JP3965540B2 - 画像記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファクシミリ装置や複写機等の画像記録装置に係り、より詳しくは、画像記録手段における加熱定着部から出る熱により、原稿読取部における原稿読取り用のイメージセンサの性能が悪化しないようにする冷却のための構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ファクシミリ装置や複写機等の画像記録装置には、原稿読取部と、画像データを用紙に記録するための記録部と、前記記録部に用紙を供給する給紙部とが備えられているのが通常である。そして、最近の小型のファクシミリ装置や複写機では、小型化のために、原稿読取部に、光源と画像検出部とが一体的なケース内に収められた密着型イメージセンサ(CIS)を採用されたものが出現した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この種の密着型イメージセンサ(CIS)は、現状ではアモルファス膜(アモルファス半導体)を光電変換素子として使用しているため、雰囲気温度が高くなると、検出した画像データの濃度にムラが発生し易いという問題があった。一方、記録部として、静電潜像が形成される感光体とこの感光体にトナー像を形成する現像部とを有するプロセスユニットと、用紙に転写されたトナー像を加熱定着する定着ユニットとからなるものを使用した場合、当該定着ユニットからかなり高温の熱が発生するので、前記密着型イメージセンサを定着ユニットの近くに配置すると、前記の熱による悪影響を受け易い。これを回避するため、両者の間隔を離すようにすると画像記録装置が大型化してしまうという問題があった。
【0004】
本発明は、これらの問題を解決するためになされたものであり、原稿読取部における密着型イメージセンサに熱の悪影響を与えずに小型化できる画像記録装置を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、請求項1に記載した発明の画像記録装置は、少なくとも用紙に記録を行う記録部と、用紙に記録された像を加熱定着する定着部とを収納するメイン下ケースの上面を上ケースにて覆い、該上ケースの上面側に原稿読取部を配置してなる画像記録装置において、前記メイン下ケース内には、冷却用フアンによる冷却空気流の上流側に前記記録部を、下流側に定着部をそれぞれ配置し、前記上ケースの下面と前記記録部の上面との間の隙間を、前記冷却空気流の通路となるよう形成する一方、前記原稿読取部における搬送される原稿の画像データを読取るための密着型イメージセンサを、前記定着部の配置位置よりも、冷却空気流の上流側である前記記録部の上方における前記上ケースの上面側に配置したものである。
【0006】
また、請求項2に記載した発明の画像記録装置は、請求項1に記載の画像記録装置において、前記上ケースの下面から下向きに突出させた複数列のリブを前記通路内に臨ませて、該リブを前記冷却空気流のための整流板と記録部への用紙ガイド板との機能を兼用するように構成したものである。
【0007】
そして、請求項3に記載した発明の画像記録装置は、請求項2に記載の画像記録装置において、前記上ケースの下面と記録部の上面との間に形成された冷却空気流の通路のうち、上下隙間の最も狭い箇所の近傍の上方に、前記密着型イメージセンサを配置したものである。
さらに、請求項4に記載した発明の画像記録装置は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像記録装置において、前記原稿読取部におけるユニットケースには、原稿搬送用のローラ対と、該ローラ対を駆動するための駆動モータユニットとを配置し、前記ユニットケースのうち、駆動モータユニットの配置箇所の下面側に、前記冷却用フアンに向かって空気が流れる空気通路を設けたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明を適用する画像記録装置の一例としてのファクシミリ装置の主要構成部品の斜視図、図2はファクシミリ装置の概略側断面図、図3はファクシミリ装置の一部切欠き平面図、図11は冷却空気流の通路を示す要部拡大側断面図、図12は本体ケースの前部拡大側断面図、図13は原稿読取部を含む一部切欠き断面図である。
【0009】
ファクシミリ装置1の本体ケースは、図1に示すように、スキャナユニット2、プロセスユニット(記録部)3及び定着ユニット(定着部)4からなる画像記録手段としての記録ユニットと、画像を形成するための用紙Pを供給するための給紙部としての給紙ユニット5とを上側から装着する合成樹脂製のメイン下ケース1aと、該メイン下ケース1aの上側を覆い、前方を大きく上下回動できるように、メイン下ケース1aの側部後部位に枢着された合成樹脂製の上ケース1bとからなり、該上ケース1bの上面には、原稿読取部としての原稿読取ユニット6及び原稿送り台7を載置でき、原稿読取りユニット6の上側を、操作パネル8にて着脱自在に覆うように構成されている。
【0010】
そして、プロセスユニット3、定着ユニット4及び、給紙ユニット5に動力伝達するための駆動モータとギヤ列とを含む駆動系ユニット9は、メイン下ケース1aの左側の収納凹所(図示せず)内に装着固定される。
そして、メイン下ケース1aの後面部の一側(実施例では右寄り部位)には、図2、図4、図6(a)、図6(b)及び図7に示すように、当該メイン下ケース1aの後面壁1c下端縁から適宜上下寸法の下連設片部1dより上側にて後面と上面にわたって窓孔59が穿設されている。この窓孔59を側面視逆L字状のサブカバー62にて着脱自在に開口できるように構成されている。
【0011】
さらに、前記メイン下ケース1aの下面を覆う金属板製の底カバー10の上側には、制御基板11、低圧電源基板12、高圧電源基板13、電話回線を介して他の電話装置やファクシミリ装置との間で会話やファクシミリデータの送受信を可能にするためのNCU(ネットワークコントロールユニット)基板14、プロセスユニット3の帯電器28等に対する高圧電源基板13が配置されている。即ち、図2、図4、図6及び図7に示すように、前記給紙ユニット5の下端部が載置されるメイン下ケース1aの上面壁1eと後面壁1cとプロセスユニット3の後端に対面する仕切り壁面1fと前記底カバー10とで囲まれる空間を、前記制御基板11、低圧電源基板12、NCU基板14及び、増設用の電子部品としての増設RAM(随時読み書き可能メモリ)ボード60やLAN(ローカル エリア ネットワーク)ボード61等のオプショナルボード収納できる収納空間78とする。なお、底カバー10の上面のうち、前記窓孔59に近い部位(実施例では後部右端寄り部位)に、制御基板11がビス等にて固定配置されている。また、この制御基板11とパーソナルコンピュータ等の外部装置(図示せず)とを接続するケーブル75のためのコネクタ76の支持部(基部)が前記底カバー10の後端から立ち上がった上向き片10aと前記メイン下ケース1aの下連設片部1cとにビス77にて共締めされている(図6(a)及び、図6(b)参照)。
【0012】
図7に示すように、前記メイン下ケース1aの窓孔59より左側の収納空間78内において、底カバー10の後端寄り部位の左側にビス79を介して電気的に接続されて立設し、且つ上端が上面壁1eにビス80にて磁界遮蔽のための仕切り板兼用の金属板製の支持板14aが固定されている。そして、前記支持板14aの片面に固定されるNCU基板14の部品側がメイン下ケース1aの後面壁1cと対面するように縦状に配置される。NCU基板14の近傍の底カバー10上面側に低圧電源基板12がビス等により固定配置されている。従って、低圧電源基板12側から発生した熱は前記支持板14aに遮られ、直接NCU基板14の部品面に当たらないようになっている。
【0013】
また、前記メイン下ケース1aの後面壁1c及び上面壁1eに多数穿設された通気孔50a,50bを通る空気により、前記低圧電源基板12からの放熱を効率良く機外に排出できると共に、NCU基板14の部品面を効率良く冷却することができる。さらに、前記金属板製の底カバー10に対して金属板製の支持板14aを介してNCU基板14のグラウンド部が電気的に接続されているから、グラウンド(接地)することと、NCU基板14を強固に取付けることとを同時に達成することができるのである。
【0014】
なお、窓孔59の左端側の内側に立設した仕切り板81のため、窓孔59から収納空間78内に作業者が手を入れるとき、不用意にNCU基板14と低圧電源基板12と接触しないように構成されている。NCU基板14に設けたモジュラーコネクタ82は、メイン下ケース1aの側面に露出させ、電話回線用のモジュラージャック(図示せず)が接続されるようになっている。
【0015】
次に、画像記録手段における各ユニット等の構成について説明する。給紙ユニット5のフィダー部ケース5a内に積層された状態でセットされた用紙Pの先端側は、フィダー部ケース5a内の付勢ばね15a付き支持板15にて給紙ローラ16に向かって押圧され、上記駆動系ユニット9から動力伝達されて回転する給紙ローラ16と分離パッド17とによって1枚ずつ分離される。分離された用紙Pは、上下一対のレジストローラ18,19にてプロセスユニット3の上部側に給送され、このプロセスユニット3で表面にトナーにより画像を形成された用紙Pは、定着ユニット4の加熱ローラ21と押圧ローラ22とにて画像を固定された後、排紙口20から外に排出され、図示しない排紙トレイの上に排出される。
【0016】
上面開放箱体状のメイン下ケース1aの平面視ほぼ中央部に配置するプロセスユニット3の下方の部位には、スキャナユニット2が前記メイン下ケース1aの底板部の上面側に一体的に形成したステー部にビス等にて固定される。露光ユニットとしてのスキャナユニット2には、図2に示すように、合成樹脂製の上支持板2aの下面側に、レーザ発光部、ポリゴンミラー23、レンズ24、反射鏡25等を配置し、前記上支持板2aに感光体ドラム26の軸線に沿って延びるように穿設された横長スキャナ孔を覆う硝子板を通過してプロセスユニット3における感光体ドラム26の外周面にレーザービームを照射して露光するように構成されている。
【0017】
前記プロセスユニット3は、前記感光体ドラム26とその上面に当接して回転する転写ローラ27、感光体ドラム26の下方に配置したスコロトロン型等の帯電器28、給紙方向において感光体ドラム26よりも上流側に配置した現像ローラ29及び供給ローラ30を有する現像装置、さらにその上流側に配置した現像剤(トナー)供給部すなわち着脱可能なトナーカートリッジ31、また感光体ドラム26よりも下流側に配置したクリーニング装置32等から成っている。感光体ドラム26の外周面は、帯電器28にて形成された帯電層に前記スキャナユニット2からレーザービームを走査することによって静電潜像が形成される。前記トナーカートリッジ31内の現像剤(トナー)は、攪拌体(図示せず)にて攪拌されて放出されたのち、供給ローラ30を介して現像ローラ29の外周面に担持され、ブレードによってトナー層厚さが規制される。感光体ドラム26の静電潜像は、現像ローラ29から現像剤が付着することによって顕像化され、転写ローラ27と感光体ドラム26の間を通る用紙Pに転写される。そして、感光体ドラム26上に残った現像剤はクリーニング装置32で回収される。
【0018】
このプロセスユニット3は、合成樹脂製のケースに組み込むことにてカートリッジ化されており、このカートリッジ化したプロセスユニット3は、前記メイン下ケース1aに着脱可能に装着される。
前記上ケース1b上に配置される原稿読取ユニット6は、図2、図8、図9及び図10に示すように、合成樹脂製のユニットケース42内に配置される横長の密着型イメージセンサ(CIS)34と、原稿送り台7の近傍に配置される原稿分離送りローラ35a及び分離パッド35bと、前記密着型イメージセンサ34の搬送上流側に配置される搬送駆動ローラ36a及び従動ローラ36bと、搬送下流側に配置される搬送駆動ローラ37a及び従動ローラ37bと、前記各ローラ35,36a,37aを駆動するための駆動モータ40と歯車列41とがフレーム内に収納された駆動モータユニット39とが備えられ、前記原稿分離送りローラ35a及び分離パッド35bを介して1枚ずつ送られる原稿(図示せず)は下面が白色の下向き凸湾曲状に配置された押圧板38とCIS34の上面との間を通過するとき、原稿の画像が読み取られるように構成されている。
【0019】
図2、図11及び図13に示すように、原稿読取ユニット6における密着型イメージセンサ(CIS)34は、前記定着ユニット4の配置位置よりも、冷却空気流の上流側であるプロセスユニット3の上方の、前記上ケース1bの上面側に配置され、且つ図11及び図13に示すように、前記上ケース1bの下面とプロセスユニット3の上面との間の隙間を、前記冷却空気流の通路85となるよう形成し、その通路85のうち上下隙間寸法H1の最も狭い部位の近傍の上方に、前記密着型イメージセンサ34を配置したものである。
【0020】
そして、上ケース1bの下面から下向きに、且つ用紙Pの搬送方向と平行状に延びるように突出させ、且つ用紙Pの搬送方向と直角な幅方向に適宜間隔にて配置された複数列のリブ86を前記通路85内に臨ませて、該リブ86を冷却空気流のための整流板とプロセスユニット3における感光体ドラム26と転写ローラ27との間への用紙ガイド板との機能を兼用するように構成したものである。
【0021】
さらに、図13に示すように、前記原稿読取ユニット6におけるユニットケース42の下面側の一側部位には、前記駆動モータユニット39の配置箇所の下面側に、前記冷却用フアン43への空気通路87が穿設されており、原稿台7の上面と操作パネル8との間の空間から入る空気が、ユニットケース42の上面に穿設された前記従動ローラ36b,37bの配置のための孔等からユニットケース42内を通過してCIS34を冷却した後、前記空気通路87の箇所を通過するとき、前記駆動モータ40を冷却するように構成されている。
【0022】
また、メイン下ケース1aにおける前側右部位には、ケースの外側へ空気を吹出す冷却用フアン43を収納するための収納部44と、用紙Pの通過方向と直交する方向に延びる通風ダクト45とが連通して形成される。この場合、図2、図12及び図13に示すように、通風ダクト45の上面板部45aを断面下向きの略V字状に形成し、この上面板部45aがメイン下ケース1aの上面側に配置するプロセスユニット3と定着ユニット4との間に位置して定着ユニット4における加熱ローラ21の熱がプロセスユニット3側に伝達されないようになっている。なお、断面下向き略V字状の上面板部45aの下端間を合成樹脂板製等の仕切り板46にて連設し、これらの部材で囲まれた部位が通風ダクト43となるように構成されている。
【0023】
また、図4、図5、図6(a)、図6(b)及び図7に示すように、メイン下ケース1aの後面壁1c(前記NCU基板14と対面する箇所)及び上面壁1eと、サブカバー62とにはそれぞれ多数個の通気孔50a,50bが穿設されている一方、図4及び図13に示すように、前記冷却用フアン43が配置されるメイン下ケース1aの右側面に吹出孔52が多数個穿設され、また、底カバー10の後部左寄り部位と前部左寄り部位とにも空気吸い込み孔53a,53bが多数個穿設されている。
【0024】
図5、図7、図11及び図12に示すように、メイン下ケース1aの内側には、給紙ユニット5の載置部の下方に通気孔54と、プロセスユニット3の後面と対峙する箇所に通気孔55a、55bと、前記上面板部45aの箇所に通気孔56と、前記冷却用フアン43の収納部44を仕切る壁面等に通気孔57とがそれぞれ穿設されている。
【0025】
さらに、図7及び図11等に示すように、メイン下ケース1aの上面壁1eの近傍には、給紙ユニット5におけるユニットケース5aの裏面に当接するか接近する箇所には、シール88を張設して、前記上面壁1eとユニットケース5aの裏面との隙間から空気が入らないように塞ぎ、前記多数個の通気孔50a,50bから空気がメイン下ケース1a内に入り易くするように構成している。また、前記上面板部45aの箇所に張設したシール89は、プロセスユニット3の前面との隙間を塞ぎ、通風ダクト43内に沿って冷却空気が流れ易いように構成されている。
【0026】
そして、他の電話装置との会話を行うための送受話器(ハンドセット)64は、メイン下ケース1aの左側面から外向きに突設した受け台65上に載置され、発呼用のスピーカ66は、メイン下ケース1a内の右側面の後部側に固定されている。
図14は、本発明が適用されたファクシミリ装置1の制御系統を示すブロック図である。ファクシミリ装置1は、操作パネル8を介して入力される使用者からの各種指令に応じて、各種処理動作の設定、原稿読取ユニット6による原稿画像の読み取り、原稿画像の送信データ化、送信データの符号化、ファクシミリデータの送受信、受信データの復号化、復号化したファクシミリデータの記録ユニットでの用紙Pへの記録を実行する他、原稿読取ユニット6のCIS(密着型イメージセンサ)34による原稿読取りと画像記録手段における各ユニットによる用紙Pへの画像記録というコピー(複写)処理機能、図示しないパーソナルコンピュータ等の外部装置からのデータ伝送に基づき、その伝送されたデータを用紙Pに印字するプリンタ処理機能、前記原稿読取ユニット6を使って読み取った画像データを前記外部装置へ送信するというスキャナ処理機能をも備えている。
【0027】
これらの動作を行うために、ファクシミリ装置1は、操作パネル8、原稿読取ユニット6、レーザ光のスキャナユニット2、プロセスユニット3、定着ユニット4等からなる画像記録手段、制御基板11に搭載されて、各種制御・演算を実行するCPU67、制御プログラムを記憶したROM68、一部が受信バッファメモリ69aとして用いられているRAM69、NCU基板14、該NCU基板14を介して他のファクシミリ装置との間でファクシミリデータを送受信するためのモデム70、他の電話装置との会話を行うための送受話器(ハンドセット)64、発呼用のスピーカ66、前記画像記録手段における各ユニットの各駆動部に動力を付与するためのステッピングモータを備えた駆動系ユニット9、前記制御基板11等に低圧の電力を供給するための低圧電源基板12、前記プロセスユニット3の帯電器28に高圧電力を供給するための高圧電源基板13、冷却空気を機外に排出するための冷却用フアン43、およびこれらを接続するバスライン71等を備えている。
【0028】
なお、使用者の要望にて付加できる前述したメモリ量を増加するための増設RAMボード60、及び複数のコンピュータ等の外部装置とデータを伝送するようにネットワークを構築するためのLANボード61も図9に示すごとく接続できる。
上述の構成において、電源を投入すると、前記各基板11,12、13、14に電力が供給され、各種制御実行可能となる一方、冷却用フアン43が回転駆動する。すると、メイン下ケース1aの後端面等の通気孔50a,50bから吸い込まれた冷却空気は、NCU基板14、制御基板11、低圧電源基板12の表面箇所を通過し、次いで、スキャナユニット2の下面側と底カバー10との間を通ってメイン下ケース1aの前方に至る一方、給紙ユニット5の載置部の下方の通気孔54や、プロセスユニット3の後面と対峙する箇所の通気孔55a、55bを介してプロセスユニット3の上面と上ケース1bの下面との間の通路85を通過した冷却空気は、前記上面板部45aの箇所の通気孔56や通気孔57を介して収納部44に集まり、冷却用フアン43にて本体ケースの外に放出されるのである。これにより、定着ユニット4の加熱ローラ21の熱がプロセスユニット3に悪影響を及ぼさないのである。
【0029】
また、前記読取ユニット6におけるCIS34は、発熱量の大きい定着ユニット4の箇所よりも冷却空気流の上流側であるプロセスユニット3の上方の上ケース1bの上面に配置されているので、前記定着ユニット4からの熱の悪影響を受け難い。また、上ケース1bとプロセスユニット3の上面との間の通路85のうち、上下隙間寸法の最も小さい箇所の近傍に前記CIS34が配置されていると、ノズル効果のため、通路85の隙間寸法の小さい箇所を通過する冷却空気流の流速が速くなり、上ケース1bを冷却する効果が大きくなる。さらに、前記通路85中に、用紙Pの搬送方向に延び、該用紙Pの搬送方向と直角な幅方向に適宜間隔にて配置された多数枚のリブ86のため、冷却空気流は、前記用紙Pの幅方向とほぼ平行状にのびる横長のCIS34の全長にわたって前記通路85中を用紙Pの搬送方向に沿ってほぼ均一に流れ、CIS34の全長に対応する上ケース1bを効率良く冷却させることができると共に、前記多数枚のリブ86の存在により、用紙Pが詰まりなくプロセスユニット3に円滑に供給でき、リブ86が整流板(冷却フィン)と用紙ガイドとの2つの機能を同時に果たすので、構成も簡単になるという効果を奏する。
【0030】
そして、原稿台7の上面と操作パネル8との間の空間から入る空気は、ユニットケース42の上面に穿設された前記従動ローラ36b,37bの配置のための孔等からユニットケース42内を通過して前記空気通路87の箇所を通過するので、駆動モータ40よりも風上側に配置されるCIS34を冷たい外気の空気流で効率良く冷却したのち、駆動モータ40も冷却できる。
【0031】
しかも、前記空気通路87が、前記冷却用フアン43を内蔵する収納部44への通気孔57に近い箇所に穿設されているので、冷却用フアン43による空気吸い込み作用が向上するという効果も奏する。
本発明は、上述したように、ファクシミリ装置ばかりでなく、CIS34を使用した複写機についても適用できることは言うまでもない。
【0032】
【発明の効果】
以上に説明したように、請求項1に記載した発明の画像記録装置によれば、読取部における密着型イメージセンサは、発熱量の大きい定着部の箇所よりも冷却空気流の通路の上流側であって、前記記録部の上方における、前記上ケースの上面側に配置されていることと、この通路及び記録部の上方の上ケースの下面との2つの箇所で伝熱が遮断されるので、画像記録装置を小型化しても、定着部からの熱の悪影響を受け難くなり、密着型イメージセンサの性能が悪化せず、良好に画像データを読取ることができるという効果を奏するのである。
【0033】
また、請求項2に記載した発明の画像記録装置によれば、上ケースの下面から下向きに突出させた複数列のリブのため、冷却空気流は、密着型イメージセンサの全長にわたって通路中を用紙の搬送方向に沿ってほぼ均一に流れ、密着型イメージセンサの全長に対応する上ケースを効率良く冷却させることができると共に、複数枚のリブの存在により、用紙が詰まりなく記録部に円滑に供給できるというように、リブが冷却フィンと用紙ガイドとの2つの機能を同時に果たすので、構成も簡単になり、製造コストを低減できるという効果を奏するのである。
【0034】
そして、請求項3に記載した発明の画像記録装置によれば、ノズル効果のため、通路の隙間寸法の小さい箇所を通過する冷却空気流の流速が速くなり、上ケースを冷却する効果が大きくなり、密着型イメージセンサに対する定着ユニットからの熱伝達を一層効率良く遮断できるという効果を奏する。
さらに、請求項4に記載した発明の画像記録装置によれば、ユニットケースの上面側から入った空気は、前記冷却用フアンに向かって流れる。その際、原稿搬送用のローラ対のために穿設された孔等からユニットケース内を通過して空気通路の箇所を通過するので、駆動モータユニット箇所よりも風上側に配置される密着型イメージセンサを冷たい外気の空気流で効率良く冷却したのち、駆動モータも冷却できる。
【0035】
しかも、空気通路が、冷却用フアンへの通気部位に近い箇所に穿設されているので、冷却用フアンによる空気吸い込み作用が向上するという効果も奏するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ファクシミリ装置の主要部品の斜視図である。
【図2】 ファクシミリ装置の概略側断面図である。
【図3】 ファクシミリ装置の一部切欠き平面図である。
【図4】 メイン下ケースの下面を覆う底カバー及び制御基板等の配置を示す平面図である。
【図5】 メイン下ケースの平面図である。
【図6】 (a)はファクシミリ装置の後部の斜視図、(b)はカバー体を外した状態のファクシミリ装置の後部の斜視図である。
【図7】 図6(b)のVII −VII 線矢視断面図である。
【図8】 原稿読取ユニットの構成部品を示す斜視図である。
【図9】 原稿読取ユニットの平面図である。
【図10】 原稿読取ユニットの下面図である。
【図11】 ファクシミリ装置の要部拡大側断面図である。
【図12】 通気ダクトの箇所の要部拡大側断面図である。
【図13】 図11のXIII −XIII 線矢視断面図である。
【図14】 制御手段のブロック図である。
【符号の説明】
P 用紙
1 ファクシミリ装置
1a メイン下ケース
1b 上ケース
3 プロセスユニット
4 定着ユニット
5 給紙ユニット
6 原稿読取ユニット
7 原稿送り台
8 操作パネル
10 底カバー
21 加熱ローラ
34 密着型イメージセンサ(CIS)
43 冷却用フアン
50b 通気孔
55a 通気孔
85 通路
86 リブ
87 空気通路
Claims (4)
- 少なくとも用紙に記録を行う記録部と、用紙に記録された像を加熱定着する定着部とを収納するメイン下ケースの上面を上ケースにて覆い、該上ケースの上面側に原稿読取部を配置してなる画像記録装置において、
前記メイン下ケース内には、冷却用フアンによる冷却空気流の上流側に前記記録部を、下流側に定着部をそれぞれ配置し、
前記上ケースの下面と前記記録部の上面との間の隙間を、前記冷却空気流の通路となるよう形成する一方、
前記原稿読取部における搬送される原稿の画像データを読取るための密着型イメージセンサを、前記定着部の配置位置よりも、冷却空気流の上流側である前記記録部の上方における前記上ケースの上面側に配置したことを特徴とする画像記録装置。 - 前記上ケースの下面から下向きに突出させた複数列のリブを前記通路内に臨ませて、該リブを前記冷却空気流のための整流板と記録部への用紙ガイド板との機能を兼用するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
- 前記上ケースの下面と記録部の上面との間に形成された冷却空気流の通路のうち、上下隙間の最も狭い箇所の近傍の上方に、前記密着型イメージセンサを配置したことを特徴とする請求項2に記載の画像記録装置。
- 前記原稿読取部におけるユニットケースには、原稿搬送用のローラ対と、該ローラ対を駆動するための駆動モータユニットとを配置し、前記ユニットケースのうち、駆動モータユニットの配置箇所の下面側に、前記冷却用フアンに向かって空気が流れる空気通路を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15019698A JP3965540B2 (ja) | 1998-05-29 | 1998-05-29 | 画像記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15019698A JP3965540B2 (ja) | 1998-05-29 | 1998-05-29 | 画像記録装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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