JP3967051B2 - ポジ型レジスト積層物 - Google Patents
ポジ型レジスト積層物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3967051B2 JP3967051B2 JP33156899A JP33156899A JP3967051B2 JP 3967051 B2 JP3967051 B2 JP 3967051B2 JP 33156899 A JP33156899 A JP 33156899A JP 33156899 A JP33156899 A JP 33156899A JP 3967051 B2 JP3967051 B2 JP 3967051B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- resist layer
- acid
- resist
- carbon atoms
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
- Materials For Photolithography (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、紫外線、遠紫外線、X線、電子線、分子線、γ線、シンクロトロン放射線等の輻射線による露光用のポジ型レジスト積層物に関し、さらに詳しくは、IC等の半導体製造工程で、例えば回路基板等を製造する際に用いる、特に高い解像力と感度、矩形な断面形状のレジストを与え且つ広いプロセス許容性をそなえた微細加工用ポジ型レジスト積層物に関する。
本発明のポジ型レジスト積層物は、次のような工程で用いることができる。例えば、半導体ウエハー、又はガラス、セラミックス、金属等の基板上に又はそれらの上に反射防止層や有機膜を設置した上にスピン塗布法又はローラー塗布法で0.01〜3μmの厚みに塗布される。その後、加熱、乾燥し、露光マスクを介して回路パターン等を活性光線照射等により焼き付け、現像してポジ画像が得られる。更にこのポジ画像をマスクとしてエッチングする事により基板にパターン状の加工を施す事ができる。代表的な応用分野にはIC等の半導体製造工程、液晶、サーマルヘッド等の回路基板の製造、更にその他のフォトファブリケーション工程等がある。
【0002】
【従来の技術】
LSIの高集積化にともない従来の単層レジストでは解像限界が明らかになり、レジストを単層ではなく多層化することにより、膜厚が厚くしかも微細な高形状比パターンを形成する方法が提案されている。すなわち、第1層目に有機高分子の厚膜を形成し、その上の第2層に薄膜のレジスト材料層を形成したのち、第2のレジスト材料に高エネルギー線を照射し、現像する。それにより得られるパターンをマスクとして第1層目の有機高分子を酸素プラズマエッチング(O2−RIE)で異方エッチングすることにより矩形形状性の高いパターンを得ようとするものである(リン、ソリッドステートテクノロジー 第24巻 第73ページ(1981)参照)。
【0003】
この場合、第2層のレジスト層はO2−RIE耐性が高くなければならないので、通常シリコン含有ポリマーが用いられている。特にシリコン含量を高めるために、ポリマー主鎖にシリコン原子を有する酸分解性基含有ポリシロキサン又はポリシルセスキオキサンを用いる試みが多くなされている。例えば、特開昭63−218948号、特開平4−245248号、同6−184311号、同8−160620号、特開平9−274319号等の各公報が挙げられる。
そして第1のレジスト層は、基板との密着性および製膜性、高い耐ドライエッチング性、第2レジスト層との非混和性、露光波長における高い光吸収特性等を付与させるためにノボラック樹脂等を高温処理して固化させる方法が一般的であり、広く行われている。
【0004】
しかしながら、この方法ではポリシロキサン又はポリシルセスキオキサンを用いる第2レジスト層との密着が悪いことから、特に0.2μm以下の微細なライン/スペースを形成するために用いた場合に、ラインのうねりを生じやすく、さらにはパターン倒れを起こしやすいという問題があった。また、上記ノボラック樹脂を含む第1レジスト層においては、高温処理を長時間行うことが必要であり、半導体デバイス等の製造においては製造適性が著しく低いという問題もあった。この高温処理を短時間で行うと第1レジスト層の固化が不十分となり、第2レジスト層と混ざる現象(インターミックス)が生じ、結果として現像残査の多いパターンを形成するという問題もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、半導体デバイスの製造において、遠紫外領域の露光に対応し得、高い解像力を有するポジ型レジスト積層物を提供することにある。
本発明の他の目的は、特に0.2μm以下の微細なライン/スペースにおいて、ラインうねりの少ないレジストパターンを与えるポジ型レジスト積層物を提供することにある。
本発明の他の目的は、特に0.2μm以下の微細なライン/スペースにおいて、現像残査の発生量の少ないポジ型レジスト積層物を提供することにある。
本発明の他の目的は、高い製造適性を有するポジ型レジスト積層物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記諸特性に留意し鋭意検討した結果、本発明を完成させるに至った。即ち、本発明の目的は、以下の構成で達成することができる。
1. 基板上に第1レジスト層及びこの層上に第2レジスト層を有するポジ型レジスト積層物であって、
〔I〕第1レジスト層が、(a−1)下記一般式(1)で表される繰返し単位を含むポリマーを含有し、且つ熱により硬化する組成物を、熱により硬化させてなる層であり、
〔II〕第2レジスト層が、
(b)酸により分解しうる基を有し、かつアルカリ現像液中での溶解度が酸の作用により増大する性質のあるポリシロキサン又はポリシルセスキオキサン、及び
(c)活性光線もしくは放射線の照射により酸を発生する化合物、
を含有することを特徴とするポジ型レジスト積層物。
【0007】
【化4】
【0008】
式中、R1は水素原子、アルキル基、又はハロゲン原子を表し、L1、L2は、各々独立に、2価の連結基を表し、Mは芳香族基を表し、a、b、cは、各々独立に、0又は1を表す。
2. (a−1)一般式(1)で表される繰返し単位を含むポリマーが、さらに下記一般式(2)で表される繰返し単位を含むことを特徴とする上記(1)に記載のポジ型レジスト積層物。
【0009】
【化5】
【0010】
式中、R2は上記一般式(1)のR1と同義である。L3は2価の連結基を表す。
3. 第1レジスト層が、
(a−2)酸により活性化され、上記一般式(1)及び(2)で表される繰返し単位を含有するポリマーと反応して架橋構造を形成することができる熱架橋剤、及び
(a−3)熱により酸を発生する化合物
を含有する組成物を、熱により硬化させてなることを特徴とする上記2.に記載のポジ型レジスト積層物。
4. 第2レジスト層に含有される(b)成分の酸により分解しうる基を有し、かつアルカリ現像液中での溶解度が酸の作用により増大する性質のあるポリシロキサン又はポリシルセスキオキサンが、側鎖に下記一般式(3)で表される構造を有することを特徴とする上記1.に記載のポジ型レジスト積層物。
【0011】
【化6】
【0012】
式中、J1は置換基を有していてもよいアルキレン基を表し、J2は置換基を有していてもよいアリーレン基又は置換基を有していてもよいシクロアルキレン基を表し、J3は2価の連結基を表し、J4は2〜4価の連結基を表し、Gは酸の作用により分解する基を表す。
k、l、m、nは、各々独立に、0又は1を表す。但し、k、l、m、nは、同時に0であることはない。
pは1〜3の整数を表す。
5. 基板上に上記1.に記載の第1レジスト層を設ける工程、
その第1レジスト層を熱処理して硬化させる工程、
この第1レジスト層上に、請求項1に記載の第2レジスト層を設ける工程、
その第2レジスト層に、活性光線又は放射線を所望のパターン状に露光する工程、露光された第2レジスト層をアルカリ現像液で現像する工程、及び
そのパターン状に形成された第2レジスト層をマスクとして、第1レジスト層をエッチングする工程
を含むことを特徴とする微細パターン形成方法。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を明らかにするが、本発明はこれに限定されない。
本発明のポジ型レジスト積層物は、(a−1)成分である一般式(1)の繰返し単位を有するポリマーを含有する第1レジスト層と、(b)成分である酸により分解しうる基を有し、かつアルカリ現像液中での溶解度が酸の作用により増大する性質のあるポリシロキサン又はポリシルセスキオキサン及び(c)活性光線もしくは放射線の照射により酸を発生する化合物を含有する第2レジスト層とを有する。
【0014】
本発明の効果をより優れたものにするためには、第1レジスト層に含有される(a−1)ポリマーにおいて、一般式(1)で表される繰返し単位の含有量が、ポリマーの全重量に対して20〜99重量%であることが好ましく、30〜98重量%であることがより好ましく、40〜95重量%であることが特に好ましい。
一般式(1)において、R1は水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜6のアルキル基)、ハロゲン原子(Cl、Br、Iなど)であり、好ましくは水素原子、炭素数1〜3のアルキル基であり、特に好ましくは水素原子、メチル基、エチル基である。
L1は2価の連結基を表し、アルキレン基、アリーレン基、アラルキレン基であることが好ましい。これらの基は置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、Cl、Br、F等のハロゲン原子、−CN基、−OH基、アミノ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜14のアラルキル基等が挙げられる。
L1としてより好ましくは、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキレン基、置換基を有していてもよいフェニレン基、及び置換基を有していてもよい炭素数7〜10のアラルキレン基であり、置換基を有してもよい炭素数2〜6のアルキレン基と置換基を有していてもよいフェニレン基が特に好ましい。
【0015】
L2は2価の連結基を表し、具体的には、−COO−、−OCO−、−O−、−CON(R11)−、−N(R11)CO−、−N(R11)−、−NH−CO−NH−、−OCOO−を表すことが好ましい。ここで、R11は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基を表し、より好ましくは水素原子、炭素数1〜3のアルキル基である。
好ましいL2としては、−COO−、−OCO−、−O−、−N(R11)CO−、−N(R11)−が挙げられる。
a、b、cは、各々独立に、0又は1を表す。
Mは芳香族基を表し、置換基を有していてもよい。置換基としては、上記L1のアルキレン基等の置換基として挙げたものが挙げられる。好ましいMとしては、フェニル基、置換フェニル基、ナフチル基、置換ナフチル基、ビフェニル基、置換ビフェニル基、アントリル基、置換アントリル基、フェナントリル基、置換フェナントリル基等が挙げられ、より好ましくはフェニル基、置換フェニル基、ナフチル基、置換ナフチル基、ビフェニル基、置換ビフェニル基である。
【0016】
第1レジスト層に含まれる(a−1)ポリマーは、本発明の効果をより優れたものにするために、一般式(2)で表される繰返し単位をさらに含むことが好ましい。
一般式(2)において、R2はR1と同義であり、L3は2価の連結基を表し、好ましくは上記L1と同義である。L3として、より好ましい連結基は、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキレン基、置換基を有していてもよいフェニレン基、置換基を有していてもよい炭素数7〜10のアラルキレン基であり、置換基を有してもよい炭素数2〜6のアルキレン基及び置換基を有していてもよいフェニレン基が特に好ましい。
第1レジスト層に含有される(a−1)ポリマーにおいて、一般式(2)で表される繰返し単位の含有量は、ポリマー全重量に対して1〜80重量%であることが好ましく、2〜70重量%であることがより好ましく、5〜60重量%であることが特に好ましい。
【0017】
本発明に用いられる(a−1)ポリマーは、上記一般式(1)、(2)で表される繰返し単位の他にも、製膜性、密着性、現像性等を向上させる目的でさらに他の繰返し単位を含有していてもよい。
【0018】
このような他の繰返し単位に相当する単量体として、例えばアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類等から選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物が挙げられる。
具体的にはたとえば、
アクリル酸エステル類、例えばアルキル(アルキル基の炭素原子数は1〜10のものが好ましい)アクリレート(例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸アミル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−t−オクチル、クロルエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2,2−ジメチルヒドロキシプロピルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ペンタエリスリトールモノアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等);
【0019】
メタクリル酸エステル類、例えばアルキル(アルキル基の炭素原子数は1〜10のものが好ましい。)メタクリレート(例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、クロルベンジルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ペンタエリスリトールモノメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等);
【0020】
アクリルアミド類、例えばアクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、(アルキル基としては炭素原子数1〜10のもの、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロヘキシル基、ヒドロキシエチル基等がある。)、N,N−ジアルキルアクリルアミド(アルキル基としては炭素原子数1〜10のもの、例えばメチル基、エチル基、ブチル基、イソブチル基、エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等がある。)、N−ヒドロキシエチル−N−メチルアクリルアミド、N−2−アセトアミドエチル−N−アセチルアクリルアミド等;
【0021】
メタクリルアミド類、例えばメタクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド(アルキル基としては炭素原子数1〜10のもの、例えばメチル基、エチル基、t−ブチル基、エチルヘキシル基、ヒドロキシエチル基、シクロヘキシル基等がある。)、N,N−ジアルキルメタクリルアミド(アルキル基としてはエチル基、プロピル基、ブチル基等がある。)、N−ヒドロキシエチル−N−メチルメタクリルアミド等;
【0022】
アリル化合物、例えばアリルエステル類(例えば酢酸アリル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリル、ラウリン酸アリル、パルミチン酸アリル、ステアリン酸アリル、安息香酸アリル、アセト酢酸アリル、乳酸アリル等)、アリルオキシエタノール等;
【0023】
ビニルエーテル類、例えばアルキルビニルエーテル(例えばヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、1−メチル−2,2−ジメチルプロピルビニルエーテル、2−エチルブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ブチルアミノエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル等);
【0024】
ビニルエステル類、(例えばビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルトリメチルアセテート、ビニルジエチルアセテート、ビニルバレート、ビニルカプロエート、ビニルクロルアセテート、ビニルジクロルアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシアセテート、ビニルアセトアセテート、ビニルラクテート、ビニル−β−フェニルブチレート、ビニルシクロヘキシルカルボキシレート等);
【0025】
イタコン酸ジアルキル類(例えばイタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチル等);
フマール酸のジアルキルエステル類(例えばジブチルフマレート等)又はモノアルキルエステル類;
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、マレイミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、マレイロニトリル等が挙げられる。
その他にも、上記種々の繰り返し単位と共重合可能である付加重合性の不飽和化合物であればよい。
【0026】
本発明に用いられる(a−1)ポリマーの重量平均分子量は、特に制限はないが、成分(a−2)の熱架橋剤、(a−3)の熱酸発生剤との相溶性、有機溶剤性、製膜性等から、1000〜100万が好ましく、さらには2000〜10万が好ましい。
本発明に用いられる(a−1)ポリマーの具体例には次のようなものが挙げられるが、これらに限定されない。括弧に付されている数字はモル分率である。
【0027】
【化7】
【0028】
【化8】
【0029】
【化9】
【0030】
本発明において、第1レジスト層中の、上記(a−1)のポリマーの含有量は、第1レジスト層の全固形分に対して30〜98重量%が好ましく、より好ましくは50〜95重量%である。
第1レジスト層が、上記(a−1)のポリマーとともに、さらに本発明の効果をより優れたものにするために、
(a−2)酸により活性化され、一般式(1)及び一般式(2)で表される繰返し単位を含有するポリマーと反応して架橋構造を形成することができる熱架橋剤(「熱架橋剤」ともいう)、及び(a−3)熱により酸を発生する化合物(「熱酸発生剤」ともいう)とを含有することが好ましい。
熱架橋剤としては、公知のものを広く使用できるが、例えば、メチロール基、アルコキシメチル基、及びアシロキシメチル基から選ばれた少なくとも1種の基で置換された、メラミン化合物、ベンゾグアナミン化合物、グリコールウリル化合物又はウレア化合物が好ましく挙げられる。
アルコキシメチル基としては、メトキシメチル、エトキシメチル、プロポキシメチル、ブトキシメチル等が挙げられる。
アシロキシメチル基としては、アセチルオキシメチル等が挙げられる。
これら化合物中に含まれるメチロール基、アルコキシメチル基、及びアシロキシメチル基の数は、1分子当たり、メラミン化合物の場合は2〜6個、好ましくは5〜6個、グリコールウリル化合物、ベンゾグアナミン化合物の場合は2〜4、好ましくは3〜4個である。ウレア化合物の場合には、3〜4個である。
これらのなかでも、熱架橋性及び保存安定性の観点から、ヘキサメトキシメチルメラミン、テトラメトキシメチルベンゾグアナミン、テトラメトキシメチルグリコールウリル化合物が最も好ましい。
【0031】
以上のメチロール基含有化合物はいずれもメラミン,グアナミンあるいはウレアを水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,アンモニア,テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド等の塩基性触媒存在下ホルマリンと反応させることにより得られる。
また、アルコキシメチル基含有化合物は,上記メチロール基含有化合物をアルコール中で塩酸,硫酸,硝酸,メタンスルホン酸等の酸触媒存在下加熱することで得られる。
アシロキシメチル基含有化合物は、上記メチロール基含有化合物を塩基触媒存在下で酸無水物もしくは酸ハロゲン化物と反応させることにより得られる。
本発明における第1レジスト層の組成物中における熱架橋剤の含有量は、固形分換算で、通常2〜50重量%,好ましくは5〜30重量%である。
【0032】
(a−3)熱酸発生剤としては、酸を発生し始める温度が150〜220℃のものが好ましく、170〜200℃であるものがより好ましい。
また、スルホン酸エステル化合物又はジアリールヨードニウム塩を用いることが好ましい。
スルホン酸エステル化合物としては、好ましくは炭素数3〜20の有機スルホン酸エステルであり、具体的には2−プロパノール、2−ブタノール、2−ペンタノール、シクロヘキサノール等の2級アルコールのスルホン酸エステルが好ましい。
ジアリールヨードニウム塩化合物としては、ジアリールヨードニウムカチオンと、有機スルホン酸のアニオン、SbF6アニオン、PF6アニオンあるいはAsF6アニオンとの塩が挙げられる。ここでアニオンとしては有機スルホン酸のアニオンが好ましい。
ジアリールヨードニウム塩化合物としては、具体的には下記の化合物が挙げられる。
【0033】
【化10】
【0034】
【化11】
【0035】
【化12】
【0036】
【化13】
【0037】
これらの中でも、ジアリールヨードニウムと有機スルホン酸の塩が安定性及び溶剤溶解性の観点から好ましい。
なかでもアリール基上に炭素数が1〜12の直鎖状あるいは分岐状アルキル基又は炭素数が1〜12のアルコキシ基を置換基として有するジアリールヨードニウムカチオンと有機スルホン酸アニオンの塩は安全性の観点からも好ましい。
ここで、炭素数が1〜12の直鎖状あるいは分岐状アルキル基、炭素数が1〜12のアルコキシ基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−アミル基、i−アミル基、t−アミル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基が挙げられる。
また、上記アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基等が挙げられる。
【0038】
有機スルホン酸アニオンとしては、トリフルオロメタンスルホナート、メタンスルホナート、アリール基上に炭素数が1〜12の直鎖状あるいは分岐状アルキル基、炭素数が1〜12のアルコキシ基(これらのアルキル基、アルコキシ基は前記のものと同様のものが例示できる。)あるいはハロゲン原子を置換基として有していても良いアリールスルホナートが溶剤溶解性の観点から好ましい。アリール基としては、上記のものと同様のものが例示できる。
これら熱酸発生剤は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
熱酸発生剤は、通常、第1レジスト層の組成物100重量部に対し、固形分換算で、通常0.5〜10重量部、好ましくは1〜5重量部の割合で配合される。
【0039】
本発明のポジ型レジスト積層物の第1レジスト層の組成物には、記述した(a−1)ポリマー、(a−2)熱架橋剤、(a−3)熱酸発生剤の他にも、製膜性、耐熱性、耐ドライエッチング性等を向上させるため、さらにその他のポリマーを添加してもよい。
このようなポリマーの好適な例としては、ノボラックフェノール樹脂、具体的にはフェノールアルデヒド樹脂、o−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、p−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、キシレノールホルムアルデヒド樹脂、もしくはこれらの共縮合物等がある。さらに、特開昭50−125806号公報に記載されているように、上記のようなフェノール樹脂とともにt−ブチルフェノールアルデヒド樹脂のような、炭素数3〜8のアルキル基で置換されたフェノールもしくはクレゾールとホルムアルデヒドとの縮合物とを併用してもよい。
また、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミドのようなフェノール性ヒドロキシ基含有モノマーを共重合成分とするポリマー、p−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシスチレン、m−イソプロペニルフェノール、p−イソプロペニルフェノール等の、単独もしくは共重合のポリマー、更に又はこれらのポリマーを部分エーテル化、部分エステル化したポリマーも使用できる。
【0040】
第1レジスト層を形成するための組成物には、必要に応じて特開平4−122938号公報、特開平2−275955号公報、同4−230754号公報等に記載の芳香族ポリヒドロキシ化合物を添加してもよい。
また、第1レジスト層を形成するための組成物は、有機塩基性化合物を含有してもよい。有機塩基性化合物としては、後記する第2レジスト層の組成物に配合されるものと同じものを挙げることができるが、なかでもグアニジン、1,1−ジメチルグアニジン、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン、2−アミノピリジン、3−アミノピリジン、4−アミノピリジン、2−ジメチルアミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2−ジエチルアミノピリジン、2−(アミノメチル)ピリジン、2−アミノ−3−メチルピリジン、2−アミノ−4−メチルピリジン、2−アミノ−5−メチルピリジン、2−アミノ−6−メチルピリジン、3−アミノエチルピリジン、4−アミノエチルピリジン、3−アミノピロリジン、ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペリジン、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ピペリジノピペリジン、2−イミノピペリジン、1−(2−アミノエチル)ピロリジン、ピラゾール、3−アミノ−5−メチルピラゾール、5−アミノ−3−メチル−1−p−トリルピラゾール、ピラジン、2−(アミノメチル)−5−メチルピラジン、ピリミジン、2,4−ジアミノピリミジン、4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−ピラゾリン、3−ピラゾリン、N−アミノモルフォリン、N−(2−アミノエチル)モルフオリン、イミダゾール、ベンズイミダゾール、フェニルイミダゾール、ジフェニルイミダゾール、トリフェニルイミダゾール等の使用が好ましい。
【0041】
第1レジスト層における成分(a−1)、(a−2)、及び(a−3)を溶解させる溶剤としては、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のアルコールエーテル類、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル類のエーテル類、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のセロソルブエステル類、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル等の脂肪酸エステル類、1,1,2−トリクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素類、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の高極性溶剤を例示することができる。これら溶剤は単独で、あるいは複数の溶剤を混合して使用することもできる。
【0042】
第1レジスト層の組成物には、必要に応じ染料、可塑剤、接着助剤及び界面活性剤等を配合することができる。その具体例として、メチルバイオレット、クリスタルバイオレット、マラカイトグリーン等の染料、ステアリン酸、アセタール樹脂、フェノキシ樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂等の可塑剤、ヘキサメチルジシラザン、クロロメチルシラン等の接着助剤及びノニルフェノキシポリ(エチレンオキシ)エタノール、オクチルフェノキシポリ(エチレンオキシ)エタノール等の界面活性剤が挙げられる。使用できる界面活性剤については、詳しく後述されるものが挙げられる。
染料においては、分子内に芳香族水酸基、カルボン酸基等のアルカリ可溶基を含む染料、例えばクルクミン等が特に有利に使用される。
【0043】
次に、第2レジスト層に用いられる(b)酸により分解しうる基を有し、かつアルカリ現像液中での溶解度が酸の作用により増大する性質のあるポリシロキサン又はポリシルセスキオキサンについて説明する。
(b)成分のポリシロキサン又はポリシルセスキオキサンは、酸の作用により分解する基を側鎖に有するものが挙げられ、好ましくは下記一般式(3)で表される構造を側鎖に有するものである。これにより、解像力等のレジスト性能及び耐熱性が優れる。
【0044】
【化14】
【0045】
式中、J1は、置換基を有していてもよいアルキレン基、好ましくは置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキレン基を表し、置換基の例としては、先に一般式(1)におけるL1のアルキレン基等の置換基の例としてあげたものと同じものが挙げられる。好ましいJ1は、炭素数1〜6のアルキレン基であり、より好ましくは炭素数1〜4のアルキレン基(メチレン基、エチレン基、プロピレン基等)である。
kは0又は1を表す。
J2は置換基を有していてもよいアリーレン基、好ましくは置換基を有していてもよい炭素数6〜14のアリーレン基又は置換基を有していてもよいシクロアルキレン基、好ましくは置換基を有していてもよい炭素数4〜10のシクロアルキレン基を表し、これらの置換基の例としてはJ1の説明と同様である。好ましいJ2は、炭素数6〜10のアリーレン基(フェニレン基、ナフチレン基等)、炭素数5〜8のシクロアルキレン基(シクロヘキシレン基、シクロオクチレン基等)である。
lは0又は1を表す。
【0046】
J3は2価の連結基を表す。該連結基として、−O−、−N(R21)−、−COO−、−OC(=O)−、−O(C=O)O−、−CON(R21)−、−N(R21)CO−、−NH−CO−NH−基等を挙げることができる。R21は一般式(1)におけるR11と同義である。好ましいJ3は、−COO−、−OCO−、−O−、−CON(R21)−、−N(R21)CO−である。
mは0又は1を表す。
J4は2〜4価の連結基を表す。該連結基として、炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数4〜10のシクロアルキレン基、炭素数5〜10のビシクロアルキレン基、炭素数5〜10のトリシクロアルキレン基、炭素数6〜12のアリーレン基、及びこれらの基から水素原子1個又は2個除いて形成される3価又は4価の基が好ましく挙げられる。より好ましい連結基としては、炭素数1〜5のアルキレン基、このアルキレン基から水素原子1個を除いて形成される3価の基、炭素数5〜8のビシクロアルキレン基、炭素数5〜8のトリシクロアルキレン基、フェニレン基、フェニレン基から水素原子1個又は2個除いて形成される3価又は4価の基が挙げられる。
nは0又は1を表す。
【0047】
Gは、酸の作用により分解する基、即ち酸分解性基を表す。好ましい酸分解性基として、−COO−R31、−OCO−R31、−O−CH(CH3)−O−R32、−COOCH(CH3)−O−R32が挙げられる。ここでR31は3級アルキル基を表し、好ましくは炭素数4〜8の3級アルキル基(t−ブチル基、t−アミル基等)である。R32は置換基を有していてもよい炭素数2〜12のアルキル基または置換基を有していてもよい炭素数7〜14のアラルキル基を表す。置換基の例としては、先に一般式(1)におけるL1のアルキレン基等の置換基の例としてあげたものと同じものが挙げられる。
R32として、好ましくはエチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、イソアミル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、ベンジル基、フェネチル基、フェニルオキシエチル基等が挙げられる。
pは1〜3の整数を表す。
k、l、m、nは同時に0であることはない。
【0048】
成分(b)のポリシロキサン又はポリシルセスキオキサンは、溶解性の調節やリソグラフィー性能の向上の観点から、一般式(3)において、Gが酸分解性基ではなくて、−OH基及び/又は−COOH基である側鎖を有することが好ましい。この場合、Gが−OH基及び/又は−COOH基である側鎖の割合は、Gが酸分解性基である場合の側鎖との合計量のうち、モル分率で0〜60%であることが好ましく、5〜40%であることがより好ましい。
【0049】
また、リソグラフィー性能、製膜性、耐熱性を向上させる目的で、 成分(b)のポリシロキサン又はポリシルセスキオキサンは、下記一般式(4)及び/又は(5)で表される側鎖を有することが好ましい。
【0050】
【化15】
【0051】
式中、J5はJ1と、J6はJ2と同義である。
q、rは、各々独立に、0又は1を表す。
Aは、アルキル基、アリール基、アラルキル基を表し、それぞれ置換基を有していてもよい。置換基の例としては上記一般式(1)のL1のアルキレン基等の置換基としてあげたものが挙げられる。Aとして好ましくは、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基であり、より好ましくは、炭素数1〜8のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、シクロヘキシルメチル基等)、炭素数6〜9のアリール基(フェニル基、p−メチルフェニル基等)、炭素数7〜10のアラルキル基(ベンジル基、フェネチル基等)が挙げられる。
L7はJ1と同義である。R41、R42は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基である。また、R41とR42は、互いに結合して環を形成してもよい。この場合、環の数は1〜3個であることが好ましく、さらには以下の構造のものも好ましい。
【0052】
【化16】
【0053】
一般式(4)及び/又は(5)で表される側鎖を有する繰返し単位の割合は、成分(b)のポリマー中に存在する全繰り返し単位のうち、モル分率でそれぞれ0〜70%であることが好ましく、より好ましくは0〜60%であり、特に好ましくは0〜50%である。
【0054】
本発明の第2レジスト層に含有される(b)成分の酸分解性基含有ポリシロキサン及びポリシルセスキオキサンの重量平均分子量は、特に制限はないが、他の成分との相溶性、有機溶剤溶解性、性能のバランス等から、1000〜10万が好ましく、さらには2500〜5万が好ましい。
以下に、本発明の第2レジスト層に含有される(b)成分のポリシロキサン及びポリシルセスキオキサンの具体例を挙げるが、これらに限定されるわけではない。なお、下記の具体例で、保護率とは、アルカリ現像液に対する溶解性を示す基を酸分解性基で保護する際の保護の割合をモル%で表したものを意味する。
【0055】
【化17】
【0056】
【化18】
【0057】
【化19】
【0058】
【化20】
【0059】
【化21】
【0060】
【化22】
【0061】
本発明において、上記(b)成分の第2レジスト層中の添加量としては、第2レジスト層の固形分の全重量に対して50〜99重量%が好ましく、より好ましくは70〜98重量%である。
本発明のポジ型レジスト積層物の第2のレジスト層を形成するための組成物に配合される(c)成分は、活性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する化合物、即ち光酸発生剤である。光酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている公知の光により酸を発生する化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
【0062】
たとえばS. I. Schlesinger, Photogr. Sci. Eng., 18, 387(1974)、T. S. Bal etal, Pol ymer, 21, 423(1980)等に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号、同Re 27,992号、特開平3-140140号等に記載のアンモニウム塩、D. C. Necker etal, Macromolecules, 17, 2468(1984)、C. S. Wen etal, Teh, Proc. Conf. Rad. Curing ASIA, p478 Tokyo, Oct(1988)、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号等に記載のホスホニウム塩、J. V. Crivello et al,Macromorecules, 10(6)., 1307(1977)、Chem. & Eng. News, Nov. 28, p31(1988)、欧州特許第104,143号、米国特許第339,049号、同第410,201号、特開平2-150,848号、特開平2-296,514号等に記載のヨードニウム塩、J. V. Crivello etal,Polymer J. 17, 73(1985)、J. V. Crivello etal. J. Org. Chem ., 43, 3055(1978)、W. R. Watt etal, J. Polymer Sci., Polymer Chem. Ed., 22, 1789(1984)、J. V. Crivello etal, Polymer Bull., 14, 279(1985)、J. V. Crivello et.al, Macromorecules, 14(5), 1141(1981)、J. V. Crivello etal, J. Polymer Sci., Polymer Chem. Ed., 17, 2877 (1979)、欧州特許第370,693号、同161,811号、同410,201号、同339,049号、同233,567号、同297,443号、同297,442号、米国特許第4,933,377号、同3,902,114 号、同4,760,013号、同4,734,444号、同2,833,827号、独国特許第2,904,626号、同3,604,580号、同3,604,581号等に記載のスルホ ニウム塩、J. V. Crivello etal, Macromorecules, 10(6), 1307(1977)、J. V. Crivello etal, J. Polymer Sci., Polymer Chem. Ed., 17, 1047(1979)等に記 載のセレノニウム塩、C. S. Wen etal, Teh, Proc. Conf. Rad. Curing ASIA, p478 Tokyo, Oct(1988)等に記載のアルソニウム塩等のオニウム塩、米国特許第3,905,815号、特公昭46-4605号、特開昭48-36281号、特開昭55-32070号、特開昭60-239736号、特開昭61-16983 5号、特開昭61-169837号、特開昭62-58241号、特開 昭62-212401号、特開昭63-70243号、特開昭63-298339号等に記載の有機ハロゲン化合物、K. Meier etal, J. Rad. Curing, 13(4)、26(1986)、T. P.Gill etal, Inorg. Chem., 19, 3007(1980)、D. Astruc, Acc. Chem. Res., 19(12), 377(1896)、特開平2-161445号等に記載の有機金属/有機ハロゲン化物、S. Hayase etal, J. Polymer Sci., 25, 753(1987)、E. Reichmanis etal, J. Pholymer Sci., Polymer Chem. Ed., 23, 1(1985)、Q. Q. Zhu etal, J. Photochem., 36, 85, 39, 317(1987)、B. Amit etal, Tetrahedron Lett., (24) 2205(1973)、D. H. R. Barton etal, J. Chem Soc., 357 1(1965)、P. M. Collins etal, J. Chem. Soc., Perkin I, 1695(1975)、M. Rudinstein etal, Tetrahedron Lett., (17), 1445(1975)、J. W. Walker etal J. Am. Chem. Soc., 110, 7170(1988)、S. C. Busman etal, J. Imaging Technol., 11(4), 191(1985)、H. M. Houlihan etal, Macor molecules, 21, 2001(1988)、P. M. Collins etal, J. Chem. Soc., Chem. Commun., 532(1972 )、S. H ayase etal, Macromole cules, 18, 1799(1985)、E. Reichman is etal, J. Electrochem. Soc., Solid State Sci. Technol., 130(6)、F. M. Houlihan etal, Macromolcules, 21, 200 1(1988)、欧州特許第0290,750号、同046,083号、同156,535号、同271,851号、同0,388,343号、米国特許第3,901,710号、同4,1 81,531号、特開昭60-198538号、特開昭53-133022号等に記載のO−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤、M. TUNOOKA etal, Polymer Preprints Japan, 35(8)、G. Berner etal, J. Rad. Curing, 13(4)、W. J. Mijs etal, Coating Technol., 55(697), 45(1983), Akzo、H.Adachi etal, Polymer Preprints, Japan, 37(3)、欧州特許第0199,672号、同84515号、同044,115号, 同618,564号、同0101,122号、米国特許第4,371,605号、同4,431,774号、 特開昭64-18143号、特開平2-245756号、特開平3-140109号等に記載のイミノスルフォネート等に代表される光分解してスルホン酸を発生する化合物、特開昭61-166544号等に記載のジスルホン化合物等を挙げることができる。
【0063】
また、これらの光により酸を発生する基、あるいは化合物をポリマーの主鎖又は側鎖に導入した化合物、たとえば、M. E. Woodhouse etal, J. Am. Chem. Soc., 104, 5586(1982)、S. P. Pappas etal, J. Imaging Sci., 30(5), 218(1986)、S. Kondo etal, Makromol. Chem. , Rapid Commun., 9,625(1988)、Y. Yamadaetal, Makromol. Chem., 152, 153, 163(1972)、J. V. Crivello etal, J. Polymer Sci., Polymer Chem. Ed., 17, 3845(1979)、米国特許第3,849,137号、独国特許第3914407、特開昭63-26653号、特開昭55-164824号、特開昭62-69263号、特開昭63-146038、特開昭63-163452号、特開昭62- 153853号、特開昭63-146029号等に記載の化合物を用いることができる。さらにV. N. R. Pillai, Synthesis, (1), 1(1980)、A. Abad etal, Tetra hedron Lett., (47) 4555(1971)、D. H.R. Barton etal, J. Chem. Soc., (C), 329(1970)、米国特許第3,779,778号、欧州特許第126,712号等に記載の光により酸を発生する化合物も使用することができ る。
【0064】
これらの中でも、露光による酸の発生効率、酸の適性拡散、レジスト中での安定性等の観点から、ジアゾジスルホン化合物、置換又は非置換のジアリールヨードニウム又はトリアリールスルホニウムの塩、特に置換又は非置換のアリールスルホン酸塩、カンファースルホン酸塩等が好ましい。
本発明において、上記(c)成分の第2レジスト層中の添加量としては、第2レジスト層の固形分の全重量に対して0.01〜20重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜10重量%である。
【0065】
第2レジスト層を形成するための組成物に含有される上記(b)成分、(c)成分、下記する各種成分を溶解して組成物を溶液として調製するための溶剤としては、第1レジストの組成物を溶解するために用いられる上記した溶剤を用いることができる。
【0066】
本発明のポジ型レジスト積層物の第2レジスト層を形成するための組成物に、有機塩基性化合物を配合することができる。これにより、保存時の安定性向上及びPEDによる線巾変化が少なくなるため好ましい。本発明で用いることのできる好ましい有機塩基性化合物とは、フェノールよりも塩基性の強い化合物である。中でも含窒素塩基性化合物が好ましい。好ましい化学的環境として、下記式(A)〜(E)の構造を挙げることができる。
【0067】
【化23】
【0068】
ここで、R250、R251及びR252は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアミノアルキル基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基又は炭素数6〜20の置換もしくは非置換のアリール基であり、ここでR251とR252は互いに結合して環を形成してもよい。
【0069】
【化24】
【0070】
上記式(E)中、R253、R254、R255及びR256は、同一又は異なり、炭素数1〜6のアルキル基を示す。
【0071】
さらに好ましい化合物は、一分子中に異なる化学的環境の窒素原子を2個以上有する含窒素塩基性化合物であり、特に好ましくは、置換もしくは未置換のアミノ基と窒素原子を含む環構造の両方を含む化合物もしくはアルキルアミノ基を有する化合物である。好ましい具体例としては、置換もしくは未置換のグアニジン、置換もしくは未置換のアミノピリジン、置換もしくは未置換のアミノアルキルピリジン、置換もしくは未置換のアミノピロリジン、置換もしくは未置換のインダゾール、置換もしくは未置換のピラゾール、置換もしくは未置換のピラジン、置換もしくは未置換のピリミジン、置換もしくは未置換のプリン、置換もしくは未置換のイミダゾリン、置換もしくは未置換のピラゾリン、置換もしくは未置換のピペラジン、置換もしくは未置換のアミノモルフォリン、置換もしくは未置換のアミノアルキルモルフォリン、置換もしくは未置換のイミダゾール、ジアザビシクロ化合物等が挙げられる。好ましい置換基は、アミノ基、アミノアルキル基、アルキルアミノ基、アミノアリール基、アリールアミノ基、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ニトロ基、水酸基、シアノ基である。
【0072】
特に好ましい化合物として、グアニジン、1,1−ジメチルグアニジン、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン、2−アミノピリジン、3−アミノピリジン、4−アミノピリジン、2−ジメチルアミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2−ジエチルアミノピリジン、2−(アミノメチル)ピリジン、2−アミノ−3−メチルピリジン、2−アミノ−4−メチルピリジン、2−アミノ−5−メチルピリジン、2−アミノ−6−メチルピリジン、3−アミノエチルピリジン、4−アミノエチルピリジン、3−アミノピロリジン、ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペリジン、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ピペリジノピペリジン、2−イミノピペリジン、1−(2−アミノエチル)ピロリジン、ピラゾール、3−アミノ−5−メチルピラゾール、5−アミノ−3−メチル−1−p−トリルピラゾール、ピラジン、2−(アミノメチル)−5−メチルピラジン、ピリミジン、2,4−ジアミノピリミジン、4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−ピラゾリン、3−ピラゾリン、N−アミノモルフォリン、N−(2−アミノエチル)モルフオリン、イミダゾール、ベンズイミダゾール、フェニルイミダゾール、ジフェニルイミダゾール、トリフェニルイミダゾール等が挙げられるがこれに限定されるものではない。
【0073】
これらの含窒素塩基性化合物は、単独であるいは2種以上組み合わせて用いられる。
また、これらの含窒素塩基性化合物は、第1レジスト層の組成物に添加することができる。
含窒素塩基性化合物の使用量は、第1レジスト層あるいは第2レジスト層の組成物(溶媒を除く)100重量部に対し、通常、0.001〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部である。0.001重量部未満では上記効果が得られない。一方、10重量部を超えると感度の低下や非露光部の現像性が悪化する傾向がある。
【0074】
本発明のポジ型レジスト積層物の各レジスト層の組成物には、必要に応じて、さらに界面活性剤、染料、顔料、可塑剤、光増感剤及び現像液に対する溶解性を促進させるフェノール性OH基を2個以上有する化合物等を含有させることができる。
【0075】
好適な界面活性剤は、具体的にはポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤、エフトップEF301,EF303,EF352(新秋田化成(株)製)、メガファックF171,F173(大日本インキ(株)製)、フロラードFC430,FC431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382,SC101,SC102,SC103,SC104,SC105,SC106(旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)やアクリル酸系もしくはメタクリル酸系(共)重合ポリフローNo.75,No.95(共栄社油脂化学工業(株)製)等を挙げることができる。
【0076】
これらの界面活性剤は単独で添加してもよいし、また、いくつかの組み合わせで添加することもできる。
好ましい添加量は、第1レジスト層あるいは第2レジスト層の組成物(溶媒を除く)100重量部に対して、0.0005〜0.01重量部である。
【0077】
第2レジスト層の現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の単一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第4級アンモニウム塩、ピロール、ピペリジン等の環状アミン類等のアルカリ類の水溶液を使用することができる。更に、上記アルカリ類の水溶液にアルコール類、界面活性剤、芳香族水酸基含有化合物等を適当量添加して使用することもできる。中では、特にテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを用いることが最も好ましい。
【0078】
本発明のポジ型レジスト積層物は、基板上に第1レジスト層を形成する。この層の形成は、第1レジスト層に含有される成分を、適当な溶剤に溶解させ、得られた溶液をスピンコート法、スプレー法等により塗布することにより行われる。第1レジスト層の膜厚は、0.1〜2.0μmであることが好ましく、より好ましくは0.2〜1.5μmであり、特に好ましくは0.25〜1.2μmである。0.1μmより薄いと、反射防止や耐ドライエッチング性の観点で好ましくなく、また2.0μmより厚いとアスペクト比が高くなりすぎて、形成した微細パターンが倒れやすいという問題があり、やはり好ましくない。
次いで、第2レジスト層の形成を行うが、その前に、第1レジスト層を熱処理することが好ましい。熱処理の温度としては、150〜250℃が好ましく、さらには170〜240℃が好ましく、180〜230℃が特に好ましい。150℃より温度が低いと、第2レジスト層を塗布する際に、第1レジスト層とインターミキシングが起こしやすく、また250℃以上では第1レジスト層中のポリマーの分解劣化が起こりやすいので、それぞれ好ましくない。
また、熱処理の時間は、上記熱処理温度によって異なるが、180〜230℃の熱処理の場合で、10秒〜1000秒の範囲に設定されることが好ましく、20〜600秒がより好ましい。
【0079】
次いで、第2レジスト層を第1レジスト層の上に形成させるが、上記の第1レジスト層の形成と同様に行うことができる。第2レジスト層の膜厚は、0.03〜0.6μmであることが好ましく、より好ましくは0.04〜0.5μmであり、特に好ましくは0.05〜0.45μmである。
得られた第2レジスト層は、次にパターン形成工程に付されるが、その第1段階として、まず第2層のレジスト組成物の膜にパターン形成処理を行う。必要に応じてマスク合わせを行い、このマスクを通して高エネルギー線を照射することにより、照射部分のレジスト組成物をアルカリ水溶液に可溶とし、アルカリ水溶液で現像してパターンを形成する。
【0080】
次いで、第2段階としてドライエッチングを行うが、この操作は上記レジスト組成物の膜のパターンをマスクとして酸素プラズマエッチングにより実施し、アスペクト比の高い微細なパターンが形成される。この酸素プラズマエッチングによる第1レジスト層に含有される有機高分子膜のエッチングは、従来のフォトエッチング操作により基板のエッチング加工の終了後に行われるレジスト膜の剥離の際に利用されるプラズマエッチングとまったく同一の技術である。この操作は、例えば円筒形プラズマエッチング装置により、反応性ガス、すなわちエッチングガスとして酸素を使用して実施することができる。
【0081】
【実施例】
以下に、本発明を実施例をもって具体的に説明するが、無論本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0082】
<(a−1)ポリマー、(b)ポリマーの合成>
合成例1((a−1)ポリマー:P−5の合成、実施例2、3、6、9〜11で使用)
4−ヒドロキシビフェニル18.6gと、メタクリル酸クロリド10.5gを酢酸エチル50mlに溶解した後、トリエチルアミン10.1gを滴下した。40℃で2時間反応させた後、蒸留水1リットルを添加し、デカンテーションにより集めた。生成物はシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。収率は75%であった。
(ポリマー合成)
上記モノマー22.4gと2−ヒドロキシエチルメタクリレート3.2gをDMF100gに溶解した後、反応液を65℃に加温し、同時に反応液中に窒素を30分流した。重合開始剤としてV−65(和光純薬(株)製品)50mgを2時間ごとに3回添加した。反応物は蒸留水1リットル中に再沈することにより粉体として回収した。得られたポリマーのGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量は8200であった。
【0083】
合成例2((a−1)ポリマー:P−16の合成、実施例4、5、13で使用)グリシジルメタクリレート14.2gと、3−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−ナフトエ酸21.8gと、メトキシハイドロキノン0.5gをアセトン60mlに添加した後、トリエチルアミン10.1gを滴下した。70℃で4時間反応させた後、蒸留水0.5リットルを添加し、デカンテーションにより集めた。生成物はシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。収率は80%であった。
(ポリマー合成)
上記モノマー20.2gと、2−ヒドロキシエチルメタクリレート1.6gをDMF60gに溶解した後、反応液を65℃に加温し、同時に反応液中に窒素を30分流した。重合開始剤としてV−65(和光純薬(株)製品)35mgを2時間ごとに3回添加した。反応物は蒸留水1リットル中に再沈することにより粉体として回収した。得られたポリマーのGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量は9100であった。
【0084】
合成例3((b)ポリマー:C−5の合成、実施例14で使用)
3−クロロプロピルトリメトキシシラン20gを乾燥したN,N−ジメチルアセトアミド200mlに添加した後、ジフェノール酸28.7g、ヨウ化カリウム3.0gおよびDBU16.0gを添加した。乾燥窒素雰囲気下70〜90℃で5時間反応させた。反応液を室温に戻し、そのまま次の工程に用いた。
(未保護ポリマー合成)
上記反応液に、フェニルトリメトキシシラン20gと蒸留水14.5gを添加し、50℃で3時間、ついで120℃で12時間反応させた。反応液を希塩酸で中和した後、蒸留水3リットルに攪拌下投入して、白色の固形粉体51gを得た。
(C−5の合成)
上記白色粉体を真空乾燥させた後、その20gをTHF100mlに溶解させた。ついでエチルビニルエーテル2.0gとp−トルエンスルホン酸−水和物20mgを加え、室温で10時間反応させた。
トリエチルアミンを添加して反応をクエンチした後、蒸留水2Lに攪拌下投入して、ポリマーを析出させた後、室温にて減圧乾燥し、目的のポリマー、C−5を16.2g得た。
【0085】
実施例1
(1)第1レジスト層の形成
をメトキシプロピルアセテート28gに溶解し、得られた溶液を0.1μm口径のメンブレンフィルターで精密ろ過して、第1レジスト組成物を得た。
シリコンウェハにこの組成物をキャノン製コーターCDS−650も用いて塗布し、90℃、90秒加熱して膜厚0.65μmの均一膜を得た。これをさらに200℃、90秒加熱して、膜厚0.50μmの第1レジスト層を得た。
(2)第2レジスト層の形成
をメトキシプロピルアセテート9gに溶解し、得られた溶液を0.1μm口径のメンブレンフィルターで精密ろ過して、第2レジスト組成物を得た。
上記の第1レジスト層の上に、第2レジスト層を同様に塗布し、110℃、90秒加熱して膜厚0.20μmの第2レジスト層を得た。
【0086】
こうして得られたウェハをキャノン製KrFエキシマレーザーステッパーFPA3000EX5に解像力マスクを装填して露光量を変化させながら露光した。
その後、クリーンルーム内で90℃、90秒加熱した後、テトラヒドロアンモニウムヒドロキシド現像液(2.38%)で60秒間現像し、蒸留水でリンス、乾燥してパターンを得た(上層パターン)。走査型電子顕微鏡にてパターンを観察した。
さらにアルバック製平行平板型リアクティブイオンエッチング装置を用い、上記上層のパターンを有するウェハをエッチング(ドライ現像)し、下層にパターン形成した。エッチングガスは酸素、圧力は20ミリトール、印加パワー100mW/cm2、エッチング時間は15分間とした。形成されたレジストパターンを走査型電子顕微鏡で観察した。
【0087】
下記の方法により、解像力、ラインパターンうねり、現像残査について評価した。
(1)解像力:マスクの0.18μmのライン/スペースが再現される最小露光量のとき、上層(第2レジスト層)においてライン/スペースが分離解像する最小寸法で評価した。
(2)ラインパターンうねり:上層(第2レジスト層)パターンにおいて、上記マスクの0.18μmラインの長さ方向20μmにおける直線からのラインのずれを任意の20点で測定したときの平均値で評価した。
(3)現像残査:発生の程度を目視評価(電子顕微鏡)し、5(著しく少ない)、4(少ない)、3(やや見られる)、2(多い)、1(著しく多い)の5段階評価とした。
結果は、解像力は0.15μm、ラインパターンのうねりは0.006μm、現像残査はレベル1と良好であった。
【0088】
実施例2〜20
実施例1の各レジスト層の成分(a−1)、(a−2)、(a−3)、(b)、(c)に代えて、表−1に記載の成分(a−1)、(a−2)、(a−3)、(b)、(c)を実施例1と同量用い、さらに必要に応じてその他成分を用い、実施例1と同様にして露光現像、エッチング処理し、それを走査型電子顕微鏡で観察し、評価を実施例1と同様に行った。その結果を表3に示す。
【0089】
比較例1〜3
実施例1の第1レジスト層の成分(a−1)、(a−2)、(a−3)に代えて、ノボラック樹脂及びキノンジアジド系感光剤を含む汎用のi線レジストであるFHi−028DD(富士フイルムオーリン社製i線用レジスト)を用い、高温加熱条件をそれぞれ200℃/90秒(比較例1)、200℃/10分(比較例2)、200℃/60分(比較例3)とした以外は、実施例1と同様にして露光現像、エッチング処理し、それを走査型電子顕微鏡で観察し、評価を実施例1と同様に行った。その結果を表3に示す。
【0090】
【表1】
【0091】
【表2】
【0092】
【表3】
【0093】
表3に示された実施例1〜16および比較例1〜3の評価結果より、以下のことが明らかである。
すなわち、実施例のレジスト積層物から、90秒という短時間の高温処理で固化し、解像力が高く、ラインうねり及び現像残査の少ないレジストパターンを形成することができる。
一方、第1レジスト層に従来のi線レジストを用いた比較例の場合、実施例と同じ短時間の高温処理では解像力が低く、ラインうねりが大きく、現像残査の発生量も多い。長時間の高温処理により、解像力、ラインうねり、現像残査は少なくなるものの、実施例の性能より劣り、しかも長時間処理することで、製造適性も大きく低下する。
【0094】
【発明の効果】
本発明のポジ型レジスト積層物は、遠紫外領域の露光に対応し得、高い解像力を有する。また、0.2μm以下の微細パターンにおけるラインうねり及び現像残査の少ないレジストパターンを形成することができる。さらに、短時間での高温処理が可能であり、製造適性にも優れる。
従って、本発明の組成物は、超微細な回路を有する半導体基板の量産製造用に極めて好適に用いられる。
Claims (5)
- 基板上に第1レジスト層及びこの層上に第2レジスト層を有するポジ型レジスト積層物であって、
〔I〕第1レジスト層が、(a−1)下記一般式(1)で表される繰返し単位を含むポリマーを含有し、且つ熱により硬化する組成物を、熱により硬化させてなる層であり、
〔II〕第2レジスト層が、
(b)酸により分解しうる基を有し、かつアルカリ現像液中での溶解度が酸の作用により増大する性質のあるポリシロキサン又はポリシルセスキオキサン、及び
(c)活性光線もしくは放射線の照射により酸を発生する化合物、
を含有することを特徴とするポジ型レジスト積層物。
- 第1レジスト層が、
(a−2)酸により活性化され、上記一般式(1)及び(2)で表される繰返し単位を含有するポリマーと反応して架橋構造を形成することができる熱架橋剤、及び
(a−3)熱により酸を発生する化合物
を含有する組成物を、熱により硬化させてなることを特徴とする請求項2に記載のポジ型レジスト積層物。 - 第2レジスト層に含有される(b)成分の酸により分解しうる基を有し、かつアルカリ現像液中での溶解度が酸の作用により増大する性質のあるポリシロキサン又はポリシルセスキオキサンが、側鎖に下記一般式(3)で表される構造を有することを特徴とする請求項1に記載のポジ型レジスト積層物。
k、l、m、nは、各々独立に、0又は1を表す。但し、k、l、m、nは、同時に0であることはない。
pは1〜3の整数を表す。 - 基板上に請求項1に記載の第1レジスト層を設ける工程、
その第1レジスト層を熱処理して硬化させる工程、
この第1レジスト層上に、請求項1に記載の第2レジスト層を設ける工程、
その第2レジスト層に、活性光線又は放射線を所望のパターン状に露光する工程、露光された第2レジスト層をアルカリ現像液で現像する工程、及び
そのパターン状に形成された第2レジスト層をマスクとして、第1レジスト層をエッチングする工程
を含むことを特徴とする微細パターン形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33156899A JP3967051B2 (ja) | 1999-11-22 | 1999-11-22 | ポジ型レジスト積層物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33156899A JP3967051B2 (ja) | 1999-11-22 | 1999-11-22 | ポジ型レジスト積層物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001147538A JP2001147538A (ja) | 2001-05-29 |
JP3967051B2 true JP3967051B2 (ja) | 2007-08-29 |
Family
ID=18245118
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33156899A Expired - Fee Related JP3967051B2 (ja) | 1999-11-22 | 1999-11-22 | ポジ型レジスト積層物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3967051B2 (ja) |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6846612B2 (en) * | 2002-02-01 | 2005-01-25 | Brewer Science Inc. | Organic anti-reflective coating compositions for advanced microlithography |
JP2004177952A (ja) * | 2002-11-20 | 2004-06-24 | Rohm & Haas Electronic Materials Llc | 多層フォトレジスト系 |
JP4262516B2 (ja) | 2003-05-12 | 2009-05-13 | 富士フイルム株式会社 | ポジ型レジスト組成物 |
JP2009286980A (ja) * | 2008-06-02 | 2009-12-10 | Nissan Chem Ind Ltd | アルカリ可溶性樹脂及び感光性樹脂組成物 |
US8883407B2 (en) * | 2009-06-12 | 2014-11-11 | Rohm And Haas Electronic Materials Llc | Coating compositions suitable for use with an overcoated photoresist |
KR20160102538A (ko) * | 2014-02-13 | 2016-08-30 | 후지필름 가부시키가이샤 | 감광성 수지 조성물, 경화막의 제조 방법, 경화막, 액정 표시 장치, 유기 el 표시 장치, 터치 패널 표시 장치 |
CN107209460B (zh) | 2015-01-30 | 2020-12-18 | 日产化学工业株式会社 | 包含具有碳酸酯骨架的水解性硅烷的光刻用抗蚀剂下层膜形成用组合物 |
KR102705301B1 (ko) * | 2017-12-22 | 2024-09-10 | 닛산 가가쿠 가부시키가이샤 | 디올구조를 갖는 보호막형성 조성물 |
KR102515739B1 (ko) * | 2022-12-07 | 2023-03-30 | 타코마테크놀러지 주식회사 | 감광성 수지 및 이를 포함하는 포토레지스트 조성물 |
-
1999
- 1999-11-22 JP JP33156899A patent/JP3967051B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001147538A (ja) | 2001-05-29 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4557328B2 (ja) | ポジ型フォトレジスト組成物 | |
JP4139575B2 (ja) | シリコン含有2層レジスト用下層レジスト組成物 | |
JP2002174894A (ja) | 電子線又はx線用ポジ型レジスト組成物 | |
JP3790960B2 (ja) | ネガ型レジスト組成物 | |
JP3856270B2 (ja) | ポジ型レジスト組成物 | |
JP4253423B2 (ja) | ポジ型レジスト積層物 | |
JP3967051B2 (ja) | ポジ型レジスト積層物 | |
JP3797505B2 (ja) | ポジ型感光性組成物 | |
JP3731777B2 (ja) | ポジ型レジスト組成物 | |
JP4210407B2 (ja) | レジスト積層物 | |
JP3765440B2 (ja) | ポジ型感光性組成物 | |
JP4276773B2 (ja) | 電子線又はx線用ネガ型レジスト組成物 | |
JP2002372783A (ja) | ネガ型レジスト組成物 | |
JP3967047B2 (ja) | ポジ型フォトレジスト組成物 | |
JP2002107920A (ja) | 電子線又はx線用ポジ型レジスト組成物 | |
KR100725462B1 (ko) | 포지티브 포토레지스트 조성물 | |
JP4166417B2 (ja) | ポジ型レジスト積層物 | |
JP3821570B2 (ja) | ネガ型レジスト組成物 | |
JP2002072483A (ja) | 電子線又はx線用ポジ型レジスト組成物 | |
JP3755690B2 (ja) | ポジ型感光性組成物 | |
JP4217369B2 (ja) | 2層レジスト | |
JP2002365802A (ja) | ネガ型レジスト組成物 | |
JP2002229193A (ja) | 電子線又はx線用ポジ型レジスト組成物 | |
JP2004198724A (ja) | ネガ型レジスト組成物 | |
JP2001154359A (ja) | ポジ型レジスト積層物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041118 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20060324 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20061124 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070104 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070314 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070420 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070523 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070530 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100608 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110608 Year of fee payment: 4 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |