JP3965818B2 - マルチプロジェクション映像表示装置 - Google Patents

マルチプロジェクション映像表示装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は投写型映像表示システムに係り、映像のスクリーン上への投写装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図1に、複数プロジェクタの各映像を、スクリーン上で一部重ね合わせ、全体で一つのシームレスな映像として合成表示するシステムの構成を示す。プロジェクタ 0101aとプロジェクタ 0101bのスクリーン 0102上での投写映像範囲を、それぞれ、投写範囲 0103aと投写範囲 0103bとする。投写範囲 0103aと投写範囲 0103bは、互いに一部重なりを持って図1のようにスクリーン 0102上に配置する。プロジェクタ 0101aとプロジェクタ 0101bの配置方向に平行な方向を、x軸、それに垂直な方向を y軸とする座標系 0104をスクリーン 0102上に設定する。座標系 0104で、yの値が一定の直線をスクリーン横断線 0105とし、スクリーン横断線 0105と投写範囲 0103aの左端との交点位置のx座標値を A、スクリーン横断線 0105と投写範囲 0103aの右端との交点位置のx座標値を C、スクリーン横断線 0105と投写範囲 0103bの左端との交点位置のx座標値を B、スクリーン横断線 0105と投写範囲 0103bの右端との交点位置のx座標値を D とする。映像信号再生器 0107aと映像信号再生器 0107bから出力される映像信号は、それぞれ、信号変調回路 0108aと信号変調回路 0108bに入力される。該信号変調回路で変調された映像信号はそれぞれ、プロジェクタ 0101aとプロジェクタ 0101bに供給される。
【0003】
図1の機器構成で、投写範囲 0103aと投写範囲 0103bの合成投写範囲全体 0106に輝度分布 I0(x,y)の映像を表示するための方法の一つは、以下に述べるエッジブレンド技法が典型である。先ず、数1と数2に示すように、元映像 I0(x,y)を、I1(x,y)とI2(x,y)に分割する。
【0004】
【数1】
Figure 0003965818
【0005】
【数2】
Figure 0003965818
【0006】
ただし、θ(x)は、数3で定義する。
【0007】
【数3】
Figure 0003965818
【0008】
次に、各分割された映像 I1(x,y)と I2(x,y)の重複部分(xが範囲[B,C]の値を持つ部分)を、図2 に示すように、重複部分で減衰していて、数4に示す関係を持つ輝度維持率 C1と輝度維持率 C2で、分割輝度 I1(x,y)とI2(x,y)を輝度変調する。
【0009】
【数4】
Figure 0003965818
【0010】
I1(x,y)とI2(x,y)を輝度変調した輝度を、それぞれ数5 と数6のように、I1'(x,y)とI2'(x,y)とする。
【0011】
【数5】
Figure 0003965818
【0012】
【数6】
Figure 0003965818
【0013】
すると、数7に示すように I1'(x,y)とI2'(x,y)の合成は、元映像 I0(x,y)そのものとなる。
【0014】
【数7】
Figure 0003965818
【0015】
このように、数5と数6のように輝度変調された画像をスクリーン 0102上に投影する方法として、次に述べるようなプロジェクタ 0101aとプロジェクタ 0101bへの入力映像信号を変調する方法がある。
【0016】
一般に、映像信号 V と、投写映像輝度 I の間には、数8の関係がある。
【0017】
【数8】
Figure 0003965818
【0018】
ただし、f(V(x,y))は、V に関し単調増加函数で、V の最小値 Vminに対して、数9のように、零とする。
【0019】
【数9】
Figure 0003965818
【0020】
複数映像の合成用途に、従来一般的に使われてきたCRT三管式プロジェクタの場合には、映像信号が最小値 Vmin に対して、投写輝度を完全に零に出来る。即ち、数10 の関係が成立する。
【0021】
【数10】
Figure 0003965818
【0022】
数10 の特性が成立するとき、数5 や 数6 のように、互いの重なりあった部分で輝度変調された映像を再生するために、数11 のように、輝度の振幅値の変調 C1(x,y) を、映像信号の変調 φ1(V(x,y);x,y) として実現する。
【0023】
【数11】
Figure 0003965818
【0024】
同様に、数12 のように、輝度の振幅値の変調 C2(x,y) を、映像信号の変調 φ2(V(x,y);x,y) として実現する。
【0025】
【数12】
Figure 0003965818
【0026】
数11や数12 を満たす映像信号変調を実現する映像信号処理回路を、アナログあるいはディジタルの電子回路として作成し、信号変調回路と名付ける。信号変調回路 0108aは、映像信号再生器 0107aの出力映像信号V(x,y)を入力し、数11 の関係を満たす変調映像信号 φ1(V(x,y);x,y) を出力する。信号変調回路 0108bは、映像信号再生器 0107bの出力映像信号V(x,y)を入力し、数12 の関係を満たす変調映像信号 φ2(V(x,y);x,y) を出力する。信号変調回路 0108aの出力信号をプロジェクタ 0101aの映像信号入力端子に供給する。信号変調回路 0108bの出力信号をプロジェクタ 0101bの映像信号入力端子に供給する。図1のシステム構成により、複数プロジェクタの各映像を、スクリーン上で一部重ね合わせ、全体で一つのシームレスな映像として合成表示するシステムを実現できる。
【0027】
上記従来技術は、数10 の条件が成り立つ場合のみ有効である。前述のように、CRT三管式プロジェクタを利用する場合には、数10 が成立していると看倣せる。しかし、CRT三管式プロジェクタより安価で明るい液晶プロジェクタを用いてシステムを構成する場合、液晶プロジェクタは入力映像信号を最低値にしても、投写される光は完全に零にはならず、スクリーン上の投写範囲は、ほぼ一定輝度で照らされる。即ち、数10 の条件が成立しなくなる。液晶プロジェクタを用いたこのような場合、数13の条件が成立する。
【0028】
【数13】
Figure 0003965818
【0029】
簡単のために、映像信号が最低値をとったときの映像投写範囲内のスクリーン上の輝度が、プロジェクタの違いにのみ依存し、場所に依存しないとする。即ち、 プロジェクタ 0101aの最低輝度を、Z1(x,y) = L1 とし、プロジェクタ 0101bの最低輝度を、Z2(x,y) = L2 とする。この場合、図1のスクリーン横断線 0105に沿った輝度分布は、図3の最低輝度分布 L(x,y) 0301が示すように、投写範囲 0103aと投写範囲 0103bの重なり部分では、プロジェクタ 0101aとプロジェクタ 0101bのそれぞれの最低輝度値 L1 と L2 を足し合わせた輝度 L1+L2 を取り、他の部分より明るくなる。一方、映像信号が最大値をとったときに、映像投写範囲内のスクリーン上のプロジェクタ 0101aによる投写光輝度を H1 とし、プロジェクタ 0101bによる投写光輝度を H2 とすると、図3の最高輝度分布 H(x,y) 0302が示すように、投写範囲 0103aと投写範囲 0103bの重なり部分では、プロジェクタ 0101aとプロジェクタ 0101bのそれぞれの最高輝度値 H1 と H2 を足し合わせた輝度 H1+H2 となる。
【0030】
このような輝度分布のとき、H(x,y)の最小値を R として、L(x,y)の最大値をFとする。このとき、数14 と 数15 の関係を満たす映像信号変調函数 φ1(V(x,y);x,y) とφ2(V(x,y);x,y) が存在し、図1の信号変調回路 0108aと信号変調回路 0108bを、これらの変調函数の特性で動作させる。すると、図1の合成投写範囲全体 0106には、黒色を表示する時の最低輝度が F だけ底上げされ、投写範囲 0103aではコントラストが 最大 (R-F)/(H1-L1) に低下し、投写範囲 0103bではコントラストが 最大(R-F)/(H2-L2) に低下した各映像が、全体で一つのシームレスな映像として原理的に合成表示される。
【0031】
【数14】
Figure 0003965818
【0032】
【数15】
Figure 0003965818
【0033】
【発明が解決しようとする課題】
上述の既存の技術では、映像信号変調 φ1(V(x,y);x,y) の映像信号最低値 Vmin に対応する値の分布は、図4に示すように、 x=B で不連続となる。同様に、映像信号変調 φ2(V(x,y);x,y) の映像信号最低値 Vmin に対応する値の分布は、図5に示すように、 x=C で不連続となる。
【0034】
ところで、液晶プロジェクタでは、液晶デバイス上の各画素の位置が量子化されているために、φ1(V(x,y);x,y)で変調された映像の位置分解能が画素の量子化精度に制限される。この位置誤差が存在するとき、図1のプロジェクタ 0101aとプロジェクタ 0101bの合成映像の最低輝度レベルの空間分布は、図6のようになる。図6では、φ1(Vmin;x,y)の不連続位置 x=B の位置が、誤差εの位置誤差を持ちB+εの位置となり、φ2(Vmin;x,y)の不連続位置 x=C の位置が、誤差εの位置誤差を持ちC+εの位置となったときの合成映像の最低輝度レベルの空間分布を示す。不連続な明線 0601や不連続な暗線 0602の幅は、1画素の幅以下であるが、周辺輝度と不連続な変化を持つために、人間の目視では非常に鮮明な点あるいは線として認識される。そのために、不連続な明線 0601や不連続な暗線 0602が各プロジェクタの分割投影範囲の境界を極立たせ、映像全体が黒かあるいは輝度が低い映像を表示しようとした場合に、映像全体をシームレスな一体化した映像と認識できなくなるという問題が発生する。
【0035】
このように、液晶プロジェクタを用いてスクリーン上でシームレスな映像を合成表示するシステムを構成した場合に、映像全体が黒かあるいは輝度が低い映像の表示では、映像全体のシームレスな一体感が損われ、映像品質が劣化するという課題が存在する。
【0036】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、液晶プロジェクタのように、安価で高輝度ではあるが、最低輝度レベルを完全に零にできないプロジェクタを用いてスクリーン上でシームレスな映像を合成表示するシステムを構成した場合に、映像全体が黒かあるいは輝度が低い映像を表示しても、映像全体のシームレスな一体感を損わないように、映像を合成する装置および方法を提供することにある。
【0037】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のマルチプロジェクション映像表示装置では、スクリーンと、該スクリーン上に背面あるいは正面から画像を投写する複数のプロジェクタを、該スクリーン上での該プロジェクタの投写映像が一定の重なりを持つように配置する。
【0038】
該プロジェクタ各々の投写範囲全てを足し合せた範囲全体に単一の映像を表示する場合に、該プロジェクタそれぞれが担当することになる部分映像を作成する。該部分映像は、該プロジェクタそれぞれに接続した映像信号再生器により再生される。該映像信号は形状や輝度や色彩を任意に変調できる映像信号変調加工手段を経由して該プロジェクタに供給される。
【0039】
該プロジェクタのそれぞれは、画像再生デバイスと、入力映像信号に応じた映像を、該画像再生デバイス上に再生するためのデバイス駆動回路と、該画像再生デバイスを照らす光源と、光源に照らされた画像再生デバイスの輝度分布をスクリーン上に合焦させるレンズと、該画像再生デバイスと該レンズの間に透過率がほぼ100%の透明な基板と、該基板上に場所により塗布密度を変化させた透過率制御用光吸収材料からなる投写境界輝度漸次減衰手段を設置する。
【0040】
このように、映像信号変調加工手段と投写境界輝度漸次減衰手段の二つの手段を組合わせて、スクリーン上で隣接し重なりをもつ投写映像との重ね合わせ部分の継ぎ目をなくすエッジブンレンディング処理をおこなう方法であるため、最低輝度レベルを完全に零にできないプロジェクタを用いても、該投写境界輝度漸次減衰手段により、重ね合せ部分の投写境界付近では完全に輝度を零にまで減衰させることができ、該投写境界輝度漸次減衰手段では減衰率をプロジェクタの設置位置に連動させるなど柔軟にかつ精度良く制御出来ない部分を、映像信号変調加工手段により補正するという二重の処理によって、映像全体のシームレスな一体感を損わないように精度良く映像を合成することが可能になるという効果がある。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を説明する。
【0042】
本実施例は、図1のシステム構成を持ち、システムを構成する全てのプロジェクタ 0101aとプロジェクタ 0101b に、図7に示す内部機構を持つ投写境界輝度漸次減衰機構付プロジェクタを用いる。
【0043】
図7に投写境界輝度漸次減衰機構付プロジェクタの内部構造を示す。投写境界輝度漸次減衰機構付プロジェクタは、イメージングデバイス駆動回路 0702が入力映像信号 0701の情報に対応する映像を、液晶透過イメージングデバイス 0703上の透過率の空間分布として再生されるように、該イメージングデバイスを制御する。光源ランプ 0704の発する光を背面から液晶透過イメージングデバイス 0703に照射し、該イメージングデバイス上の輝度分布として映像が再現される。該イメージングデバイス上の映像光は、液晶透過イメージングデバイス 0703と投写レンズ 0705の間に設置した投写境界輝度漸次減衰フィルタ保持機構 0707で保持された投写境界輝度漸次減衰フィルタ 0706を通して、投写レンズ 0705で集光されスクリーン上に合焦される。
【0044】
投写境界輝度漸次減衰フィルタの設置は、液晶透過イメージングデバイス 0703を通過した後の光がスクリーンに到達するまでの間の位置で、映像の輝度分布を空間的に変調することが可能な位置であれば、どこでもよいという設置自由度がある。したがって、プロジェクタの匡体外で、投写レンズ 0705とスクリーンの間の映像光の通過位置に投写境界輝度漸次減衰フィルタ保持機構 0707で保持された投写境界輝度漸次減衰フィルタ 0706を設置しても、プロジェクタの匡体内に投写境界輝度漸次減衰フィルタを設置した場合と同等の機能を持たせることができる。
【0045】
さらに、本実施例の透過型のイメージングデバイスを用いたプロジェクタではなく、DMD(Digital Micromirror Device)等の光反射型のイメージングデバイスを用いたプロジェクタにおいても、投写境界輝度漸次減衰フィルタを、上述のように、イメージングデバイスとスクリーンの間の映像光の通過位置に配置することで、本実施例に述べる投写境界輝度漸次減衰機構付プロジェクタと同等の機能を持たせることができる。
【0046】
図8で、投写境界輝度漸次減衰フィルタを説明する。投写境界輝度漸次減衰フィルタは、高透過率硝子基板 0801で作成されており、光源ランプ 0704で背面から照らされた液晶透過イメージングデバイス 0703の中心付近の映像光は100%透過し、高透過率硝子基板 0801の外周部分で、映像光の外周部分の映像光が通過する位置付近では、密度を制御して塗布した透過率制御用光吸収材 0802により、場所により光の透過率を変化させている。図8では、スクリーン上に投写される映像の方向と対応付けられた座標系 0803を設定し、横断線 0804を図1の スクリーン横断線 0105に対応させる。横断線 0804に沿って計ったプロジェクタ 0101aに対応する投写境界輝度漸次減衰フィルタの光透過率分布 S1 とプロジェクタ 0101bに対応する投写境界輝度漸次減衰フィルタの光透過率分布 S2 がそれぞれ、図9および図10になるように、透過率制御用光吸収材 0802の塗布密度を設定する。
【0047】
このように、投写境界輝度漸次減衰フィルタ 0706は、プロジェクタの投写する映像のスクリーン上での配置に応じて、透過率制御用光吸収材 0802の塗布の状況が異なる。そのため、プロジェクタの配置に応じて、各プロジェクタ内の投写境界輝度漸次減衰フィルタ 0706はそれぞれ異なる特性を持つ。図8は、投写映像範囲の x 方向の両端で光を減衰させる投写境界輝度漸次減衰フィルタの例を示している。
【0048】
このように、各プロジェクタ毎に異る特性の投写境界輝度漸次減衰フィルタを装着する必要性があるために、投写境界輝度漸次減衰フィルタ保持機構 0707には投写境界輝度漸次減衰フィルタ 0706を容易に交換可能とする機構を用意する。具体的には、投写境界輝度漸次減衰フィルタ保持機構 0707を、投写境界輝度漸次減衰フィルタ 0706交換時に、プロジェクタの他の部品との相互干渉が生じない位置へ設置し、バネ等により投写境界輝度漸次減衰フィルタ 0706を固定するなど、着脱が簡易になる機構で投写境界輝度漸次減衰フィルタ 0706を固定する。
【0049】
投写境界輝度漸次減衰フィルタの光透過率S1とS2が、数16と数17の関係にあるときの、最低輝度映像のスクリーン上での輝度分布 L'(x,y)と最高輝度映像のスクリーン上での輝度分布 H'(x,y)を、図11に示す。
【0050】
【数16】
Figure 0003965818
【0051】
【数17】
Figure 0003965818
【0052】
投写境界輝度漸次減衰フィルタの光透過率S1とS2が、数18と数19の関係にあるときの、最低輝度映像のスクリーン上での輝度分布 L'(x,y)と最高輝度映像のスクリーン上での輝度分布 H'(x,y)を、図12 に示す。このとき、L'(x,y)の上限を F' とし、H'(x,y)の下限を R' とする。
【0053】
【数18】
Figure 0003965818
【0054】
【数19】
Figure 0003965818
【0055】
さらに、投写境界輝度漸次減衰フィルタを備えたプロジェクタにおいて、映像信号と投写映像輝度の間には、プロジェクタ 0101aとプロジェクタ 0101bのそれぞれで、数20と数21 の関係がある。映像信号 V に依存する函数 f(V) は、 映像信号Vの最小値 Vmin で数9 の関係を満し、映像信号Vの最大値 Vmax で数22 の関係を満すとする。
【0056】
【数20】
Figure 0003965818
【0057】
【数21】
Figure 0003965818
【0058】
【数22】
Figure 0003965818
【0059】
このとき、数23と数24 の関係を満たす映像輝度変調函数φ'1(V(x,y);x,y) と、φ'2(V(x,y);x,y) が存在する。この映像輝度変調函数 φ'1(V(x,y);x,y) とφ'2(V(x,y);x,y) のそれぞれで、図1の信号変調回路 0108aと信号変調回路 0108aを動作させる。すると、図1の合成投写範囲全体 0106には、黒色を表示する時の最低輝度が F' だけ底上げされ、コントラストが 最大 (R'-F')/M に低下した映像が、合成投写範囲全体 0106全体にわたって、一つのシームレスな映像として合成表示できる。
【0060】
【数23】
Figure 0003965818
【0061】
【数24】
Figure 0003965818
【0062】
図11に示す投写映像の輝度分布のときの数23と数24 の関係を満たす映像輝度変調函数が、映像信号値に最低値 Vmin をとったときの空間分布 φ'1(Vmin;x,y) と φ'2(Vmin;x,y) を、それぞれ図13と図14に示す。図12に示す投写映像の輝度分布のときの数23と数24の関係を満たす映像変調函数が、映像信号値に最低値 Vmin をとったときの空間分布φ'1(Vmin;x,y) とφ'2(Vmin;x,y) を、それぞれ図15と図16に示す。図13あるいは図15のいずれの場合においても、φ'1 は連続で滑らかな函数となる。同様に、φ'2 も連続で滑らかな函数である。
【0063】
プロジェクタの画素位置が量子化されているために生じる再生映像の画素位置の量子化誤差や、図1の信号変調回路 0108aや信号変調回路 0108bによるφ'1 やφ'2 の実現精度誤差などが存在するときの、スクリーン上の合成映像の最低輝度レベルの空間分布を、図17に示す。φ'1 とφ'2 の連続で滑らかという性質によって、多少の位置精度に誤差があっても、その影響による輝度変化は連続で滑らかなものとなる。投写境界輝度漸次減衰フィルタを備えていないプロジェクタの場合で、位置精度誤差の影響がある場合の合成映像の最低輝度レベルの空間分布図6と比較すると、図6では位置精度誤差の影響による周辺輝度との不連続な変化を伴い、人間が敏感に感知しやすい輝度変化率の高い明線や暗線が発生する。一方、図17では、位置精度誤差の影響が、周辺輝度との輝度差が小さくその変化率も小さい輝度変化として、明線発生個所 1701や暗線発生個所 1702に現われる。
【0064】
人間の視覚は、絶対輝度差と共に、輝度変化率あるいは輝度変化率の変化率の発生個所を非常敏感に感知するとうい性質を持つ。従って、図17の合成映像は図6に比較して格段に均一なシームレス合成映像と知覚される。
【0065】
このように、本発明によると、液晶プロジェクタのように、安価で高輝度ではあるが、最低輝度レベルを完全に零にできないプロジェクタを用いてスクリーン上でシームレスな映像を合成表示するシステムを構成した場合に、品質の高いシームレスな合成映像を実現できるという効果がある。
【0066】
複数プロジェクタの各映像をスクリーン上で一部重ね合わせ、全体で一つのシームレスな映像として合成表示するシステムの画面構成は、用いるプロジェクタの台数に応じて、各プロジェクタの部分映像面を左右方向に一列に配置したり、上下左右方向に碁盤目上に配置する。本実施例では、明解な説明が可能なように、最も簡単なシステム構成の場合について述べた。しかし、プロジェクタの台数が3台以上の場合でも、配置の違いに応じて、各プロジェクタの投写映像のスクリーン上での互いの重なり合う位置関係が変化するだけなので、重なり合う位置関係に応じて、本実施例と同様に投写境界輝度漸次減衰フィルタの減衰特性と映像信号輝度回路の輝度変調特性を設定するだけで、本実施例と同等の効果を持つシステムを構成できる。
【0067】
【発明の効果】
本発明によれば、光学的手段の投写境界輝度漸次減衰手段と、映像信号処理の映像信号変調加工手段とを併用して、複数プロジェクタから投写される映像をスクリーン上で幾何的にも輝度や色の空間分布的にも滑らかに接続することによって、最低輝度光量を完全に零に出来ないプロジェクタを用いたマルチプロジェクション映像表示装置においても、スクリーン上の映像接続部を滑らかに接続できる効果と、プロジェクタの設置位置精度の変動に対するスクリーン上の映像接続部の輝度変化率を小さく抑えることができ、プロジェクタの設置位置精度の許容誤差限界を拡大することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】プロジェクタアレイ構成図。
【図2】重複領域の減光。
【図3】最低輝度と最高輝度の空間分布。
【図4】映像信号変調 φ1(Vmin;x,y) の空間分布。
【図5】映像信号変調 φ2(Vmin;x,y) の空間分布。
【図6】最低映像信号レベル Vmin での合成映像輝度分布。
【図7】投写境界輝度漸次減衰機構付プロジェクタ。
【図8】投写境界輝度漸次減衰フィルタ。
【図9】投写境界輝度漸次減衰フィルタ透過率分布。
【図10】投写境界輝度漸次減衰フィルタ透過率分布。
【図11】投写境界輝度漸次減衰フィルタを備えたプロジェクタの投写映像の最低輝度分布と最高輝度分布。
【図12】投写境界輝度漸次減衰フィルタを備えたプロジェクタの投写映像の最低輝度分布と最高輝度分布。
【図13】映像信号変調 φ'1(Vmin;x,y) の空間分布。
【図14】映像信号変調 φ'2(Vmin;x,y) の空間分布。
【図15】映像信号変調 φ'1(Vmin;x,y) の空間分布。
【図16】映像信号変調 φ'2(Vmin;x,y) の空間分布。
【図17】最低映像信号レベル Vmin での合成映像輝度分布。
【符号の説明】
0101a…プロジェクタ、 0101b…プロジェクタ、0102…スクリーン 、0103a…投写範囲 、0103b…投写範囲 、0104…座標系 、0105…スクリーン横断線 、0106…合成投写範囲全体 、0107a…映像信号再生器 、0107b…映像信号再生器 、0108a…映像信号ケーブル 、0108b…映像信号ケーブル 、0108a…信号変調回路 、0108b…信号変調回路 、C1…輝度維持率 、C2…輝度維持率 、0301…最低輝度分布 L(x,y) 、0302…最高輝度分布 H(x,y) 、0601…不連続な明線 、0602…不連続な暗線 、0701…入力映像信号 、0702…イメージングデバイス駆動回路 、0703…液晶透過イメージングデバイス 、0704…光源ランプ 、0705…投写レンズ 、0706…投写境界輝度漸次減衰フィルタ 、0707…投写境界輝度漸次減衰フィルタ保持機構 、0801…高透過率硝子基板 、0802…透過率制御用光吸収材、 0803…スクリーン上に投写される映像の方向と対応付けられた座標系 、0804…横断線 、1701…明線発生個所 、1702…暗線発生個所 。

Claims (6)

  1. 第1及び第2のプロジェクタと、前記第1のプロジェクタが投写する第1の映像及び第2のプロジェクタが投写する第2の映像を映すスクリーンとから構成される映像表示システムにおいて、
    前記第1の映像の一部、及び、前記第2の映像の一部を、前記スクリーン上で互いに重なり合うように投写する投写手段と、
    前記第1及び第2の映像の互いに重なり合う部分外側ほど暗くし、前記重なり合う部分と、前記第1及び第2の映像の互いに重なり合わない部分の境界付近では、投写光を遮断し、前記重なり合わない部分では、前記第1及び第2の映像を略完全に透過させる投写境界輝度漸次減衰手段と、
    前記第1及び第2のプロジェクタへ入力される映像信号中の映像の各フレームの画像を変調する映像信号変調加工手段を備え、
    前記映像信号変調加工手段は、前記投写境界輝度漸次減衰手段を用いて、最大輝度映像を投写した際、前記重なり合う部分の映像の輝度の空間分布の下限値を略最大値とし、最低輝度映像を投写した際、前記重なり合う部分の映像の輝度の空間分布の上限値を略最小値とする、映像表示システム。
  2. 前記映像信号変調加工手段は、前記第1及び第2のプロジェクタの、前記重なり合う部分の投写光量と前記重なり合わない部分の投写光量を一致させる、請求項1記載の映像表示システム。
  3. 前記映像信号変調加工手段は、前記第1及び第2のプロジェクタから投写された前記重なり合う部分の映像が、事前に想定した相互の位置関係になるように、該映像信号中の映像を変形する、請求項2記載の映像表示システム。
  4. 前記第1及び第2のプロジェクタの配置に基づいて、前記投写境界輝度漸次減衰手段を選択し、装着する手段を更に備える、請求項1乃至3何れかに記載の映像表示システム。
  5. 他のプロジェクタとともに、スクリーンに映像を投写するプロジェクタにおいて、
    前記スクリーン上で、自身が前記スクリーンに投写する第1の映像の一部と、前記他のプロジェクタが前記スクリーンに投写する第2の映像の一部が互いに重なり合うように投写する投写手段と、
    前記第1及び第2の映像の互いに重なり合う部分の外側ほど暗くし、前記重なり合う部分と、前記第1及び第2の映像の互いに重なり合わない部分の境界付近では、投写光を遮断し、前記重なり合わない部分では、前記第1及び第2の映像を略完全に透過させる投写境界輝度漸次減衰手段と、
    映像信号中の映像の各フレームの画像を変調する映像信号変調加工手段を備え、
    前記映像信号変調加工手段は、前記投写境界輝度漸次減衰手段を用いて、最大輝度映像を投写した際、前記重なり合う部分の映像の輝度の空間分布の下限値を略最大値とし、最低輝度映像を投写した際、前記重なり合う部分の映像の輝度の空間分布の上限値を略最小値とする、プロジェクタ。
  6. スクリーンに映像を投写する投写方法において、
    前記スクリーン上で、第1の映像の一部と第2の映像の一部が互いに重なり合うように投写する投写ステップと、
    前記第1及び第2の映像の互いに重なり合う部分の外側ほど暗くし、前記重なり合う部分と、前記第1及び第2の映像の互いに重なり合わない部分の境界付近では、投写光を遮断し、前記重なり合わない部分では、前記第1及び第2の映像を略完全に透過させる投写境界輝度漸次減衰ステップと、
    映像信号中の映像の各フレームの画像を変調する映像信号変調加工ステップを備え、
    前記映像信号変調加工ステップでは、最大輝度映像を投写した際、前記重なり合う部分の映像の輝度の空間分布の下限値を略最大値とし、最低輝度映像を投写した際、前記重なり合う部分の映像の輝度の空間分布の上限値を略最小値とする、投写方法。
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