JP3968122B2 - 撮像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、デジタルカメラ、ムービーカメラなどの撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、いわゆる電子スチルカメラやムービーカメラなどの撮像装置において、従来の動画専用の撮像素子に代わり、静止画・動画兼用の撮像素子が多く用いられている。このような静止画・動画兼用の撮像素子は、静止画像を極めて高精細に撮影する目的で、従来の動画専用の撮像素子に較べて、画素数が著しく多く設定されたいわゆる多画素撮像素子が用いられている。
【0003】
そこで、このような多画素撮像素子で静止画像を撮影すると、従来の動画専用の撮像素子で撮影した静止画像に較べて、非常に緻密で高品位の、例えばA4サイズで印刷しても十分に鑑賞に堪えうる高画質画像を得ることができる。反面、このような多画素撮像素子でそのまま動画を撮影しようとすると、画素数が多すぎるため、動画を構成する1コマ分の画像の読み出しにかかる時間が長くなり、滑らかな動画を得ることが難しくなる。この点、撮像素子そのものの動作速度や撮像素子の周辺回路の動作速度を高速化して対処する構成が考えられるが、このような高速化は著しいコストの上昇を招き、現実的ではない。
【0004】
そこで、通常、多画素撮像素子を用いる場合、静止画像の撮影時には全画素の画素信号を個別に読み出すが、動画像の撮影時には、一部の画素の信号を間引いて読み出す構成が採用されている。そして、固体撮像素子として、多画素のCCD(電荷結合素子、charge coupled device)撮像素子すなわちCCDイメージセンサであるいわゆるCCDを用いる場合には、間引きの手法として、基本的には、垂直方法、すなわち、水平ラインを特定の割合で間引く手法が、現在一般的に採用されている。
【0005】
また、このような間引き読み出しは、撮像素子そのものを撮影状況測定センサとして利用する場合にも用いられ、すなわち、静止画や動画の撮影に先立つ撮影状況予備測定など、撮影システム制御のためにも用いられている。
【0006】
ここで、CCDは、画素を構成するフォトダイオードが2次元の格子状に配置されて撮像面を構成し、この撮像面上に光学系により結像された画像を、画素ごとの光の強弱に応じて各フォトダイオードに蓄積される電荷量の大小を信号として取り出す方式の撮像素子である。そして、信号電荷は、1画素分ずつ順番にCCD内部の出力回路へと送られ、1つの電荷電圧変換器により電荷信号量が電圧変化の信号へと変換された後、CCDの外部へと出力される。そして、このように各画素の信号電荷を出力回路へと導く動作を転送と称している。そして、2次元の長方形状に配置された画素の信号電荷を順番に出力回路へ転送する方式として一般的に行われている手法は、いわゆる垂直転送と水平転送とを組み合わせた手法である。ここで、撮像画面の上下方向を垂直、左右方向を水平とした場合、垂直転送とは、全ての画素の信号電荷を一斉に垂直方向でしかも上記の出力回路方向へ転送する動作であり、水平転送とは、上記の一段分の垂直転送により水平転送路へ送り込まれた垂直方向の最端部、すなわち最も出力回路に近い部分にあった1水平ライン分の信号電荷を、水平方向でしかも上記の出力回路方向へ一斉に転送する動作である。この時、水平転送路内の最端部、すなわち最も出力回路に近い部分にあった1画素分の信号電荷が、電荷電圧変換器へ送り込まれる。このように、水平転送を繰り返して水平転送路内の全ての信号電荷が電荷電圧変換され、出力が終了して水平転送路が空になると、再度上記の垂直転送が行われる。そして、次の垂直方向の最端部にある1水平ライン分の信号電荷が再び水平転送路へと送られた後、同様に水平転送により順に出力回路へと送られ出力される。このようにして、全画素の信号電荷の一斉垂直転送、水平転送路上の信号電荷の一斉水平転送とを順に繰り返すことにより、全ての画素を出力すると、1画面分の画素信号の出力が終了したことになり、電子画像を形成復元することができる。
【0007】
また、各画素の信号電荷を転送する動作において、通常、垂直転送は、上記のように水平転送路方向へすなわち正方向へと信号電荷を転送する正転送とするが、CCDの原理上、垂直転送は、水平転送路とは逆方向へ、すなわち逆転転送(垂直逆転送)を行うことも可能である。しかしながら、CCDは、近年、画素数の増加にともなう画素の著しい微細化や、低消費電力化の傾向から、転送駆動電圧の低電圧化が進み、従来のように容易に効率良く垂直転送を行うことが困難になっている。そして、このような点を背景として、多画素のCCDの中には、正方向の垂直転送の効率を追求した設計がなされ、この結果、逆転転送の転送効率は著しく低下したCCDも用いられている。
【0008】
そして、各種の方式のCCDの内、上記の多画素のCCDとして通常用いられるものは、インターライン型と呼ばれるCCDで、このインターライン型のCCDは、さらに、スキャンの方式により、インターレーススキャン方式のCCD(以下、インターレースCCD)と、プログレッシブスキャン方式のCCD(以下、プログレッシブCCD)とに大別される。そして、インターレースCCDは、現在コストと性能とのバランスが最も良く、多画素撮像素子に適した構造として広く普及し採用されている。このインターレースCCDでは、垂直転送路に保持できる信号電荷(画素信号電荷、電荷、画素電荷とも呼ばれる)の水平ライン数が、光電変換部であり1画素を構成するフォトダイオードの水平ライン数の半分であるため、全画素を独立に読み出すには、1フレームを2つのフィールドに分け、2度にわたり、偶数ラインと奇数ラインとを交互に、すなわちインターレースして読み出している。従って、フォトダイオード上の信号電荷の垂直転送路への電荷読出電極(信号電荷読出電極、電荷読出ゲート電極とも呼ばれる)は、偶数ライン用と奇数ライン用の2系統が用意されている。そして、インターレースCCDでは、例えば、この電荷読出電極を、2系統から4系統に増やすことにより、一部のラインのみを選択的に、かつ、1フィールドでカラーフィルタの全組合せを垂直転送路へ読み出し、残りは読み出さないといったライン読み出しに選択性を持たせた構成が可能であり、容易にライン間引き機能が実現されている。また、このような多画素のインターレースCCDの垂直転送は、4相駆動が一般的であり、ライン間引き機能の実現のためには、例えば、電荷読出電極の4系統を含め、垂直転送路の電極数が従来の4系統が6系統となる。
【0009】
一方、このようなインターレースCCDに対して、プログレッシブCCDでは、フォトダイオードのライン数分だけ垂直転送路に信号電荷を保持できるため、1フレームの全てのラインを先頭から順番に読み出すことができる。従って、間引きをしなければ、電荷読出電極は1系統で構成可能であるが、間引き読み出しを行うためには、読み出しラインの選択性を実現するため、さらに1系統の電荷読出電極が追加される。そこで、プログレッシブCCDの垂直転送は、電荷読出電極の合計2系統を含めると、4相駆動の場合は垂直転送路の電極数は従来の4系統が5系統になり、また、3相駆動の場合は従来の3系統が4系統になる。
【0010】
そして、このような電荷読出電極構造の多系統化は、従来に較べて電極構造の増加分だけCCDの内部配線の複雑化や外部CCD駆動回路の増加などのマイナス面があるものの、より低コストの代替手法が他にないこともあり、ほとんどの多画素CCDで採用されている。
【0011】
そして、従来、上記のように、CCDの全画素の信号電荷を独立に読み出して利用する全画素個別読み出しモードと、CCDの一部の画素の信号電荷のみを選択的に読み出し他の画素の信号電荷は利用せずに破棄する間引き読み出しモードとを切り替えて使用する撮像装置が知られている。すなわち、主に静止画の撮影用のスチルモードとしては、全画素個別読み出しモードを用い、高フレームレートの駆動が必要になる主に動画の撮影用あるいは撮影に先立つ予備測定用としては、間引き読み出しモードを利用している。
【0012】
また、上記のような一般的なライン間引き読み出しに対し、例えば、特開平10−136244号公報に示されるように、プログレッシブCCDについて、種々の水平ライン間引き、及びライン加算読み出しの方式が提案されている。これら方式としては、大別すると、(1)mライン中nラインのみを読み出す方式(m>n,m≧3)、(2)mライン中nラインの信号電荷を加算して読み出す手法(m>n)、(3)垂直方向に連続するqラインの画素信号を加算して出力する方式の3方式が示されている。そして、単純に不要ラインを間引いてしまう構成に対し、複数のライン間で信号電荷の加算を行いつつ、フレームレートの向上を図った構成が示されている。また、例えば、特開平10−210367号公報に示されるように、静止画の撮影時には、CCDの全画素の信号電荷を独立に読み出して利用するとともに、静止画あるいは動画の撮影時には、CCDの画素の一部を間引きして読み出し、あるいは、加算して読み出す構成が知られている。
【0013】
すなわち、上記従来のように、特定のラインのみを選択的に読み出し、残りを間引く手法によると、フレームレートを向上することはできるが、感度が低下する問題を有している。すなわち、暗い撮影状況において、間引き読み出しモードで動画を撮影すると、感度が足りずに、きわめてS/N(signal-to-noise ratio)の悪い画像となる。また、測光、測距などの本撮影に先立つ予備測定についても、感度が足りずに、精度が著しく低下する。そして、このような予備測定時の感度不足を補助光の投光により補う場合は、コストが大きく、外形が大きく、消費電力の大きい、非常に明るいランプを用いる必要が生じる。また、感度不足の場合、予備測定のための露光時間を、測定精度を短くしたまま短縮することはできないため、使用者が撮影を意図してから本撮影の露光開始までに要するいわゆるタイムラグが大きくなるおそれがある。
【0014】
さらに、動画の撮影時に単純にラインを間引くと、撮影した画像の垂直方向の空間周波数再現性が悪化し、モアレが発生して、画像の品位を著しく損ねる場合がある。すなわち、ラインを間引いた状態においては、垂直方向の空間サンプリング周波数及び開口率が相応分減少しているにも関わらず、撮影レンズのMTF(modulation transfer function、変調伝達関数)はそのままであるため、著しい折り返し歪みが発生する。この現象は、モアレと呼ばれ、例えば、目の細かな縞状の被写体が実際とは異なる太い目の粗い縞状に写ってしまう現象であり、撮像装置には好ましくない現象である。
【0015】
そして、このような現象を緩和するためには、フレームレートを向上する目的で単純にラインを間引くのではなく、特開平10−136244号公報に示されるように、ライン加算を取り入れる構成が知られている。そして、ライン間引き後の空間サンプリング周波数上で撮影レンズのMTFが高くても、ライン加算を行うと開口率が増加し、高域の空間周波数成分が減らされて、空間フィルタ処理と同じ効果が得られる。そして、この効果を最大限に作用させるためには、例えば、フレームレートを5倍にするために全ライン中4/5ラインを間引いて1/5ラインを読み出すのではなく、5ラインをカラーフィルタの同色同士で加算をして読み出すことにより、結局5倍のフレームレートで全画素を読み出すことに等しくなり、空間フィルタの効果は最大で、しかも全画素の信号電荷が撮像に寄与するので、開口率は静止画像撮影時と全く同じになる。
【0016】
しかしながら、上記の特開平10−136244号公報では、上記のように同色同士の複数ラインの加算により全画素の信号電荷を読み出す手法については提案されていない。連続するラインの信号電荷を垂直転送路上で加算し、あるいは水平転送路上で加算して、全画素を読み出す手法については言及されているが、この手法では、縦ストライプフィルタ配列以外のカラーCCDの場合は、混色が生じ、色再現性に重大な弊害をもたらすばかりか、混色の組合せによっては、元の色を再現できないという問題を有している。ここで、上記特開平10−136244号公報には示されていないが、この公報記載の構成であえて、同色の複数ラインの加算による全画素読み出しを実現しようとすると、例えば、上記の5ライン加算の場合は、この公報機能のようにカラーフィルタ配列がベイヤー配列であるとすると、縦1列の色の組合せは2種類で、それぞれの色を個別に、さらに各色毎に5画素を個別に読み出す必要があるため、電荷読出電極は全部で10系統が必要になり、垂直転送駆動の場合は、垂直転送電極としては合計12系統を要する計算になる。そして、現存する3相垂直転送、間引き対応の3相多画素プログレッシブCCDの垂直転送の電極は、上記のように4系統であるので、8系統分の外部垂直転送駆動回路を追加することになり、CCD駆動回路の規模が著しく増大することになる。さらに、CCDの多画素化が進み、加算ライン数が増加すると、さらに垂直転送の電極の系統数が相応分増加する。そして、このような垂直転送の電極の系統数の増加は、コストや装置の小型化あるいは消費電力などの点から好ましくないものである。
【0017】
また、撮影状況がきわめて明るい場合は、例えば各画素から溢れだした信号電荷が垂直転送路に洩れ込みすじとなって現れるスミア(smear)が発生し、通常の間引き読み出しモードに比して、画素を加算して読み出す加算読み出しモードでは、画像の品位を損ねる場合がある。
【0018】
このため、特開平10−210367号公報に示されるように、動画の撮影時には、間引き読み出しあるいは加算読み出しのいずれかと限定すると、画像の品位を損ねる場合がある。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、静止画の品質を向上するために、動画専用の撮像素子に対して多画素の撮像素子を用いる場合は、フレームレートを向上するため、動画の撮影時に画素の信号を間引く構成が採られるが、この場合、単純に特定のラインのみを選択的に読み出し残りを間引く手法によると、動画の画質が低下する。一方、従来の構成で全画素の信号電荷を加算して利用しようとすると、構成が複雑になり、コストの上昇などを招くという問題を有している。また、画素の加算手法によっては、スミアにより画像品位を損ねる場合もある。
【0020】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、高画質、高機能を実現できるとともに、簡略な構成でコストを抑制できる撮像装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の撮像装置は、光電変換手段を設け所定のパターンで第1の色及び第2の色が配置された複数の画素、及び画素に対する複数系統の電荷読出電極を設けた電荷結合素子を備え前記各画素の電荷を読み出し転送する複数の第1の転送路及びこれら第1の転送路が転送した電荷を読み出し転送して出力する第2の転送路を備えたCCD固体撮像素子と、この撮像素子を制御する制御手段と、前記撮像素子が出力する信号電荷が入力される画像処理手段とを備え、前記制御手段は、動画の撮影時において、前記撮像素子の一部の画素の信号電荷を読み出し前記画像処理手段に出力する間引き読み出しモードと、前記撮像素子の画素の信号電荷を読み出し複数の画素の信号電荷を加算した上で前記画像処理手段に出力する加算読み出しモードとを切り替え可能とし、前記加算読み出しモードは、前記電荷読出電極に電荷読出電圧を印加して前記第1の色の画素の電荷を前記第1の転送路に複数読み出し、特定の系統の前記電荷読出電極に電荷読出電圧を印加し続け特定の画素について電荷を読み出す状態を維持し読み出した電荷を保持したまま、読み出した他の画素の電荷を転送して、保持した電荷に転送した電荷を加算して、第1の色の画素の電荷を複数加算した第1の加算電荷を生成し、前記第1の加算画素を前記第2の色の画素の電荷が読み出される位置から外した状態で、前記第2の色の画素の電荷を前記第1の転送路に複数読み出し、これら第2の色の画素の複数の電荷を前記第1の転送路及び前記第2の転送路の少なくとも一方で加算して、第2の色の画素の電荷を複数加算した第2の加算電荷を生成し、これら第1の加算電荷及び第2の加算電荷を前記第2の転送路で転送して出力するものである。
【0022】
そして、この構成では、動画の撮影時において、撮影状況や撮影対象に応じて、手動により、あるいは制御手段の制御により自動的に、間引き読み出しモードと加算読み出しモードとを切り替えることにより、画像の品位の向上が容易になる。また、間引き読み出しモードと加算読み出しモードとの切り替えは、撮像素子の制御により可能なため、構成が複雑化せず、製造コストが低減される。さらに、この構成では、垂直転送電極数を増加させることなく、一般的に用いられているCCD固体撮像素子を用い、製造コストが低減されるとともに、画像の品位が向上し、処理速度が向上する。
【0023】
請求項2記載の撮像装置は、光電変換手段を設け所定のパターンで第1の色及び第2の色が配置された複数の画素、及び画素に対する複数系統の電荷読出電極を設けた電荷結合素子を備え前記各画素の電荷を読み出し転送する複数の第1の転送路及びこれら第1の転送路が転送した電荷を読み出し転送して出力する第2の転送路を備えたCCD固体撮像素子と、この撮像素子を制御する制御手段と、前記撮像素子が出力する信号電荷が入力される画像処理手段とを備え、前記制御手段は、本撮影用のデータを測定する予備撮影時において、前記撮像素子の一部の画素の信号電荷を読み出し前記画像処理手段に出力する間引き読み出しモードと、前記撮像素子の画素の信号電荷を読み出し同色の複数の画素の信号電荷を加算した上で前記画像処理手段に出力する加算読み出しモードと、前記撮像素子の画素の信号電荷を読み出し異なる色の複数の画素の信号電荷を加算した上で前記画像処理手段に出力する混色加算読み出しモードとを切り替え制御し、前記加算読み出しモードは、前記電荷読出電極に電荷読出電圧を印加して前記第1の色の画素の電荷を前記第1の転送路に複数読み出し、特定の系統の前記電荷読出電極に電荷読出電圧を印加し続け特定の画素について電荷を読み出す状態を維持し読み出した電荷を保持したまま、読み出した他の画素の電荷を転送して、保持した電荷に転送した電荷を加算して、第1の色の画素の電荷を複数加算した第1の加算電荷を生成し、前記第1の加算画素を前記第2の色の画素の電荷が読み出される位置から外した状態で、前記第2の色の画素の電荷を前記第1の転送路に複数読み出し、これら第2の色の画素の複数の電荷を前記第1の転送路及び前記第2の転送路の少なくとも一方で加算して、第2の色の画素の電荷を複数加算した第2の加算電荷を生成し、これら第1の加算電荷及び第2の加算電荷を前記第2の転送路で転送して出力するものである。
【0024】
そして、この構成では、予備撮影時において、撮影状況や撮影対象に応じて、制御手段の制御により自動的に、間引き読み出しモードと加算読み出しモードと混色加算読み出しモードとを切り替えることにより、本撮影用のデータが有効に測定され、本撮影時の画像の品位が向上する。さらに、この構成では、垂直転送電極数を増加させることなく、一般的に用いられているCCD固体撮像素子を用い、製造コストが低減されるとともに、画像の品位が向上し、処理速度が向上する。
【0025】
請求項3記載の撮像装置は、請求項1または2記載の撮像装置において、制御手段は、撮影状況の明るさに応じ、加算読み出しモードと間引き読み出しモードとを切り替えて撮像素子を駆動するものである。
【0026】
そして、この構成では、撮影状況の明るさに応じ、暗い場合には加算読み出しモードに切り替えて、間引き読み出しモードより高品位な画像が撮影され、あるいは高速な処理が可能になる。
【0027】
請求項4記載の撮像装置は、請求項1ないし3いずれか一記載の撮像装置において、制御手段は、モアレの発生の可能性を判定し、モアレの発生の可能性のある場合には加算読み出しモード、他の場合には間引き読み出しモードに切り替えて撮像素子を駆動するものである。
【0028】
そして、この構成では、撮影対象に応じて、間引き読み出しモードを加算読み出しモードに切り替えることにより、モアレの発生が抑制され、高品位な画像が撮影される。
【0029】
請求項5記載の撮像装置は、請求項1ないし4いずれか一記載の撮像装置において、制御手段は、所定の明るさ以上に明るい状況で、スミアの発生の可能性を判定し、スミアの発生の可能性のある場合には間引き読み出しモード、他の場合には加算読み出しモードに切り替えて撮像素子を駆動するものである。
【0030】
そして、この構成では、撮影対象に応じて、加算読み出しモードを間引き読み出しモードに切り替えることにより、スミアによる画質の劣化が抑制され、高品位な画像が撮影される。
【0031】
請求項6記載の撮像装置は、請求項1ないし5いずれか一記載の撮像装置において、制御手段に制御され、加算読み出しモードで撮像素子を駆動する際に、前記撮像素子内部での信号の飽和を抑制する飽和抑制手段を備えたものである。
【0032】
そして、この構成では、飽和抑制手段を備えたため、加算読み出しモードにおいて、撮像素子内部で信号の飽和が抑制可能になり、画像の品質が向上する。また、容量が大きい専用の撮像素子を使用する必要がなく、製造コストの上昇が抑制される。
【0033】
請求項7記載の撮像装置は、請求項1ないし6いずれか一記載の撮像装置において、制御手段は、撮像素子の一部の画素の信号電荷を読み出し前記画像処理手段に出力する間引き読み出しモードと、前記撮像素子の画素の信号電荷を読み出し複数の画素の信号電荷を加算した上で前記画像処理手段に出力する加算読み出しモードと、前記撮像素子の全画素の信号電荷を独立に読み出して利用する全画素個別読み出しモードとを切り替え制御するものである。
【0034】
そして、この構成では、全画素個別読み出しモードを用い、高精細な例えば静止画の画像が撮影されるとともに、間引き読み出しモードあるいは加算読み出しモードを用い、高速なフレームレートが求められる予備測定あるいは動画の画像が撮影される。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の撮像装置の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0036】
図1において、1は撮像装置で、この撮像装置1は、デジタルカメラ、ムービーカメラなどと呼ばれるもので、静止画及び動画を撮影可能ないわゆる静止画動画兼用の装置であり、記録及び表示が可能なものである。
【0037】
そして、この撮像装置1は、撮像素子としてのCCD2、このCCD2を駆動するCCD駆動回路3、CCD2の出力が順次入力される画像処理手段を構成するアナログ処理回路4、A/D変換器5、画像処理回路6、メモリ7、このメモリ7の内容を表示する画像表示装置8、メモリ7の内容を記録する画像記録媒体(記録装置)9、光学系を構成する絞り10、機械シャッタ11、レンズ12、及び制御手段を構成するCPU14、及び図示しない筐体、レリーズボタンや切替スイッチなどの操作手段、電源装置、入出力端子などを備えている。
【0038】
そして、CPU14は、いわゆるマイクロプロセッサであり、システム全体の制御を司るもので、本実施の形態では、少なくとも、絞り10のF値制御、機械シャッタ11の開閉制御、レンズ12の焦点制御、CCD駆動回路3の制御を介してのCCD2の駆動制御、アナログ処理回路4の制御、画像処理回路6の制御、メモリ7に記録されるデータの処理、画像表示装置8の制御、画像記録媒体9への画像データの記録及び読み出しなどを行う。
【0039】
例えば、動画を撮影する場合、CPU14は、機械シャッタ11を開放し、絞り10のF値を制御することにより、CCD2に入射する被写体光量を調整し、さらに、CCD駆動回路3を介して、CCD2の電子シャッタを変化させ、露光量を制御する。
【0040】
CCD2は、固体撮像素子であり、電荷結合素子(CCD:charge coupled device)を用いたCCDイメージセンサとしてのCCD2であり、後述するように、図2に示す画素構造を有し、いわゆるカラーベイヤー配列間引き対応のカラー単板、多画素インターライン型インターレーススキャンCCDで、静止画動画兼用を特徴とし、動画専用用途のCCDに較べて画素数が著しく多いため、静止画撮影時にはメカニカルシャッタを併用する事で全画素を個別に読み出す一方、動画撮影時には、全水平ラインの1/5の画素のみを選択的に間引いて読み出せる間引き対応で、多画素であっても動画時のフレームレート(単位時間当たりのコマ数)を高く維持する工夫がされている。
【0041】
そして、このCCD2は、CCD駆動回路3の駆動信号により駆動され、被写体光が光電変換された結果のアナログ映像信号をアナログ処理回路4に出力する。すると、アナログ処理回路4は、相関2重サンプリング及びゲインコントロールアンプからなり、CCD2から出力されるアナログ映像信号のノイズ除去や映像信号の増幅などを行う。ここで、CPU14は、例えば、アナログ処理回路4のゲインコントロールアンプの増幅度などを制御する。
【0042】
そして、アナログ処理回路4の出力は、A/D変換器5へ入力され、ここでデジタル信号に変換される。さらに、デジタル信号に変換された映像信号は、そのままメモリ7に一時記録されて以後の処理を待つか、あるいは、画像処理回路6に入力される。そして、画像処理回路6に入力された映像信号は、画像処理を施された後、メモリ7を介して画像表示装置8により表示され、あるいは、使用者の操作に従い、画像記録媒体9へ動画るあいは静止画として記録される。また、メモリ7に一時記録された処理前の画像データは、CPU14及び画像処理回路6の一方あるいは両方により処理される。
【0043】
次に、CCD2の構成及び駆動について概略を説明する。
【0044】
図2に示すように、CCD駆動回路3がCCD2に与える駆動信号には、垂直転送路ゲート信号が流れる垂直転送路ゲート電極V1A,V1B,V2,V3A,V3B,V4が含まれている。さらに、CCD駆動回路3には、CPU14から駆動モード切替信号が入力され、この駆動モード切替信号により、CCD駆動回路3がCCD2の駆動動作モードを切り替えるようになっている。すなわち、本実施の形態では、間引き読み出しモード(第1の駆動)、加算読み出しモード(第2の駆動)、及び全画素個別読み出しモード(第3の駆動)が切り替えられる。
【0045】
そして、このCCD2は、一部の画素(図2に網掛けで示すR0,G5,R10,G15,…,G0,B5,G10,B15,…)のみを選択的に読み出せるように垂直転送路ゲート電極が配置されており、多画素CCDであっても、画素(ライン)の間引き読み出しを行うことにより、高いフレームレートが実現できるように工夫されている。
【0046】
すなわち、このCCD2において、間引き読み出しモードは、図14に示すように、垂直転送路電極への電圧印加操作を行い、信号電荷の垂直転送路への読み出しを行い、以後、3段垂直転送、水平転送、2段垂直転送、水平転送を繰り返すことにより、全水平ラインの1/5、すなわち、全画素の1/5のみを選択的に読み出すことが可能である。この間引き読み出しモードでは、全画素を個別に読み出す場合の5倍という高いフレームレートを特徴とし、一般的に、動画の撮影、表示に用いられる。また、この間引き読み出しモードは、静止画などの撮影時に、撮像装置1の使用者が、レリーズボタンを押動操作してから本撮影が行われる間での間に、例えば、被写体輝度測定、被写体距離測定などの予備測定用画像を高速に獲得する手段としても用いられる。
【0047】
また、このCCD2において、加算読み出しモードは、同色加算全画素読み出しモードとも呼びうるもので、図15及び図16に示すように、垂直転送路電極への電圧印加操作を行い、信号電荷の垂直転送路への読み出しを行い、以後、1段垂直転送、水平転送、4段垂直転送、水平転送…を繰り返すことにより、あるいは、図30及び図31に示すように、垂直転送路電極への電圧印加操作を行い、信号電荷の垂直転送路への読み出しを行い、以後、4段垂直転送、水平転送、1段垂直転送、水平転送…を繰り返すことにより、カラーフィルタ画素を混色させずに同色同士が5画素分加算されて、全画素分の信号電荷を、全画素を個別に読み出す場合の5倍のフレームレートで読み出すことが可能になっている。なお、図15及び図16に示す駆動方法の場合は、CCD2の後段の、画像処理回路6内部にラインバッファを設けるか、あるいは、メモリ7を利用して、入力ライン順の偶数奇数を入れ替える操作が必要になるが、図15及び図16及び図30及び図31に示す構成のいずれも、最終的には、上記の1/5の画素を選択した間引き読み出しモードに較べて、感度が5倍になったことと等価になり、かつ、上記の1/5の画素を選択した間引き読み出しモードとほぼ同様の出力形態で、同じフレームレートの画像信号を得ることができる。そして、この加算読み出しモードにおける駆動方法は、電荷読出パルス(図15における31a、図30における31a,32a)を出力したまま、垂直転送を行うことにより、垂直転送路上での複数画素の加算を行うことができる。従って、この加算読み出しモードも、間引き読み出しモードと同様に、高フレームレートを一つの特徴とし、動画の撮影、表示や本撮影前の予備測定に最適である。
【0048】
また、このCCD2において、全画素個別読み出しモードは、図12及び図13に示すように、2フィールドを使ってCCD2上の全画素の信号電荷を個別に読み出すモードであり、1コマが偶数ラインと奇数ラインとで2分割されていることと、機械シャッタ11などの物理的遮光手段の動作が伴うことに加え、非常に遅いフレームレートとなることから、動画像には向かないものの、いわゆる多画素CCDの全画素を全て独立で読み出すため、静止画としては申し分のない、極めて高精細の画像を得ることができる。
【0049】
次に、これら読み出しモードの切り替え動作について説明する。
【0050】
まず、第1の実施の形態として、間引き読み出しモードと加算読み出しモードとを、被写体光量を判定条件として、撮像装置1自体が自動的に切り替えて動画像の撮影などを行う構成について説明する。
【0051】
まず、CPU14は、初期状態として、CCD駆動回路3を介して、CCD2を加算読み出しモード(第2の駆動)で動作させる。この加算読み出しモードは、間引き読み出しモードに較べて、高感度が特徴であり、室内撮影や夜間の撮影などに最適である。例えば、間引き読み出しモードによる撮影動作ではアナログ処理回路4のゲインを大きくしなければならず、S/Nが低下し著しく画質が悪化してしまうような暗い撮影条件であっても、加算読み出しモードによる5倍の高感度であれば、低いゲインのままで高いS/Nを維持できる。そして、この初期状態では、CCD2から出力される映像信号は、アナログ処理回路4、A/D変換器5、画像処理回路6、メモリ7をへて、画像表示装置8に略同時(リアルタイム)に表示され続けている。ここで、使用者が図示しないレリーズボタン(撮影ボタン)を押し下げなどして動画の記録を意図すると、意図した期間の動画データが、画像記録媒体9に記録される。また、動画の撮影の場合は、撮像装置1のパンや、主要被写体の移動、動作、あるいは画面内の主要被写体以外の状況の変化などにより、被写体光量が常に変化し続けるため、CCD2の露光量を常に適正に維持するため、露光制御として、絞り10、あるいはCCD2の電子シャッタ、さらには、場合により、アナログ処理回路4のゲインが、本実施の形態の場合はCPU14により制御し続けられる。すなわち、CPU14は、次々にメモリ7に記録され更新されていく画像データを定期的に監視(モニタ)し、CCD2の露光量状況を常時監視している。そして、露光量が少ない、すなわち画面が暗いと判断した場合は、CPU14は、絞り10をF値が小さくなる、すなわち、CCD2に入射する光量が多くなる方向へ制御する。反対に、露光量が多い、すなわち画面が明るいと判断した場合は、CPU14は、絞り10をF値が大きくなる、すなわち、CCD2に入射する光量が少なくなる方向へ制御する。しかしながら、どのような絞り機構であっても、F値を無制限に変化させることはできず、所定の明るさ以上に明るい状況になると、絞り10のF値変化だけではCCD2に適正な露光量の範囲内に制御できなくなる。このような場合、CPU14は、CCD駆動回路3を制御し、CPU14の電子シャッタ動作を有効として、この電子シャッタの量により、絞り10で制御しきれなかった過剰な露光分が適正量となるように制御する。
【0052】
しかしながら、インターラインCCDの場合、電子シャッタにより露光量の制御を行うと、信号対スミア比が悪化する問題がある。すなわち、映像の信号電荷の蓄積時間は、電子シャッタにより短くなるが、垂直転送路に発生するスミアの量は電子シャッタの動作に係わらず常に一定なので、電子シャッタにより露光時間を短くするほど、信号対スミア比は悪化する。すなわち、電子シャッタを動作させ、シャッタスピードを速くするほど、画面に現れるスミアの影響は悪化する。そして、本実施の形態における通常の間引き読み出しモードでは、スミアの蓄積された垂直転送路を、3段、2段の繰り返しで垂直転送を行うのに対して、加算読み出しモードでは、4段、1段、あるいは、1段、4段の繰り返しで垂直転送を行うため、互いに隣接する偶数ラインと奇数ラインとの間でのスミアの差が大きくなり、この垂直転送後の画像処理の手法によっては、発生したスミアにより横縞状の輝度差が生じ、画像の品位を損ねる場合がある。
【0053】
そこで、本実施の形態では、CPU14は、CCD2の露光量を判定し、CCD駆動回路3に指示しているCCD2の電子シャッタのシャッタスピードが一定値以上高速になると、言い換えると、CCD駆動回路3の出力する電子シャッタパルス数が一定数以上となる状況が発生すると、CCD駆動回路3に、CCD2の駆動を、加算読み出しモードから間引き読み出しモードへと切り替えるように指示を出す。そして、本実施の形態では、間引き読み出しモードを利用することにより、画像処理の手法によらず、スミアによる画像品位の劣化を低く抑えることができる。
【0054】
このように、本実施の形態の撮像装置1によれば、多画素のCCD2について、高フレームレート駆動を、2モード設け、適宜切り替えることで、高画質高機能化を実現できる。すなわち、間引き読み出しモードに加え、加算読み出しモード(同色加算全画素読み出しモード)を採用し、適宜切り替えて利用することにより、双方の長所を生かし、短所を補って、撮像装置1全体としての性能を向上できる。
【0055】
すなわち、本実施の形態によれば、CCD2の駆動方法について、動画撮影時に、撮影状況の明るさにより、撮影条件が暗い場合は、加算読み出しモード、明るい場合は、従来の間引き読み出しモードへ切り替えることにより、暗い場合には感度増による画質向上効果を、明るい場合にはスミアによる画像品位の劣化を抑制した少なくとも現状通りの画質を得ることができる。
【0056】
さらに、CCD2は、特殊なCCD2ではなく、電子スチルカメラなどで一般的に利用されているごく一般的な、間引き対応の静止画動画兼用のCCD(カラーインターライン型インターレースCCD)2をそのまま利用することが可能で、このCCD2の駆動方法を切り替えることにより画質を向上できるため、製造コストを抑制することができる。
【0057】
また、上記のように、間引き読み出しモードと加算読み出しモードとを撮像装置1自体が自動的に切り替えを行う構成の他、使用者が、画像表示装置8などに表示された動画を見て、許容できないスミアを認めた場合には、図示しない切替スイッチを操作し、すなわち手動により、加算読み出しモードから間引き読み出しモードに切り替えることもできる。
【0058】
さらに、間引き読み出しモードでCCD2を駆動している状態で、撮影状況が暗くなり、間引き読み出しモードのままだと感度が足りないため、アナログ処理回路4のゲインが上昇し、この結果、S/Nが低下し、画像表示装置8などに表示された画面のノイズが許容できない状況となった場合にも、手動操作により間引き読み出しモードから加算読み出しモードに切り替えることができる。
【0059】
また、加算読み出しモード(同色加算全画素読み出しモード)は、後に詳細に説明するように、特定の電荷読出電極に電荷読出電圧を加えたまま垂直転送を行うことにより、垂直転送路上で同色同士の画素の信号電荷の加算を行い、間引き読み出しモードでは捨てられてしまう画素の信号電荷も加算して利用することにより、結果的には全画素を読み出すCCD撮像素子駆動方法である。そして、この駆動方法によれば、加算読み出しモードは、間引き読み出しモードと、同じフレームレートでかつほぼ同じ出力形態で画像信号が得られるため、きわめて容易に相互を切り替えて使用できる。
【0060】
次に、上記の第1の実施の形態の動作を図3に示すフローチャートを参照して説明する。このフローチャートは、撮像装置1が動画の撮影記録待機状態か、あるいは、静止画撮影時の電子ビューファインダ動作として、図1に示すCCD2から順次出力される動画のデータを、画像表示装置8に略同時(リアルタイム)に表示し続けている状態を想定している。さらに、この状態からは、動画の記録シーケンス、静止画の撮影記録(本撮影)シーケンス、あるいは、使用者が手動で上記の間引き読み出しモードあるいは加算読み出しモードに駆動動作を固定するなどの状態へ、種々のスイッチ(SW)入力により移行することを前提としている。従って、まず、ステップ100では、各スイッチ(SW)の初期状態を確認し、以後、各スイッチ(SW)からの割り込み許可を許可する設定を行う。例えば、この時点以後、レリーズボタンの押し下げ動作を割り込みにより検知すると、直ちに静止画撮影のルーチンへ移行する。また、例えば、CCD2を加算読み出しモードに固定するスイッチ(SW)がオンになったことを割り込みにより検知すると、その時点以後、間引き読み出しモードへは移行しない。
【0061】
そして、ステップ100の段階で特にスイッチ(SW)が検知されていないと、機械シャッタ11を開放し(ステップ101)、加算読み出しモードを設定し(ステップ102)、CCD2の撮影動作を開始し、アナログ処理回路4のアンプゲインは想定範囲の最低値に設定する(ステップ103)。次いで、絞り10のF値を制御することによるフィードバッグ露出制御を開始する(ステップ104〜106)。そして、この露出制御の後、F値が予め想定した値以上であり(ステップ105)、さらに、F値が最大になったことを検知すると(ステップ106)、F値ではこれ以上の露出制御ができないため、電子シャッタによる露光時間制御に移行する(ステップ107〜109)。但し、電子シャッタによる露光時間が一定値以下、すなわち、電子シャッタパルス数が規定値以上になったことが検知され、スミア発生の危険が認識されると(ステップ108)、加算読み出しモードから間引き読み出しモードへCCD2の駆動が切り替えられ(ステップ110)、より少ない電子シャッタパルスとなるように制御される。
【0062】
さらに、間引き読み出しモード(第1の駆動)へ切り替えられた状態で、電子シャッタパルス数が最低値になったことが検知されると(ステップ109)、絞り10のF値を制御する露出制御が行われ(ステップ104〜106)、さらに、F値が最小あるいは予め想定した値以下であることが検知され(ステップ105)、すなわち撮影状況が十分に暗いと認識されると、再び加算読み出しモードに設定される。
【0063】
また、加算読み出しモードの状態でも、さらに光量が不足している場合は(ステップ111)、アナログ処理回路4のゲインを操作し、光量の不足を補う(ステップ113〜114)。また、アナログ処理回路4のゲイン設定が想定範囲の最低値になったことが検知されると(ステップ114)、すなわち、一定以上の光量があれば、再び、絞り10のF値を制御することによるフィードバッグ露出制御に復帰する(ステップ104〜106)。
【0064】
このようにして、CCD2の駆動は、自動的に、間引き読み出しモードと加算読み出しモードとが相互に双方向に切り替えられ、また、使用者がスイッチ(SW)の操作によりいずれかを手動で選択固定することもできる。
【0065】
なお、この第1の実施の形態では、動画の撮影について説明したが、静止画の撮影についても、例えば低解像度の場合は、本実施の形態の動作を適用することができる。
【0066】
すなわち、本実施の形態によれば、間引き対応、カラーインターライン型CCD撮像素子を使用した撮像装置において、非常に暗い撮影条件下で、動画あるいは低解像度の静止画を撮影する場合に、従来の手法では実現できなかった高感度、高S/Nの画像を得ることができる。さらに、スミアが発生する可能性がある明るい撮影条件下では、比較的スミアによる画質劣化の少ない従来の手法に切り替えることも可能であり、あらゆる撮影条件下で、総合的に高い画質を実現できる。
【0067】
次に、第2の実施の形態を説明する。
【0068】
この実施の形態の構成は、図1に示す第1の実施の形態と同様であり、すなわち、信号の流れ、各部の機能及び動作などは第1の実施の形態と同様である。ここでは、静止画撮影あるいは動画撮影の本撮影の前の予備測定(予備撮影)として、間引き読み出しモードと加算読み出しモードとを相互に切り替えて用いる実施の形態を説明する。
【0069】
現在、例えば、デジタルスチルカメラなどでは、製造コストの低減のために、本撮影用のCCDで測距や測光動作を兼用する構成が用いられている。この予備測定の動作について、例えば静止画の撮影について、図4のタイムチャートを参照して概略を説明する。
【0070】
まず、使用者がレリーズボタンを押動操作すると、機械式のシャッタが開き、CCD2が露光状態になる。ここから予備測定が始まるが、この例では、測光用の画像撮影が1回、ホワイトバランス測定用の画像撮影が1回、測距用の画像撮影は2回である。そして、この例では、図1に示すCCD2は、通常は、この予備測定の期間は、間引き読み出しモードで駆動される。図4中、測光用画像A1は、Aで露光されたもので、CCD2から出力される。同様に、ホワイトバランス用画像B1はBで露光され、測距用画像C1,D1は、C,Dで露光されたもので、CCD2から出力される。なお、各予備測定の撮影回数は、必ずしもここに示した回数に限られない。
【0071】
この後、CPU14は、この予備測定の結果から求められた露光条件に応じ、すなわち、図1のレンズ12のフォーカス位置、絞り10のF値、機械シャッタ11のシャッタスピードの組み合わせを最適に制御して、図4のEのタイミングで本撮影の露光を行う。
【0072】
なお、第1の実施の形態と同様に、CCD2がインターレーススキャンCCDの場合は、静止画撮影時の画像出力では、図4のように、偶数ラインと奇数ラインとが2画面分の垂直同期信号期間にわたって出力される。
【0073】
ここで、撮影状況が非常に暗い場合には、各予備測定時にそれぞれ1垂直同期信号期間一杯に露光したとしても、まだ光量が十分でなく、図1に示すアナログ処理回路4のゲインを大きくしなければならない状況が生じる。しかしながら、ゲインを大きくすると、画像信号のS/Nが悪化してしまうため、予備測定の判定に支障をきたす事態ともなりうる。そこで、このように、図1に示すCPU14により、予備測定動作の内、A,A1の測光動作の結果、撮影状況が所定のレベルを超えて暗いと判断されは場合、CPU14は、B,B1,C,C1,D,D1以降のホワイトバランス及び測距動作において、CCD2の駆動を加算読み出しモードに切り替える。なお、この場合は、加算読み出しモードに切り替えたのち、再度測光動作を行うと、より測光精度が向上する。このように、加算読み出しモードでは、CCD2の感度が実質的に向上し、例えば、この実施の形態では5倍になるため、間引き読み出しモードでは正確な予備測定ができないような非常に暗い撮影条件においても、きわめて正確な予備測定を行うことができる。
【0074】
次に、上記の第2の実施の形態の動作を図5に示すフローチャートを参照して説明する。このフローチャートは、撮像装置1が撮影待機状態、あるいは、第1の実施の形態に説明している状態で、レリーズボタンの押し下げを割り込みで検知した場合のサブルーチンを想定している。
【0075】
まず、機械シャッタ11が開いていない場合、機械シャッタ11を開き(ステップ200)、CCD2の駆動を間引き読み出しモード(第1の駆動)に設定する(ステップ201)。次に、測光用露光条件を設定した後(ステップ202)、測光処理を行う(ステップ203)。ここで、撮影状況が規定値よりも暗く、以後の予備測定の精度の維持が困難と判断されると(ステップ204)、CCD2の駆動を加算読み出しモード(第2の駆動)に設定し(ステップ205)、測光結果を反映したホワイトバランス測定用の露光条件を設定する(ステップ206)。一方、測光処理の結果、撮影状況が規定値よりも十分に明るい場合は、間引き読み出しモードのままとする(ステップ204)。次いで、ホワイトバランス処理(AWB)を行い(ステップ207)、測光結果及びホワイトバランスの測定結果を反映した測距用露光条件を設定し(ステップ208)、この状態で、測距処理を行う(ステップ209)。そして、これらの測光、ホワイトバランス及び測距の結果を反映した本撮影用の露光条件を設定し(ステップ210)、本撮影を行う(ステップ211)。
【0076】
このように、本実施の形態によれば、予備測定時に、撮影状況の明るさにより、間引き読み出しモードと加算読み出しモードとを切り替えることにより、従来の手法では、感度不足による低画質のため、測定精度が低下してしまうような非常に暗い撮影条件下で、動画あるいは静止画の本撮影に先立つ予備測定のための撮影を行う場合にも、高感度で高S/Nの画像が得られ、高い測定精度を維持することができる。
【0077】
また、このように非常に暗い撮影条件において、予備測定時に被写体に対して、撮像装置1に付属したランプなどの光源から補助光を投光して予備測定画像の光量不足を補う構成においては、本実施の形態の予備測定時の加算読み出しモードを組み合わせることにより、より明るく正確に予備測定できる一方、CCD2の感度が向上する効果により、補助光用のランプの光量が小さくても、従来同様の効果を得られるため、安価で小さく、低電力のランプを採用することも可能になり製造コストを低減できる。
【0078】
すなわち、暗時対策として撮像装置に補助光を搭載し、予備測定時にこの補助光を被写体に投光して光量不足を補う構成の場合、加算読み出しモードによりCCD2の相対感度が飛躍的に向上するため、低コスト、小型、低消費電力のランプを使用することが可能になる。そこで、従来と同じ性能をもつ撮像装置を、低コストで、小型、かつ低い電力消費で実現できる。
【0079】
次に、第3の実施の形態を説明する。
【0080】
この実施の形態の構成は、図1に示す第1の実施の形態と同様であり、すなわち、信号の流れ、各部の機能及び動作などは第1の実施の形態と同様である。ここでは、静止画撮影あるいは動画撮影の本撮影の前の予備測定(予備撮影)において、加算読み出しモードを用いて予備測定にかかる時間を短くする手法を説明する。
【0081】
上記の図4に示すように、予備測定動作は、使用者がレリーズボタンを押し下げしてから、本撮影の露光が開始されるまでの間に存在する。すなわち、使用者が撮影を意図した瞬間と、実際に本撮影動作に移り露光が開始されるまでの間には、時間差(タイムラグ)が存在する。そして、この時間差は、あまり大きいといわゆるシャッタチャンスを逃がすことにつながる。従って、この時間差は短いほど良く、理想はゼロである。この点、撮像素子と、測距、測光センサとを共用する構成では、予備測定の時間をゼロにすることは困難であるが、本実施の形態によれば、従来の構成より時間差を小さくして、なお従来と同等の予備測定精度を維持することができる。
【0082】
本実施の形態における静止画撮影時の動作を図6のタイムチャートを参照して説明する。
【0083】
予備測定の動作期間中は、CCD2は、加算読み出しモード(第2の駆動)で動作している。この図6は基本的には図4に対応しており、A〜D,A1〜D1の意味は図4と同様で、測光用画像A1は、Aで露光されたもの、ホワイトバランス用画像B1はBで露光されたもの、測距用画像C1,D1は、C,Dで露光されたものであるが、予備測定動作にかかる時間は、半分に短縮されている。これは、予備測定の動作時の垂直同期信号周期が、半分に減らされて設定されているためである。このように、予備測定動作時に垂直同期信号周期、すなわち1画面周期を半分にする手法としては、例えば、予備測定の動作期間のみ、図1に示すCCD駆動回路3の基本クロックを倍の速度として、CCD2から出力される画像信号の1画素あたりにかかる時間(ピクセルレート)を半分にするという比較的単純な方法も考えられるが、以下に説明するような手法も存在する。
【0084】
なお、図6には、後に説明する垂直転送の様子も合わせて記載されている。まず、加算読み出しモード(第2の駆動)による電荷読出動作でCCD2の垂直転送路への信号電荷の読出、加算が終了したら、画面垂直方向の任意の位置になるまで高速に垂直転送を行う(図6のF1)。この時、CCD2の外部に出力される信号は無効とする。次に、加算読み出しモードによる垂直転送で、任意の数分ラインを読み出す(図6のF2)。このときの画像信号は有効とする。そして、必要なライン数分画像信号を確保したら、垂直転送路に残っている画素信号を再び高速垂直転送により掃き出す(図6のF3)。
【0085】
このようにすると、1画面の任意の位置を任意の幅すなわちライン数で読み出すことができる。測光、ホワイトバランス測定、及び測距では、必ずしも画面の全体が必要ではなく、中心部分があればよい。従って、上記の手法により、例えば全画面の中心部を1/3(ライン)の幅で読み出す、という動作を行うと、予備測定の動作時のみ垂直同期信号周期を容易に半分にできる。なお、このように、高速垂直転送を組み合わせて連続した任意区画の画像を選択的に獲得する手法(以下、中心部高速読み出しと称する)自体は知られているが、この第3の実施の形態は、加算読み出しモードにおいて、中心部高速読み出しを応用したものである。
【0086】
いずれにしても、従来の構成では、予備測定の動作時間を短くすると、露光時間が不足し、さほど暗くない撮影時要件でも十分な信号量を得ることができなくなるが、本実施の形態では、加算読み出しモードでCCD2を動作させているため、予備測定の動作時間が例えば半分となり、測光、ホワイトバランス測定、測距のための露光時間が半分に短縮されたとしても、感度は5倍になっているため、間引き読み出しモードで時間を短縮しなかった場合よりも、すなわち、従来の時間がかかる予備測定の時の状況よりも、まだ余りのある光量を確保できる。
【0087】
なお、この第3の実施の形態では、基本的には、加算読み出しモードを使用するが、撮影状況が十分に明るい場合は、あえて間引き読み出しモードを選択的に使用することもできる。そして、この切り替えは、CPU14の画像データ判定による自動切り替えとすることができ、また、使用者が手動で切り替える構成とすることもできる。さらに、このように予備測定において加算読み出しモードを用い予備測定にかかる時間を短くする手法については、予備測定時に撮影状況の明るさにより間引き読み出しモードと加算読み出しモードとを切り替える第2の実施の形態への応用も可能であり、この場合には、予備測定において適宜駆動モードを切り替えつつ、中心部高速読み出しの適用により、さらに、正確で高速な予備測定を実現できる。
【0088】
次に、上記の第3の実施の形態の動作を図7に示すフローチャートを参照して説明する。このフローチャートは、撮像装置1が撮影待機状態、あるいは、第1の実施の形態に説明している状態で、レリーズボタンの押し下げを割り込みで検知した場合のサブルーチンを想定している。
【0089】
まず、機械シャッタ11が開いていない場合、機械シャッタ11を開き(ステップ300)、CCD2の駆動を加算読み出しモードに設定する(ステップ301)。次に、CCD2のライン読み出しを、中心部高速読み出しとして、例えば、この場合は、画面の1/3ラインを高速に読み出すように、加算読み出しモードと組み合わせて動作させ、垂直同期信号期間を通常の1/2とする(ステップ302)。以下、第2の実施の形態と同様に、測光用露光条件を設定した後(ステップ303)、測光処理を行う(ステップ304)。そして、測光結果を反映したホワイトバランス測定用の露光条件を設定する(ステップ305)、次いで、ホワイトバランス処理(AWB)を行い(ステップ306)、測光結果及びホワイトバランスの測定結果を反映した測距用露光条件を設定し(ステップ307)、この状態で、測距処理を行う(ステップ308)。そして、これらの測光、ホワイトバランス及び測距の結果を反映した本撮影用の露光条件を設定し(ステップ309)、本撮影を行う(ステップ310)。
【0090】
このように、本実施の形態によれば、予備測定時に、加算読み出しモードとして、高感度の利点を生かし、予備測定にかかる時間を大幅に短縮でき、例えば予備測定のための露光時間を例えば半分として、シャッタレスポンスを大きく向上させることができる。すなわち、従来の手法では、予備測定の時間を短縮するため、画面の一部を高速に読み出すなどして予備測定用の画像撮影時の露光時間を短く切りつめると、暗い時のみならず、室内のように通常の撮影時要件下でも感度不足が深刻な問題となるが、本実施の形態では、加算読み出しモードにより、相対的に高くなった撮像感度を利用して、測定の精度を損なうことなく、予備測定にかかる時間を大きく短縮できる。
【0091】
次に、第4の実施の形態を説明する。
【0092】
この実施の形態の構成は、図1に示す第1の実施の形態と同様であり、すなわち、信号の流れ、各部の機能及び動作などは第1の実施の形態と同様である。ここでは、静止画撮影あるいは動画撮影の本撮影の前の予備測定(予備撮影)において、3種以上の複数の読み出しモード、ここでは、間引き、加算、混色加算の3種の読み出しモードを切り替えて、精度の高い予備測定を高速に行う手法を説明する。
【0093】
なお、この実施の形態における静止画撮影時の動作は図4のタイムチャートと同様となる。
【0094】
ここで、混色加算読み出しモードは、あえて混色を生じる加算を行うものである。すなわち、上記の加算読み出しモードは、混色を回避し同色同士の画素の信号電荷を加算するものであるが、混色加算読み出しモードは、意図的に異なる色の画素の信号電荷混ぜて読み出し、輝度信号により近い信号を出力して、測距すなわちオートフォーカスに利用するものであり、予備測定でのみ採用される。
【0095】
そして、この混色加算読み出しモードは、例えば、原色ベイヤー配列のCCDにおいて、偶数ラインのR(赤)の画素の信号電荷を全て垂直転送路(垂直レジスタ)に読み出し、この後、このRの信号電荷を1/2段垂直転送した状態で、奇数ラインのG(緑)の画素の信号電荷を垂直転送路上に読み出すことにより、Rの信号電荷とGの信号電荷とを混合し、さらに、垂直転送を行い、水平転送路(水平レジスタ)上で任意のライン数を加算する手法により実現され、また、後に詳細に説明するように、電荷読出パルスを印加したまま、垂直転送を行う手法により実現される。すなわち、これらの方法では、R+Gの混合した信号電荷と、G+Bの混合した信号電荷とを生成できるとともに、高速なフレームレートを実現できる。
【0096】
次に、上記の第4の実施の形態の動作を図8に示すフローチャートを参照して説明する。このフローチャートは、撮像装置1が撮影待機状態、あるいは、第1の実施の形態に説明している状態で、レリーズボタンの押し下げを割り込みで検知した場合のサブルーチンを想定している。
【0097】
まず、機械シャッタ11が開いていない場合、機械シャッタ11を開き(ステップ400)、CCD2の駆動を間引き読み出しモード(第1の駆動)に設定する(ステップ401)。次に、測光用露光条件を設定した後(ステップ402)、測光処理を行う(ステップ403)。ここで、撮影状況(被写体)が規定値よりも暗く、以後の予備測定の精度の維持が困難と判断されると(ステップ404)、CCD2の駆動を加算読み出しモード(第2の駆動)に設定し(ステップ405)、測光結果を反映したホワイトバランス測定用の露光条件を設定する(ステップ406)。一方、測光処理の結果、撮影状況が規定値よりも十分に明るい場合は、間引き読み出しモードのままとする(ステップ404)。次いで、ホワイトバランス処理(AWB)を行う(ステップ407)。そして、このホワイトバランス処理の際、被写体の色に著しい偏りが認められた場合は、いわば、ホワイトバランスずれ量が既定値より大きいと判定された場合は(ステップ408)、CCD2の駆動を混色加算読み出しモード(第4の駆動)に設定し(ステップ409)、これら測光結果及びホワイトバランスの測定結果を反映した測距用露光条件を設定し(ステップ410)、この状態で、測距処理を行う(ステップ411)。また、ホワイトバランスずれ量が既定値以下である場合は(ステップ408)、従前の読み出しモードを維持し、測距用露光条件を設定して(ステップ410)、測距処理を行う(ステップ411)。例えば、被写体が十分に明るく、かつ、色の偏りもない場合には、CCD2の駆動は当初から間引き読み出しモードのまま維持されている。そして、そして、これらの測光、ホワイトバランス及び測距の結果を反映した本撮影用の露光条件を設定し(ステップ412)、本撮影を行う(ステップ413)。
【0098】
そして、この実施の形態では、被写体の色の偏りを認めた際に、混色加算読み出しモードを用いることにより、測距演算を容易に正確に実行することが可能になり、測距を正確にできる。すなわち、カラーのCCD2では、著しい色の偏りがある被写体を撮影した場合、間引き読み出しモード、あるいは混色なしの加算読み出しモードでは、画素毎(色毎)のレベル差が非常に大きくなり、測距演算に適さない状態になる場合がある。この場合、あえて混色加算を行うことで、画素毎のレベル差を抑制することができ、測距測定を正確に行うことができる。
【0099】
なお、混色加算を利用した測距については、例えば、特開平10−136244号公報に示されているが、この公報記載の構成と異なり、本実施の形態では、同一のCCD2を、同色の加算と混色加算とに切り替えて用いることができる。そして、特開平10−136244号公報記載の構成では、ホワイトバランス(AWB)の予備測定を混色加算時に行っているが、混色の状態では色の分離性が失われ、色温度測定が正確にできずに、ホワイトバランスの設定の精度が低下する問題を有している。この点、本実施の形態によれば、ホワイトバランスの予備測定は、混色のない、間引き読み出しモード及び加算読み出しモードのいずれかを選択して行われるため、色の分離性を保つことができるとともに、暗い撮影条件であっても、感度を向上できる加算読み出しモードを利用できるため、きわめて正確にホワイトバランスを設定でき、画像の品質を向上できる。
【0100】
また、この第4の実施の形態においても、第3の実施の形態と同様に、画面中の特定の部分を抜き出して利用することで、予備測定を高速化することもできる。このように第3の実施の形態と第4の実施の形態とを組み合わせることで、より正確な予備測定を高速に行うことができる。
【0101】
このように、予備撮影時に、間引き読み出しモード、同色の加算読み出しモード、混色加算読み出しモードの中から、適宜、1モードのみ、あるいは2モード、あるいは3モードの最適な組み合わせを自動的に選択することにより、予備測定のデータとして有効なデータを確保でき、動画あるいは静止画の本撮影における画像の品位を向上できる。
【0102】
次に、第5の実施の形態を説明する。
【0103】
この実施の形態の構成は、図1に示す第1の実施の形態と同様であり、すなわち、信号の流れ、各部の機能及び動作などは第1の実施の形態と同様である。ここでは、静止画撮影あるいは動画撮影の本撮影時において、加算読み出しモード(第2の駆動)を用いてモアレを抑制する手法を説明する。
【0104】
本実施の形態では、動画撮影時に、CCD2は初期状態として間引き読み出しモードで駆動する。この間引き読み出しモードでは、単純に画素を、すなわちラインを間引いているため、画面垂直方向の空間周波数再現性は著しく悪化している。例えば、非常に細かい横縞状の被写体があった場合、細かい縞が太い縞のように撮影されたり、白黒がくっきりした境界部分に本来存在しない偽色が見えたりする。これは、モアレと呼ばれる現象で、撮影画像の品位を著しく損なう。
【0105】
そこで、本実施の形態では、CPU14は、メモリ7に次々に記録更新されていく動画を監視しているが、この監視と同時に、画面垂直方向の色差成分の空間周波数分布を分析する。この分析には、高速フーリエ変換(FFT)など、種々の方法を用いることができる。また、この分析は、必ずしも画面全体について行う必要はなく、画面の特定部分について行い、あるいは、画面全体を離散的に行うこともできる。そして、色差成分の比較的高周波成分に一定量以上の成分分布が認められた場合には、モアレ発生の危険があると判断して、CCD2の駆動を間引き読み出しモードから加算読み出しモードに切り替える。そして、この加算読み出しモードでは、空間的に分離している複数画素を同色同士で加算するので、低域通過フィルタを通した状態に等しい効果が得られ、非常に効果的にモアレを抑制できる。
【0106】
また、使用者が、撮像装置1の画像表示装置8に表示される動画をモニタし、許容できないモアレの発生を認めた場合には、CCD2の駆動を手動で間引き読み出しモードから加算読み出しモードに切り替えることもできる。
【0107】
次に、上記の第5の実施の形態の動作を図9に示すフローチャートを参照して説明する。このフローチャートは、撮像装置1が動画の撮影待機状態、あるいは、静止画の撮影時にCCD2から順次出力される動画像を電子ビューファインダ動作として画像表示装置8に同時的(リアルタイム)に表示し続けている状態を想定している。同時に、この状態から、動画の記録シーケンス、静止画の撮影記録シーケンス、あるいは、使用者が手動で間引き読み出しモードから加算読み出しモードに駆動動作を固定するなどのなどの状態へ、種々のスイッチ(SW)入力により移行する状態を前提としている。従って、まず、各スイッチ(SW)の初期状態を確認し、以後、各スイッチ(SW)からの割り込みを許可する設定を行う(ステップ500)。例えば、このステップ500以後、レリーズボタンの押し下げを割り込みにより検知すると、直ちに静止画撮影のルーチンに移行する。また、例えば、CCD2の駆動を加算読み出しモードに固定するスイッチ(SW)がオンになったことを割り込みで検知すると、この検知以後、間引き読み出しモードへは移行しない。そして、このステップ500で特にスイッチ(SW)入力が検知されない場合は、機械シャッタ11を開放し(ステップ501)、間引き読み出しモードに設定して(ステップ502)、CCD2の撮影動作を開始し、露光量自動調整処理(ステップ503)へ移行する。そして、この露光量自動調整処理では、絞り10のF値、CCD駆動回路3によるCCD2の電子シャッタ、アナログ処理回路4のゲインなどが逐次切り替えられ、常に適正な明るさで画像表示装置に画像が表示されるように制御される。次いで、この露光量自動調整処理の1回ごとに、あるいは複数回に1回、モアレ発生判定処理へ移行する(ステップ504)。ここでは、画面のモアレ発生状況を評価して、モアレ発生の危険がない場合には、CCD2の駆動を間引き読み出しモードに設定し(ステップ506)、モアレ発生の危険を検知した場合には、CCD2の駆動を加算読み出しモードに設定する(ステップ505)。この後、再びステップ503に戻り、自動露光調整処理を行う。なお、このステップ504では、間引き読み出しモード及び加算読み出しモードのそれぞれの状態でモアレ発生の判定が行われるが、同じ被写体に対して、加算読み出しモードによる画像の方が、間引き読み出しモードによる画像よりも、モアレの検出レベルは低くなる。そこで、判定レベルは、それぞれの駆動方式による獲得画面の特質を考慮して設定される。
【0108】
このように、本実施の形態によれば、モアレ発生のおそれがある場合には、加算読み出しモードを用い、その他の場合には、間引き読み出しモードを利用することにより、従来のライン間引きに起因するモアレの発生を効果的に抑制でき、さらに、抑制の有無を手動で切り替え、操作者の意図を反映させることもできる。
【0109】
次に、第6の実施の形態を説明する。
【0110】
比較的に暗い撮影状況で、従来の間引き読み出しモードを利用して例えば高速連写などにより動きの速い被写体の連続写真を撮影する場合、感度不足のため、高速シャッタを切ることができず、動きのぶれた画像となることがあるが、このような撮影条件において、加算読み出しモードを用いることにより、高速シャッタを組み合わせることが可能になり、被写体のぶれのない鮮明な連続写真を得ることができる。
【0111】
次に、第7の実施の形態を説明する。
【0112】
この実施の形態の構成は、図10に示すように、図1に示す第1の実施の形態の構成に加え、CPU14に制御されてCCD2の基板バイアス電圧を切り替える飽和抑制手段としての基板バイアス電圧切替回路13を備え、いわゆるブルーミング(blooming)の除去を容易にできるものである。なお、この基板バイアス電圧切替回路13以外の部分は図1に示す第1の実施の形態と同様であり、すなわち、信号の流れ、各部の機能及び動作などは第1の実施の形態と同様である。
【0113】
すなわち、CCD2の駆動を加算読み出しモードとする場合、すなわち、複数の信号電荷(画素電荷)をCCD内部で混合して読み出す場合、垂直転送路あるいは水平転送路の電荷転送容量が問題となることが考えられる。例えば、5画素分の信号電荷を加算する場合、各転送路の転送容量は、光電変換手段としてのフォトダイオード15の飽和蓄積電荷量の5倍必要となるが、垂直水平転送路上で信号電荷がオーバーフローすると、固体撮像素子の各画素の信号電荷が溢れて隣接する画素に洩れ込み、例えばハイライト部の像が広がって見えるいわゆるブルーミングを発生することがある。
【0114】
この対策としては、垂直転送路及び水平転送路の電荷転送容量を、画素混合される量に見合った容量として設計し製造されたCCDを使用することも考えられるが、専用のCCDが必要になり、製造コストが上昇する。
【0115】
そこで、通常の設計のCCD2を用いるとともに、同色の加算読み出しモードあるいは混色加算読み出しモードなど、画素混合を行う場合であって、かつ、CPU14により被写体の明るさの条件が一定レベル以上と判定された場合には、ブルーミングの危険があると判断し、CPU14の制御により基板バイアス電圧切替回路13がCCD2の基板バイアス電圧を通常より相応に高い電圧に切り替えられ、フォトダイオードの飽和蓄積電荷量を制限することにより、製造コストの上昇を抑制しつつ、水平転送路及び垂直転送路で発生するブルーミングを抑制し、画像の品位を向上できる。
【0116】
次に、上記の第7の実施の形態の動作を図11に示すフローチャートを参照して説明する。このフローチャートは、上記の第1ないし第6の実施の形態に示されるフローチャートにおいて、加算読み出しモードあるいは混色加算読み出しモードに切り替えるステップ、あるいはこのステップ以降のステップにおいて、直前の状況、あるいは、その後に被写体輝度の状況が明らかとなった時点でのサブルーチンを想定している。
【0117】
まず、被写体の明るさの判定を行い(ステップ600)、被写体が規定値よりも明るく、ブルーミングの危険があると判断すると、CPU14は基板バイアス電圧切替回路13によりCCD2の基板バイアス電圧をブルーミングの抑圧する方向へ切り替える(ステップ601)。一方、被写体の明るさの判定を行い(ステップ600)、被写体が規定値よりも暗く、ブルーミングの危険がないと判断すると、CCD2の基板バイアス電圧を維持するようになっている。
【0118】
また、上記の第1ないし第6の実施の形態について、撮像装置1に単独で適用するほか、任意の項目を組み合わせて適用し、あるいは、全ての項目を組み合わせて適用することもできる。
【0119】
さらに、加算読み出しモードは、間引き読み出しモードに較べて、相対感度を著しく向上できるため、暗時画質の向上、暗時予備測定の高精度化、予備測定の高速化に加え、撮像装置の、特に電子スチルカメラの電子ビューファインダ用として最適な画像データを提供できる。すなわち、電子ビューファインダ(Electric View Finder : EVF)は、CCDを通常動画モードすなわち間引き読み出しモードで駆動し、電子表示装置にリアルタイムの動画映像を表示する機構であり、現在ほとんど全ての電子スチルカメラが表示再生用の液晶モニタ(LCDモニタ)を搭載しているため、この液晶モニタをファインディングに利用することが可能であり、この点で、電子ビューファンインダが一般的に用いられている。また、電子スチルカメラに限らず、カメラが高倍率ズームを搭載した場合は、ズームに連動しない光学ファインダは視差(パララクス)が大きくなり使用できなくなる。そこで、現在、一般消費者(コンシューマー)向けの電子スチルカメラの内、一眼レフタイプ以外の高倍率ズーム搭載機は、全て電子ビューファンインダを採用している。さらに、これら高倍率ズーム搭載機の中には、光学ファインダを廃止し、液晶モニタのみによるファインダ動作に限定したものや、あるいは、液晶モニタとは別にファインダ専用の小型の液晶モニタに接眼光学系を組み合わせ、いわゆるムービーカメラと同様の電子ビューファンインダを設けた構成が用いられている。
【0120】
そして、光学ファインダを備えない電子スチルカメラでは、電子ビューファンインダのみでファインディングを行うことになるが、比較的感度の低い多画素CCDを用いる場合には、通常の間引き読み出しモードを利用した動画撮影によるファインダ動作では、暗い場面ではファインディングが困難になる問題がある。すなわち、ムービーカメラであれば、電子ビューファンインダに表示できない場面は撮影もできない場面であるため、問題は生じないが、電子スチルカメラの場合には、例えばストロボを用いた撮影も可能であり、どのように暗い状況でも、電子ビューファンインダは画角調整ができる程度の画像を表示する必要がある。
【0121】
この点、加算読み出しモードでは、全画素が撮像に寄与するため、当該CCDを用いた場合の最大レベルまで感度を向上させることができ、上記の加算読み出しモードのCCDと電子ビューファンインダとを組み合わせることにより、暗い環境でも被写体を確認できるファインダシステムを提供できる。
【0122】
次に、上記の各実施の形態において、加算読み出しモードを実現するCCDの構成を説明する。
【0123】
なお、以下に示す各実施の形態は、上記の第1ないし第7の各実施の形態にそれぞれ適用することができる。
【0124】
このCCDは、第1の転送路としての各垂直転送路に沿って縦1列にある2色のカラーフィルタ画素のうち、先に一方の同色の信号電荷を全て垂直転送路へ読み出した後、複数系統ある電荷読出電極のうち、特定の系統の電荷読出電極に電荷読出電圧を印加したまま、垂直転送を行うことにより、この垂直転送路上で同色同士のライン加算を行うものである。さらに、垂直転送と、複数ある電荷読出電極による選択的な読出とを組み合わせて、先に読み出され垂直転送路上で加算されている信号電荷と、後に読み出す別の色のもう一方のラインの信号電荷との混色を回避させながら、もう一方のカラーフィルタ画素を含むラインの画素を垂直転送路に読み出して、1色目と同様に特定の電荷読出電極に電荷読出電圧を加えたまま垂直転送を行うことにより、あるいは、第2の転送路としての水平転送路上でのライン加算動作を組み合わせることにより、後から読み出された同色同士のライン加算を行い、結果として、同色同士を複数ラインで加算して全画素読出を行い、フレームレートを向上しつつ、垂直空間周波数再現性の向上、画素感度の向上といった動画の著しい画質向上などを実現でき、さらに、各種CCDにも適用可能であるとともに、構造の複雑化を抑制して製造コストの上昇を抑制できるものである。
【0125】
すなわち、多画素CCDで、垂直転送路へ電荷読出後に特定の読出電極に電圧印加状態のまま垂直転送を行うことで画素電荷混合を行い、高速高画質動画像を得ることができ、さらに、動画像の画質向上などを、読み出しの手法のみで実現できるものである。
【0126】
そして、以下に詳細に説明するが、CCDの第1の実施の形態は、インターレースCCDで、垂直転送を正方向のみに転送(正転送)するとともに、水平転送路における加算を行うものである。そして、第2の実施の形態は、インターレースCCDで、垂直転送を正転送のみならず逆転方向に転送(逆転転送)するものである。また、第3の実施の形態は、プログレッシブCCDで、垂直転送を正転送のみならず逆転転送するものである。そして、第4の実施の形態は、プログレッシブCCDで、垂直転送を正転送のみとするとともに、水平転送路における加算を行うものである。また、第5の実施の形態は、インターレース補色線順次CCDで、垂直転送を正転送のみならず逆転転送するものである。そして、第6の実施の形態は、インターレース補色線順次CCDで、垂直転送を正転送のみとするとともに、水平転送路における加算を行うものである。
【0127】
このように、本発明では、あらゆるカラーフィルタ配列のカラー単板、動画静止画兼用、間引き対応の多画素インターラインCCDにおいて、副次的な混色を回避させた複数ライン加算による高速全画素読み出しを、ライン加算数の増加とともに垂直転送電極数を増加させることなく、あらゆる数のライン加算において、同一最低限の垂直転送電極構成で実現できるものである。
【0128】
また、同一色の画素同士の画素加算を行う際に、垂直転送路における逆点転送を行い、CCDから出力した後の処理を容易にする構成を採ることもでき、また、逆転転送の効率が悪いCCDなどにおいては、正方向のみに転送することもできる。
【0129】
次に、本発明の各実施の形態を図面を参照して説明する。
【0130】
まず、図1、図2、図12ないし図28に示す第1及び第2の実施の形態である、間引き対応のインターレーススキャン方式CCD(インターレースCCD)を用いた構成について概説する。
【0131】
そして、このインターレースCCDでは、加算されるラインの数に依らず、電荷読出電極の4系統を含み、垂直転送電極の合計は6系統のまま増えることはない。具体的には、電荷読出電極は、V1A,V1B,V3A,V3Bの4系統であり、垂直転送電極は、V1A,V1B,V2,V3A,V3B,V4の合計6系統である。すなわち、ごく普通の多画素インターレースCCDで実現が可能である。
【0132】
すなわち、通常のカラーフィルタ配列のカラー単板、動画静止画兼用、間引き対応の多画素インターラインCCDにおいて、インターレースCCDの場合、電荷読出電極は、V1A,V1B,V3A,V3Bの4種類が存在する。そして、例えば、R(赤),G(緑),B(青)のフィルタを用いるベイヤ方式(原色方式)において、ある縦列のカラーフィルタの組み合わせがRGRG…となり、Rが偶数番目、Gが奇数番目の水平ライン上にあり、電荷読出電極V1Aが5の倍数の奇数ライン番号のGの画素の電荷読出電極、V1Bが残りのGの画素すなわち残りの奇数番目の水平ラインの電荷読出電極、V3Aが10の倍数の水平ライン番号のRの画素の電荷読出電極、V3Bが残りのRの画素すなわち残りの偶数番目の水平ラインの電荷読出電極であるとする。ちなみに、この場合、その1つ隣の縦列は、カラーフィルタの組み合わせがGBGB…で、Gが偶数番目、Bが奇数番目の水平ライン上にある。すなわち、V1Aは5の倍数のライン番号のBの画素、V3Aは10の倍数の水平ライン番号のGの画素の電荷読出電極になる。以下、ここでは、説明を簡略化するため、RGRGの縦列について、同色加算全画素読み出し動作を説明する。但し、1縦列毎に色の組み合わせは異なるが同一水平ライン上の全ての画素で同じ事が生じているとの前提で説明する。
【0133】
まず、V3AとV3Bに電荷読出電圧を加えて、第1の色としてのR画素の信号電荷、即ち偶数ラインの信号電荷を全て垂直転送路へ読み出す。その後、V3Bの電圧はもとに戻すが、V3Aには電荷読出電圧を加えたまま垂直転送を4段分行う。すると、10ライン毎(垂直転送路5段毎)に存在するV3Aの電極下ではポテンシャル井戸が深いままなので、この部分でV3Aの上方向に近接するR画素5画素分の信号電荷が同色同士で加算し、第1の加算電荷としてのRの5画素加算電荷(5R)を生成する。その後、このRの5画素加算電荷すなわち偶数ラインの5画素加算電荷を、混色を避ける為、V1A電極下へ垂直転送して一時待避させた後、V1Bにのみ電荷読出電圧を加えて、5の倍敷以外の第2の色としてのGの画素、即ち5の倍数以外の奇数ラインの信号電荷を垂直転送路へ読み出す。すると、これらGの画素の内、Rの5画素加算電荷の位置するV1A電極以外の場所の全ての信号電荷が読み出される。そして、1段垂直転送し、今度は、Rの5画素加算電荷をV1A電極から待避させ、V1Aに信号電荷読出電圧を加える。この結果、V1A電極下で、V1A電極のGの信号電荷と、その1つ上の既に読み出されていて1段転送されたGの信号電荷とが合計2画素分混合すなわち加算される。そして、同じくV1Aに電荷読出電圧を加えたまま、垂直転送を3段分行う。すると、10ライン毎(垂直転送路5段毎)に存在するV1Aの電極下ではポテンシャル井戸が深いままなので、この部分でV1Aの上方向に近接する残りのG画素3画素分が加算され、同色同士5画素が足し合わされて、第2の加算信号電荷としてのGの5画素加算電荷(5G)が生成される。
【0134】
この結果、垂直転送路には、5G、5R、空、空、空、5G、5R、空、空、空…の繰り返しで全画素が読み出された状態が作り出される。その後、垂直転送1段、水平転送、垂直転送5段、水平転送の繰り返しで外部へ信号を読み出すと、5倍のフレームレートで同色加算全画素読み出しが実現する。
【0135】
次に、本発明の第1の実施の形態を図1、図2、図12ないし図22を参照して説明する。
【0136】
図1において、CCD2は、いわゆるカラーベイヤー配列間引き対応インターライン型インターレーススキャンCCDで、静止画動画兼用を特徴とし、動画専用用途のCCDに較べて画素数が著しく多いため、静止画撮影時にはメカニカルシャッタを併用する事で全画素を個別に読み出す一方、動画撮影時には、全水平ラインの1/5の画素のみを選択的に間引いて読み出せる様になっており、多画素であっても動画時のフレームレート(単位時間当たりのコマ数)を高く維持する工夫がされている。
【0137】
また、CCD2は、CCD駆動回路3の駆動信号により駆動され、画像信号を出力する。そして、CCD駆動回路3がCCD2に与える駆動信号には、後述するように、垂直転送路ゲート信号が流れる垂直転送路ゲート電極V1A,V1B,V2,V3A,V3B,V4が含まれている。さらに、CCD駆動回路3には、デジタルカメラの制御手段であるCPU14から駆動モード切替信号が入力され、この駆動モード切替信号により、CCD駆動回路3がCCD2の駆動動作モードを切り替えるようになっている。すなわち、本実施の形態では、静止画モードである全画素個別読み出しモードと、動画モードあるいは予備測定モードである間引き読み出しモード及び加算読み出しモードとが切り替えられる。
【0138】
また、CCD2は、図2に内部構造を示すように、光電変換手段としてのフォトダイオード15と、これらフォトダイオード15に接続された第1の転送路としての垂直転送路16と、これら垂直転送路16にそれぞれ接続された垂直転送路ゲート信号配線18とを備えている。また、図中、矢印19は、図示しない水平転送路方向への転送方向である正方向を示している。なお、以下、この水平転送路方向の反対方向を逆方向とし、この逆方向への転送を逆転転送として説明する。
【0139】
また、フォトダイオード15は、それぞれ画素を構成し、二次元的に所定のパターンで配列され、本実施の形態では、原色ベイヤー配列すなわち原色方式であるベイヤ方式で、所定の縦列のカラーフィルタの組み合わせがRGRG…となり、Rが偶数番目、Gが奇数番目の水平ライン上にあり、この縦列に隣接する縦列のカラーフィルタの組み合わせがGBGB…で、Gが偶数番目、Bが奇数番目の水平ライン上にある。
【0140】
そして、フォトダイオード15に蓄積された信号電荷は、それぞれに隣接する垂直転送路16のゲート電極にプラス電位の電荷読出電圧である信号電荷読出パルスが加わることで、垂直転送路16側に読み出される。そして、CCD2のこのような電荷読出動作を伴う垂直転送路ゲート電極の組み合わせは、図2に示すように、信号電荷読出電極V1A,V1B,V3A,V3Bの4系統であり、これら4系統の電極に、電荷読出動作を伴わない垂直転送専用ゲート電極V2,V4を加え、合計6系統の垂直転送路ゲート電極が存在し、それぞれ垂直転送路ゲート信号配線18に接続されている。なお、このような垂直転送路ゲート信号配線18は、現在、静止画動画兼用の多画素の多画素のCCDとして最も一般的なものである。そして、本実施の形態のCCD2では、図2に示すように、V1Aが10画素(ライン)ごとに1個(5の倍数の奇数ライン番号のG及びBの画素)、V3Aが10画素(ライン)ごとに1個(10の倍数の水平ライン番号のR及びBの画素)接続されているので、これらV1A,V3Aに隣接する画素のみから選択的に信号電荷を読み出すことで、1/5間引き読み出しが容易に実現できるようになっている。
【0141】
なお、本実施の形態のCCD2は一例を示しているにすぎず、実際にはV1A,V3Aに相当する電極をカラーフィルタを考慮しつつ何ラインごとに配置するかで、色々な間引き率に対応したCCDが存在している。ちなみに、上記の電極構成では容易に実現できない高度に複雑な読み出し動作を実現しようとして安易に電荷読出動作を伴うゲート電極の組み合わせ数を増やすと、CCDの内部配線が複雑になるばかりでなく、増加した垂直転送路ゲート配線の数分だけ外部駆動回路が必要になり、コスト増、装置の大型化、消費電力の増加などの弊害をもたらすことは先に述べた通りである。
【0142】
次に、実際の信号読出動作について、全画素個別読み出しモードから説明する。
【0143】
まず、全フォトダイオード15は、電子シャッタ動作により、不要な信号電荷がCCDの基板部へ掃き捨てられて、図示しない光学系を介した露光に対して一斉に信号電荷の蓄積を開始する。そして、所定の露光時間が経過して露光が終了すると、図示しないメカニカルシャッタなどの遮光手段によりフォトダイオード15への光路が遮断され、各フォトダイオード15は、以後全信号電荷が読み出し終わるまで暗黒状態で保持される。
【0144】
次に、図12及び図13を参照して、電荷読出及び垂直転送の状態について説明する。図12及び図13は、図2の一番左端の縦列における電荷読出と垂直転送の様子すなわち垂直転送波形とポテンシャルについて説明しているが、以下の説明において、隣接する縦列を含む他の全ての縦列で同様の動作が生じているものとする。すなわち、電荷読出や垂直転送は、水平ライン単位で行われる。また、これら図12及び図13において、V1A〜V4を付した波形は、各垂直転送路ゲート信号の電圧波形を示し、この電圧波形に直交する方向に示すA〜Gを付した波形は垂直転送路のポテンシャルを示している。また、図中、21は電荷読出パルス、22は読み出された信号電荷である。まず、初期状態として、各垂直転送路ゲート信号及びポテンシャル状態がそれぞれ図12のAに示す状態から、図12のBに示すように、V3A,V3Bに電荷読出パルス21を加える。すると、図12のCに示すように、偶数ライン上の全ての信号電荷が垂直転送路へ読み出される。次いで、V1A〜V4に所定の電圧を加えて、図12のD〜Gに示すように、読み出した信号電荷22を1段垂直転送し、最下部のラインの信号電荷を図示しない水平転送路に転送する。この後、水平転送により1ラインの信号電荷(画素電荷)を全て読み出す。次いで、1段垂直転送、水平転送を繰り返し偶数ラインの信号電荷を個別に全て読み出し、CCD2の外部に出力して第1フィールドの読み出しを終了する。
【0145】
続いて、図13のAに示す各垂直転送路ゲート信号及びポテンシャル状態から、図13のBに示すように、V1A,V1Bに電荷読出パルス21を加える。すると、図13のCに示すように、奇数ライン上の全ての信号電荷が垂直転送路へ読み出される。次いで、V1A〜V4に所定の電圧を加えて、図13のD〜Eに示すように、読み出した信号電荷22を1/2段垂直転送し、さらに、図13のF〜Iに示すように、読み出した信号電荷22を1段垂直転送し、最下部のラインの信号電荷を図示しない水平転送路に転送する。この後、水平転送により1ラインの信号電荷(画素電荷)を全て読み出す。次いで、1段垂直転送、水平転送を繰り返し奇数ラインの信号電荷を個別に全て読み出し、CCD2の外部に出力して第2フィールドの読み出しを終了する。
【0146】
このようにして、2フィールドにわたりCCD2上の信号電荷を読み出すことにより、全画素個別読み出しモードの読み出し動作が完了する。図20に模式的に示すように、この全画素個別読み出しモードの動作は、外部遮光手段との併用により、2フィールドを使って全画素を個別に読み出すモードであり、1コマが偶数ラインと奇数ラインとで2分割されていることと、メカニカルシャッタなどの物理的遮光手段の動作が伴うことに加え、非常に遅いフレームレートとなることから、動画像には向かないものの、いわゆる多画素CCDの全画素を全て独立で読み出すため、静止画としては申し分のない、極めて高精細の画像を得ることができる。
【0147】
次に、本実施の形態のCCD2を用いて通常行われる1/5間引きモード、すなわち、4/5ラインを間引いて1/5ラインを読み出す間引き読み出しモードを説明する。この1/5間引きモードは、主に動画の撮影に用いられ、選択されるカラーフィルタの組み合わせ方が考慮されており、1フィールドでRGB全てのカラーフィルタ信号が揃うように配慮されている。そして、1度の露光、読み出しでRGBが1フィールド内に揃うので、信号電荷の読み出し時にメカニカルシャッタなどの遮光手段による遮光動作を伴う必要もない。そして、このモードでは、V1A,V3Aのみに電荷読出パルスが与えられるので、これらV1A,V3Aに接続されないその他のフォトダイオード15すなわち画素の読み出しは行われない。すなわち、例えば図2において、R0、G0、G5、B5、R10、G10…などの網掛けされた水平ライン上のフォトダイオード15すなわち画素のみが選択的に読み出される。
【0148】
以下、この読出動作を図14を参照して説明する。図14は、図2の一番左端の縦列における電荷読出と垂直転送の様子について説明しているが、以下の説明において、隣接する縦列を含む他の全ての縦列で同様の動作が生じているものとする。すなわち、電荷読出や垂直転送は、水平ライン単位で行われる。また、この図14において、21aは、V3Aに加えられる電荷読出パルス、21bは、V1Aに加えられる電荷読出パルス、22aは、選択されて読み出されたRGラインの信号電荷、22bは、同じく選択されて読み出されたGBラインの信号電荷である。
【0149】
まず、初期状態として、各垂直転送路ゲート信号及びポテンシャル状態がそれぞれ図14のAに示す状態から、図14のBに示すように、V3Aに電荷読出パルス21aを加える。すると、図14のCに示すように、RO、RlO、R20…、と10ラインおきにRの画素を含むラインの信号電荷22aが垂直転送路へ読み出される。次いで、V1A〜V4に所定の電圧を加えて、図14のD〜Eに示すように、読み出した信号電荷22aを1/2段垂直転送し、さらに、図14のFに示すように、V1Aに電荷読出パルスを加える。すると、図14のGに示すように、G5、G15…、B5、B15…と、同様に10ラインおきにGの画素を含むラインの信号電荷22bが垂直転送路へ読み出される。この状態では、垂直転送路の電荷保持部5段の内、2段分にのみ信号電荷22a,22bが存在し、残りは空である。従って、この後は、垂直転送路3段転送後、水平転送、水平転送終了後、垂直転送路2段転送後、水平転送…の繰り返しで水平転送路へと順次垂直転送路上を信号電荷が転送されて行く。
【0150】
図21に模式的に示すように、この動画モードの動作では、フレームレートは全画素個別読み出しモードの5倍の速度となるが、ラインを大幅に間引いているので、当然ながらこの動画モードにより得られた画像の垂直方向の空間周波数再現性は著しく悪化している。
【0151】
次に、本実施の形態による同色5ライン足し合わせ全画素読出モード、動画モードである加算読み出しモードについて、図15及び図16を参照して説明する。
【0152】
これら図15及び図16においては、図2の一番左端の縦列における電荷読出と垂直転送の様子について説明しているが、以下の説明において、隣接する縦列を含む他の全ての縦列で同様の動作が生じているものとする。すなわち、加算や電荷読出、垂直転送は、水平ライン単位で行われる。また、図15に示すV1A〜V4を付した各垂直転送路ゲート信号の電圧波形と、図16に示すV1A〜V4を付した各垂直転送路ゲート信号の電圧波形とは、同一のものである。一方、この電圧波形に直交する方向に示すA〜Tを付した垂直転送路のポテンシャル状況を示す波形は、図15が前半部分を示し、図16が後半部分を示している。
【0153】
まず、初期状態として、各垂直転送路ゲート信号及びポテンシャル状態がそれぞれ図15のAに示す状態から、図15のBに示すように、V3A,V3Bにそれぞれ電荷読出電圧としての電荷読出パルス31a,31bを与え、偶数ラインの信号電荷33のみを全て垂直転送路に読み出す。次に、図15のC〜Hに示すように、V3Bの電荷読出パルス31bの印加は停止するが、V3Aには電荷読出パルス31aを加えたまま、4段分正方向に垂直転送を行う。すると、垂直転送を行っても、10ラインおき、すなわち5段おきのV3Aの電極部分でポテンシャル井戸が深くなっているため、読み出された偶数ラインの信号電荷(画素電荷)は、V3A下の電荷保持部において、Rの画素の同色5画素分の信号電荷が混合すなわち加算される。そして、V3Aの電荷読出パルス31aの印加を停止した状態で、図15のI及び図16のIに示すように、1段あたりに5画素分の信号電荷が足し合わされた第1の加算電荷としての5画素混合電荷34が保持された状態となる。
【0154】
そして、この図15のI及び図16のIに示す状態から、V1A〜V4に所定の電圧を加えて、図16のJ〜Lに示すように、5画素混合電荷を水平転送路方向に2.5段分垂直転送し、V1A電極下に偶数ラインの5画素混合電荷を一時待避させる。この状態から、図16のMに示すように、V1Bに電荷読出パルス32bを与え、奇数ラインの信号電荷の4/5を読み出す。次いで、図16のNに示すように、このV1Bの電荷読出パルス32bの印加を停止した後、V1A〜V4に所定の電圧を加えて、図16のO〜Rに示すように、偶数ラインの5画素混合電荷34及び奇数ラインの4/5の信号電荷を、一段分、水平転送路に向かって垂直転送する。
【0155】
次いで、図16のSに示すように、V1Aに電荷読出パルス32aを与え、奇数ラインの残りの1/5ラインの電荷を垂直転送路へ読み出す。次いで、図16のTに示すように、V1Aの電荷読出パルス32aの印加を停止した後、この図16のTに示すV1Aの電極下では、奇数ラインのうち、隣接する2画素分が混合され、残りの奇数ラインの電荷保持部には1画素分の信号電荷が読み出され保持された状態となる。この状態で、5R,2G,G,G,G,5R,2G,G,G,G,…の繰り返しの形で、全画素の信号電荷が垂直転送路へ一部加算され読み出された状態になる。
【0156】
さらに、この後の垂直転送及び水平転送は図17ないし図19に示すように行われる。すなわち、図17(A)は、図16のTに示す垂直転送路の状態を示している。また、図17ないし図19の41は垂直転送路を示し、42は水平転送路を示している。そして、この図17(A)の段階では、上記の読み出し動作の過程の結果により、既に水平転送路42には、偶数ラインの5画素混合電荷(R0+R2+R4+R6+R8)34が存在している。そこで、図17(B)に示すように、この5画素混合電荷(R0+R2+R4+R6+R8)34を水平転送で読み出した後、図17(C)に示すように、水平転送を止めたまま垂直転送を行い、水平転送路で奇数ラインの加算すなわち画素混合を行う。また、この図17(C)に示す状態では、水平転送路上の信号電荷(G1+G3)は、画面の端部のため、足し合わせが足りず、不完全な混合画素数となっている。そこで、図18(D)に示すように、この電荷(G1+G3)を水平転送出力したのち、図18(E)に示すように、1段分垂直転送を行って、5画素が足し合わされた偶数ラインの5画素混合電荷(R10+R12+R14+R16+R18)34を水平転送路へ転送する。そして、図18(F)に示すように、この5画素混合電荷(R10+R12+R14+R16+R18)34を水平転送により出力する。次いで、図19(G)に示すように、1段分垂直転送を行って、奇数ラインの2画素を足し合わせた信号電荷(G5+G7)を水平転送路へ転送する。次いで、図19(H〜I)に示すように、水平転送を行わないうちに、引き続き3段分の垂直転送を行い、水平転送路上で奇数ラインの加算を行い、第2の加算電荷としての5画素加算信号電荷である5画素混合電荷(G5+G7+G9+G11+G13)44を生成する。
【0157】
そして、この信号電荷を水平転送で出力した後は、上記と同様に、1段垂直転送、水平転送、4段垂直転送、水平転送…との動作を繰り返し、画像信号を外部へ読み出す。このように、垂直転送路41に全画素が一部加算されて読み出された後は、垂直転送路41を1段、4段の繰り返しで転送動作させることにより、結果として、静止画の5倍のフレームレートで全画素信号を読み出すことができる。
【0158】
そして、図22は、この加算読み出しモードにより、最終的に足し合わされて読み出された画素の組み合わせを模式的に示している。なお、信号電荷の本来の配列は、G1〜3→R0〜8→G5〜13→R10〜18→G15〜23→R20〜28…となるべきところ、この図22から分かるように、本実施の形態では、R0〜8→G1〜3→R10〜18→G5〜13→R20〜28→G15〜23…との順で5画素混合電荷である加算信号が出され、偶数ラインと奇数ラインとの位置関係が逆転している。そして、このような現象は、この実施の形態に示すCCD2の後段に配置される画像処理などを司るCCD2外部の構成要素により、例えば、1ライン分の画像データを記録できる処理装置としてのラインバッファを設け、先に出力されたライン信号を一時保持し、次のライン信号を先に通過させ、偶数ラインと奇数ラインとの信号を入れ替える処理などを行うことで、補償することができる。
【0159】
また、この実施の形態では、原色ベイヤー配列を例にあげて説明したが、これに限られず、1つの縦ラインのカラーフィルタが2組以下であれば、どのようなフィルタ配列であっても適用可能である。すなわち、第4の実施の形態に示すフィルタ配列など以外にも、現存するほとんど全てのフィルタ配列において適用可能である。
【0160】
このように、本実施の形態によれば、インターレースCCDでは、ほとんどのカラーフィルタ配列において、現状の構成のまま、電荷読出の手法を変更するだけで、いわば高フレームレート同色加算全画素読み出しを実現できる。この結果、コストが上昇することなく、あるいはコストの上昇を抑制しつつ、動画像の画質を著しく向上できるとともに、加算読み出しによる高感度化効果に伴い、動画の撮影条件を、特に暗いシーンなどで大きく広げることができる。また、CCDの画素数の増加に伴い、ラインの加算数が増加しても、垂直転送電極の数は変わらず、コストの上昇を抑制できる。
【0161】
また、本実施の形態では、垂直転送路において、信号電荷を水平転送路方向である正方向のみに転送すれば良く、逆転転送する必要がないため、逆転転送の転送効率が著しく低下したCCDについても対応でき、汎用性を向上できる。
【0162】
次に、第2の実施の形態について、図23ないし図34を参照して説明する。なお、この第2の実施の形態のCCD2の内部構成及びCCD2の駆動を含む基本動作は、図1及び図2などに示す第1の実施の形態と全く同様である。そして、この実施の形態では、同色5ライン足し合わせ全画素読出駆動において、第1の実施の形態で必要となったCCD2外部の構成要素によるライン入れ替え処理を、CCD2の駆動手法を工夫することにより不要とすることができるものである。
【0163】
以下、第2の実施の形態による加算読み出しモード(同色5ライン足し合わせ全画素読出モード)について、図24及び図25を参照して説明する。これら図24及び図25においては、図2の一番左端の縦列における電荷読出と垂直転送の様子について説明しているが、以下の説明において、隣接する縦列を含む他の全ての縦列で同様の動作が生じているものとする。すなわち、加算や電荷読出、垂直転送は、水平ライン単位で行われる。また、図24に示すV1A〜V4を付した各垂直転送路ゲート信号の電圧波形と、図25に示すV1A〜V4を付した各垂直転送路ゲート信号の電圧波形とは、同一のものである。一方、この電圧波形に直交する方向に示すA〜Sを付した垂直転送路のポテンシャル状況を示す波形は、図24が前半部分を示し、図25が後半部分を示している。
【0164】
まず、初期状態として、各垂直転送路ゲート信号及びポテンシャル状態がそれぞれ図24のAに示す状態から、図24のBに示すように、V3A,V3Bにそれぞれ電荷読出パルス31a,31bを与え、偶数ラインの信号電荷のみを全て垂直転送路に読み出す。次に、図24のC〜Hに示すように、V3Bの電荷読出パルス31bの印加は停止するが、V3Aには電荷読出パルス31aを加えたまま、4段分正方向に垂直転送を行う。すると、垂直転送を行っても、10ラインおき、すなわち5段おきのV3Aの電極部分でポテンシャル井戸が深くなっているため、読み出された偶数ラインの信号電荷(画素電荷)は、V3A下の電荷保持部において、Rの画素の同色5画素分の信号電荷が混合すなわち加算される。そして、V3Aの電荷読出パルス31aの印加を停止した状態で、図24のI及び図25のIに示すように、1段あたりに5画素分の信号電荷が足し合わされた5画素混合電荷34が保持された状態となる。
【0165】
そして、この図24のI及び図25のIに示す状態から、V1A〜V4に所定の電圧を加えて、図25のJ〜Kに示すように、5画素混合電荷34を水平転送路とは逆方向に2.5段分垂直転送、いわば逆転転送し、V1A電極下に偶数ラインの5画素混合電荷34を一時待避させる。この状態から、図25のLに示すように、V1Bに電荷読出パルス32bを与え、奇数ラインの信号電荷の4/5を読み出す。次いで、図25のMに示すように、このV1Bの電荷読出パルス32bの印加を停止した後、V1A〜V4に所定の電圧を加えて、図25のN〜Oに示すように、偶数ラインの5画素混合電荷34及び奇数ラインの4/5の信号電荷を、一段分、正方向にすなわち水平転送路に向かって垂直転送する。
【0166】
次いで、図25のPに示すように、V1Aに電荷読出パルス32aを与え、奇数ラインの残りの1/5ラインの信号電荷を垂直転送路へ読み出す。すると、この図25のPに示すV1Aの電極下では、奇数ラインのうち、隣接する2画素分が混合され、残りの奇数ラインの電荷保持部には1画素分の信号電荷が読み出され保持された状態となる。この状態から、図25のQ〜Rに示すように、V1Aに電荷読出パルス32aを加えたまま、各信号電荷を正方向に3段分垂直転送する。すると、図25のRに示すように、V1Aの電極下の電荷保持部において、Gの画素同色5画素分の信号電荷が加算され、5画素混合電荷44が生成される。そして、V1Aの電荷読出パルス32aの印加を停止した後、図25のSに示すように、1段あたりに偶数ライン、奇数ラインそれぞれの信号電荷が同色同士で5画素分足し合わされた5画素混合電荷34,44が保持された状態となる。
【0167】
さらに、この後の垂直転送及び水平転送は図26ないし図28に示すように行われる。すなわち、図26(A)は、図25のSに示す垂直転送路の状態を示している。また、図26ないし図28の41は垂直転送路を示し、42は水平転送路を示している。図24及び図25に示す工程では、垂直転送路41で複数ラインを足し合わせているが、端部、例えば水平転送路42側である一番下側のライン43では、全ての有効画素の足し合わせはできず、不完全な画素混合状況が発生している。そこで、まず、このライン43の不完全な混合画素を垂直転送、水平転送で外部に読み出す。この後、図26(B)に示すように、最初の有効な5画素混合ラインを水平転送路に転送する。この5画素混合ラインの上部には、空の電荷保持部が3段分存在するため、ここで直ちに水平転送を行わず、図26(C)、図27(D)、及び図27(E)に示すように、3段分垂直転送を行う。即ち、最初の有効ラインを水平転送路に転送した分を含めると、水平転送を行う前に4段の垂直転送を行う。その後、図27(F)に示すように、水平転送を行って、最初の有効5画素混合ラインを読み出し、次に、図28(G)に示すように、1段分垂直転送を行って、次の有効5画素混合ラインを水平転送路に転送する。そして、今回は、図28(H)に示すように、直ぐ上に有効ラインが存在するため、直ちに水平転送を行い、図28(I)に示すように、1段分垂直転送を行う。
【0168】
そして、以後、4段垂直転送、水平転送、1段垂直転送、水平転送、…との動作を繰り返し、画像信号を外部へ読み出す。このように、垂直転送路で全画素が読み出され同色同士足し合わされた後は、垂直転送路は4段、1段の繰り返しで正方向に転送動作させることにより、結果として、静止画の5倍のフレームレートで全画素信号を読み出すことができる。
【0169】
なお、図23は、この加算読み出しモードにより、最終的に足し合わされて読み出された画素の組み合わせを模式的に示している。このように、本実施の形態では、電荷読出の過程で垂直転送の方向の反転である逆転転送の動作を行うことにより、ラインの読み出し順の補正が可能になり、外部構成要素などによるライン入れ替え処理の必要もなく、コストを低減することが容易になる。
【0170】
また、この第2の実施の形態では、偶数ラインのみならず奇数ラインも垂直転送路上でライン加算動作を完結させているが、第1の実施の形態と同様に、奇数ラインの加算動作は、垂直転送路上での加算と水平転送路上での加算とを組み合わせて実現することもできる。
【0171】
また、第1の実施の形態においても、奇数ラインの加算動作を、この第2の実施の形態のように、垂直転送路上で完結させることもできる。すなわち、本願で説明する各実施の形態において、奇数ラインの加算動作は、垂直転送路上で完結させてもよく、また、垂直転送路上での加算と水平転送路上での加算とを組み合わせて実現することができる。
【0172】
次に、図29ないし図40に示す第3及び第4の実施の形態である、間引き対応のプログレッシブスキャン方式CCD(プログレッシブCCD)を用いた構成について概説する。
【0173】
このプログレッシブCCDでは、3相垂直転送構造の場合、通常の間引き対応では、電荷読出電極の数はV2A,V2Bの2系統で、垂直転送電極はV1,V2A,V2B,V3の合計4系統のところが、本構成を実現するために電荷読出電極がV2A,V2B,V2C,V2Dの4系統となり、垂直転送電極はこれら電荷読出電極にV1,V3を加えた合計6系統に増加させる必要があるが、どのような数のライン加算であっても、この系統の数が増えることはない。
【0174】
また、4相垂直転送構造の場合、通常の間引き対応では電荷読出電極の数はV2A,V2Bの2系統で、垂直転送電極の合計はV1,V2A,V2B,V3,V4の合計5系統のところが、本構成を実現するために電荷読出電極がV1,V2A,V2B,V3の4系統となり垂直転送電極はこれら電荷読出電極にV1,V3,V4を加えた合計7系統に増加させる必要があるが、どのような数のライン加算であっても、この系統の数が増えることはない。
【0175】
すなわち、プログレッシブCCDの場合、電荷読出電極はV2A,V2B,V2C,V2Dの4系統を設ける。そして、ある縦列のカラーフィルタの組み合わせがRGRG…となり、Rが偶数番目、Gが奇数番目の水平ライン上にあり、電荷読出電極V2Aが10の倍数のライン番号のRの画素、V2Bが残りのR画素すなわち残りの偶数番目の水平ラインの電荷読出電極、V2Cが5の倍数の奇数ライン番号のGの画素、V2Dが残りのGの画素すなわち残りの偶数番目の水平ラインの電荷読出電極であるとする。
【0176】
まず、V2AとV2Bに電荷読出電圧を加えて、Rの画素すなわち偶数ラインの信号電荷を全て垂直転送路へ読み出す。その後、V2Bの電圧は元に戻すが、V2Aには電荷読出電圧を加えたまま垂直転送を8段分行う。すると、10ライン毎に存在するV2Aの電極下ではポテンシャル井戸が深いままなので、この部分でV2Aの上方向に近接するR画素5画素分の信号電荷が同色同士で足し合わされ、第1の加算電荷としてのRの5画素加算電荷(5R)が生成される。
【0177】
この後、このRの5画素加算電荷すなわち偶数ラインの5画素加算電荷を、4段水平転送路とは逆方向に転送し待避させた後、今度は、V2C,V2Dに電荷読出電圧を加えてGの画素すなわち奇数ラインの信号電荷を全て垂直転送路へ読み出す。偶数ラインの時と同様に、V2Dの電圧は元に戻すが、V2Cには電荷読出電圧を加えたまま、垂直転送を8段分行う。すると、V2Cの電極下でその上方向に近接するG画素5画素分の信号電荷が同色同士で足し合わされ、第2の加算電荷としてのGの5画素加算電荷(5G)が生成される。
【0178】
この結果、垂直転送路には、下側から順に、5G、5R、空、空、空、空、空、空、空、空、5G、5R、空、空…の状態で、全画素が読み出された状態が作り出される。そして、この以後は、1段垂直転送、水平転送、9段垂直転送、水平転送…の繰り返しで画素信号をCCDの外部へ読み出せば、5倍のフレームレートで、同色加算全画素読み出しを実現できる。
【0179】
次に、本発明の第3の実施の形態を図29ないし図35を参照して説明する。この第3の実施の形態の構成は、第1の実施の形態の構成に準じ、構成図は図1と同一であるが、本実施の形態は、図29に内部構造を示すように、CCD2として、いわゆるカラーベイヤー配列間引き対応インターライン型プログレッシブスキャンCCDに適用したものである。
【0180】
すなわち、この第3の実施の形態では、CCD2は、カラーベイヤー配列インターライン型プログレッシブスキャンCCDである。このCCD2は、静止画、動画兼用を特徴とし、動画専用用途のCCDに較べて画素数が著しく多いため、静止画撮影時には全画素を順番に個別に読み出すが、動画撮影時には水平ラインを5画素同色同士を加算して読み出すようになっており、多画素であっても動画時のフレームレートを高く維持する工夫がされている。
【0181】
そして、このCCD2は、CCD駆動回路3により駆動され、画像信号を出力する。そして、CCD駆動回路3がCCD2に与える駆動信号には、後述する垂直転送路ゲート信号V1,V2A,V2B,V2C,V2D,V3、が含まれている。また、CCD駆動回路3には、駆動モード切替信号が入力され、この駆動モード切替信号により、CCD駆動回路3はCCD2の駆動動作モードを切り替える。
【0182】
また、CCD2は、図29に内部構造を示すように、光電変換手段としてのフォトダイオード15と、これらフォトダイオード15に接続された第1のCCDである垂直転送路16と、これら垂直転送路16にそれぞれ接続された垂直転送路ゲート信号配線18とを備えている。また、図中、矢印19は、図示しない第2のCCDである水平転送路方向への垂直転送方向である正方向を示している。
【0183】
また、フォトダイオード15は、それぞれ画素を構成し、二次元的に所定のパターンで配列され、本実施の形態では、原色ベイヤー配列すなわち原色方式であるベイヤ方式で、所定の縦列のカラーフィルタの組み合わせがRGRG…となり、Rが偶数番目、Gが奇数番目の水平ライン上にあり、この縦列に隣接する縦列のカラーフィルタの組み合わせがGBGB…で、Gが偶数番目、Bが奇数番目の水平ライン上にある。
【0184】
そして、フォトダイオード15に蓄積された信号電荷は、それぞれに隣接する垂直転送路16のゲート電極にプラス電位の電荷読出電圧である電荷読出パルスが加わることで、垂直転送路16側に読み出される。そして、CCD2のこのような電荷読出動作を伴う垂直転送路ゲート電極の組み合わせは、図29に示すように、V2A,V2B,V2C,V2Dの4系統であり、これら4系統の電極に、電荷読出動作を伴わない垂直転送専用ゲート電極V1,V3を加え、合計6系統の垂直転送路ゲート電極が存在し、それぞれ垂直転送路ゲート信号配線18に接続されている。
【0185】
なお、本実施の形態のCCD2は一例として5ライン加算の構成を示しているにすぎず、実際には、V2A,V2Cに相当する電極をカラーフィルタを考慮しつつ何ラインごとに配置するかで、様々なライン加算数のCCDを実現することも可能である。本実施の形態では、ライン加算数がどのように増加しても、垂直転送路ゲート電極の数が増えることはなく、コストを抑制することができる。
【0186】
次に、実際の信号読出動作について、全画素個別読み出しモードから説明する。
【0187】
まず、全フォトダイオード15は、電子シャッタ動作により、不要な信号電荷がCCDの基板部へ掃き捨てられて、光学系を介した露光に対して一斉に信号電荷の蓄積を開始する。そして、所定の露光時間が経過して露光が終了すると、全フォトダイオード15の信号電荷が垂直転送路16へと読み出される。
【0188】
次に、図30を参照して、電荷読出及び垂直転送の状態について説明する。図30は、図29の一番左端の縦列における電荷読出と垂直転送の様子について説明しているが、以下の説明において、隣接する縦列を含む他の全ての縦列で同様の動作が生じているものとする。すなわち、電荷読出や垂直転送は、水平ライン単位で行われる。また、この図30において、V1〜V3を付した波形は、各垂直転送路ゲート信号の電圧波形を示し、この電圧波形に直交する方向に示すA〜Iを付した波形は垂直転送路のポテンシャルを示している。また、図中、51a,51b,51c,51dは電荷読出パルス、52は読み出された信号電荷である。まず、初期状態として、各垂直転送路ゲート信号及びポテンシャル状態がそれぞれ図30のAに示す状態から、図30のBに示すように、V2A,V2B,V2C,V2Dに電荷読出パルス51a,51b,51c,51dを加える。すると、図30のCに示すように、全ての信号電荷52が垂直転送路へ読み出される。次いで、V1A〜V4に所定の電圧を加えて、図30のD〜Iに示すように、読み出した信号電荷52を1段垂直転送し、最下部のラインの信号電荷を図示しない水平転送路に転送する。この後、水平転送により1ラインの信号電荷を全て読み出す。次いで、1段垂直転送、水平転送を繰り返し、水平ラインの信号電荷を先頭から順番に1ラインずつ個別に全て読み出し、CCD2の外部に出力することにより、全画素個別読み出しモードの読み出しを終了する。すなわち、全画素個別読み出しモードは、1フレームで全画素を先頭から順番に個別に読み出すモードであり、1コマの画素数が非常に多くなるため、非常に遅いフレームレートとなり、動画には向かないものの、多画素CCDの全画素を全て独立で読み出すため、静止画としては申し分のない、極めて高精細の画像を得ることができる。
【0189】
次に、本実施の形態による加算読み出しモードについて、図31及び図32を参照して説明する。
【0190】
これら図31及び図32においては、図29の一番左端の縦列における電荷読出と垂直転送の様子について説明しているが、以下の説明において、隣接する縦列を含む他の全ての縦列で同様の動作が生じているものとする。すなわち、加算や電荷読出、垂直転送は、水平ライン単位で行われる。また、図31に示すV1〜V3を付した各垂直転送路ゲート信号の電圧波形と、図32に示すV1〜V3を付した各垂直転送路ゲート信号の電圧波形とは、同一のものである。一方、この電圧波形に直交する方向に示すA〜Yを付した垂直転送路のポテンシャル状況を示す波形は、図31が前半部分を示し、図32が後半部分を示している。
【0191】
まず、初期状態として、各垂直転送路ゲート信号及びポテンシャル状態がそれぞれ図31のAに示す状態から、図31のBに示すように、V2A,V2Bにそれぞれ電荷読出パルス51a,51bを与え、偶数ラインの信号電荷52のみを全て垂直転送路に読み出す。次に、図31のC〜Kに示すように、V2Bの電荷読出パルス51bの印加は停止するが、V2Aには電荷読出パルス51aを加えたまま、8段分正方向に垂直転送を行う。すると、垂直転送を行っても、10段おきのV2Aの電極部分でポテンシャル井戸が深くなっているため、読み出された偶数ラインの信号電荷(画素電荷)は、V2A下の電荷保持部において、Rの画素の同色5画素分の信号電荷が混合すなわち加算される。そして、V2Aの電荷読出パルス51aの印加を停止した状態で、図31のL及び図32のLに示すように、1段あたりに5画素分の信号電荷が足し合わされた5画素混合電荷54が保持された状態となる。
【0192】
そして、この図32のLに示す状態から、V1〜V3に所定の電圧を加えて、図32のM〜Rに示すように、5画素混合電荷54を水平転送路方向の反対方向に4段分垂直転送すなわち逆転転送し、V2B電極下に5画素混合電荷54を一時待避させる。この状態から、図32のSに示すように、V2C,V2Dに電荷読出パルス51c,51dを与え、奇数ラインの信号電荷を垂直転送路に読み出す。次いで、図32のT〜Xに示すように、V2Cの電荷読出パルス51cを加えたまま、V2Dの電荷読出パルス51dの印加は停止した状態で、V1〜V3に所定の電圧を加えて、垂直転送路の各信号電荷52を水平転送路に向かって正方向に8段分垂直転送する。すると、垂直転送をおこなっても、10段おきのV2Cの電極部分でポテンシャル井戸が深くなっているため、読み出された奇数ラインの信号電荷は、V2C下の電荷保持部において、Gの画素の同色5画素分の信号電荷が混合すなわち加算される。そして、V2Cの電荷読出パルス51cの印加を停止した状態で、図32のYに示すように、1段あたりに5画素分の信号電荷が足し合わされた5画素混合電荷55が保持された状態となる。そして、この図32のYに示す状態では、図33(A)にも示すように、奇数ラインの5画素混合電荷55のすぐ上に、先に読み出され混合されていた偶数ラインの5画素混合電荷54が存在している。そこで、図33(B)及び(C)に示すように、最初の5画素混合電荷55を水平転送路に読み出し出力した後は、図34(D)ないし図35(I)に示すように、1段垂直転送、水平転送、9段垂直転送、水平転送、…の繰り返しで、同色の5画素混合電荷54,55を読み出すことができる。
【0193】
なお、この実施の形態では、原色ベイヤー配列を例にあげて説明したが、これに限られず、1つの縦ラインのカラーフィルタが2組以下であれば、どのようなフィルタ配列であっても適用可能である。すなわち、第4の実施の形態に示すフィルタ配列以外にも、現存するほとんど全てのフィルタ配列において適用可能である。
【0194】
すなわち、この実施の形態のように、プログレッシブCCDでは、読み出し電極を4系統とすることにより、あらゆるカラーフィルタ配列で上記と同様の効果を得ることができる。また、この構成では、通常の構成に較べ、垂直転送電極の数が2系統増加するが、CCDの画素数の増加に伴いラインの加算数が増加しても、垂直転送電極の数はこれ以上増加せず、コストの上昇を抑制できる。
【0195】
また、この実施の形態では、垂直転送路上で偶数ラインの5画素混合電荷を生成した後に、第2の実施の形態で示した手法により、すなわち、垂直転送路で逆転転送を行い、CCD2の内部で出力ライン順の偶数奇数逆転を補償しているが、次に示す第4の実施の形態のように、第1の実施の形態と同様に、正方向の垂直転送のみで全ての画素混合を実現し、画像処理などを司るCCD外部の構成要素によりライン順を補償することもできる。さらに、この実施の形態においても、第2の実施の形態と同様に、奇数ライン側の画素混合は、水平転送路上で行うこともできる。
【0196】
次に、本発明の第4の実施の形態を図36ないし図40を参照して説明する。
【0197】
なお、この第4の実施の形態のCCD2の内部構成及びCCD2の駆動を含む基本動作は、図29に示す第3の実施の形態と同様であり、全画素個別読み出しモードの動作の説明は省略する。そして、この実施の形態は、垂直転送路において、信号電荷を水平転送路方向である正方向のみに転送すれば良く、逆転転送する必要がないため、逆転転送の転送効率が著しく低下したCCDについても対応でき、汎用性を向上できるとともに、水平転送路での加算を取り入れることにより、読み出し動作に要する時間を第3の実施の形態に較べて若干短くすることができる。
【0198】
次に、本実施の形態による動画モード、すなわち加算読み出しモードについて、図36及び図37を参照して説明する。
【0199】
これら図36及び図37においては、図29の一番左端の縦列における電荷読出と垂直転送の様子について説明しているが、以下の説明において、隣接する縦列を含む他の全ての縦列で同様の動作が生じているものとする。すなわち、加算や電荷読出、垂直転送は、水平ライン単位で行われる。また、図36に示すV1〜V3を付した各垂直転送路ゲート信号の電圧波形と、図37に示すV1〜V3を付した各垂直転送路ゲート信号の電圧波形とは、同一のものである。一方、この電圧波形に直交する方向に示すA〜Uを付した垂直転送路のポテンシャル状況を示す波形は、図36が前半部分を示し、図37が後半部分を示している。
【0200】
まず、初期状態として、各垂直転送路ゲート信号及びポテンシャル状態がそれぞれ図36のAに示す状態から、図36のBに示すように、V2A,V2Bにそれぞれ電荷読出パルス51a,51bを与え、偶数ラインの信号電荷52のみを全て垂直転送路に読み出す。次に、図36のC〜Kに示すように、V2Bの電荷読出パルス51bの印加は停止するが、V2Aには電荷読出パルス51aを加えたまま、8段分正方向に垂直転送を行う。すると、垂直転送を行っても、10段おきのV2Aの電極部分でポテンシャル井戸が深くなっているため、読み出された偶数ラインの信号電荷(画素電荷)は、V2A下の電荷保持部において、Rの画素の同色5画素分の信号電荷が混合すなわち加算される。そして、V2Aの電荷読出パルス51aの印加を停止した状態で、図36のL及び図37のLに示すように、1段あたりに5画素分の信号電荷が足し合わされた5画素混合電荷54が保持された状態となる。
【0201】
そして、この図37のLに示す状態から、V1〜V3に所定の電圧を加えて、図37のM〜Rに示すように、5画素混合電荷54を水平転送路方向すなわち正方向に6段分垂直転送し、V2B電極下に5画素混合電荷54を一時待避させる。この状態から、図37のSに示すように、V2C,V2Dに電荷読出パルス51c,51dを与え、奇数ラインの信号電荷を垂直転送路に読み出す。次いで、図37のTに示すように、これらV2C,V2Dの電荷読出パルス51c,51dの印加を停止する。この状態で、図37のUに示すように、最下段の一部を除き、5R,G,G,G,G,G,5R,G,G,G,G,G,…の繰り返しの形で、全画素の信号電荷が垂直転送路へ読み出された状態になる。
【0202】
さらに、この後の垂直転送及び水平転送は図38及び図39に示すように行われる。すなわち、図38(A)は、図37のUに示す垂直転送路の状態を示している。また、図38及び図39の61は垂直転送路を示し、62は水平転送路を示している。そして、この図38(A)の段階では、上記の読み出し動作の過程の結果により、既に水平転送路62には、偶数ラインの5画素混合電荷(R0+R2+R4+R6+R8)63が存在している。そこで、図38(B)に示すように、この5画素混合電荷(R0+R2+R4+R6+R8)63を水平転送で読み出した後、図38(C)に示すように、水平転送を止めたまま垂直転送を行い、水平転送路で奇数ラインの加算すなわち画素混合を行う。また、図38(C)に示す状態では、水平転送路上の信号電荷(G1+G3)は、画面の端部のため、足し合わせが足りず、不完全な混合画素数となっている。そこで、図39(D)に示すように、この信号電荷(G1+G3)を水平転送出力したのち、図39(E)に示すように、1段分垂直転送を行って、5画素が足し合わされた偶数ラインの5画素混合電荷(R10+R12+R14+R16+R18)63を水平転送路へ転送する。
【0203】
そして、図39(F)に示すように、この5画素混合電荷(R10+R12+R14+R16+R18)63を水平転送により出力する。次いで、図40(G)に示すように、1段分垂直転送を行って、信号電荷(G5)を水平転送路へ転送し、続いて、図40(H)に示すように、水平転送を行わないうちに、引き続き8段分の垂直転送を行い、水平転送路上で奇数ラインの加算を行い、第2の加算電荷としての5画素加算信号電荷である5画素混合電荷(G5+G7+G9+G11+G13)64を生成する。
【0204】
そして、図40(I)に示すように、この信号電荷を水平転送で出力した後は、上記と同様に、1段垂直転送、水平転送、9段垂直転送、水平転送…との動作を繰り返し、画像信号を外部へ読み出す。このように、垂直転送路61に全画素が一部加算されて読み出された後は、垂直転送路61を1段、9段の繰り返しで転送動作させることにより、結果として、静止画の5倍のフレームレートで全画素信号を読み出すことができる。
【0205】
なお、この第4の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、5画素混合電荷である加算信号について、信号電荷の配列が偶数ラインと奇数ラインとで位置関係が逆転している。そして、このような現象は、この実施の形態に示すCCD2の後段に配置される画像処理などを司るCCD2外部の構成要素により、例えば、1ライン分の画像データを記録できる処理装置としてのラインバッファを設け、先に出力されたライン信号を一時保持し、次のライン信号を先に通過させ、偶数ラインと奇数ラインとの信号を入れ替える処理などを行うことで、補償することができる。
【0206】
次に、図41ないし図47に示す第5及び第6の実施の形態である、インターレース補色線順次を用いた構成について概説する。
【0207】
すなわち、図41ないし図47に示す第5及び第6の実施の形態のように、例えば、Ye(イエロー),Mg(マゼンダ),Cy(シアン),G(グリーン)のフィルタを用いる色差線順次方式(補色方式)のように、特定の意図的色混合(フィルタペア形成)を前提としたカラーフィルタ配列のカラー単板、動画静止画兼用、間引き対応の多画素インターラインCCDに適用することもできる。この多画素インターラインCCDでは、先に一方のフィルタペアを垂直転送路上に形成した後、特定の電荷読出電極に電荷読出電圧を加えたまま垂直転送をすることにより、複数の同色フィルタペアのライン加算を行い、次に、残されたラインによるカラーフィルタペアを、先のフィルタペアとの混色を回避させつつ垂直転送路へ読み出し形成し、再度特定の電荷読出電極に電荷読出電圧を加えたまま垂直転送をすることにより、複数の同色フィルタペア同士をライン加算して、結果として、同色複数フィルタペアのライン加算で全画素読出を行い、予め意図している後段の画像処理に支障を来すことなく、フレームレート向上、垂直空間周波数再現性向上、感度向上といった、動画像の著しい画質向上を実現できる。
【0208】
すなわち、ライン混合により輝度、色差信号を容易に生成できるカラーフィルタ配列のカラー単板、動画静止画兼用、間引き対応多画素インターライン・インターレーススキャンCCDにおいても、上記動作を応用して、後段の画像処理に影響を与えることなく、同色フィルタペア同士を複数加算して全画素読み出しを実現できる。
【0209】
次に、本発明の第5の実施の形態を図41ないし図44を参照して説明する。この第5の実施の形態の構成は、第1の実施の形態の構成に準じ、構成図は図1と同一であるが、本実施の形態では、図41に内部構造を示すように、CCDとして、いわゆる色差線順次方式(補色方式)の間引き対応インターライン型インターレーススキャンCCDに適用したものである。
【0210】
すなわち、この第5の実施の形態では、CCDは、カラーインターライン型インターレーススキャンCCDである。このCCD2は、静止画、動画兼用を特徴とし、動画専用用途のCCDに較べて画素数が著しく多いため、静止画撮影時には、メカニカルシャッタを併用することで、全画素を個別に読み出すが、動画撮影時には画素混合を行うことにより、全画素を静止画の4倍のフレームレートで読み出すことができる。また、このカラーフィルタ配列は、動画時には意図的に異なる色のフィルタ画素を混色させることにより、以後の画像処理を容易にすることができる。すなわち、上下に隣接する画素同士を足し合わせることにより、Ye+Mg,Ye+G,Cy+G,Cy+Mgの4通りのフィルタペア信号を取り出すことができる。そして、
(Ye+Mg)+(Cy+G)=2R+3G+2B≒輝度信号Y1
(Ye+G)+(Cy+Mg)=2R+3G+2B≒輝度信号Y2
(Cy+G)−(Ye+Mg)=G−2R ≒色差信号Cr
(Ye+G)−(Cy+Mg)=G−2B ≒色差信号Cb
のように、それぞれフィルタペア信号を加算あるいは減算することにより、輝度信号、色差信号の近似信号をごく容易に生成できる。このため、このようなカラーフィルタ配列は、一般的には、ムービー用途のカラーCCDフィルタ配列として普及定着している。
【0211】
そして、CCDは、図41に内部構造を示すように、光電変換手段としてのフォトダイオード15と、これらフォトダイオード15に接続された第1のCCDである垂直転送路16と、これら垂直転送路16にそれぞれ接続された垂直転送路ゲート信号配線18とを備えている。また、図中、矢印19は、図示しない第2のCCDである水平転送路方向への垂直転送方向である正方向を示している。
【0212】
また、フォトダイオード15は、それぞれ画素を構成し、二次元的に所定のパターンで配列され、本実施の形態では、上記のようにカラーフィルタの配列は色差線順次方式(補色方式)で、所定の縦列のカラーフィルタの組み合わせが、Ye,Mg,Ye,G…となり、Mg及びGが偶数番目の水平ライン上に位置している。そして、この縦列に隣接する縦列のカラーフィルタの組み合わせがCy,Mg,Cy,G…となり、Mg及びGが偶数番目の水平ライン上に位置している。
【0213】
そして、フォトダイオード15に蓄積された信号電荷は、それぞれに隣接する垂直転送路16のゲート電極にプラス電位の電荷読出電圧である電荷読出パルスが加わることで、垂直転送路16側に読み出される。そして、CCDのこのような電荷読出動作を伴う垂直転送路ゲート電極の組み合わせは、図41に示すように、V1A,V1B,V1C,V3A,V3B,V3Cの6系統であり、これら6系統の電極に、電荷読出動作を伴わない垂直転送専用ゲート電極V2,V4を加え、合計8系統の垂直転送路ゲート電極が存在し、それぞれ垂直転送路ゲート信号配線18に接続されている。
【0214】
なお、上記の実施の形態のCCDは一例として4ライン加算(同色フィルタペア2組加算)の場合を示しているが、実際には、V1A,V3Aに相当する電極をカラーフィルタを考慮しつつ何ライン毎に配置するかにより、様々なライン加算数のCCDを実現することができる。さらに、ライン加算数がどのように増加しても、垂直転送ゲート電極の数が増えることはない。
【0215】
そして、この実施の形態においては、信号読出動作は、第1の実施の形態同様に、静止画撮影時(全画素個別読み出しモード)では、1画面を偶数ラインと奇数ラインとの2フィールドに分けて、全画素を独立に読み出す。一方、動画撮影時(動画モード)では、上記のフィルタペアを、他のフィルタペアとの混色を避けつつ足し合わせて、全画素信号を4倍のフレームレートで高速に読み出す。
【0216】
なお、静止画撮影時の動作は、上記の各実施の形態と同様に全画素を独立に読み出すもので、説明を省略する。
【0217】
そして、動画撮影時など、同色フィルタペアを2組足し合わせて全画素を読み出すモードについて、以下、図42ないし図44を参照して電荷読出及び垂直転送の状態について説明する。すなわち、図42及び図43では、図41の一番左端の縦列における電荷読出と垂直転送の様子について説明しているが、以下の説明において、隣接する縦列を含む他の全ての縦列で同様の動作が生じているものとする。すなわち、電荷読出や垂直転送は、水平ライン単位で行われる。また、図42に示すV1A〜V4を付した各垂直転送路ゲート信号の電圧波形と、図43に示すV1A〜V4を付した各垂直転送路ゲート信号の電圧波形とは、同一のものである。一方、この電圧波形に直交する方向に示すA〜Uを付した垂直転送路のポテンシャル状況を示す波形は、図42が前半部分を示し、図43が後半部分を示している。
【0218】
まず、初期状態として、各垂直転送路ゲート信号及びポテンシャル状態がそれぞれ図42のAに示す状態から、図42のBに示すように、V3Cのみに電荷読出パルス71を加え、Mg(マゼンダ)の存在するラインの信号電荷を全て垂直転送路に読み出す。次に、図42のCに示すように、V3Cの電荷読出パルスの印加を停止した状態で、V1A〜V4に所定の電圧を加えて、図42のC〜Eに示すように、水平転送路方向とは逆方向に1/2段分垂直転送、すなわち逆転転送する。次いで、図42のFに示すように、V1A,V1Bに電荷読出パルスを加える。すると、MgとYe(イエロー)との信号電荷が足し合わされて、フィルタペア信号Mg+Yeが形成される。次いで、図42のGに示すように、V1Aに電荷読出パルスを加えたまま、V1Bの電荷読出パルスの印加を停止した後、さらに、図42のH〜Jに示すように、2段分逆方向に垂直転送すなわち逆転転送を行う。すると、8ラインごとに存在するV1Aの電極下では、ポテンシャル井戸が深くなっているため、2組の同色のフィルタペア信号Mg+YeがV1A下の電荷保持部において混合される。すなわち、この電荷保持部では、4画素分の画素信号信号電荷が加算された状態になる。この後、図42のK及び図43のKに示すように、V1Aの電荷読出パルスの印加を停止すると、V1Aの電極下に、2組の同色のフィルタペア信号が加算され、保持された状態になる。さらに、この状態から、図43のLに示すように、V1Cに電荷読出パルスを加え、G(グリーン)の上側のYeの信号電荷を読み出す。次いで、図43のM〜Oに示すように、V1Cの電荷読出パルスの印加を停止し、水平転送路方向すなわち正方向に1/2段分垂直転送を行った後、図43のPに示すように、V3A,V3Bに電荷読出パルスを加える。すると、GとYeとの信号電荷が足し合わされて、フィルタペア信号G+Yeが形成される。さらに、この状態で、図43のQに示すように、V3Aに電荷読出パルスを加えたまま、V3Bの電荷読出パルスの印加を停止した後、さらに、図43のR〜Tに示すように、水平転送路方向すなわち正方向に2段分垂直転送を行う。すると、8ラインごとに存在するV3Aの電極下では、ポテンシャル井戸が深くなっているため、2組の同色のフィルタペア信号G+YeがV3A下の電荷保持部において混合される。すなわち、この電荷保持部では、4画素分の画素信号電荷が加算された状態になる。この後、図43のUに示すように、V3Aの電荷読出パルスの印加を停止すると、V3Aの電極下に、2組の同色のフィルタペア信号が加算され、保持された状態になる。
【0219】
この後、図44に読み出される画素の状況を示すように、まず、垂直転送路の信号電荷(G0+Ye1)+(G4+Ye5)を水平転送路に転送し、水平転送する。この後、3段分垂直転送して信号電荷(Mg2+Ye3)+(Mg6+Ye7)を水平転送路に読み出し、水平転送する。以後、同様に、一段分垂直転送、水平転送、3段分垂直転送、水平転送、…を繰り返し、静止画の4倍のフレームレートでライン混合された全画素電荷信号を読み出していくことができる。
【0220】
なお、この実施の形態では、垂直転送路で逆転転送を行うことで画素混合を実現しているが、以下に示す第6の実施の形態では、上記の各実施の形態と同様に、逆転転送を伴わなくとも、垂直転送路での正方向の転送のみで画素混合、この場合は同色フィルタペア信号同士の混合を実現でき、すなわち、正方向の垂直転送のみで全ての画素混合を実現し、画像処理などを司るCCD外部の構成要素によりライン順を補償できる。さらに、この実施の形態においても、第2の実施の形態と同様に、奇数ライン側の画素混合は、水平転送路上で行うこともできる。
【0221】
次に、本発明の第6の実施の形態を図45ないし図47を参照して説明する。
【0222】
そして、この第6の実施の形態のCCD2の内部構成及びCCD2の駆動を含む基本動作は、図41に示す第5の実施の形態と同様であり、全画素個別読み出しモードの動作の説明は省略する。そして、この実施の形態は、垂直転送路において、信号電荷を水平転送路方向である正方向のみに転送すれば良く、逆転転送する必要がないため、逆転転送の転送効率が著しく低下したCCDについても対応でき、汎用性を向上できるとともに、水平転送路での加算を取り入れることにより、読み出し動作に要する時間を第5の実施の形態に較べて若干短くすることができる。また、この6の実施の形態では、第5の実施の形態に対し、フィルタペア加算の組み合わせが変更されている。
【0223】
そして、動画撮影時など、同色フィルタペアを2組足し合わせて全画素を読み出すモードについて、以下、図45ないし図47を参照して電荷読出及び垂直転送の状態について説明する。すなわち、図45及び図46では、図41の一番左端の縦列における電荷読出と垂直転送の様子について説明しているが、以下の説明において、隣接する縦列を含む他の全ての縦列で同様の動作が生じているものとする。すなわち、電荷読出や垂直転送は、水平ライン単位で行われる。また、図45に示すV1A〜V4を付した各垂直転送路ゲート信号の電圧波形と、図46に示すV1A〜V4を付した各垂直転送路ゲート信号の電圧波形とは、同一のものである。一方、この電圧波形に直交する方向に示すA〜Vを付した垂直転送路のポテンシャル状況を示す波形は、図45が前半部分を示し、図46が後半部分を示している。
【0224】
まず、初期状態として、各垂直転送路ゲート信号及びポテンシャル状態がそれぞれ図45のAに示す状態から、図45のBに示すように、V1Cのみに電荷読出パルス81を加え、Yeの1/2、すなわちGの上側のYeの信号電荷を垂直転送路に読み出す。次に、図45のCに示すように、V1Cの電荷読出パルスの印加を停止した状態で、V1A〜V4に所定の電圧を加えて、図45のC〜Dに示すように、水平転送路方向に1/2段分垂直転送する。次いで、図45のEに示すように、V3A,V3Bに電荷読出パルスを加える。すると、YeとGとの信号電荷が足し合わされて、フィルタペア信号G+Yeが形成される。次いで、図45のFに示すように、V3Aに電荷読出パルスを加えたまま、V3Bの電荷読出パルスの印加を停止した後、さらに、図45のG〜Iに示すように、2段分垂直転送を行う。すると、8ラインごとに存在するV3Aの電極下では、ポテンシャル井戸が深くなっているため、2組の同色のフィルタペア信号G+YeがV3A下の電荷保持部において混合される。すなわち、この電荷保持部では、4画素分の画素信号電荷が加算された状態になる。この後、図45のJ及び図46のJに示すように、V3Aの電荷読出パルスの印加を停止すると、V3Aの電極下に、2組の同色のフィルタペア信号が加算され、保持された状態になる。さらに、この状態から、図46のK〜Pに示すように、水平転送路方向すなわち正方向に1.5段分垂直転送を行い、V1C電極下にフィルタペア信号を一時待避させる。この状態から、図46のQに示すように、V1A,V1Bに電荷読出パルスを与え、Yeの1/2、すなわちMgの上側のYeの信号電荷を垂直転送路に読み出す。次いで、図46のRに示すように、これらV1A,V1Bの電荷読出パルスの印加を停止する。次いで、図46のS〜Tに示すように、1/2段分垂直転送を行う。そして、図46のUに示すように、V3Cに電荷読出パルスを加える。すると、YeにMgの信号電荷が足し合わされて、フィルタペア信号Mg+Yeが形成される。次いで、図46のVに示すように、V3Cの電荷読出パルスの印加を停止すると、V3Cの電極下に、Mg+Yeが保持された状態になる。
【0225】
この後、図47に読み出される画素の状況を示すように、まず、すでに水平転送路上にある信号電荷(G0+Ye1)+(G4+Ye5)を水平転送し出力した後、信号電荷(Mg2+Ye3)を垂直転送、水平転送で出力する。以後、1段垂直転送、水平転送、3段垂直転送、水平転送を繰り返し、静止画の4倍のフレームレートでライン混合された全画素電荷信号を読み出していくことができる。
【0226】
なお、この第6の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、5画素混合電荷である加算信号について、信号電荷の配列が偶数ラインと奇数ラインとで位置関係が逆転している。そして、このような現象は、この実施の形態に示すCCD2の後段に配置される画像処理などを司るCCD2外部の構成要素により、例えば、1ライン分の画像データを記録できる処理装置としてのラインバッファを設け、先に出力されたライン信号を一時保持し、次のライン信号を先に通過させ、偶数ラインと奇数ラインとの信号を入れ替える処理などを行うことで、補償することができる。
【0227】
また、上記の第5及び第6の実施の形態では、1例としてインターレースCCDについて説明したが、第1及び第2の実施の形態と第3の実施の形態との相関、及びこれら実施の形態の動作を考慮すれば、プログレッシブCCDについても容易に適用できることは明らかである。ちなみに、プログレッシブCCDの場合、垂直転送路ゲート電極(読み出し電極)は、第3の実施の形態同様4系統で実現可能となる。
【0228】
このように、ムービーカメラなどで広く採用されている、ライン混合前提のフィルタ配列の場合は、読み出し電極が6系統必要になるが、効果は上記の各実施の形態と同様であり、同じくラインの加算数により対応でき、垂直転送電極の数は変わらず、コストの上昇を抑制できる。
【0229】
なお、上記の各実施の形態において、水平転送路を利用したいわば第2の加算は、垂直転送を正転送のみとした構成、あるいは、垂直転送が正転送のみならず逆転転送を含む構成のいずれとも組み合わせることができる。
【0230】
さらに、垂直転送を正転送のみとした構成についても、水平転送路を利用した加算を用いず、垂直転送路を用いて加算を完了することも可能である。なお、インターレース補色線順次CCDにおいて、正転送の垂直転送で加算を完了する構成については、第6の実施の形態の構成とは異なる電極配線が用いられる。
【0231】
また、上記の各実施の形態では、例えば5個の画素の信号電荷を加算して加算電荷としたが、この構成に限られず、垂直方向に連続しない2個以上の画素の信号電荷を加算すれば、フレームレートの向上、画質の向上などの効果を奏することができる。
【0232】
また、上記の実施の形態では、全画素の信号電荷を読み出して利用したが、有効画素から外れた一部の信号電荷を読み出さず、また、読み出した信号電荷を利用しないことなどもできる。
【0233】
【発明の効果】
請求項1記載の撮像装置によれば、動画の撮影時において、撮影状況や撮影対象に応じて、手動により、あるいは制御手段の制御により自動的に、間引き読み出しモードと加算読み出しモードとを切り替えることにより、画像の品位を容易に向上できる。また、間引き読み出しモードと加算読み出しモードとの切り替えは、撮像素子の制御により可能なため、構成が複雑化せず、製造コストを低減できる。さらに、垂直転送電極数を増加させることなく、一般的に用いられているCCD固体撮像素子を用い、製造コストを低減できるとともに、画像の品位を向上でき、処理速度を向上できる。
【0234】
請求項2記載の撮像装置によれば、予備撮影時において、撮影状況や撮影対象に応じて、制御手段の制御により自動的に、間引き読み出しモードと加算読み出しモードと混色加算読み出しモードとを切り替えることにより、本撮影用のデータが有効に測定され、本撮影時の画像の品位が向上する。さらに、垂直転送電極数を増加させることなく、一般的に用いられているCCD固体撮像素子を用い、製造コストを低減できるとともに、画像の品位を向上でき、処理速度を向上できる。
【0235】
請求項3記載の撮像装置によれば、請求項1または2記載の効果に加え、制御手段は、撮影状況の明るさに応じ、加算読み出しモードと間引き読み出しモードとを切り替えて撮像素子を駆動するため、暗い場合には加算読み出しモードに切り替えて、間引き読み出しモードより高品位な画像を撮影でき、あるいは高速な処理が可能になる。
【0236】
請求項4記載の撮像装置によれば、請求項1ないし3いずれか一記載の効果に加え、制御手段は、モアレの発生の可能性を判定し、モアレの発生の可能性のある場合には加算読み出しモード、他の場合には間引き読み出しモードに切り替えて撮像素子を駆動するため、撮影対象に応じて、間引き読み出しモードを加算読み出しモードに切り替えることにより、モアレの発生を抑制し、高品位な画像を撮影できる。
【0237】
請求項5記載の撮像装置によれば、請求項1ないし4いずれか一記載の効果に加え、制御手段は、スミアの発生の可能性を判定し、スミアの発生の可能性のある場合には間引き読み出しモード、他の場合には加算読み出しモードに切り替えて撮像素子を駆動するため、撮影対象に応じて、加算読み出しモードを間引き読み出しモードに切り替えることにより、スミアによる画質の劣化を抑制し、高品位な画像を撮影できる。
【0238】
請求項6記載の撮像装置によれば、請求項1ないし5いずれか一記載の効果に加え、制御手段に制御され、加算読み出しモードで撮像素子を駆動する際に、撮像素子内部での信号の飽和を抑制する飽和抑制手段を備えたため、加算読み出しモードにおいて、撮像素子内部で信号の飽和を抑制でき、画像の品質を向上できる。また、容量が大きい専用の撮像素子を使用する必要がなく、製造コストの上昇を抑制できる。
【0239】
請求項7記載の撮像装置によれば、請求項1ないし6いずれか一記載の効果に加え、全画素個別読み出しモードを用い、高精細な例えば静止画の画像を撮影できるとともに、間引き読み出しモードあるいは加算読み出しモードを用い、高速なフレームレートが求められる予備測定あるいは動画の画像の撮影ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の撮像装置の一実施の形態を示す構成図である。
【図2】 同上撮像装置のCCDの内部構造を示す一部の説明図である。
【図3】 本発明の撮像装置の第1の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図4】 本発明の撮像装置の第2の実施の形態の動作を示すタイムチャートである。
【図5】 同上撮像装置の第2の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図6】 本発明の撮像装置の第3の実施の形態の動作を示すタイムチャートである。
【図7】 同上撮像装置の第3の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図8】 本発明の撮像装置の第4の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図9】 本発明の撮像装置の第5の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図10】 本発明の撮像装置の第7の実施の形態を示す構成図である。
【図11】 同上撮像装置の第7の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図12】 本発明の撮像装置のCCDの全画素個別読み出しモードを示す説明図である。
【図13】 同上撮像装置のCCDの全画素個別読み出しモードを示す説明図である。
【図14】 本発明の撮像装置のCCDの間引き読み出しモードを示す説明図である。
【図15】 本発明の撮像装置のCCDの加算読み出しモードを示す説明図である。
【図16】 同上撮像装置のCCDの加算読み出しモードを示す説明図である。
【図17】 同上撮像装置のCCDの加算読み出しモードを示す説明図である。
【図18】 同上図17に続く説明図である。
【図19】 同上図18に続く説明図である。
【図20】 同上撮像装置のCCDの全画素個別読み出しモードの概略を示す説明図である。
【図21】 同上撮像装置のCCDの間引き読み出しモードの概略を示す説明図である。
【図22】 同上撮像装置のCCDの加算読み出しモードの概略を示す説明図である。
【図23】 本発明の撮像装置のCCDの加算読み出しモードの第2の実施の形態を示すライン読み出し加算の概略の説明図である。
【図24】 同上撮像装置のCCDの加算読み出しモードを示す説明図である。
【図25】 同上図24に続く説明図である。
【図26】 同上撮像装置のCCDの加算読み出しモードを示す説明図である。
【図27】 同上図26に続く説明図である。
【図28】 同上図27に続く説明図である。
【図29】 本発明の撮像装置のCCDの第3の実施の形態を示すCCDの内部構造の一部の説明図である。
【図30】 同上CCDの全画素個別読み出しモードを示す説明図である。
【図31】 同上撮像装置のCCDの加算読み出しモードを示す説明図である。
【図32】 同上図31に続く説明図である。
【図33】 同上撮像装置のCCDの加算読み出しモードを示す説明図である。
【図34】 同上図33に続く説明図である。
【図35】 同上図34に続く説明図である。
【図36】 本発明の撮像装置のCCDの第4の実施の形態を示す加算読み出しモードを示す説明図である。
【図37】 同上図36に続く説明図である。
【図38】 同上撮像装置のCCDの加算読み出しモードを示す説明図である。
【図39】 同上図38に続く説明図である。
【図40】 同上図39に続く説明図である。
【図41】 本発明の撮像装置のCCDの第5の実施の形態を示すCCDの内部構造の一部の説明図である。
【図42】 同上撮像装置のCCDの加算読み出しモードを示す説明図である。
【図43】 同上図42に続く説明図である。
【図44】 同上撮像装置のCCDの加算読み出しモードのライン読み出し加算の概略を示す説明図である。
【図45】 本発明の撮像装置のCCDの第6の実施の形態を示すCCDの加算読み出しモードを示す説明図である。
【図46】 同上図37に続く説明図である。
【図47】 同上撮像装置のCCDの加算読み出しモードのライン読み出し加算の概略を示す説明図である。
【符号の説明】
1 撮像装置
2 撮像素子としてのCCD
4 画像処理手段を構成するアナログ処理回路
13 飽和抑制手段としての基板バイアス電圧切替回路
14 制御手段を構成するCPU
15 光電変換手段としてのフォトダイオード
33 信号電荷
Claims (7)
- 光電変換手段を設け所定のパターンで第1の色及び第2の色が配置された複数の画素、及び画素に対する複数系統の電荷読出電極を設けた電荷結合素子を備え前記各画素の電荷を読み出し転送する複数の第1の転送路及びこれら第1の転送路が転送した電荷を読み出し転送して出力する第2の転送路を備えたCCD固体撮像素子と、
この撮像素子を制御する制御手段と、
前記撮像素子が出力する信号電荷が入力される画像処理手段とを備え、
前記制御手段は、動画の撮影時において、
前記撮像素子の一部の画素の信号電荷を読み出し前記画像処理手段に出力する間引き読み出しモードと、
前記撮像素子の画素の信号電荷を読み出し複数の画素の信号電荷を加算した上で前記画像処理手段に出力する加算読み出しモードと
を切り替え可能とし、
前記加算読み出しモードは、
前記電荷読出電極に電荷読出電圧を印加して前記第1の色の画素の電荷を前記第1の転送路に複数読み出し、特定の系統の前記電荷読出電極に電荷読出電圧を印加し続け特定の画素について電荷を読み出す状態を維持し読み出した電荷を保持したまま、読み出した他の画素の電荷を転送して、保持した電荷に転送した電荷を加算して、第1の色の画素の電荷を複数加算した第1の加算電荷を生成し、
前記第1の加算画素を前記第2の色の画素の電荷が読み出される位置から外した状態で、前記第2の色の画素の電荷を前記第1の転送路に複数読み出し、これら第2の色の画素の複数の電荷を前記第1の転送路及び前記第2の転送路の少なくとも一方で加算して、第2の色の画素の電荷を複数加算した第2の加算電荷を生成し、
これら第1の加算電荷及び第2の加算電荷を前記第2の転送路で転送して出力する
ことを特徴とする撮像装置。 - 光電変換手段を設け所定のパターンで第1の色及び第2の色が配置された複数の画素、及び画素に対する複数系統の電荷読出電極を設けた電荷結合素子を備え前記各画素の電荷を読み出し転送する複数の第1の転送路及びこれら第1の転送路が転送した電荷を読み出し転送して出力する第2の転送路を備えたCCD固体撮像素子と、
この撮像素子を制御する制御手段と、
前記撮像素子が出力する信号電荷が入力される画像処理手段とを備え、
前記制御手段は、本撮影用のデータを測定する予備撮影時において、
前記撮像素子の一部の画素の信号電荷を読み出し前記画像処理手段に出力する間引き読み出しモードと、
前記撮像素子の画素の信号電荷を読み出し同色の複数の画素の信号電荷を加算した上で前記画像処理手段に出力する加算読み出しモードと、
前記撮像素子の画素の信号電荷を読み出し異なる色の複数の画素の信号電荷を加算した上で前記画像処理手段に出力する混色加算読み出しモードと
を切り替え制御し、
前記加算読み出しモードは、
前記電荷読出電極に電荷読出電圧を印加して前記第1の色の画素の電荷を前記第1の転送路に複数読み出し、特定の系統の前記電荷読出電極に電荷読出電圧を印加し続け特定の画素について電荷を読み出す状態を維持し読み出した電荷を保持したまま、読み出した他の画素の電荷を転送して、保持した電荷に転送した電荷を加算して、第1の色の画素の電荷を複数加算した第1の加算電荷を生成し、
前記第1の加算画素を前記第2の色の画素の電荷が読み出される位置から外した状態で、前記第2の色の画素の電荷を前記第1の転送路に複数読み出し、これら第2の色の画素の複数の電荷を前記第1の転送路及び前記第2の転送路の少なくとも一方で加算して、第 2の色の画素の電荷を複数加算した第2の加算電荷を生成し、
これら第1の加算電荷及び第2の加算電荷を前記第2の転送路で転送して出力する
ことを特徴とする撮像装置。 - 制御手段は、撮影状況の明るさに応じ、加算読み出しモードと間引き読み出しモードとを切り替えて撮像素子を駆動する
ことを特徴とする請求項1または2記載の撮像装置。 - 制御手段は、モアレの発生の可能性を判定し、モアレの発生の可能性のある場合には加算読み出しモード、他の場合には間引き読み出しモードに切り替えて撮像素子を駆動する
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一記載の撮像装置。 - 制御手段は、所定の明るさ以上に明るい状況で、スミアの発生の可能性を判定し、スミアの発生の可能性のある場合には間引き読み出しモード、他の場合には加算読み出しモードに切り替えて撮像素子を駆動する
ことを特徴とする請求項1ないし4いずれか一記載の撮像装置。 - 制御手段に制御され、加算読み出しモードで撮像素子を駆動する際に、前記撮像素子内部での信号の飽和を抑制する飽和抑制手段を備えた
ことを特徴とする請求項1ないし5いずれか一記載の撮像装置。 - 制御手段は、
撮像素子の一部の画素の信号電荷を読み出し前記画像処理手段に出力する間引き読み出しモードと、
前記撮像素子の画素の信号電荷を読み出し複数の画素の信号電荷を加算した上で前記画像処理手段に出力する加算読み出しモードと、
前記撮像素子の全画素の信号電荷を独立に読み出して利用する全画素個別読み出しモードと
を切り替え制御する
ことを特徴とする請求項1ないし6いずれか一記載の撮像装置。
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