JP2004194248A - 撮像素子及び撮像装置 - Google Patents

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正夫 小林
Hideo Nakamura
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Abstract

【課題】静止画動画兼用の多画素のCCDを用いた撮像装置の画質及び機能を向上する。
【解決手段】各画素eは、それぞれRGBいずれかのカラーフィルタを備える。CCD10の垂直転送路CVの上下に水平転送路CH1,CH2を設ける。垂直転送路CVは、上下に信号電荷を転送できる。ゲート電極により、垂直転送路CVを第1列群Iと第2列群IIとにグループ化する。各グループは、互いに反対方向に信号電荷を転送し、この転送方向を1フィールド毎に逆転する。上下の水平転送路CH1,CH2の出力を用い、スミアを抑制した画像を構成できる。CPUは、CCD10を加算読み出しモードで駆動する。加算読み出しモードは、同色の画素eの信号電荷同士を複数加算することにより、フレームレートを向上できるとともに感度を向上できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電荷結合素子を備えた撮像素子及び撮像素子を備えた撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ビデオカメラやデジタルスチルカメラなどの撮像装置のイメージセンサとして、CCD(電荷結合素子、charge coupled device)固体撮像素子(以下、CCDと称する)が一般的に用いられている。このCCDは、コストと性能とのバランスに優れるため、広く用いられている。
【0003】
そして、CCDの受光面上には、格子状に配置され光の強弱に応じて信号電荷を蓄積する多数の受光素子部としての画素と、これら画素から信号電荷を読み出して転送する複数の垂直転送路と、各垂直転送路から転送された信号電荷を出力部へと転送する水平転送路とを備えている。
【0004】
ここで、垂直転送路も光に対して感応するため、極めて強い光が結像している受光領域では、遮光構造を通り抜けた光により垂直転送路でノイズ電荷であるスミア電荷が発生する。そして、信号電荷が出力部まで転送されていく過程で、転送中の信号電荷にスミア電荷が加算され、出力される画像について、垂直転送路に沿った位置に高輝度部分が帯状に広がるスミア(smear)と呼ばれる現象が発生する問題を有している。
【0005】
この点、高画質が求められる静止画の撮影については、機構的な遮光手段であるメカニカルシャッタを設ける構成が知られているが、コストが高い問題を有している。
【0006】
また、動画については、通常のCCDでは有効な手段がなく、スミアに対して通常は特に対策をとらないが、例えば、2個のCCDを互いに天地逆に配置し、同じ光学系を通った結像光をプリズムなどで2分割してそれぞれのCCDに結像させ、水平転送路とは逆方向に設けられたドレインにスミアを掃き出す動作を加えて、これら2枚の画像からスミアを除去した1枚の画像を得る方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
しかしながら、このように2個のCCDを用いる構成では、各CCDの面積及び構造は通常のCCDとは製造コスト上は大きな差がないが、2個のCCDを用いるため、コストが増加する問題を有している。また、2個のCCDを用いる撮像装置は、電力消費が増加する。さらに、2個のCCD間で全く同じ受光画角を得るための多軸位置調整は高い精度を必要とし、結果的に著しいコストの上昇を招く。また、入射光を2つに分割するため、感度が半分に低下してしまい、特に、暗い状況でのシグナルノイズ比(S/N比: signal-to-noise ratio)が悪化し、画質の劣化を招く。また、2個のCCD間の感度、カラーの場合には、さらに分光透過特性などの特性差を補償するための調整工程が必要となり、コストの上昇を招く問題を有している。
【0008】
この点、このスミアを防ぐ目的で、受光面とは別に全面が完全に遮光された画面1枚分の遮光蓄積部を備え、受光面上の遮光転送部の信号電荷を高速にこの遮光蓄積部に転送する構成を有する、フレームインターライントランスファ方式と呼ばれるCCDが提案されている。
【0009】
しかしながら、このようにフレームインターライントランスファ方式のCCDでは、2画面分のチップ面積が必要な上、複雑な構造と特殊な高速駆動動作が必要になり、素子の製造コストの低減が困難である問題を有している。また、光学系の絞り機構と組み合わせることで、スミアを大幅に抑制できるものの、光の強さなどによっては、必ずしも十分にスミアを除去できない問題を有している。
【0010】
一方、近年、ビデオカメラやデジタルスチルカメラなどの撮像装置において、従来の動画専用の撮像素子に代わり、静止画・動画兼用の撮像素子が多く用いられている。そして、このような静止画・動画兼用の撮像素子は、静止画像を高精細に撮影する目的で、従来の動画専用の撮像素子に較べて、画素数が著しく多く設定されたいわゆる多画素の撮像素子が用いられている。
【0011】
そこで、このような多画素の撮像素子で静止画像を撮影すると、従来の動画専用の撮像素子で撮影した静止画像に較べて、緻密で高品位の、例えばA4サイズで印刷しても十分に鑑賞に堪えうる高画質画像を得ることができる。反面、このような多画素の撮像素子でそのまま動画を撮影しようとすると、画素数が多すぎるため、動画を構成する1コマ分の画像の読み出しにかかる時間が長くなり、滑らかな動画を得ることが難しくなる。この点、撮像素子そのものの動作速度及び撮像素子の周辺回路の動作速度など、撮像装置の全体の動作を高速化して対処する構成が考えられるが、このような高速化は著しいコストの上昇を招き、現実的ではない。
【0012】
そこで、通常、多画素の撮像素子を用いる場合、静止画像の撮影時には全画素の画素信号を個別に読み出すが、動画像の撮影時には、一部の画素の信号を間引いて読み出す構成が採用されている。そして、固体撮像素子として、多画素のCCDを用いる場合には、間引きの手法として、基本的には、垂直方法、すなわち、水平ラインを特定の割合で間引く手法が、現在一般的に採用されている。
【0013】
また、このような間引き読み出しは、撮像素子そのものを撮影状況測定センサとして利用する場合にも用いられ、すなわち、静止画や動画の撮影に先立つ撮影状況予備測定など、撮影システム制御のためにも用いられている。
【0014】
ここで、CCDについて詳細に説明すると、CCDは、画素を構成するフォトダイオードが2次元の格子状に配置されて撮像面を構成し、この撮像面上に光学系により結像された画像を、画素ごとの光の強弱に応じて各フォトダイオードに蓄積される電荷量の大小を信号として取り出す方式の撮像素子であり、信号電荷は、1画素分ずつ順番にCCD内部の出力回路へと送られ、1つの電荷電圧変換器により電荷信号量が電圧変化の信号へと変換された後、CCDの外部へと出力される。そして、このように各画素の信号電荷を出力回路へと導く動作を転送と称している。そして、2次元の長方形状に配置された画素の信号電荷を順番に出力回路へ転送する方式として一般的に行われている手法は、いわゆる垂直転送と水平転送とを組み合わせた手法である。ここで、撮像画面の上下方向を垂直、左右方向を水平とした場合、垂直転送とは、全ての画素の信号電荷を一斉に垂直方向でしかも上記の出力回路方向へ転送する動作であり、水平転送とは、上記の一段分の垂直転送により水平転送路へ送り込まれた垂直方向の最端部、すなわち最も出力回路に近い部分にあった1水平ライン分の信号電荷を、水平方向でしかも上記の出力回路方向へ一斉に転送する動作である。この時、水平転送路内の最端部、すなわち最も出力回路に近い部分にあった1画素分の信号電荷が、電荷電圧変換器へ送り込まれる。このように、水平転送を繰り返して水平転送路内の全ての信号電荷が電荷電圧変換され、出力が終了して水平転送路が空になると、再度上記の垂直転送が行われる。そして、次の垂直方向の最端部にある1水平ライン分の信号電荷が再び水平転送路へと送られた後、同様に水平転送により順に出力回路へと送られ出力される。このようにして、全画素の信号電荷の一斉垂直転送、水平転送路上の信号電荷の一斉水平転送とを順に繰り返すことにより、全ての画素を出力すると、1画面分の画素信号の出力が終了したことになり、電子画像を形成復元することができる。
【0015】
また、各画素の信号電荷を転送する動作において、通常、垂直転送は、上記のように水平転送路方向へすなわち正方向へと信号電荷を転送する正転送とするが、CCDの原理上、垂直転送は、水平転送路とは逆方向へ、すなわち逆転転送(垂直逆転送)を行うことも可能である。しかしながら、CCDは、近年、画素数の増加にともなう画素の著しい微細化や、低消費電力化の傾向から、転送駆動電圧の低電圧化が進み、従来のように容易に効率良く垂直転送を行うことが困難になっている。そして、このような点を背景として、多画素のCCDの中には、正方向の垂直転送の効率を追求した設計がなされ、この結果、逆転転送の転送効率は著しく低下したCCDも用いられている。
【0016】
そして、各種の方式のCCDの内、上記の多画素のCCDとして通常用いられるものは、インターライン型と呼ばれるCCDで、このインターライン型のCCDは、さらに、スキャンの方式により、インターレーススキャン方式のCCD(以下、インターレースCCD)と、プログレッシブスキャン方式のCCD(以下、プログレッシブCCD)とに大別される。そして、インターレースCCDは、現在コストと性能とのバランスが最も良く、多画素撮像素子に適した構造として広く普及し採用されている。このインターレースCCDでは、垂直転送路に保持できる信号電荷(画素信号電荷、電荷、画素電荷とも呼ばれる)の水平ライン数が、光電変換部であり1画素を構成するフォトダイオードの水平ライン数の半分であるため、全画素を独立に読み出すには、1フレームを2つのフィールドに分け、2度にわたり、偶数ラインと奇数ラインとを交互に、すなわちインターレースして読み出している。従って、フォトダイオード上の信号電荷の垂直転送路への電荷読出電極(信号電荷読出電極、電荷読出ゲート電極とも呼ばれる)は、偶数ライン用と奇数ライン用の2系統が用意されている。そして、インターレースCCDでは、例えば、この電荷読出電極を、2系統から4系統に増やすことにより、一部のラインのみを選択的に、かつ、1フィールドでカラーフィルタの全組合せを垂直転送路へ読み出し、残りは読み出さないといったライン読み出しに選択性を持たせた構成が可能であり、容易にライン間引き機能が実現されている。また、このような多画素のインターレースCCDの垂直転送は、4相駆動が一般的であり、ライン間引き機能の実現のためには、例えば、電荷読出電極の4系統を含め、垂直転送路の電極数が従来の4系統が6系統となる。
【0017】
一方、このようなインターレースCCDに対して、プログレッシブCCDでは、フォトダイオードのライン数分だけ垂直転送路に信号電荷を保持できるため、1フレームの全てのラインを先頭から順番に読み出すことができる。従って、間引きをしなければ、電荷読出電極は1系統で構成可能であるが、間引き読み出しを行うためには、読み出しラインの選択性を実現するため、さらに1系統の電荷読出電極が追加される。そこで、プログレッシブCCDの垂直転送は、電荷読出電極の合計2系統を含めると、4相駆動の場合は垂直転送路の電極数は従来の4系統が5系統になり、また、3相駆動の場合は従来の3系統が4系統になる。
【0018】
そして、このような電荷読出電極構造の多系統化は、従来に較べて電極構造の増加分だけCCDの内部配線の複雑化や外部CCD駆動回路の増加などのマイナス面があるものの、より低コストの代替手法が他にないこともあり、ほとんどの多画素CCDで採用されている。
【0019】
そして、従来、上記のように、CCDの全画素の信号電荷を独立に読み出して利用する全画素個別読み出しモードと、CCDの一部の画素の信号電荷のみを選択的に読み出し他の画素の信号電荷は利用せずに破棄する間引き読み出しモードとを切り替えて使用する撮像装置が知られている。すなわち、主に静止画の撮影用のスチルモードとしては、全画素個別読み出しモードを用い、高フレームレートの駆動が必要になる主に動画の撮影用あるいは撮影に先立つ予備測定用としては、間引き読み出しモードを利用している。
【0020】
また、上記のような一般的なライン間引き読み出しに対し、プログレッシブCCDについて、種々の水平ライン間引き、及びライン加算読み出しの方式が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。これら方式としては、大別すると、(1)mライン中nラインのみを読み出す方式(m>n,m≧3)、(2)mライン中nラインの信号電荷を加算して読み出す手法(m>n)、(3)垂直方向に連続するqラインの画素信号を加算して出力する方式の3方式が示されている。そして、単純に不要ラインを間引いてしまう構成に対し、複数のライン間で信号電荷の加算を行いつつ、フレームレートの向上を図った構成が示されている。また、静止画の撮影時には、CCDの全画素の信号電荷を独立に読み出して利用するとともに、静止画あるいは動画の撮影時には、CCDの画素の一部を間引きして読み出し、あるいは、加算して読み出す構成が知られている(例えば、特許文献3参照。)。
【0021】
しかしながら、上記従来のように、特定のラインのみを選択的に読み出し、残りを間引く手法により、動画の撮影時に単純にラインを間引くと、撮影した画像の垂直方向の空間周波数再現性が悪化し、モアレが発生して、画像の品位を著しく損ねる場合がある。すなわち、ラインを間引いた状態においては、垂直方向の空間サンプリング周波数及び開口率が相応分減少しているにも関わらず、撮影レンズのMTF(modulation transfer function、変調伝達関数)はそのままであるため、著しい折り返し歪みが発生する。この現象は、モアレと呼ばれ、例えば、目の細かな縞状の被写体が実際とは異なる太い目の粗い縞状に写ってしまう現象であり、撮像装置には好ましくない現象である。
【0022】
また、このようなライン間引き読み出しを行うと、信号電荷の存在しない垂直転送路上に発生したスミア電荷は全て信号電荷に加算されるため、CCDの本来持っている実力以上にスミアが悪化する問題がある。
【0023】
また、このような水平ラインの間引きを行っても、さらに画素数が必要以上に多い場合には、動画像において通常のテレビなどの受像装置に適合した、あるいは通常のテレビ以上のフレームレートを実現することは極めて困難である。
【0024】
さらに、何らかの手法により、フレームレートを向上したとしても、高フレームレート化に伴い露光時間も短縮されるため、感度が低下する問題を有している。そして、暗い撮影状況において、間引き読み出しモードで動画を撮影すると、感度が足りずに、シグナルノイズ比の悪い画像となる。また、測光、測距などの本撮影に先立つ予備測定についても、感度が足りずに、精度が低下する。そして、このような予備測定時の感度不足を補助光の投光により補う場合は、コストが大きく、外形や消費電力も大きい、明るいランプを用いる必要が生じる。また、感度不足の場合、予備測定のための露光時間を、測定精度を短くしたまま短縮することはできないため、使用者が撮影を意図してから本撮影の露光開始までに要するいわゆるタイムラグが大きくなるおそれがある。
【0025】
そして、このような現象を緩和するためには、フレームレートを向上する目的で単純にラインを間引くのではなく、特許文献2に示されるように、ライン加算を取り入れる構成が知られている。そして、ライン間引き後の空間サンプリング周波数上で撮影レンズのMTFが高くても、ライン加算を行うと開口率が増加し、高域の空間周波数成分が減らされて、空間フィルタ処理と同じ効果が得られる。そして、この効果を最大限に作用させるためには、例えば、フレームレートを5倍にするために全ライン中4/5ラインを間引いて1/5ラインを読み出すのではなく、5ラインをカラーフィルタの同色同士で加算をして読み出すことにより、結局5倍のフレームレートで全画素を読み出すことに等しくなり、空間フィルタの効果は最大で、しかも全画素の信号電荷が撮像に寄与するので、開口率は静止画像撮影時と全く同じになる。
【0026】
しかしながら、上記の特許文献2では、上記のように同色同士の複数ラインの加算により全画素の信号電荷を読み出す手法については提案されていない。連続するラインの信号電荷を垂直転送路上で加算し、あるいは水平転送路上で加算して、全画素を読み出す手法については言及されているが、この手法では、縦ストライプフィルタ配列以外のカラーCCDの場合は、混色が生じ、色再現性に重大な弊害をもたらすばかりか、混色の組合せによっては、元の色を再現できないという問題を有している。ここで、上記特許文献2には示されていないが、この特許文献2記載の構成であえて、同色の複数ラインの加算による全画素読み出しを実現しようとすると、例えば、上記の5ライン加算の場合は、この公報機能のようにカラーフィルタ配列がベイヤー配列であるとすると、縦1列の色の組合せは2種類で、それぞれの色を個別に、さらに各色毎に5画素を個別に読み出す必要があるため、電荷読出電極は全部で10系統が必要になり、垂直転送駆動の場合は、垂直転送電極としては合計12系統を要する計算になる。そして、現存する3相垂直転送、間引き対応の3相多画素プログレッシブCCDの垂直転送の電極は、上記のように4系統であるので、8系統分の外部垂直転送駆動回路を追加することになり、CCD駆動回路の規模が著しく増大することになる。さらに、CCDの多画素化が進み、加算ライン数が増加すると、さらに垂直転送の電極の系統数が相応分増加する。そして、このような垂直転送の電極の系統数の増加は、コストや装置の小型化あるいは消費電力などの点から好ましくないものである。
【0027】
また、上記のように、撮影状況がきわめて明るい場合は、例えば各画素から溢れだした信号電荷が垂直転送路に洩れ込みすじとなって現れるスミア(smear)が発生するが、通常の間引き読み出しモードに比して、画素を加算して読み出す加算読み出しモードでは、画像の品位を損ねる場合があり、特許文献3に示されるように、動画の撮影時には、間引き読み出しあるいは加算読み出しのいずれかと限定すると、画像の品位を損ねる場合がある。
【0028】
【特許文献1】
特許第3108702号公報 (図1)
【0029】
【特許文献2】
特開平10−136244号公報 (図4、図6、図9)
【0030】
【特許文献3】
特開平10−210367号公報 (第3頁)
【0031】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、スミアの抑制については、静止画の撮影においてはメカニカルシャッタを設ける構成が知られているが、コストが高い問題を有している。また、動画について、2個のCCDを用いる構成では、電力消費の上昇、感度の低下などを招くとともに、高精度の調整が必要になり、コストの大幅な上昇を招く問題を有している。また、フレームインターライントランスファ方式のCCDを用いる構成では、素子の製造コストの低減が困難であるとともに、必ずしも十分にスミアを除去できない問題を有している。
【0032】
また、動画及び静止画撮影兼用の多画素のCCDを用いる場合に、動画の撮影時のフレームレートを維持するため、ライン間引き読み出しを行うと、モアレと呼ばれる著しい折り返しノイズが発生し、画質の低下の原因となる。
【0033】
そして、このようなライン間引き読み出しを行うと、信号電荷の存在しない垂直転送路上に発生したスミア電荷は全て信号電荷に加算されるため、CCDが本来持っている実力以上にスミアが悪化する問題がある。
【0034】
さらに、静止画の画質向上を図り、CCDの画素数を増やしていくと、画像の読み出しに時間がかかるようになり、間引き読み出しを行ったとしても、現行のテレビ規格のフレームレートに対応し、さらに現行のテレビ以上の高いフレームレートを実現することが困難になる。
【0035】
また、CCDの多画素化を進める場合、CCDの製造コストを維持するため、CCDのチップサイズは変更しないのが普通であり、この場合、1画素当たりの面積はますます縮小され、この面積の縮小に伴い感度も低下する。上記のように、多画素化が進むと、フレームレートの維持や高速化がさらに困難になるが、たとえ何らかの手段で高フレームレートを実現しても、感度が低下するため、高フレームレート化による露光時間短縮に追随できなくなる問題を有している。
【0036】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、コストの上昇を抑制しつつ画質を向上できる撮像素子及び撮像装置を提供することを目的とする。
【0037】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の撮像素子は、所定のパターンで複数の色が配列されそれぞれ光電変換して信号電荷を蓄積する複数の画素と、これら画素から読み出した信号電荷を正方向及び逆方向に転送可能な電荷結合素子を備え、互いに反対方向に信号電荷を転送する複数グループにグループ化された複数の垂直転送路と、前記各画素から前記各垂直転送路に信号電荷を読み出し、これら信号電荷を前記各垂直転送路上を転送させるとともに所定の位置に保持可能な電圧が印加される複数系統の配線部と、前記各垂直転送路の一端部から信号電荷が転送され、これら転送された信号電荷を転送して第1の出力部に出力する第1の水平転送路と、前記各垂直転送路の他端部から信号電荷が転送され、これら転送された信号電荷を転送して第2の出力部に出力する第2の水平転送路とを具備したものである。
【0038】
そして、この構成では、配線部に電圧を印加することにより、所定のパターンで配列された複数の画素のうち、所定の色の複数の画素の信号電荷が各垂直転送路に読み出される。そして、これら読み出した信号電荷のうち、特定の画素の信号電荷を保持したまま、他の信号電荷を転送して、保持した信号電荷に転送した信号電荷を加算して、加算電荷を生成する。次いで、この所定の色の画素の加算電荷に加算しないように、転送と選択的な電荷読出とを組み合わせ、他の色の複数の画素の信号電荷を加算した加算電荷を生成する。そして、これら加算電荷を各垂直転送路により正方向及び逆方向に交互に転送することにより、これら信号電荷は、第1の水平転送路及び第2の水平転送路から各出力部を介して出力され、これら出力された信号を処理することにより、画像が得られる。そして、これら加算電荷を用いることにより、全画素を順次読み出し出力する状態に較べて、画素が間引かれ、フレームレートが向上する。さらに、画素の間引きは、全画素の読み出しを行い、同色の画素の信号電荷を複数加算して行うことが可能なため、単に画素を選択的に読み出す構成に較べて、画質が向上する。また、信号電荷を正方向及び逆方向に転送可能な垂直転送路と第1の水平転送路及び第2の水平転送路とを用いることにより、信号電荷の転送量が容易に向上するとともに、垂直転送路の一部分で転送中の信号電荷に他の信号が加わるスミアが生じる場合にも、このスミアの発生方向を制御可能になり、この垂直転送路で転送する全ての信号電荷にスミアが生じることが防止される。そこで、出力された信号を処理することにより、スミアを抑制し、画質の向上が可能になる。
【0039】
請求項2記載の撮像素子は、請求項1記載の撮像素子において、垂直転送路では、複数の信号電荷が加算された加算電荷が生成されるとともに、配線部及び垂直転送路は、同じ水平ラインを撮影した加算電荷について、第1の出力部に出力される加算電荷と、第2の出力部に出力される加算電荷とが略同時に出力されるように構成されたものである。
【0040】
そして、この構成では、撮像素子から出力される信号から正確な画像を構成する処理が容易になる。
【0041】
請求項3記載の撮像装置は、撮像素子と、この撮像素子を制御する制御手段とを具備し、前記撮像素子は、所定のパターンで複数の色が配列されそれぞれ光電変換して信号電荷を蓄積する複数の画素と、これら画素から信号電荷を読み出しこれら読み出した信号電荷を正方向及び逆方向に転送可能な電荷結合素子を備えた複数の垂直転送路と、前記各垂直転送路の一端部から信号電荷が転送され、これら転送された信号電荷を転送して第1の出力部に出力する第1の水平転送路と、前記各垂直転送路の他端部から信号電荷が転送され、これら転送された信号電荷を転送して第2の出力部に出力する第2の水平転送路とを具備し、前記制御手段は、前記同色の画素の信号電荷を前記各垂直転送路に読み出し、これら読み出した信号電荷のうち所定の画素の信号電荷について位置を保持させたまま、読み出した他の信号電荷を転送し、位置を保持した信号電荷に転送した信号電荷を加算した加算電荷を生成するとともに、前記各垂直転送路を複数のグループにグループ化し、一方のグループと他方のグループとで互いに反対方向に信号電荷を転送させ、それぞれ前記第1の水平転送路と第2の水平転送路とに信号電荷を転送させるものである。
【0042】
そして、この構成では、制御手段の制御により、所定のパターンで配列された複数の画素のうち、所定の色の複数の画素の信号電荷が各垂直転送路に読み出される。そして、これら読み出した信号電荷のうち、特定の画素の信号電荷を保持したまま、他の信号電荷を転送して、保持した信号電荷に転送した信号電荷を加算して、加算電荷を生成する。次いで、この所定の色の画素の加算電荷に加算しないように、転送と選択的な電荷読出とを組み合わせ、他の色の複数の画素の信号電荷を加算した加算電荷を生成する。そして、これら加算電荷を各垂直転送路により正方向及び逆方向に交互に転送することにより、これら信号電荷は、第1の水平転送路及び第2の水平転送路から各出力部を介して出力され、これら出力された信号を処理することにより、画像が得られる。そして、これら加算電荷を用いることにより、全画素を順次読み出し出力する状態に較べて、画素が間引かれ、フレームレートが向上する。さらに、画素の間引きは、全画素の読み出しを行い、同色の画素の信号電荷を複数加算して行うことが可能なため、単に画素を選択的に読み出す構成に較べて、画質が向上する。また、信号電荷を正方向及び逆方向に転送可能な垂直転送路と第1の水平転送路及び第2の水平転送路とを用いることにより、信号電荷の転送量が容易に向上するとともに、垂直転送路の一部分で転送中の信号電荷に他の信号が加わるスミアが生じる場合にも、このスミアの発生方向を制御可能になり、この垂直転送路で転送する全ての信号電荷にスミアが生じることが防止される。そこで、出力された信号を処理することにより、スミアを抑制し、画質の向上が可能になる。
【0043】
請求項4記載の撮像装置は、請求項3記載の撮像装置において、制御手段は、各垂直転送路の転送方向を一画面毎に逆方向とするとともに、前記撮像素子の各出力部から出力された信号を処理して画像を構成するものである。
【0044】
そして、この構成では、画素から読み出された信号電荷は、垂直転送路を一画面毎に逆方向に転送されるため、垂直転送路の一部分で転送中の信号電荷に他の信号が加わるスミアが生じる場合にも、このスミアの発生方向が制御され、この垂直転送路で転送する全ての信号電荷にスミアが生じることが防止される。そこで、出力された信号を処理することにより、スミアを抑制し画質の向上が可能になる。
【0045】
請求項5記載の撮像装置は、請求項4記載の撮像装置において、制御手段は、画素から読み出された信号電荷以外の信号が加えられたスミアのある信号を判定し、スミアのある信号を、他の画素の信号から補完するものである。
【0046】
そして、この構成では、画素から読み出された信号電荷以外の信号が加えられたスミアの抑制が可能になる。
【0047】
請求項6記載の撮像装置は、請求項4または5記載の撮像装置において、制御手段は、第1の出力部から出力された加算電荷と、第2の出力部から出力された加算電荷とについて、同じ水平ラインを撮影した加算電荷同士の位置を合わせる補正を行うものである。
【0048】
そして、この構成では、信号画素を同士を加算して加算電荷を生成した際に、垂直転送路毎に位置がずれた場合にも、正確な画像が構成される。
【0049】
請求項7記載の撮像装置は、請求項6記載の撮像装置において、制御手段は、各垂直転送路を互いに交互に配置された第1列群と第2列群との2個のグループにグループ化し、これら第1列群と第2列群とで互いに反対方向に信号電荷を転送させ、それぞれ前記第1の水平転送路と第2の水平転送路とに信号電荷を転送させるとともに、第1列群の加算電荷と、第2列群の加算電荷とについて、前記垂直転送路から加算電荷一個分ずれて出力された加算電荷同士を、同じ水平ラインを撮影した加算電荷とみなす補正を行うものである。
【0050】
そして、この構成では、信号画素を同士を加算して加算電荷を生成した際に、垂直転送路毎に位置がずれた場合にも、容易に比較的正確な画像が構成される。
【0051】
請求項8記載の撮像装置は、請求項6記載の撮像装置において、制御手段は、各垂直転送路を互いに交互に配置された第1列群と第2列群との2個のグループにグループ化し、これら第1列群と第2列群とで互いに反対方向に信号電荷を転送させ、それぞれ前記第1の水平転送路と第2の水平転送路とに信号電荷を転送させるとともに、第1列群の加算電荷と、第2列群の加算電荷とについて、一列において加算して生成された加算電荷の数をk(但し、k>2の自然数)、第1列群のn番目の加算電荷をA(n)、第2列群のn番目の加算電荷をB(n)、としたとき、第1列群のA(n)に対応する第2列群の仮想的な加算電荷Bniを、Bni=(B(n+1)+(k−1)×B(n))/kとの式により求めるものである。
【0052】
そして、この構成では、信号画素を同士を加算して加算電荷を生成した際に、垂直転送路毎に位置がずれた場合にも、正確な画像が構成される。
【0053】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の撮像素子及び撮像装置の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0054】
図2において、1は撮像装置で、この撮像装置1は、例えば、デジタルビデオカメラ、ムービーカメラ、あるいはカムコーダなどと呼ばれるもので、動画及び静止画である画像を撮影、記録し、また表示可能ないわゆる静止画動画兼用の装置である。
【0055】
そして、この撮像装置1は、撮像素子としてのCCD10と、このCCD10を駆動する制御手段を構成するCCD駆動回路11、CCD10の出力が入力される画像処理手段を構成する一対のアナログ処理回路12,13、これらアナログ処理回路12,13の出力が入力されるアナログデジタル(A/D)変換器14,15、これらアナログデジタル変換器14,15の出力が入力されるメモリコントローラ18を備えている。さらに、このメモリコントローラ18には、画像データなどを一時的に保存するメモリ19、画像データを処理する制御手段を構成する画像処理回路20、制御手段を構成するCPU21、記録部インターフェース22が接続され、画像データが入出力される。また、このメモリコントローラ18には、このメモリコントローラ18の出力が入力される表示部インターフェース23が接続される。さらに、記録部インターフェース22には、画像データを記録再生する画像記録部25が接続され、表示部インターフェース23には、画像データや設定状態などを表示する画像表示部26が接続されている。さらに、CCD駆動回路11、アナログ処理回路12,13、メモリコントローラ18、及び画像処理回路20などには、これらを制御するCPU21が接続されている。さらに、この撮像装置1には、図示しないが、レリーズボタンや切替スイッチなどの操作手段、電源装置、入出力装置、絞り機構や機械シャッタやレンズなどの光学系、及び筐体などを備えている。
【0056】
そして、CPU21は、いわゆるマイクロプロセッサであり、システム全体の制御を司るもので、本実施の形態では、絞り機構のF値制御、機械シャッタの開閉制御、レンズの焦点制御、CCD駆動回路11の制御を介してのCCD10の駆動制御、アナログ処理回路12,13のゲインコントロールアンプの増幅度などの制御、画像処理回路20の制御、メモリコントローラ18を介してのメモリ19に記録されるデータの処理、メモリコントローラ18及び表示部インターフェース23を介しての画像表示部26への画像などの表示、及びメモリコントローラ18及び記録部インターフェース22を介しての画像記録部25への画像データの記録及び読み出しなどを行う。例えば、動画を撮影する場合、CPU21は、機械シャッタを開放し、絞りのF値を制御することにより、CCD10に入射する被写体光量を調整し、さらに、CCD駆動回路11を介して、CCD10の電子シャッタを変化させ、露光量を制御する。
【0057】
また、CCD10は、電荷転送型の固体撮像素子であり、電荷結合素子(charge coupled device)を用いたCCDイメージセンサであり、図1に概略を示すように、受光面上に、2次元の格子状に配置された受光素子部でありそれぞれ光の強弱に応じて信号電荷を蓄積する光電変換手段であるフォトダイオードを備えた多数の画素eを備えている。そして、これら画素eの列同士の間には、これら画素eから信号電荷を読み出し、所定方向(以下、垂直方向あるいは上下方向と称する)に転送する複数の垂直転送路(垂直CCD)CVすなわち第1ないし第8(n)の垂直転送路CV1〜CV8(n)を備えている。
【0058】
さらに、このCCD10は、これら垂直転送路CVの上下の端部に接続され、すなわち受光面の下部と上部とに配置され、所定方向と直交する方向(以下、水平方向と称する)に信号電荷を転送する上下一対の水平転送路(水平CCD)CHすなわち第1の水平転送路としての下部水平転送路CH1及び第2の水平転送路としての上部水平転送路CH2とを備えている。そこで、垂直転送路CV1〜CV8(n)を2個にグループ化し、各グループ毎に画素eの信号電荷を各水平転送路H1,H2に同時に、かつ順次方向を変えて出力できるようになっている。また、各水平転送路H1,H2の一端部である下流側の端部には、それぞれ第1の出力部としての下部出力部OP1と第2の出力部としての上部出力部OP2が設けられ、画像信号を構成するアナログの信号が同時に出力される。
【0059】
さらに、このCCD10は、後述するように、いわゆるカラーベイヤー配列間引き対応で通常のカラーフィルタ配列のカラー単板、多画素インターライン型のインターレーススキャンCCDで、静止画動画兼用を特徴とし、すなわち静止画動画兼用の撮像装置に用いられるもので、動画専用用途のCCDに較べて画素数が著しく多く設定されている。そして、静止画撮影時には、メカニカルシャッタを併用する事で全画素を個別に読み出す全画素個別読み出しモードの他、動画撮影時などには、全水平ラインの例えば1/5の画素のみを選択的に間引いて読み出す間引き読み出しモード、及び、同色などの画素同士を加算して読み出す加算読み出しモードに切り替え可能であり、多画素であっても動画時のフレームレート(単位時間当たりのコマ数)を高く維持できるようになっている。
【0060】
そして、この撮像装置1では、CCD10は、CCD駆動回路11の駆動信号により駆動され、CCD10の下部出力部OP1から出力されたアナログ映像信号は、アナログ処理回路12に入力され、相関2重サンプリングによるノイズ除去やゲインコントロールアンプによる信号増幅などのアナログ処理が行われる。次いで、この信号は、アナログデジタル変換器14に入力され、アナログの信号からデジタルの信号(以後、デジタル画像データあるいは単に画像データと称する。)に変換される。次いで、このデジタル信号に変換された画像データは、メモリコントローラ18により、メモリ19に一時保存される。また、同様に、CCD10の上部出力部OP2から出力されたアナログ映像信号は、アナログ処理回路13及びアナログデジタル変換器15を経て、メモリコントローラ18により、メモリ19に一時保存される。
【0061】
次いで、画像処理回路20は、これら2個のグループに分割して保存された画像データから、完成した1画面のフィールドを再構成し、すなわち、CCD10本来の画素eの配列の通りに、画像データを再現するとともに、この再現処理の前後あるいは同時に画像処理を行う。
【0062】
そして、上記のように再構成され、画像処理を施された処理済の動画るあいは静止画の画像データは、メモリ19の一部をビデオメモリとして利用し再び一時記録された後、あるいは、上記の画像処理が終わった画素単位のデータから順次直ちに、表示部インターフェース23に送られ、画像表示部26により映像として表示される。また、場合によっては、使用者の操作などに従い、画像データ圧縮処理などを施された後、記録用の画像データとして、記録部インターフェース22を経由し、画像記録部25に記録される。ここで、画像記録部25は、磁気テープ、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、フラッシュメモリなどの不揮発性の記録媒体で構成され、また、これら記録媒体は、必要に応じて機器本体から着脱されるようになっている。
【0063】
そして、このような構成により、以後詳細に説明するように、スミアのない高感度で高フレームレートの画像を得ることが可能になる。
【0064】
すなわち、本実施の形態の構成及び効果の概略を説明すると、水平転送路CHを受光領域の上下に2系統備えるとともに、受光領域の画素eは、例えば、Nを正数としたとき、列番号4N−3及び4N−2と、4N−1及び4Nとの2組の縦列に、すなわち垂直転送路CVの2列毎にグループ化するとともに、これらグループ毎に転送方向を逆方向とし、下部水平転送路CH1及び上部水平転送路CH2にそれぞれ同時に転送できるCCD10を使用し、垂直転送路CVの転送方向をフィールド毎に前のフィールドとは逆方向とすることで、各水平転送路CHから出力される画像データ(列画像)毎のスミアの発生方向を固定し、スミアの発生領域を、下部水平転送路CH1から読み出された画像データと上部水平転送路CH2から読み出された画像データとで、例えば偶数番目のグループ列画像と奇数番目のグループ列画像とで互いに排他的とする。すなわち、フィールド毎に双方のグループに同時にスミアが発生している領域は存在しない状態を実現する。そして、受光面の上部あるいは下部に設けられた水平遮光ラインの信号状況からスミアの水平座標及び幅を特定し、そのスミア上を垂直方向に走査して明るさの変化からスミアの垂直座標上の発生基準位置を特定して、画面上のスミアの発生領域を正確に判断しつつ、双方にスミアの発生していない領域では、下部水平転送路CH1から読み出された画像データと、上部水平転送路CH2から読み出された画像データとを互いに内挿し、片方にスミアの発生している領域では、発生していない側の画像データのみを使用して補完処理を行って1枚のフィールド画像を完成させることで、画面全体にスミアのない良好な画像を提供できる。
【0065】
同時に、画素(感光画素)eから垂直転送路CVへの電荷読み出し動作においては、特殊な電荷読み出し電圧制御と電荷転送動作とを組み合わせて同色の信号電荷を加算した加算電荷を生成する。すなわち、各縦列に複数配置されたカラーフィルタ画素のうち、先に一方の同色の信号電荷を全て垂直転送路CVに読み出した後、複数ある電荷読み出し電極のうち、特定の電荷読み出し電極に電荷読み出し電圧を加えたまま、垂直転送を行うことにより、垂直転送路CV上で同色同士のライン加算を行う。次に、垂直転送と複数ある電荷読み出し電極による選択読み出しを組み合わせて先に読み出され垂直転送路CV上で加算された一の色の信号電荷との混色を回避しながら、後に他の色のカラーフィルター画素の信号電荷を垂直転送路CVに読み出し、垂直転送路CV上でのライン加算、水平転送路CH上でのライン加算を組み合わせ、結果として、同色複数ライン足し合わせで全画素読み出しを行う。
【0066】
また、垂直転送路CV上での反対方向への転送と各垂直転送路CV上での加算を組み合わせることにより加算電荷同士の重心位置が相対的にずれるが、例えば、互いに反対方向に転送される第1列群と第2列群とについて、(1)第1列群の所定のn番目の水平ラインの加算結果(n)と、第2列群の一段ずれたn+1番目の水平ラインの加算結果(n+1)とを同一水平ラインと見なすことにより、簡易的な対策が可能であり、また、(2)加算電荷数をk(k>2の自然数)、第2列群のn番目の水平ラインの加算結果を(n)、第2列群の一段ずれたn+1番目の水平ラインの加算結果を(n+1)、としたとき、第1列群のn番目の水平ラインの加算結果に対応する、第2列群の仮想加算結果(na)を、(na)=((n+1)+(k−1)(n))/kとの式により演算して正確な補正を行い、あるいは、(3)第1列群と第2列群との垂直転送方向の違いによる加算電荷の重心ずれを、垂直転送路ゲート電極の配置を第1列群と第2列群とで予めずらしておくことで解消することもできる。
【0067】
この結果、動画及び静止画兼用の多画素CCDを用いた動画静止画撮影兼用の撮像装置において、現実的には有効な対策のなかった動画撮影時のスミアについて、スミアを除去して画質を向し上できる。そして、プログレッシブスキャンのCCDであれば、特に高価な遮光手段であるメカシャッタなどを別途設けることなく、高画質の求められる静止画撮影に対応できる。
【0068】
また、画素数が多くなっても容易にフレームレートを高く維持することができる。
【0069】
さらに、スミアを除去できるので、動画撮影時などに、スミアの悪化するライン間引きやライン加算を行ったとしても、特には問題とはならない。
【0070】
また、高フレームレートを維持しつつ、効果的にモアレを除去して画質を向上できる。
【0071】
そして、CCDの多画素化に伴う低感度化と高フレームレート化とによる露光時間の不足傾向も解消できる。
【0072】
また、簡略な構成でコストを抑制できる
このようにして、多画素CCDの動画撮影時に、スミアを解消して高画質化を実現できるとともに、モアレ(折り返しノイズ)を解消した高画質化、高フレームレート化、及び高感度化を容易に実現できる。
【0073】
次に、スミアを除去する構成と、画素を加算して読み出す加算読み出しモードとについて、順次詳細に説明する。
【0074】
まず、図3ないし図16を参照して、スミアを除去する構成について説明する。なお、このスミアを除去する構成の説明においては、説明を簡略化するため、カラーフィルタを用いない単色で、加算を行わない全画素読み出しモードであり、かつ、1列毎に交互に1グループとして処理する構成について説明する。また、ここでは、図3に示すように、垂直転送路には、符号VV(VV1〜VV8)を付して説明する。
【0075】
そして、CCD10の各画素eは、多くが光の当たる感光画素e1であるが、各列の上下の端部に位置して、遮光構造により光の当たらない遮光画素(水平遮光ライン)e2が設けられている。
【0076】
そして、この構成では、動画像の撮影において、各画素eから垂直転送路VVに一斉に読み出される信号電荷のうち、例えば、一画面としての第1フィールドでは、奇数列の垂直転送路VV1,VV3,VV5,VV7の信号電荷は下側に転送され、下部水平転送路H1を経て下部出力部OP1から出力される。同時に、偶数列の垂直転送路VV2,VV4,VV6,VV8の信号電荷は上側に転送され、上部水平転送路H2を経て上部出力部OP2から出力される。そして、引き続く一画面としての第2フィールドでは、第1フィールドとは逆に、奇数列の垂直転送路VV1,VV3,VV5,VV7の信号電荷は上側に転送され、上部水平転送路H2を経て上部出力部OP2から出力されるとともに、偶数列の垂直転送路VV2,VV4,VV6,VV8の信号電荷は下側に転送され、下部水平転送路H1を経て下部出力部OP1から出力される。続いて、以後、第3フィールドは第1フィールドと同様、第4フィールドは第2フィールドと同様、というように、奇数フィールドと偶数フィールドとで、垂直転送路VVの転送方向がフィールド毎に上下逆方向に交互に往復する動作を繰り返す。
【0077】
ここで、例えば図4に示す画像データP0を本来の画像をとすると、メモリ19に一時保存された1フィールド分のデジタル画像データは、奇数フィールドを例にとると、図5(a)に示す奇数列の画像データP1と、図5(b)に示す偶数列の画像データP2との2個のグループに分割して保存される。そして、画像処理回路20は、従来の撮像装置が行うようないわゆる一般的な画像処理(以下、画像処理と称する)を行う前に、これら2個のグループの画像データP1,P2をメモリ19から読み出し、これら画像データP1,P2から完成した1画面のフィールドを再構成し、すなわち、CCD10本来の画素eの配列の通りに、図4に示す画像データP0を再現する。なお、この画像処理は、上記のように画像データP0の再構成を完成させた後に行う方法の他、部分的に画像データP0を再構成しながら、同時に画像処理を行うこともできる。
【0078】
なお、図5(a)及び図5(b)においては、奇数列の画像データP1と偶数列の画像データP2とを明確に表現するため、縦縞状に空白のデータ領域があるように表現したが、メモリ19の内部においては、有効な画像データが隙間なく連続して記録されており、このような空白のデータ領域は存在しない。
【0079】
また、偶数列の画像データP2は、特に対処をせずにデータの出力順そのままにメモリ19に記録すると、本来、図6に示す画像データP2aのように、図5(b)に示す画像データP2に対して天地が逆の状態になるが、メモリコントローラ18がメモリ19への記録時あるいは読み出し時にメモリ19に与えるアドレスを上下が逆になるように配慮することにより、図5(b)に示す画像データP2と同じ状態、すなわち、奇数列の画像データP1と同じ方向の画像データとして取り扱うことが可能になっている。以下、説明を容易にするため、これらの処理については特に言及しない。
【0080】
次に、スミアの出現形態及びその原理について説明する。
【0081】
まず、図7に示す画像P10の撮影条件(シーン)のように、太陽など、画面内に著しく明るい輝点である高輝度部BSが存在するシーンを撮影する場合、すなわち、CCD10の受光面に極めて強い光が結像している受光領域(輝点)が存在する場合、従来の一般的なCCDにおける一方向のみの転送方法では、図9に示すように、欠陥であるスミアSは高輝度部BSの上下両方に広がる。
【0082】
一方、本実施の形態では、各垂直転送路VVについて、図3のCCD10の説明図における下部水平転送路H1と上部水平転送路H2とが交互に選択され、各垂直転送路VVの転送方向が1フィールド毎に上下逆転するため、図7に示す画像P10の撮影条件(シーン)のように、太陽など、画面内に著しく明るい輝点である高輝度部BSが存在するシーンを撮影する場合、すなわち、CCD10の受光面に極めて強い光が結像している受光領域が存在する場合、得られる画像データは、例えば奇数フィールドの場合、図8(a)に示す奇数列の画像データP11と、図8(b)に示す偶数列の画像データP12とで、画面内の高輝度部BSに対してスミアSの発生する方向が上下いずれか一方に固定される。例えば、図8(a)に示すように、奇数フィールドの場合、スミアS発生の方向は、奇数列では高輝度部BSから画面下方向へ向かい、図8(b)に示すように、偶数列では高輝度部BSから画面上方向へ向かう。また、偶数フィールドでは、これらの関係が逆になり、奇数列では高輝度部BSから画面上方向へ向かい、偶数列では高輝度部BSから画面下方向へ向かってスミアSが発生する。このように、垂直転送路VVの転送方向をフィールド毎に交互に逆方向とすることにより、画面上の高輝度部BSに対するスミアSの発生方向を、上下いずれか一方に固定できる。
【0083】
ここで、本実施の形態の垂直転送路VVの動作によりスミアSの発生方向を固定できる理由について説明する。
【0084】
図10及び図12のAないしNは、図3に示すCCD10の内部構造のうち、画素e及び垂直転送路VVのいずれか一つの奇数列を抜き出して描いたものである。また、画素eの信号電荷の転送状況をわかりやすくするために、下から順に1から14の番号を付している。すなわち、ここでは、上下の端部の1と14とが遮光画素e2であり、他の2から13の画素が感光画素e1である。さらに、円により、スミアSを発生するのに十分な光量を有する高輝度部BSを示しており、ここでは、9番の画素e付近に高輝度の像が結像している状況を表している。
【0085】
図10は、垂直転送路VVを常に一方向すなわち下側に転送する従来の一般的な動作についての説明である。
【0086】
まず、図10(A)の状態から、電荷読出パルスにより、図10(B)に示すように、各画素eの信号電荷が一斉に垂直転送路VVに読み出される。次いで、図10(C)に示すように、垂直転送路VV上を信号電荷が1段下側に転送され、さらに、図10(D)に示すように、垂直転送路VV上を信号電荷が1段下側に転送される。ここで、10番の画素eの信号電荷は、垂直転送路VVに読み出された時点では高輝度部BSの影響を受けていなかったものが、図10(C)及び(D)に示すように垂直転送路VV内を移動する過程で高輝度部BSを通過する際に、本来の信号電荷にスミア(スミア電荷)Sが加わった状態に変化していることを示している。なお、スミアSの混合した信号電荷は斜線で示している。さらに、図10(E),(F),(G)に示すように、垂直転送を進めていくと、本来遮光されており図10(B)に示す垂直転送路VVに読み出された直後では黒色で示すように信号電荷がほぼ0であった14番の画素eの信号電荷も含めて、最初に高輝度部BSよりも上側にあった画素信号は、全て転送の過程でスミアSが加算された状態になる。さらに、垂直転送を進めていくと、図10(H)及び(I)に示すように垂直転送路VVの空の部分、すなわち、各画素eの信号電荷の転送が終わった領域にもスミアSによる電荷が蓄積されていき、全ての画素eの信号電荷の読み出しが終了した時点では、図10(J)に示すように高輝度部BSに対して下側の垂直転送路VVにはスミアSが蓄積された状態になる。
【0087】
なお、上記の図10を用いた説明で、高輝度部BSの上側あるいは下側とは、図の描画方向、すなわち、光学系に対して配置されたCCD10の上下方向に対しての表現である。従って、光学系を通した被写体像は天地が逆となった状態でCCD10に結像されるため、実際に撮影される画像の画面の天地とは、上下関係が逆になっている。例えば、図10のAないしJでは、高輝度部BSの上方向の9番から14番の画素eにスミアSが発生する状況を示したが、この時に得られる画像では、図11のF1に示すように、画面の下方向にスミアSの発生が見られることになる。以上、上記の図10のAないしJでは、動画像を撮影した最初の1フィールド目である図11のF1が得られるまでの状況を示した。
【0088】
次に、図10(J)の状態、すなわち、1フィールド目の全画素eの信号電荷の出力が終わった状態から、2フィールド目の各画素eの信号電荷の出力が行われる状況を説明する。すなわち、図10(J)では、先に説明した動作により、垂直転送路VVの高輝度部BSの下側の領域には既にスミアSによる電荷が存在している。ここで、図10(K)に示すように、2フィールド目の各画素eの信号電荷が一斉に垂直転送路VVに読み出される。すると、1番から9番の画素eの信号電荷は、ここで既にスミアSの影響を受けている状態になる。この状態から、図10(L),(M)ないし(N)に示すように、1フィールド目と同様に垂直転送を行い画素eの信号電荷を出力していくと、図11のF2に示すように、全ての画素eの信号電荷がスミアSの影響を受ける。以後は、図10(N)の状態で読み出しが行われるため、3フィールド目以降も、同様の結果となる。
【0089】
このように、従来の動作による動画の撮影では、垂直転送路VVのいずれか1点にでもスミアSの発生源となる高輝度部BSが存在すると、その垂直転送路VVを通る全ての信号電荷がスミアSの影響を受けることになる。このようにして、図9に示すように、高輝度部BSの上下に、スミアSが広がってしまう。
【0090】
次に、奇数フィールドと偶数フィールドとで垂直転送の方向を逆転させる本実施の形態の動作を図12及び図13を参照して説明する。ここで、図12のAは、図10のJの状態、すなわち、1フィールド目を出力した後、既に、図13のF1に示す画像が得られた直後の状態を示している。そして、この図12(A)に示す状態から、図12(B)に示すように、2フィールド目の各画素eの信号電荷を一斉に垂直転送路VVに読み出し、図12(C)ないし(J)に示すように、今度は、1フィールド目とは逆方向に垂直転送を行っていく。このとき、高輝度部BSの上側に位置する10番から14番の画素eの信号電荷は、スミアSの影響を全く受けることなく出力される。この時、図13のF2に示すように、先のF1とは逆方向にスミアSが発生した画像が得られる。さらに、3フィールド目では、図12(K)ないし(N)に示すように、再び1フィールド目と同じ方向に垂直転送を行い、図13のF3に示すように、先のF1と同方向にスミアSが発生した画像が得られる。そして、このような動作を繰り返すことにより、奇数番目のフィールドと、偶数番目のフィールドとで、スミアSの発生する方向を固定、すなわち上下のいずれか1方向に導くことができる。そして、以上の奇数列の説明と同様に、偶数列でも同様の動作でスミアSの発生する方向を固定できる。なお、奇数列と偶数列とでは常に垂直転送の転送方向が逆転しているため、得られる画像上に発生するスミアSの方向も逆になる。
【0091】
続いて、本実施の形態によるスミア抑制動作について図14及び図15を参照して説明する。
【0092】
図14は、スミアSの発生した奇数フィールドの奇数列の画像データP11に、後述する遮光画素(水平遮光ライン)e2によるスミア検出状況の値e2Lと、スミアSが発生した列の垂直転送路VVに沿った輝度状況を示す値eLのグラフとを組み合わせたものである。また、図15は、スミアSの発生した奇数フィールドの偶数列の画像データP12に、スミアSが発生した列の垂直転送路VVに沿った輝度状況を示す値eLのグラフとを組み合わせたものである。
【0093】
すなわち、下部水平転送路H1から出力された信号電荷がアナログデジタル変換器14によりデジタル信号に変換された値である画像信号のうち、図3のCCD10の遮光画素(水平遮光ライン)e2に相当する部分の画素eの画像信号は、上記のメモリ19の特定領域に記録される。ここで水平遮光ラインとは、CCD10の受光面の上部及び下部に設けられたライン単位の遮光画素である。そして、これら水平遮光ラインは、本来は遮光されているため、この部分の信号レベルは暗黒に等しいが、CCD10がスミアSを発生している場合には、遮光部であっても先に説明した動作原理によりスミア電荷の影響を受け、スミアSが発生した水平位置に等しい部分に、明るい信号出力e2Laが表れる。なお、このスミアSの発生位置の検出は、上部水平転送路H2が選択されている時、すなわち、奇数フィールドの偶数列、あるいは、偶数フィールドの奇数列の画像で行う場合も、画面の上下関係を考慮すれば同様である。また、この図14において、VVcはスミアSの水平方向の中心線、e2Lは画面下側の、すなわち、CCD10上側の水平遮光ラインによるスミア検出状況、eLは、スミアSの水平方向の中心線VVc上を垂直方向に走査した画面上の輝度状況を示している。さらに、Wsは水平遮光ライン上に検出されたスミアSの水平方向の幅、SLは左側のスミア境界、SRは右側のスミア境界、Dsはスミア基準レベルである。
【0094】
そして、CPU21は、水平遮光ラインの値e2Lと、予め定められたスミア基準レベルDsとを比較し、水平遮光ラインのデータのうち、スミア基準レベルDsを超えた領域をスミアSと判断し、このスミアSの領域の水平方向の境界の位置SL,SRと幅Wsとから、発生しているスミアSの水平方向の中心線VVcを求める。次に、メモリ19に記録されている画像データから、上記の水平方向の中心線VVc上で、画面の垂直方向に沿って画面下側から画像データP11を走査して輝度状況を示す値eLを得る。このスミアSの水平方向の中心線VVc上の値eLのうち、最もレベルの高い領域eLaを検知すると、そこから画面上側で画像データのレベルの落ち込む部分eLbの位置をスミア発生源である高輝度部BSの上端Ysoと認識する。また、レベルの高い領域eLaが画面の上端に接している場合は、高輝度部BSの上端Ysoは画面最上部と判断する。そして、CPU21は、これら上端Ysoと、左右のスミア境界SL,SRとで囲まれた領域を、奇数フィールドの奇数列がスミアSにより影響を受けている領域Soと判断する。
【0095】
次に、CPU21は、図16に示すように、奇数フィールドの偶数列の画像データP12について、先に得られたスミアSの水平方向の中心線VVcを画面の上側から走査して、奇数列と同様の処理で、スミア発生源である高輝度部BSの下端Yseを検出し、さらに、この下端Yseと、左右のスミア境界SL,SRとで囲まれた領域を、奇数フィールドの偶数列がスミアSにより影響を受けている領域S1と判断する。
【0096】
次いで、CPU21は、高輝度部BSの上端Ysoと下端Yseとから互いに等しい距離にある縦方向の位置を求め、高輝度部BSの垂直方向の中心線Hcとする。そして、このようにして得られたスミアSの発生状況は、画像処理回路20に通知される。
【0097】
そして、この画像処理回路20は、スミアSの発生が検知されるまでは、通常の処理、すなわち、図5(a)に示す奇数列の画像データP1と、図5(b)に示す偶数列の画像データP2とを用いて、画面の全ての領域について単純に互いを内挿する方法で図4に示す画像データP0の画像を再現する。一方、CPU21によりスミアSの発生と発生状況とが知らされると、画像処理回路20は、通常処理から以下に説明するスミア抑制画像処理へと処理手法を切り替える。
【0098】
すなわち、画面内の領域は、CPU21からの通知により、スミアSの発生のない領域、奇数列にスミアSの発生している領域、及び偶数列にスミアSの発生している領域に分類される。例えば、図14及び図15に示す例では、図16に示すように、スミアSの発生のない領域I,IIと、奇数列にスミアSの発生している領域IIIと、偶数列にスミアSの発生している領域IVとに分類される。なお、これら領域IIIと領域IVとの境界は、先に求めた高輝度部BSの垂直方向の中心線Hcである。そして、画像処理回路20は、スミアSの発生のない領域I,IIについては、通常の処理により奇数列と偶数列とから画像の再現を行うが、奇数列にスミアSの発生している領域IIIについては、偶数列のみから画像の再現を行い、偶数列にスミアSの発生している領域IVについては、奇数列のみから画像の再現を行う。
【0099】
すなわち、領域IIIは、奇数列のみにスミアSが発生しており、偶数列の画像はスミアSの影響を受けていない。そこで、この領域IIIでは、奇数列のデータを破棄して、偶数列のみから、例えば、線形補完法などの補間処理により、空白の奇数列データを演算により求め使用する。同様に、領域IVは、偶数列のみにスミアSが発生しており、奇数列の画像はスミアSの影響を受けていない。そこで、この領域IVでは、偶数列のデータを破棄して、奇数列のみから、例えば、線形補完法などの補間処理により、空白の偶数列データを演算により求め使用する。このようにして、奇数列の画像データと偶数列の画像データとからスミアSの発生状況を考慮しつつ、画像再現を行うことにより、通常ではスミアSが発生する撮影条件においても、スミアSのない奇数フィールド画像を得ることができ、図7に示す画像P10を再現することができる。
【0100】
そして、上記の奇数フィールドの説明と同様に、偶数フィールドにおいても、奇数列と偶数列との垂直転送方向が逆になることを考慮すれば、奇数フィールドと同じ手法により、スミア抑制処理の施された偶数フィールド画像を得ることができる。
【0101】
このように、CCD10の、列毎に例えば奇数列と偶数列とで転送方向を反転可能な電極配線と、上部と下部とに出力部を2個設けた構造と、フィールド毎にすなわち奇数フィールドと偶数フィールドとで垂直転送方向を交互に逆転させる転送方法と、これらに応じた画像処理とにより、スミアSを高輝度部BSの反対側に交互に発生させ、スミアSの発生していない部分を利用して画像を構成することにより、従来の構成では画面の高輝度部BSから発生したスミアSが主要被写体上に重なり被写体の判別を困難にするほどの撮影条件であっても、確実にスミアSを除去することができ、すなわち効果的にスミアSを抑制でき、容易に画質を向上できる。
【0102】
すなわち、(1)受光領域の上下に2系統の水平転送路H1,H2を設け、受光部の画素eは2組の垂直転送路VVの縦列、例えば偶数列と奇数列とに分けられていて、互いに同時に逆方向に、上部水平転送路H2と下部水平転送路H1とへ向けて信号電荷を転送できる垂直転送路VVを備えたCCD10を用い、(2)フィールド毎に各縦列の垂直転送路VVの垂直転送方向を前のフィールドとは逆方向にすることで、スミアSの発生方向を高輝度部BSに対して上下いずれか一方向に固定でき、すなわち、偶数列の画像と奇数列の画像とで、スミアSの発生位置を互いに排他的にできる。そして、(3)フィールドごとに、偶数列、奇数列の画像、いわば列画像上のスミアSの発生状況を判別して、双方にスミアSの無い領域では、上下の水平転送路H1,H2から出力された列画像を合成し、すなわち互いを内挿し、片方のみにスミアSの発生している領域では、スミアSが発生していない側の列画像のみを用いて補完処理を行い、1枚のフィールド画像を完成させる。そして、この(3)の動作を繰り返すことにより、スミアSのない良好な連続したフィールド画像を得ることができる。
【0103】
また、スミアSの発生状況の判別については、CCD10は、受光領域に配置された感光画素e1に加え、受光面の上部あるいは下部に光を遮光した遮光画素(水平遮光ライン)e2を設けたため、この遮光画素e2の信号状況から、スミアSの水平座標及び幅を容易に特定できるとともに、このスミアS上を垂直方向に走査することにより、明るさの変化からスミアSの垂直座標上の発生基準位置を特定し、すなわち、最も輝度の高い部分から落ち込む部分をスミアSの境界として、垂直座標及び幅を容易に特定でき、画面上のスミアSの発生領域を容易に正確に判断できる。
【0104】
さらに、このように、CCD10に水平転送路H1,H2すなわち出力部を2個設けた構成を採ることにより、副次的に、1画素e当たりの信号電荷の読み出し速度、すなわち、垂直転送路VVの転送速度、あるいは水平転送路H1,H2の転送速度を上げることなく、従来の2倍のフレームレート、すなわち、信号電荷の読み出し時間を従来の半分とすることができ、1秒あたりのコマ数を2倍にすることも容易に可能になる。さらに、この構成は、1秒あたりのコマ数を2倍にして動きの速い被写体を高い時間解像度で撮影できるほか、フレームレートは従来のままとした場合、1画素あたりの読み出し速度は従来のままにとどめても、従来の倍の画素数のCCDまで扱うことができる。すなわち、より画素数の多い、空間解像度の高い高精細画像を容易に得ることにもつながり、スミアSの抑制を含め、総合的に極めて高い画質を実現することができる。
【0105】
また、本実施の形態では、構造の複雑化を最小限に抑制し、製造コストなどコストの上昇を抑制できる。
【0106】
すなわち、チップ面積が倍になるフレームインターライントランスファ方式のCCDに較べて、チップ面積は従来のままなので、コストの上昇を抑制できるとともに、スミアSをより効果的に、ほぼ完全に除去できる。
【0107】
また、CCDを2個使用する構成に較べ、CCD10は1個であるため、単純にコストを低減でき、また、CCDを2個使用する構成で必要な多軸調整による画角合わせ、及び2個のCCDの特性差補償のための調整を不要にして、コストを削減できるとともに、2個目のCCDによる消費電力の増加を抑制でき、さらに、入射光を分割することによる感度の低下も防止できる。
【0108】
さらに、スミアSのない、高いフレームレートの動画像を得られるため、従来になく高速、高精度の自動露出制御や、オートフォーカスなどの機能動作を実現することも可能になる。
【0109】
なお、撮像装置1は、動画を撮影するデジタルビデオカメラについて説明したが、この構成に限られず、CCDを用いる機器に広く適用することができる。例えば、静止画を撮影可能なデジタルカメラについても、メカニカルシャッタなどを用いずに、スミアSを低減できる。
【0110】
また、高輝度部BSを原因とするスミアSの除去について説明したが、この構成に限られず、垂直転送路上の1点などに発生した障害により、この障害部分を超える信号電荷の転送に障害が生じている場合にも、この障害部分を除き、画像を取得することが可能になる。
【0111】
次に、CCD10の詳細な構造とともにCCD10の動作を説明する。
【0112】
なお、以下に詳細に説明するが、第1及び第2の実施の形態は、原色ベイヤー配列のインターレースCCDを用いたもの、第3及び第4の実施の形態は、原色ベイヤー配列のプログレッシブCCDを用いたもの、第5及び第6の実施の形態は、インターレース補色線順次CCDを用いたものである。そして、各実施の形態において、それぞれ全画素個別読み出しモード、間引き読み出しモード、加算読み出しモードを切り替え可能、あるいは、全画素個別読み出しモードと加算読み出しモードとを切り替え可能なものであるが、加算読み出しモードを実現する構成として、第1、第4、第6の実施の形態は、垂直転送を正方向のみに転送(正転送)するとともに、水平転送路における加算を行うものであり、第2、第3、第5の実施の形態は、垂直転送を正転送のみならず逆転方向に転送(逆転転送)するものである。
【0113】
以下、インターレースCCDを用いた第1及び第2の実施の形態に共通な構成を概説する。
【0114】
図1に示すように、CCD10の各画素eは、図3で説明した構成と同様に、多くが光の当たる感光画素e1であるが、各列の上下の端部に位置して、遮光構造により光の当たらない遮光画素(水平遮光ライン)e2が設けられている。なお、図1においては、説明を容易にするため、画素eの数を極端に少なく記載しているが、実際には、画素eの数は、例えば数万個から数百万個に設定される。さらに、画素eの数は、これらに限定されるものではなく、適宜設定される。
【0115】
さらに、いわゆるカラーベイヤー配列間引き対応インターライン型インターレーススキャンCCDであり、すなわちベイヤ方式(原色方式)である本実施の形態では、各画素eには、図1、図17及び図18に示すように、R(赤),G(緑),B(青)のカラーフィルタが備えられ、奇数列の縦列のカラーフィルタの組み合わせがRGRG…となり、Rが偶数番目、Gが奇数番目の水平ライン上にあり、偶数列の縦列のカラーフィルタの組み合わせがGBGB…で、Gが偶数番目、Bが奇数番目の水平ライン上にあり、さらに、本実施の形態では、縦2列で一つの群を構成し、Nを正の整数とすると、4N−3(CV1,CV5,…)列及び4N−2(CV2,CV6,…)列で構成される第1列群Iと、4N−1(CV3,CV7,…)列及び4N(CV4,CV8,…)列で構成される第2列群IIとが交互に配置されている。なお、図1及び図3において、r,g,bは、R,G,Bと同一の赤、緑、青のカラーフィルタであるが、第1列群Iと第2列群IIとを区別するために符号を区別して付している。
【0116】
また、このCCD10の配線部としてのゲート配線27は、各垂直転送路を構成するゲート電極28に接続される垂直転送路ゲート信号配線を備えている。そして、加算されるラインの数によらず、ゲート電極28(すなわち垂直転送路ゲート信号配線)は、4系統の電荷読出電極V1A,V1B,V3A,V3Bに、電荷読出動作を伴わない垂直転送専用ゲート電極V2,V4を加え、合計6系統の垂直転送電極V1A,V1B,V2,V3A,V3B,V4を備えており、本数の点では、通常のインターレースCCDと同様である。そして、各画素eに蓄積された信号電荷は、それぞれに隣接する垂直転送路CVの電荷読出電極にプラス電位の電荷読出電圧である信号電荷読出パルスが加わることで、垂直転送路CV側に読み出される。
【0117】
一方、ゲート電極28の配置は、従来の構成と異なり、第1列群Iと第2列群IIとで互いに異なり、これら第1列群Iと第2列群IIとで互いに反対方向に信号電荷を転送するように構成されている。すなわち、第1列群Iでは、ゲート電極28の配置は、図中上方から、V1A,V2,V3B,V4,V1B,V2,V3B,V4,V1B,V2,V3A,V4,V1B,V2,V3B,V4,V1B,V2,V3B,V4,…、となっているのに対し、第2列群IIでは、逆に、V1A,V4,V3B,V2,V1B,V4,V3B,V2,V1B,V4,V3A,V2,V1B,V4,V3B,V2,V1B,V4,V3B,V2,…、と配置されている。そこで、CCD駆動回路11からの駆動信号により、図1及び図3に矢印で示すように、第1列群I上の信号電荷を下部水平転送路CH1側(図中下方)に転送するようにゲート電極28に電圧を加えると、自動的に、第2列群II上の信号電荷は、上部水平転送路CH2側(図中上方)に転送される。また、矢印とは反対に、第1列群I上の信号電荷を上部水平転送路CH2側(図中上方)に転送するようにゲート電極28に電圧を加えると、自動的に、第2列群II上の信号電荷は、下部水平転送路CH1側(図中下方)に転送される。
【0118】
なお、ゲート電極28の配置は、画素のカラーフィルタ配列、及びインターレース処理かプログレッシブ処理かなどに応じて設定され、また、上記のように、縦2列で一つの群を構成し、これら列群毎に転送方向を反転する構成に限られず、各列群でカラーを再現するのに支障がなければ、適宜の配列を、例えば、3列毎や、任意の列毎、あるいは、2列3列の繰り返し(CV1,CV2,CV6,CV7,…、とCV3,CV4,CV5,CV8,CV9,CV10,…)などとすることもできる。
【0119】
そして、電荷読出電極V1A,V1B,V3A,V3Bを含む合計6系統の垂直転送電極V1A,V1B,V2,V3A,V3B,V4には、CCD駆動回路11から駆動信号が加えられるが、このCCD駆動回路11は、CPU21から駆動モード切替信号が入力され、この駆動モード切替信号により、CCD駆動回路11がCCD10の駆動動作モードを切り替えるようになっている。
【0120】
そして、本実施の形態では、間引き読み出しモード(第1の駆動)、加算読み出しモード(第2の駆動)、及び全画素個別読み出しモード(第3の駆動)が切り替えられるようになっている。
【0121】
次に、実際の信号読出動作について、全画素個別読み出しモードから説明する。
【0122】
まず、全画素eは、電子シャッタ動作により、不要な信号電荷がCCD10の基板部へ掃き捨てられて、図示しない光学系を介した露光に対して一斉に信号電荷の蓄積を開始する。そして、所定の露光時間が経過して露光が終了すると、図示しないメカニカルシャッタなどの遮光手段により各画素eへの光路が遮断され、各画素eは、以後全信号電荷が読み出し終わるまで暗黒状態で保持される。
【0123】
次に、図19及び図20を参照して電荷読出及び垂直転送の状態を説明する。これら図19及び図20は、図17の一番左端の縦列(第1列群IのRG列)における電荷読出と垂直転送の様子すなわち垂直転送波形とポテンシャルについて説明しているが、以下の説明において、第1列群Iにおいては、同様の動作が行われるとともに、第2列群IIについては、反対方向すなわち上側に向かう動作が行われている。また、これら図19及び図20において、V1A〜V4を付した波形は、各垂直転送路ゲート信号の電圧波形を示し、この電圧波形に直交する方向に示すA〜Gを付した波形は垂直転送路のポテンシャルを示している。また、図中、29は電荷読出パルス、30は読み出された信号電荷である。まず、初期状態として、各垂直転送路ゲート信号及びポテンシャル状態がそれぞれ図19のAに示す状態から、図19のBに示すように、V3A,V3Bに電荷読出パルス29を加える。すると、図19のCに示すように、偶数ライン上の全ての信号電荷が垂直転送路CVへ読み出される。次いで、V1A〜V4に所定の電圧を加えて、図19のD〜Gに示すように、読み出した信号電荷30を1段垂直転送し、最下部のラインの信号電荷を図示しない水平転送路CHに転送する。この後、水平転送により1ラインの信号電荷(画素電荷)を全て読み出す。次いで、1段垂直転送、水平転送を繰り返し偶数ラインの信号電荷を個別に全て読み出し、CCD10の外部に出力して第1フィールドの読み出しを終了する。
【0124】
続いて、図20のAに示す各垂直転送路ゲート信号及びポテンシャル状態から、図20のBに示すように、V1A,V1Bに電荷読出パルス29を加える。すると、図20のCに示すように、奇数ライン上の全ての信号電荷が垂直転送路へ読み出される。次いで、V1A〜V4に所定の電圧を加えて、図20のD〜Eに示すように、読み出した信号電荷30を1/2段垂直転送し、さらに、図20のF〜Iに示すように、読み出した信号電荷30を1段垂直転送し、最下部のラインの信号電荷を図示しない水平転送路に転送する。この後、水平転送により1ラインの信号電荷(画素電荷)を全て読み出す。次いで、1段垂直転送、水平転送を繰り返し奇数ラインの信号電荷を個別に全て読み出し、CCD10の外部に出力して第2フィールドの読み出しを終了する。
【0125】
このようにして、2フィールドにわたりCCD10上の信号電荷を読み出すことにより、全画素個別読み出しモードの読み出し動作が完了する。図21に模式的に示すように、この全画素個別読み出しモードの動作は、外部遮光手段との併用により、2フィールドを使って全画素を個別に読み出すモードであり、1コマが偶数ラインと奇数ラインとで2分割されていることと、機械シャッタなどの物理的遮光手段の動作が伴うことに加え、非常に遅いフレームレートとなることから、動画像には向かないものの、いわゆる多画素CCDの全画素を全て独立で読み出すため、静止画としては高精細の画像を得ることができる。
【0126】
次に、本実施の形態のCCD10を用いて行われる1/5間引きモード、すなわち、4/5ラインを間引いて1/5ラインを読み出す間引き読み出しモードを説明する。
【0127】
この1/5間引きモードは、主に動画の撮影に用いられ、選択されるカラーフィルタの組み合わせ方が考慮されており、1フィールドでRGB全てのカラーフィルタ信号が揃うように配慮されている。そして、1度の露光、読み出しでRGBが1フィールド内に揃うので、信号電荷の読み出し時にメカニカルシャッタなどの遮光手段による遮光動作を伴う必要もない。そして、このモードでは、V1A,V3Aのみに電荷読出パルスが与えられるので、これらV1A,V3Aに接続されないその他のフォトダイオードすなわち画素eの読み出しは行われない。すなわち、このCCD10は、V1Aが10画素(ライン)ごとに1個(5の倍数の奇数ライン番号のG及びBの画素)、V3Aが10画素(ライン)ごとに1個(10の倍数の水平ライン番号のR及びBの画素)接続されているので、これらV1A,V3Aに隣接する一部の画素(図17に網掛けで示すR0,G5,R10,G15,…,G0,B5,G10,B15,…,r0,g5,r10,g15,…,g0,b5,g10,b15,…)のみから選択的に信号電荷を読み出せるようにゲート電極28が配置されており、多画素CCDであっても、画素(ライン)の間引き読み出しを行うことにより、高いフレームレートが実現できるようになっている。
【0128】
この間引き読み出しモードは、概略としては、垂直転送路電極への電圧印加操作を行い、信号電荷の垂直転送路への読み出しを行い、以後、3段垂直転送、水平転送、2段垂直転送、水平転送を繰り返すことにより、全水平ラインの1/5、すなわち、全画素の1/5のみを選択的に読み出すことで1/5間引き読み出しが容易に実現できるようになっている。この間引き読み出しモードでは、全画素を個別に読み出す場合の5倍という高いフレームレートを特徴とし、一般的に、動画の撮影、表示に用いられる。また、この間引き読み出しモードは、静止画などの撮影時に、撮像装置1の使用者が、レリーズボタンを押動操作してから本撮影が行われる間での間に、例えば、被写体輝度測定、被写体距離測定などの予備測定用画像を高速に獲得する手段としても用いられる。
【0129】
以下、この読出動作を図22を参照して説明する。図22は、図17の一番左端の縦列(第1列群IのRG列)における電荷読出と垂直転送の様子について説明しているが、以下の説明において、第1列群Iにおいては、同様の動作が行われるとともに、第2列群IIについては、反対方向すなわち上側に向かう動作が行われている。さらに、この転送方向は、上記のように1画面としての1フィールド毎に反転され、スミアの除去が行われる。また、この図22において、29aは、V3Aに加えられる電荷読出パルス、29bは、V1Aに加えられる電荷読出パルス、30aは、選択されて読み出されたRGラインの信号電荷、30bは、同じく選択されて読み出されたGBラインの信号電荷である。
【0130】
まず、初期状態として、各垂直転送路ゲート信号及びポテンシャル状態がそれぞれ図22のAに示す状態から、図22のBに示すように、V3Aに電荷読出パルス29aを加える。すると、図22のCに示すように、RO、RlO、R20…、と10ラインおきにRの画素を含むラインの信号電荷30aが垂直転送路へ読み出される。次いで、V1A〜V4に所定の電圧を加えて、図22のD〜Eに示すように、読み出した信号電荷30aを1/2段垂直転送し、さらに、図22のFに示すように、V1Aに電荷読出パルスを加える。すると、図22のGに示すように、G5、G15…、B5、B15…と、同様に10ラインおきにGの画素を含むラインの信号電荷30bが垂直転送路へ読み出される。この状態では、垂直転送路の電荷保持部5段の内、2段分にのみ信号電荷30a,30bが存在し、残りは空である。従って、この後は、垂直転送路3段転送後、水平転送、水平転送終了後、垂直転送路2段転送後、水平転送…の繰り返しで水平転送路へと順次垂直転送路上を信号電荷が転送されて行く。
【0131】
図23に模式的に示すように、この動画モードの動作では、フレームレートは全画素個別読み出しモードの5倍の速度となるが、ラインを大幅に間引いているので、当然ながらこの動画モードにより得られた画像の垂直方向の空間周波数再現性は著しく悪化している。
【0132】
次に、加算読み出しモードについて説明する。
【0133】
この加算読み出しモードは、動画モード、同色5ライン足し合わせ全画素読出モード、あるいは同色加算全画素読み出しモードとも呼びうるもので、CCD10は、各垂直転送路に沿って縦1列にある2色のカラーフィルタ画素のうち、先に一方の同色の信号電荷を全て垂直転送路へ読み出した後、複数系統ある電荷読出電極のうち、特定の系統の電荷読出電極に電荷読出電圧を印加したまま、垂直転送を行うことにより、この垂直転送路上で同色同士のライン加算を行う。さらに、垂直転送と、複数ある電荷読出電極による選択的な読出とを組み合わせて、先に読み出され垂直転送路上で加算されている信号電荷と、後に読み出す別の色のもう一方のラインの信号電荷との混色を回避させながら、もう一方のカラーフィルタ画素を含むラインの画素を垂直転送路に読み出して、1色目と同様に特定の電荷読出電極に電荷読出電圧を加えたまま垂直転送を行うことにより、あるいは、第2の転送路としての水平転送路上でのライン加算動作を組み合わせることにより、後から読み出された同色同士のライン加算を行い、結果として、同色同士を複数ラインで加算して全画素読出を行い、フレームレートを向上しつつ、垂直空間周波数再現性の向上、画素感度の向上といった動画の著しい画質向上などを実現でき、さらに、各種CCDにも適用可能であるとともに、構造の複雑化を抑制して製造コストの上昇を抑制できるものである。
【0134】
すなわち、多画素CCDで、垂直転送路へ電荷読出後に特定の読出電極に電圧印加状態のまま垂直転送を行うことで画素電荷混合を行い、高速高画質動画像を得ることができ、さらに、動画像の画質向上などを読み出しの手法のみで実現でき、動画の撮影、表示や本撮影前の予備測定に最適である。
【0135】
そして、電荷読出電極V1Aが5の倍数の奇数ライン番号のGの画素の電荷読出電極、V1Bが残りのGの画素すなわち残りの奇数番目の水平ラインの電荷読出電極、V3Aが10の倍数の水平ライン番号のRの画素の電荷読出電極、V3Bが残りのRの画素すなわち残りの偶数番目の水平ラインの電荷読出電極であるとする。ちなみに、この場合、その1つ隣の縦列は、カラーフィルタの組み合わせがGBGB…で、Gが偶数番目、Bが奇数番目の水平ライン上にある。すなわち、V1Aは5の倍数のライン番号のBの画素、V3Aは10の倍数の水平ライン番号のGの画素の電荷読出電極になる。以下、ここでは、説明を簡略化するため、RGRGの縦列について、同色加算全画素読み出し動作を説明する。
【0136】
まず、V3AとV3Bに電荷読出電圧を加えて、第1の色としてのR画素の信号電荷、即ち偶数ラインの信号電荷を全て垂直転送路へ読み出す。その後、V3Bの電圧はもとに戻すが、V3Aには電荷読出電圧を加えたまま垂直転送を4段分行う。すると、10ライン毎(垂直転送路5段毎)に存在するV3Aの電極下ではポテンシャル井戸が深いままなので、この部分でV3Aの上方向に近接するR画素5画素分の信号電荷が同色同士で加算し、第1の加算電荷としてのRの5画素加算電荷(5R)を生成する。その後、このRの5画素加算電荷すなわち偶数ラインの5画素加算電荷を、混色を避ける為、V1A電極下へ垂直転送して一時待避させた後、V1Bにのみ電荷読出電圧を加えて、5の倍敷以外の第2の色としてのGの画素、即ち5の倍数以外の奇数ラインの信号電荷を垂直転送路へ読み出す。すると、これらGの画素の内、Rの5画素加算電荷の位置するV1A電極以外の場所の全ての信号電荷が読み出される。そして、1段垂直転送し、今度は、Rの5画素加算電荷をV1A電極から待避させ、V1Aに信号電荷読出電圧を加える。この結果、V1A電極下で、V1A電極のGの信号電荷と、その1つ上の既に読み出されていて1段転送されたGの信号電荷とが合計2画素分混合すなわち加算される。そして、同じくV1Aに電荷読出電圧を加えたまま、垂直転送を3段分行う。すると、10ライン毎(垂直転送路5段毎)に存在するV1Aの電極下ではポテンシャル井戸が深いままなので、この部分でV1Aの上方向に近接する残りのG画素3画素分が加算され、同色同士5画素が足し合わされて、第2の加算信号電荷としてのGの5画素加算電荷(5G)が生成される。
【0137】
この結果、垂直転送路には、5G、5R、空、空、空、5G、5R、空、空、空…の繰り返しで全画素が読み出された状態が作り出される。その後、垂直転送1段、水平転送、垂直転送5段、水平転送の繰り返しで外部へ信号を読み出すと、5倍のフレームレートで同色加算全画素読み出しが実現する。
【0138】
そして、図24及び図25に示すように、第1の実施の形態は、垂直転送路電極への電圧印加操作を行い、信号電荷の垂直転送路CVへの読み出しを行い、以後、1段垂直転送、水平転送、4段垂直転送、水平転送…を繰り返し、また、図30及び図31に示すように、第2の実施の形態は、垂直転送路電極への電圧印加操作を行い、信号電荷の垂直転送路への読み出しを行い、以後、4段垂直転送、水平転送、1段垂直転送、水平転送…を繰り返して、カラーフィルタ画素を混色させずに同色同士が5画素分加算されて、全画素分の信号電荷を、全画素を個別に読み出す場合の5倍のフレームレートで読み出すことを可能としている。このように、第1及び第2の実施の形態のいずれも、最終的には、上記の1/5の画素を選択した間引き読み出しモードに較べて、感度が5倍になったことと等価になり、かつ、上記の1/5の画素を選択した間引き読み出しモードとほぼ同様の出力形態で、同じフレームレートの画像信号を得ることができる。そして、この加算読み出しモードにおける駆動方法は、電荷読出パルス(図24における31a、図30における31a,32a)を出力したまま、垂直転送を行うことにより、垂直転送路上での複数画素の加算を行うことで実現されている。
【0139】
次いで、図24ないし図29を参照して、加算読み出しモードを実現する第1の実施の形態を説明する。
【0140】
そして、これら図24及び図25においては、図17の一番左端の縦列(第1列群IのRG列)における電荷読出と垂直転送の様子について説明しているが、以下の説明において、図18に示すように、第1列群Iにおいては、同様の動作が行われるとともに、第2列群IIについては、反対方向すなわち上側に向かう動作が行われている。さらに、この転送方向は、上記のように1画面としての1フィールド毎に反転され、スミアの除去が行われる。また、図24に示すV1A〜V4を付した各垂直転送路ゲート信号の電圧波形と、図25に示すV1A〜V4を付した各垂直転送路ゲート信号の電圧波形とは、同一のものである。一方、この電圧波形に直交する方向に示すA〜Tを付した垂直転送路のポテンシャル状況を示す波形は、図24が前半部分を示し、図25が後半部分を示している。
【0141】
まず、初期状態として、各垂直転送路ゲート信号及びポテンシャル状態がそれぞれ図24のAに示す状態から、図24のBに示すように、V3A,V3Bにそれぞれ電荷読出電圧としての電荷読出パルス31a,31bを与え、偶数ラインの信号電荷33のみを全て垂直転送路に読み出す。次に、図24のC〜Hに示すように、V3Bの電荷読出パルス31bの印加は停止するが、V3Aには電荷読出パルス31aを加えたまま、4段分正方向に垂直転送を行う。すると、垂直転送を行っても、10ラインおき、すなわち5段おきのV3Aの電極部分でポテンシャル井戸が深くなっているため、読み出された偶数ラインの信号電荷(画素電荷)は、V3A下の電荷保持部において、Rの画素の同色5画素分の信号電荷が混合すなわち加算される。そして、V3Aの電荷読出パルス31aの印加を停止した状態で、図24のI及び図25のIに示すように、1段あたりに5画素分の信号電荷が足し合わされた第1の加算電荷としての5画素混合電荷34が保持された状態となる。
【0142】
そして、この図24のI及び図25のIに示す状態から、V1A〜V4に所定の電圧を加えて、図25のJ〜Lに示すように、5画素混合電荷を水平転送路方向に2.5段分垂直転送し、V1A電極下に偶数ラインの5画素混合電荷を一時待避させる。この状態から、図25のMに示すように、V1Bに電荷読出パルス32bを与え、奇数ラインの信号電荷の4/5を読み出す。次いで、図25のNに示すように、このV1Bの電荷読出パルス32bの印加を停止した後、V1A〜V4に所定の電圧を加えて、図25のO〜Rに示すように、偶数ラインの5画素混合電荷34及び奇数ラインの4/5の信号電荷を、一段分、水平転送路に向かって垂直転送する。
【0143】
次いで、図25のSに示すように、V1Aに電荷読出パルス32aを与え、奇数ラインの残りの1/5ラインの電荷を垂直転送路へ読み出す。次いで、図25のTに示すように、V1Aの電荷読出パルス32aの印加を停止した後、この図25のTに示すV1Aの電極下では、奇数ラインのうち、隣接する2画素分が混合され、残りの奇数ラインの電荷保持部には1画素分の信号電荷が読み出され保持された状態となる。この状態で、5R,2G,G,G,G,5R,2G,G,G,G,…の繰り返しの形で、全画素の信号電荷が垂直転送路へ一部加算され読み出された状態になる。
【0144】
さらに、この後の垂直転送及び水平転送は図26ないし図28に示すように行われる。すなわち、図26(A)は、図25のTに示す垂直転送路の状態を示している。また、図26ないし図28の41は垂直転送路を示し、42は水平転送路を示している。そして、この図26(A)の段階では、上記の読み出し動作の過程の結果により、既に水平転送路42には、偶数ラインの5画素混合電荷(R0+R2+R4+R6+R8)34が存在している。そこで、図26(B)に示すように、この5画素混合電荷(R0+R2+R4+R6+R8)34を水平転送で読み出した後、図26(C)に示すように、水平転送を止めたまま垂直転送を行い、水平転送路で奇数ラインの加算すなわち画素混合を行う。また、この図26(C)に示す状態では、水平転送路上の信号電荷(G1+G3)は、画面の端部のため、足し合わせが足りず、不完全な混合画素数となっている。そこで、図27(D)に示すように、この電荷(G1+G3)を水平転送出力したのち、図27(E)に示すように、1段分垂直転送を行って、5画素が足し合わされた偶数ラインの5画素混合電荷(R10+R12+R14+R16+R18)34を水平転送路へ転送する。
【0145】
そして、図27(F)に示すように、この5画素混合電荷(R10+R12+R14+R16+R18)34を水平転送により出力する。次いで、図28(G)に示すように、1段分垂直転送を行って、奇数ラインの2画素を足し合わせた信号電荷(G5+G7)を水平転送路へ転送する。次いで、図28(H〜I)に示すように、水平転送を行わないうちに、引き続き3段分の垂直転送を行い、水平転送路上で奇数ラインの加算を行い、第2の加算電荷としての5画素加算信号電荷である5画素混合電荷(G5+G7+G9+G11+G13)44を生成する。
【0146】
そして、この信号電荷を水平転送で出力した後は、上記と同様に、1段垂直転送、水平転送、4段垂直転送、水平転送…との動作を繰り返し、画像信号を外部へ読み出す。このように、垂直転送路41に全画素が一部加算されて読み出された後は、垂直転送路41を1段、4段の繰り返しで転送動作させることにより、結果として、静止画の5倍のフレームレートで全画素信号を読み出すことができる。
【0147】
そして、図29は、この加算読み出しモードにより、最終的に足し合わされて読み出された画素の組み合わせを模式的に示している。
【0148】
なお、信号電荷の本来の配列は、G1〜3→R0〜8→G5〜13→R10〜18→G15〜23→R20〜28…となるべきところ、この図29から分かるように、この第1の実施の形態では、R0〜8→G1〜3→R10〜18→G5〜13→R20〜28→G15〜23…との順で5画素混合電荷である加算信号が出され、偶数ラインと奇数ラインとの位置関係が逆転しており、入力ライン順の偶数奇数を入れ替える操作が必要になる。そして、このような現象は、この実施の形態に示すCCD10の後段に配置される画像処理などを司るCCD10外部の構成要素により、例えば、1ライン分の画像データを記録できる処理装置としてのラインバッファを設け、あるいは、メモリ19を利用して、先に出力されたライン信号を一時保持し、次のライン信号を先に通過させ、偶数ラインと奇数ラインとの信号を入れ替える処理などを行うことで、補償することができる。
【0149】
このように、本実施の形態によれば、インターレースCCDでは、ほとんどのカラーフィルタ配列において、電荷読出の手法を変更するだけで、いわば高フレームレート同色加算全画素読み出しを実現できる。この結果、コストが上昇することなく、あるいはコストの上昇を抑制しつつ、動画像の画質を著しく向上できるとともに、加算読み出しによる高感度化効果に伴い、動画の撮影条件を、特に暗いシーンなどで大きく広げることができる。また、CCDの画素数の増加に伴い、ラインの加算数が増加しても、垂直転送電極の数は変わらず、コストの上昇を抑制できる。
【0150】
また、本実施の形態では、垂直転送路において、信号電荷を水平転送路方向である正方向のみに転送すれば良く、逆転転送する必要がないため、逆転転送の転送効率が著しく低下したCCDについても対応でき、汎用性を向上できる。
【0151】
次に、第2の実施の形態について説明する。なお、この第2の実施の形態のCCD10の内部構成及びCCD10の駆動を含む基本動作は、上記の第1の実施の形態と全く同様である。そして、この実施の形態では、同色5ライン足し合わせ全画素読出駆動において、第1の実施の形態で必要となったCCD10外部の構成要素によるライン入れ替え処理を、CCD10の駆動手法を工夫することにより不要とすることができるものである。
【0152】
以下、第2の実施の形態による加算読み出しモード(同色5ライン足し合わせ全画素読出モード)について、図30及び図31を参照して説明する。これら図30及び図31においては、図17の一番左端の縦列(第1列群IのRG列)における電荷読出と垂直転送の様子について説明しているが、以下の説明において、図18に示すように、第1列群Iにおいては、同様の動作が行われるとともに、第2列群IIについては、反対方向すなわち上側に向かう動作が行われている。さらに、この転送方向は、上記のように1画面としての1フィールド毎に反転され、スミアの除去が行われる。
【0153】
また、図30に示すV1A〜V4を付した各垂直転送路ゲート信号の電圧波形と、図31に示すV1A〜V4を付した各垂直転送路ゲート信号の電圧波形とは、同一のものである。一方、この電圧波形に直交する方向に示すA〜Sを付した垂直転送路のポテンシャル状況を示す波形は、図30が前半部分を示し、図31が後半部分を示している。
【0154】
まず、初期状態として、各垂直転送路ゲート信号及びポテンシャル状態がそれぞれ図30のAに示す状態から、図30のBに示すように、V3A,V3Bにそれぞれ電荷読出パルス31a,31bを与え、偶数ラインの信号電荷のみを全て垂直転送路に読み出す。次に、図30のC〜Hに示すように、V3Bの電荷読出パルス31bの印加は停止するが、V3Aには電荷読出パルス31aを加えたまま、4段分正方向に垂直転送を行う。すると、垂直転送を行っても、10ラインおき、すなわち5段おきのV3Aの電極部分でポテンシャル井戸が深くなっているため、読み出された偶数ラインの信号電荷(画素電荷)は、V3A下の電荷保持部において、Rの画素の同色5画素分の信号電荷が混合すなわち加算される。そして、V3Aの電荷読出パルス31aの印加を停止した状態で、図30のI及び図31のIに示すように、1段あたりに5画素分の信号電荷が足し合わされた5画素混合電荷34が保持された状態となる。
【0155】
そして、この図30のI及び図31のIに示す状態から、V1A〜V4に所定の電圧を加えて、図31のJ〜Kに示すように、5画素混合電荷34を水平転送路とは逆方向に2.5段分垂直転送、すなわち逆転転送し、V1A電極下に偶数ラインの5画素混合電荷34を一時待避させる。この状態から、図31のLに示すように、V1Bに電荷読出パルス32bを与え、奇数ラインの信号電荷の4/5を読み出す。次いで、図31のMに示すように、このV1Bの電荷読出パルス32bの印加を停止した後、V1A〜V4に所定の電圧を加えて、図31のN〜Oに示すように、偶数ラインの5画素混合電荷34及び奇数ラインの4/5の信号電荷を、一段分、正方向にすなわち水平転送路に向かって垂直転送する。
【0156】
次いで、図31のPに示すように、V1Aに電荷読出パルス32aを与え、奇数ラインの残りの1/5ラインの信号電荷を垂直転送路へ読み出す。すると、この図31のPに示すV1Aの電極下では、奇数ラインのうち、隣接する2画素分が混合され、残りの奇数ラインの電荷保持部には1画素分の信号電荷が読み出され保持された状態となる。この状態から、図31のQ〜Rに示すように、V1Aに電荷読出パルス32aを加えたまま、各信号電荷を正方向に3段分垂直転送する。すると、図31のRに示すように、V1Aの電極下の電荷保持部において、Gの画素同色5画素分の信号電荷が加算され、5画素混合電荷44が生成される。そして、V1Aの電荷読出パルス32aの印加を停止した後、図31のSに示すように、1段あたりに偶数ライン、奇数ラインそれぞれの信号電荷が同色同士で5画素分足し合わされた5画素混合電荷34,44が保持された状態となる。
【0157】
さらに、この後の垂直転送及び水平転送は図32ないし図34に示すように行われる。すなわち、図32(A)は、図31のSに示す垂直転送路の状態を示している。また、図32ないし図34の41は垂直転送路を示し、42は水平転送路を示している。図30及び図31に示す工程では、垂直転送路41で複数ラインを足し合わせているが、端部、例えば水平転送路42側である一番下側のライン43では、全ての有効画素の足し合わせはできず、不完全な画素混合状況が発生している。そこで、まず、このライン43の不完全な混合画素を垂直転送、水平転送で外部に読み出す。この後、図32(B)に示すように、最初の有効な5画素混合ラインを水平転送路に転送する。この5画素混合ラインの上部には、空の電荷保持部が3段分存在するため、ここで直ちに水平転送を行わず、図32(C)、図33(D)、及び図33(E)に示すように、3段分垂直転送を行う。即ち、最初の有効ラインを水平転送路に転送した分を含めると、水平転送を行う前に4段の垂直転送を行う。その後、図33(F)に示すように、水平転送を行って、最初の有効5画素混合ラインを読み出し、次に、図34(G)に示すように、1段分垂直転送を行って、次の有効5画素混合ラインを水平転送路に転送する。そして、今回は、図34(H)に示すように、直ぐ上に有効ラインが存在するため、直ちに水平転送を行い、図34(I)に示すように、1段分垂直転送を行う。
【0158】
そして、以後、4段垂直転送、水平転送、1段垂直転送、水平転送、…との動作を繰り返し、画像信号を外部へ読み出す。このように、垂直転送路で全画素が読み出され同色同士足し合わされた後は、垂直転送路は4段、1段の繰り返しで正方向に転送動作させることにより、結果として、静止画の5倍のフレームレートで全画素信号を読み出すことができる。
【0159】
なお、図35は、この加算読み出しモードにより、最終的に足し合わされて読み出された画素の組み合わせを模式的に示している。このように、本実施の形態では、電荷読出の過程で垂直転送の方向の反転である逆転転送の動作を行うことにより、ラインの読み出し順の補正が可能になり、外部構成要素などによるライン入れ替え処理の必要もなく、コストを低減することが容易になる。
【0160】
また、この第2の実施の形態では、偶数ラインのみならず奇数ラインも垂直転送路上でライン加算動作を完結させているが、第1の実施の形態と同様に、奇数ラインの加算動作は、垂直転送路上での加算と水平転送路上での加算とを組み合わせて実現することもできる。
【0161】
また、第1の実施の形態においても、奇数ラインの加算動作を、この第2の実施の形態のように、垂直転送路上で完結させることもできる。すなわち、本願で説明する各実施の形態において、奇数ラインの加算動作は、垂直転送路上で完結させてもよく、また、垂直転送路上での加算と水平転送路上での加算とを組み合わせて実現することができる。
【0162】
このように、加算読み出しは、原色ベイヤー配列に限られず、1つの縦ラインのカラーフィルタが2組以下であれば、どのようなフィルタ配列であっても適用可能であり、あらゆるカラーフィルタ配列のカラー単板、動画静止画兼用、間引き対応の多画素インターラインCCDにおいて、副次的な混色を回避させた複数ライン加算による高速全画素読み出しを、ライン加算数の増加とともに垂直転送電極数を増加させることなく、あらゆる数のライン加算において、同一最低限の垂直転送電極構成で実現できるものである。すなわち、第4の実施の形態に示すフィルタ配列など以外にも、現存するほとんど全てのフィルタ配列において適用可能である。また、同一色の画素同士の画素加算を行う際に、垂直転送路における逆点転送を行い、CCDから出力した後の処理を容易にする構成を採ることもでき、また、逆転転送の効率が悪いCCDなどにおいては、正方向のみに転送することもできるものである。
【0163】
なお、上記の原色ベイヤー配列のインターレースCCDについての第1及び第2の実施の形態の説明では、第1列群IのRG列について説明したが、第1列群IのGB列についても同様の加算が行われ、加算結果である加算電荷は同じ水平転送路Hを用いて画像信号が出力される。一方、第2列群IIのrg列及びgb列については、信号電荷は反対方向に転送しながら加算され、加算電荷は反対方向に転送される。ここで、第1列群Iの信号電荷と、第2列群IIの信号電荷とは、反対方向に転送しながら加算されるため、同一の水平ライン上に位置する画素eの信号電荷の組み合わせで加算電荷が構成されないとともに、各水平転送路H1,H2から出力されるタイミングも異なる。このように、信号電荷を加算するとともに垂直転送路の列毎に互いに反対方向に転送する構成では、CCD10より後段の画像処理あるいはCCD10自体の構成により、いわば、第1列群Iと第2列群IIとの加算電荷の重心位置補正(重心位置の整合処理)を行うことにより、より品質の高い画像を構成可能になる。
【0164】
そして、このような重心位置のずれは全ての列群で生じるが、例えば、R(r)の画素について着目し、左から1番目の縦列である第1列群IのRG列のRの加算電荷と、左から3番目の縦列である第2列群IIのrg列のrの加算電荷について説明すると、図36に示すように、破線で囲まれたR(r)の画素の信号電荷がそれぞれ加算される。ここで、同じ水平ライン上にある画素R10及びr10を含む加算電荷である第1列群Iの加算電荷2と第2列群IIの加算電荷2とを比較すると、第1列群Iの加算電荷2では、画素R14が重心位置となり、第2列群IIの加算電荷2では画素r6がそれぞれ重心位置となる。そして、画素R14と画素r6とは垂直方向に8画素分離れているため、これら第1列群Iと第2列群IIとから最終的に画像を再生する場合に、第1列群Iの加算電荷2と第2列群IIの加算電荷2とを同一水平ライン上の画素して扱うと、画像の品質が相対的に低下する。この点、第1列群Iの加算電荷1の重心位置は画素R4であり、第1列群Iの加算電荷2よりも相対的に第2列群IIの加算電荷2の重心位置の画素r6に近い。そこで、第1列群Iの加算電荷1と第2列群IIの加算電荷2とを同一の水平ライン上にある画素と見なして画像を再生することがより適切である。
【0165】
すなわち、一般化して表現すると、この加算電荷の重心位置補正の第1の構成によれば、第1列群Iの加算電荷〔n〕と、第2列群IIの加算電荷〔n+1〕とを同一水平ラインとして処理することにより、簡略に画像の品質を向上できる。
【0166】
また、第1列群Iと第2列群IIとの加算電荷重心位置補正については、上記の第1の構成の他、他の構成を採ることもできる。
【0167】
例えば、第2の構成としては、同じく図36に示すように、第1列群Iの加算電荷2の垂直重心位置の画素R14に対応する第2列群IIのr14に垂直重心をもつ加算電荷を、第2列群IIの加算電荷2及び3から求めることにより、より正確に加算電荷の重心位置補正を行い、画像の品質を向上できる。
【0168】
すなわち、第1の構成に示すように、第2列群IIの加算電荷2の重心位置の画素r6は、第1列群Iの加算電荷2の重心位置の画素R14から8画素分離れており、これを重心距離8と称する。これに対し、第2列群IIの加算電荷3の重心位置の画素r16は、画素R14から2画素分の距離にあり、重心距離は2である。以上から、第2列群IIの2個の重心距離による加重平均を以下の演算式により求め、この結果を第1列群Iの加算電荷2の重心位置すなわち同一水平ラインに対応する第2列群IIの仮想加算電荷2aとする。
【0169】
式: (第2列群IIの仮想加算電荷2a)=((2×第2列群IIの加算電荷3)+(8×第2列群IIの加算電荷2))/10
さらに、この式を、加算する画素数をkとして一般化すると、第1列群Iの加算電荷〔n〕の垂直位置に相当する第2列群IIの仮想加算電荷〔na〕は、
式: (第2列群IIの仮想加算電荷〔na〕)=((第2列群IIの加算電荷〔n+1〕)+((k−1)×第2列群IIの加算電荷〔n〕))/k
との演算式で求められる。
【0170】
なお、この式は、RG(rg)列のR及びrの画素に限られず、G及びgの画素についても適用でき、また、GB(gb)列の画素にも適用できる。
【0171】
また、上記の説明では、第1列群Iを基準として第2列群IIの仮想加算電荷を求めたが、第2列群IIを基準として、第1列群Iの仮想加算電荷を求めることもできる。
【0172】
また、上記の第1及び第2の構成は、第1列群Iを正転すなわち下部水平転送路H1に転送し、第2列群IIを逆転すなわち上部水平転送路H2に転送する際の状態を説明したが、転送方向を逆転、すなわち、第1列群Iを逆転し第2列群IIを正転する際の画素加算手法については、a)上記の動作を上下方向を逆転させて実行する他、b)信号電荷の加算は、第1列群Iを正転する際と全く同じ動作で実行し、加算が完了した後の各水平転送路への転送のみを逆転させることもできる。
【0173】
ここで、b)の動作の場合は、加算電荷を構成する信号電荷の組み合わせが正転時と逆転時とで同一であるため、加算電荷の重心位置補正の処理は、上記の第1及び第2の構成と同一の構成を実行できる。一方、a)の動作の場合は、加算電荷を構成する信号電荷の組み合わせが正転時と逆転時とで異なる。例えば、第1列群Iを逆転し第2列群IIを正転する際の第2列群IIの加算結果は、第1列群Iを正転し第2列群IIを逆転する際の第1列群Iの加算結果と同一の組み合わせになる。従って、例えば、第1列群Iの正転時を基準に重心位置補正を実行した場合、第1列群Iの逆転時には、第2列群IIを基準として第1列群Iの加算電荷から仮想加算電荷を求めるなどの重心位置補正を実行することができる。
【0174】
また、上記のb)の動作の場合は、ゲート電極28の配置を考慮することにより、図37に示すように、複雑な演算の必要なく、例えば、第1列群Iの加算電荷と第2列群IIの加算電荷とを同一水平ラインとして処理することにより、簡略に画像の品質を向上できる。さらに、ゲート電極28の配置を考慮することにより、重心位置補正の処理を不要にすることもできる。
【0175】
次に、第3及び第4の実施の形態である、間引き対応のプログレッシブスキャン方式CCD(プログレッシブCCD)を用いた構成について概説する。
【0176】
そして、プログレッシブCCDでは、図38に示すように、3相垂直転送構造の場合、通常の間引き対応では、電荷読出電極の数はV2A,V2Bの2系統で、垂直転送電極はV1,V2A,V2B,V3の合計4系統のところが、本構成を実現するために電荷読出電極がV2A,V2B,V2C,V2Dの4系統となり、垂直転送電極はこれら電荷読出電極にV1,V3を加えた合計6系統に増加させる必要があるが、どのような数のライン加算であっても、この系統の数が増えることはない。
【0177】
なお、4相垂直転送構造の場合、通常の間引き対応では電荷読出電極の数はV2A,V2Bの2系統で、垂直転送電極の合計はV1,V2A,V2B,V3,V4の合計5系統のところが、本構成を実現するために電荷読出電極がV1,V2A,V2B,V3の4系統となり垂直転送電極はこれら電荷読出電極にV1,V3,V4を加えた合計7系統に増加させる必要があるが、どのような数のライン加算であっても、この系統の数が増えることはない。
【0178】
すなわち、プログレッシブCCDの場合、電荷読出電極はV2A,V2B,V2C,V2Dの4系統を設ける。そして、ある縦列のカラーフィルタの組み合わせがRGRG…となり、Rが偶数番目、Gが奇数番目の水平ライン上にあり、電荷読出電極V2Aが10の倍数のライン番号のRの画素、V2Bが残りのR画素すなわち残りの偶数番目の水平ラインの電荷読出電極、V2Cが5の倍数の奇数ライン番号のGの画素、V2Dが残りのGの画素すなわち残りの偶数番目の水平ラインの電荷読出電極であるとする。
【0179】
まず、V2AとV2Bに電荷読出電圧を加えて、Rの画素すなわち偶数ラインの信号電荷を全て垂直転送路へ読み出す。その後、V2Bの電圧は元に戻すが、V2Aには電荷読出電圧を加えたまま垂直転送を8段分行う。すると、10ライン毎に存在するV2Aの電極下ではポテンシャル井戸が深いままなので、この部分でV2Aの上方向に近接するR画素5画素分の信号電荷が同色同士で足し合わされ、第1の加算電荷としてのRの5画素加算電荷(5R)が生成される。
【0180】
この後、このRの5画素加算電荷すなわち偶数ラインの5画素加算電荷を、4段水平転送路とは逆方向に転送し待避させた後、今度は、V2C,V2Dに電荷読出電圧を加えてGの画素すなわち奇数ラインの信号電荷を全て垂直転送路へ読み出す。偶数ラインの時と同様に、V2Dの電圧は元に戻すが、V2Cには電荷読出電圧を加えたまま、垂直転送を8段分行う。すると、V2Cの電極下でその上方向に近接するG画素5画素分の信号電荷が同色同士で足し合わされ、第2の加算電荷としてのGの5画素加算電荷(5G)が生成される。
【0181】
この結果、垂直転送路には、下側から順に、5G、5R、空、空、空、空、空、空、空、空、5G、5R、空、空…の状態で、全画素が読み出された状態が作り出される。そして、この以後は、1段垂直転送、水平転送、9段垂直転送、水平転送…の繰り返しで画素信号をCCDの外部へ読み出せば、5倍のフレームレートで、同色加算全画素読み出しを実現できる。
【0182】
次に、CCD10の第3の実施の形態を図38ないし図45を参照して説明する。この第3の実施の形態の構成は、第1の実施の形態の構成に準じ、構成図は図1と同一であるが、本実施の形態は、図38に内部構造を示すように、CCD10として、いわゆるカラーベイヤー配列の間引き対応のインターライン型プログレッシブスキャンCCDを適用したものである。
【0183】
すなわち、この第3の実施の形態においても、CCD10は、静止画、動画兼用を特徴とし、動画専用用途のCCDに較べて画素数が著しく多いため、静止画撮影時には全画素を順番に個別に読み出すが、動画撮影時には水平ラインを5画素同色同士を加算して読み出すようになっており、多画素であっても動画時のフレームレートを高く維持する工夫がされている。
【0184】
そして、このCCD10は、CCD駆動回路11により駆動され、画像信号を出力する。そして、CCD駆動回路11がCCD10に与える駆動信号には、後述する垂直転送路ゲート信号V1,V2A,V2B,V2C,V2D,V3、が含まれている。また、CCD駆動回路11には、駆動モード切替信号が入力され、この駆動モード切替信号により、CCD駆動回路11はCCD10の駆動動作モードを切り替える。
【0185】
また、CCD10は、光電変換手段としてのフォトダイオードを備えた画素eと、これら画素eに接続された垂直転送路CVと、これら垂直転送路CVにそれぞれ接続された垂直転送路のゲート配線27とを備えている。
【0186】
また、各画素eは、二次元的に所定のパターンで配列され、本実施の形態では、原色ベイヤー配列すなわち原色方式であるベイヤ方式で、所定の縦列のカラーフィルタの組み合わせがRGRG…となり、Rが偶数番目、Gが奇数番目の水平ライン上にあり、この縦列に隣接する縦列のカラーフィルタの組み合わせがGBGB…で、Gが偶数番目、Bが奇数番目の水平ライン上にある。
【0187】
そして、各画素eに蓄積された信号電荷は、それぞれに隣接するゲート電極28にプラス電位の電荷読出電圧である電荷読出パルスが加わることで、垂直転送路CV側に読み出される。そして、CCD10のこのような電荷読出動作を伴うゲート電極28の組み合わせは、V2A,V2B,V2C,V2Dの4系統であり、これら4系統の電極に、電荷読出動作を伴わない垂直転送専用ゲート電極V1,V3を加え、合計6系統のゲート電極28が存在し、それぞれ垂直転送路ゲート信号配線27に接続されている。
【0188】
なお、本実施の形態のCCD10は一例として5ライン加算の構成を示しているにすぎず、実際には、V2A,V2Cに相当する電極をカラーフィルタを考慮しつつ何ラインごとに配置するかで、様々なライン加算数のCCDを実現することも可能である。本実施の形態では、ライン加算数がどのように増加しても、ゲート電極28の数が増えることはなく、コストを抑制することができる。
【0189】
次に、実際の信号読出動作について、全画素個別読み出しモードから説明する。
【0190】
まず、全画素eは、電子シャッタ動作により、不要な信号電荷がCCD10の基板部へ掃き捨てられて、光学系を介した露光に対して一斉に信号電荷の蓄積を開始する。そして、所定の露光時間が経過して露光が終了すると、全画素eの信号電荷が垂直転送路CVへと読み出される。
【0191】
次に、図40を参照して、電荷読出及び垂直転送の状態について説明する。図40は、図38の一番左端の縦列(第1列群IのRG列)における電荷読出と垂直転送の様子について説明しているが、以下の説明において、図39に示すように、第1列群Iにおいては、同様の動作が行われるとともに、第2列群IIについては、反対方向すなわち上側に向かう動作が行われている。さらに、この転送方向は、上記のように1画面としての1フィールド毎に反転され、スミアの除去が行われる。
【0192】
また、この図40において、V1〜V3を付した波形は、各垂直転送路ゲート信号の電圧波形を示し、この電圧波形に直交する方向に示すA〜Iを付した波形は垂直転送路のポテンシャルを示している。また、図中、51a,51b,51c,51dは電荷読出パルス、52は読み出された信号電荷である。まず、初期状態として、各垂直転送路ゲート信号及びポテンシャル状態がそれぞれ図40のAに示す状態から、図40のBに示すように、V2A,V2B,V2C,V2Dに電荷読出パルス51a,51b,51c,51dを加える。すると、図40のCに示すように、全ての信号電荷52が垂直転送路へ読み出される。次いで、V1A〜V4に所定の電圧を加えて、図40のD〜Iに示すように、読み出した信号電荷52を1段垂直転送し、最下部のラインの信号電荷を図示しない水平転送路に転送する。この後、水平転送により1ラインの信号電荷を全て読み出す。次いで、1段垂直転送、水平転送を繰り返し、水平ラインの信号電荷を先頭から順番に1ラインずつ個別に全て読み出し、CCD10の外部に出力することにより、全画素個別読み出しモードの読み出しを終了する。すなわち、全画素個別読み出しモードは、1フレームで全画素を先頭から順番に個別に読み出すモードであり、1コマの画素数が非常に多くなるため、非常に遅いフレームレートとなり、動画には向かないものの、多画素CCDの全画素を全て独立で読み出すため、静止画としては申し分のない高精細の画像を得ることができる。
【0193】
次に、本実施の形態による加算読み出しモードについて、図41及び図42を参照して説明する。
【0194】
これら図41及び図42においては、図38の一番左端の縦列(第1列群IのRG列)における電荷読出と垂直転送の様子について説明しているが、以下の説明において、図39に示すように、第1列群Iにおいては、同様の動作が行われるとともに、第2列群IIについては、反対方向すなわち上側に向かう動作が行われている。さらに、この転送方向は、上記のように1画面としての1フィールド毎に反転され、スミアの除去が行われる。
【0195】
また、図41に示すV1〜V3を付した各垂直転送路ゲート信号の電圧波形と、図42に示すV1〜V3を付した各垂直転送路ゲート信号の電圧波形とは、同一のものである。一方、この電圧波形に直交する方向に示すA〜Yを付した垂直転送路のポテンシャル状況を示す波形は、図41が前半部分を示し、図42が後半部分を示している。
【0196】
まず、初期状態として、各垂直転送路ゲート信号及びポテンシャル状態がそれぞれ図41のAに示す状態から、図41のBに示すように、V2A,V2Bにそれぞれ電荷読出パルス51a,51bを与え、偶数ラインの信号電荷52のみを全て垂直転送路に読み出す。次に、図41のC〜Kに示すように、V2Bの電荷読出パルス51bの印加は停止するが、V2Aには電荷読出パルス51aを加えたまま、8段分正方向に垂直転送を行う。すると、垂直転送を行っても、10段おきのV2Aの電極部分でポテンシャル井戸が深くなっているため、読み出された偶数ラインの信号電荷(画素電荷)は、V2A下の電荷保持部において、Rの画素の同色5画素分の信号電荷が混合すなわち加算される。そして、V2Aの電荷読出パルス51aの印加を停止した状態で、図41のL及び図42のLに示すように、1段あたりに5画素分の信号電荷が足し合わされた5画素混合電荷54が保持された状態となる。
【0197】
そして、この図42のLに示す状態から、V1〜V3に所定の電圧を加えて、図42のM〜Rに示すように、5画素混合電荷54を水平転送路方向の反対方向に4段分垂直転送すなわち逆転転送し、V2B電極下に5画素混合電荷54を一時待避させる。この状態から、図42のSに示すように、V2C,V2Dに電荷読出パルス51c,51dを与え、奇数ラインの信号電荷を垂直転送路に読み出す。次いで、図42のT〜Xに示すように、V2Cの電荷読出パルス51cを加えたまま、V2Dの電荷読出パルス51dの印加は停止した状態で、V1〜V3に所定の電圧を加えて、垂直転送路の各信号電荷52を水平転送路に向かって正方向に8段分垂直転送する。すると、垂直転送をおこなっても、10段おきのV2Cの電極部分でポテンシャル井戸が深くなっているため、読み出された奇数ラインの信号電荷は、V2C下の電荷保持部において、Gの画素の同色5画素分の信号電荷が混合すなわち加算される。そして、V2Cの電荷読出パルス51cの印加を停止した状態で、図42のYに示すように、1段あたりに5画素分の信号電荷が足し合わされた5画素混合電荷55が保持された状態となる。そして、この図42のYに示す状態では、図43(A)にも示すように、奇数ラインの5画素混合電荷55のすぐ上に、先に読み出され混合されていた偶数ラインの5画素混合電荷54が存在している。そこで、図43(B)及び(C)に示すように、最初の5画素混合電荷55を水平転送路に読み出し出力した後は、図44(D)ないし図45(I)に示すように、1段垂直転送、水平転送、9段垂直転送、水平転送、…の繰り返しで、同色の5画素混合電荷54,55を読み出すことができる。
【0198】
なお、この実施の形態では、原色ベイヤー配列を例にあげて説明したが、これに限られず、1つの縦ラインのカラーフィルタが2組以下であれば、どのようなフィルタ配列であっても適用可能である。すなわち、第4の実施の形態に示すフィルタ配列以外にも、現存するほとんど全てのフィルタ配列において適用可能である。
【0199】
すなわち、この実施の形態のように、プログレッシブCCDでは、読み出し電極を4系統とすることにより、あらゆるカラーフィルタ配列で上記と同様の効果を得ることができる。また、この構成では、通常の構成に較べ、垂直転送電極の数が2系統増加するが、CCDの画素数の増加に伴いラインの加算数が増加しても、垂直転送電極の数はこれ以上増加せず、コストの上昇を抑制できる。
【0200】
また、この実施の形態では、垂直転送路上で偶数ラインの5画素混合電荷を生成した後に、第2の実施の形態で示した手法により、すなわち、垂直転送路で逆転転送を行い、CCD10の内部で出力ライン順の偶数奇数逆転を補償しているが、次に示す第4の実施の形態のように、第1の実施の形態と同様に、正方向の垂直転送のみで全ての画素混合を実現し、画像処理などを司るCCD外部の構成要素によりライン順を補償することもできる。さらに、この実施の形態においても、第2の実施の形態と同様に、奇数ライン側の画素混合は、水平転送路上で行うこともできる。
【0201】
次に、本発明の第4の実施の形態を図46ないし図50を参照して説明する。
【0202】
なお、この第4の実施の形態のCCD10の内部構成及びCCD10の駆動を含む基本動作は、図38に示す第3の実施の形態と同様であり、全画素個別読み出しモードの動作の説明は省略する。そして、この実施の形態は、垂直転送路において、信号電荷を水平転送路方向である正方向のみに転送すれば良く、逆転転送する必要がないため、逆転転送の転送効率が著しく低下したCCDについても対応でき、汎用性を向上できるとともに、水平転送路での加算を取り入れることにより、読み出し動作に要する時間を第3の実施の形態に較べて若干短くすることができる。
【0203】
次に、本実施の形態による動画モード、すなわち加算読み出しモードについて、図46及び図47を参照して説明する。
【0204】
これら図46及び図47においては、図38の一番左端の縦列(第1列群IのRG列)における電荷読出と垂直転送の様子について説明しているが、以下の説明において、図39に示すように、第1列群Iにおいては、同様の動作が行われるとともに、第2列群IIについては、反対方向すなわち上側に向かう動作が行われている。さらに、この転送方向は、上記のように1画面としての1フィールド毎に反転され、スミアの除去が行われる。
【0205】
また、図46に示すV1〜V3を付した各垂直転送路ゲート信号の電圧波形と、図47に示すV1〜V3を付した各垂直転送路ゲート信号の電圧波形とは、同一のものである。一方、この電圧波形に直交する方向に示すA〜Uを付した垂直転送路のポテンシャル状況を示す波形は、図46が前半部分を示し、図47が後半部分を示している。
【0206】
まず、初期状態として、各垂直転送路ゲート信号及びポテンシャル状態がそれぞれ図46のAに示す状態から、図46のBに示すように、V2A,V2Bにそれぞれ電荷読出パルス51a,51bを与え、偶数ラインの信号電荷52のみを全て垂直転送路に読み出す。次に、図46のC〜Kに示すように、V2Bの電荷読出パルス51bの印加は停止するが、V2Aには電荷読出パルス51aを加えたまま、8段分正方向に垂直転送を行う。すると、垂直転送を行っても、10段おきのV2Aの電極部分でポテンシャル井戸が深くなっているため、読み出された偶数ラインの信号電荷(画素電荷)は、V2A下の電荷保持部において、Rの画素の同色5画素分の信号電荷が混合すなわち加算される。そして、V2Aの電荷読出パルス51aの印加を停止した状態で、図46のL及び図47のLに示すように、1段あたりに5画素分の信号電荷が足し合わされた5画素混合電荷54が保持された状態となる。
【0207】
そして、この図47のLに示す状態から、V1〜V3に所定の電圧を加えて、図47のM〜Rに示すように、5画素混合電荷54を水平転送路方向すなわち正方向に6段分垂直転送し、V2B電極下に5画素混合電荷54を一時待避させる。この状態から、図47のSに示すように、V2C,V2Dに電荷読出パルス51c,51dを与え、奇数ラインの信号電荷を垂直転送路に読み出す。次いで、図47のTに示すように、これらV2C,V2Dの電荷読出パルス51c,51dの印加を停止する。この状態で、図47のUに示すように、最下段の一部を除き、5R,G,G,G,G,G,5R,G,G,G,G,G,…の繰り返しの形で、全画素の信号電荷が垂直転送路へ読み出された状態になる。
【0208】
さらに、この後の垂直転送及び水平転送は図48及び図49に示すように行われる。すなわち、図48(A)は、図47のUに示す垂直転送路の状態を示している。また、図48及び図49の61は垂直転送路を示し、62は水平転送路を示している。そして、この図48(A)の段階では、上記の読み出し動作の過程の結果により、既に水平転送路62には、偶数ラインの5画素混合電荷(R0+R2+R4+R6+R8)63が存在している。そこで、図48(B)に示すように、この5画素混合電荷(R0+R2+R4+R6+R8)63を水平転送で読み出した後、図48(C)に示すように、水平転送を止めたまま垂直転送を行い、水平転送路で奇数ラインの加算すなわち画素混合を行う。また、図48(C)に示す状態では、水平転送路上の信号電荷(G1+G3)は、画面の端部のため、足し合わせが足りず、不完全な混合画素数となっている。そこで、図49(D)に示すように、この信号電荷(G1+G3)を水平転送出力したのち、図49(E)に示すように、1段分垂直転送を行って、5画素が足し合わされた偶数ラインの5画素混合電荷(R10+R12+R14+R16+R18)63を水平転送路へ転送する。
【0209】
そして、図49(F)に示すように、この5画素混合電荷(R10+R12+R14+R16+R18)63を水平転送により出力する。次いで、図50(G)に示すように、1段分垂直転送を行って、信号電荷(G5)を水平転送路へ転送し、続いて、図50(H)に示すように、水平転送を行わないうちに、引き続き8段分の垂直転送を行い、水平転送路上で奇数ラインの加算を行い、第2の加算電荷としての5画素加算信号電荷である5画素混合電荷(G5+G7+G9+G11+G13)64を生成する。
【0210】
そして、図50(I)に示すように、この信号電荷を水平転送で出力した後は、上記と同様に、1段垂直転送、水平転送、9段垂直転送、水平転送…との動作を繰り返し、画像信号を外部へ読み出す。このように、垂直転送路61に全画素が一部加算されて読み出された後は、垂直転送路61を1段、9段の繰り返しで転送動作させることにより、結果として、静止画の5倍のフレームレートで全画素信号を読み出すことができる。
【0211】
なお、この第4の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、5画素混合電荷である加算信号について、信号電荷の配列が偶数ラインと奇数ラインとで位置関係が逆転している。そして、このような現象は、この実施の形態に示すCCD10の後段に配置される画像処理などを司るCCD10外部の構成要素により、例えば、1ライン分の画像データを記録できる処理装置としてのラインバッファを設け、先に出力されたライン信号を一時保持し、次のライン信号を先に通過させ、偶数ラインと奇数ラインとの信号を入れ替える処理などを行うことで、補償することができる。
【0212】
そして、この第3及び第4の実施の形態においても、第1及び第2の実施の形態と同様に、上記の第1及び第2の構成あるいはCCD10の配線の変更により、第1列群Iと第2列群IIとの加算電荷の重心位置補正(重心位置の整合処理)を実行することにより、より品質の高い画像を構成できる。また、第1列群Iの逆転時の処理についても、a)正転時の動作を上下方向を逆転させて実行する他、b)信号電荷の加算は、第1列群Iを正転する際と全く同じ動作で実行し、加算が完了した後の各水平転送路への転送のみを逆転させることもできる。
【0213】
次に、図51ないし図58に示す第5及び第6の実施の形態である、インターレース補色線順次を用いた構成について概説する。
【0214】
すなわち、図51ないし図58に示す第5及び第6の実施の形態のように、例えば、Ye(イエロー),Mg(マゼンダ),Cy(シアン),G(グリーン)のフィルタを用いる色差線順次方式(補色方式)のように、特定の意図的色混合(フィルタペア形成)を前提としたカラーフィルタ配列のカラー単板、動画静止画兼用、間引き対応の多画素インターラインCCDに適用することもできる。この多画素インターラインCCDでは、先に一方のフィルタペアを垂直転送路上に形成した後、特定の電荷読出電極に電荷読出電圧を加えたまま垂直転送をすることにより、複数の同色フィルタペアのライン加算を行い、次に、残されたラインによるカラーフィルタペアを、先のフィルタペアとの混色を回避させつつ垂直転送路へ読み出し形成し、再度特定の電荷読出電極に電荷読出電圧を加えたまま垂直転送をすることにより、複数の同色フィルタペア同士をライン加算して、結果として、同色複数フィルタペアのライン加算で全画素読出を行い、予め意図している後段の画像処理に支障を来すことなく、フレームレート向上、垂直空間周波数再現性向上、感度向上といった、動画像の著しい画質向上を実現できる。
【0215】
すなわち、ライン混合により輝度、色差信号を容易に生成できるカラーフィルタ配列のカラー単板、動画静止画兼用、間引き対応多画素インターライン・インターレーススキャンCCDにおいても、上記動作を応用して、後段の画像処理に影響を与えることなく、同色フィルタペア同士を複数加算して全画素読み出しを実現できる。
【0216】
次に、本発明の第5の実施の形態を図51ないし図55を参照して説明する。この第5の実施の形態の構成は、第1の実施の形態の構成に準じ、構成図は図1と同一であるが、本実施の形態では、図51に内部構造を示すように、CCDとして、いわゆる色差線順次方式(補色方式)の間引き対応のカラーのインターライン型インターレーススキャンCCDに適用したものである。
【0217】
すなわち、この第5の実施の形態では、CCD10は、静止画、動画兼用を特徴とし、動画専用用途のCCDに較べて画素数が著しく多いため、静止画撮影時には、メカニカルシャッタを併用することで、全画素を個別に読み出すが、動画撮影時には画素混合を行うことにより、全画素を静止画の4倍のフレームレートで読み出すことができる。また、このカラーフィルタ配列は、動画時には意図的に異なる色のフィルタ画素を混色させることにより、以後の画像処理を容易にすることができる。すなわち、上下に隣接する画素同士を足し合わせることにより、Ye+Mg,Ye+G,Cy+G,Cy+Mgの4通りのフィルタペア信号を取り出すことができる。そして、
(Ye+Mg)+(Cy+G)=2R+3G+2B≒輝度信号Y1
(Ye+G)+(Cy+Mg)=2R+3G+2B≒輝度信号Y2
(Cy+G)−(Ye+Mg)=G−2R ≒色差信号Cr
(Ye+G)−(Cy+Mg)=G−2B ≒色差信号Cb
のように、それぞれフィルタペア信号を加算あるいは減算することにより、輝度信号、色差信号の近似信号をごく容易に生成できる。このため、このようなカラーフィルタ配列は、一般的には、ムービー用途のカラーCCDフィルタ配列として普及定着している。
【0218】
そして、CCDは、図51に内部構造を示すように、光電変換手段としてのフォトダイオードを備えた画素eと、これら画素eに接続された垂直転送路CVと、これら垂直転送路CVにそれぞれ接続されたゲート配線27とを備えている。
【0219】
また、画素eは、それぞれ画素を構成し、二次元的に所定のパターンで配列され、本実施の形態では、上記のようにカラーフィルタの配列は色差線順次方式(補色方式)で、所定の縦列のカラーフィルタの組み合わせが、Ye,Mg,Ye,G…となり、Mg及びGが偶数番目の水平ライン上に位置している。そして、この縦列に隣接する縦列のカラーフィルタの組み合わせがCy,Mg,Cy,G…となり、Mg及びGが偶数番目の水平ライン上に位置している。
【0220】
そして、画素eに蓄積された信号電荷は、それぞれに隣接するゲート電極28にプラス電位の電荷読出電圧である電荷読出パルスが加わることで、垂直転送路CV側に読み出される。そして、CCD10のこのような電荷読出動作を伴うゲート電極28の組み合わせは、図51に示すように、V1A,V1B,V1C,V3A,V3B,V3Cの6系統であり、これら6系統の電極に、電荷読出動作を伴わない垂直転送専用ゲート電極V2,V4を加え、合計8系統のゲート電極28が存在し、それぞれ垂直転送路ゲート信号配線27に接続されている。
【0221】
なお、上記の実施の形態のCCDは一例として4ライン加算(同色フィルタペア2組加算)の場合を示しているが、実際には、V1A,V3Aに相当する電極をカラーフィルタを考慮しつつ何ライン毎に配置するかにより、様々なライン加算数のCCDを実現することができる。さらに、ライン加算数がどのように増加しても、ゲート電極28の数が増えることはない。
【0222】
そして、この実施の形態においては、信号読出動作は、第1の実施の形態同様に、静止画撮影時(全画素個別読み出しモード)では、1画面を偶数ラインと奇数ラインとの2フィールドに分けて、全画素を独立に読み出す。一方、動画撮影時(動画モード)では、上記のフィルタペアを、他のフィルタペアとの混色を避けつつ足し合わせて、全画素信号を4倍のフレームレートで高速に読み出す。
【0223】
なお、静止画撮影時の動作は、上記の各実施の形態と同様に全画素を独立に読み出すもので、説明を省略する。
【0224】
そして、動画撮影時など、同色フィルタペアを2組足し合わせて全画素を読み出すモードについて、以下、図53ないし図55を参照して電荷読出及び垂直転送の状態について説明する。すなわち、図53及び図54では、図51の一番左端の縦列(第1列群IのYe,Mg,Ye,G列)における電荷読出と垂直転送の様子について説明しているが、以下の説明において、図52に示すように、第1列群Iにおいては、同様の動作が行われるとともに、第2列群IIについては、反対方向すなわち上側に向かう動作が行われている。さらに、この転送方向は、上記のように1画面としての1フィールド毎に反転され、スミアの除去が行われる。また、図53に示すV1A〜V4を付した各垂直転送路ゲート信号の電圧波形と、図54に示すV1A〜V4を付した各垂直転送路ゲート信号の電圧波形とは、同一のものである。一方、この電圧波形に直交する方向に示すA〜Uを付した垂直転送路のポテンシャル状況を示す波形は、図53が前半部分を示し、図54が後半部分を示している。
【0225】
まず、初期状態として、各垂直転送路ゲート信号及びポテンシャル状態がそれぞれ図53のAに示す状態から、図53のBに示すように、V3Cのみに電荷読出パルス71を加え、Mg(マゼンダ)の存在するラインの信号電荷を全て垂直転送路に読み出す。次に、図53のCに示すように、V3Cの電荷読出パルスの印加を停止した状態で、V1A〜V4に所定の電圧を加えて、図53のC〜Eに示すように、水平転送路方向とは逆方向に1/2段分垂直転送、すなわち逆転転送する。次いで、図53のFに示すように、V1A,V1Bに電荷読出パルスを加える。すると、MgとYe(イエロー)との信号電荷が足し合わされて、フィルタペア信号Mg+Yeが形成される。次いで、図53のGに示すように、V1Aに電荷読出パルスを加えたまま、V1Bの電荷読出パルスの印加を停止した後、さらに、図53のH〜Jに示すように、2段分逆方向に垂直転送すなわち逆転転送を行う。すると、8ラインごとに存在するV1Aの電極下では、ポテンシャル井戸が深くなっているため、2組の同色のフィルタペア信号Mg+YeがV1A下の電荷保持部において混合される。すなわち、この電荷保持部では、4画素分の画素信号信号電荷が加算された状態になる。この後、図53のK及び図54のKに示すように、V1Aの電荷読出パルスの印加を停止すると、V1Aの電極下に、2組の同色のフィルタペア信号が加算され、保持された状態になる。さらに、この状態から、図54のLに示すように、V1Cに電荷読出パルスを加え、G(グリーン)の上側のYeの信号電荷を読み出す。次いで、図54のM〜Oに示すように、V1Cの電荷読出パルスの印加を停止し、水平転送路方向すなわち正方向に1/2段分垂直転送を行った後、図54のPに示すように、V3A,V3Bに電荷読出パルスを加える。すると、GとYeとの信号電荷が足し合わされて、フィルタペア信号G+Yeが形成される。さらに、この状態で、図54のQに示すように、V3Aに電荷読出パルスを加えたまま、V3Bの電荷読出パルスの印加を停止した後、さらに、図54のR〜Tに示すように、水平転送路方向すなわち正方向に2段分垂直転送を行う。すると、8ラインごとに存在するV3Aの電極下では、ポテンシャル井戸が深くなっているため、2組の同色のフィルタペア信号G+YeがV3A下の電荷保持部において混合される。すなわち、この電荷保持部では、4画素分の画素信号電荷が加算された状態になる。この後、図54のUに示すように、V3Aの電荷読出パルスの印加を停止すると、V3Aの電極下に、2組の同色のフィルタペア信号が加算され、保持された状態になる。
【0226】
この後、図55に読み出される画素の状況を示すように、まず、垂直転送路の信号電荷(G0+Ye1)+(G4+Ye5)を水平転送路に転送し、水平転送する。この後、3段分垂直転送して信号電荷(Mg2+Ye3)+(Mg6+Ye7)を水平転送路に読み出し、水平転送する。以後、同様に、一段分垂直転送、水平転送、3段分垂直転送、水平転送、…を繰り返し、静止画の4倍のフレームレートでライン混合された全画素電荷信号を読み出していくことができる。
【0227】
なお、この実施の形態では、垂直転送路で逆転転送を行うことで画素混合を実現しているが、以下に示す第6の実施の形態では、上記の各実施の形態と同様に、逆転転送を伴わなくとも、垂直転送路での正方向の転送のみで画素混合、この場合は同色フィルタペア信号同士の混合を実現でき、すなわち、正方向の垂直転送のみで全ての画素混合を実現し、画像処理などを司るCCD外部の構成要素によりライン順を補償できる。さらに、この実施の形態においても、第2の実施の形態と同様に、奇数ライン側の画素混合は、水平転送路上で行うこともできる。
【0228】
次に、本発明の第6の実施の形態を図56ないし図58を参照して説明する。
【0229】
そして、この第6の実施の形態のCCD10の内部構成及びCCD10の駆動を含む基本動作は、図51に示す第5の実施の形態と同様であり、全画素個別読み出しモードの動作の説明は省略する。そして、この実施の形態は、垂直転送路において、信号電荷を水平転送路方向である正方向のみに転送すれば良く、逆転転送する必要がないため、逆転転送の転送効率が著しく低下したCCDについても対応でき、汎用性を向上できるとともに、水平転送路での加算を取り入れることにより、読み出し動作に要する時間を第5の実施の形態に較べて若干短くすることができる。また、この6の実施の形態では、第5の実施の形態に対し、フィルタペア加算の組み合わせが変更されている。
【0230】
そして、動画撮影時など、同色フィルタペアを2組足し合わせて全画素を読み出すモードについて、以下、図56ないし図58を参照して電荷読出及び垂直転送の状態について説明する。すなわち、図56及び図57では、図51の一番左端の縦列(第1列群IのYe,Mg,Ye,G列)における電荷読出と垂直転送の様子について説明しているが、以下の説明において、図52に示すように、第1列群Iにおいては、同様の動作が行われるとともに、第2列群IIについては、反対方向すなわち上側に向かう動作が行われている。さらに、この転送方向は、上記のように1画面としての1フィールド毎に反転され、スミアの除去が行われる。また、図56に示すV1A〜V4を付した各垂直転送路ゲート信号の電圧波形と、図57に示すV1A〜V4を付した各垂直転送路ゲート信号の電圧波形とは、同一のものである。一方、この電圧波形に直交する方向に示すA〜Vを付した垂直転送路のポテンシャル状況を示す波形は、図56が前半部分を示し、図57が後半部分を示している。
【0231】
まず、初期状態として、各垂直転送路ゲート信号及びポテンシャル状態がそれぞれ図56のAに示す状態から、図56のBに示すように、V1Cのみに電荷読出パルス81を加え、Yeの1/2、すなわちGの上側のYeの信号電荷を垂直転送路に読み出す。次に、図56のCに示すように、V1Cの電荷読出パルスの印加を停止した状態で、V1A〜V4に所定の電圧を加えて、図56のC〜Dに示すように、水平転送路方向に1/2段分垂直転送する。次いで、図56のEに示すように、V3A,V3Bに電荷読出パルスを加える。すると、YeとGとの信号電荷が足し合わされて、フィルタペア信号G+Yeが形成される。次いで、図56のFに示すように、V3Aに電荷読出パルスを加えたまま、V3Bの電荷読出パルスの印加を停止した後、さらに、図56のG〜Iに示すように、2段分垂直転送を行う。すると、8ラインごとに存在するV3Aの電極下では、ポテンシャル井戸が深くなっているため、2組の同色のフィルタペア信号G+YeがV3A下の電荷保持部において混合される。すなわち、この電荷保持部では、4画素分の画素信号電荷が加算された状態になる。この後、図56のJ及び図57のJに示すように、V3Aの電荷読出パルスの印加を停止すると、V3Aの電極下に、2組の同色のフィルタペア信号が加算され、保持された状態になる。さらに、この状態から、図57のK〜Pに示すように、水平転送路方向すなわち正方向に1.5段分垂直転送を行い、V1C電極下にフィルタペア信号を一時待避させる。この状態から、図57のQに示すように、V1A,V1Bに電荷読出パルスを与え、Yeの1/2、すなわちMgの上側のYeの信号電荷を垂直転送路に読み出す。次いで、図57のRに示すように、これらV1A,V1Bの電荷読出パルスの印加を停止する。次いで、図57のS〜Tに示すように、1/2段分垂直転送を行う。そして、図57のUに示すように、V3Cに電荷読出パルスを加える。すると、YeにMgの信号電荷が足し合わされて、フィルタペア信号Mg+Yeが形成される。次いで、図57のVに示すように、V3Cの電荷読出パルスの印加を停止すると、V3Cの電極下に、Mg+Yeが保持された状態になる。
【0232】
この後、図58に読み出される画素の状況を示すように、まず、すでに水平転送路上にある信号電荷(G0+Ye1)+(G4+Ye5)を水平転送し出力した後、信号電荷(Mg2+Ye3)を垂直転送、水平転送で出力する。以後、1段垂直転送、水平転送、3段垂直転送、水平転送を繰り返し、静止画の4倍のフレームレートでライン混合された全画素電荷信号を読み出していくことができる。
【0233】
なお、この第6の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、5画素混合電荷である加算信号について、信号電荷の配列が偶数ラインと奇数ラインとで位置関係が逆転している。そして、このような現象は、この実施の形態に示すCCD10の後段に配置される画像処理などを司るCCD10外部の構成要素により、例えば、1ライン分の画像データを記録できる処理装置としてのラインバッファを設け、先に出力されたライン信号を一時保持し、次のライン信号を先に通過させ、偶数ラインと奇数ラインとの信号を入れ替える処理などを行うことで、補償することができる。
【0234】
また、上記の第5及び第6の実施の形態では、1例としてインターレースCCDについて説明したが、第1及び第2の実施の形態と第3の実施の形態との相関、及びこれら実施の形態の動作を考慮すれば、プログレッシブCCDについても容易に適用できることは明らかである。ちなみに、プログレッシブCCDの場合、垂直転送路ゲート電極(読み出し電極)28は、第3の実施の形態同様4系統で実現可能となる。
【0235】
このように、ムービーカメラなどで広く採用されている、ライン混合前提のフィルタ配列の場合は、読み出し電極が6系統必要になるが、効果は上記の各実施の形態と同様であり、同じくラインの加算数により対応でき、垂直転送電極の数は変わらず、コストの上昇を抑制できる。
【0236】
そして、この第5及び第5の実施の形態においても、第1及び第2の実施の形態と同様に、第1及び第2の構成あるいはCCD10の配線の変更により、第1列群Iと第2列群IIとの加算電荷の重心位置補正(重心位置の整合処理)を実行することにより、より品質の高い画像を構成できる。但し、第1列群Iの逆転時の処理については、カラーフィルタの配列の関係から、a)正転時の動作を上下方向を逆転させて実行する構成はできず、b)信号電荷の加算は、第1列群Iを正転する際と全く同じ動作で実行し、加算が完了した後の各水平転送路への転送のみを逆転させる構成を採ることになる。
【0237】
なお、上記の各実施の形態において、水平転送路を利用したいわば第2の加算は、垂直転送を正転送のみとした構成、あるいは、垂直転送が正転送のみならず逆転転送を含む構成のいずれとも組み合わせることができる。
【0238】
さらに、垂直転送を正転送のみとした構成についても、水平転送路を利用した加算を用いず、垂直転送路を用いて加算を完了することも可能である。なお、インターレース補色線順次CCDにおいて、正転送の垂直転送で加算を完了する構成については、第6の実施の形態の構成とは異なる電極配線が用いられる。
【0239】
また、上記の各実施の形態では、例えば5個の画素の信号電荷を加算して加算電荷としたが、この構成に限られず、垂直方向に連続しない2個以上の画素の信号電荷を加算すれば、フレームレートの向上、画質の向上などの効果を奏することができる。
【0240】
また、上記の実施の形態では、全画素の信号電荷を読み出して利用したが、有効画素から外れた一部の信号電荷を読み出さず、また、読み出した信号電荷を利用しないことなどもできる。
【0241】
なお、上記の各実施の形態のCCD10は一例を示しているにすぎず、実際にはV1A,V3Aに相当する電極をカラーフィルタを考慮しつつ何ラインごとに配置するかで、色々な間引き率に対応したCCDが存在している。ちなみに、上記の電極構成では容易に実現できない高度に複雑な読み出し動作を実現しようとして安易に電荷読出動作を伴うゲート電極28の組み合わせ数を増やすと、CCDの内部配線が複雑になるばかりでなく、増加したゲート配線27の数分だけ外部駆動回路が必要になり、コスト増、装置の大型化、消費電力の増加などの弊害をもたらす。
【0242】
また、CCD10の駆動方法である上記の各読み出しモードについては、自動に、あるいは手動操作により、切り替え、画質の向上などを図ることができる。
【0243】
例えば、動画撮影時あるいは低解像度の静止画の撮影時に、間引き読み出しモードと加算読み出しモードとを、被写体光量を判定条件として、撮像装置1自体が自動的に切り替えて撮影などを行うことができる。例えば、動画撮影の初期状態として、CPU21は、CCD10を高感度な加算読み出しモードで動作させるとともに、状況が明るくなり、CCD10の電子シャッタのシャッタスピードが一定値以上高速になった場合には、加算読み出しモードから間引き読み出しモードへと切り替え、スミアによる画像品位の劣化を低く抑えることができる。すなわち、撮影状況の明るさにより、撮影条件が暗い場合は、加算読み出しモード、明るい場合は、従来の間引き読み出しモードへ切り替えることにより、暗い場合には感度増による画質向上効果を、明るい場合にはスミアによる画像品位の劣化を抑制した少なくとも現状通りの画質を得ることができる。
【0244】
また、本撮影用のCCD10で測距や測光動作を兼用する構成では、静止画撮影あるいは動画撮影の本撮影の前の予備測定(予備撮影)として、間引き読み出しモードと加算読み出しモードとを相互に切り替えて用いることもできる。そして、この構成では、加算読み出しモードではCCD10の感度が実質的に向上する点を利用し、間引き読み出しモードでは正確な予備測定ができないような非常に暗い撮影条件においても、きわめて正確な予備測定を行うことができる。
【0245】
また、静止画撮影あるいは動画撮影の本撮影の前の予備測定(予備撮影)において、加算読み出しモードの高感度の利点を生かし、予備測定の動作時の垂直同期信号周期を例えば半分に減して設定し、さらに、画面の中心部分など一部分のみを読み出すことにより、予備測定のための露光時間を例えば半分として、予備測定にかかる時間を短くし、使用者が撮影を意図した瞬間と、実際に本撮影動作に移り露光が開始されるまでの間の時間差(タイムラグ)を従来の構成より小さくして、なお従来と同等の予備測定精度を維持することもできる。なお、この構成では、加算読み出しモードを使用する他、撮影状況が十分に明るい場合は、あえて間引き読み出しモードを選択的に使用することもできる。
【0246】
また、混色を回避し同色同士の画素の信号電荷を加算する加算読み出しモードの他、あえて混色を生じる加算を行う混色加算読み出しモードを利用することもできる。すなわち、混色加算読み出しモードは、予備測定において、意図的に異なる色の画素の信号電荷混ぜて読み出し、輝度信号により近い信号を出力して、測距すなわちオートフォーカスに利用するもので、例えば、原色ベイヤー配列のCCDにおいて、偶数ラインのR(赤)の画素の信号電荷を全て垂直転送路(垂直レジスタ)に読み出し、この後、このRの信号電荷を1/2段垂直転送した状態で、奇数ラインのG(緑)の画素の信号電荷を垂直転送路上に読み出すことにより、Rの信号電荷とGの信号電荷とを混合し、さらに、垂直転送を行い、水平転送路(水平レジスタ)上で任意のライン数を加算する手法により実現され、また、電荷読出パルスを印加したまま、垂直転送を行う手法により実現される。すなわち、これらの方法では、R+Gの混合した信号電荷と、G+Bの混合した信号電荷とを生成できるとともに、高速なフレームレートを実現できる。
【0247】
そして、静止画撮影あるいは動画撮影の本撮影の前の予備測定(予備撮影)において、同一のCCD10を3種以上の複数の読み出しモード、例えば、間引き、同色加算、混色加算の3種の読み出しモードを切り替えて用い、予備測定のデータとして有効なデータを確保することにより、精度の高い予備測定を高速に行い、本撮影における画像の品位を向上することもできる。
【0248】
例えば、予備測定において、CCD10の駆動を間引き読み出しモードに設定して測光処理を行い、撮影状況(被写体)が規定値よりも明るければ間引き読み出しモードのままとし、規定値よりも暗ければ加算読み出しモードに設定して、測光結果を反映したホワイトバランス測定用の露光条件を設定する。次いで、ホワイトバランス処理(AWB)を行い、被写体の色に著しい偏りが認められた場合は、すなわち、ホワイトバランスずれ量が既定値より大きいと判定された場合は、CCD10の駆動を混色加算読み出しモードに設定し、これら測光結果及びホワイトバランスの測定結果を反映した測距用露光条件を設定し、この状態で、測距処理を行う。また、ホワイトバランスずれ量が既定値以下である場合は、従前の読み出しモードを維持し、測距用露光条件を設定して、測距処理を行う。例えば、被写体が十分に明るく、かつ、色の偏りもない場合には、CCD10の駆動は当初から間引き読み出しモードのまま維持されている。そして、これらの測光、ホワイトバランス及び測距の結果を反映した本撮影用の露光条件を設定し、本撮影を行う。そして、この構成では、ホワイトバランスの予備測定は、混色のない、間引き読み出しモード及び加算読み出しモードのいずれかを選択して行うことにより、色の分離性を保つことができるとともに、暗い撮影条件であっても、感度を向上できる加算読み出しモードを利用できるため、きわめて正確にホワイトバランスを設定でき、画像の品質を向上できる。さらに、被写体の色の偏りを認めた際には、混色加算読み出しモードを用いることにより、測距演算を容易に正確に実行することが可能になり、測距を正確にできる。すなわち、カラーのCCD10では、著しい色の偏りがある被写体を撮影した場合、間引き読み出しモード、あるいは混色なしの加算読み出しモードでは、画素毎(色毎)のレベル差が非常に大きくなり、測距演算に適さない状態になる場合がある。この場合、あえて混色加算を行うことで、画素毎のレベル差を抑制することができ、測距測定を正確に行うことができる。また、この構成においても、上記の各構成と同様に、画面中の特定の部分を抜き出して利用することで、予備測定を高速化することもできる。
【0249】
また、静止画撮影あるいは動画撮影の本撮影時において、非常に細かい横縞状の被写体があった場合、細かい縞が太い縞のように撮影されたり、白黒がくっきりした境界部分に本来存在しない偽色が見えたりするモアレと呼ばれる現象を、加算読み出しモードを用いて抑制することもできる。例えば、間引き読み出しモードでの動画撮影時に、CPU21が高速フーリエ変換(FFT)などの方法で画面垂直方向の色差成分の空間周波数分布を分析し、色差成分の比較的高周波成分に一定量以上の成分分布が認められた場合には、モアレ発生の危険があると判断して、CCD10の駆動を間引き読み出しモードから加算読み出しモードに切り替え、低域通過フィルタに等しい効果を有する加算読み出しモードを利用してモアレを抑制できる。また、使用者が、許容できないモアレの発生を認めた場合に手動で間引き読み出しモードから加算読み出しモードに切り替えることもできる。
【0250】
また、露光量自動調整処理の1回ごとに、あるいは複数回に1回、モアレ発生判定処理へ移行し、画面のモアレ発生状況を評価して、モアレ発生の危険がない場合には、CCD10の駆動を間引き読み出しモードに設定し、モアレ発生の危険を検知した場合には、CCD10の駆動を加算読み出しモードに設定することにより、従来のライン間引きに起因するモアレの発生を自動的に効果的に抑制でき、さらに、抑制の有無を手動で切り替え可能とすることにより、操作者の意図を反映させることもできる。
【0251】
また、間引き読み出しモード及び加算読み出しモードのそれぞれの状態でモアレ発生の判定を行う場合、同じ被写体に対して、加算読み出しモードによる画像の方が、間引き読み出しモードによる画像よりも、モアレの検出レベルは低くなるため、それぞれの駆動方式による獲得画面の特質を考慮して判定レベルを設定することにより、モアレの判定を正確にできる。
【0252】
また、比較的に暗い撮影状況で、従来の間引き読み出しモードを利用して例えば高速連写などにより動きの速い被写体の連続写真を撮影する場合、感度不足のため、高速シャッタを切ることができず、動きのぶれた画像となることがあるが、このような撮影条件において、加算読み出しモードを用いることにより、高速シャッタを組み合わせることが可能になり、被写体のぶれのない鮮明な連続写真を得ることができる。
【0253】
また、CPU21に制御されてCCD10の基板バイアス電圧を切り替える飽和抑制手段としての基板バイアス電圧切替回路を備えることにより、いわゆるブルーミング(blooming)の除去を容易にできる。すなわち、CCD10の駆動を加算読み出しモードとし、複数の信号電荷をCCD内部で混合して読み出す場合、垂直転送路あるいは水平転送路の電荷転送容量が問題となることが考えられる。例えば、5画素分の信号電荷を加算する場合、各転送路の転送容量は、光電変換手段としての一画素eの飽和蓄積電荷量の5倍必要となるが、垂直水平転送路上で信号電荷がオーバーフローすると、固体撮像素子の各画素の信号電荷が溢れて隣接する画素に洩れ込み、例えばハイライト部の像が広がって見えるいわゆるブルーミングを発生することがある。この対策としては、垂直転送路及び水平転送路の電荷転送容量を、画素混合される量に見合った容量として設計し製造されたCCDを使用することも考えられるが、専用のCCDが必要になり、製造コストが上昇する。そこで、通常の設計のCCD10を用いるとともに、同色の加算読み出しモードあるいは混色加算読み出しモードなど、画素混合を行う場合であって、かつ、CPU21により被写体の明るさの条件が一定レベル以上と判定された場合には、ブルーミングの危険があると判断し、CPU21の制御により基板バイアス電圧切替回路がCCD10の基板バイアス電圧を通常より相応に高い電圧に切り替え、画素eの飽和蓄積電荷量を制限することにより、製造コストの上昇を抑制しつつ、水平転送路及び垂直転送路で発生するブルーミングを抑制し、画像の品位を向上できる。
【0254】
さらに、加算読み出しモードは、間引き読み出しモードに較べて、相対感度を著しく向上できるため、暗時画質の向上、暗時予備測定の高精度化、予備測定の高速化に加え、撮像装置の、特に電子スチルカメラの電子ビューファインダ用として最適な画像データを提供できる。すなわち、電子ビューファインダ(Electric View Finder : EVF)は、CCDを通常動画モードすなわち間引き読み出しモードで駆動し、電子表示装置にリアルタイムの動画映像を表示する機構であり、現在ほとんど全ての電子スチルカメラが表示再生用の液晶モニタ(LCDモニタ)を搭載しているため、この液晶モニタをファインディングに利用することが可能であり、この点で、電子ビューファンインダが一般的に用いられている。また、電子スチルカメラに限らず、カメラが高倍率ズームを搭載した場合は、ズームに連動しない光学ファインダは視差(パララクス)が大きくなり使用できなくなる。そこで、現在、一般消費者(コンシューマー)向けの電子スチルカメラの内、一眼レフタイプ以外の高倍率ズーム搭載機は、全て電子ビューファンインダを採用している。さらに、これら高倍率ズーム搭載機の中には、光学ファインダを廃止し、液晶モニタのみによるファインダ動作に限定したものや、あるいは、液晶モニタとは別にファインダ専用の小型の液晶モニタに接眼光学系を組み合わせ、いわゆるムービーカメラと同様の電子ビューファンインダを設けた構成が用いられている。そして、光学ファインダを備えない電子スチルカメラでは、電子ビューファンインダのみでファインディングを行うことになるが、比較的感度の低い多画素CCDを用いる場合には、通常の間引き読み出しモードを利用した動画撮影によるファインダ動作では、暗い場面ではファインディングが困難になる問題がある。すなわち、ムービーカメラであれば、電子ビューファンインダに表示できない場面は撮影もできない場面であるため、問題は生じないが、電子スチルカメラの場合には、例えばストロボを用いた撮影も可能であり、どのように暗い状況でも、電子ビューファンインダは画角調整ができる程度の画像を表示する必要がある。この点、加算読み出しモードでは、全画素が撮像に寄与するため、当該CCDを用いた場合の最大レベルまで感度を向上させることができ、上記の加算読み出しモードのCCDと電子ビューファンインダとを組み合わせることにより、暗い環境でも被写体を確認できるファインダシステムを提供できる。
【0255】
【発明の効果】
請求項1記載の撮像素子によれば、加算電荷を用いることにより、全画素を順次読み出し出力する状態に較べて、画素を間引き、フレームレートを向上できる。さらに、画素の間引きは、全画素の読み出しを行い、同色の画素の信号電荷を複数加算して行うことが可能なため、単に画素を選択的に読み出す構成に較べて、画質を向上できる。また、信号電荷を正方向及び逆方向に転送可能な垂直転送路と第1の水平転送路及び第2の水平転送路とを用いることにより、信号電荷の転送量を容易に向上できるとともに、垂直転送路の一部分で転送中の信号電荷に他の信号が加わるスミアが生じる場合にも、このスミアの発生方向を制御可能になり、この垂直転送路で転送する全ての信号電荷にスミアが生じることを防止できる。そこで、出力された信号を処理することにより、スミアを抑制し、画質を向上できる。
【0256】
請求項2記載の撮像素子によれば、請求項1記載の効果に加え、垂直転送路では、複数の信号電荷が加算された加算電荷が生成されるとともに、配線部及び垂直転送路は、同じ水平ラインを撮影した加算電荷について、第1の出力部に出力される加算電荷と、第2の出力部に出力される加算電荷とが略同時に出力されるように構成されたことにより、撮像素子から出力される信号から正確な画像を構成する処理を容易にできる。
【0257】
請求項3記載の撮像装置によれば、加算電荷を用いることにより、全画素を順次読み出し出力する状態に較べて、画素を間引き、フレームレートを向上できる。さらに、画素の間引きは、全画素の読み出しを行い、同色の画素の信号電荷を複数加算して行うことが可能なため、単に画素を選択的に読み出す構成に較べて、画質を向上できる。また、信号電荷を正方向及び逆方向に転送可能な垂直転送路と第1の水平転送路及び第2の水平転送路とを用いることにより、信号電荷の転送量を容易に向上できるとともに、垂直転送路の一部分で転送中の信号電荷に他の信号が加わるスミアが生じる場合にも、このスミアの発生方向を制御可能になり、この垂直転送路で転送する全ての信号電荷にスミアが生じることを防止できる。そこで、出力された信号を処理することにより、スミアを抑制し、画質を向上できる。
【0258】
請求項4記載の撮像装置によれば、請求項3記載の効果に加え、画素から読み出された信号電荷は、垂直転送路を一画面毎に逆方向に転送されるため、垂直転送路の一部分で転送中の信号電荷に他の信号が加わるスミアが生じる場合にも、このスミアの発生方向を制御でき、この垂直転送路で転送する全ての信号電荷にスミアが生じることを防止できる。そこで、出力された信号を処理することにより、スミアを抑制し画質を向上できる。
【0259】
請求項5記載の撮像装置によれば、請求項4記載の効果に加え、制御手段は、画素から読み出された信号電荷以外の信号が加えられたスミアのある信号を判定し、スミアのある信号を、他の画素の信号から補完するため、画素から読み出された信号電荷以外の信号が加えられたスミアを抑制できる。
【0260】
請求項6記載の撮像装置によれば、請求項4または5記載の効果に加え、制御手段は、第1の出力部から出力された加算電荷と、第2の出力部から出力された加算電荷とについて、同じ水平ラインを撮影した加算電荷同士の位置を合わせる補正を行うため、信号画素を同士を加算して加算電荷を生成した際に、垂直転送路毎に位置がずれた場合にも、正確な画像を構成できる。
【0261】
請求項7記載の撮像装置によれば、請求項6記載の効果に加え、制御手段は、各垂直転送路を互いに交互に配置された第1列群と第2列群との2個のグループにグループ化し、これら第1列群と第2列群とで互いに反対方向に信号電荷を転送させ、それぞれ前記第1の水平転送路と第2の水平転送路とに信号電荷を転送させるとともに、第1列群の加算電荷と、第2列群の加算電荷とについて、垂直転送路から加算電荷一個分ずれて出力された加算電荷同士を、同じ水平ラインを撮影した加算電荷とみなす補正を行うため、信号画素を同士を加算して加算電荷を生成した際に、垂直転送路毎に位置がずれた場合にも、容易に比較的正確な画像を構成できる。
【0262】
請求項8記載の撮像装置によれば、請求項6記載の効果に加え、制御手段は、各垂直転送路を互いに交互に配置された第1列群と第2列群との2個のグループにグループ化し、これら第1列群と第2列群とで互いに反対方向に信号電荷を転送させ、それぞれ前記第1の水平転送路と第2の水平転送路とに信号電荷を転送させるとともに、第1列群の加算電荷と、第2列群の加算電荷とについて、一列において加算して生成された加算電荷の数をk(但し、k>2の自然数)、第1列群のn番目の加算電荷をA(n)、第2列群のn番目の加算電荷をB(n)、としたとき、第1列群のA(n)に対応する第2列群の仮想的な加算電荷Bniを、Bni=(B(n+1)+(k−1)×B(n))/kとの式により求めるため、信号画素を同士を加算して加算電荷を生成した際に、垂直転送路毎に位置がずれた場合にも、正確な画像を構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の撮像素子の一実施の形態を示す説明図である。
【図2】同上撮像素子を備えた撮像装置の構成図である。
【図3】本発明の撮像素子のスミアを除去する動作を説明する説明図である。
【図4】同上撮像装置により撮像する画像の説明図である。
【図5】同上撮像装置により撮像した画像データの説明図である。
(a)は奇数フィールドの奇数列の画像データ
(b)は奇数フィールドの偶数列の画像データ
【図6】同上撮像装置により撮像した奇数フィールドの偶数列の画像データの説明図である。
【図7】同上撮像装置により撮像する画像の説明図である。
【図8】同上撮像装置により撮像した画像データの説明図である。
(a)は奇数フィールドの奇数列の画像データ
(b)は奇数フィールドの偶数列の画像データ
【図9】スミアが発生した画像データの説明図である。
【図10】スミアが発生する過程を示す説明図である。
【図11】同上スミアが発生する過程を示す説明図である。
【図12】本発明の撮像素子の動作を示す説明図である。
【図13】同上撮像素子の動作を示す説明図である。
【図14】同上撮像素子の動作を示す説明図である。
【図15】同上撮像素子の動作を示す説明図である。
【図16】同上撮像素子の動作を示す説明図である。
【図17】本発明の撮像素子の内部構造を示す一部の説明図である。
【図18】同上撮像素子の動作を示す説明図である。
【図19】本発明の撮像装置のCCDの全画素個別読み出しモードを示す説明図である。
【図20】同上撮像装置のCCDの全画素個別読み出しモードを示す説明図である。
【図21】同上撮像装置のCCDの全画素個別読み出しモードの概略を示す説明図である。
【図22】本発明の撮像装置のCCDの間引き読み出しモードを示す説明図である。
【図23】同上撮像装置のCCDの間引き読み出しモードの概略を示す説明図である。
【図24】本発明の撮像装置のCCDの加算読み出しモードを示す説明図である。
【図25】同上撮像装置のCCDの加算読み出しモードを示す説明図である。
【図26】同上撮像装置のCCDの加算読み出しモードを示す説明図である。
【図27】同上図26に続く説明図である。
【図28】同上図27に続く説明図である。
【図29】同上撮像装置のCCDの加算読み出しモードの概略を示す説明図である。
【図30】本発明の撮像装置のCCDの加算読み出しモードの第2の実施の形態を示す説明図である。
【図31】同上図30に続く説明図である。
【図32】同上撮像装置のCCDの加算読み出しモードを示す説明図である。
【図33】同上図32に続く説明図である。
【図34】同上図33に続く説明図である。
【図35】同上撮像装置のCCDの加算読み出しモードの概略を示す説明図である。
【図36】本発明の撮像装置の加算電荷の重心位置補正の第1の構成を示す説明図である。
【図37】本発明の撮像装置の加算電荷の重心位置補正の第3の構成を示す説明図である。
【図38】本発明の撮像装置のCCDの第3の実施の形態を示すCCDの内部構造の一部の説明図である。
【図39】同上撮像素子の動作を示す説明図である。
【図40】同上CCDの全画素個別読み出しモードを示す説明図である。
【図41】同上撮像装置のCCDの加算読み出しモードを示す説明図である。
【図42】同上図41に続く説明図である。
【図43】同上撮像装置のCCDの加算読み出しモードを示す説明図である。
【図44】同上図43に続く説明図である。
【図45】同上図44に続く説明図である。
【図46】本発明の撮像装置のCCDの第4の実施の形態を示す加算読み出しモードを示す説明図である。
【図47】同上図46に続く説明図である。
【図48】同上撮像装置のCCDの加算読み出しモードを示す説明図である。
【図49】同上図48に続く説明図である。
【図50】同上図49に続く説明図である。
【図51】本発明の撮像装置のCCDの第5の実施の形態を示すCCDの内部構造の一部の説明図である。
【図52】同上撮像素子の動作を示す説明図である。
【図53】同上撮像装置のCCDの加算読み出しモードを示す説明図である。
【図54】同上図53に続く説明図である。
【図55】同上撮像装置のCCDの加算読み出しモードのライン読み出し加算の概略を示す説明図である。
【図56】本発明の撮像装置のCCDの第6の実施の形態を示すCCDの加算読み出しモードを示す説明図である。
【図57】同上図56に続く説明図である。
【図58】同上撮像装置のCCDの加算読み出しモードのライン読み出し加算の概略を示す説明図である。
【符号の説明】
1 撮像装置
10 撮像素子としてのCCD
11 制御手段を構成するCCD駆動回路
20 制御手段を構成する画像処理回路
21 制御手段を構成するCPU
27 配線部としてのゲート配線
33 信号電荷
34 第1の加算電荷としての5画素混合電荷
44 第2の加算電荷としての5画素混合電荷
CH 水平転送路
CH1 第1の水平転送路としての下部水平転送路
CH2 第2の水平転送路としての上部水平転送路
CV,VV 垂直転送路
e 画素
I グループを構成する第1列群
II グループを構成する第2列群
OP1 第1の出力部としての下部出力部
OP2 第2の出力部としての上部出力部
S スミア

Claims (8)

  1. 所定のパターンで複数の色が配列されそれぞれ光電変換して信号電荷を蓄積する複数の画素と、
    これら画素から読み出した信号電荷を正方向及び逆方向に転送可能な電荷結合素子を備え、互いに反対方向に信号電荷を転送する複数グループにグループ化された複数の垂直転送路と、
    前記各画素から前記各垂直転送路に信号電荷を読み出し、これら信号電荷を前記各垂直転送路上を転送させるとともに所定の位置に保持可能な電圧が印加される複数系統の配線部と、
    前記各垂直転送路の一端部から信号電荷が転送され、これら転送された信号電荷を転送して第1の出力部に出力する第1の水平転送路と、
    前記各垂直転送路の他端部から信号電荷が転送され、これら転送された信号電荷を転送して第2の出力部に出力する第2の水平転送路と
    を具備したことを特徴とする撮像素子。
  2. 垂直転送路では、複数の信号電荷が加算された加算電荷が生成されるとともに、配線部及び垂直転送路は、同じ水平ラインを撮影した加算電荷について、第1の出力部に出力される加算電荷と、第2の出力部に出力される加算電荷とが略同時に出力されるように構成された
    ことを特徴とする請求項1記載の撮像素子。
  3. 撮像素子と、この撮像素子を制御する制御手段とを具備し、
    前記撮像素子は、所定のパターンで複数の色が配列されそれぞれ光電変換して信号電荷を蓄積する複数の画素と、これら画素から信号電荷を読み出しこれら読み出した信号電荷を正方向及び逆方向に転送可能な電荷結合素子を備えた複数の垂直転送路と、前記各垂直転送路の一端部から信号電荷が転送され、これら転送された信号電荷を転送して第1の出力部に出力する第1の水平転送路と、前記各垂直転送路の他端部から信号電荷が転送され、これら転送された信号電荷を転送して第2の出力部に出力する第2の水平転送路とを具備し、
    前記制御手段は、前記同色の画素の信号電荷を前記各垂直転送路に読み出し、これら読み出した信号電荷のうち所定の画素の信号電荷について位置を保持させたまま、読み出した他の信号電荷を転送し、位置を保持した信号電荷に転送した信号電荷を加算した加算電荷を生成するとともに、前記各垂直転送路を複数のグループにグループ化し、一方のグループと他方のグループとで互いに反対方向に信号電荷を転送させ、それぞれ前記第1の水平転送路と第2の水平転送路とに信号電荷を転送させる
    ことを特徴とする撮像装置。
  4. 制御手段は、各垂直転送路の転送方向を一画面毎に逆方向とするとともに、前記撮像素子の各出力部から出力された信号を処理して画像を構成する
    ことを特徴とする請求項3記載の撮像装置。
  5. 制御手段は、画素から読み出された信号電荷以外の信号が加えられたスミアのある信号を判定し、スミアのある信号を、他の画素の信号から補完する
    ことを特徴とする請求項4記載の撮像装置。
  6. 制御手段は、第1の出力部から出力された加算電荷と、第2の出力部から出力された加算電荷とについて、同じ水平ラインを撮影した加算電荷同士の位置を合わせる補正を行う
    ことを特徴とする請求項4または5記載の撮像装置。
  7. 制御手段は、各垂直転送路を互いに交互に配置された第1列群と第2列群との2個のグループにグループ化し、これら第1列群と第2列群とで互いに反対方向に信号電荷を転送させ、それぞれ前記第1の水平転送路と第2の水平転送路とに信号電荷を転送させるとともに、第1列群の加算電荷と、第2列群の加算電荷とについて、前記垂直転送路から加算電荷一個分ずれて出力された加算電荷同士を、同じ水平ラインを撮影した加算電荷とみなす補正を行う
    ことを特徴とする請求項6記載の撮像装置。
  8. 制御手段は、各垂直転送路を互いに交互に配置された第1列群と第2列群との2個のグループにグループ化し、これら第1列群と第2列群とで互いに反対方向に信号電荷を転送させ、それぞれ前記第1の水平転送路と第2の水平転送路とに信号電荷を転送させるとともに、第1列群の加算電荷と、第2列群の加算電荷とについて、
    一列において加算して生成された加算電荷の数をk(但し、k>2の自然数)、
    第1列群のn番目の加算電荷をA(n)、
    第2列群のn番目の加算電荷をB(n)、
    としたとき、
    第1列群のA(n)に対応する第2列群の仮想的な加算電荷Bniを、
    Bni=(B(n+1)+(k−1)×B(n))/k
    との式により求める
    ことを特徴とする請求項6記載の撮像装置。
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