JP4165312B2 - 照明装置、投射型表示装置 - Google Patents

照明装置、投射型表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、照明装置とこれを備えた投射型表示装置に関し、特に映像表現力に優れた投射型表示装置とそれに用いる照明装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報機器の発達はめざましく、解像度が高く、低消費電力でかつ薄型の表示装置の要求が高まり、研究開発が進められている。中でも液晶表示装置は液晶分子の配列を電気的に制御して光学的特性を変化させることができ、上記のニーズに対応できる表示装置として期待されている。このような液晶表示装置の一形態として、液晶ライトバルブを用いた光学系から射出される映像を投射レンズを通してスクリーンに拡大投射する投射型表示装置(液晶プロジェクタ)が知られている。
投射型表示装置は光変調手段として液晶ライトバルブを用いたものであるが、投射型表示装置には、液晶ライトバルブの他、デジタルミラーデバイス(Digital Mirror Device,以下、DMDと略記する)を光変調手段としたものも実用化されている。ところが、この種の従来の投射型表示装置は以下のような問題点を有している。
【0003】
(1)光学系を構成する様々な光学要素で生じる光漏れや迷光のため、充分なコントラストが得られない。そのため、表示できる階調範囲(ダイナミックレンジ)が狭く、陰極線管(Cathode Ray Tube, 以下、CRTと略記する)を用いた既存のテレビ受像機に比較すると、映像の品質や迫力の点で劣ってしまう。
(2)各種の映像信号処理により映像の品質向上を図ろうとしても、ダイナミックレンジが固定されているために、充分な効果を発揮することができない。
【0004】
このような投射型表示装置の問題点に対する解決策、つまりダイナミックレンジを拡張する方法としては、映像信号に応じて光変調手段(ライトバルブ)に入射させる光の量を変化させることが考えられる。それを実現するのに最も簡便な方法は、ランプの光出力強度を変化させることである。投射型表示装置において、ランプの出力光の制御を行なう方法が特許文献1に開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−66501号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、投射型表示装置に用いるランプとしては高圧水銀ランプが現在主流となっているが、高圧水銀ランプで光出力強度を制御するのは極めて困難な状況である。したがって、ランプの光出力強度自体は変化させなくても、光変調手段への入射光量を映像信号に応じて変化させることのできる方法が求められている。
さらに上記の問題点に加えて、現行の投射型表示装置では光源の明るさが固定されているため、例えば暗めの鑑賞環境においては画面が明るくなりすぎたり、また、投射距離や投射レンズのズーミングにより投射スクリーンサイズを変化させた際に、それに応じて画面の明るさが変化してしまうという問題点もあった。
【0007】
このような課題を解決するために、近年、投射型表示装置用の照明装置として、上述のメタルハライドランプや高圧水銀ランプ等の光源に調光用のルーバ(遮光板)を組み合わせた構造のものが提案されている。具体的には、光源から射出された光の光軸上に遮光板を配置し、これをその主面に平行な回動軸の回りに回動させることで光源光を一部遮光する。この種の照明装置に関する発明は、本出願人も既に多数出願している。
【0008】
この構成によれば、光源とは別体に設けられた調光手段によって、光源から射出された光の光量調整を高速且つ任意に行なうことができる。このため、照明光を例えば映像信号に基づいて調節することで、光源の光出力強度が一定のままでも被照明領域(光変調装置)において映像に応じた明るさの光を得ることができ、投射型表示装置のダイナミックレンジの拡張に寄与することができる。同様に、投射拡大率,使用環境下における明るさの状況、若しくは、使用者の好み等に応じた明るさの光を得ることができる。
【0009】
しかしながら、このように階調再現性を高めても映像のコントラストが一定のままでは十分な映像表現力は得られない。特に暗い映像では黒浮きの影響が出易いため、このような低輝度側でのコントラストの向上が求められている。
本発明は、上記課題に鑑み創案されたものであり、暗い映像でも微妙な階調変化を表現することのできる投射型表示装置、及びこれに用いる照明装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、コントラストの低下要因として、ライトバルブ(光変調手段)に斜め方向から入射する光の成分に着目した。
投射型表示装置に用いられる光源では、その射出光に大きな照度分布が存在する。このため、光源からの射出光は通常、インテグレータ等により照度分布を均一化される。しかし、光源から射出された光の内、光軸から離れた光はその伝播方向を光軸側に大きく修正されるため、結果として、このような光はライトバルブに対して大きな角度で入射されることとなる。
そこで本発明者は、調光を行なう際にこのように斜めに入射される光成分を優先的に遮光することで、コントラストを高めながら照明光量を調節できると考え、本発明を創案した。
【0011】
すなわち、上記の目的を達成するために、本発明の照明装置は、投射型表示装置の光変調手段を照明するために用いられる照明装置であって、光源と、上記光源からの射出光の一部を遮光することで上記射出光の光量を調節する調光手段とを備え、上記調光手段は、上記光源からの射出光の光量をこの射出光の光軸から離れた領域から優先的に調節することを特徴とする。
【0012】
本構成では、光変調手段に対して大きな角度で入射されることとなる、光軸から離れた領域の光から優先的に遮光を行なうため、遮光量が大きくなるほど映像のコントラストは高くなる。このため、暗い映像でも階調再現性がよくなり、微妙な階調変化を表現できるようになる。
【0013】
この場合、遮光は光軸を取り囲むような形で全方向から行なわれることが望ましく、これにより、映像のコントラストを最も高めることができる。またこの際、遮光を光軸に対して対称に行なうと、被照明領域での光の照度分布は被照明領域の中心線を通る軸に対して略軸対称となり、映像の見栄えがよくなる。
【0014】
なお、調光手段の具体的な形態としては、例えば上記調光手段が、その主面に平行な方向に延在する回動軸を中心として回動可能に構成された複数の遮光板からなり、これらの遮光板が上記光軸を囲む位置に配置されたものを用いることができる。この構成では、例えば回動軸にステッピングモータを接続する等して遮光板を回動させることで、遮光板の設置箇所を透過する光の光量が調節される。このとき本構成では、このような複数の遮光板が光軸を囲むように複数配置されているため、光源から射出された光束は、その外周部から光軸側に向けて順に遮られる形で全方向から遮光されることとなる。
【0015】
また、調光手段の他の形態としては、例えば上記調光手段が、その主面の法線方向を上記光軸に対して斜めに固定された複数の遮光板からなり、これらの遮光板が上記光軸を囲む位置に配置されるとともに、その姿勢を保持したまま上記光軸に向けてスライド可能に構成されたものを用いることができる。この構成によれば、例えば遮光板に何らかの遮光板駆動機構を設けて遮光板をスライドさせることで、遮光板で遮る光の量がそのスライド量に応じて調節される。このとき本構成では、このような遮光板が光軸を囲むように複数配置されているため、光源から射出された光束は、その外周部から光軸側に向けて順に遮られる形で全方向から遮光されることとなる。
【0016】
またこの構成では、光軸に対する遮光板の法線の傾き角は調光状態において常に一定であるため、遮光板によって遮られた光は一定の方向に反射されることとなる。このため、このような反射光の到達する位置に光吸収部材を配置する等の方法により、迷光を容易に抑止することができる。
【0017】
これらの例では調光手段はいずれも平板状の部材によって構成されるが、調光手段はこのような平面形状(2次元的な形状)のものに限らず、立体形状(3次元的な形状)を有するものであってもよい。このような形態の調光手段としては、上記調光手段が、上記光軸に対して略垂直な方向に延在する回動軸を中心として回動可能に構成された一対の遮光体からなり、各遮光体が湾曲形状を有するブロック状の部材であり、回動状態においてそれぞれの湾曲部が光軸を挟んで対向するように配置された構成のものを用いることができる。この構成では、各遮光体の光軸に垂直な面への射影像は、一方がコ字型、もう一方が逆コ字型の形状となり、光源から射出された光は全方向から遮光されることとなる。
【0018】
またこの構成では、遮光体が立体形状を有するため、平板状の遮光板を回動させる場合に比べて調光範囲を拡げることができる。つまり、平板状の遮光板ではその平面形状のみが遮光に寄与し、側面形状(即ち、厚み方向の形状)は遮光に殆ど寄与しない。このため、最大遮光量は遮光板の平面形状によって決まってしまう。これに対して立体形状を有する遮光体では、その平面形状のみならず側面形状の遮光に寄与するため、この側面形状によっては最大遮光量を100%とすることも可能となる。
【0019】
ところで、このような照明装置を投射型表示装置に適用する場合には、光源の持つ照度分布を被照明領域において均一化することが望ましい。この均一照明手段としては、例えば上記光源から射出された光を複数の光束に分割する第1のフライアイレンズと、これらの光束を被照明領域において重畳する第2のフライアイレンズ(これら第1,第2のフライアイレンズが本発明の一対のフライアイレンズを構成する)とを光源側から順に配置したものを好適に用いることができる。この場合、上記調光手段は第1のフライアイレンズと第2のフライアイレンズとの間、若しくは、第2のフライアイレンズの射出側に配置することができる。このように光源からの射出光を複数の部分光束に分割した場合には、光軸から離れた光束から優先的に遮光されるようにする。
【0020】
またこの構成では、照明光量を滑らかに変化させるために、調光状態において部分的に遮光された光束が複数存在した場合に、これらの部分的に遮光された全ての光束の中心部が調光手段によって同時に遮光されないようにすることが望ましい。つまり、各部分光束では、その照度は中心部が外側よりも大きくなっているため、光束の中心部が遮光されるとその光束の光量は大きく低下する。このような光量低下が全ての光束について同時に起こると、これらが増幅されて照明光量に階段状の大きな変化が生じる。これに対して、部分的に遮光された複数の光束の中心部をそれぞれ別々のタイミングで遮光する、或いは、いくつかずつ別々のタイミングで遮光する場合には、光量変化は全体として平均化されるため、照明光量を滑らかに変化させることができる。具体的には、遮光板或いは遮光体の射影像の形状が台形形状や三角形形状、或いは曲線を含む形状等となるようにし、一列に並んだ複数のマイクロレンズの中心部が上記射影像の輪郭部分によって全て同時に遮光されないようにすることで、上記効果が得られる。
【0021】
なお、上述の遮光板又は遮光体は光の透過率が全体的に均一なもの(例えば、非透光性部材、或いは、均一な透過率分布を有する半透明な部材)であってもよい。この場合、製造の容易さ等の利点がある。しかし、本発明はこれに限られず、例えば調光手段は部分的に光の透過率が異なる領域を有していてもよい。具体的には、遮光板に半透過特性をもった樹脂やNDフィルタを用いる、或いは、遮光板を金属板とし、これに微小な開口部を設ける等の構成を挙げることができる。また、遮光板を、ガラス上に金属薄膜を形成した板により構成し、その膜厚に分布を持たせることによっても上記構造を実現できる。このようにして、遮光板又は遮光体内に部分的に光の透過率が異なる領域を設けた場合、フライアイレンズが作り出す複数の2次光源像のそれぞれに対してランダムな分布で遮光が行なわれるので、それらが重畳されたものはこれらの分布が交じり合うことにより照度分布が均一化され、被照明領域における照度の均一性を高めることができる。また、本発明の投射型表示装置は、上述の照明装置と、上記照明装置から射出される光を変調して映像光を形成する光変調手段と、上記映像光を投射する投射手段とを備えたことを特徴とする。この構成によれば、暗い映像においてコントラストを高めることができ、より映像表現力に優れた投射表示を実現することができる。
【0022】
また、上記投射型表示装置の駆動手段としては、映像を構成する単位時間当たりの映像信号に基づいて上記調光手段を制御する制御信号を決定する制御信号決定手段と、上記制御信号に基づいて上記調光手段を制御する調光制御手段と、上記映像信号を上記制御信号に基づいて伸長する映像信号伸長手段とを備えることが望ましい。この構成によれば、まず制御信号決定手段において映像を構成する単位時間当たりの映像信号に基づいて調光手段を制御するための制御信号が決定され、調光制御手段がこの制御信号に基づいて調光手段を制御することにより映像に応じて明るさが変化する光を光変調手段に供給する一方、映像信号伸長手段が制御信号に基づいて映像信号を伸長する。この動作によって、投射型表示装置のダイナミックレンジを拡張することができ、映像表現力に優れた投射型表示装置を実現することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
まず、図3〜図7を参照しながら、本発明の第1実施形態に係る投射型表示装置について説明する。
本実施形態の投射型表示装置は、R(赤)、G(緑)、B(青)の異なる色毎に透過型液晶ライトバルブを備えた3板式の投射型カラー液晶表示装置である。図3はこの投射型表示装置を示す概略構成図であって、図中、符号1は照明装置、10は光源、21,22はフライアイレンズ(均一照明手段)、31は遮光板(調光手段30)、41,42はダイクロイックミラー、43,44,45は反射ミラー、51,52,53は液晶ライトバルブ(光変調手段)、60はクロスダイクロイックプリズム、70は投射レンズ(投射手段)を示している。
【0024】
本実施形態における照明装置1は、光源10とフライアイレンズ21,22と複数の遮光板31とから構成されている。光源10は高圧水銀ランプ等のランプ11とランプ11の光を反射するリフレクタ12とから構成されている。また、光源光の照度分布を被照明領域である液晶ライトバルブ51,52,53において均一化させるための均一照明手段として、光源10側から第1のフライアイレンズ21、第2のフライアイレンズ22が順次設置されている。ここで、第1のフライアイレンズ21は光源10から射出された光を複数の光束Rに分割し、第2のフライアイレンズ22はライトバルブ位置においてそれらを重畳する重畳レンズとしての機能を有する。場合によっては2次光源像を重畳するためのコンデンサーレンズを第2のフライアイレンズ22の位置、もしくはその後段に配しても良い。以下では重畳レンズとして第2のフライアイレンズが用いられた場合について説明を行なう。
【0025】
本実施形態の場合、光源10から射出された光の光量を調節する調光素子(調光手段)として、複数の遮光板31が第1のフライアイレンズ21と第2のフライアイレンズ22との間に回動可能に設置されている。なお、照明装置1の構成については後で詳しく説明する。
【0026】
照明装置1の後段の構成を以下、各構成要素の作用とともに説明する。
青色光・緑色光反射のダイクロイックミラー41は、光源10からの光束のうちの赤色光Lを透過させるとともに、青色光Lと緑色光Lとを反射させるものである。ダイクロイックミラー41を透過した赤色光Lは反射ミラー45で反射されて赤色光用液晶ライトバルブ51に入射される。一方、ダイクロイックミラー41で反射した色光のうち、緑色光Lは緑色光反射用のダイクロイックミラー42によって反射され、緑色光用液晶ライトバルブ52に入射される。一方、青色光Lはダイクロイックミラー42も透過し、リレーレンズ46、反射ミラー43、リレーレンズ47、反射ミラー44、リレーレンズ48からなるリレー系49を経て青色光用液晶ライトバルブ53に入射される。
【0027】
各液晶ライトバルブ51,52,53によって変調された3つの色光は、クロスダイクロイックプリズム60に入射される。このプリズムは4つの直角プリズムが貼り合わされ、その内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成されてカラー画像を表す光が形成される。合成された光は投射光学系である投射レンズ70によりスクリーン71上に投射され、拡大された画像が表示される。
【0028】
次に、本実施形態の投射型表示装置の駆動方法について説明する。
図4は本実施形態の投射型表示装置の駆動回路の構成を示すブロック図である。調光機能を持たない従来の投射型表示装置の場合、入力された映像信号は適当な補正処理を経て、そのまま液晶パネルドライバに供給されるが、調光機能を有し、かつそれを映像信号に基づいて制御する本実施形態の場合、基本的な構成として、以下に説明するようにデジタル信号処理ブロックであるDSP(1)〜DSP(3)などの回路が必要となる。
【0029】
本実施形態では、図4に示すように、アナログ信号として入力された映像信号がADコンバータ81を経て第1のデジタル信号処理回路であるDSP(1)82(制御信号決定手段)に入力される。DSP(1)82では、映像信号から明るさ制御信号が決定される。DSP(2)83(調光制御手段)では、明るさ制御信号に基づいて調光素子ドライバ84を制御し、最終的には調光素子ドライバ84が調光素子30(本実施形態の場合は遮光板31,32)を実際に駆動する。
【0030】
一方、DSP(1)82で決定された明るさ制御信号は、映像信号とともにDSP(3)86(映像信号伸長手段)にも入力される。DSP(3)86では明るさ制御信号に基づいて映像信号を適当な階調範囲に伸長する。伸長処理後の映像信号はDAコンバータ87により再びアナログ信号に変換された後、パネルドライバ88に入力され、パネルドライバ88から赤色光用液晶ライトバルブ51(図4中のRパネル)、緑色光用液晶ライトバルブ52(同、Gパネル)、青色光用液晶ライトバルブ53(同、Bパネル)のそれぞれに供給される。
【0031】
ここで、照明装置1の制御方法に関しては、[1]表示映像適応型の制御、の他に、[2]投射拡大率による制御、[3]外部からの制御、などが考えられる。以下にそれぞれの方法について説明する。
[1]表示映像適応型の制御
まず、表示映像適応型の制御、すなわち明るい映像シーンでは光量が多くなり、暗いシーンでは光量が少なくなるような表示映像に適応した明るさ制御を行なう場合について考える。この場合、上記で説明したように、DSP(1)82で映像信号に基づいて明るさ制御信号が決定されるが、その方法には例えば次の3通りが考えられる。
【0032】
(a)注目しているフレームに含まれている画素データのうち、明るさが最大の階調数を明るさ制御信号とする方法。
例えば0〜255の256ステップの階調数を含む映像信号を想定する。連続した映像を構成する任意の1フレームに着目した場合、そのフレームに含まれる画素データの階調数毎の出現数分布(ヒストグラム)が、図5(a)のようになったとする。この図の場合、ヒストグラムに含まれる最も明るい階調数が190であるので、この階調数190を明るさ制御信号とする。この方法は、入力される映像信号に対し、最も忠実に明るさを表現できる方法である。
【0033】
(b)注目しているフレームに含まれている階調数毎の出現数分布(ヒストグラム)より、最大の明るさから出現数について一定の割合(例えば10%)となる階調数を明るさ制御信号とする方法。
例えば映像信号の出現数分布が図6のようであった場合、ヒストグラムより明るい側から10%の領域をとる。10%に相当するところの階調数が230であったとすると、この階調数230を明るさ制御信号とする。図6に示したヒストグラムのように、階調数255の近傍に突発的なピークがあった場合、上記(a)の方法を採用すれば、階調数255が明るさ制御信号となる。しかしながら、この突発的なピーク部分は画面全体における情報としてはあまり意味をなしていない。これに対して、階調数230を明るさ制御信号とする本方法は、画面全体の中で情報として意味を持つ領域によって判定する方法と言うことができる。なお、上記の割合は2〜50%程度の範囲で変化させてもよい。
【0034】
(c)画面を複数のブロックに分割して、ブロック毎、含まれている画素の階調数の平均値を求め、最大のものを明るさ制御信号とする方法。
例えば図7に示すように、画面をm×n個のブロックに分割し、それぞれのブロックA11,…,Amn毎の明るさ(階調数)の平均値を算出し、そのうちで最大のものを明るさ制御信号とする。なお、画面の分割数は6〜200程度とすることが望ましい。この方法は、画面全体の雰囲気を損なうことなく、明るさを制御できる方法である。
上記(a)〜(c)の方法について、明るさ制御信号の判定を、表示領域全体に対して行なう他に、例えば表示領域の中央部分など、特定の部分だけに上記方法を適用することもできる。この場合、視聴者が注目している部分から明るさを決定するような制御の仕方が可能となる。
【0035】
次にDSP(2)83において、上記の方法で決定した明るさ制御信号に基づいて調光素子ドライバ84を制御するが、この方法にも例えば次の3通りが考えられる。
【0036】
(a)出力された明るさ制御信号に応じてリアルタイムで制御する方法。
この場合はDSP(1)82から出力された明るさ制御信号をそのまま調光素子ドライバ84に供給すればよいため、DSP(2)83での信号処理は不要となる。この方法は映像の明るさに完全に追従する点で理想的ではあるが、映像の内容により画面の明暗が短い周期で変化することもあり、鑑賞時に余計なストレスを感じるなどの問題が発生する恐れがある。
【0037】
(b)出力された明るさ制御信号にLPF(ローパスフィルター)をかけ、その出力で制御する方法。
例えばLPFによって1〜30秒以下の明るさ制御信号の変化分をカットし、その出力によって制御する。この方法によれば、細かい時間の変化分はカットされるため、上記のような短い周期での明暗の変化を避けることができる。
【0038】
(c)明るさ制御信号の切り替わりエッジを検出する方法。
明るさ制御信号に所定の大きさ以上(例えば60階調以上)の変化があった場合にのみ調光素子30を制御する。この方法によれば、シーンの切り替わりなどのみに応じた制御を行なうことができる。
【0039】
このようにして、例えば階調数190が明るさ制御信号に決定された場合、最大明るさ(階調数255)の光量を100%とすると、190/255=75%の光量が得られるように調光素子30を駆動する。本実施形態の場合、調光素子30は具体的には遮光板31,32であるから、透過率が75%(遮光率が25%)となるように遮光板31,32を回動させる。同様に、階調数230が明るさ制御信号である場合、230/255=90%の光量が得られるように調光素子30を駆動する。
【0040】
一方、DSP(3)86では、DSP(1)82で決定された明るさ制御信号と映像信号に基づいて映像信号を適当な階調範囲まで伸長する。例えば最大階調範囲にまで伸長する場合、上記の例では表示可能な最大階調数が255であるから、図5(a)の例で明るさ制御信号が階調数190の場合、階調数0〜190までの映像信号を図5(b)に示すように階調数0〜255まで伸長する。このような照明光量の制御と映像信号の伸長処理によって、映像のダイナミックレンジを拡張しつつ、滑らかな階調表現を実現することができる。
【0041】
[2]投射拡大率による制御
投射レンズ70のズーミングに対応させて制御する。通常は液晶ライトバルブ(被照明領域)における単位面積あたりの光量が一定であるから、拡大側では画面が暗くなり、縮小側で明るくなる傾向にある。したがって、これを補正するように、拡大側に変化させた場合には光量が増えるように、縮小側に変化させた場合には光量が減るように調光素子30を制御する。
【0042】
[3]外部からの制御
使用者が好みに応じて調光素子30を制御できるようにする。例えば暗い鑑賞環境においては光量が少なく、明るい鑑賞環境においては光量が多くなるように調光素子30を制御する。この場合、使用者がコントローラを用いて、もしくは調光素子を直接操作するなどして調節する構成としてもよいし、明るさセンサなどを設けて自動的に制御される構成としてもよい。ただし、これら[2]、[3]の制御を行なうためには、図4でDSP(1)82〜DSP(3)86のような回路は不要であるが、それ以外の回路構成が必要になる。
【0043】
次に、図1,図2を参照しながら、本実施形態の照明装置について説明する。本実施形態では、均一照明手段を構成する2枚のフライアイレンズの間に遮光板を装入した照明装置の例を示す。図1は本照明装置の概略構成を示す側面図、及び遮光板を第2フライアイレンズと共に光軸方向から見た状態を示す正面図であり、(a),(b),(c)はそれぞれ減光率0%,30%,60%の状態を示している。
【0044】
本実施形態の照明装置1では、光源から射出された光の照度分布を被照明領域である液晶ライトバルブにおいて均一化させるための均一照明手段として、光源側から第1のフライアイレンズ21、第2のフライアイレンズ22が順次設置されている。各フライアイレンズ21,22は、X方向,Z方向に配列された複数(本実施形態では例えば6×6個)のマイクロレンズ23,24から構成されている。
【0045】
第1のフライアイレンズ21と第2のフライアイレンズ22との間には、光源10から射出された光の光量を調節する調光素子30が設置されている。調光素子30は、その主面に平行な方向に延在する回動軸31cを中心として回動可能に構成された複数(本実施形態では例えば4つ)の遮光板31からなり、これらの遮光板31は光軸Y(第1のフライアイレンズから射出された光束群全体の中心線)を囲む位置に配置されている。光軸Yを挟んで対向する一対の遮光板31は、その形状や回動半径等を等しく構成されており、又、それらの回動軸は光軸Yに対して互いに線対称となる位置に配置されている。具体的には、各遮光板31の回動軸31cは、第2のフライアイレンズ22を構成する複数のマイクロレンズ24の横の配列方向(Z方向)或いは縦の配列方向(X方向)に対して平行であり、対向配置された一対の遮光板の間では、それらの回動軸の光軸Yからの距離が互いに等しく配置されている。
【0046】
これらの遮光板31は、図2(a)に示すように、調光の行なわれない初期状態において光軸Yと平行に配置されている。また、この初期状態において各遮光板31は第1のフライアイレンズ21から射出される光の光路外に配置されており、遮光量が略ゼロとなるように構成されている。一方、調光を行なう場合(調光状態)には、図2(b),図2(c)に示すように、各遮光板31は回動軸31cを中心として0°〜90°の範囲内で一斉に回動される。そして、この回動に伴って遮光板31の第2のフライアイレンズ22側の縁部がレンズ22の表面に沿って光軸Y側に移動することで、光源10から射出された光束は、その外周部から光軸Y側に向けて順に遮られる形で全方向から遮光される。なお、回動時に隣接する遮光板の端辺同士が互いに干渉しないように、遮光板31はレンズ21側からレンズ22側に向けて先細るような台形形状又は三角形形状とされている。図1では遮光板31が台形形状の場合について示している。
【0047】
このように本実施形態では、液晶ライトバルブに対して大きな角度で入射されることとなる、光軸Yから離れた領域の光から優先的に遮光が行なわれるため、図2に示すように、遮光量が大きくなるほど映像のコントラストは高くなる。このため、暗い映像でも階調再現性がよくなり、微妙な階調変化を表現することができる。特に本実施形態では、このような遮光が光軸Yを取り囲むような形で全方向から行なわれるため、映像のコントラストは最も高くなる。
【0048】
また、本実施形態では調光を光軸Yに対して線対称に行なっているため、被照明領域であるライトバルブ上での照度の偏りの少ない均一な照明を実現できる。つまり、調光手段を用いて光源光を遮光する場合、むやみに調光を行なうと照度分布の均一化の作用が阻害されてしまう。例えば、光軸Yに対して片側から調光すると、被照明領域の片側のみが明るく、残りの片側が暗いというように照度分布が偏りを持つ場合がある。これに対して、上述のように光軸Yに対して線対称に調光を行なうと、第1のフライアイレンズ21で形成される1つ1つの光束Rについては、遮光により明るさの偏りが生じるが、第2のフライアイレンズ22によってそれらを重畳した照度分布は、被照明領域の中心を通る軸に対して線対称な分布となり、光軸Yに対して非対称な調光を行なった場合に比べて、投射映像の見栄えをよくすることができる。
【0049】
特に、図3に示したような青色に対応する画像のみ,画像の上下方向若しくは左右方向が他の2色の画像と逆転することになる投射型表示装置に本実施形態の照明装置1を用いた場合、スクリーン71の両側で色バランスが均一な画像を再現することができる。
【0050】
また、本実施形態では各遮光板31の形状を台形形状或いは三角形形状としたため、回動時にこれらが互いに干渉することを防止できるだけでなく、調光時の照明光量の変化を滑らかにすることができる。つまり、均一照明手段としてフライアイレンズ21,22を用いた構成では、マイクロレンズ23から射出された部分光束Rは対応するマイクロレンズ24の中心部で像を結ぶため、回動により遮光板の縁部が正面視でレンズ24の中心部を通ると、光束Rの透過光量は大きく低下する。このとき、仮に遮光板31の形状が矩形で、その縁部がマイクロレンズの横の配列方向(Z方向)に平行であったとすると、Z方向に配列した6つのマイクロレンズ24の中心部は遮光板によって全て同時に遮光されるため、その光量変化は一段と大きくなる。したがって、光量を連続的に変化させたいときにも画面の明るさ変化が不連続になることがあり、視聴者が映像を鑑賞する際、不自然さを感じることがある。
【0051】
これに対して、本実施形態では遮光板31の形状がマイクロレンズ24の横の配列方向に対して斜めに交差する斜辺部を有しているため、一列に並んだ6つのマイクロレンズ24の中心部が全て同時に遮光されることはない。換言すると、本実施形態では、遮光板の回動によって部分的に遮光された複数の部分光束Rの中心部がそれぞれ別々のタイミングで遮光される(遮光板31が三角形形状の場合)、或いは、いくつかずつ別々のタイミングで遮光される(遮光板31が台形形状の場合)ため、光量変化を全体として平均化することができ、照明光量に不連続的な変化が生じることを防止できる。なお、この構成では、遮光板同士が隣接する部分(台形の斜辺部分)の遮光が十分ではない。このため、この部分からライトバルブに斜めに入射する光によって表示のコントラストが若干低下する虞もあるが、このような不具合は、例えばライトバルブに垂直配向型の液晶を用いることで十分に解消することができる。
【0052】
(第2実施形態)
次に、図8,図9を参照しながら、本発明の第2実施形態に係る照明装置について説明する。図8は本照明装置に備えられる調光素子の概略構成を示す図であり、(a),(b),(c)はそれぞれその上面視図,C−C′矢視図,D−D′矢視図である。また、図9は、本照明装置の概略構成を示す側面図、及び調光素子を第2フライアイレンズと共に光軸方向から見た状態を示す正面図であり、(a),(b),(c)はそれぞれ減光率0%,30%,60%の状態を示している。なお、本実施形態において上記第1実施形態と同様の部材については同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0053】
本実施形態は、3次元的な形状を有する部材を回動させることで、遮光量を調節するようにしたものである。すなわち本実施形態では、図9に示すように、光源10から射出された光の光量を調節する調光手段として、3次元的な形状を有する一対の遮光体32が、第1のフライアイレンズ21と第2のフライアイレンズ22との間に設置されている。
【0054】
この遮光体32は、不均一な厚みの板状部材を折り曲げたような構造を有し、その一方の正面形状(以下、平面形状という)は、図8(c)のように、コ字型に大きく湾曲した形状である。また、これと直交する方向から見た正面形状(以下、側面形状という)は、図8(b)のように、略矩形の形状ではあるが、その側部に一部切り欠いたような窪みgが設けられている。これらの遮光体32は、図8(c)に示した湾曲部が光軸Yを挟んで互いに向き合うように(即ち、折り曲げられた端部同士が互いに向き合うように)配置されており、光軸Yに略垂直な回動軸32cを中心として、一方が時計回りの方向、他方が反時計回りの方向に回動可能に構成されている。また、これらの遮光体32はその形状や回動半径等を互いに等しく構成されており、各遮光体の回動軸32cは、光軸Yに対して互いに線対称となる位置に配置されている。
【0055】
これらの遮光体32は、図9(a)に示すように、調光の行なわれない初期状態において、第1のフライアイレンズ21から射出される光の光路外に配置されており、遮光量が略ゼロとなるように構成されている。一方、調光を行なう場合(調光状態)には、図9(b),図9(c)に示すように、各遮光体32は回動軸32cを中心として0°〜180°の範囲内で回動される。本実施形態では遮光体32が立体的な形状を有するため、遮光体32を回動させていくと、遮光体32を光軸Yに垂直な平面に射影した像の形状は、遮光体32の平面形状を反映したものから遮光体32の側面形状を反映したものに遷移していく。
【0056】
例えば遮光体32の回動量が0°〜90°の範囲内では、上記射影像の形状は、図8(c)に示した平面形状を反映した形状となり、光源10から射出された光束は、その外周部から光軸Y側に向けて順に遮られる形で全方向から遮光される。一方、遮光体32の回動量が90°を超えると、上記射影像の形状は、図8(b)に示した側面形状を反映した形状となり、上記光源10から射出された光束はその外周部を更に遮られる形で遮光され、遮光量は徐々に増大していく。しかし、本遮光体32では側面形状に窪みgが設けられているため、180°まで回動させても遮光量はゼロとはならず、図9(c)に示すように、光軸Y近傍に上記窪みgを反映した光透過領域Gが残る。
【0057】
このように本実施形態でも、光軸Yから離れた領域の光から優先的に遮光が行なわれるため、階調再現性の高い映像表示を実現することができる。また、遮光体32の射影像は曲線を含むような形状となっているため、遮光体32によって部分的に遮光された複数の部分光束Rの中心部が全て同時に遮光されることはない。このため、照明光量の変化を滑らかにして映像の明るさを連続的に変化させることができる。
【0058】
また、本実施形態では立体状の部材を回動させているため、上記第1実施形態のように平板状の遮光板を回動させる場合に比べて、調光範囲を拡げることができる。つまり、平板状の遮光板ではその平面形状のみが遮光に寄与し、側面形状(厚み方向の形状)は遮光に殆ど寄与しない。このため、最大遮光量は遮光板の平面形状によって決まってしまう。これに対して立体形状を有する遮光体では、その平面形状のみならず側面形状も遮光に寄与するため、この側面形状によっては上記平面形状で決まる遮光量よりも大きな遮光量が得られる。本実施形態の例でいえば、遮光体32の側面形状を矩形形状とする(即ち、窪みgを設けない)ことで、最大遮光量を100%とすることも可能である。逆に、窪みgの大きさを適当に調節することで、調光の許容される範囲を任意に設定することも可能である。
【0059】
(第3実施形態)
次に、図10を参照しながら、本発明の第3実施形態に係る照明装置について説明する。図10は本照明装置の概略構成を示す側面図、及び調光素子を第2フライアイレンズと共に光軸方向から見た状態を示す正面図であり、(a),(b),(c)はそれぞれ減光率0%,30%,60%の状態を示している。なお、本実施形態において上記第1実施形態と同様の部材については同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0060】
本実施形態は、遮光板を回動させる代わりに遮光板を光軸Yに向けてスライドさせることで、遮光量を調節するようにしたものである。すなわち本実施形態の調光手段は、その主面の法線方向を光軸Yに対して斜めに固定された複数(本実施形態では例えば4つ)の矩形の遮光板33,34からなり、これらの遮光板33,34は光軸Yを囲む位置に配置されている。光軸Yを挟んで対向する一対の遮光板(例えば、遮光板33同士或いは遮光板34同士)は、その形状や光軸Yに対する主面の傾き角θを等しく構成されるとともに、これらは光軸Yに対して互いに線対称となる位置に配置されている。具体的には、光軸Yを挟んで対向する2枚の遮光板33,33は、その端辺が、第2のフライアイレンズ22を構成する複数のマイクロレンズ24の横の配列方向(Z方向)に平行であり、光軸Yから各遮光板33までの距離は互いに等しく配置されている。同様に、2枚の遮光板34,34はその端辺がマイクロレンズ24の縦の配列方向(X方向)に平行であり、光軸Yから各遮光板34までの距離は等しく配置されている。
【0061】
これらの遮光板33,34は、図10(a)に示すように、調光の行なわれない初期状態において、第1のフライアイレンズ21から射出される光の光路外に配置されており、遮光量が略ゼロとなるように構成されている。一方、調光を行なう場合(調光状態)には、図10(b),図10(c)に示すように、遮光板33,34はその姿勢を保持したまま光軸Y側に向けてレール上を一斉にスライド移動する。このレールは、第1のフライアイレンズ21の端部から、第2のフライアイレンズ22の中央部に向けて延設されており、各遮光板はこのレールに沿って、レンズ21近傍の照明光路外となる位置からレンズ22近傍の照明光路中央部に向けてスライドされる。図10では、遮光板33に対応するレールを符号33cで示している。なお、隣接する遮光板33と遮光板34とが互いに干渉しないように、遮光板34は遮光板33よりも第1のフライアイレンズ21側に配置されている。
【0062】
このように本実施形態でも、光軸Yから離れた領域の光から優先的に遮光が行なわれるため、階調再現性の高い映像表示を実現することができる。
また本実施形態では、光軸Yに対する遮光板33,34の法線の傾き角は調光状態において常に一定であるため、遮光板33,34によって遮られた光は一定の方向に反射されることとなる。このため、このような反射光の到達する位置に光吸収部材を配置する等の方法により、迷光を容易に抑止することができる。
【0063】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば上記第1実施形態では、隣接する遮光板同士が互いに干渉することを防止するために、遮光板の形状を台形形状又は三角形形状とした。しかし、遮光板の形状はこれに限定されず、例えば遮光板を半楕円形状とすることも可能である。或いは、図1の構成において、台形の光軸Y側の端辺を丸めたような形状であってもよい。このように遮光板の形状を曲線形状、若しくは直線部と曲線部とを組み合わせた形状とすることで、照明光量の変化をより滑らかにすることができる。
【0064】
また、上記実施形態では調光手段を半透明の部材によって構成してもよく、これにより、調光特性を一層滑らかにすることができる。具体的には、遮光板に半透過特性をもった樹脂やNDフィルタを用いる、或いは、遮光板を金属板とし、これに微小な開口部を多数設ける等の構成を挙げることができる。また、遮光板を、ガラス上に金属薄膜を形成した板により構成し、その膜厚に分布を持たせることによっても上記構造を実現できる。このようにして調光手段に部分的に光の透過率が異なる領域を設けた場合、フライアイレンズが作り出す複数の2次光源像のそれぞれに対してランダムな分布で遮光が行なわれるので、それらが重畳されたものはこれらの分布が交じり合うことにより照度分布が均一化され、被照明領域における照度の均一性が高まる。
勿論、調光手段は、光の透過率が全体的に均一なもの(例えば、非透光性部材、或いは、均一な透過率分布を有する半透明な部材)であってもよい。この場合、製造の容易さ等の利点がある。
【0065】
また、上記各実施形態では調光素子を第1のフライアイレンズと第2のフライアイレンズとの間に配置したが、このような調光素子は第2のフライアイレンズの射出側に配置してもよい。この場合にも、調光素子によって、第2のフライアイレンズ22から射出された複数の部分光束のうち光軸Yから離れた光束から優先的に遮光されるようにすることで、同様の効果が得られる。
また、上記実施形態では、投射型表示装置として透過型の液晶装置を光変調手段として用いたものを例示した。しかし、本発明の技術範囲はこのような透過型のものに限定されず、例えばLCOS等の反射型の投射型表示装置、或いは、MEMS技術に基づくミラー方式の空間光変調器を用いた投射型表示装置に対して本発明を適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態の照明装置に備えられた調光素子の概略構成を示す平面図、及びこの調光素子を光軸方向から見た正面図。
【図2】 同、投射型表示装置の減光量とコントラストとの関係を示す図。
【図3】 本発明の第1実施形態の投射型表示装置の概略構成を示す図。
【図4】 同、投射型表示装置の制御装置の構成を示すブロック図。
【図5】 同、投射型表示装置において、映像信号から調光制御信号を決定する第1の方法を説明するための図。
【図6】 同、第2の方法を説明するための図。
【図7】 同、第3の方法を説明するための図。
【図8】 本発明の第2実施形態の照明装置に備えられた調光素子の概略構成を示す図。
【図9】 同、調光素子の概略構成を示す平面図、及びこの調光素子を光軸方向から見た正面図。
【図10】 本発明の第3実施形態の照明装置に備えられた調光素子の概略構成を示す平面図、及びこの調光素子を光軸方向から見た正面図。
【符号の説明】
1…照明装置、10…光源、21,22…フライアイレンズ、23,24…マイクロレンズ、31,33,34…遮光板、32…遮光体、31c,32c…回動軸、51,52,53…液晶ライトバルブ(光変調手段)、70…投射レンズ(投射手段)、82…DSP(1)(制御信号決定手段)、83…DSP(2)(調光制御手段)、86…DSP(3)(映像信号伸長手段)、R・・・部分光束、Y…光軸

Claims (9)

  1. 投射型表示装置の光変調手段を照明するために用いられる照明装置であって、
    光源と、上記光源から射出された光を複数の光束に分割し、これらの光束を上記光変調手段において重畳する一対のフライアイレンズと、上記光源からの射出光の一部を遮光することで上記射出光の光量を調節する調光手段とを備え、
    上記調光手段は、上記光源からの射出光の光軸から離れた光束から優先的に遮光することにより、上記光源からの射出光の光量を上記光軸から離れた領域から優先的に調節し、
    調光状態において部分的に遮光された光束が複数存在し、上記調光手段は、上記複数の光束の中心部をそれぞれ別々のタイミングで遮光することにより、これらの部分的に遮光された全ての光束の中心部を同時には遮光しないことを特徴とする、照明装置。
  2. 上記調光手段は、上記光軸を取り囲むような形で全方向から遮光を行なうことを特徴とする、請求項1記載の照明装置。
  3. 上記調光手段は、その主面に平行な方向に延在する回動軸を中心として回動可能に構成された複数の遮光板からなり、
    これらの遮光板が上記光軸を囲む位置に配置されたことを特徴とする、請求項2記載の照明装置。
  4. 上記調光手段は、その主面の法線方向を上記光軸に対して斜めに固定された複数の遮光板からなり、
    これらの遮光板は上記光軸を囲む位置に配置されるとともに、その姿勢を保持したまま上記光軸に向けてスライド可能に構成されたことを特徴とする、請求項2記載の照明装置。
  5. 上記調光手段は、上記光軸に対して略垂直な方向に延在する回動軸を中心として回動可能に構成された一対の遮光体からなり、
    各遮光体は湾曲形状を有するブロック状の部材であり、回動状態においてそれぞれの湾曲部が光軸を挟んで対向するように配置されたことを特徴とする、請求項2記載の照明装置。
  6. 上記調光手段が、部分的に光の透過率が異なる領域を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の照明装置。
  7. 上記調光手段が、均一な透過率分布を有する半透明な部材からなることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の照明装置。
  8. 請求項1〜のいずれかの項に記載の照明装置と、
    上記照明装置から射出される光を変調して映像光を形成する光変調手段と、
    上記映像光を投射する投射手段とを備えたことを特徴とする、投射型表示装置。
  9. 映像を構成する単位時間当たりの映像信号に基づいて上記調光手段を制御する制御信号を決定する制御信号決定手段と、
    上記制御信号に基づいて上記調光手段を制御する調光制御手段と、
    上記映像信号を上記制御信号に基づいて伸長する映像信号伸長手段とを備えたことを特徴とする、請求項記載の投射型表示装置。
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