JP2002018426A - 難分解性塩素系化合物汚染土壌の浄化法 - Google Patents

難分解性塩素系化合物汚染土壌の浄化法

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JP2002018426A
JP2002018426A JP2000209189A JP2000209189A JP2002018426A JP 2002018426 A JP2002018426 A JP 2002018426A JP 2000209189 A JP2000209189 A JP 2000209189A JP 2000209189 A JP2000209189 A JP 2000209189A JP 2002018426 A JP2002018426 A JP 2002018426A
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chlorine
calcium oxide
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秀夫 宮本
Takahiro Kawabata
孝博 川端
Genshi Suzuki
源士 鈴木
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 汚染土壌中の難分解性塩素系化合物を、短期
間で低コストで分解して無害化することができる浄化法
を提供する。 【解決手段】 難分解性塩素系化合物により汚染された
土壌中の該難分解性塩素系化合物を分解して無害化する
ことにより該汚染土壌を浄化する方法であって、(1)
難分解性塩素系化合物に汚染された土壌に、酸化カルシ
ウムを土壌の乾燥重量に対して5重量%以上添加し、混
合、攪拌する工程と、(2)該土壌に水を加えて酸化カ
ルシウムと反応させ、土壌温度60℃以上とする工程
と、(3)該土壌のpHを4〜10に調整する工程と、
(4)該土壌を放置し、温度が40℃以下になった後
に、難分解性塩素系化合物の分解能を有する微生物を添
加する工程とを、この順に行うことを特徴とする難分解
性塩素系化合物汚染土壌の浄化法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、都市ゴミや産業廃
棄物の焼却設備などから排出される塩素化ダイオキシン
類又は農薬、農薬の副生物によって汚染された土壌に含
まれる難分解性塩素系化合物を分解して無害化すること
により、該汚染土壌を浄化する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】人体に有害な物質としてよく知られてい
る塩素化ダイオキシン類やコプラナーPCB類は、都市
ごみや産業廃棄物の焼却設備や様々な燃焼設備、機器類
などから自然界に排出され、また、塩素系農薬やその副
生物により土壌に蓄積した塩素系化合物が農地に蓄積
し、大きな社会問題となっている。これら塩素化ダイオ
キシン類やハロゲン化フェノール類には、種々の化学構
造を有するものがあり、多塩素化ジベンゾ−p−ダイオ
キシン類や多塩素化ジベンゾフラン、コプラナーPCB
類などが知られている。そして、これら塩素系化合物
は、生物により分解され難いことから、多くの生物の体
内に吸収され、食物連鎖により、最終的には動物体内に
蓄積されて濃縮され、発ガン性、催奇形成性又はホルモ
ン作用を示すと言われている。そこで、これら塩素系化
合物の発生を抑制する方法が検討され、提案されてい
る。例えば、焼却炉などでの焼却温度を900℃以上の
極めて高い温度として燃焼させる方法が提案されている
が、そのような焼却炉の建設や改修には多大の設備費を
必要とする。一方、大気中に放出された塩素系化合物
は、雨水や雪とともに地上に降りて土壌に蓄積される。
また、長年の農薬の使用により土壌に蓄積されている。
このように、自然界に放置された塩素化ダイオキシン類
を含有する汚染土壌を浄化して元の土壌に修復するため
の有効な手段は見出されていない。また、ハロゲン化フ
ェノール類については、農薬や農薬の副生物として、水
田や畑土壌に散布されたが、その使用が禁止された後も
長期間に渡り土壌に残留し、分解されにくいため、現在
でも問題になっている。
【0003】近年、塩素化ダイオキシン類などの自然界
では分解されがたい化学物質の微生物による分解に関す
る研究がなされ、ある種の微生物が産生するリグニン分
解酵素が塩素化ダイオキシン類を分解することが報告さ
れている〔BIO INDUSTRY VOL.15 NO.2 P5-13(1998):化
学 VOL.52 NO.10 P24-25(1997)〕。さらに、これら報告
では、微生物が産生するリグニン分解酵素による塩素化
ダイオキシン類の分解に関し、担子菌類に属する木材腐
朽菌のうちの白色腐朽菌が産生するリグニン分解酵素
が、塩素化ダイオキシン類など様々な化学物質を分解す
る。そして、この白色腐朽菌は、木材中の主成分である
多糖類のセルロースやヘミセルロースを栄養源として生
育し、これをエネルギーとして木材中のリグニンを分解
する旨が述べられている。
【0004】ところが、このように実験室において白色
腐朽菌を無菌培養した結果を、自然界における塩素化ダ
イオキシン類やハロゲン化フェノール類で汚染された現
場の汚染土壌において再現することには困難性がある。
この塩素化ダイオキシン類やハロゲン化フェノール類の
分解には酵素が深く関与しているのであるが、この酵素
についても性質の異なる酵素が分解に関与している場合
が多い。これらの酵素を生産する微生物は、その生育環
境により増殖や酵素の生産量が著しく変化する。そし
て、自然界の土壌では、実験室のように塩素化ダイオキ
シン類やハロゲン化フェノール類の分解能を有する微生
物のみを純粋培養して塩素化ダイオキシン類やハロゲン
化フェノール類の分解を行うことは難しく、土壌中に存
在する常在菌の増殖を抑制して、接種した塩素化ダイオ
キシン類やハロゲン化フェノール類の分解能を有する微
生物の増殖と酵素の生産量を高め、さらに塩素化ダイオ
キシン類やハロゲン化フェノール類と酵素との反応条件
を適正化することによって、初めて実験室における結果
を再現することができるのである。このように、自然界
に放置された塩素化ダイオキシン類やハロゲン化フェノ
ール類を含有する汚染土壌を浄化するためには、これら
塩素化ダイオキシン類やハロゲン化フェノール類の分解
能を有する微生物の選別やその増殖、現場での使用に適
した菌体製剤の製造、さらには汚染土壌の生物的、物理
・化学的環境の制御や、微生物の生産酵素と塩素化ダイ
オキシン類やハロゲン化フェノール類との反応促進のた
めの添加剤の供給などを総合的なシステムとして構築す
ることが必要とされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の課題を
解決するためになされたもので、焼却設備などから排出
された塩素化ダイオキシン類やハロゲン化フェノール類
等の難分解性塩素系化合物によって汚染された土壌中の
塩素化ダイオキシン類を、多大な設備費や操業経費をか
けることなく、短期間に低コストで分解して無害化する
ことのできる汚染土壌の浄化法を提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、難分解性塩素
系化合物汚染土壌を酸化カルシウムで加熱後、特定温度
及び特定pHで難分解性塩素系化合物の分解能を有する
微生物を添加することにより汚染土壌を無害化できるこ
とを見出し本発明を完成させるに至った。すなわち、本
発明は、難分解性塩素系化合物により汚染された土壌中
の該難分解性塩素系化合物を分解して無害化することに
より該汚染土壌を浄化する方法であって、(1)難分解
性塩素系化合物に汚染された土壌に、酸化カルシウムを
土壌の乾燥重量に対して5重量%以上添加し、混合、攪
拌する工程と、(2)該土壌に水を加えて酸化カルシウ
ムと反応させ、土壌温度60℃以上とする工程と、
(3)該土壌のpHを4〜10に調整する工程と、
(4)該土壌を放置し、温度が40℃以下になった後
に、難分解性塩素系化合物の分解能を有する微生物を添
加する工程とを、この順に行うことを特徴とする難分解
性塩素系化合物汚染土壌の浄化法を提供するものであ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明でいう難分解性塩素系化合物とは、主に塩
素化ダイオキシン類及びハロゲン化フェノール類が挙げ
られる。前記塩素化ダイオキシン類としては、ジベンゾ
−p−ダイオキシンやジベンゾフラン、ビフェニルが有
する2個のベンゼン環における水素原子が塩素原子によ
り置換された化合物の総称である。そして、この塩素原
子の置換数やベンゼン環における置換位置には多種多様
な化合物が存在する。これら塩素原子を有するダイオキ
シン類の中でも、1分子中に塩素原子を4個以上有する
多塩素化物が特に人体に対する毒性が高く、そのような
化合物としては、例えば、ジベンゾ−p−ダイオキシン
の多塩素化物としては、2,3,7,8−テトラクロロ
ジベンゾ−p−ジオキシン、1,2,3,7,8−ペン
タクロロジベンゾ−p−ジオキシン、1,2,3,4,
7,8−ヘキサクロロジベンゾ−p−ジオキシン、1,
2,3,4,6,7,8−ヘプタクロロジベンゾ−p−
ジオキシン、1,2,3,4,6,7,8,9−オクタ
クロロジベンゾ−p−ジオキシンなどの化合物が挙げら
れる。
【0008】前記ジベンゾフランの多塩素化物として
は、2,3,7,8−テトラクロロジベンゾフラン、
1,2,3,7,8−ペンタクロロジベンゾフラン、
2,3,4,7,8−ペンタクロロジベンゾフラン、
1,2,3,4,7,8−ヘキサクロロジベンゾフラ
ン、1,2,3,6,7,8−ヘキサクロロジベンゾフ
ラン、1,2,3,7,8,9−ヘキサクロロジベンゾ
フラン、2,3,4,6,7,8−ヘキサクロロジベン
ゾフラン、1,2,3,4,6,7,8−ヘプタクロロ
ジベンゾフラン、1,2,3,4,6,7,8,9−オ
クタクロロジベンゾフランなどの化合物が挙げられる。
【0009】また、前記ビフェニルの多塩素化物として
は、オルト位以外に塩素原子が置換したコプラナー(C
oplanar)PCB類があり、具体的には3,
3’,4,4’−テトラクロロビフェノール、3,
3’,4,4’,5−ペンタクロロビフェノール、3,
3’,4,4’,5,5’−ヘキサクロロビフェノール
などの化合物が挙げられる。これら多くの塩素化物の中
でも、最も毒性の高い化合物は、2,3,7,8−テト
ラクロロジベンゾ−p−ジオキシンである。さらに、前
記ハロゲン化フェノール類としては、モノクロロフェノ
ール、ジクロロフェノール、トリクロロフェノール、テ
トラクロロフェノール、ペンタクロロフェノールが挙げ
られる。
【0010】次に、本発明の方法における各工程につい
て説明する。工程(1)は、難分解性塩素系化合物に汚
染された土壌に、酸化カルシウムを土壌の乾燥重量に対
して5重量%以上添加し、混合、攪拌する。この工程
は、後で酸化カルシウムを発熱させる際に、土壌に酸化
カルシウムが偏って分散して、発熱しない部分が残るの
を防ぎ、全体を均一に発熱させるためである。工程
(1)において、酸化カルシウムは、土壌の乾燥重量に
対して7重量%以上添加することが好ましい。酸化カル
シウムの添加量が5重量%未満では、水を添加した際に
土壌が十分加熱されない。
【0011】工程(2)は、土壌に水を加えて酸化カル
シウムと反応させ、土壌温度60℃以上とする。土壌温
度を70℃以上とすると好ましい。この工程は、土壌に
存在する難分解性塩素系化合物の分解能を有する微生物
の増殖を阻害する常在菌を殺菌するためである。また、
後の工程で難分解性塩素系化合物の分解能を有する微生
物を加えた際に、該微生物の適正温度環境とするためで
ある。また、外気温が低い場合などには、水を加えた
後、土壌をビニールシートで覆ったり、断熱容器で囲い
保温したり、温水、電熱ヒーター、赤外線なども利用し
て加熱しても良い。
【0012】工程(3)は、土壌のpHを4〜10に調
整する工程である。温度は、20〜40℃が難分解性塩
素系化合物の分解能を有する微生物が活発に活動する温
度であることから好ましい。pHは、通常の酸性物質を
添加することにより調整すれば良く、pH4.4〜9.
5が難分解性塩素系化合物の分解能を有する微生物が活
発に活動するpHであることから好ましい。
【0013】工程(4)は、一度加熱した土壌を放置
し、温度が40℃以下になった後に、土壌に難分解性塩
素系化合物の分解能を有する微生物を添加する。この微
生物としては、ラッカラーゼ生産菌が好ましく、例え
ば、シゾフィラム(Schizophyllum)属、
トラメテス(Trametes)属、プレウロタス(P
leurotus)属、レンチナス(Lentinu
s)属、メルリウス(Merulius)属、フナリア
(Funalia)属、フィクノポラス(Pycnop
orus)属、マイセリオフトラ(Mycelioph
tora)属、アガリスク(Agaricus)属、フ
ォリオータ(Foriota)属、フラムリナ(Fla
mmulina)属、ガノデルマ(Ganoderm
a)属、ダエダレオプシス(Daedaleopsi
s)属、ファボラス(Favolus)、リオフィラム
(Lyophyllum)属、リゾクトニア(Rhiz
octonia)属等の微生物が挙げられる。これらの
微生物の中でも、ラッカーゼ生産性の高い微生物は、ラ
ッカーゼと共にリグニンペルオキシターゼ、マンガンペ
ルオキシターゼを併産するが、これらの酵素も難分解性
塩素系化合物の分解に寄与する。これらの微生物の培養
時には、培地成分として、木質系セルロース源と栄養源
を混合し、これに水を加え、さらに殺菌処理を施したも
のを用いる。
【0014】この木質系セルロース源としては、広葉樹
が好ましいが針葉樹を利用することもできる。針葉樹を
利用する場合には、オガクズやチップを数ケ月間風雨に
曝して菌の増殖を阻害する成分を流出させたものを使用
するのがよい。これら広葉樹と針葉樹の混合物からなる
木質系セルロース源を用いてもよい。また、上記栄養源
としては、フスマ、米ぬか、コーンブラン、大豆カス、
ナタネカス、カンキツ類の果皮などが用いられる。ま
た、前記微生物の固体培養物を、土壌の乾燥重量に対し
て0.1〜20重量%添加することが好ましい。0.1
重量%未満であると、土壌中の難分解性塩素系化合物に
対する十分な無害化効果が得られないことがあり、20
重量%を超えて加えても、添加量に比例する効果が得ら
れず経済的に不利である。
【0015】前記工程(1)の前に、土壌を乾燥して、
土壌に対する水分含量を10重量%以下にすると好まし
い。酸化カルシウムを添加する前から、土壌が過剰な水
分量を含んでいると、水と酸化カルシウムの反応時に異
常発熱することがあるためである。前記工程(4)の後
に、さらに土壌に水を加えて、土壌に対する水分含量を
15重量%以上とすることが好ましく、20重量%以上
とするとさらに好ましい。水分量が多い方が、その後土
壌に添加した微生物の活動が、より活発になるためであ
る。この水分量には、上限はないが、多すぎると土壌と
水分が分離して土壌が流出したり、酸素の濃度が下がる
ため必要以上に加える必要はない。また、前記工程
(4)の後に、土壌をビニールシートや温室などの被覆
具で覆うと好ましい。雨による土壌や菌の流出が防げる
からである。
【0016】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。 実施例1〜3及び比較例1〜2 以下の各工程で、本発明を実施した。まず、塩素化ダイ
オキシン類により汚染された土壌の試料として、都市ゴ
ミ焼却炉の周辺の雑草が生育した土地から、地表より2
0cmの深さまでの土壌を剥離して採取した。この塩素
化ダイオキシン類汚染土壌の試料を用いて、環境庁作成
のダイオキシンに係る土壌調査暫定マニュアルに準じ
て、この汚染土壌に含まれている塩素化ダイオキシン類
の同族体の分析をした。
【0017】この結果、塩素化ダイオキシン類の同族体
として、2,3,7,8−テトラクロロジベンゾ−p−
ジオキシン、1,2,3,7,8−ペンタクロロジベン
ゾ−p−ジオキシン、1,2,3,4,7,8−ヘキサ
クロロジベンゾ−p−ジオキシン、1,2,3,6,
7,8−ヘキサクロロジベンゾ−p−ジオキシン、1,
2,3,7,8,9−ヘキサクロロジベンゾ−p−ジオ
キシン、1,2,3,4,6,7,8−ヘプタクロロジ
ベンゾ−p−ジオキシン、1,2,3,4,6,7,
8,9−オクタクロロジベンゾ−p−ジオキシン、2,
3,7,8−テトラクロロジベンゾフラン、1,2,
3,7,8−ペンタクロロジベンゾフラン、2,3,
4,7,8−ペンタクロロジベンゾフラン、1,2,
3,4,7,8−ヘキサクロロジベンゾフラン、1,
2,3,6,7,8−ヘキサクロロジベンゾフラン、
1,2,3,7,8,9−ヘキサクロロジベンゾフラ
ン、2,3,4,6,7,8−ヘキサクロロジベンゾフ
ラン、1,2,3,4,6,7,8−ヘプタクロロジベ
ンゾフラン、1,2,3,4,7,8,9−ヘプタクロ
ロジベンゾフラン、1,2,3,4,6,7,8,9−
オクタクロロジベンゾフランの存在が確認された。これ
ら塩素化ダイオキシン類について、それぞれの含有割合
を、2,3,7,8−テトラクロロジベンゾ−p−ジオ
キシンの活性に対する毒性等量(TEQ)を算出した結
果、上記塩素化ダイオキシン類汚染土壌のTEQの値
は、2800ピコグラム/グラム土壌であった。
【0018】前工程:上記塩素化ダイオキシン類汚染土
壌を水分量が10重量%になるまで乾燥した。この塩素
化ダイオキシン類汚染土壌1kgを採取し、容量5リッ
トルのステンレスバットに入れた。 工程(1):ステンレスバット中の汚染土壌に、表1に
示す量の酸化カルシウムを添加し、攪拌、混合し、土壌
中心部の発熱温度を測定した。このステンレスバット
を、容量10リットルの発泡スチロール製の保温容器に
入れた。 工程(2):汚染土壌に水200gを加えて、すみやか
に混合し、発泡スチロール製の蓋をかぶせた。 工程(3):その後放置し、何度か土壌中心部の温度を
測定し、40℃以下になったときに、1N硫酸溶液を添
加してpHを7に調整した。 工程(4):次いで、シゾフィラム・コムネ(Schi
zophyllum commune IFO650
5)をフスマ50重量%、ナラオガクズ50重量%の固
体培地で培養しておいた微生物製剤(水分65重量%)
100gを添加、混合した。 後工程:混合後、発泡スチロール製の蓋を付けない状態
で、3日に一度の割合で混合し、水分含有量を赤外水分
計で測定し、水分量を30重量%以上を維持するように
水道水を加えた。 以上の工程の後、30日経過後に、土壌試料中の塩素化
ダイオキシン類の同族体の分析をしTEQを算出し、微
生物の添加前の塩素化ダイオキシン類のTEQに対する
減少割合を算出し、塩素化ダイオキシン類の分解率とし
た。その結果を表1に示す。
【0019】
【表1】 ※尚、比較例1は、酸化カルシウムを添加していないた
め、発熱温度は発熱のない土壌温度を示す。
【0020】表1に示したように、実施例1〜3では高
いダイオキシンの分解率を示したのに対し、酸化カルシ
ウムを添加していない比較例1や土壌に対する量が5重
量%未満と少ない比較例2では、分解率は極めて低い。
【0021】実施例4 実施例1〜3において、ハロゲン化フェノール類とし
て、土壌1g当たり、ジクロロフェノール1.2μg及
びペンタクロロフェノール1.7μgに汚染された土壌
を用い、工程(1)において酸化カルシウムの量を11
0gとし、工程(3)においてpHを6.5に調整し、
工程(4)において微生物の種類をプレウロタス・パル
モナリス(Pleurotus pulmonaris
IFO31345)を用いたこと以外は同様にして浄
化を行った。以上の工程の後、30日経過後に、土壌試
料中のハロゲン化フェノール類の減少割合を算出し、分
解率とした。その結果を表2に示す。
【0022】実施例5 実施例4において、工程(4)において微生物の種類を
フィクノポラス・コッシネウス(Pycnoporus
coccineus IFO4923)とした以外は
同様にして土壌を浄化し、30日経過後に、土壌試料中
のハロゲン化フェノール類の減少割合を算出し、分解率
とした。その結果を表2に示す。 実施例6 実施例4において、工程(4)において微生物の種類を
トラメテス・ベルシカラー(Trametes ver
sicolor IFO30388)とした以外は同様
にして土壌を浄化し、30日経過後に、土壌試料中のハ
ロゲン化フェノール類の減少割合を算出し、分解率とし
た。その結果を表2に示す。
【0023】
【表2】
【0024】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の浄
化法によれば、汚染された土壌中の難分解性塩素系化合
物を、多大な設備費や操業経費をかけることなく、短期
間に低コストで分解して無害化することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C12N 1/14 B09B 3/00 304K C12R 1:645) Fターム(参考) 4B065 AA58X AC14 BA22 BD34 CA56 4D004 AA41 AB06 AB07 CA15 CA19 CA22 CA35 CA46 CC03 CC07 CC11 DA03 DA06 DA09 DA10 DA20

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 難分解性塩素系化合物により汚染された
    土壌中の該難分解性塩素系化合物を分解して無害化する
    ことにより該汚染土壌を浄化する方法であって、(1)
    難分解性塩素系化合物に汚染された土壌に、酸化カルシ
    ウムを土壌の乾燥重量に対して5重量%以上添加し、混
    合、攪拌する工程と、(2)該土壌に水を加えて酸化カ
    ルシウムと反応させ、土壌温度60℃以上とする工程
    と、(3)該土壌のpHを4〜10に調整する工程と、
    (4)該土壌を放置し、温度が40℃以下になった後
    に、難分解性塩素系化合物の分解能を有する微生物を添
    加する工程とを、この順に行うことを特徴とする難分解
    性塩素系化合物汚染土壌の浄化法。
  2. 【請求項2】 前記工程(1)において、酸化カルシウ
    ムを土壌の乾燥重量に対して7重量%以上添加すること
    を特徴とする請求項1に記載の難分解性塩素系化合物汚
    染土壌の浄化法。
  3. 【請求項3】 前記工程(3)において、土壌のpHを
    4.4〜9.5に調整することを特徴とする請求項1に
    記載の難分解性塩素系化合物汚染土壌の浄化法。
  4. 【請求項4】 前記工程(4)において、難分解性塩素
    系化合物の分解能を有する微生物が、ラッカラーゼ生産
    菌であることを特徴とする請求項1に記載の難分解性塩
    素系化合物汚染土壌の浄化法。
  5. 【請求項5】 前記工程(4)の後に、さらに土壌に水
    を加えて、土壌に対する水分含量を15重量%以上とす
    ることを特徴とする請求項1に記載の難分解性塩素系化
    合物汚染土壌の浄化法。
  6. 【請求項6】 前記工程(4)の後に、土壌を被覆具で
    覆うことを特徴とする請求項1に記載の難分解性塩素系
    化合物汚染土壌の浄化法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005224760A (ja) * 2004-02-16 2005-08-25 Matsushita Electric Ind Co Ltd 土壌、地下水処理方法
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JP2013173108A (ja) * 2012-02-27 2013-09-05 Hokushin Sangyo Kk 油汚染土浄化工法

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