JP2012040497A - アゾ染料分解剤およびアゾ染料の分解方法 - Google Patents

アゾ染料分解剤およびアゾ染料の分解方法 Download PDF

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Abstract

【課題】環境条件にかかわらずアゾ染料を効率よく分解可能な技術を提供する。
【解決手段】本発明のアゾ染料分解剤は、白色腐朽菌からの粗酵素が、Tween80、MnSO4、およびH22を含む外膜で内包された固定化酵素を含有するものである。
【選択図】なし

Description

本発明はアゾ染料分解剤およびアゾ染料の分解方法に関し、詳細には、白色腐朽菌からの粗酵素が固定化された二重カプセルの固定化酵素を含有するアゾ染料分解剤に関するものである。
アゾ染料は、現在最も多く用いられている合成染料であり、アゾ基によって二つの有機基が連結されたアゾ化合物で構成されている。アゾ染料は比較的安定であり、容易に分解され難いほか、有毒であり、その代謝物質などが突然変異誘発性や発がん性を有する可能性があるため、環境中への流出が大きな環境問題となっている。
そこで、このような難分解性のアゾ染料を分解する方法が種々提案されている。アゾ染料の分解方法として、例えば活性汚泥法、凝集沈殿法、またはこれらを組合わせて処理する方法が実施されているが、多大なコストがかかる。また微生物を用いてアゾ染料を分解する方法として、特許文献1には、バチルス属に属する菌株微生物を用いる方法が、特許文献2には、ロドバクター属に属する菌株を用いる方法が開示されている。そのほか、過酸化酵素の一種であるマンガンペルオキシダーゼによってアゾ染料を分解する方法も開示されている。
ところで本発明者らは、白色腐朽菌が産出する粗酵素について長年の間研究をしている。例えば非特許文献1には、上記粗酵素を用い、分解時のpH、H22濃度、MnSO2濃度、メディエーターの種類[Tween80、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HBT)など]を適切に制御すれば、難分解性のアゾ染料を短時間で分解できることを見出し、報告している。また、アゾ染料分解技術ではないが、ダイオキシン分解剤として、当該粗酵素を包括法により固定化してなる顆粒状ダイオキシン類分解剤(特許文献3)や;当該粗酵素を含有したコア成分と、当該粗酵素を活性化させる酵素賦活剤をシーズ成分とし、夫々イオン透過機能を有する膜で被覆した多重カプセル環境ホルモン剤(特許文献4)を開示している。
特開2002−65262号公報 特開2002−45172号公報 特開2004−351263号公報 特開2008−222727号公報
「白色腐朽菌由来の粗酵素を用いたアゾ染料の分解」、第53回リグニン討論会講演集、静岡、p.136−137(2009)
上記非特許文献1に記載したように白色腐朽菌由来の粗酵素を用いれば、難分解性物質のアゾ染料を効率よく分解することができる。しかし、白色腐朽菌は環境負荷に最も敏感な微生物のひとつであり、急激な環境変化や他の微生物との生存競争によって死滅する恐れがある。そのため、非特許文献1のように白色腐朽菌由来の粗酵素を、固定化することなく直接、アゾ染料で汚染された廃水や土壌などに用いると、環境条件などによっては所望の分解能が有効に発揮されない場合があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、環境条件にかかわらずアゾ染料を効率よく分解可能な技術を提供することにある。
上記課題を解決し得た本発明のアゾ染料分解剤は、白色腐朽菌からの粗酵素が、Tween80、MnSO4、およびH22を含む外膜で内包された固定化酵素を含有するところに要旨を有するものである。
また上記課題を解決し得た本発明に係るアゾ染料の分解方法は、上記アゾ染料分解剤を用いてアゾ染料を分解するところに要旨を有するものである。
本発明の好ましい実施形態において、分解時の振とう速度は、おおむね10〜150rpmの範囲内に制御されている。
本発明の好ましい実施形態において、バイオリアクターに充填してアゾ染料を分解するものである。
本発明の好ましい実施形態において、分解対象であるアゾ染料含有物を前記バイオリアクターに循環させるときの流速は、おおむね0.5mL/min以上に制御されている。
本発明によれば、アゾ染料分解能を有する白色腐朽菌由来の粗酵素が、適切な成分を有する外膜で内包(固定)されているため、環境条件などにかかわらずアゾ染料を効率よく分解(脱色)することができる。その結果、例えば繊維工場や染色工場などから排出されるアゾ染料含有廃液の工業的規模での浄化を、短時間で効率よく行なうことができる。本発明の技術は、繊維、製紙、食品など様々な産業分野に利用することができる。
図1は、実施例1において、二重カプセルの固定化酵素を用いたときの各アゾ染料(R.Red4、R.Black5、およびR.Green19)の分解率を示すグラフである。 図2は、実施例1において、二重カプセルの固定化酵素または粗酵素(固定化なし)を用いたときの、R.Red4の分解率を示すグラフである。 図3は、実施例1において、二重カプセルの固定化酵素または粗酵素(固定化なし)を用いたときの、R.Black5の分解率を示すグラフである。 図4は、実施例1において、二重カプセルの固定化酵素または粗酵素(固定化なし)を用いたときの、R.Green19の分解率を示すグラフである。 図5は、実施例2において用いたバイオリアクターの概略を示す図である。 図6は、実施例2において、二重カプセルの固定化酵素をバイオリアクターに充填したときのアゾ染料分解率を示すグラフである。 図7は、実施例3において、二重カプセルの固定化酵素をバイオリアクターに充填したとき、R.Red4の分解に及ぼす流速の影響を調べたグラフである。 図8は、実施例3において、二重カプセルの固定化酵素をバイオリアクターに充填したとき、R.Black5の分解に及ぼす流速の影響を調べたグラフである。 図9は、実施例3において、二重カプセルの固定化酵素をバイオリアクターに充填したとき、R.Green19の分解に及ぼす流速の影響を調べたグラフである。
本発明者らは、白色腐朽菌からの粗酵素を用いて難分解性物質のアゾ染料を、環境条件にかかわらず工業的規模で効率良く分解できる方法について検討を重ねてきた。その結果、上記粗酵素を、所定成分を含有する外膜で内包した二重カプセル構造の分解剤を用いれば、上記粗酵素によるアゾ染料の高い分解作用を有効に発揮させ、且つ、当該粗酵素を固定化でき当該粗酵素の安定性が増大することを見出した。また上記二重カプセル構造の分解剤を用いてアゾ染料を分解するに当たっては、反応時の振とう速度を適切に制御することが好ましいこと;工業的規模での利用を考慮すればバイオリアクターへの充填が好ましく、更に好ましくは、振とう条件を適切に制御すればアゾ染料の分解能が一層向上することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明のアゾ染料分解剤は、白色腐朽菌からの粗酵素が、Tween80、MnSO4、およびH22を含む外膜で内包された固定化酵素を含有するところに特徴がある。このように本発明では、アゾ染料分解作用を有する白色腐朽菌由来の粗酵素が固定化されているため、(ア)粗酵素の安定性が増大するほか、(イ)粗酵素とアゾ染料分解後の生成物との分離が容易になり、粗酵素の繰返し使用が可能であり、(ウ)アゾ染料分解反応の開始・停止を固定化酵素の添加、除去により容易に制御可能である、などのメリットがある。
また本発明では、上記粗酵素が、所定の成分を含有する外膜で内包されているため、粗酵素が固定化されていても、粗酵素によるアゾ染料分解作用を有効に発揮させることができる。これに対し、外膜中に所定の成分を含有せず、少なくともいずれか一つの成分が内膜中に含まれている(すなわち、当該成分は、粗酵素と同様に固定化されている)場合は、アゾ染料分解作用が低下することが分かった。
以下、本発明のアゾ染料分解剤を構成する要件について、詳しく説明する。
(白色腐朽菌からの粗酵素の調製)
本発明に用いられる白色腐朽菌は、アゾ染料分解作用を有するものであれば特に限定されず、例えば、前述した特許文献3および4に記載の白色腐朽菌を用いることができる。白色腐朽菌としては、例えばヒラタケ科、コウヤクタケ科、タコウキン科、カワタケ科などに属する微生物が挙げられ、具体的には、コウヤクタケ科カワタケ属に属する微生物(例えばカワタケ属267菌株、カワタケ属PC×267菌株に属する微生物など、ヒラタケ科ヒラタケ属に属する微生物(ヒラタケ1、ヒラタケ2など)、タコウキン科シュタケ属に属する微生物(ヒイロタケ1など)、フザリウム科アベナセウム属に属する微生物[例えばフザリウム・アベナセウム(コルダ:フライズ)サッカルド65菌株、フザリウム・アベナセウム(コルダ:フライズ)サッカルドPC×65菌株など]などが例示される。このうち好ましいのは、ヒラタケ科ヒラタケ属に属する微生物(ヒラタケ1、ヒラタケ2など)、タコウキン科シュタケ属に属する微生物(ヒイロタケ1など)である。以下では、ヒラタケ1をPL1菌で代表させる場合がある。
本発明では、上記白色腐朽菌からの粗酵素を用いる。上記粗酵素は、上記白色腐朽菌を所定の栄養培地にて培養した後、緩衝液を加えて抽出した後の抽出液中に含まれており、基本的にマンガンペルオキシダーゼ(MnP)活性、ラッカーゼ(Lac)活性、カテコール1,2−ジオキシゲナーゼ活性を有している。また培養時期などによっては、上記活性のほか、リグニンペルオキシダーゼ(LiP)活性や、カテコール2,3−ジオキシゲナーゼ活性を有している場合がある。各活性の好ましい範囲は以下のとおりである。
MnP活性:おおむね、0.1〜2U/mL、Lac活性:おおむね、0.001〜0.2U/mL、カテコール1,2−ジオキシゲナーゼ活性:おおむね、0.0001〜0.1U/mL
好ましくは更に、LiP活性:おおむね、0.0001〜0.01U/mL、カテコール2,3−ジオキシゲナーゼ活性:おおむね、0.0001〜0.01U/mL
上記白色腐朽菌から粗酵素を得る方法は、前述した特許文献3および4に記載されているが、具体的には以下のとおりである。
まず、粗酵素抽出のための培地または菌床を用意する。具体的には、白色腐朽菌の培養に用いられる培地[Czapek−Dox寒天培地、馬鈴薯−デキストロース寒天(PDA)培地など]や、植物残渣(例えば木屑、おが屑、鋸屑、米糠、おから、油粕、大豆粕など)などの菌床が挙げられる。
上記培地や菌床には、白色腐朽菌の生育促進の目的で、白色腐朽菌の栄養源や界面活性剤を添加することが好ましい。上記栄養源としては、例えば昭和産業社製の「しいたけの里」など白色腐朽菌の栄養源として市販されているものを用いてもよいし、グルコースなどの炭素源;ポリペプトンなどの窒素源;マグネシウム塩やマンガン塩などの微量元素源;クエン酸などのpH調整剤;植物繊維の破砕物(パルプ)などの植物材料が好ましく用いられる。また、上記界面活性剤としては、陽イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、両イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤など特に制限されないが、白色腐朽菌への悪影響が少ないことから非イオン界面活性剤が好適である。非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、アルキルグルコシド、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルなどを挙げることができる。より具体的には、Tween20、Tween60、Tween80を用いることができる。
上記栄養源の添加量は、白色腐朽菌の量などに応じて適宜調整すればよいが、一般的には栄養源の量は多いほど白色腐朽菌の生育は良好であり、アゾ染料の分解効率は向上する。その一方で、植物材料の天然素材を除く炭素源や窒素源などの栄養源が多過ぎると環境への悪影響が懸念される。以上を考慮して、添加する栄養源の量は、培地または菌床に対しておおむね、5〜30質量%程度にすることが好ましい。
上記界面活性剤の添加量は、培地または菌床に対しておおむね、0.05質量%以上、1.0質量%以下程度にすることが好ましく、0.1質量%以上、0.75質量%以下程度にすることがより好ましい。界面活性剤の添加量が少なすぎると、白色腐朽菌の生育促進作用が有効に発揮されず、所望とするアゾ染料分解作用が得られない場合がある。一方、界面活性剤の添加量が多すぎると、かえって白色腐朽菌の生育に悪影響を及ぼすようになる。
次に、上記培地または菌床(好ましくは上記栄養源や界面活性剤を添加したもの)に白色腐朽菌を接種し、菌糸蔓延した状態まで培養する。白色腐朽菌の接種量や培養条件は、処理対象である廃液や汚染土壌などに含まれるアゾ染料の含有量などに応じて適宜調整すればよい。
次に、白色腐朽菌の培養物に緩衝液を加え、粗酵素を抽出する。上記緩衝液としては、マロン酸緩衝液、リン酸緩衝液、酢酸緩衝液などが用いられる。抽出方法としては、例えば上記緩衝液を、好ましくは白色腐朽菌の培養物(乾燥質量)当たり、おおむね2〜3倍の割合で添加してホモジナイズした後、吸引濾過して粗酵素を濾過抽出する方法などが挙げられる。
アゾ染料の分解に当たっては、上記のようにして粗酵素が抽出された抽出液(上澄み液)を用いても良いし、あるいは、上記の抽出液を凍結乾燥させて粉末状にしたものを冷凍保存しておき、使用時に上記緩衝液で適宜希釈したものを用いても良い。
(本発明に係るアゾ染料分解剤の内膜・外膜の構成成分)
本発明のアゾ染料分解剤は、上記のようにして得られた粗酵素が、所定の成分を含有する外膜で内包されている。すなわち、本発明の分解剤は、内膜に粗酵素を、外膜に所定の成分を含有する二重カプセル構造を有している。上記二重カプセル構造の調製方法は、後述する。
上記内膜は、基本的に上記粗酵素のみから構成されており、外膜を構成する成分(Tween80、MnSO4、およびH22)を含まない。これら成分のいずれか一種が内膜に含まれていると、アゾ染料分解作用が低下するためである。また、前述した特許文献3および4では、内膜にH22を発生させるシステムとしてグルコースおよびグルコースオキシダーゼを添加しているが、本発明では、基本的にグルコースおよびグルコースオキシダーゼを添加しない。上記システムによって発生したH22は、粗酵素によるアゾ染料分解作用に悪影響を及ぼし、活性の低下を招く恐れがあるためである。ただし、本発明の作用を損なわない限度において、他の成分(グルコースなど)が含まれていても良い。
上記外膜は、Tween80、MnSO4、およびH22を、好ましくは所定濃度含んでおり、これにより、白色腐朽菌由来の粗酵素を固定化酵素として用いたときのアゾ染料分解作用が有効に発揮される。
具体的にはTween80は、カプセル化剤形成のために用いられる高分子成分(好ましくはアルギン酸ナトリウム溶液)に対して、おおむね、0.2〜1.5質量%の割合で含有することが好ましく、より好ましくは、0.5〜1.0質量%である。またMnSO4は、カプセル化剤形成のために用いられる高分子成分(好ましくはアルギン酸ナトリウム溶液)に対して、おおむね、0.003〜0.025質量%の割合で含有することが好ましく、より好ましくは、0.008〜0.016質量%である。またH22は、カプセル化剤形成のために用いられる高分子成分(好ましくはアルギン酸ナトリウム溶液)に対して、おおむね、0.0007〜0.005質量%の割合で含有することが好ましく、より好ましくは、0.002〜0.003質量%である。
上記外膜は、上記成分のみから構成されていても良いし、あるいは、本発明の作用を損なわない限度において、他の成分[1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HBT)、ビオルル酸(VLA)など]などを含有しても良い。上記外膜は、H22を発生させるシステムとしてグルコースおよびグルコースオキシダーゼを含まない。
本発明の分解剤は上記のように二重カプセル構造を有しているが、本発明の作用を損なわない範囲で、三重以上の多重カプセル構造を有していてもよい。多重カプセル構造の例として、例えば、外膜の表面に、他の成分を含む第三の膜が被覆された三重カプセル構造が挙げられる。上記他の成分としては、例えば、H22を発生させるシステムとしてグルコースおよびグルコースオキシダーゼなどが例示され、上記第三の膜はこれらの成分のみから構成されていても良い。
(本発明に係るアゾ染料分解剤の調製方法)
上述した内膜・外膜の二重カプセル構造を有する本発明のアゾ染料分解剤は、前述した方法によって得られた粗酵素を用い、酵素固定化手段として通常用いられる包括法を用いて調製することができる。上記包括法は、例えば下記文献に記載されている公知の酵素固定化手段であり、マイクロカプセル型と格子型が代表的に例示される。いずれもゲル化剤(カプセル化剤)などの高分子などによって酵素を内部に格納(固定化)する方法であり、包括法によれば、酵素が直接外気と接触することなく、酵素活性を長時間持続させることができる。
Zorica, Knezevic, Svetleana Bobic, Aleksandra Milutinovic, Bojana Obradovic, Ljiljana Mojovic, Branko Bugarski: Alginate-immobilized lipase by electrostatic extrusion for the purpose of palm oil hydrolysis in lecithin/isooctane system, Process Biochemistry, 38 (2002) 313-318.
上記高分子として、アルギン酸カルシウム、カラゲナシ、セルロース、ポリアミド、アクリルアミドゲルなどが挙げられる。あるいは、これらの原料物質を用いることもできる。例えばアルギン酸カルシウムと塩化カルシウムを反応させてアルギン酸カルシウムのゲル化半透膜を作製することができる。具体的には、アルギン酸ナトリウムなどのカプセル化剤を含有した成分原料液を塩化カルシウムなどの塩化物溶液に一滴ずつ滴下することにより、その界面でこれらが反応してアルギン酸カルシウムとなり、カルシウムが架橋構造を作り、ゲル化する。この性質を利用してゲルの内側に粗酵素を包み込み、二重カプセルを作製することができる。
本発明の二重カプセル構造の作製方法は、例えば前述した特許文献4に記載の方法(図2)を参照することができる。
以下、アルギン酸ナトリウムと塩化カルシウムを用いて粗酵素を内包した二重カプセル構造を作製する方法を説明するが、本発明はこれに限定する趣旨ではない。
まず、上記のようにして抽出して得られた粗酵素(好ましくはMnP活性が約2〜200U)を、約10〜50mMのマロン酸緩衝液5〜10mLに溶解し、この溶液中に1.0〜5.0wt%に相当するアルギン酸ナトリウム0.05〜0.5gをホールピペットなどで滴下し、粗酵素原料液(内膜成分)を得る。本発明と前述した特許文献4とは、粗酵素の好ましい添加量が相違しており、上記特許文献4では、MnP活性がおおむね1200〜4800Uの粗酵素を添加しているの対し、本発明では、上記のようにMnP活性がおおむね2〜20Uの粗酵素を添加するだけで、所望とするアゾ染料分解作用を発揮させることができる。
このようにして得られた粗酵素原料液は、外径が約3〜5mm程度の略球状体となり、その表面では前記アルギン酸ナトリウムと前記塩化カルシウムが反応してアルギン酸カルシウムのゲル化半透膜の内膜が形成される。得られた略球状体を上記溶液から引き上げると、一重カプセルの固定化酵素が得られる。
次に、界面活性剤Tween80を約40〜300mg、硫酸マンガンを約0.6〜4.5mgを、約20〜50mMのマロン酸緩衝液15〜20mLに溶解し、この全溶液に対して1.0〜5.0wt%に相当するアルギン酸ナトリウム0.15〜1.0gを加えて溶解して酵素賦活剤成分液(外膜成分)を用意する。
次いで、上記酵素賦活剤成分液(外膜成分)を前述した一重カプセルの固定化酵素(内膜成分)中に添加し、これを、0.1〜0.2Mの塩化カルシウムが溶解された20〜50mMのマロン酸緩衝液30〜50mL中に撹拌しながら滴下する。その結果、外膜成分の外側にアルギン酸カルシウムのゲル化半透膜の外膜が形成される。上記緩衝液から引き上げると、二重カプセル構造の分解剤が得られる。
上記では、1.0〜5.0wt%に相当するアルギン酸ナトリウムを用いたが、この代わりに、1.0〜5.0wt%に相当するκ-カラギーナンを用いてもよく、この場合は、前記0.1〜0.2Mに相当する塩化カルシウムの代わりに0.5〜1.0Mに相当する塩化カリウムを用いることが好ましい。また、前記の1.0〜5.0wt%に相当するアルギン酸ナトリウムの代わりに、1.0〜5.0wt%に相当するι-カラギーナンを用いてもよく、この場合は、前記0.1〜0.2Mの塩化カルシウムをそのまま用いることが好ましい。ただし、κ-カラギーナンやι-カラギーナンを用いるよりも、アルギン酸ナトリウムを用いる方が、アゾ染料分解率が大幅に向上するので好ましい。
(アゾ染料の分解方法)
本発明では、上記のようにして得られた分解剤を用いてアゾ染料を分解する。
ここで、処理対象であるアゾ染料としては、染料として用いられるアゾ化合物であれば特に限定されず、モノアゾ化合物(例えばReactive Red4、Reactive Yellow 86など)、ジアゾ化合物(例えばReactive Black5、Reactive Green19、Reactive Red 120など)などが挙げられる。
上記アゾ染料を含む処理対象物に本発明の分解剤を接触させ、アゾ染料を分解する。上記処理対象物としては、アゾ染料で汚染された土壌などの固体であっても良いし、アゾ染料で汚染された廃水などの液体であっても良い。上記処理対象物へのアゾ染料の混入割合は、アゾ染料の含有量、アゾ染料の種類などに応じて適宜調製することができるが、処理対象物1kgまたは1Lに対して、おおむね、MnP活性が約2〜200U程度に相当する量の粗酵素を含む分解剤を導入することが好ましい。
本発明の分解剤を用いてアゾ染料を高い分解率で分解する為には、振とう時の振とう速度を適切に制御することが好ましい。具体的には、処理対象であるアゾ染料の種類や濃度、用いられる分解剤の種類、振とう条件[用いられる容器の種類(例えば三角フラスコ、試験管など)や、そのサイズなど]、振とう速度などに応じて適切に制御すれば良いが、おおむね、10〜150rpmの範囲内に制御することが好ましい。詳細には、振とう速度を100mL容の三角フラスコでは10〜120rpm、20mL容の試験官では10〜150rpmの範囲内に制御することが好ましく、より好ましくは、上記三角フラスコでは30〜90rpmであり、上記試験官では60〜120rpmである。
また、アゾ染料の分解に当たっては、本発明の分解剤をバイオリアクターに充填して行なうことが好ましい。バイオリアクターへの充填により、流速制御による分解速度のコントロールや、分解剤の繰り返し使用などのメリットがある。バイオリアクターを用いた分解方法は、特にアゾ染料で汚染された工場廃水などの液体試料を浄化するのに有効であり、当該工場廃水などを巡回させることによって繰返し何回でも当該工場廃水を浄化処理することができる。
本発明に用いられるバイオリアクターは、連続分解処理性などを考慮し、下記構成のものが好ましく用いられる。
槽数:約2〜4槽
槽構成:好気槽約2〜4槽(嫌気槽はなし)
各槽の容量:約0.1〜10L
また、バイオリアクター中で分解処理を行うに当たっては、バイオリアクター内で循環する分解処理対象溶液の流速を適切に制御することが好ましく、これにより分解率が向上する。具体的には、処理対象であるアゾ染料の種類や濃度、用いられる分解剤の種類、バイオリアクターの構成、大きさなどに応じて適切に制御すれば良いが、おおむね、0.5mL/min以上に制御することが好ましく、流速が速くなるほど、分解能も増加する傾向にある。詳細には上述した好ましい構成の場合、おおむね、流速を0.5〜20mL/minの範囲内に制御することが好ましく、より好ましくは、5〜15mL/minである。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例によって制限されず、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
実施例1
本実施例では、白色腐朽菌由来の粗酵素を固定化した二重カプセル構造の分解剤を用いたとき、三角フラスコでの振とう速度がアゾ染料の分解率に及ぼす影響を調べた。
(白色腐朽菌)
ここでは、白色腐朽菌として、ヒラタケ1菌[Pleurotus ostreatus (PL1菌)]を用いた。上記PL1の継代には、下記表1に示す組成のCzapek−Dox寒天培地を用いた。
(アゾ染料)
ここでは、(ア)シグマ社製のReactive Green 19(以下、「R.Green 19」と略記する場合がある。)、(イ)シグマ−アルドリッチ社製のReactive Red4(以下、「R.Red 4」と略記させる場合がある。)、および(ウ)和光純薬(株)製のReactive Black 5(以下、「R.Black 5」と略記する場合がある。)の3種類のアゾ染料を用いた。
本実施例に用いた上記(ア)〜(ウ)の構造式を以下に示す。
以下の分解反応に当たっては、100mLの三角フラスコに50mMのマロン酸緩衝液(pH4)を30mL加え、そこに、上記(ア)〜(ウ)の3種類のアゾ染料(R.Red4、R.Black5、およびR.Green19)を加え、各アゾ染料の濃度がそれぞれ100ppmとなるように調製したアゾ染料調製液を使用した。
(PL1菌からの粗酵素の抽出)
まず、クリーンベンチ内でCzapek−Dox寒天培地の入ったプラスチックシャーレに上記PL1菌を接種し、25℃で168時間培養した。
一方、木粉(具体的にはブナ木粉)800(乾重)gと、木粉の乾燥重量15%の栄養体(昭和産業社製の「しいたけの里」)120gを混合した後、含水率60%となるように水を0.47L添加してよく撹拌し、1500mLの種菌ボトルに入れた。これをオートクレーブに入れ、121℃で3時間加熱滅菌した。
前述したPL1菌培養物をコルクボーラーで打ち抜いたものを、上記の種菌ボトルに接種し、暗所下にて25℃で1ヶ月間培養した。培養後、JAえひめ菌床センターに依頼し、菌床(1袋:3kg木粉+木粉に対して15%の栄養体)を作成した。詳細には、5L容のプラスチックバッグ一袋に3kgの木粉としいたけの里(菌床に対して15%)を混合したものを加えた後、含水率60%に調整してオートクレーブに入れ、121℃で6時間加熱滅菌した。これを無菌室で冷却した後、これに予め種菌ボトルで培養した培養物(25g)を無菌的に接種して、25℃で1ヶ月間培養して菌床を作成した。
次に、上記のようにしてPL1菌を培養した菌床(300g)に氷冷した0.05Mマロン酸緩衝液(pH4.5)600mLを加え、ホモジナイザーで10000rpm、10分間ホモジナイズした。ホモジナイズ後、二重にしたガーゼでろ過した濾液を、更に8000rpmで15分間遠心分離し、上清を回収した。回収した上清に硫酸アンモニウム(75%)を加えた後、8000rpmで15分間遠心分離し、得られた沈殿物に0.05Mマロン酸緩衝液(pH4.5)を60mL加え、再溶解させた。次いで、−20℃で予備凍結を行なった後、−50℃で凍結乾燥し、PL1菌由来の粉末状粗酵素(約9g)を得た。このようにして得られた粗酵素は、使用時まで−34℃で保存した。
上記のようにして得られた粗酵素の酵素活性(1mg/マロン酸緩衝液1mLに溶解)は以下の通りであった。MnP:0.12U/mL、ラッカーゼ(Lac)活性:0.0075U/mL、1,2−ジオキシゲナーゼ:0.00025U/mLであった。本実施例では、上記のとおりMnP、Lac、カテコール1,2−ジオキシゲナーゼの各活性を有しているが、培養時期等によっては、これらの活性以外に、Lip活性、カテコール2,3−ジオキシゲナーゼ活性が検出される場合もあり得る。
(二重カプセル構造の作製)
上記のようにしてPL1菌から抽出した粗酵素3.6Uに、1.5%アルギン酸ナトリウム溶液10mLを加えて撹拌しながら均一な溶液を得た。パスツールピペットを用いて上記溶液10mLを採取し、0.1M塩化カルシウム溶液20mL中に1滴ずつ滴下することにより、アルギン酸カルシウムのゲル化半透膜で上記粗酵素が内包された一重カプセルの固定化酵素を得た。
次に、得られた一重カプセルの固定化酵素をろ過により採取し、1.0%Tween80、1.0mMのMnSO4、1.0mMのH22の各成分含む1.5%アルギン酸ナトリウム溶液30mL中に加えた。ピペットを用いて上記の一重カプセルを含む懸濁液を、0.1M塩化カルシウム溶液50mL中に一滴ずつ滴下することにより、外膜に上記成分を含み、内膜に上記粗酵素を含む二重カプセルを得た。ここで外膜および内膜は、いずれもアルギン酸カルシウムのゲル化半透膜で被覆されている。
(アゾ染料の分解反応)
100mLの三角フラスコに、50mMのマロン酸緩衝液(pH4)30mLおよび各々のアゾ染料(100ppm)を加えた。上記の二重カプセルを全量加え、暗所下にて25℃で48時間、振とう速度を0〜120rpmの範囲で変化させて反応させた。
比較のため、固定化処理を行なわない粗酵素によるアゾ染料の分解を行なった。詳細には、前述した方法によって得られたPL1菌由来の粗酵素を用いた。そして20mLの試験管に50mMのマロン酸緩衝液(pH4)を5mL加え、ここに、上記の粗酵素(酵素活性は、MnP換算で0.12U/mL)、前述した(ア)〜(ウ)の3種類のアゾ染料(各濃度は100ppm)、Tween80(濃度は1.0%)、MnSO4(濃度は1.0mM)、およびH22(濃度は1.0mM)を、それぞれの所定濃度となるよう加えた。分解反応は、暗所下にて25℃で48時間、振とう速度を0〜120rpmの範囲で変化させて行なった。
(アゾ染料分解率の測定)
分解反応後、80℃で20分間の熱処理を行なった溶液を用い、以下のようにしてアゾ染料分解率を測定した。
紫外可視分光光度計(SHIMADZU社製のUV−VISIBLE SPECTROPHOTOMETER UV−1600)を用い、各アゾ染料の極大吸収波長(R.Red4:525nm、R.Black5:598nm、R.Green19:631nm)における吸光度を測定し、コントロールとの比較から分解率を求めた。コントロールには粗酵素を80℃で20分間処理し、失活させたものを使用した。
アゾ染料分解率は、以下に示す計算式から算出した。
分解率(%)=100×{(ODt0−ODtf)/ODt0
式中、ODt0:コントロールの吸光度
ODtf:反応後の吸光度である。
これらの結果を図1〜図4に示す。このうち図1は、二重カプセルの固定化酵素を用いたときの各アゾ染料(R.Red4、R.Black5、およびR.Green19)の分解率を示すグラフである。また図2〜図4は、二重カプセルの固定化酵素または粗酵素(固定化なし)を用いたときの、R.Red4(図2)、R.Black5(図3)、およびR.Green19(図4)の分解率を示すグラフである。
まず図1を参照する。図1では、振とう速度ごとに、左側から順にR.Red4、R.Black5、R.Green19の結果をそれぞれ示している。図1より、本発明に係る二重カプセルの固定化酵素をアゾ染料分解剤として用いたとき、振とう時の振とう速度によってアゾ染料の分解率が大きく変化することが分かる。いずれのアゾ染料を用いた場合も、振とう速度が60rpmのときに最も高い解率が得られ、60rpmでのR.Red4、R.Black5、R.Green19の分解率はそれぞれ、79.2%、92.4%、92.7%であった。上記アゾ染料のうち、振とう速度によって分解率に大きな差が見られたのはR.Red4であった。
次に、図2〜図4を参照する。ここには、アゾ染料ごとに分解率の結果をまとめて示しており、本発明に係る二重カプセルの固定化酵素を用いた結果のほか、比較例として固定化を行なわない粗酵素を用いた結果も併記している。比較例のように固定化を行なわない粗酵素を用いたときも、振とう速度によってアゾ染料の分解率は変化し、試験管中で分解を行なったときは120rpmのときに最も高い分解率が得られた。
上記の結果より、分解反応時の振とう速度はアゾ染料分解率に大きな影響を及ぼすことが確認された。また、高いアゾ染料分解率を得るための振とう速度の最適条件は、酵素の存在形態(固定化の有無)だけでなく、試験管/三角フラスコといった実験系によっても大きく変化することも分かった。よって、アゾ染料の分解に当たっては、振とう速度を一律に規定するのではなく、処理対象となるアゾ染料の種類や分解条件などによって、振とう速度を適宜適切に制御すれば良いことが分かる。
実施例2
本実施例では、白色腐朽菌由来の粗酵素を固定化した二重カプセル構造の分解剤をバイオリアクターに充填したときのアゾ染料分解率を調べた。図5に、本実施例に用いたバイオリアクターの概略図を示す。
前述した実施例1と同様にして二重カプセルを作製し、カラムに充填した(二重カプセルの充填量80mL)。上記カラムは、Bio−Rad社製の「Econo−Column」であり、外径34mm、内径28mmで長さ130mmのカラムの上下に流入口、排出口(外径3mm、高さ10mm)を有している。上記カラムはポンプ(ATTO社製のSJ−1211H)を備えており、処理対象である上記(ア)〜(ウ)のアゾ染料溶液を、流速が0.75mL/minとなるように溶液を循環させ、暗所下にて25℃で24時間または48時間反応させた。なお、本実施例では、バイオリアクター内での循環量や処理効率などを考慮し、全液量(二重カプセル充填量+アゾ染料液)を200mLとした。
その結果を図6に示す。
図6に示すようにアゾ染料の種類によって分解率の差は若干あるものの、いずれもおおむね、60%以上もの高い分解率が得られた。
実施例3
本実施例では、白色腐朽菌由来の粗酵素を固定化した二重カプセル構造の分解剤をバイオリアクターに充填したとき、バイオリアクター内で循環させる処理溶液の流速がアゾ染料分解率に及ぼす影響を調べた。
具体的には、前述した実施例2において、流速を0〜7.0mL/minの範囲内で変化させたこと以外は実施例2と同様にして反応を行ない、アゾ染料分解率を測定した。
その結果を図7〜図9に示す。図7は、R.Red4の分解に及ぼす流速の影響を調べたグラフであり、図8は、R.Black5の分解に及ぼす流速の影響を調べたグラフであり、図9は、R.Green19の分解に及ぼす流速の影響を調べたグラフである。
参考のため、各図には、前述した実施例1の結果、すなわちバイオリアクターを用いずに三角フラスコで分解反応を行なったときの結果(振とう速度=60rpm)を併記している。
これらの図より、アゾ染料の種類によって若干の相違はあるものの、流速が速くなるにつれて分解率は上昇する傾向が見られた。また、バイオリアクターを用いたときの分解率は、三角フラスコで分解反応を行なったときと同等またはそれ以上の分解率を達成できた。
以上の実験結果より、バイオリアクターを用いた反応系では、バイオリアクターに処理対象溶液を循環させたときの流速条件がアゾ染料の分解に大きな影響を及ぼしていることが確認された。よって、アゾ染料の種類や含有量などに応じ、流速を適切に制御することによって処理時間の更なる短縮や分解率の一層の向上が期待できる。

Claims (5)

  1. 白色腐朽菌からの粗酵素が、Tween80、MnSO4、およびH22を含む外膜で内包された固定化酵素を含有することを特徴とするアゾ染料分解剤。
  2. 請求項1に記載のアゾ染料分解剤を用いてアゾ染料を分解するアゾ染料の分解方法。
  3. 分解時の振とう速度が10〜150rpmの範囲内に制御されたものである請求項2に記載の分解方法。
  4. 請求項1に記載のアゾ染料分解剤をバイオリアクターに充填してアゾ染料を分解するものである請求項2または3に記載の分解方法。
  5. 分解対象であるアゾ染料含有物を前記バイオリアクターに循環させるときの流速が0.5mL/min以上に制御されたものである請求項4に記載の分解方法。
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