JP3969090B2 - 切梁 - Google Patents
切梁 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3969090B2 JP3969090B2 JP2001398326A JP2001398326A JP3969090B2 JP 3969090 B2 JP3969090 B2 JP 3969090B2 JP 2001398326 A JP2001398326 A JP 2001398326A JP 2001398326 A JP2001398326 A JP 2001398326A JP 3969090 B2 JP3969090 B2 JP 3969090B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- retaining wall
- ground
- root cutting
- frame
- cutting
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、山留め工事における切梁の施工方法及びこの施工方法に用いられる切梁に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、建造物の基礎や地下室部分を築造するための山留め工事における切梁の施工方法は、まず、地盤の掘削部分を囲むように山留め壁を形成し、この山留め壁に囲まれた内側の地盤を所定深さだけ掘削する1次根切りにより地下空間を築造する。次に、地下空間内に露出した山留め壁の対向する壁面間に、ジャッキ等が介装されたH型鋼材でなる切梁を架け渡し、そのジャッキによりそれら壁面を切梁で押圧支持する。このように山留め壁を切梁で支持することにより、地盤を掘削した部分の山留め壁がその周囲の地盤の土圧によって、内側に変形・変位することを防止している。
【0003】
その後、掘削済みの地下空間より更に下方に所定深さだけ地盤を掘削して2次根切りを行い、新たに露出した壁面間に前記切梁と同様に切梁を架設する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の切梁の施工方法にあっては、1次根切りによって内側の地盤が除去されると、山留め壁の露出した部分は、その周囲の地盤の土圧に対する内側からの支えを失うことになる。このため、山留め壁に一定以上の土圧が作用すると、それに伴って山留め壁が変形し、周囲の地盤が沈下することがある。
【0005】
また、変形した山留め壁の外側には周囲地盤の土砂が入り込んでいるため、既に変形した山留め壁の間に切梁を架設しても、その変形を戻すことはできない。さらに、一次根切りによって変形が生じた状態で、その下方の地盤を掘削する二次根切りを行うと、二次根切りによって山留め壁が累積的に変位し、一次根切りによる変形よりも更に、地下空間の内側に変位する。このように、根切りを下方に継続していくと、山留め壁の変形が大きくなり、それに伴う周囲の地盤変状が大きくなるという課題があった。
【0006】
また、切梁はH型鋼材であり、その両端部が山留め壁に当接されるが、山留め壁の表面は、湾曲したり、凹凸を有しているため架設した切梁との接触部分が不安定となることがあり、ジャッキにより支持力が十分に作用しない虞があった。
【0007】
そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑みて成されたもので、山留め壁の変形を抑えることにより、山留め壁周辺の地盤変状を抑えることができる切梁の施工方法、及びこの施工方法に用いられる切梁を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の切梁は、山留め壁を地盤内に構築し、該山留め壁の内側の掘削を複数回の根切りで行うにあたり、根切りする前に、前記山留め壁を支持するための第1の切梁を地盤に沈設し、根切りを行った後、この根切りによって形成された空間に第2の切梁を架設する工程を各回の根切りについて繰り返す山留め壁における切梁の施工方法に用いられる前記第1の切梁であって、傾斜した下面を備えた一対の角型鋼材を、前記傾斜した下面の下端側に接続される側面が向き合うように間隔をおいて対向配置されてなる切梁本体と、前記一対の角型鋼材の間から下向きにアンカーを打ち込むことができるように前記切梁本体の上側に設けられたセンターホールジャッキと、を備えることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の切梁の施工方法の一実施形態の手順を示す説明図であり、(a)は地盤に構築した山留め壁の内側にフレーム切梁を沈設した状態を示す断面図、(b)は、1次根切りした状態を示す断面図、(c)は、形成された地下空間内に切梁を架設した状態を示す断面図、(d)は、フレーム切梁を更に沈設した状態を示す断面図、(e)は、2次根切りした状態を示す断面図である。また、図2はフレーム切梁を示す斜視図、図3は、フレーム切梁を沈設する方法を示す説明図であり、(a)は、オーガーを用いて切梁を沈設する方法を示す説明図、(b)はセンターホール型ジャッキを用いて切梁を沈設する方法を示す説明図である。
【0013】
本実施形態の切梁の施工方法は、まず、地盤10に山留め壁12を、掘削部分を囲むように構築する。次に、構築された山留め壁12内側の地盤10の上に、互いに対向する山留め壁12の間に、1本又は複数本のフレーム切梁14を適宜間隔を隔てて平行に配置する。各フレーム切梁14は、図2に示すように、下面がテーパー状に形成された2本の角型鋼材14bを間隔を隔てて平行に配置し、それら角型鋼材14b間の適宜位置をH型鋼材14cで連結した切梁である。この角型鋼材14bの適宜位置には油圧ジャッキ18が設けられて伸縮可能に構成されている。このとき、フレーム切梁14の数は、根切りした際に山留め壁12が周囲の土圧に対抗できるように設定する。
【0014】
地盤10上に配置した各フレーム切梁14は、一次根切りする深さ以深に沈設する。その際、図3に示すようにフレーム切梁14の上側に設けられたセンターホールジャッキを用いて、前記フレーム切梁14の角型鋼材14b間から地盤10を通して岩盤や硬質地盤にアンカー22を打ち込み、このアンカー22でセンターホール型ジャッキ24の反力をとり、フレーム切梁14を地盤10に押し込むことにより、フレーム切梁14を沈設する。このとき、フレーム切梁14の長さは、設置する山留め壁間の距離より僅かに短く設定しておき、所定の位置まで沈めた後に、油圧ジャッキ18により伸長し、山留め壁12を互いに支持する支持力を導入する。この支持力は、対向する山留め壁12に対し、周囲の地盤10に押圧する方向に付勢力を付与し、周囲地盤10から山留め壁12に作用する土圧をフレーム切梁14で受けるように設定する。また、形成される溝16は、幅を例えば約1mとし、山留め壁12の幅の数十メートルに対し十分狭く掘削する。
【0015】
次に、フレーム切梁14を架設した後に、図1(b)に示すように、1次根切りを行い、山留め壁12内の地盤10を所定深さまで掘削して、1次地下空間26を築造する。1次地下空間26内には、図1(c)に示すように、H型鋼材でなる周知の切梁15を複数本適宜箇所に架設する。
【0016】
切梁15を架設した後に、図1(d)に示すように、前記フレーム切梁14を、更に下方に向けて上記と同様の方法で、2次根切りする位置に沈設する。その後、図1(e)に示すように、1次地下空間26の下の地盤10を下方に向かって所定の深さだけ掘削し、1次地下空間26と繋がった2次地下空間28を築造する。このように、フレーム切梁14の沈設、地盤10の掘削、及び、切梁15の架設を繰り返すことにより、所要の深さの地下空間を築造する。
【0017】
この実施形態の切梁の施工方法によれば、対向する山留め壁12間にフレーム切梁14を沈設する際に掘削される地盤10は、山留め壁12の幅より十分に狭いため、山留め壁12は内側の地盤10によって支えられて変形しない。
【0018】
さらに、フレーム切梁14を沈設、及び、切梁15を架設した後に、山留め壁12の内側を掘削して地下空間を築造するので、掘削により内側の地盤10が除去されても山留め壁12はフレーム切梁14や切梁15によって支持されている。このため、山留め壁12の変形が抑えられ、山留め壁12の外側の地盤変状も抑えられることとなる。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の切梁によれば、傾斜した下面を備えた一対の角型鋼材を、傾斜した下面の下端側に接続される側面が向き合うように間隔をおいて対向配置されてなる切梁本体と、前記一対の角型鋼材の間から下向きにアンカーを打ち込むことができるように切梁本体の上側に設けられたセンターホールジャッキとを備えるので、アンカーでセンターホールジャッキの反力をとり、切梁を地盤に押し込むことにより、切梁を沈設することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態にかかる切梁の施工方法の手順を示す説明図である。
【図2】 フレーム切梁を示す斜視図である。
【図3】 切梁を沈設する方法の例を示す説明図である。
【符号の説明】
10 地盤
12 山留め壁
12a 壁面
14 フレーム切梁
14b 角型鋼材
14c H型鋼材
15 切梁
16 溝
18 ジャッキ
20 オーガー
22 アンカー
24 センターホール型ジャッキ
26 1次地下空間
28 2次地下空間
Claims (1)
- 山留め壁を地盤内に構築し、該山留め壁の内側の掘削を複数回の根切りで行うにあたり、根切りする前に、前記山留め壁を支持するための第1の切梁を地盤に沈設し、根切りを行った後、この根切りによって形成された空間に第2の切梁を架設する工程を各回の根切りについて繰り返す山留め壁における切梁の施工方法に用いられる前記第1の切梁であって、
傾斜した下面を備えた一対の角型鋼材を、前記傾斜した下面の下端側に接続される側面が向き合うように間隔をおいて対向配置されてなる切梁本体と、前記一対の角型鋼材の間から下向きにアンカーを打ち込むことができるように前記切梁本体の上側に設けられたセンターホールジャッキと、を備えることを特徴とする切梁。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001398326A JP3969090B2 (ja) | 2001-12-27 | 2001-12-27 | 切梁 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001398326A JP3969090B2 (ja) | 2001-12-27 | 2001-12-27 | 切梁 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003193470A JP2003193470A (ja) | 2003-07-09 |
JP3969090B2 true JP3969090B2 (ja) | 2007-08-29 |
Family
ID=27603786
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001398326A Expired - Fee Related JP3969090B2 (ja) | 2001-12-27 | 2001-12-27 | 切梁 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3969090B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4976999B2 (ja) * | 2007-12-19 | 2012-07-18 | 株式会社竹中土木 | 開削溝の矢板式支保工法 |
-
2001
- 2001-12-27 JP JP2001398326A patent/JP3969090B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003193470A (ja) | 2003-07-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR102082333B1 (ko) | 프리스트레스트 엄지말뚝 및 이를 이용한 1열 자립식 흙막이공법 | |
JP2008013926A (ja) | 既存建物の基礎補強工法 | |
JP4558145B2 (ja) | 既存建物の地下免震化工法 | |
US6948885B2 (en) | Method for constructing foundation | |
JP3896351B2 (ja) | 地中壁の構築方法及びアンダーパスの施工方法 | |
JP3969090B2 (ja) | 切梁 | |
JP2868651B2 (ja) | 地下既設構造物上方における山留工法 | |
JPH1136296A (ja) | Pc中空杭並びに地下構造物の構築方法 | |
KR102289576B1 (ko) | 흙막이판을 이용한 탑다운 방식 지하구조물 축조 공법 | |
JP2766159B2 (ja) | 掘削機及び地中連続壁工法 | |
JP4529631B2 (ja) | 地下構造及び地下構造の構築方法 | |
KR102579002B1 (ko) | 하향식 지하외벽 철거방법 | |
KR102575701B1 (ko) | 메서플레이트를 활용한 개착터널 시공방법 | |
JPS62220616A (ja) | 地下空間築造工法 | |
CN113356291B (zh) | 一种适用于隧道下穿建筑物的桩基托换施工方法 | |
JP2761531B2 (ja) | 地中連続壁用ガイドの構築方法 | |
JP3809340B2 (ja) | 逆打ち工法 | |
KR100669530B1 (ko) | 흙막이 시공방법 | |
JP3648670B2 (ja) | 既存建物深礎杭への免震装置設置工法 | |
KR200421809Y1 (ko) | 흙막이 판 | |
JP2579584B2 (ja) | 土留工法及び土留用ボックス | |
KR20030026476A (ko) | 트러스식 지보구조에 의한 지반 굴착공법 | |
JPS62288214A (ja) | 壁式拡底杭工法 | |
AU2003206504B2 (en) | Method of construction | |
KR100425922B1 (ko) | 경계벽 구조물 및 그 시공방법 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20040927 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041125 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20041125 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20041125 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060919 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20061117 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070123 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070221 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20070404 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070515 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070528 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |