JP2002018480A - 難分解性物質で汚染された水の浄化法 - Google Patents

難分解性物質で汚染された水の浄化法

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JP2002018480A JP2000208725A JP2000208725A JP2002018480A JP 2002018480 A JP2002018480 A JP 2002018480A JP 2000208725 A JP2000208725 A JP 2000208725A JP 2000208725 A JP2000208725 A JP 2000208725A JP 2002018480 A JP2002018480 A JP 2002018480A
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Takahiro Kawabata
孝博 川端
Hideo Miyamoto
秀夫 宮本
Genshi Suzuki
源士 鈴木
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

Abstract

(57)【要約】 【課題】 都市ゴミや産業廃棄物の焼却設備などから排
出されるダイオキシン類のような難分解性物質により汚
染された水に含有される難分解性物質を、多大の設備費
や操業経費をかけることなく分解して無害化する方法を
提供すること。 【解決手段】 ダイオキシン類、PCB類、フェノール
類、ビスフェノールA、フタル酸エステル類及び色素か
らなる群から選ばれる難分解性物質で汚染された水中の
該難分解性物質を分解して無害化することにより該汚染
水を浄化する方法において、該難分解性物質で汚染され
た水に、担体に固定化された難分解性物質分解酵素及び
/又は担体を共存させた難分解性物質分解微生物を接触
させることを特徴とする難分解性物質で汚染された水の
浄化法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、都市ゴミや産業廃
棄物の焼却設備などから排出されるダイオキシン類、コ
ンデンサー等に含まれるPCB類、工場のプロセス排水
などに含まれるフェノール類、ビスフェノールA、フタ
ル酸エステル類、アゾ色素等の難分解性物質で汚染され
た水に含まれる難分解性物質を分解して無害化すること
により、該汚染水を浄化する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】人体に有害な物質として知られているダ
イオキシン類やPCB類などの難分解性物質は、都市ご
みや産業廃棄物の焼却設備や様々な燃焼設備、機器類な
どから自然界に排出され、大きな社会問題となってい
る。例えばダイオキシン類には、様々な化学構造を有す
るものがあり、多塩素化ジベンゾ−p−ダイオキン類や
多塩素化ジベンゾフラン、コプラナーPCB類などが知
られている。そしてこれらダイオキシン類は、生物によ
り分解され難いことから、多くの生物の体内に吸収さ
れ、食物連鎖により、最終的には動物体内に蓄積されて
濃縮され、発癌性や催奇形成性を示すと言われている。
【0003】そこで、これらダイオキシン類の発生を抑
制する方法が検討され、提案されている。例えば、焼却
炉などでの焼却温度を1300℃以上の極めて高い温度
として燃焼させる方法が提案されているが、そのような
焼却炉の建設や改修には多大の設備費を必要とする。一
方、大気中に放出されたダイオキシン類は、飛灰や雨
水、雪と共に地上に降りて土壌に蓄積される。このよう
に、自然界に放置されたダイオキシン類を含有する汚染
土壌や水を浄化して元の土壌や水に修復するための有効
な手段は見出されていない。近年、塩素化ダイオキン類
など自然界では分解されがたい化学物質の微生物による
分解に関する研究がなされ、ある種の微生物が産生する
リグニン分解酵素が塩素化ダイオキシン類を分解するこ
とが報告されている。〔BIO INDUSTRY VOL.15 NO. 2 P5
-13(1998) : 化学 VOL. 52 NO. 10 P24-25(1997)〕。
さらに、これら報告では、微生物が産生するリグニン分
解酵素によるダイオキシン類の分解に関し、担子菌類に
属する木材腐朽菌のうちの白色腐朽菌が産生するリグニ
ン分解酵素が、ダイオキシン類など様々な化学物質を分
解する。そして、この白色腐朽菌は、木材中の主成分で
ある多糖類のセルロースやヘミセルロースを栄養源とし
て生育し、これをエネルギーとして木材中のリグニンを
分解する旨が述べられている。
【0004】このように、白色腐朽菌によるダイオキシ
ン類の分解においては、白色腐朽菌が生産する酵素、例
えばリグニンペルオキシダーゼやマンガンペルオキシダ
ーゼ、ラッカーゼなどが、独立にあるいは共に作用して
ダイオキシン類の分解を担っているのであるが、これら
酵素が安定化しないと長期間にわたる分解活性を維持す
ることができない。これら酵素は蛋白質であり、雑菌な
どの微生物やプロテアーゼにより、また物理的、化学的
な要因によっても分解されて活性が失われてしまう。し
たがって、安定化させていない酵素を用いてダイオキシ
ン類の分解を行う場合には、その分解系に絶えず酵素を
送り込まなければ、酵素の活性が維持できない。そこ
で、より充分に酵素を安定化することによって、その活
性を維持させる方法の開発が望まれている。
【0005】排水中のダイオキシン類やPCB類を除去
する方法としては活性炭による吸着(水環境学会誌、第
19巻、第4号、315−322頁、1996年)や紫
外線−オゾン法による分解とセラミックフィルターによ
る分離(ECO INDUSTRY Vol.3,P.
15−22,1998年)があるが、活性炭に吸着する
方法では根本的にダイオキシン類を分解できず、吸着し
た活性炭は熱分解など、別途処理する必要がある。紫外
線−オゾン処理は優れた技術であるが、浮遊物質が多い
場合やダイオキシン濃度が高い場合には10pg−TE
Q/lの排水基準を満たすためにはフィルターであらか
じめ除去する等の操作が必要である。そして、この場合
もフィルターで除去したダイオキシン類を吸着している
浮遊物質等は別途処理する必要があり、2次的な処理が
必要である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ダイオキシ
ン類、PCB類などの難分解性物質によって汚染された
水に含有される難分解性物質を、多大な設備費や経費を
かけることなく、分解して無害化することのできる、難
分解性物質で汚染された水の浄化法を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ダイオキシン
類、PCB類、フェノール類、ビスフェノールA、フタ
ル酸エステル類、色素などの難分解性物質によって汚染
された水に、担体に固定化された難分解性物質分解酵素
及び/又は担体を共存させた難分解性物質分解微生物を
接触させることにより、上記目的を達成することができ
ることを見出し、これら知見に基づいて本発明を完成さ
せるに至った。
【0008】すなわち、本発明の要旨は下記のとおりで
ある。 (1)ダイオキシン類、PCB類、フェノール類、ビス
フェノールA、フタル酸エステル類及び色素からなる群
から選ばれる難分解性物質で汚染された水中の該難分解
性物質を分解して無害化することにより該汚染水を浄化
する方法において、該難分解性物質で汚染された水に、
担体に固定化された難分解性物質分解酵素及び/又は担
体を共存させた難分解性物質分解微生物を接触させるこ
とを特徴とする難分解性物質で汚染された水の浄化法。 (2)担体が、活性炭、炭、軽石、多孔質セラミック、
アルギン酸、イオン交換樹脂または光架橋樹脂である、
前記(1)に記載の難分解性物質で汚染された水の浄化
法。 (3)担体が、ウレタンフォーム、炭素繊維、またはナ
イロンのような繊維用合成樹脂で編んだシートまたは筒
である、前記(1)に記載の難分解性物質で汚染された
水の浄化法。 (4)難分解性物質分解酵素が、分子中に金属を配位し
た酵素である、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の
難分解性物質で汚染された水の浄化法。 (5)分子中に金属を配位した酵素が、ラッカーゼ、リ
グニンペルオキシダーゼまたはマンガンペルオキシダー
ゼである、前記(4)に記載の難分解性物質で汚染され
た水の浄化法。 (6)難分解性物質が、トラメテス(Tramete
s)属、シゾフィラム(Schizophillum)
属、フナリア(Funalia)属、プレウロタス(P
leurotus)属、レンチナス(Lentinu
s)属、ファネロキーテ(Phanerochaet
e)属、メルリウス(Merulius)属、リゾクト
ニア(Rhizoctonia)属、ミセリオフトラ
(Myceliophtora)属、コプリナス(Co
prinus)属、フィクノポラス(Pycnopor
us)属、アガリクス(Agaricus)属、フォリ
オタ(Pholiota)属、フラムリナ(Flamm
ulina)属、ガノデルマ(Ganoderma)
属、ダーダレオプシス(Daedaleopsis)
属、ファボラス(Favolus)属、リオフィラム
(Lyophyllum)属およびオウリクラリア(A
uricularia)属からなる群から選ばれる属の
菌である、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の難分
解性物質で汚染された水の浄化法。 (7)担体に固定化された難分解性物質分解酵素が、白
色腐朽菌の培養物中に担体を共存させて難分解性物質分
解酵素を担体に吸着させることにより得られるものであ
る、前記(1)〜(6)のいずれかに記載の難分解性物
質で汚染された水の浄化法。 (8)担体に固定化された難分解性物質分解微生物が、
糸状菌の培養物中に担体を共存させて難分解性物質分解
微生物を担体に吸着させることにより得られるものであ
る、前記(1)〜(7)のいずれかに記載の難分解性物
質で汚染された水の浄化法。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、ダイオキシン類、PC
B類、フェノール類、ビスフェノールA、フタル酸エス
テル類及び色素からなる群から選ばれる難分解性物質で
汚染された水中の該難分解性物質を分解して無害化する
ことにより該汚染水を浄化する方法において、該難分解
性物質で汚染された水に、担体に固定化された難分解性
物質分解酵素及び/又は担体を共存させた難分解性物質
分解微生物を接触させることを特徴とする難分解性物質
で汚染された水の浄化法である。ここで、本発明でいう
ダイオキシン類とは、ジベンゾ−p−ダイオキシンやジ
ベンゾフラン、ビフェニルが有する2個のベンゼン環に
おける水素原子が塩素原子により置換された化合物の総
称である。そして、この塩素原子の置換数やベンゼン環
における置換位置には多種多様な化合物が存在する。こ
れら塩素原子を有するダイオキシン類の中でも、1分子
中に塩素原子を4個以上有する多塩素化物が特に人体に
対する毒性が高く、そのような化合物としては、例え
ば、ジベンゾ−p−ダイオキシンの多塩素化物として、
2,3,7,8−テトラクロロジベンゾ−p−ジオキシ
ン、1,2,3,7,8−ペンタクロロジベンゾ−p−
ジオキシン、1,2,3,4,7,8−ヘキサクロロジ
ベンゾ−p−ジオキシン、1,2,3,4,6,7,
8,9−オクタクロロジベンゾ−p−ジオキシンなどの
化合物がある。
【0010】また、ジベンゾフランの多塩素化物とし
て、2,3,7,8−テトラクロロジベンゾフラン、
1,2,3,7,8−ペンタクロロジベンゾフラン、
2,3,4,7,8−ペンタクロロジベンゾフラン、
1,2,3,4,7,8−ヘキサクロロジベンゾフラ
ン、1,2,3,6,7,8−ヘキサクロコジベンゾフ
ラン、1,2,3,7,8,9−ヘキサクロロジベンゾ
フラン、2,3,4,6,7,8,−ヘキサクロロジベ
ンゾフラン、1,2,3,4,6,7,8−ヘプタクロ
ロジベンゾフラン、1,2,3,4,6,7,8,9−
オクタクロロジベンゾフランなどの化合物がある。さら
に、ビフェニルの多塩素化物については、オルト位以外
に塩素原子が置換したコプラー(Coplanar)P
CB類があり、具体的には3,3’,4,4’−テトラ
クロロビフェノール、3,3’,4,4’,5−ペンタ
クロロビフェノール、3,3’,4,4’,5,5’−
ヘキサクロロビフェノールなどの化合物がある。
【0011】また、本発明でいうPCB類とは、ポリ塩
化ビフェニルを意味し、フェノール類はフェノール、ア
ルキルフェノール、クロロフェノールなどを意味し、フ
タル酸エステル類とはジブチルフタレート、ブチルベン
ジルフタレートなどを意味し、色素はアゾ系、ジアゾ
系、アントラキノン系、イイジゴイド系またはトリアリ
ルメタン系の色素を意味している。本発明における難分
解性物質分解酵素は、白色腐朽菌や糸状菌が生産する酵
素であって、その分子中に金属を配位した酵素が好適に
用いられる。このような分子構造を有する酵素の具体例
を挙げれば、ラッカーゼ、リグニンペルオキシダーゼ、
マンガンペルオキシダーゼが特に好適である。本発明に
おける難分解性物質分解微生物は、トラメテス(Tra
metes)属、シゾフィラム(Schizophil
lum)属、フナリア(Funalia)属、プレウロ
タス(Pleurotus)属、レンチナス(Lent
inus)属、ファネロキーテ(Phanerocha
ete)属、メルリウス(Merulius)属、リゾ
クトニア(Rhizoctonia)属、ミセリオフト
ラ(Myceliophtora)属、コプリナス(C
oprinus)属、フィクノポラス(Pycnopo
rus)属、アガリクス(Agaricus)属、フォ
リオタ(Pholiota)属、フラムリナ(Flam
mulina)属、ガノデルマ(Ganoderma)
属、ダーダレオプシス(Daedaleopsis)
属、ファボラス(Favolus)属、リオフィラム
(Lyophillum)属およびオウリクラリア(A
uricularia)属からなる群から選ばれる属の
菌である。
【0012】これら微生物を培養する際の温度は、これ
ら菌の種類によって最適温度が異なり一律に決めること
ができないが、10〜65℃の範囲、好ましくは20〜
50℃の範囲である。また、これら微生物の培養時のp
Hについても菌の種類によって最適値が異なるが、4〜
11の範囲、好ましくは4.5〜10の範囲である。さら
に、これらを培養する際に用いる培地としては、グルコ
ース、糖密などの糖類やデンプン、セルロースなどの炭
素源が好適に用いられる。窒素源としては有機質、たと
えばペプトン、エキス、大豆など、尿素、アンモニアな
どが用いられる。無機質の硝酸でもよい。処理される排
水中にリン、マグネシウム、微量金属塩が含まれていな
い場合には、これらを培地に添加することが好ましい。
排水中での難分解性物質分解微生物の増殖方法として
は、排水に、殺菌した前記の炭素源、窒素源などの栄養
源を添加するとともに酸素を供給する方法が好適であ
る。
【0013】本発明で用いる難分解性物質分解酵素を担
持する担体としては、酵素を容易に吸着固定化できる担
体が好ましく、その具体例としては活性炭、炭、軽石、
多孔質セラミックス、アルギン酸、イオン交換樹脂、光
架橋樹脂などが挙げられる。本発明で用いる難分解性物
質分解微生物を担持する担体としては、前記の担体のほ
か、ウレタンフォームや炭素繊維や、ナイロンのような
繊維用合成樹脂で編んだシートまたは筒などが好適であ
る。殺菌のしやすい、安価な活性炭やウレタンフォー
ム、多孔質セラミックスなどは特に好ましい。なお、ア
ルギン酸、光架橋樹脂、ウレタンフォーム、炭素繊維や
ナイロン等の固定化担体を使用する場合は、微生物が生
産する酵素を固定化できないため、活性炭、炭、イオン
交換樹脂等の酵素を吸着、固定化できる担体を共存させ
ることが好ましい。
【0014】酵素や微生物の利用効率を高めるため、酵
素及び/又は微生物を固定化し、再循環すると極めて有
利となる。微生物を増殖させながら生産される菌体外酵
素を連続的に担体に吸着できれば安価な排水処理が可能
となる。担体に難分解性物質分解酵素を担持する場合に
は、白色腐朽菌の培養物中に担体を共存させて難分解性
物質分解酵素を担体に吸着させることにより担体に固定
化するのが効果的である。この場合、担体には雑菌が混
入していることがあるため、100〜120℃程度で加
熱殺菌処理したものを用いるのがよい。難分解性物質分
解微生物を担体に担持する場合も、同様に、担体は加熱
殺菌処理したものを用いるのがよい。
【0015】
【実施例】以下、難分解性物質としてダイオキシン類、
難分解性物質分解微生物として2種類の糸状菌〔トラメ
テス・ベルシカラー(IFO9791)、シゾフィラム
・コムネ(IFO6505)〕、固定化用の担体として
ウレタンフォーム、活性炭を用いた場合の実施例によっ
て、本発明をさらに説明するが、本発明はこれらの実施
例に限定されるものではない。
【0016】実施例1 焼却場の洗煙排水(21000〜24000pg/TE
Q/リットルの洗煙排水)を水酸化ナトリウムで中和
し、汚染水とした。2cm角のウレタンフォームにポテ
トデキストロース液体培地を含浸させ、無菌フィルター
付ステンレス培養器に200個入れ、121℃で20分
間殺菌した。このウレタンフォームをあらかじめ殺菌し
た直径19cmのガラスシャーレに10個ずつ移し、糸
状菌の種菌〔トラメテス・ベルシカラー(IFO979
1)、シゾフィラム・コムネ(IFO6505)〕を接
種し、27℃で2週間培養し、菌床を作った。
【0017】・排水の連続分解 直径10cmの内部に直径7cmのガラス管を有する二
重管カラム(外部の長さ25cm、内部の長さ12c
m)に排水導入、空気導入、栄養源添加の3ラインを低
部に取り付け、ステンレス管等の付属品を取り付け、全
体を121℃オートクレーブで殺菌した。このガラス管
の内管に先に培養したウレタン菌床12個を入れた。同
時に加熱殺菌した平均粒径2mmの粒状活性炭10gを
ガラス管底部に入れた。雑菌の混入を防止するため、通
気は0.4μmのフィルターを通して行い、二重管の上部
には脱着可能なスリガラス付排気用蓋を取り付けた。な
お、殺菌した排水及び栄養源は微量ポンプで定量的に流
した。この設備を前部、後部の2連に連結し、後部から
排水と空気を抜き出した。
【0018】本設備を27℃の恒温室に設置し、連続運
転を行った。運転条件としては、21000〜2400
0pg−TEQ/リットルの洗煙排水を用いた。洗煙排
水の流量は1リットル/日、栄養源の流量は50ml/
日、通気量は50ml/分として実施した。栄養源の組
成は次の通りであった。
【0019】・栄養源の組成 カルボキシメチルセルロース 10g 可溶性デンプン 20g ペプトン 10g KH2 PO4 2g NaHPO4 1g MgSO4 0.2g 水道水 1リットル 同じ設備を3組用意し実験を行った。排水は3日間貯
め、ダイオキシン類を抽出した。1ヶ月後に菌床、活性
炭、ガラス容器、シリコンチューブ毎にトルエンで洗浄
抽出し、そしてダイオキシン量を算出した。ダイオキシ
ンの定量は常法により、ガスクロマトグラフィー質量分
析により定量した。その結果から、ダイオキシンの分解
率を算出した。実験の結果は次の通りである。
【0020】 ・実験結果 使用微生物 活性炭添加 タ゛イオキシン分解率(TEQ%) トラメテス ・ヘ゛ルシカラー 有 93 (Trametes versicolor) 無 46 (IFO 9791) シソ゛フィラム・コムネ 有 95 (Shizophyllum commune) 無 62 (IFO 6505)
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、難分解性物質分解酵素
や難分解性物質分解微生物を担体に担持させて固定化す
ることにより、該酵素の活性を長時間持続させることが
できるので、汚染水中に含有されている難分解性物質の
酵素による分解が長期間安定して行えるという効果、比
較的経済的であるという効果が得られる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/14 C12N 1/14 Z 9/02 9/02 9/08 9/08 Fターム(参考) 4B050 CC10 DD03 LL05 4B065 AA58X AC20 BA22 CA56 4D003 AA01 EA01 EA16 EA18 EA19 EA21 EA22 EA24 EA25 EA30 4D040 DD01 DD07 DD11 DD31

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイオキシン類、PCB類、フェノール
    類、ビスフェノールA、フタル酸エステル類及び色素か
    らなる群から選ばれる難分解性物質で汚染された水中の
    該難分解性物質を分解して無害化することにより該汚染
    水を浄化する方法において、該難分解性物質で汚染され
    た水に、担体に固定化された難分解性物質分解酵素及び
    /又は担体を共存させた難分解性物質分解微生物を接触
    させることを特徴とする難分解性物質で汚染された水の
    浄化法。
  2. 【請求項2】 担体が、活性炭、炭、軽石、多孔質セラ
    ミック、アルギン酸、イオン交換樹脂または光架橋樹脂
    である、請求項1に記載の難分解性物質で汚染された水
    の浄化法。
  3. 【請求項3】 担体が、ウレタンフォーム、炭素繊維、
    またはナイロンのような繊維用合成樹脂で編んだシート
    または筒である、請求項1に記載の難分解性物質で汚染
    された水の浄化法。
  4. 【請求項4】 難分解性物質分解酵素が、分子中に金属
    を配位した酵素である、請求項1〜3のいずれかに記載
    の難分解性物質で汚染された水の浄化法。
  5. 【請求項5】 分子中に金属を配位した酵素が、ラッカ
    ーゼ、リグニンペルオキシダーゼまたはマンガンペルオ
    キシダーゼである、請求項4に記載の難分解性物質で汚
    染された水の浄化法。
  6. 【請求項6】 難分解性物質が、トラメテス(Tram
    etes)属、シゾフィラム(Schizophill
    um)属、フナリア(Funalia)属、プレウロタ
    ス(Pleurotus)属、レンチナス(Lenti
    nus)属、ファネロキーテ(Phanerochae
    te)属、メルリウス(Merulius)属、リゾク
    トニア(Rhizoctonia)属、ミセリオフトラ
    (Myceliophtora)属、コプリナス(Co
    prinus)属、フィクノポラス(Pycnopor
    us)属、アガリクス(Agaricus)属、フォリ
    オタ(Pholiota)属、フラムリナ(Flamm
    ulina)属、ガノデルマ(Ganoderma)
    属、ダーダレオプシス(Daedaleopsis)
    属、ファボラス(Favolus)属、リオフィラム
    (Lyophyllum)属およびオウリクラリア(A
    uricularia)属からなる群から選ばれる属の
    菌である、請求項1〜5のいずれかに記載の難分解性物
    質で汚染された水の浄化法。
  7. 【請求項7】 担体に固定化された難分解性物質分解酵
    素が、白色腐朽菌の培養物中に担体を共存させて難分解
    性物質分解酵素を担体に吸着させることにより得られる
    ものである、請求項1〜6のいずれかに記載の難分解性
    物質で汚染された水の浄化法。
  8. 【請求項8】 担体に固定化された難分解性物質分解微
    生物が、糸状菌の培養物中に担体を共存させて難分解性
    物質分解微生物を担体に吸着させることにより得られる
    ものである、請求項1〜7のいずれかに記載の難分解性
    物質で汚染された水の浄化法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006281042A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Suminoe Textile Co Ltd 微生物を固定化した連続多孔質成形体及びこれを使って染料を脱色する方法。
JP2012040497A (ja) * 2010-08-19 2012-03-01 Ehime Univ アゾ染料分解剤およびアゾ染料の分解方法
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