JP3967096B2 - ワイヤハーネスの防水処理方法及び防水処理用治具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車のパネル貫通穴に装着させるグロメットに挿通させるワイヤハーネスの電線間の防水処理を行なうために、電線を1列に整列させて止水剤を塗布するワイヤ ハーネスの防水処理方法及び防水処理用治具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば自動車の車室の内外を仕切るパネル等を通して配索されるワイヤハーネスでは、パネルに設けられている貫通穴にゴム製のグロメットが装着される。このグロメットを通してワイヤハーネスが配索されることで、グロメットとパネル貫通穴との間を確実にシールして、パネルの貫通穴から車室内へ浸水するのを防止している。
【0003】
しかし、グロメットとワイヤハーネスの電線との間や各電線間に隙間があると、この隙間を通して車室内に浸水する可能性があるので、これらの隙間もシールする必要がある。
【0004】
そこで、前記隙間をシールするために、特開平10−172360号公報に示されているような装置を用いて電線間の防水処理が行なわれている。
すなわち、図5に示したように、ワイヤハーネス組立用の配索板11の上には、複数本の電線からなる電線群を所定の配索形態に応じた分岐形状に支持するために複数の電線群受け治具15a,15b,15c,15d,15eが取り付けられており、その途中の所定位置には電線群に止水剤を塗布して防水処理を行なうための防水処理用治具12が配置されている。
【0005】
防水処理用治具12は、配索板11の上に支持軸13aを介して基板13を取り付け、この基板13上に所定間隔を置いて一対の電線保持部材14,14が立設されている。この電線保持部材14には、グロメット挿通部位の電線を1本づつ縦に整列させて保持するためのスリット17が各々設けられている。
【0006】
このような装置を用いて、以下のような手順で防水処理を行なう。すなわち、先ず、図6(A)に示したように、電線保持部材14のスリット17によりグロメット挿通部位の電線16を縦1列に整列させる。
次に、図6(B)に示したように、一対の電線保持部材14,14間に整列させた電線16に上側から逆U字状の止水剤吐出器18をセットする。
次に、図6(C)に示したように、止水剤吐出器18の内部には多段のノズル18aが設けられており、各段のノズル18aにより電線間に止水剤19を塗布する。なお、止水剤吐出器18の逆U字状を構成する一方の部材18bは電線16のセットのために開閉自在となっている。
【0007】
次に、止水剤吐出器18を取り外した後、図6(D)に示したように、止水剤19を塗布した電線16の一方の表面に束ねるための帯状フィルム21を貼付して、電線16を電線保持部材14、14から取り外す。
次に、図6(E)に示したように、帯状フィルム21を巻き締めて、電線16を円形断面に結束する。
【0008】
次に、図6(F)に示したように、帯状フィルム21の結束位置の上にテープ23を巻き付けて、電線16の断面寸法をグロメットのハーネス挿通穴に緊密嵌合する円形に整形すると共に、止水剤19を固化させる。
最後に、図6(G)に示したように、テープ23の巻き付け位置の上にグロメット25を装着する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のワイヤハーネスの防水処理方法においては、多数のノズル18aを同時に電線16間に挿入しなければならないため、止水剤吐出器18をセットしづらいという問題があった。
【0010】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点に着目してなされたものであり、容易に電線間に止水剤を浸透させて安定した止水性能を得ることができるワイヤハーネスの防水処理方法及び防水処理用治具を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1記載のワイヤハーネスの防水処理方法によれば、パネル貫通穴への装着用グロメットに挿通させるワイヤハーネスの防水処理方法であって、所定間隔で設けられている一対の電線保持部材により電線を保持して、前記一対の電線保持部材間の前記電線上に止水剤を塗布してから、互いに係合する波形状の一対の押圧面を有する防水処理用治具で、前記止水剤を塗布した前記電線を挟んで互いに隣接する前記電線間をずらす動作を繰り返すことで、前記電線間に前記止水剤を浸透させることを特徴とする。
【0012】
前記構成のワイヤハーネスの防水処理方法によれば、電線を一対の電線保持部材により所定間隔で保持して、その電線保持部材間の電線に止水剤を塗布する。この塗布された止水剤の両側で防水処理用治具により電線を挟む動作を繰り返す。
この防水処理用治具の対向する一対の押圧面は波形状をしているので、挟まれた電線は隣接する電線に対して相互に横方向へ移動する。従って、この移動に伴って止水剤は各電線間に確実に浸透して、安定した止水性能を得ることができる。
なお、電線の本数が多く、電線の整列幅が防水処理用治具の押圧面の長さよりも大きい場合には、防水処理用治具を上下に移動させて挟む動作を繰り返す。
【0013】
また、本発明の請求項2記載のワイヤハーネスの防水処理用治具によれば、パネル貫通穴への装着用グロメットに挿通させるワイヤハーネスの防水処理用治具であって、
所定間隔で設けられている一対の電線保持部材により保持されて止水剤を塗布した電線を挟んで、波形状の一列に整列させて隣接する前記電線間を互いに連続的にずらすことができる、接近・離反自在な一対の対向した波形状の押圧面を備えていることを特徴とする。
【0014】
前記構成のワイヤハーネスの防水処理用治具によれば、止水剤を塗布した電線を波形状の一対の押圧面により繰り返し挟むことで、挟まれた電線は隣接する電線に対して相互に横方向へ移動する。従って、この移動に伴って止水剤は各電線間に確実に浸透して、安定した止水性能を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のワイヤハーネスの防水処理方法及び防水処理用治具の一実施形態を図1乃至図4に基づいて詳細に説明する。なお、従来技術と共通する部分については同じ符号を用いて、詳細な説明は省略する。図1は本発明のワイヤハーネスの防水処理方法及び防水処理用治具を示す斜視図、図2は図1におけるII−II方向から見た断面図、図3は図1における防水処理用治具の作用説明図、図4は図3における止水剤の浸透状態を示す作用説明図である。
【0016】
図1に示すように、本実施形態のワイヤハーネスの防水処理方法は、所定間隔で設けられた一対の電線保持部材31,31間に電線16を保持し、電線保持部材31,31間の電線16に止水剤19を塗布する。その後、防水処理用治具である略鋏状の電線ずらし治具32により止水剤19を塗布した領域の両側で電線16を挟み込む。
【0017】
電線ずらし治具32は、一対の挟持部材33,33が支軸34を支点に回動自在に支持され、挟持部材33の内側面に波形状の押圧面35を有している。この一対の押圧面35の波形状の凹凸ピッチを互いにずらすことにより、電線16を挟んだ状態で互いに係合することができる。また、支軸34の他方側には、作業者が摘む取っ手36を有し、一対の挟持部材33,33を相互に付勢する付勢ばね37を有している。
【0018】
次に、本実施形態のワイヤハーネスの防水処理方法について説明する。
図1に示すように、一対の電線保持部材31,31により電線16を保持して止水剤19を塗布した状態では、図2に示すように止水剤19は隣接する電線16,16間に浸透していない。
【0019】
そこで、図1に示すように、止水剤19を塗布した両側部の電線16を電線ずらし治具32により挟むと、図3(A)に示すように、略直線状に保持されていた電線16は、図3(B)に示すように、電線ずらし治具32の押圧面35に沿って1列の波形状に整列移動する。
【0020】
これにより、図4(A)に示すように、電線16に沿って直線状に塗布されていた止水剤19は、図4(B)に示すように、隣接する電線16,16が相対的に横方向に位置ずれするので、止水剤19の粘性により止水剤19は電線16間に浸透する。
この電線16を挟む作業を、電線ずらし治具32を上下に移動させながら繰り返して止水剤19を浸透させる。その後、前述したように円形に束ねた電線16の外周に帯状フィルム21及びテープ23を巻き付けて、グロメット24に挿通させる(図6(E)〜(G)参照)。
【0021】
以上の結果から、容易に電線16間に止水剤19を浸透させることができ、安定した止水性能を得ることができる。また、止水剤19塗布時に、電線16を厳密に1列に保持する必要がないので、止水処理を容易且つ迅速に行なうことができる。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、発明の請求項1記載のワイヤハーネスの防水処理方法によれば、波形状をした押圧面を備えた防水処理用治具で止水剤が塗布された電線の両側部を挟む動作を繰り返すことで、隣接する電線間が相対的に移動する。
従って、この移動に伴って止水剤を各電線間に確実に浸透させることができ、安定した止水効果を得ることができる。
【0023】
また、請求項2記載のワイヤハーネスの防水処理用治具によれば、対向する一対の波形状の押圧面を備えた防水処理用治具により止水剤を塗布した電線を繰り返し挟むことで、隣接する電線間が相対的に移動する。
従って、止水剤を各電線間に確実に浸透させることができ、安定した止水効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のワイヤハーネスの防水処理方法及び防水処理用治具を示す斜視図である。
【図2】図1におけるII−II方向から見た断面図である。
【図3】図1における防水処理用治具の作用説明図であり、(A)は電線を挟む前の状態を示す断面図であり、(B)は電線を挟んだ状態を示す断面図である。
【図4】図3における止水剤の浸透状態を示す作用説明図であり、(A)は図3(A)中の電線と止水剤との関係を示す断面図であり、(B)は図3(B)中の電線と止水剤との関係を示す断面図である。
【図5】従来のワイヤハーネスの防水処理方法及び防水処理用治具を示す斜視図である。
【図6】図5における従来のワイヤハーネスの防水処理の手順を示す工程図である。
【符号の説明】
16 電線
19 止水剤
31 電線保持部材
32 電線ずらし治具(防水処理用治具)
35 押圧面
Claims (2)
- パネル貫通穴への装着用グロメットに挿通させるワイヤハーネスの防水処理方法であって、
所定間隔で設けられている一対の電線保持部材により電線を保持して、前記一対の電線保持部材間の前記電線上に止水剤を塗布してから、
互いに係合する波形状の一対の押圧面を有する防水処理用治具で、前記止水剤を塗布した前記電線を挟んで互いに隣接する前記電線間をずらす動作を繰り返すことで、前記電線間に前記止水剤を浸透させることを特徴とするワイヤハーネスの防水処理方法。 - パネル貫通穴への装着用グロメットに挿通させるワイヤハーネスの防水処理用治具であって、
所定間隔で設けられている一対の電線保持部材により保持されて止水剤を塗布した電線を挟んで、波形状の一列に整列させて隣接する前記電線間を互いに連続的にずらすことができる、接近・離反自在な一対の対向した波形状の押圧面を備えていることを特徴とするワイヤハーネスの防水処理用治具。
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