JP3967787B2 - 鋳物の砂落し方法及び同装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、中空部分を有する鋳物の製造に適した鋳物の砂落し方法及び同装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、鋳造においては、鋳型、中子を構成する砂や含有不純物が鋳物(以下、ワークという)の表面や中空部の壁面に焼き付くなどして付着することが多く、そのため砂落しの工程を設けてこのような付着物を除去することが行われている。
【0003】
砂落し工程では、ワークに振動を与えて付着物を振るい落したり、あるいはワークを更に焼入れする等、所定の熱処理を施すことによって付着物を除去することが一般に行われているが、このような各種処理でも除去することができない付着物については、作業者が専用の工具を用いてこれを中空部に挿入しながら掻き落すことにより付着物を除去するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、中空部分を有するワーク、例えば、ウォータジャケットを具備するエンジンのシリンダヘッド等のワークでは、砂等の付着状況を外部から確認することが難しい場合が多く、また、確認できても工具を用いて除去するのに過大な労力や時間を要する場合が多い。
【0005】
そのため、付着物が充分に除去されないままで製品化されたり、あるいは、付着物を充分に除去するために砂落しの工程に時間を費やすことにより作業効率を著しく低下させるといった事態を招いている。
【0006】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、より完全に、しかも効率良く鋳物の中空部分に付着した砂等の付着物を除去することができる鋳物の砂落し方法及び同装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、ワークの中空部において壁面に付着した砂などの付着物を除去する方法であって、上記中空部に多数の粒状体を導入してこの中空部を封鎖した後、ワークを、その角度を変えながら振動させるようにしたものである(請求項1)。
【0008】
このようにすれば、粒状体がワークの壁面全体に十分に接触して中空部内の付着物が効果的に掻き落される。
【0009】
特に、請求項1記載の方法において、上記中空部に通路を介して接続される吸引手段を設け、ワーク振動中、若しくは振動後に吸引手段を作動させるようにすれば(請求項2)、掻き落された付着物を効率良くワークの外に排出することが可能となる。
【0010】
また、請求項1又は2記載の方法において、上記中空部に通路を介して接続される空気供給手段を設け、ワークの中空部への粒状体導入後に空気供給手段を作動させるようにすれば(請求項3)、粒状体を撹拌して中空部の隅々まで行き渡らせることができ、また、中空部に粒状体が詰まることを効果的に防止することが可能となる。
【0012】
また、本発明は、ワークの中空部において壁面に付着した砂などの付着物を除去する装置であって、上記中空部に通じる開口部を塞ぐようにワークを保持するワーク保持部と、このワーク保持部に設けられた収容部に収容される多数の粒状体と、この収容部とワーク保持部に保持されたワークの中空部とを連通する連通路と、この連通路を封鎖する封鎖手段と、ワーク保持部を回転させる手段と、ワーク保持部を振動させる手段とを有し、収容部及び通路は、ワークが所定角度で保持されたときに粒状体をワークの中空部に導入し又は中空部にある粒状体を収容部に導入するようにしたものである(請求項4)。
【0013】
この装置によれば、請求項1に記載の方法を自動的に実施することが可能となる。すなわち、ワーク保持部にワークを載置保持し、ワーク保持部を回転させてワークを所定角度に保持することにより粒状体をワークの中空部内に導入し、ワーク保持部とワークを一体に振動させることにより粒状体をワーク壁面に衝突させて中空部内の付着物を掻き落すことができる。また、作業終了後は、ワーク保持部を回転させてワークをもとの角度に保持することにより粒状体を中空部から収容部内に導入して収容することができる。
【0014】
特に、請求項4記載の装置において、上記ワーク保持部にワークが保持された状態でワークの上記中空部に連通する通路を設け、この通路を吸引手段に接続するとともに、この通路への上記粒状体の侵入を阻止するフィルタを設けるようにすれば(請求項5)、粒状体により掻き落された付着物を効率良くワークの外に排出することが可能となる。
【0015】
また、請求項4又は5記載の装置において、上記ワーク保持部にワークが保持された状態でワークの中空部に連通する通路を設け、この通路を空気供給手段に接続するようにすれば(請求項6)、空気を中空部に吹き込んで粒状体を撹拌させながら中空部の隅々まで行き渡らせることができ、また、中空部内に粒状体が詰まることを効果的に防止することが可能となる。さらに、粒状体を収容部に戻す際には、収容部への粒状体の導入を促すことができ、粒状体がワーク内に残留するのを効果的に防止することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0017】
図1及び図2は、本発明に係る砂落し装置の一例を示している。この図に示すように、砂落し装置は基台1を有しており、この基台1上に相対向する一対の側板2と、この側板2間に配設されるメインフレーム3とを備えている。
【0018】
メインフレーム3は、図1に示すように平面視でコ字型に形成されており、その両端に突設された支持軸(図示せず)を介して側板2に回転可能に支持されている。そして、側板2に取付けられたエアシリンダ等かなるロータリーアクチュエータ4に各支持軸が連結されることにより、このアクチュエータ4の作動に応じて上記支持軸回りにメインフレーム3が正逆回転させられるように構成されている。
【0019】
メインフレーム3には、ワーク保持部を構成するサブフレーム5及びホルダー6が設けられている。
【0020】
サブフレーム5は、メインフレーム3に取付けられた一対のエアシリンダ7の出力軸に連結されており、これらエアシリンダ7を介してメインフレーム3に取付けられている。エアシリンダ7は、例えば、エア圧の給排を極短時間で切り替えるように構成されており、これによりエアシリンダ7が作動するとメインフレーム3が振動させられるようになっている。
【0021】
サブフレーム5の上面にはワーク載置面8が一体に設けられ、ここにワークが位置決めされた状態で載置、保持されるようになっている。具体的には、ワーク載置面8に保持ブロック10が設けられ、この保持ブロック10に形成された型内にワークの一部(後記ポート部Sc)が嵌め合わせられることによってワークが位置決めされるようになっている。
【0022】
一方、ホルダー6は、サブフレーム5の上方に配設され、サブフレーム5に取付けられたエアシリンダ9の出力軸に連結されている。そして、このエアシリンダ9の作動に応じてサブフレーム5に最も接近する作動位置と、最も離間する解除位置とに亘ってホルダー6が上下方向に変位するように構成されている。すなわち、サブフレーム5の上記ワーク載置面8にワークを載置した状態でホルダー6が作動位置に変位させられると、ワークがサブフレーム5とホルダー6との間に挟まれて保持され、逆にホルダー6が解除位置に変位させられると、サブフレーム5へのワークの載置、あるいは取り出しが可能となるようになっている。
【0023】
ここで、ワークは、例えば2サイクルエンジンのシリンダヘッドSであって、下方、すなわちシリンダブロックへの取付け面側を塞ぐようにワーク載置面8上に載置されるようになっている。シリンダヘッドSには、図4に示すように、その内部にウォータジャケット(中空部)Saが形成されており、このウォータジャケットSaが部分的に下面側に開口して外部と連通しているとともに、上方及び側方に延びるポート部Sb及びScを介して上方及び側方外部と連通している。
【0024】
そして、シリンダヘッドSがワーク載置面8上に載置された状態では、側方に延びるポート部Scが上記保持ブロック10に形成された型内に嵌め合わせられてシリンダヘッドSが位置決めされ、さらにホルダー6が作動位置に変位させられると、同図に示すように、ホルダー6の下面に設けられた押え部11,12が各ポートSb、Scを介してシリンダヘッドSに当接し、これによってシリンダヘッドSがサブフレーム5及びホルダー6によって挟み付けられる。この際、シリンダヘッドSのポート部Sbには押え部12が当接し、これによりポート部Sbの開口部が押え部12により塞がれる。また、ポート部Scには押え部11が当接し、これに形成された型内にポート部Scが嵌め合わされるとともに、押え部11及び上記保持ブロック10によりポート部Scが挟み込まれてポート部Scの開口部が塞がれるようになっている。
【0025】
上記サブフレーム5には、また、ワーク載置面8の下方に左右一対のタンク(収容部)13が設けられ、このタンク13とワーク載置面8の表面側とが連通路5aにより連通されている。そして、シリンダヘッドSがワーク載置面8に載置保持された状態では、図4に示すようにシリンダヘッドSのウォータジャケットSaとタンク13とが連通路5aを介して通じるようになっている。
【0026】
タンク13には、多数の粒状体16、本実施形態では、鋼線を短く切断したものが収納されているとともに、その底部にはピストン14が配設されている。そして、エアシリンダ15の作動によりこのピストン14が上記タンク13への開口部近傍に至って連通路5aを封鎖する、具体的には、タンク13の上端部に適度のすき間を残した状態でタンク13と連通路5aとを遮断する封鎖位置(同図の一点鎖線に示す位置)と、タンク13の底面にある退避位置とにわって変位するようになっている。
【0027】
サブフレーム5には、図外のバルブ部材を介して空気供給手段及び真空吸引手段に接続されるクリーナーダクト17が設けられ、このクリーナーダクト17が図7に示すように上記サブフレーム5に接続されてサブフレーム5に一体に形成された通路18に連通している。この通路18は、上述のようにピストン14が封鎖位置に配置されたときに形成されるタンク13上端のすき間に開口するように形成されているとともに、その開口部近傍には通路18への粒状体16の侵入を阻止するためのフィルタ18aが配設されている。そして、砂落し装置の作動時には、上記バルブ部材が適宜切り替えられることによりウォータジャケットSaに対する空気供給、あるいは吸引がクリーナーダクト17、通路18及び上記連通路5aを介して行われるようになっている。
【0028】
また、上記ホルダー6には、図外のバルブ部材を介して空気供給手段に接続されるエアブローダクト19が設けられ、このエアブローダクト19が上記ホルダー6に接続されてホルダー6に一体に形成された通路20に連通している。この通路20は、上記押え部12の下面に開口している。そして、砂落し装置の作動時には、エアブローダクト19及び通路20を介してポート部SbからウォータジャケットSaに対する空気供給が行われるようになっている。
【0029】
ところで、上述のような砂落し装置には、図示を省略するがマイクロコンピュータを構成要素とするコントローラが設けられており、上記アクチュエータ4等は全てこのコントローラに電気的に接続されて統括的に制御されるようになっている。そして、この装置による砂落し作業では、作業者がシリンダヘッドSをワーク載置面8にセットして作業開始を指示する動作スイッチを操作することにより、上記コントローラにより各アクチュエータ4等が自動制御されて以下に説明するようなシリンダヘッドSの砂落し動作が行われるようになっている。
【0030】
ここで、上記砂落し装置による動作制御の一例について図4〜図7を用いつつ図3のタイミングチャートに基づいて説明する。
【0031】
まず、ワーク載置面8が略水平となるようにメインフレーム3が保持され、ホルダー6が解除位置に保持された砂落し装置の初期状態で、作業者によりシリンダヘッドSがワーク載置面8にセットされる。なお、この初期状態では、ピストン14は退避位置に保持されており、また、クリーナーダクト17及びエアブローダクト19を介しての空気供給、あるいは吸引は一切停止されている。
【0032】
シリンダヘッドSがワーク載置面8にセットされ、作業者により作動スイッチがオンされると、本装置が作動して砂落し動作が開始される。
【0033】
作動スイッチがオンされると(t1時点)、まずエアシリンダ9が作動し、解除位置にあるホルダー6が作動位置に変位させられて、ワーク載置面8に載置されたシリンダヘッドSが図4に示すようにサブフレーム5及びホルダー6により上下に挾持された状態で保持される。
【0034】
そして、t2時点から上記アクチュエータ4が作動し、メインフレーム3が反転方向(図4の矢印方向)に180°回転させられるとともに、これと同じタイミングで上記エアシリンダ7が作動してメインフレーム3が振動させられる。これによりタンク13内に収納されている粒状体16が連通路5aを介して徐々にシリンダヘッドSのウォータジャケットSa内に導入されることになる。そして、このように粒状体16が導入されながらシリンダヘッドSが振動させられることにより、ウォータジャケットSa内で粒状体16が激しく壁面に接触させられてウォータジャケットSa内に付着した砂等の付着物が除去されることになる。
【0035】
また、t2時点から、一定の停止時間を挟んで上記クリーナーダクト17を介しての空気供給と吸引とが交互に行われるとともに、この空気供給期間に対応してエアブローダクト19を介しての空気供給が行われる。すなわち、シリンダヘッドSが振動させられつつ、シリンダヘッドS内への空気の吹き込みと吸い出しとが交互に行われることによりタンク13からシリンダヘッドS内への粒状体16の導入が促されるとともに、ウォータジャケットSa内で積極的に粒状体16が撹拌され、これによってウォータジャケットSa内での粒状体16の詰りが防止されてウォータジャケットSaの隅々まで粒状体16が導入される。また、クリーナーダクト17を介して負圧が供給される際には、ウォータジャケットSaにおいて除去された付着物が吸引され、例えば、クリーナーダクト17の途中に設けられた図外の集塵フィルタによって収集されるようになっている。
【0036】
メインフレーム3が完全に反転させられると、t3時点から上記エアシリンダ15が作動し、図5に示すようにピストン14が封鎖位置に変位させられる。これによりタンク13内の粒状体16が残らずシリンダヘッドS内に導入されるとともに、連通路5aとタンク13とが遮断されてシリンダヘッドS内からタンク13内への粒状体16の導入(戻り)が阻止される。
【0037】
そして、t4時点からアクチュエータ4が作動し、メインフレーム3が正転方向(図5の矢印方向)に90°回転させられ、これにより図6,7に示すようにシリンダヘッドSが起立姿勢に保持された状態で振動させられる。
【0038】
こうして所定時間シリンダヘッドSが振動させられると、t5時点からアクチュエータ4が作動してメインフレーム3が正転方向にさらに90°回転させられてメインフレーム3が初期位置にリセットされるとともに、上記エアシリンダ15が作動してピストン14が閉鎖位置から退避位置にリセットされる。これによりシリンダヘッドS内の粒状体16が連通路5aを介してタンク13内に導入されることになる。この際、シリンダヘッドSが振動させられているため、シリンダヘッドSからタンク13への粒状体16の導入が促される。なお、メインフレーム3が回転させられている最中には、図3に示すように、クリーナーダクト17を介しての吸引が行われており、これによりウォータジャケットSa内で除去されて粒状体16に混入している付着物がクリーナーダクト17を介して収集される。
【0039】
そして、所定の時間が経過したt6時点で、上記エアシリンダ7が停止してメインフレーム3が静止させられるとともに、上記エアシリンダ9が作動してホルダー6が解除位置に変位させられる。これによりシリンダヘッドSのワーク載置面8からの取出しが可能となって本装置によるメインフレーム3の砂落し動作が終了する。なお、ピストン14が完全に退避位置にリセットされた後、エアシリンダ7が停止させられるまでの間は、上記クリーナーダクト17及びエアブローダクト19を介して交互にシリンダヘッドS内に空気が吹き込まれ、これによりウォータジャケットSa内に残っている粒状体16をシリンダヘッドSの外に吹き出すようになっている。
【0040】
以上のように、上記砂落し装置では、シリンダヘッドSのウォータジャケットSaに粒状体16を導入し、シリンダヘッドSを振動させて粒状体16をウォータジャケットSa内で激しく壁面に接触させて砂等の付着物を除去するため、シリンダヘッドSの振動と、粒状体16の壁面への接触との双方の作用により極めて効果的に付着物を除去することができる。しかも、シリンダヘッドS内に粒状体16を導入してシリンダヘッドSを振動させ、その後、粒状体16をシリンダヘッドS外部に導出するだけの極めて簡単な手法であるため、効率良く付着物を除去することができる。
【0041】
従って、単にワークに振動を与えたり、あるいは専用の工具を中空部分に挿入して付着物を掻き落す等していた従来の方法に比べると、極めて効果的に、しかも効率良くシリンダヘッドS内部の砂等の付着物を除去することができる。
【0042】
特に、上記装置では、クリーナーダクト17及びエアブローダクト19を介してウォータジャケットSaに所定のタイミングで空気を吹き込み、これによりウォータジャケットSa内への粒状体16の導入を促し、またウォータジャケットSa内で粒状体16を積極的に撹拌するようにしているので、ウォータジャケットSaの隅々まで充分に粒状体16を至らせることが可能であり、さらに、シリンダヘッドSを回転させながらシリンダヘッドSに振動を与えるので、ウォータジャケットSaの全壁面に粒状体16を充分に接触させることができる。そのため、ウォータジャケットSa内の付着物を隅々まで確実に除去することができるという利点がある。しかも、一連の作業が終了した後も、同様にウォータジャケットSaに空気を吹き込んで粒状体16を外部に吹き出すようにしているので、ウォータジャケットSaに粒状体16が残留してトラブルを誘発するような虞れがない。
【0043】
また、上記装置では、シリンダヘッドS内の付着物を粒状体16により除去するだけではなく、除去された付着物を所定のタイミングでクリーナーダクト17を介してシリンダヘッドSの外に吸引して収集するようにしているので、除去した付着物が再度付着したり、粒状体16と共にタンク13内に収容されてしまうことを好適に防止することができるという利点もある。
【0044】
ところで、上記実施形態の装置は、本発明に係る砂落し装置の一例であってその具体的な構成は本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0045】
例えば、上記実施形態の装置では、クリーナーダクト17及びエアブローダクト19を介してシリンダヘッドS内に空気を吹き込むようにしているが、必ずしも双方を用いる必要はなく、エアブローダクト19を介してのみ空気を吹き込むようにし、クリーナーダクト17は付着物を吸引、収集するためだけに用いるように構成してもよい。但し、双方のダクト17,19を用いてウォータジャケットSaの異なる方向から空気を吹き込むようにすれば、いずれか一方のダクトを用いて空気を吹き込む場合に比べると、ウォータジャケットSa内で粒状体16を効果的に隅々まで至らせることができるという効果がある。
【0046】
また、上記装置では、砂落し動作の初期段階から最終段階(図3のt2〜t6時点)にわたって常時シリンダヘッドSを振動させるようにしているが、この例のようにシリンダヘッドSを常時振動させておく必要は必ずしもなく、例えば、シリンダヘッドSを起立姿勢にしている間(図3のt4〜t5時点)だけ、シリンダヘッドSを振動させるようにしてもよい。但し、シリンダヘッドSを振動させると、上述のようにタンク13からシリンダヘッドS内への粒状体16の導入あるいはシリンダヘッドSからタンク13への粒状体16の収容を促したり、ウォータジャケットSa内で粒状体16を撹拌させるという作用もあるので、上記実施形態の装置のように積極的にシリンダヘッドSを振動させることも有効である。
【0047】
さらに、上記装置では、サブフレーム5をメインフレーム3に対して一定の方向に進退させることによりシリンダヘッドSを振動させるようにしているが、例えば、サブフレーム5を複数の方向に進退させるようにしたり、あるいは円運動を行わせるようにする等、種々の振動を行わせるように構成してもよい。
【0048】
また、上記装置では、鋼線を短く切断したものを粒状体16として用いているが、鋼球を粒状体として用いるようにしてもい。要は、ワークの材質や形状に応じて、砂等の付着物を効果的に除去できるようなものを粒状体として用いるようにすればよい。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、中空部に多数の粒状体を導入してこの中空部を封鎖した後、ワークを、その角度を変えながら振動させて粒状体を中空部の壁面に接触させることにより、壁面に付着した砂などの付着物を除去するようにしたので、単にワークに振動を与えたり、あるいは専用の工具を中空部分に挿入して付着物を掻き落す等していた従来の方法に比べ、効果的に、しかも効率良くワークの中空部内の付着物を除去することができる。
【0050】
特に、ワークの中空部に通路を介して接続される吸引手段を設け、ワーク振動中、若しくは振動後に吸引手段を作動させるようにすれば、除去した付着物を効率良くワークの外に排出することができる。
【0051】
また、ワークの中空部に通路を介して接続される空気供給手段を設け、ワークの中空部への粒状体導入後に空気供給手段を作動させるようにすれば、粒状体を撹拌しながら中空部の隅々まで行き渡らせることができるので、これにより中空部内の付着物を隅々まで確実に除去することができる。また、中空部内に粒状体が詰まることを効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る砂落し装置の一例を示す平面図である。
【図2】上記砂落し装置の正面図である。
【図3】上記砂落し装置の動作制御の一例を示すタイミングチャートである。
【図4】上記砂落し装置の動作を説明する図1のA−A断面図(メインフレームが初期位置にある状態)である。
【図5】上記砂落し装置の動作を説明する図1のA−A断面図(メインフレームが180°回転させられた状態)である。
【図6】上記砂落し装置の動作を説明する図1のA−A断面図(メインフレームが90°回転させられた状態)である。
【図7】上記砂落し装置の動作を説明する図1のB−B断面図(メインフレームが90°回転させられた状態)である。
【符号の説明】
1 基台
3 メインフレーム
4 ロータリアクチュエータ
5 サブフレーム
6 ホルダー
7,9,15 エアシリンダ
8 ワーク載置面
10 保持ブロック
11,12 押え部
13 タンク
14 ピストン
16 粒状体
17 クリーナーダクト
19 エアブローダクト
S シリンダヘッド
Sa ウォータジャケット
Sb,Sc ポート部
Claims (6)
- ワークの中空部において壁面に付着した砂などの付着物を除去する方法であって、上記中空部に多数の粒状体を導入してこの中空部を封鎖した後、上記ワークを、その角度を変えながら振動させることを特徴とする鋳物の砂落し方法。
- 上記中空部に通路を介して接続される吸引手段を設け、ワーク振動中、若しくは振動後に吸引手段を作動させることを特徴とする請求項1記載の鋳物の砂落し方法。
- 上記中空部に通路を介して接続される空気供給手段を設け、ワークの中空部への粒状体導入後に空気供給手段を作動させることを特徴とする請求項1又は2記載の鋳物の砂落し方法。
- ワークの中空部において壁面に付着した砂などの付着物を除去する装置であって、上記中空部に通じる開口部を塞ぐようにワークを保持するワーク保持部と、このワーク保持部に設けられた収容部に収容される多数の粒状体と、この収容部と上記ワーク保持部に保持されたワークの上記中空部とを連通する連通路と、上記ワーク保持部を回転させる手段と、上記ワーク保持部を振動させる手段とを有し、上記収容部及び通路は、ワークが所定角度で保持されたときに上記粒状体をワークの上記中空部に導入し又は中空部にある粒状体を収容部に導入するように構成されていることを特徴とする鋳物の砂落し装置。
- 上記ワーク保持部にワークが保持された状態でワークの上記中空部に連通する通路が設けられ、この通路が吸引手段に接続されるとともに、この通路への上記粒状体の侵入を阻止するフィルタが設けられていることを特徴とする請求項4記載の鋳物の砂落し装置。
- 上記ワーク保持部にワークが保持された状態でワークの上記中空部に連通する通路が設けられ、この通路が空気供給手段に接続されていることを特徴とする請求項4又は5記載の鋳物の砂落し装置。
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JP31922396A JP3967787B2 (ja) | 1996-11-29 | 1996-11-29 | 鋳物の砂落し方法及び同装置 |
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1996
- 1996-11-29 JP JP31922396A patent/JP3967787B2/ja not_active Expired - Fee Related
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