JP3969391B2 - アナログユニットシステム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、アナログユニット、特に、そのパラメータの自動校正・調整に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
広くアナログユニットと称されるものは、一般的に、A/D変換ユニットとD/A変換ユニットとに分類される。
A/D変換ユニットは、電圧若しくは電流を入力し、デジタル出力値に変換するものである。
D/A変換ユニットは、デジタル値を指定し、その値に対応した電圧若しくは電流を出力するものである。
以下、この明細書中においては、主に、アナログユニットとして、A/D変換ユニット、すなわちアナログ値からデジタル値へ変換するユニットの場合について説明することとする。
【0003】
従来は、A/D変換ユニットの調整時や交換時等において、専門の技術者が1チャンネル毎に手動で校正を行っていた。チャンネルとは、1つのA/D変換ユニット中にある複数のA/D変換回路のうちの1機能単位のことであり、例えばシーケンサ用のA/D変換ユニットの場合には1つのユニットに4乃至8チャンネルのA/D変換回路を有している。
【0004】
校正が必要なのは、チャンネル毎のA/D変換特性が異なるためである。変換特性が異なる要因は、A/D変換回路を構成する個々のパーツに特性のバラツキがあるためである。
A/D変換ユニットの校正とは、電圧若しくは電流等の、或るアナログ値が入力されたときに、特定のデジタル出力値を出力するように調整するものである。
A/D変換ユニットとして、例えば、0乃至10Vを入力し、0乃至4000のデジタル値を出力するものを例にする。
まず、第13図に、従来の、例えばFAシステムの一部としてのアナログユニットシステム及びそのシステムにおける信号の流れを示す。以下の説明では、アナログ入力信号が電圧の場合を想定しているが、電流の場合も同様である。
【0005】
第13図において、A/D変換ユニット(以下適宜、ユニットと記す)104は、アナログ信号を入力し、デジタル信号を出力するものである。シーケンサ等の中央制御装置5は、A/D変換ユニット104を含むFAシステム全体を制御する。中央制御装置5中の一時記憶メモリ6は、制御するシーケンスプログラムを格納するシーケンスプログラムメモリ6aとその他のデータ(例えばA/D変換ユニット104から出力されたデジタル出力値)を格納すなわち記憶するデバイスメモリ6bとを有するものである。
【0006】
A/D変換ユニット104中のA/D変換回路1は、外部よりアナログ信号を入力し、デジタル信号(ADCコード)へ変換し出力する。
スケーリング手段2は、入力されたADCコードから処理しやすい形のデジタル値に変換する。例えば、1乃至5Vの入力でデジタル出力値を0乃至4000の範囲で出力したい場合、オフセット電圧として1Vの時のADCコードとゲイン電圧として5Vの時のADCコードと現在入力されている電圧のADCコードから現在の電圧に相当するデジタル出力値を出力する。
【0007】
不揮発性メモリ3は、オフセット電圧印加時のADCコード及びゲイン電圧印加時のADCコードを記憶し、スケーリング手段2をスケーリング処理実施時に参照する。
【0008】
通常、A/D変換ユニット104は、第13図のとおり、A/D変換回路1及びスケーリング手段2を有し、不揮発性メモリ3にスケーリングする際に用いる仕様上最も低いオフセット電圧を印加した際に出力するADCコード(以下適宜、オフセット値と記す)と、最も高いゲイン電圧を印加した際に出力するADCコード(以下適宜、ゲイン値と記す)として、A/D変換ユニットの生産時に工場で設定する工場オフセット値Fo,工場ゲイン値Fgと、ユーザが使用する現場で設定するユーザオフセット値Uo,ユーザゲイン値Ugとを保存し、スケーリング手段2によって、0乃至4000のデジタル値に出力され、中央制御装置5の一時記憶メモリ6中のデバイスメモリ6bに格納され、シーケンスプログラム6aに従い、システムの何らかの処理時に参照される。
【0009】
ここで、オフセット電圧,ゲイン電圧について定義しておく。オフセット電圧とは、そのA/D変換ユニットの特定のチャンネルにおいて入力される電圧の一番低い電圧の値で、その入力電圧値に対応してデジタル出力値として最低の値、例えば0乃至4000にスケーリングされる場合の出力値0が出力される入力電圧のことである。ゲイン電圧は、その特定のチャンネルにおいて入力される一番高い電圧の値で、その入力電圧値に対応してデジタル出力値として最高の値、例えば0乃至4000にスケーリングされる場合の出力値4000が出力される入力電圧のことである。
すなわち、入力する電圧の範囲が0乃至5Vの場合、オフセット電圧は0V、ゲイン電圧は5Vとなる。
【0010】
ここで、スケーリング手段2について説明する。スケーリング手段2において、A/D変換回路1に印加された電圧に比例したADCコードIadcを入力値として受け取り、不揮発性メモリ3から、ユーザオフセット値Uo,ユーザゲイン値Ugを参照する。さらにスケーリングして出力する際の最低値をSo,最大値をSgとする。スケーリング手段3から出力されるデジタル出力値Sdは、以下の式で求められる。
【0011】
【数1】
Figure 0003969391
【0012】
但し、上記の式(1)においてそれぞれ、Uoはユーザオフセット値、Ugはユーザゲイン値、IadcはA/D変換回路より出力される値(ADCコード)、Sdはスケーリング計算後の値(デジタル出力値)、Sgはスケーリング時の最高値(Soが0でない場合はSg+Soが最高値)、Soはスケーリング時の最低値である。
一般にスケーリング範囲は0乃至4000など、最低値は0であるので、式(1)からSoの項を除いた以下の式で求める。
【0013】
【数2】
Figure 0003969391
【0014】
この式(2)により、入力電圧がオフセット電圧の場合、ADCコードがUoであるため最初の項が0になり、スケーリング時の最低値Soがデジタル出力値となる。入力電圧がゲイン電圧の場合、ADCコードがUgであるため、最初の項が1となり、Sgがデジタル出力値となる。
すなわち、最初の項はADCコードがUoからUgまでの範囲にある場合、0乃至1の値を示し、これをSg倍することにより、線形変換を実現する。
【0015】
例えば、第13図に示す装置において、0乃至4000のデジタル出力値を出力する場合、Uoを890,Ugを4050とし、入力されるADCコードが1680とすると、出力されるべきデジタル出力値は、上記の式(5)を用いて計算すると、
【0016】
【数3】
Figure 0003969391
【0017】
となる。
スケーリング手段2が必要なのは、個々のA/D変換回路1が特性上のバラツキを有し、そのバラツキを吸収するためである。例えば、電圧を印加したとき、出力するADCコードが0Vを印加した場合100を出力し、10Vを印加した場合8000を出力するチャンネル1と、0V印加の場合105を出力し、10V印加の場合8020を出力するチャンネル2とが存在する場合、チャンネル1のオフセット値を100、ゲイン値を8000とし、チャンネル2のオフセット値を105、ゲイン値を8020として、0乃至4000のスケーリングを施すことにより、どちらのチャンネルもオフセット電圧0Vを印加すると、デジタル出力値0が出力され、ゲイン電圧10Vを印加すると、デジタル出力値4000が出力される。すなわち、スケーリング処理により、個々のA/D変換回路の特性のバラツキを吸収することができる。
【0018】
このスケーリング処理を施し、バラツキを吸収するためには、個々のA/D変換回路の特性を計測し、ユーザオフセット値,ユーザゲイン値を決定し、保存する必要がある。
さて、ユーザオフセット値及びユーザゲイン値の設定について、第13図に示すように例えば可変電圧発生装置7からの出力をA/D変換ユニット104へ入力する場合を説明する。
【0019】
ユーザが操作する手順は第14図に示すとおりである。
まず最初にステップa1にて、ユーザ指示により中央制御装置5をSTOP状態にする。次にステップa2にて、ユーザ指示によりA/D変換ユニット104をオフセット・ゲイン設定モードにする。A/D変換ユニット104がオフセット・ゲイン設定モードになったら、ステップa3にて、ユーザが可変電圧発生装置7を操作し、オフセット電圧を印加する。
ユニット104の内部ではオフセット電圧を受けてA/D変換回路1に入力され、対応したADCコードを出力する。
次にステップa4にて、ユーザの指示によりユーザオフセット値の設定をする。ユニット104の内部では、現在出力されているADCコードを、不揮発性メモリ3のユーザオフセット値Uoに対応する領域に書き込む。
【0020】
次にステップa5にて、ユーザが可変電圧発生装置7を操作し、ゲイン電圧を印加する。この時、ユニット内部ではゲイン電圧をうけてA/D変換回路1に入力され、対応したADCコードを出力する。
ユニット104の内部では、現在出力されているADCコードを不揮発性メモリ3のユーザゲイン値Ugに対応する領域に書き込む(ステップa6)。
以上の操作をA/D変換ユニット104内に存在するチャンネル数分繰り返す(ステップa7)。
【0021】
全てのチャンネルの設定が終了したら、ユーザ指示によりA/D変換ユニット104を通常モードにする(ステップa8)。通常モードにすることで、ユニット104内部では、新たに設定されたユーザオフセット値及びユーザゲイン値を参照してスケーリング処理が行われ、設定したとおりのデジタル出力値を出力可能となる。
そしてステップa9にて、ユーザ指示により中央制御装置5をRUN状態にすることにより、システム全体が再稼動する。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
上述の従来の調整・校正作業は、ユニット調整時においては、チャンネル毎のアナログ・デジタル変換特性が異なるため、専門の技術者が1チャンネル毎に手作業でスイッチ操作により調整する必要があり、操作も煩雑で多くの時間を費やす作業であった。
また、ひとたびFAシステム中にユニットを組み込んだ後のFAシステム稼動中のユニット交換時等においては、設置現場の近くにユニット調整の専門の技術者がいない場合が多く、一般のユーザが調整・校正を行なう場合、効率が悪く、正確な調整が困難であった。
また、調整・校正中は、FAシステムを、全体的或いはかなり広範囲に亘り停止させる必要があり、FAシステム停止に伴なう損害が大きくなるおそれもあった。
【0023】
そこで、この発明は、上述のような問題点を解決するためになされたものであり、ユニット調整時等において、FAシステム等のシステムの停止を一部に限定し、システム全体を停止させず、専門知識がなくても簡単な操作で、ユーザ(オペレータ)がユニットの実際に使用されるユーザオフセット値及びユーザゲイン値の調整・校正を自動的かつ迅速に行い、短時間でユニットの実際に使用されるユーザオフセット値及びユーザゲイン値の調整ができ、また、ユニット交換時等においても、新しいユニットの調整・校正を自動的且つ迅速に行って、システム全体としての稼動効率を上げることに貢献出来るアナログユニットを提供することを目的とするものである。
【0024】
【課題を解決するための手段】
この発明は、第一の工場設定値と第一のユーザ設定値とを記憶する記憶手段と、前記第一の工場設定値と同種パラメータである第二の工場設定値と前記記憶手段から読み出された前記第一の工場設定値及び前記第一のユーザ設定値とに基き第二のユーザ設定値を算出する演算手段と、この演算手段により算出された第二のユーザ設定値を用いてアナログ値とデジタル値との変換を行う変換手段とを備えたアナログユニットシステムを提供するものである
【0025】
また、この発明は、第一の工場設定値と第一のユーザ設定値とを記憶する第一の記憶手段を有する第一のアナログユニットと、前記第一の記憶手段から読み出された前記第一の工場設定値と前記第一のユーザ設定値とを記憶する第二の記憶手段と、前記第一の工場設定値と同種パラメータである第二の工場設定値と前記第二の記憶手段から読み出された前記第一の工場設定値及び前記第一のユーザ設定値とに基き第二のユーザ設定値を算出する演算手段と、この演算手段により算出された前記第二のユーザ設定値を記憶する第三の記憶手段を有する第二のアナログユニットとを備えたアナログユニットシステムを提供するものである
【0026】
また、この発明は、第二のアナログユニットが複数台存在るアナログユニットシステムを提供するものである
【0027】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
この発明の好適な実施の形態を、図を用いて説明する。第1図は、この発明の第一の実施の形態によるアナログユニットシステムを示すブロック図である。図中の主な構成要件について簡単に説明する。
A/D変換回路1はアナログ入力信号をADCコードに変換する。スケーリング手段2はADCコードをデジタル出力値に変換する。
不揮発性メモリ3はスケーリング手段2で参照されるユーザオフセット値,ユーザゲイン値,工場オフセット値,工場ゲイン値を格納する。
退避レンジ選択手段9は、退避が指示された場合、どのレンジを退避するかを選択する。復元レンジ選択手段10は、復元が指示された場合、どの入力レンジを復元するかを選択する。
【0028】
入力レンジとは、A/D変換ユニットの1つのチャンネルにおいて、使用できるアナログ値の範囲のことであり、オフセット電圧,ゲイン電圧によって示す。例えば、0乃至5Vレンジという入力レンジの場合、オフセット値は0V,ゲイン値が5Vとなる。
オフセット補正式選択手段11は、復元が指示された場合、どのオフセット補正式を使用するかを選択する。ゲイン補正式選択手段12は、復元が指示された場合、どのゲイン補正式を使用するかを選択する。
第一のオフセット補正算出手段13a及び第二のオフセット補正算出手段13bは、復元が指示された場合、それぞれ、そのユニットのそのチャンネルにあったユーザオフセット値Uorを、継承元の工場オフセット値Fo,工場ゲイン値Fg,ユーザオフセット値Uoと、不揮発性メモリ3に格納されている工場オフセット値For,工場ゲイン値Fgrから補正算出する。
【0029】
第一のゲイン補正算出手段14a及び第二のゲイン補正算出手段14bは、復元が指示された場合、それぞれ、そのユニットのそのチャンネルにあったユーザゲイン値Ugrを復元元の工場オフセット値Fo,工場ゲイン値Fg,ユーザゲイン値Ugと、不揮発性メモリ3に格納されている工場オフセット値For,工場ゲイン値Fgrから補正算出する。
この実施の形態によるA/D変換ユニット4は、従来のA/D変換ユニット104と同様に、A/D変換回路1,スケーリング手段2,不揮発性メモリ3を有し、デジタル出力値はシーケンサ等の中央制御装置5の一時記憶メモリ6中のデバイスメモリ6bに格納される。
なお、不揮発性メモリ3には、ユニット固有情報3aがユニットに1つ、レンジ設定情報3bが1チャンネルに選択設定できるレンジ数分、工場オフセット値Fo,工場ゲイン値Fg,ユーザオフセット値Uo,ユーザゲイン値Ugが、入力レンジ数×チャンネル数分だけ記録される。
【0030】
ユニット固有情報3aは、例えば、機種Aに関しては1、機種Bに関しては2、というように同一機種には同じ数値を割り当て、異なる機種には異なる数値を割り当てて、中央制御装置5及びシステム上に存在するユニットの機種を特定するための情報である。
レンジ設定情報3bは、1つのチャンネルに選択設定できる入力レンジの数だけ固有の数値を割り当てる。通常は0又は1から始まるシリアルナンバーである。このシリアルナンバーを例えば、0乃至10Vレンジを0、1乃至5Vレンジを1、0乃至5Vレンジを2と割り当てる。
この実施の形態によるA/D変換ユニット4において、ユーザオフセット値及びユーザゲイン値が設定済みであるユニットAと未設定のユニットBとを用意する。
【0031】
第2図は、ユーザレンジ退避の手順を示すフローチャートである。なお、説明の簡略化のため第2図のフローチャートは、レンジNo.,チャンネル数の更新等、当然処理されるべき事項はフローチャートより省略してある。
ユーザオフセット値及びユーザゲイン値が設定済みのA/D変換ユニット4a(ユニットA)からADCコードであるユーザオフセット値,ユーザゲイン値等のユーザレンジ設定を、中央制御装置5の一時記憶メモリ6に退避、すなわち移動して記憶させるために、第2図において、まずステップb1にて、ユーザは、中央制御装置5経由でユーザレンジ退避要求をする。この際、例えばA/D変換ユニット4aにある数値を格納できるデバイス(A/D変換ユニット及び中央制御装置5が双方とも読み出し,書き込みが可能なメモリ)に対して、退避するチャンネル及びレンジNo.を引数として格納する。次にステップb2にて、A/D変換ユニット4は、退避処理の開始のタイミングをとるため、中央制御装置5からユーザレンジ退避のトリガを受け取る。次にステップb3にて、まずユニット固有情報3aを中央制御装置5の一時記憶メモリ6に退避する。この処理は、ユーザレンジ復元時に誤った別の機種のユニットを装着した際にエラーで誤ったユーザレンジを書き込むことを防ぐために行う。
【0032】
次にステップb4にて、退避レンジ選択手段9により、ステップb1の手順で格納されている退避するチャンネル及びレンジNo.を参照して退避するレンジを選択し、中央制御装置5の一時記憶メモリ6に退避する。退避するデータは、該当するレンジの工場オフセット値Fo,工場ゲイン値Fg,ユーザオフセット値Uo,ユーザゲイン値Ug及びレンジNo.である。レンジNo.を退避データに含めるのは、ユニットの持つ全ての入力レンジデータを退避せず、実際に必要な入力レンジのみに限定して、転送データ量を最小限にするためである。
次にステップb5にて、必要な入力レンジ数分退避したか否かを判断する。必要な入力レンジ相当のデータのみ退避するためである。まだ必要な入力レンジが残っていたらステップb4からの処理を継続する。
次にステップb6にて、必要なチャンネル数分退避したか否かを判別する。まだチャンネル数分実行していなかったらステップb4からの処理を継続する。次にステップb7にて、A/D変換ユニット4aは、中央制御装置5に対してユーザレンジ退避処理終了のステータスを返す。
【0033】
最後にステップb8にて、ユーザは中央制御装置5からユーザレンジ退避完了のステータスをみてユーザレンジ退避の完了を確認する。
以上の処理によって、ユーザレンジの退避が実行され、中央制御装置5のデバイスメモリ6bに、A/D変換ユニット4aからのユニット固有情報,レンジ情報1乃至n,及びユーザレンジを復元するために必要な情報が格納される。
【0034】
第3図は、ユーザレンジ復元の手順を示すフローチャートである。なお、説明の簡略化のため、第3図のフローチャートは、レンジNo.,チャンネル数の更新等、当然処理されるべき事項はフローチャートより省略してある。ここで、ユーザレンジを未設定のA/D変換ユニットに設定・記憶させることを、復元と呼ぶこととする。
以下の説明において、ユーザレンジを復元されるA/D変換ユニット4b(ユニットB)の不揮発性メモリ3に格納される工場オフセット値For,工場ゲイン値Fgr,ユーザオフセット値Uor,ユーザゲイン値Ugrは、退避されている、すなわち予め一時記憶メモリ6等に記憶されているデータと区別するため、全て末尾にrを付加する。
なお、工場オフセット値For,工場ゲイン値Fgrは、A/D変換ユニット4bに予め固有に設定されているものである。
【0035】
ユーザオフセット値及びユーザゲイン値が設定されてないA/D変換ユニット4bにユーザオフセット値を復元するために、第3図において、まず、ステップc1にて、ユーザは、中央制御装置5経由でユーザレンジ復元要求をする。この際、例えばA/D変換ユニット4bにある数値を格納できるデバイス(A/D変換ユニット4b及び中央制御装置5が双方とも読み出し,書き込みが可能なメモリ)に対して、退避したデータを引数にする。次にステップc2にて、A/D変換ユニット4bは、復元処理の開始のタイミングをとるため、シーケンサなどの中央制御装置5からユーザレンジ復元のトリガを受け取る。次にステップc3にて、まずA/D変換ユニット4bが中央制御装置5の一時記憶メモリ6に予め記憶されているユニット固有情報3aを読み出す。次にステップc4にて、A/D変換ユニット4bが、同様に退避してデバイスメモリ6b内に記憶されているユニット固有情報とA/D変換ユニット4b側に記憶されているユニット固有情報とを読み出し比較することにより、双方のユニット固有情報が一致するか否かを判断する。もしも双方のユニット固有情報が異なる場合は、異なる機種のユニットのユーザレンジを復元しようとしているので、この場合はステップc18へ移り、A/D変換ユニット4bは中央制御装置5に対してユーザレンジ復元処理終了のエラーステータスを返すことを実行し、続いてステップc19にて、ユーザは中央制御装置5からユーザレンジ復元完了のステータスをみて復元処理の完了を確認する。
【0036】
異なる機種のユニット装着時の場合は、復元処理を実行せずに完了となるので、必要ならば、ユーザは復元すべき正しいA/D変換ユニットをシステムに装着後、ユーザレンジ復元の手順を最初(ステップc1)からやり直す。
一方、ステップc4において、中央制御装置5側に記憶されているユニット固有情報とA/D変換ユニット4b側に記憶されている固有情報とが一致し、正しい場合、ステップc5へ進み、復元レンジ選択手段10により、復元する入力レンジを選択し、中央制御装置5の一時記憶メモリ6から該当する入力レンジ対応のFo,Fg,Uo,Ugを取り出し、また、A/D変換ユニット4bの不揮発性メモリ3から該当するレンジのFor及びFgrを取り出す。
次にステップc6にて、オフセット補正式選択手段11は、工場オフセット値Fo,工場ゲイン値Fg,ユーザオフセット値Uo,ユーザゲイン値Ugを参照し、第一のオフセット補正算出手段13aまたは第二のオフセット補正算出手段13bのどちらを使うか、適切な方を選択する。
【0037】
この処理は、得られるユーザオフセット値Uorに含まれる誤差を最小にするため、最適なオフセット補正算出手段をオフセット補正式選択手段11が選択する。誤差を最小にするため、どちらのオフセット補正算出手段を選択するかについては後に詳述する。
次にステップc7にて、第一のオフセット補正算出手段13aを使用するか否かをオフセット補正式選択手段11が判断し、使用するのであればステップc8へ進み、第一のオフセット補正算出手段13aによりUorを求める。第一のオフセット補正算出手段13aを使用しない場合は、ステップc9へ進み、第二のオフセット補正算出手段13bによりUorを求める。ユーザオフセット値Uorの求め方については後述する。
次にステップc10にて、ゲイン補正式選択手段12により第一のゲイン補正算出手段14aまたは第二のゲイン補正算出手段14bのどちらを使うか、適切な方をゲイン補正選択手段12が選択する。この処理は、ステップc6での処理と同様に、ユーザゲイン値Ugrに含まれる誤差を最小にするため、最適なゲイン補正手段を選択する。
次にステップc11にて、第一のゲイン補正算出手段14aを使用するか否かをゲイン補正式選択手段12が判断し、第一のゲイン補正算出手段14aを使用するならばステップc12へ進み、第一のゲイン補正算出手段14aによりUgrを求めることとなる。一方、第一のゲイン補正算出手段14aを使用しないのならばステップc13へ進み、第二のゲイン補正算出手段14bによりUgrを求めることとなる。ユーザゲイン値Ugrの求め方については後述する。
【0038】
次にステップc14にて、求めたUor,UgrをA/D変換ユニット4bの不揮発性メモリ3中の該当するアドレスに書き込む。
次にステップc15にて、必要な入力レンジ数分復元したか否かをA/D変換ユニット4bが判断し、まだ必要な入力レンジが残っていたらステップc5からの処理を継続する。
必要な入力レンジ全てを処理済みの場合、必要なチャンネル数分復元したか否か、をA/D変換ユニット4bが判断し(ステップc16)、まだ必要なチャンネルが残っていたら、この場合もステップc5からの処理を継続する。
全て終了したら、ステップc17にて、A/D変換ユニット4bは、中央制御装置5に対してユーザレンジ復元処理終了のステータスを返す。
次にステップc19にて、ユーザは中央制御装置5からユーザレンジ復元完了のステータスをみてユーザレンジ復元の完了を確認する。
以上の一連の処理によって、ユーザレンジの復元が実行され、A/D変換ユニット4bの不揮発性メモリ3に、ユーザオフセットUor,ユーザゲインUgrが格納され、以降、このUor,Ugrを参照し、スケーリング手段2が処理される。
【0039】
次に、ユーザオフセット値Uor及びユーザゲイン値Ugrの、具体的な算出方法を説明する。
第2図の手順に示した方法で、中央制御装置5に退避されたA/D変換ユニット4a(ユニットA)の工場オフセット値Fo,工場ゲイン値Fg,ユーザオフセット値Uo,ユーザゲイン値Ugを用意する。さらにA/D変換ユニット4b(ユニットB)より、工場オフセット値For,工場ゲイン値Fgrを用意する。
Fo,Fg,Uo,Ugは、中央制御装置5のデバイスメモリ6bに存在するので、例えばA/D変換ユニット内の、記憶デバイス(A/D変換ユニット及び中央制御装置5が双方とも読み出し,書き込みが可能なメモリ)に対して、書き込みを行うことで、A/D変換ユニットに与える。
For,Fgrは、ユーザレンジ復元を実行するA/D変換ユニット中の不揮発性メモリ3に格納されているので、それを参照する。
【0040】
A/D変換ユニット4a(ユニットA)の工場オフセット値Fo,工場ゲイン値FgとA/D変換ユニット4b(ユニットB)の工場オフセット値For,工場ゲイン値Fgrとは、工場出荷時に設定される同一のレンジ設定であるため、同一の電圧を印加した場合、最終的にスケーリング手段2から出力されるデジタル出力値は、同一の値が出力される。すなわち、オフセット電圧をユニットAに印加すると、A/D変換回路1から出力されるADCコードはFoとなり、オフセット電圧をユニットBに印加するとForとなる。同様にゲイン電圧を印加すると、ユニットAではFg、ユニットBではFgrのADCコードが出力される。
工場設定のオフセット値,ゲイン値とユーザ設定のオフセット値,ゲイン値との比率は継承元のユニットAと継承先のユニットBとで等しいので
【0041】
【数4】
Figure 0003969391
【0042】
の関係が成り立つ。
ここから、Uor,Ugrを求めると
【0043】
【数5】
Figure 0003969391
【0044】
となる。
すなわち、与えられたパラメータFo,Fg,Uo,Ug,For,Uorから式(5),(6)の示す補正式により、継承先ユニットすなわちユニットB固有のユーザオフセット値及びユーザゲイン値を求めることができる。
または、次の関係も成り立つので
【0045】
【数6】
Figure 0003969391
【0046】
ここから、Uor,Ugrを求めた次式でもUor,Ugrを求めることができる
【0047】
【数7】
Figure 0003969391
【0048】
ユーザオフセット値Uorを求めるためには式(5)と式(9)のどちらを用いても求めることができる。また、ユーザゲイン値Ugrを求めるためには、式(6)と式(10)のどちらを用いても求めることができる。
上記の式(5),式(6),式(9),式(10)について、説明する。
第4図は、オフセット電圧,ゲイン電圧とオフセット値,ゲイン値との関係をグラフで示したものである。
縦軸にADCコード、横軸にアナログ入力信号をとったグラフである。ここではアナログ入力信号に電圧を例にとる。電圧の増加に伴いADCコードは線形に増加する。
工場出荷時において、工場オフセット電圧を印加し、そのときのADCコードを工場オフセット値Foとする。また工場ゲイン電圧を印加したときのADCコードを工場ゲイン値Fgとする。この図の場合は、工場オフセット電圧を0V、工場ゲイン電圧を10Vとしている。
【0049】
また、ユーザが現地でユーザオフセット電圧を印加した際のADCコードをユーザオフセット値Uo、ユーザゲイン電圧を印加した際のADCコードをユーザゲイン値Ugとしている。ユニットAに関してはFo,Fg,Uo,Ugとし、ユニットBにはFor,Fgr,Uor,Ugrとする。さらにユニットAで設定したUo,Ugに相当するユニットBの値Uor,Ugrを求めるには、工場設定のオフセット値,ゲイン値とユーザ設定のオフセット値,ゲイン値との比率は継承元のユニットAと継承先のユニットBとで等しいので
【0050】
【数8】
Figure 0003969391
【0051】
UorとUgrとを求めると
【0052】
【数9】
Figure 0003969391
【0053】
また、別の比例関係から下記の式でもUor,Ugrが求められる。
【0054】
【数10】
Figure 0003969391
【0055】
すなわち、前述の式(5),式(6),式(9),式(10)が求められる。
第5図に、2台のユニット間におけるオフセット値及びゲイン値の関係を示す。第5図はユニット間で工場オフセット電圧,工場ゲイン電圧,ユーザオフセット電圧,ユーザゲイン電圧を印加した際に、求められるADCコードはユニットによって、バラツキをもった値となる。しかし、その相対的な位置関係は保たれる。求めるべきユーザオフセット値Uor,ユーザゲイン値Ugrは、この相対的位置関係から求めることができる。
さて、ユーザオフセット値Uorを求めるためには式(5)と式(9)のどちらを用いても求めることができ、ユーザゲイン値Ugrを求めるためには、式(6)と式(10)のどちらを用いても求めることができると先ほど述べた。
しかし、A/D変換回路1から求められたADCコードには、元々回路固有の誤差が含まれている。この誤差はA/D変換回路を構成する個々のパーツに特性のバラツキに起因する。この誤差の影響を最小限にするために、どちらの式を使って演算するか選択することが重要である。
【0056】
式(5),式(6),式(9),式(10)の誤差を論ずる前に、元々ADCコードに含まれる誤差がスケーリング時にどう影響するのか述べる。
前述の式(1)において、A/D変換回路1から求められるA/DCコードには誤差δ(デルタ)が含まれる。よって式(1)を下記のようにδを付加した式に変える。
【0057】
【数11】
Figure 0003969391
【0058】
δa,δb,δcは、それぞれIadc,Uo,Ugに含まれている誤差を示す。誤差同士は引くことができないので単純に加算していくと
【0059】
【数12】
Figure 0003969391
【0060】
δa≒δb≒δc→δとおくと
【0061】
【数13】
Figure 0003969391
【0062】
0>>δより、分母のδを省略すると、
【0063】
【数14】
Figure 0003969391
【0064】
すなわち、「{(Iadc−Uo)}/(Ug−Uo)*Sg+So」の項が真の値で、「2δ/(Ug−Uo)*Sg」がスケーリング処理後に伝播した誤差となる。
オフセット補正式である式(5)を同様に評価すると、
【0065】
【数15】
Figure 0003969391
【0066】
δd,δe,δf,δhは、それぞれUo,Fo,Fgr,For,Fgに含まれている誤差を示す。誤差としてδd≒δe≒δf≒δh→δとおき、同様の操作をすると、
【0067】
【数16】
Figure 0003969391
【0068】
0>>δより、分母のδを省略する。δ2も省略すると、
【0069】
【数17】
Figure 0003969391
【0070】
Fgr−For≒Fg−Foより
【0071】
【数18】
Figure 0003969391
【0072】
すなわち、「(Uo−Fo)*(Fgr−For)/(Fg−Fo)+For」の項が真の値で、「2|δ(Uo−Fo)/(Fg−Fo)|+3|δ|」がオフセット値補正時に伝播した誤差となる。
同様に、式(9)は、
【0073】
【数19】
Figure 0003969391
【0074】
式(16)と式(17)のそれぞれ2|δ(Uo−Fo)/(Fg−Fo)|,2|δ(Fg−Uo)/(Fg−Fo)|のみ取り出し、横軸にUo、縦軸にδをとり、模式化したグラフが第6図である。
第6図より、誤差を最小にするには、Uoの値が、(Fg+Fo)/2より小さいときは式(16)、そうでなければ式(17)を使用するとよいことが判る。
この選択をA/D変換ユニット4中のオフセット補正式選択手段11に行なわせる。
Ugrを求める場合も、Uorを求める場合と同様に、
【0075】
【数20】
Figure 0003969391
【0076】
式(18)と式(19)のそれぞれ、2|δ(Ug−Fo)/(Fg−Fo)|,2|δ(Fg−Ug)/(Fg−Fo)|のみ取り出し、横軸にUo、縦軸にδを取り、模式化したグラフが第7図である。
第7図より、誤差を最小にするには、Ugの値が、(Fg+Fo)/2より小さいときは式(18)、そうでなければ式(19)を使用するとよいことが判る。
この選択をA/D変換ユニット4中のゲイン補正式選択手段12に行なわせる。
上述の理論に基いて、継承先ユニットは、Uor,Ugrのパラメータを使うことで、継承元のパラメータであるUo,Ugとの微小なずれを自動で補正し、1チャンネルずつ手動で校正した場合と同様の効果を得られる。
【0077】
これまでに述べたユーザレンジの退避及び復元の仕組みを用いて、同一システム(例えば、FAシステム)上に複数のA/D変換ユニットが存在し、そのうちの1つのユーザオフセット値及びユーザゲイン値設定済みのユニットから、別の複数台の未設定のユニットに対して、ユーザオフセット値,ユーザゲイン値の設定をコピーする場合について簡単に説明する。
第8図は、その実施の形態をブロック図化したものである。シーケンサなどの中央制御装置5を1つ用意し、A/D変換ユニットを同一システム上に複数台用意する。第8図では、予めユーザレンジ設定済みのA/D変換ユニット4c(ユニットC)と、未設定のA/D変換ユニット4d,4e,4f(ユニットD,E,F)とが同一システム上に存在する。ユニットCよりユーザレンジを中央制御装置5に一旦退避し、そのユーザレンジのデータを、ユニットD,E,Fに復元させる。
【0078】
第9図は、第8図に示したシステムにおけるユーザオフセット値及びユーザゲイン値の設定手順を示すフローチャートである。
第9図のフローチャートにおいて、まず、ステップd1にて、ユーザはユニットCよりユーザレンジ設定を退避要求を中央制御装置5に指示する。
次にステップd2にて、復元の対象となるユニットDを設定する。復元の対象となるユニットの設定は、例えば中央制御装置5内部のデバイスメモリ6b上に割り当てて、シーケンスプログラムにより設定する。この復元の対象となるユニットを次々と更新することで、複数のA/D変換ユニットの復元処理を行う。
【0079】
次にステップd3にて、復元の対象となるA/D変換ユニットに中央制御装置5に退避されているユーザレンジ設定を復元するように中央制御装置5に指示する。復元対象のユニットとシーケンサなどの中央制御装置5の内部において、ユーザレンジ復元のブロック図(第8図)の通りの動作が実施される。
次にステップd4にて、1ユニット完了したことをユーザは完了ステータスから確認する。
次にステップd5にて、全てのユニット(この場合、ユニットD,E,F)について設定したか否か、をシーケンスプログラムが判断する。まだ設定が未処理のユニットがあれば、ステップd6へ進み、復元の対象となるユニットを更新する。そして更新された復元対象のユニットに対して再びステップd3からの処理を実行する。
ステップd5での判断で、全てのユニットを設定したと判断した場合、ユーザレンジ復元処理を終了する。
一連の処理は、中央制御装置5のシーケンスプログラムによって自動化可能である。
【0080】
第8図に示したシステムは、主にセットメーカが自社製品のシステムに複数台のA/D変換ユニットを装着する際に同一のユーザレンジ設定を大量に実施する場合を想定したものである。従来のユーザレンジ設定の手順と比較し、複数台のA/D変換ユニットに対して同時に一括してユーザレンジ設定を行うことができ、ユーザレンジ設定作業の時間短縮、省力化を図ることができる。これは、A/D変換ユニットの台数が多い、システムが大規模なものになるにつれて、その効果は大きいものとなる。
【0081】
実施の形態2.
FAシステム上に、A/D変換ユニットが1台あり、このA/D変換ユニットをシステム動作中に抜き取り、別のA/D変換ユニットに換装する際に、抜き取り前のA/D変換ユニットからユーザレンジ設定を退避しておき、抜き取り後、別のA/D変換ユニットを装着する際にユーザレンジ設定を復元する場合の例を示す。
第10図は、当該システムをブロック図で表したものである。シーケンサなどの中央制御装置5とユーザレンジ設定の退避,復元の対象となるそれぞれのA/D変換ユニット4を同一システム上に用意する。第10図では、予めユーザレンジ設定済みのA/D変換ユニット4g(ユニットG)が存在し、システム稼動中にユニットGを抜き取り、別のA/D変換ユニット4h(ユニットH)に換装する。その際にユニットGに存在するユーザレンジ設定のためのデータを中央制御装置5に退避し、ユニットH装着時において復元する。
【0082】
第11図は、この実施の形態におけるシステム稼動中におけるユニットGからユニットHへの交換手順を示すフローチャートである。
第11図のフローチャートにおいて、まずステップe1にて、ユーザはユニットGのユーザレンジ設定を退避要求を中央制御装置5に指示する。
この処理によって、ユニットGに設定されているユーザレンジ設定を中央制御装置5に退避する。
次にステップe2にて、ユーザは中央制御装置5に対し、ユニットGのユニット交換を指示する。
次にステップe3にて、ユニットGはユニット交換の指示を受けて動作を停止し、ユニット抜き取りOKステータスを中央制御装置5に伝える。ユニットGは、次のステップの抜き取りに備えて、この段階で動作を停止する。
次にステップe4にて、ユーザはシーケンサなどの中央制御装置5に返ってきたユニット抜き取りOKステータスを受け取る。
【0083】
その後、ユーザは、ユニットGの外部配線をはずし、ユニットGそのものを抜き取る(ステップe5)、その後、ユニットHをシステムに装着し、ユニットHの外部配線をする(ステップe6)。さらに中央制御装置5に対し、ユニットHのユニット装着(ユニット起動)要求を指示する(ステップe7)。
次にステップe8にて、ユニットHはウェイト状態で立ち上がり制御開始要求が中央制御装置5から発行されるまでA/D変換処理を待機させる。
次にステップe9にて、ユーザはステップe8での立ち上がりを確認後、ユニットGから退避要したユーザ設定レンジデータを装着したユニットHに対しレンジ設定復元要求を中央制御装置5に対し指示する。
この処理により、ユニットHは、ユーザレンジ設定が完了となる。
次にステップe10にて、ユニットHは、中央制御装置5からユーザレンジ設定復元要求をうけ、復元する。
【0084】
次にステップe11にて、ユーザはユニットHに対し、中央制御装置5経由で制御開始を指示する。
最後にステップe12にて、ユニットHは中央制御装置5経由でユーザからの制御開始要求をうけ、A/D変換処理を開始する。
この実施の形態では、例えばA/D変換ユニットを含むFAシステムを実際に使用している現場のユーザが、システム全体を停止させることなく特定のA/D変換ユニットのみを交換する場合を想定している。従来のユーザレンジ設定の手順と比較し、システム全体を停止させる必要がないため、FAシステム全体としての稼動効率を上げることが出来る。
【0085】
実施の形態3.
例えばFAシステム上にA/D変換ユニットが複数台あり、当該FAシステム全体を停止することなく場合に応じてレンジ設定を切り替え、即座に動作可能な実施の形態を示す。
第12図は、当該システムをブロック図で表したものである。
中央制御装置5とユーザレンジ設定退避,復元の対象となる複数台のA/D変換ユニット4j,4k,4l(ユニットJ,K,L)を同一システム上に用意する。この実施の形態では、ケース1乃至nまでの入力レンジのデータをデバイスメモリ6bに予め格納している。この入力レンジのデータをシステム上に存在するユニットJ,K,Lに記憶させて動作を行わせるようにする。
例えば、ケース1では−1V乃至10Vという入力レンジを用い、ケース2では−1V乃至5Vというような、標準で設定されない入力レンジのデータを用意し、使う直前にA/D変換ユニットに設定する。
【0086】
従来の方式では、その都度システム全体を停止させ、オフセット値,ゲイン値の設定を行なうか、各々のA/D変換ユニットに格納されている入力レンジの範囲内でのみ切り替えて使用するのに対し、この実施の形態のものでは、データの記憶手段としてシーケンサなどの中央制御装置5内のデバイスメモリ6bを使用することができる。このため、多数の入力レンジのデータ保存・切り替えが可能である。また、複数のA/D変換ユニットに対する同時・一括の入力レンジのデータ設定が可能である。
【0087】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明のアナログユニットシステムは、ユーザ設定値の調整・校正を自動的に行なうことを可能としたものである。
【0088】
【産業上の利用可能性】
以上のように、この発明にかかるアナログユニットシステムは、多数台のアナログユニットを組み込んだFAシステム等において、所望のアナログユニットのみを交換する場合等において用いられるのに適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1図は、この発明の第一の実施の形態によるアナログユニットシステムを示すブロック図である。
【図2】 第2図は、この発明の第一の実施の形態によるユーザレンジ退避の手順を示すフローチャートである。
【図3】 第3図は、この発明の第一の実施の形態によるユーザレンジ復元の手順を示すフローチャートである。
【図4】 第4図は、入力されるオフセット電圧,ゲイン電圧とオフセット値,ゲイン値との関係を示したグラフである。
【図5】 第5図は、2台のユニット間におけるオフセット値及びゲイン値の関係を示す図である。
【図6】 第6図は、2種類の数式がそれぞれ含む誤差を比較するために模式化したグラフである。
【図7】 第7図は、2種類の数式がそれぞれ含む誤差を比較するために模式化したグラフである。
【図8】 第8図は、この発明の第一の実施の形態による複数のA/D変換ユニットを含むアナログユニットシステムを示すブロック図である。
【図9】 第9図は、第8図に示したシステムにおけるオフセット値及びゲイン値の設定手順を示すフローチャートである。
【図10】 第10図は、この発明の第二の実施の形態による複数のA/D変換ユニットを含むアナログユニットシステムを示すブロック図である。
【図11】 第11図は、この発明の第二の実施の形態によるA/D変換ユニットの交換手順を示すフローチャートである。
【図12】 第12図は、この発明の第三の実施の形態による複数のA/D変換ユニットを含むアナログユニットシステムを示すブロック図である。
【図13】 第13図は、従来のアナログユニットシステムを示すブロック図である。
【図14】 第14図は、従来のオフセット値及びゲイン値の設定手順を示すフローチャートである。

Claims (3)

  1. 第一の工場設定値と第一のユーザ設定値とを記憶する記憶手段と
    前記第一の工場設定値と同種パラメータである第二の工場設定値と前記記憶手段から読み出された前記第一の工場設定値及び前記第一のユーザ設定値とに基き第二のユーザ設定値を算出する演算手段と、
    この演算手段により算出された第二のユーザ設定値を用いてアナログ値とデジタル値との変換を行う変換手段とを備えたアナログユニットシステム。
  2. 第一の工場設定値と第一のユーザ設定値とを記憶する第一の記憶手段を有する第一のアナログユニットと、
    前記第一の記憶手段から読み出された前記第一の工場設定値と前記第一のユーザ設定値とを記憶する第二の記憶手段と、
    前記第一の工場設定値と同種パラメータである第二の工場設定値と前記第二の記憶手段から読み出された前記第一の工場設定値及び前記第一のユーザ設定値とに基き第二のユーザ設定値を算出する演算手段と、
    この演算手段により算出された前記第二のユーザ設定値を記憶する第三の記憶手段を有する第二のアナログユニットとを備えたアナログユニットシステム。
  3. 第二のアナログユニット複数台存在することを特徴とする請求項第2項記載のアナログユニットシステム。
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