JP3968534B2 - ジアルキルカーボネートの製造方法 - Google Patents

ジアルキルカーボネートの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明はジアルキルカーボネートの製造方法に関する。更に詳細には本発明は尿素またはアルキルカーバメートとアルコールとを触媒の存在下反応させ、ジアルキルカーボネートを製造する方法に関する。ジアルキルカーボネートはジアリールカーボネート、特にジフェニルカーボネートの原料として有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】
尿素とアルコールを反応させてジアルキルカーボネートを製造する方法は、特開昭55−102542号に、アルキルカーバメートとアルコールを反応させてジアルキルカーボネートを製造する方法は、特開昭55−102543号および特開昭57−26645号に記述がある。また、この反応の触媒に関しては、特開昭57−175147などに記述がある。
【0003】
従来知られている、尿素またはアルキルカーバメートとアルコールとを反応させてジアルキルカーボネートを製造する方法では、180℃以上の高い反応温度を必要とし、かつ8時間以上の反応時間を必要とした。また、この方法で常圧で製造可能なジアルキルカーボネートはオクタノールなどの高沸点アルコールを原料とする場合に限られていた。即ち、沸点が180℃以下のアルコールとアルキルカーバメートからジアルキルカーボネートを合成する場合は、極めて長い時間反応させるか、充分な反応温度を得るために加圧する必要があった。
【0004】
特開昭57−26645号には、ブチルカーバメートとブタノールを原料とするジブチルカーボネートを製造した例が記されている。この方法によれば、9〜10バールの加圧条件で反応させているが、7時間後のカーバメートの転化率は40%にとどまっている。更に、イソブタノールを用いた場合は反応を完結させるのに40時間を要しており、実用的な反応速度は得られていない。また、反応を加圧下で行なう場合は、圧力を維持しつつ生成するアンモニアを除去しなければならないため、装置が複雑かつ高価になる。
【0005】
本発明者らはこれを解決する方法として、既に特願平9−63147及び特願平9−85251において、高沸点溶媒の存在下に反応を行なう方法を開示している。該方法を用いることにより、低沸点アルコールを用いた場合においても、常圧付近の圧力において、実用的な反応速度でジアルキルカーボネートを得ることが可能となった。しかし、溶媒を用いるため反応装置が大きくなるという問題が生じた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述の問題点に鑑み、反応装置の小型化を図るとともに、低沸点のアルコールを用いた場合にも、常圧付近の圧力下で高い反応速度を維持し、高い空間時間収率が得られるジアルキルカーボネートの製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、反応を連続化することにより個々の反応器の小型化を図るとともに、反応温度低下の原因となる低沸点アルコールの初期仕込量を減らし、不足分のアルコールは反応の進行とともに随時追加していく方法を用いることにより、高沸点溶媒の仕込量を減らすことが可能となり、高い反応温度(即ち高い反応速度)を維持しながら総反応液量を減らすことが可能であることを見い出した。
【0008】
即ち本発明は、尿素とアルコールを触媒及び沸点180℃以上の高沸点溶媒の存在下反応させてジアルキルカーボネートを製造する方法において、アルコール、尿素、触媒及び高沸点溶媒を連続多段反応器の任意の段に供給し、各段において反応で生成するアンモニアを各段よりガス状で連続的に抜き出すとともにジアルキルカーボネートを含む反応液を各段より連続的に抜き出し、さらに上段の反応液を下段の反応器に供給し、最下段からジアルキルカーボネートを含む反応液を抜き出すことを特徴とするジアルキルカーボネートの製造方法である。好ましくは、尿素、触媒、高沸点溶媒は全量を第1段に導入し、アルコールは反応状態に応じて任意の段で導入するジアルキルカーボネートの製造方法である。
【0009】
更に本発明は、最下段の反応器から得られる反応液からジアルキルカーボネートを分離したのち、触媒および高沸点溶媒を循環使用するとともに、未反応のアルコールおよび中間体であるカーバメートを原料の一部として使用するジアルキルカーボネートの製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のジアリールカーボネートの製造方法について、更に具体的に説明する。
【0011】
本発明において、アルコールとは、脂肪族アルコールであれば特に制限はないが、通常、炭素数1〜8の脂肪族アルコールが使用される。これらのアルコールの例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、シクロペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ヘプタノール、オクタノールなどが挙げられる(それぞれの例には各異性体も含まれる)。これらのアルコールの中でも、炭素数3〜6のアルコールを用いた場合には反応速度向上の効果が著しいため特に好ましい。炭素数が9以上の場合は、アルコールの沸点が十分高いため、溶媒を添加する効果が少ない。
【0012】
本発明において、アルキルカーバメートとは、尿素と上記アルコールとの反応で得られるアルキルカーバメートであって、本発明の製造方法の中間生成物である。本発明においては、同一の反応器内で尿素からアルキルカーバメート、アルキルカーバメートからジアルキルカーボネートの反応が連続して起こるため、特に中間体として取り出す必要はない。逆に、アルキルカーバメートを原料として用いても一向に差し支えない。従って、本発明においては、分離工程において回収されたアルキルカーバメートを原料として再使用することも可能である。
【0013】
本発明に用いる高沸点溶媒は、沸点が180℃以上の溶媒が好ましい。沸点を上昇させる効果が高いことから、沸点が195℃以上の溶媒がより好ましく、更に好ましくは沸点が220℃以上である。高沸点溶媒の種類は特に制限はないが、極性の低い溶媒はアンモニアの溶解度が小さく、アンモニアの系外への排出を助けるので好ましい。
【0014】
好ましい高沸点溶媒種としては、炭化水素およびエーテルを挙げることができる。炭化水素は脂肪族の不飽和炭化水素でも構わないが、より安定度の高い飽和炭化水素か、芳香族炭化水素が好ましい。エーテルは、芳香族エーテル、脂肪族エーテル、芳香族脂肪族エーテルのいずれも使用可能である。
【0015】
好ましい炭化水素溶媒の例としては、以下のものが挙げられる。ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、エイコサン、テトラメチルペンタデカン、ジシクロヘキシル;ヘキシルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、ヘプチルベンゼン、オクチルベンゼン、ノニルベンゼン、デシルベンゼン、ウンデシルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン、トリイソプロピルベンゼン、ペンタメチルベンゼン、メチルナフタレン、ジフェニルメタン、エチルビフェニル、ビベンジル(それぞれの例には各異性体も含まれる)。
【0016】
好ましいエーテル溶媒の例としては、以下のものが挙げられる。ジヘキシルエーテル、ジオクチルエーテル、シクロドデシルメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル;ブチルフェニルエーテル、ベンジルフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、ジフェニルエーテル、ジトリルエーテル(それぞれの例には各異性体も含まれる)。
【0017】
触媒は公知のものが使用可能である。この反応の触媒としては、特開昭55−102542、特開昭55−102543、特開昭57−26645、特開昭57−175147等に既に多くの触媒が記されているが、いずれの触媒も本発明において使用することができる。その中でも特に、亜鉛、鉛、銅、すず、チタン、ガリウム、インジウムから選ばれた1種以上の金属の、酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、無機塩、有機酸塩、アルコキシド、アルキルオキシド、アルキルアルコキシド、が好適に使用される。具体的には、酸化亜鉛、酢酸鉛、酢酸銅、ジブチルすずオキシド、ジオクチルすずオキシド、ジブチルジブトキシすず、テトラブトキシチタン、ガリウムトリブトキシド等を挙げることができる。
【0018】
反応は大気圧下で行なうのが好ましいが、絶対圧で0.001〜0.5MPa程度の減圧もしくは微加圧の状態で行なっても良い。大気圧以外の圧力で行なう場合には、反応中に発生するアンモニアを系外に出す必要があるため、還流冷却器の先に圧力調整装置が必要であるなど、やや複雑な装置となる。
【0019】
生成するアンモニアの排出を容易にするため、反応は反応液が還流する状態で行なうことが好ましい。即ち、好ましい反応温度は反応液の沸点である。反応が進行すると、アルコールが消費されることにより反応液の沸点が上昇してくる。最初に適当量のアルコールを仕込んで液温は成り行きに任せて反応を行なっても良いし、適宜アルコールを追加して反応液の沸点を適当な温度に維持しながら反応を継続しても良い。反応温度は140〜260℃程度が適当であり、好ましくは160〜240℃である。反応の滞留時間は1〜20時間が適当であり、通常は3〜10時間である。尚、中間体のアルキルカーバメートは回収して原料として使用できるため、必ずしも反応を完結させる必要はない。
【0020】
アルコールの添加量は、各反応器に添加した量の合計として、尿素1モルに対して1〜3モルが適当である。原料にアルキルカーバメートが含まれる場合は、カーバメート1モルに対して0.5〜1.5モルのアルコールを更に加えることが好ましい。アルコールの全量を第1反応器に導入しても良いが、アルコールは反応物の中で最も沸点が低いため、最初からアルコールを大量に入れておくと反応液全体の沸点が低下する。即ち反応温度が低くなり反応速度が低下する。従って、アルコールは各反応槽に反応の進行に応じて加える方が効率的である。
【0021】
高沸点溶媒の量は、尿素1モルに対して0.1〜10モル程度が適当である。原料にアルキルカーバメートが含まれる場合は、尿素とアルキルカーバメートのモル数の和に対して、0.1〜10倍モルが適当である。低沸点のアルコールを用いる場合は、溶媒のモル分率が高い方が反応液の沸点が高くなる(即ち反応温度が高くなる)ので好ましいが、溶媒を増やせば反応器のサイズが大きくなってくるため、最適な量はアルコールの種類およびアルコールの濃度により異なる。
【0022】
触媒の量は用いる触媒によって異なるが、通常尿素1モルに対して0.001〜0.5モル程度が適当である。
【0023】
本発明は、ジアルキルカーボネートの連続製造方法である。ジアルキルカーボネートの製造は回分式反応、より好ましくはアルコールを反応の程度に応じて追加する半回分式反応によっても行なうことができるが、極めて大きな反応器を必要とし、実用的でない。多段の反応器を用いた場合は、転化率が上がった反応液と未反応の原料との混合を避けられるため、比較的小さな反応器を組み合わせることにより効率的にジアルキルカーボネートを製造することができる。
【0024】
本発明の反応は反応液の沸点もしくはそれに近い温度で行なわれるが、本発明に用いるアルコールの沸点は必要な反応温度より低いため、そのまま用いたのでは十分な反応速度が得られない。そのため、本発明においては高沸点溶媒を使用する。高沸点溶媒は反応温度を上げるとともに、反応液の極性を下げて反応液からアンモニアを抜けやすくする効果がある。
【0025】
このことは、連続法においては、槽型反応器を連結した多段反応とし、各槽に適宜アルコールを追加することにより達成される。具体的には各反応槽の液温を予め設定し、反応の進行により液温が上昇して所定温度を越えたら、液温が所定温度になるようにアルコールを追加していけばよい。この操作は温度検出器とポンプを組み合わせることにより自動で行なうことができる。より簡便には温度の調節はせず、各槽ごとに一定量のアルコールを供給するだけでも効果はある。
【0026】
反応液は最下段の反応器から連続的に抜き出され、分離操作が行なわれる。分離法は通常蒸留が用いられる。反応液は生成物であるジアルキルカーボネートの他に原料のアルコール、中間体であるアルキルカーバメート、高沸点溶媒、触媒を含んでいるが、ジアルキルカーボネートを分離した後の液は、反応系に循環される。即ち、溶媒および触媒は再使用され、アルコール及びアルキルカーバメートは原料として使用される。
【0027】
本発明に用いられる反応器は、連続多段反応器であれば任意のものが用いられるが、一般的には槽型または塔型の反応器が使用され、反応器段数は2段以上が必要であり、反応器段数は3段以上が好適である。槽型の反応器を用いる場合には反応器上部に還流冷却器または蒸留塔を付け、アルコールとアンモニアを分離する必要がある。
【0028】
次に、図1に本発明の連続多段反応器に用いるジアルキルカーボネートの連続反応装置の1例を示し、アルコールと尿素からジアルキルカーボネートの製造について説明する。
【0029】
図1には、3個の反応器が直列に設置されている。図中、1,2,3は攪拌槽型反応器であり、4,5,6は還流冷却器である。尿素、高沸点溶媒及び触媒を導管7より連続的に導入し、アルコールは導管8より必要に応じて反応器1に導入する。各反応器では、反応液を還流させながら反応させる。各反応器からはアンモニアとアルコールの混合蒸気が発生するが、還流冷却器4により、アルコールは反応器に戻され、アンモニアは還流冷却器を通過し導管14より排出される。反応器1の反応液は導管11を経由して連続的に反応器2に供給される。供給方法はオーバーフロー形式でも良いしポンプによる送液でも構わないが、オーバーフロー形式の場合、導入管を液面以下に挿入するなど、反応器2で発生した蒸気が反応器1に戻らない工夫が必要である。本図では配管を一部曲げて液封している。反応器2においても反応液を還流させながら反応させる。この際必要であれば導管9よりアルコールを追加供給する。反応器2の反応液は導管12を経由して連続的に反応器3に供給される。反応器3においても反応液を還流させながら反応させる。この際必要であれば導管10よりアルコールを追加供給する。反応器3の反応液は導管13を経て連続的に抜き出され、分離工程へ送られる。
【0030】
導管7から導入される、高沸点溶媒及び触媒は分離工程でアルキルカーボネートを分離した後の液が使用可能であり、分離工程で回収されたアルキルカーバメートを含んでいても良い。また、これらの液は必ずしも全量を第1反応器に戻す必要はなく、一部を第2反応器以降に供給しても良い。
【0031】
反応槽は必ずしも攪拌器が付いている必要はなく、外部循環などによって攪拌される形式のものでも良い。反応器それぞれの容積も一定である必要はない。還流冷却器は蒸留塔に置き換えることも可能である。発生蒸気を1つの還流冷却器で処理する方法、例えば、反応器2および反応器3の発生蒸気を全て還流冷却器4で凝縮して反応器1に戻す方法も可能であるが、各反応器のアルコール濃度が維持されなくなるため好ましくない。但し、集めた蒸気をそれぞれの反応器に適当に分配できる装置があれば好ましい。
【0032】
尚、本反応においては微量ではあるが、シアン酸アンモニウム、炭酸アンモニウムなどの副生成物が生成し、長時間の運転においては配管を閉塞させる可能性がある。これらの化合物の解離温度は常圧では約60℃であるため、付着の可能性のある配管は解離温度以上に保温しておくことが好ましい。また、還流冷却器はこれらの塩の解離圧以上(常圧においては60℃以上)、用いるアルコールの沸点以下の温度で運転することが好ましい。
【0033】
塔型の反応器としては、通常の多段蒸留塔をそのまま反応器として用いることができる。蒸留塔の形式には特に制限はないが、滞留時間を必要とするため、棚段塔形式の蒸留塔が好ましい。具体的には泡鐘トレイ、多孔板トレイ、バルブトレイなどを用いた棚段塔が好適である。塔型の反応器を用いた場合は、尿素、アルコール、溶媒及び触媒を棚段塔の上部ないし中央部に連続的に供給し、蒸留塔上部からアンモニアをガス状で連続的に抜き出すとともに、塔下部から反応液を連続的に抜き出すことにより反応を行なうことができる。更に、この場合は、尿素、溶媒及び触媒の混合物を棚段塔の上部ないし中央部に連続的に供給し、アルコールは上記混合物の供給段およびそれより下段の任意の複数の段から供給することが好ましい。
【0034】
図2に、塔式の多段反応器を用いるジアルキルカーボネートの連続反応装置の一例を示し、アルコールと尿素からジアルキルカーボネートの製造について説明する。
【0035】
図中、21は多段蒸留塔である。尿素、触媒及び高沸点溶媒の混合物を導入管24から導入し、アルコールを導入管25および26から導入する。多段蒸留塔21の各段において生成したアンモニアは塔頂に達し、アルコールとの混合蒸気となって還流冷却器22に達する。蒸気は還流冷却器22で冷却され、アルコールは凝縮されるが、アンモニアは還流冷却器を通過し導管27より排出される。凝縮したアルコールの一部は塔頂にもどし、残りは導管28を介して導入管25および26に供給する。各段においては、反応液が上段より連続的に供給されると同時に一部が抜き出され、連続的に下段に供給される。最下段に至った反応液は、一部がリボイラー23で加熱され蒸留塔に戻されると同時に、一部が導管29を経て連続的に抜き出され、分離工程に送られる。
【0036】
【実施例】
以下、実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0037】
実施例1
図1と同様の3段の連続反応装置を用いて実験を行なった。反応器1,2,3は同一の、容積1L、邪魔板および攪拌器付きの攪拌槽を用いた。アルコールはn−ブタノール、溶媒はジフェニルエーテル、触媒はジブチル錫オキシドを用いた。尿素、触媒、溶媒は予備混合槽で均一に分散させた液を連続的に導管7より反応器1に導入した。アルコールは、各反応器の反応温度が所定温度に維持されるように、導管8,9,10より自動的に導入した。各反応器の温度は、反応器1を190℃、反応器2を200℃、反応器3を210℃に設定した。加熱は各反応器それぞれに付属したオイルバスで行なった。還流冷却器4,5,6には80℃の温水を流した。各反応器にはオーバーフロー管11,12,13を設けて液量を一定に保つようにした。また、オーバーフロー管には一部を曲げて液封箇所を作り、反応液から発生した蒸気が隣の反応器に行かないようにした。各反応器から発生するアンモニアは還流冷却器4,5,6によりブタノールと分離した後、導管14から排出した。
100時間の連続反応の結果、導管13より32.6kgの反応液が得られ、これを蒸留することにより、3850gのジブチルカーボネートが得られた。各反応器の総フィード量、各反応器での尿素基準収率を以下に示す。
【0038】
Figure 0003968534
【0039】
Figure 0003968534
【0040】
実施例2
実施例1で、ジブチルカーボネートを蒸留分離する際に得られた前留と釜残を混合し、回収液とした。この液を分析したところ、以下の成分からなっていた。
【0041】
回収液1kgあたりの組成
────────────────────────
n−ブタノール 30.3 g ( 0.409 mol)
ブチルカーバメート 27.4 g ( 0.234 mol)
ジブチルカーボネート 16.7 g ( 0.096 mol)
ジフェニルエーテル 912.8 g ( 5.363 mol)
ジブチルすずオキシド 12.6 g ( 0.051 mol)
【0042】
実施例1と同様の反応器を用い、導管7より、この回収液を毎時290.1g、尿素を毎時23.36g加え、n−ブタノールは設定温度(実施例1と同じ)となるように導管8,9,10より自動的に加えた。実施例1と同様に100時間の連続反応を行なった結果、導管13より34.9kgの反応液が得られ、これを蒸留することにより、5070gのジブチルカーボネートが得られた。各反応器の総フィード量、各反応器での尿素基準収率を以下に示す。
【0043】
Figure 0003968534
【0044】
Figure 0003968534
【0045】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、高い空間時間収率でジアルキルカーボネートを得ることができ、その工業的効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の槽型連続反応装置のフローシート図である。
【図2】本発明の塔型連続反応装置のフローシート図である。
【符号の説明】
1 攪拌槽型反応器
2 攪拌槽型反応器
3 攪拌槽型反応器
4 還流冷却器
5 還流冷却器
6 還流冷却器
7 尿素、触媒及び溶媒の混合物導入管
8 アルコール導入管
9 アルコール導入管
10 アルコール導入管
11 反応液抜き出し管
12 反応液抜き出し管
13 反応液抜き出し管
14 アンモニア抜き出し管
21 多段蒸留塔
22 還流冷却器
23 リボイラー
24 導入管
25 導入管
26 導入管
27 排出管
28 抜き出し管
29 抜き出し管

Claims (8)

  1. 尿素とアルコールを触媒及び、ジフェニルエーテルの存在下反応させてジアルキルカーボネートを製造する方法において、アルコール、尿素、触媒及びジフェニルエーテルを連続多段反応器の任意の段に供給し、各段において反応で生成するアンモニアを各段よりガス状で連続的に抜き出すとともにジアルキルカーボネートを含む反応液を各段より連続的に抜き出し、さらに上段の反応液を下段の反応器に供給し、最下段からジアルキルカーボネートを含む反応液を抜き出すことを特徴とするジアルキルカーボネートの製造方法。
  2. 尿素、触媒及びジフェニルエーテルは全量を第1段に導入し、アルコールは反応状態に応じて任意の段に供給する請求項1記載のジアルキルカーボネートの製造方法。
  3. 最下段の反応器から得られる反応液からジアルキルカーボネートを分離したのち、未反応のアルコール、触媒、ジフェニルエーテル及び中間体であるカーバメートを連続多段反応器の任意の段にもどし、触媒及びジフェニルエーテルを循環使用するとともに、未反応のアルコール及び中間体であるカーバメートを原料の一部として使用する請求項1記載のジアルキルカーボネートの製造方法。
  4. 最下段の反応器から得られる反応液からジアルキルカーボネートを分離したのち、未反応のアルコール、触媒、ジフェニルエーテル及び中間体であるカーバメートを連続多段反応器の第1段にもどし、触媒およびジフェニルエーテルを循環使用するとともに、未反応のアルコール及び中間体であるカーバメートを原料の一部として使用する請求項2記載のジアルキルカーボネートの製造方法。
  5. 連続多段反応器が3基以上である請求項1記載のジアルキルカーボネートの製造方法。
  6. ジフェニルエーテルの導入量が尿素の導入量の0.1〜10倍モルであることを特徴とする請求項1〜4に記載のジアルキルカーボネートの製造方法。
  7. 連続多段反応器の第1段におけるアルコールの導入量が、尿素の導入量の2倍モル以下である請求項1〜4に記載のジアルキルカーボネートの製造方法。
  8. アルコールが、炭素数3〜6の脂肪族アルコールであることを特徴とする請求項1〜4に記載のジアルキルカーボネートの製造方法。
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