JP3965754B2 - パネルの補強構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の車体等を構成するパネルの補強構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
車体の構造は、図11に示すような被補強部材(パネル)10と補強部材20を組み合わせて、レーザビームLBで溶接した2(ツー)ピース構造が基本となっており、必要強度剛性に応じて採用されている。この構造は特開平7−117731号公報に示されている。
【0003】
実際には、上記の構造では強度・剛性等の要求性能が不十分な場合、さらに補強部材を追加し、3(スリー)ピース構造を採ることもある。この3ピース構造の実施例を図12から図14までに示す。最も基本的な構造は、図14に示すように、被補強部材であるパネル10と補強部材50,55のフランジ部52,57で重ね合わせ、レーザビームLBを照射し、3枚重ね溶接により接合するものである。
【0004】
この構造の場合、被補強部材と補強部材ともに板厚が薄い、概ね1.5mm以下の場合に制約される。これは現状のレーザ発振器の出力レベルから生じる限界溶接能力に起因するもので、平均出力2KWクラスの装置では、重ね溶接可能な、最大トータル板厚は4mm〜5mmの範囲である。したがって、トータル板厚がこれを越えるときは、3枚重ねを避け、2枚重ね構造にする。
【0005】
図12に示すように、パネル10に内側の補強部材35のフランジ部37を溶接し、その外側に補強部材30をフランジ部32で溶接したり、図13に示すように、パネル10に2つの補強部材40,45のフランジ部42,47とを重ねて接合する構造が採用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、対象とする補強部材が上記の板厚の範囲であれば、実用上支障はないが、構造体の要求性能が更に厳しくなってくると、補強部材の板厚は2.5mm以上の薄板の範囲を越えた厚板の領域に入ってくる。この場合、図12から図13に示す接合構造では対応し切れず、新たな方策が必要となる。
本発明は上述した問題を解決するパネルの補強構造を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のパネルの補強構造は、補強部材であるパネルに予めスリットを設け、一方の補強部材にはスリットに挿入可能な突出端部を設け、各々を嵌合状態にし、レーザ溶接を行うものである。
この場合、レーザビームを突出端部先端にウイービングさせながら照射する方法と、嵌合部の接触部にレーザビームをウイービングさせずに照射する方法がある。また、補強部材の外側に薄板の補強部材を溶接する構造とすることもできる。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は本発明のパネルの補強構造を示す断面図、図2は一部を省略して示す斜視図、図3はパネルの斜視図、図4は側面図である。
被補強部材であるパネル100は、一定間隔毎に形成されるスリット102を有する。このスリットは、幅寸法がD1で、長さ寸法がL1のものであり、長手方向に距離L2の間隔で設けられる。
【0009】
補強部材のうちで、内側に配設される第1の補強部材120は、厚板を断面がU字状になる形状に折り曲げられて構成される。この第1の補強部材120は、一定間隔毎に突出する突出端部122を有する。そして、この突出端部122は、パネル100のスリット102に挿入される寸法に設定されており、図2に示すように構成される。
そして、第1のレーザビームLB1(ウイービングモード)を照射し、矢印F1方向に移動させることによって、この突出端部122とパネル100を溶接部W1で固着する。
【0010】
第1の補強部材120の外側に配設される第2の補強部材140は、薄板を折り曲げてつくられ、そのフランジ部142をパネル100の裏面に当接して、第2のレーザビームLB2(通常モード)によりパネルに溶接部W2により固着される。
【0011】
図5〜図7は、第1の補強部材120の突出端部の先端部の形状の種々の例を示す。
図5に示す第1の突出端部122Aは、中央部が山形に突出する断面形状を有する。図6に示す第2の突出端部122Bは、中央部がV字状に窪む凹部を形成している。図7に示す第3の突出端部122Cは、中央がU字状に窪む凹部を形成している。
【0012】
図8は、第1の補強部材120の端面122のレーザビーム溶接におけるレーザビームトーチが描くウイービングパターンの軌跡の例を示す説明図である。
パターンP1からP3のように種々の軌跡が採用される。
【0013】
図9は、2本のレーザビームLB1(通常モード)を用いて第1の補強部材の突出端部122とパネル100を溶接する加工を示す。突出端部122の両側部に溶接部W1を形成し、パネルとの間を固着してある。
この2本のレーザビームによって、突出端部の両側に溶接部を形成する構造にあっては、図6〜図7に示した端部形状が適している。又レーザビームトーチのウイービングモードの場合、図8に示したパターンが望ましく、端部形状は図5が適している。
【0014】
すなわち、補強部材120の板厚が3mm〜4mmを越える厚板の場合、レーザビームは集光性が良いため(例えば、一般的なビーム径はCO2レーザで0.2mm前後、YAGレーザで0.5mm〜0.8mm)、溶け込みを突出端部122の板厚全幅で確保するためには、このような蛇行する走行モードが必要となる。
【0015】
パネル100と第1の補強部材120との溶接接合は、突出端部122とパネル100との間を溶接すれば充分な強度を得ることができる。しかしながら、第1の補強部材120の非突出端部124とパネル100との接合面に対しても、仕様を変更したレーザビームLB3を照射して、図4に示すように、矢印F3に沿って進行させて溶接部を加工し、接合強度を増強させることができる。
【0016】
【発明の効果】
(1)本発明により、レーザ発振器の出力による重ね溶接板厚の制限を取り除き、厚板補強部材を用いた構造体を成立させる。
(2)本発明は、被補強部材であるパネルが薄板の範囲での実施例を示したが、パネルが厚板の場合にも応用可能であるので、部材等の厚板の溶接構造体にも適用できる。
(3)本発明の被補強部材であるパネルに設けたスリットは、上記(2)を実現するために用いたが、相手方の補強部材を設置するときの位置決め(位置合わせ)効果も同時に保有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパネルの補強構造の断面図。
【図2】本発明のパネルの補強構造を一部省略して示す斜視図。
【図3】パネルの斜視図。
【図4】本発明のパネルの補強構造の側面図。
【図5】第1の補強部材の突出端部の断面形状を示す説明図。
【図6】第1の補強部材の突出端部の断面形状を示す説明図。
【図7】第1の補強部材の突出端部の断面形状を示す説明図。
【図8】ウイービングパターンの説明図。
【図9】第1の補強部材の突出端部の溶接手段を示す説明図。
【図10】第1の補強部材の非突出端部の溶接手段を示す説明図。
【図11】従来の補強構造を示す斜視図。
【図12】従来の補強構造を示す断面図。
【図13】従来の補強構造を示す断面図。
【図14】従来の補強構造を示す断面図。
【符号の説明】
100 パネル
102 スリット
120 第1の補強部材
122 突出端部
124 非突出端部
140 第2の補強部材
142 フランジ部
Claims (2)
- パネルに補強部材を結合させる構造であって、定間隔にスリットを設けたパネルと、上端に横断面の形状が、中央部が低く両側が高くなっている凹型の形状、または中央部が高くなっている山形状の形状の突出端部を有し、レーザビームを照射して該突出端部を前記パネルのスリットに嵌合溶接する断面U字形の補強部材を備え、
前記上端の横断面の形状が、中央部が低く両側が高くなっている凹型の形状では、両側の突出部とスリットとの間においてスリットの長手方向に沿ってレーザビームの照射により溶接され、また、中央部が高くなっている山形形状では、補強部材の板厚方向にレーザビームをウイービングさせて、パネルに溶接されている、パネルの補強構造。 - 請求項1に記載のパネルの補強構造において、パネルのスリット部以外のパネルから補強部材が突出しておらず、パネルと補強部材の非突出端部との当接部は、当接している補強部材とは反対側のパネル面からレーザビームを照射して、当該当接部に沿って溶接される、パネルの補強構造。
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