3のネジ部を、立壁部用プレキャスト
PC部材8の上端面に形成したネジ孔Z4にネジ込み、
前記座ぐり孔Z1に、モルタル等を充填することにより
固定する。もっとも、頂版用コンクリート部材10と立
壁部用プレキャストPC部材8との固定方法としては、
これ以外の方法を採用しても良い。また、頂版用コンク
リート部材10は、例えば、プレテンション方式でプレ
ストレスが付与された、プレキャストプレストレストコ
ンクリート部材からなるものであっても良い。もちろ
ん、頂版用コンクリート部材10に、ポストテンション
方式によりプレストレスを付与するようにしても良い。
【0050】頂版用コンクリート部材10の一部には、
側溝に流れ込んだ雨水を前記貯留槽4内へ流し込むため
の、流入用開口部(図示せず)及び、この貯留槽4内で
貯えられた雨水を河川等につながる排水溝等に流すため
の、排水用開口部(図示せず)が設けられており、これ
ら流入及び排水用開口部を介して、流入用ホース及び排
水用ホースをそれぞれ前記貯留槽4内に差し込むことが
できる。
【0051】次に、この実施の形態の地下貯留槽4の構
築方法について簡単に説明する。
【0052】最初に、基礎栗石12上に捨てコンクリー
ト14を敷いて、底版コンクリート部6を形成した後
に、立壁部用プレキャストPC部材8及び柱部用プレキ
ャストPC部材18を配列する。隣り合う立壁用プレキ
ャストPC部材8の側端部8a、8b間を、連結用金具
8Y及び8Zを用いて仮固定し、目地処理を行う。
【0053】次に、地下貯留槽4の外壁部の内側に、柱
部用プレキャストPC部材26、26を立設し、この柱
部用プレキャストPC部材26、26と、外壁部のコー
ナ以外の柱部用プレキャストPC部材18、18との間
に、梁部用プレキャストPC部材28、28を掛け渡す
ように取り付ける。
【0054】そして、柱部用プレキャストPC部材18
の前記管部材の入口S1〜S7から、PC鋼材P2を挿
通し、反対側の柱部用プレキャストPC部材18の外側
の出口T1〜T7から出して、管部材の各出入口S1〜
S7、T1〜T7から外側に出ているPC鋼材P2の両
先端部に、締め付け金具(図示せず)等をそれぞれ取り
付けて、工具等を用いてPC鋼材P2を緊張することに
より、立壁部用プレキャストPC部材8、柱部用及び梁
部用プレキャストPC部材18、26、28に対して、
水平方向にプレストレスを付与することができる。その
後、挿通用孔部17、20、25、27を形成用の管部
材の内部に、例えば、セメントミルク等の充填材を入れ
て、PC鋼材P2と立壁部用プレキャストPC部材8、
柱部用及び梁部用プレキャストPC部材18、26、2
8とを一体化させる。
【0055】その後、底版コンクリート部6の設置溝1
6内に、モルタル材を詰めて、立壁用プレキャストPC
部材8、柱部用プレキャストPC部材18、26を相互
に固着する。尚、必要に応じて、地下貯留槽4の内面及
び外面に、止水材を塗布するのが望ましい。
【0056】そして、地下貯留槽4の上部に、前記流入
及び排水用開口部を設けるとともに、頂版用コンクリー
ト部材10を、外壁部の長辺部分Q1、Q1間に複数個
順番に掛け渡すようにして、長辺部分Q1方向に載せて
固定する。その後、頂版用コンクリート部材10、10
相互間の目地処理を行い、流入及び排水用開口部を介し
て、流入及び排水用ホースを差し込み、それら頂版用コ
ンクリート部材10、10上に、盛り土すればよい。
【0057】尚、底版コンクリート部上に、柱部用プレ
キャストPC部材を立てる方法は、必ずしも上記実施の
形態に限定される必要はない。例えば、図13及び14
に示されるように、底版コンクリート部34に、PC鋼
棒P4を立て、このPC鋼棒P4の上端側が、柱部用プ
レキャストPC部材36の幅広部に設けられた、上下に
貫通する複数の貫通孔38内に差し入れられるように、
柱部用プレキャストPC部材36を底版コンクリート部
34上に、ドライモルタル40を介して置く。そして、
貫通孔38内を貫通したPC鋼棒P4の上方側に、締め
付け金具等42を取り付けて、工具等を用いてPC鋼材
P4を上下に緊張した後、貫通孔38内にモルタル材等
を入れて、このPC鋼材P4と柱部用プレキャストPC
部材36とを一体化させて、柱部用プレキャストPC部
材36にプレストレスを付与し、締め付け金具等42上
に、保護モルタル44を塗布する。それにより、柱部用
プレキャストPC部材36は、底版コンクリート部34
上に強固に固着される。
【0058】そのため柱部用プレキャストPC部材36
は、その内部にPC鋼材P5が高さ方向に予め配置され
て、プレテンション方式により、プレストレスが付与さ
れるとともに、貫通孔38内に、後からPC鋼材P4を
挿通して、ポストテンション方式により、プレストレス
が付与されることにより、極めて強固で耐久性に富むよ
うになる。
【0059】また、外壁部の内側の柱部用プレキャスト
PC部材と、前記外壁部コーナ以外の、柱部用プレキャ
ストPC部材との間に、梁部用プレキャストPC部材を
掛け渡すように取り付ける方法としては、例えば、次の
ような方法を採用しても良い。
【0060】すなわち、図15及び16に示されるよう
に、外壁部の内側の柱部用プレキャストPC部材50と
して、その両側面に支持用ブラケット52が予め固着さ
れている柱部用プレキャストPC部材50を使用する
が、支持用ブラケット52は、後付けでも良い。そし
て、支持用ブラケット52が、各梁部用プレキャストP
C部材54、54の長手方向の端部54a、54aを、
下方側からそれぞれ支えるようにして、梁部用プレキャ
ストPC部材54、54を、柱部用プレキャストPC部
材50と外壁部のコーナ以外の柱部用プレキャストPC
部材55との間に掛け渡すように取り付ける。各支持用
ブラケット52、30上における、梁部用プレキャスト
PC部材54の各端部54a、54eと、柱部用プレキ
ャストPC部材50の両側面及び柱部用プレキャストP
C部材55の内側側面との間に、目地コンクリート5
6、56を充填する。
【0061】外壁部の柱部用プレキャストPC部材55
の前記管部材の入口から挿入されたPC鋼材P2は、柱
部用及び梁部用プレキャストPC部材55、50、54
の挿通用孔部55a、50a、54b形成用の管部材の
内部を通った後、反対側の柱部用プレキャストPC部材
55の管部材の出口から外側に出る。そして、前記管部
材の出入口から外側に出ているPC鋼材P2の両先端部
に、締め付け金具等をそれぞれ取り付けて、工具等を用
いてPC鋼材P2を緊張することにより、柱部用及び梁
部用プレキャストPC部材50、55、54に対して、
水平方向にプレストレスを付与することができる。その
後、挿通用孔部50a、55a、54b形成用の管部材
の内部に、例えば、セメントミルク等の充填材を入れ
て、PC鋼材P2と、柱部用及び梁部用プレキャストP
C部材50、55、54とを一体化させる。
【0062】更に、柱部用プレキャストPC部材50、
55には、厚み方向に、柱部と梁部の接合を強化圧着す
るための圧着接合用孔部50b、55bが設けられてい
る。また、柱部用プレキャストPC部材50、55の間
に掛け渡されるように取り付けられる梁部用プレキャス
トPC部材54にも、長手方向に延びる別の圧着接合用
孔部54c、54c、54f、54fがそれぞれ設けら
れている。これら柱部用及び梁部用プレキャストPC部
材50、55、54の各圧着接合用孔部50b、54
c、及び、55b、54fは、相互に連通しており、こ
れら連通する圧着接合用孔部50b、54c、及び、5
5b、54fに、後からPC鋼材P6、P7を挿通し
て、ポストテンション方式により、これら柱部用及び梁
部用プレキャストPC部材50及び54、並びに、55
及び54に接合強化のプレストレスが付与されるように
なっている。
【0063】すなわち、柱部用及び梁部用プレキャスト
PC部材50及び54、並びに、55及び54には、そ
の上下及び左右に、互い連通する複数の圧着接合用孔部
50b及び54c、並びに、55b及び54fが設けら
れている。また、梁部用プレキャストPC部材54に
は、前記圧着接合用孔部54c、54fの一方側が開口
する切り欠き部K1、K1が、その梁部用プレキャスト
PC部材54の両側部を残すようにして、上下及び左右
に複数個設けられ、これら切り欠き部K1、K1の左右
の側端面には、PC鋼材P6、P7の出入口54d、5
4dが設けられている。よって、その出入口54d、5
4d並びに柱部用プレキャストPC部材55の外側面の
出入口から外側に出ているPC鋼材P6、P6、及び、
P7、P7の両先端部に、締め付け金具等をそれぞれ取
り付けて、工具等を用いてPC鋼材P6、P6、及び、
P7、P7を緊張することにより、柱部用及び梁部用プ
レキャストPC部材50、55、54に対して、水平方
向にプレストレスが付与されるようになっている。そし
て、圧着接合用孔部50b、54c、及び、55b、5
4fの内部に、例えば、セメントミルク等の充填材を入
れて、PC鋼材P6、P6、及び、P7、P7と柱部用
及び梁部用プレキャストPC部材50、55、54とを
一体化させる。
【0064】尚、地下貯留槽の形状は、既述した実施の
形態の形状に限定される訳ではなく、例えば、平面形状
が、正方形、円形もしくは長円形状の地下貯留漕など、
その他の形状からなるものであってもよいし、あるい
は、上下に2層以上からなるものであってもよい。ま
た、例えば、図17に示されるように、外壁部のコーナ
部の立壁部用プレキャストPC部材56をL型形状にし
たり、さらに、コーナ部以外の一部の立壁部用プレキャ
ストPC部材58の形状を、梁部用プレキャストPC部
材60を支持するための肉厚部を備える形状とするな
ど、立壁部用プレキャストPC部材の形状を適宜変更し
てもよい。
【0065】また、立壁部用プレキャストPC部材の高
さH1及び幅B1等も任意に設定できし、また、地下貯
留槽は、雨水以外に、例えば、排水などを貯えてもよい
し、それ以外のものを貯えてもよい。
【0066】
【発明の効果】以上、詳述したところから明らかなよう
に、この発明にかかる地下貯留槽によれば、次の効果が
ある。
【0067】請求項1に記載された地下貯留槽によれ
ば、掘削された設置現場に底版コンクリート部を現場打
ちコンクリートで形成し、この底版コンクリート部に立
壁部用プレキャストプレストレストコンクリート部材
(以下、プレストレストコンクリート部材をPC部材と
略称する)を配列固定し、これら立壁部用プレキャスト
PC部材上に、頂版用プレキャストコンクリート部材を
載せて固定することにより構築されるので、従来の地下
貯留槽の立壁部用コンクリート材等を、現場で製造する
場合に比べて、その型枠の設置作業、及び現場打ちコン
クリートの養生待ちなどが不要となる。このように、こ
の発明の地下貯留槽は、現場打ちコンクリートからなる
底版コンクリート部、立壁部用プレキャストPC部材及
び頂版用プレキャストコンクリート部材を合理的に併用
しているため、現場作業の省力化を図って、それに要す
る費用を節約して工期を大幅に短縮するとともに、プレ
キャストPC部材を使用することにより、構造的に弾性
に富みクラックの発生を防止して、強固で耐久性に富む
構築物となる。
【0068】また、請求項2に記載された地下貯留槽に
よれば、立壁部用プレキャストPC部材には、予め配置
したPC鋼材で、プレテンション方式により、プレスト
レスが、高さ方向に付与されているとともに、後からP
C鋼材を挿通用孔部に挿通して、ポストテンション方式
により、プレストレスが水平方向に付与されるので、立
壁部用プレキャストPC部材には、高さ方向及び水平方
向にプレストレスが付与されて、地下貯留槽は非常に強
固で耐久性に富む構築物となる。
【0069】また、請求項3に記載された地下貯留槽に
よれば、梁部用プレキャストPC部材は、地下貯留槽の
内側に立設された柱部用プレキャストPC部材と、地下
貯留槽の外壁部の柱部用プレキャストPC部材との間に
掛け渡されるように取り付けられるとともに、柱部用及
び梁部用プレキャストPC部材の挿通用孔部に、後から
PC鋼材を挿通して、ポストテンション方式により、プ
レストレスを付与するので、これら柱部用及び梁部用プ
レキャストPC部材が、相互に一体化して、地下貯留槽
は極めて強固で耐久性に富む構築物となる。
【0070】また、請求項4に記載された地下貯留槽に
よれば、地下貯留槽の内側の柱部用プレキャストPC部
材を挟むように、その両側に梁部用プレキャストPC部
材が取り付けられ、これら柱部用及び梁部用プレキャス
トPC部材の圧着接合用孔部に、後からPC鋼材を挿通
して、ポストテンション方式により、プレストレスを付
与するので、柱部用プレキャストPC部材と梁部用プレ
キャストPC部材との接合が強化され、地下貯留槽はよ
り一層強固で耐久性に富む構築物となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る地下貯留槽の一実施の形態の平
面図である。
【図2】同じく地下貯留槽の側面図である。
【図3】図1におけるAーA線拡大断面図である。
【図4】図1におけるBーB線拡大断面図である。
【図5】図1の一部拡大断面図である。
【図6】この実施の形態に用いられる立壁部用プレキャ
ストPC部材の拡大正面図である。
【図7】おなじく拡大背面図である。
【図8】隣り合う立壁用プレキャストPC部材の側端部
間の連結用金具の周囲を拡大して示す正面図である。
【図9】隣り合う立壁用プレキャストPC部材の側端部
間を拡大して示す断面図である。
【図10】この実施の形態の柱部用プレキャストPC部
材を底版コンクリート部に立てた状態を拡大して示す断
面図である。
【図11】図10におけるCーC部の断面図である。
【図12】立壁用プレキャストPC部材と頂版用プレキ
ャストコンクリート部材との接合部分を拡大して示す断
面図である。
【図13】他の実施の形態の図10相当図である。
【図14】図13におけるDーD部の断面図である。
【図15】他の実施の形態の梁部用プレキャストPC部
材と、柱部用プレキャストPC部材との接合部分の側面
図である。
【図16】おなじく平面図である。
【図17】地下貯留槽のその他の変形例を示す平面図で
ある。
【符号の説明】
4 地下貯留槽 K0 設置現場 6 底版コンクリート部 8 56 58 立壁部用プレキャストプレストレスト
コンクリート部材 10 頂版用プレキャストコンクリート部材 28 54 60 梁部用プレキャストPC部材 P
1 P2 PC鋼材 17 20 25 27 50a 54b 55a 挿
通用孔部 50b 54c 54f 55b 圧着接合用孔部 18 26 50 55 柱部用プレキャストプレスト
レストコンクリート部材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水等を貯めることができる地下貯留槽で
    あって、 掘削された設置現場に現場打ちコンクリートより形成さ
    れた底版コンクリート部と、 この底版コンクリート部上に配列固定される複数の立壁
    部用プレキャストプレストレストコンクリート部材と、 これら立壁部用プレキャストプレストレストコンクリー
    ト部材上に載せて固定される頂版用プレキャストコンク
    リート部材とからなる地下貯留槽。
  2. 【請求項2】 前記立壁部用プレキャストプレストレス
    トコンクリート部材には、PC鋼材が高さ方向に予め配
    置されて、プレテンション方式により、プレストレスが
    付与されており、また、水平方向に設けられた挿通用孔
    部に、後からPC鋼材を挿通して、ポストテンション方
    式により、プレストレスが付与される請求項1に記載の
    地下貯留槽。
  3. 【請求項3】 前記地下貯留槽の外壁部及びその内側
    に、厚み方向に挿通用孔部を備えている柱部用プレキャ
    ストプレストレストコンクリート部材をそれぞれ立設
    し、この柱部用プレキャストプレストレストコンクリー
    ト部材相互の間に、長手方向に挿通用孔部を備えている
    梁部用プレキャストプレストレストコンクリート部材を
    掛け渡すように取り付け、これら柱部用及び梁部用プレ
    キャストプレストレストコンクリート部材の挿通用孔部
    に、後からPC鋼材を挿通して、ポストテンション方式
    により、プレストレスが付与される請求項1または2に
    記載の地下貯留槽。
  4. 【請求項4】 前記地下貯留槽の内側の柱部用プレキャ
    ストプレストレストコンクリート部材には、厚み方向に
    圧着接合用孔部が設けられており、この柱部用プレキャ
    ストプレストレストコンクリート部材を挟むように、そ
    の両側に取り付けられる梁部用プレキャストプレストレ
    ストコンクリート部材に長手方向に別の圧着接合用孔部
    がそれぞれ設けられており、これら柱部用及び梁部用プ
    レキャストプレストレストコンクリート部材の圧着接合
    用孔部に、後からPC鋼材を挿通して、ポストテンショ
    ン方式により、プレストレスが付与される請求項3に記
    載の地下貯留槽。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20200137455A (ko) * 2019-05-30 2020-12-09 심낙훈 단위 블럭을 구비한 저류조
KR102503888B1 (ko) * 2022-09-21 2023-02-27 (주)주성이앤씨 계단식 변단면 구조의 프리텐션 psc벽체를 구비한 지하공간구조물 및 이의 시공방법

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