JP3969031B2 - 水中の外因性内分泌攪乱化学物質の除去方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水中の外因性内分泌攪乱化学物質(以下「環境ホルモン物質」という)の除去方法に係り、特に、微生物固定化担体を用いた環境ホルモン物質の除去性能の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
下水や埋立地浸出水等の汚水中には、生体内の内分泌系を攪乱する作用を有する化学物質が存在し、環境ホルモン物質として問題となっている。この環境ホルモン物質の存在により、生息生物の内分泌系が攪乱され、生殖異常やオスのメス化など生態系に大きな影響を与えている。生物は内分泌系に敏感に反応し、さらに感受性の極めて高い時期を有している。特に、人の場合には、胎児や乳幼児において感受性が高いとされており、その影響が懸念されている。かかる環境ホルモン物質は、数十μg/L〜数ng/Lの濃度レベルで検出されることが多く、その量が極めて低濃度であるが、上記したように生態系への影響を考えると可能な限り処理する必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、水中に存在する環境ホルモン物質は、従来の活性汚泥等の生物処理法でも、ある程度分解はできるが、環境ホルモン物質の存在濃度が極めて低濃度であるために、微生物による分解が十分になされないという欠点がある。生物処理の効率を高めるため、担体を用いて、微生物を付着もしくは担体内部に固定化することにより、反応槽内の微生物濃度を高濃度に保持する方法があるが、この方法は汚水中のの窒素やBOD除去等に関しては効果があるものの、環境ホルモン物質の除去性能への効果は低いという問題がある。
【0004】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、水中の環境ホルモンを微生物固定化担体を用いて効率的な生物学的処理を行うことができる水中の外因性内分泌攪乱化学物質の除去方法を提供することを目的とする。
【0005】
【発明を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するために、水中に含まれる疎水性の外因性内分泌攪乱化学物質を、微生物を担体内部に包括固定化した微生物包括固定化担体を用いて生物学的に除去する除去方法であって、前記担体は、親水性プレポリマーと疎水性プレポリマーとを混合して重合させた固定化材料により形成されていることを特徴とする。
【0006】
本発明によれば、微生物を包括固定化する担体を、親水性プレポリマーと疎水性プレポリマーとを混合して重合させた固定化材料で形成するようにしたので、微生物との親和性を低下させることなく、微生物包括固定化担体に対する環境ホルモン物質の吸着性を高めることができる。これにより、微生物包括固定化担体に高濃度で担持した微生物と環境ホルモン物質との接触効率を飛躍的に大きくすることができるので、環境ホルモン物質の微生物による生物学的な除去性能を向上させることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面により本発明の水中の外因性内分泌攪乱化学物質の除去方法の好ましい実施の形態を詳説する。
【0008】
本発明は、微生物との親和性を低下させることなく、環境ホルモン物質の吸着性を向上させることのできる担体に微生物を固定化した微生物固定化担体を用いることにより、水中の環境ホルモン物質を生物学的に除去する性能を高めたものである。即ち、環境ホルモン物質は疎水性の物質が多く、疎水性の材料に吸着しやすい性質を有しており、吸着効果を高めるためには、疎水性材料を用いれば良いが、疎水性材料だけでは、水に溶けにくく、微生物との親和性が悪くなる。
【0009】
そこで、本発明者は、微生物との親和性を低下させることなく、環境ホルモン物質の吸着性を向上させることのできる担体を形成するための固定化材料について鋭意研究を重ねた結果、本発明に係る親水性プレポリマーと疎水性プレポリマーとを混合するプレポリマー混合型と、参考例であるプレポリマーの分子内に親水基と疎水基を混合する親水基・疎水基混合型の2種類を見いだした。
【0010】
先ず、プレポリマー混合型の固定化材料について説明する。
【0011】
親水性プレポリマーの基本骨格は、図1に示す通りであり、プレポリマーはその末端に少なくとも1つの結合基を有しており、それに親水基が結合している。 結合基は、重合反応により周囲のプレポリマーと結合して、担体を形成するものであり、具体例としてはモノアクリレート類やモノメタクリレート類、ジアクリレート類、ジメタアクリレート類、モノウレタンアクリレート類、ジウレタンアクリレート類、光硬化性重合基を有するプレポリマー類などが挙げられるが、ラジカル反応により重合する結合基であれば、特に限定はしない。 親水基にはエチレンオキシやビニルアルコールなどが挙げられる。
【0012】
ー方、疎水性プレポリマーの基本骨格は、図2に示す通りであり、プレポリマーはその末端に少なくとも1 つの結合基を有しており、それに疎水基が結合している。 結合基は、重合反応により周囲のプレポリマーと結合して、担体を形成するものである。結合基の具体例としては、モノアクリレート類やモノメタクリレート類、ジアクリレート類、ジメタアクリレート類、モノウレタンアクリレート類、ジウレタンアクリレート類、光硬化性重合基を有するプレポリマー類などが挙げられるが、ラジカル反応により重合する結合基であれば、特に限定はしない。 疎水基には、アルキル基や、プロピレンオキシ、ブチレンオキシなどがある。
【0013】
また、親水性プレポリマーと疎水性プレポリマーの混合比は、親水性プレポリマーと疎水性プレポリマーの合計重量に対して疎水性プレポリマーの混合重量比を1〜40%にするのが好ましい。 疎水性プレポリマーの混合重量比が1%未満では、環境ホルモン物質の吸着性の向上が認められない一方、疎水性プレポリマーが40%を超えて大きくなると、親水性プレポリマーと混合しにくくなり、微生物への固定化性能に影響を及ぼし、担体に微生物を高濃度に担持できない。
【0014】
上記したプレポリマー混合型の固定化材料から微生物固定化担体を製造するには、これらのプレポリマーと微生物を混合した後、重合させ、担体内部に微生物を固定化する(包括固定型の微生物固定化担体)。又は、担体内部に微生物を入れないでこれらのプレポリマーを重合させて担体を製造し、この担体表面に微生物を付着させて微生物固定化担体を形成してもよい(付着固定型の微生物固定化担体)。
【0015】
次に、親水基・疎水基混合型の固定化材料について説明する。
【0016】
図3(a)、(b)は、分子内に親水基と疎水基を混合したプレポリマーの基本骨格を示したものである。 プレポリマーはその末端に少なくとも1 つの結合基を有しており、それに主鎖の親水基と疎水基が結合している。 結合基は、重合反応により周囲のプレポリマーと結合して、担体を形成するものである。結合基の具体例としては、モノアクリレート類やモノメタクリレート類、ジアクリレート類、ジメタアクリレート類、モノウレタンアクリレート類、ジウレタンアクリレート類、光硬化性重合基を有するプレポリマー類などが挙げられるが、ラジカル反応により重合する結合基があるプレポリマーであれば、特に限定はしない。また、親水基にはエチレンオキシやビニルアルコールなどが挙げられ、疎水基には、アルキル基や、プロピレンオキシ、ブチレンオキシなどが挙げられる。
【0017】
主鎖は、親水基と疎水基から成り、その結合の順序は限定はしないが、図3(b)のように交互に結合するのが好ましい。 また、この時の親水基と疎水基の比は99 :1〜30 :70が好ましい。 これは、疎水基が、親水基と疎水基の和に対して1%に満たない場合(親水基と疎水基の比99 :1で、これより疎水基の比が小さくなる場合)は、環境ホルモン物質の吸着効果は、ほとんど現れない。一方、疎水基が、親水基と疎水基の和に対して70%を超える場合(親水基と疎水基の比30 :70で、これより疎水基の比が大きくなる場合)、このプレポリマーは水に溶けにくくなり、微生物と十分に混合できず、これにより微生物を高い濃度に固定化した担体ができなくなる。
【0018】
上記した親水基・疎水基混合型の固定化材料から微生物固定化担体を製造するには、プレポリマーと微生物を混合したのち、重合させ、担体内部に微生物を固定化する(包括固定型の微生物固定化担体)。又は、担体内部に微生物を入れないでプレポリマーを重合させて担体を製造し、この担体表面に微生物を付着させて微生物固定化担体を形成してもよい(付着固定型の微生物固定化担体)。
【0019】
そして、上記したプレポリマー混合型又は親水基・疎水基混合型の固定化材料で製造した微生物固定化担体を用いて、水中の環境ホルモン物質を除去するには、環境ホルモン物質を含む水が流入する反応槽に微生物固定化担体を充填し、微生物固定化担体と水中の環境ホルモン物質とを接触させる。
【0020】
このように、水中の環境ホルモン物質を、微生物を担体に固定化した微生物固定化担体を用いて生物学的に除去するにあたって、本発明に係る親水性プレポリマーと疎水性プレポリマーとを混合して重合させた固定化材料、もしくは参考例として示すプレポリマーの分子中に親水基と疎水基を混合したプレポリマーを重合させた固定化材料で形成した担体に微生物を固定化した微生物固定化担体を用いるようにした。
【0021】
これにより、微生物固定化担体に微生物を高濃度に担持することができ、しかも高濃度に担持された微生物の周囲に、環境ホルモン物質を多く集めて濃縮することができるので、微生物と環境ホルモン物質との接触効率を大きくして微生物による環境ホルモン物質の分解効率を向上させることができる。この結果、水中に数十μg/L〜数ng/Lの極微量の濃度レベルで存在する環境ホルモン物質の効率的な生物学的処理が可能となるので、環境ホルモン物質の除去性能を飛躍的に向上させることができる。この場合、従来の担体の固定化材料であるポリエチレングリコール系、ポリアクリルアミド系、ポリビニルアルコール、寒天、アルギン酸ナトリウム等の親水性のみの固定化材料では、微生物を高濃度に担持できても、環境ホルモン物質の吸着量が大きくできないために、環境ホルモン物質の除去性能が向上しない。
【0022】
本発明の対象とする水の種類について特に限定はしないが、下水や埋立地から排出されるごみ浸出水、産業廃水、河川水等が含まれる。 また、環境ホルモン物質は汚泥中に取り込まれやすく、排水処理工程から排出される余剰汚泥を脱水する際、その脱水液に特に多く含まれることが知られている。従って、脱水液に本発明を適用するのも有効である。
【0023】
本発明の対象とする環境ホルモン物質としては、環境庁より67物質群が挙げられており、1999年10月には実態調査が行われ( 環境庁環境保健部)ている。 具体的な物質名としては、ダイオキシン類、ポリ塩化ビフェニル類(PCB)、ポリ臭化ビフェニル類(PBB)、ヘキサクロロベンゼン(HCB)、ペンタクロロフェノール(PCP)、 2.4.5- トリフエノキシ酢酸、 2.4-ジクロロフエノキシ酢酸、 アミトロール、 アトラジン、 アラクロール、 シマジン(CAT)、へキサクロロシクロヘキサン(HCH)、エチルパラチオン、 カルバリル(NAC)、クロルデン、 オキシクロルデン、 trams-ノナクロル、 1.2-ジブロモー2-クロロプロパン、 DDT 、DDE 、DDD 、ケルセン、アルドリン、エンドリン、ディルドリン、エンドスルファン( ベンゾエピン) 、ヘプタクロル、へプタクロルエポキサイド、マラチオン、メソミル、メトキシクロル、マイレックス、ニトロフェン、トキサフェン、トリブチルスズ、トリフェニルスズ、トリフルラリン、4-n-ぺンチルフェノール、4-n-ヘキシルフェノール、4-n-ヘプチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、ビスフェノールA 、フタル酸ジ- 2-エチルヘキシル、フクル酸ブチルベンジル、フクル酸ジーn-ブチル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ジエチル、べンゾ(a) ピレン、2.4-ジクロロフェノール、アジピン酸ジ-2- エチルヘキシル、ベンゾフェノン、4-ニトロトルエン、オクタクロロスチレン、アルディカーブ( アルジカルブ) 、ベノミル、キーポン、マンゼブ( マンコゼブ) 、マンネブ、メチラム、メトリブジン、シペルメトリン、エスファンバレート、ファンバレート、ペルメトリン、ビンクロゾリン、ジネブ、ジラム、フタル酸ジペンチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジプロピル、スチレンの2量体、スチレンの3 量体、n-ブチルベンゼンである。 しかしながら、この他にも内分泌攪乱作用を有する物質が存在する可能性があり、米国の環境保護庁では対象物質群を1万5千種に拡大して環境ホルモン物質であるかを調査しており、内分泌攪乱化学物質は上記に記載した物質に限定はしない。また、これらの物質の多くは、疎水性の物質( 水に溶けにくい性質) であるのが特徴である。
【0024】
【実施例】
(実施例1)プレポリマー混合型の固定化材料についての実施例。
【0025】
図4に示すように、親水性プレポリマーとして、ポリエチレングリコールジメタクリレートを用い、疎水性プレポリマーとしてポリプロピレングリコールジアクリレートを用いた。親水性プレポリマーであるポリプロピレングリコールジメタクリレートは、親水基としてエチレンオキシを用い、結合基としてメタクリレートを両末端に用いた。疎水性プレポリマーであるポリプロピレングリコールジアクリレートは、疎水基としてプロピレンオキシを用い、結合基としてアクリレートを両末端に用いた。試験に供した担体の疎水性プレポリマーの重量混合比としては、0%、5%、10%および20%の4種類とした。尚、この親水性プレポリマーは水と良く混ざり溶解するが、疎水性プレポリマーは水に溶解しにくい。そこで、微生物とゲルを攪拌して混合し、ラジカル反応により、重合させた。これにより、親水基と疎水基を有する担体内部に微生物を高濃度に固定化した包括固定化型の微生物固定化担体を形成した。
【0026】
図5は、プレポリマー混合型の固定化材料を用いて上記の如く形成した微生物固定化担体の吸着性能を調べた結果であり、図6は、環境ホルモン物質の処理性能を調べたものである。
【0027】
まず、この微生物固定化担体による環境ホルモン物質であるノニルフェノールの吸着効果について確認したところ、図5に示すような等温吸着線が得られた。 この図5中では、等温吸着線の傾きが急になるほど吸着性能が悪く、また、等温吸着線が右にゆくほど吸着性が悪いことを示す。 この結果から分かるように、微生物固定化担体に含有される疎水性プレポリマーの含有量が多くなるほど、等温吸着線が左上に移動し、環境ホルモン物質の微生物固定化担体への吸着効果が向上していることが明らかとなった。
【0028】
更に、この微生物固定化担体を用いてノニルフェノールの処理性能を確認した。実験条件は、3Lの反応槽(三角フラスコ)に1Lの超純水を注入し、ノニルフエノールを100μg/L添加した。尚、反応槽内への微生物固定化担体の充填率は体積で10%となるように設定した。 その結果、図6に示すように、疎水性プレポリマーの重量混合比が0%の微生物固定化担体の場合には、ノニルフェノールは30μg/L程度までしか低減されなかった。これに対し、疎水性プレポリマーの重量混合比が10%の微生物固定化担体の場合には、ノニルフェノールは10μg/L程度まで低減され、疎水性プレポリマー重量混合比が20%の微生物固定化担体の場合には、更に5μg/L程度まで低減された。このように、親水性プレポリマーに疎水性プレポリマーを混合することにより、より短い時間で、より低濃度までノニルフェノール処理できることが明らかとなった。 また、処理の終わった微生物固定化担体内部に残存しているノニルフェノールの量を測定したところ、担体内部には減少量の1割程度しか残存しておらず、 担体内部の微生物により、ノニルフェノールが分解されたことを確認した。尚、疎水性プレポリマーの重量混合比が40%を超えると、ノニルフェノールの微生物固定化担体への吸着性能は高まるが、担体の親水性が悪くなりすぎて微生物を高濃度に担持できないため、結果的に処理性能を向上させることはできなかった。(参考例)親水基・疎水基混合型の固定化材料についての参考例。
【0029】
図7に示すように、分子中に親水基と疎水基を含むプレポリマーであり、親水基としてはエチレンオキシ(n=6)を用い、疎水基としてはプロピレンオキシ(m=3)を用いた。即ち、親水基と疎水基の比は6:3である。このエチレンオキシとプロピレンオキシが主鎖となり、その末端に結合基であるアクレリート基がついている。このプレポリマーと微生物を混合し、重合させ、微生物を担体に高濃度に担持した包括固定化型の微生物固定化担体を形成した。
【0030】
図8は、上記製法により作成した疎水基を含む微生物固定化担体と、疎水基を含まない微生物固定化担体の2種類を用いて下水中のビスフェノールA(原水中の濃度は約220ng/L程度)の処理性能を確認したものである。試験には、有効容積1Lのエアーリフト型のガラス製リアクターを用い、滞留時間6時間の条件で連続処理実験を行った。尚、微生物固定化担体の充填率は体積で10%となるように設定した。
【0031】
その結果、図8に示すように、疎水基を含まない微生物固定化担体で処理した処理水は、処理時間15時間後に、ようやく50ng/L程度まで低減し、その後も50ng/L程度で推移した。これに対し、疎水基を含む微生物固定化担体で処理した処理水は、処理時間5時間後に既に20ng/L程度まで低減し、その後も20ng/L程度で推移した。
【0032】
尚、図4(b)において、n=14、m+n=7のプレポリマーの例で示したが、n=2〜20、m+n=2〜26でも、ビスフェノールAの除去性能において同様の傾向が得られる。また、図7の試験では、n=6、m=3を用いたが、n=1〜20、m=1〜20のものも、ビスフェノールAの除去性能において同様の傾向が得られた。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の水中の外因性内分泌攪乱化学物質の除去方法によれば、水中の環境ホルモンを微生物固定化担体を用いて効率的な生物学的処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】親水性プレポリマーの構成図
【図2】疎水性プレポリマーの構成図
【図3】親水基・疎水基混合型プレポリマーの構成図
【図4】親水性プレポリマーと疎水性プレポリマーの化学構造図
【図5】プレポリマー混合型の固定化材料による微生物固定化担体への環境ホルモン物質の吸着特性を説明する説明図
【図6】プレポリマー混合型の固定化材料による微生物固定化担体の環境ホルモン物質の除去性能を説明する説明図
【図7】分子中に親水基と疎水基を有するプレポリマーの化学構造図
【図8】親水基・疎水基混合型の固定化材料による微生物固定化担体の環境ホルモン物質除去性能を説明する説明図
Claims (3)
- 水中に含まれる疎水性の外因性内分泌攪乱化学物質を、微生物を担体内部に包括固定化した微生物包括固定化担体を用いて生物学的に除去する除去方法であって、
前記担体は、親水性プレポリマーと疎水性プレポリマーとを混合して重合させた固定化材料により形成されていることを特徴とする水中の外因性内分泌攪乱化学物質の除去方法。 - 前記外因性内分泌攪乱化学物質は、ダイオキシン類、ポリ塩化ビフェニル類(PCB)、ポリ臭化ビフェニル類(PBB)、ヘキサクロロベンゼン(HCB)、ペンタクロロフェノール(PCP)、2.4.5−トリフェノキシ酢酸、2.4−ジクロロフェノキシ酢酸、アトラジン、アラクロール、シマジン(CAT)、へキサクロロシクロヘキサン(HCH)、エチルパラチオン、カルバリル(NAC)、クロルデン、オキシクロルデン、trams−ノナクロル、1.2−ジブロモ−2−クロロプロパン、DDT、DDE、DDD、ケルセン、アルドリン、エンドリン、ディルドリン、エンドスルファン(ベンゾエピン)、ヘプタクロル、へプタクロルエポキサイド、マラチオン、メソミル、メトキシクロル、マイレックス、ニトロフェン、トキサフェン、トリブチルスズ、トリフェニルスズ、トリフルラリン、4-n-ぺンチルフェノール、4−n−ヘキシルフェノール、4−n−ヘプチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、ビスフェノールA、フタル酸ジ-2-エチルヘキシル、フクル酸ブチルベンジル、フクル酸ジ−n-ブチル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ジエチル、べンゾ(a)ピレン、2.4-ジクロロフェノール、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、ベンゾフェノン、4−ニトロトルエン、オクタクロロスチレン、アルディカーブ(アルジカルブ)、ベノミル、キーポン、マンゼブ(マンコゼブ)、マンネブ、メチラム、メトリブジン、シペルメトリン、エスファンバレート、ファンバレート、ビンクロゾリン、ジネブ、ジラム、フタル酸ジペンチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジプロピル、スチレンの2量体、スチレンの3量体、n−ブチルベンゼンのうち疎水性を示す物質であることを特徴とする請求項1に記載の水中の外因性内分泌攪乱化学物質の除去方法。
- 前記親水性プレポリマーと疎水性プレポリマーとを混合して重合させる場合は、親水性プレポリマーと疎水性プレポリマーとを合わせた全体に対して疎水性プレポリマーの混合重量比を1〜40%の範囲にすることを特徴とする請求項1又は2に記載の水中の外因性内分泌攪乱化学物質の除去方法。
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