JP3965488B2 - ブーツバンド - Google Patents
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Description
【0001】
本発明は、ゴムあるいは樹脂などからなるブーツを接続相手部材に固定するのに用いるブーツバンドに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の一部品として、ゴムあるいは樹脂などからなるブーツが使われている。この明細書で言うブーツは、ホースあるいはチューブ等の円筒形の部材も含む。このブーツを接続相手部材に固定するために、金属製の帯状部材からなるブーツバンドが従来より用いられてきた。この種のブーツバンドとして、例えば日本実公平2−9195号公報あるいは日本特許第2538554号公報に記載されている従来例が公知である。
【0003】
前記従来例はいわゆるカシメタイプのバンドと呼ばれている。この種のバンドは、リング状に丸める帯状の金属製バンドボディを有しており、バンドボディの外側重なり部に形成された孔に、内側重なり部に形成された係止爪を引っ掛けるようにしている。この種のバンドは、係止爪を孔に引っ掛けた状態で、治具によってバンドボディの耳部を塑性変形させ、バンドボディの周長を縮めることにより、被締付部材に対する緊縛力をバンドボディに与えるようにしている。
【0004】
このようなカシメタイプのブーツバンドの場合、耳部を塑性変形させることによってバンドボディを所望の周長まで引締めても、耳部が多少なりともスプリングバックを生じることから、耳部の剛性を高めることが望まれる。そこで前記日本実公平2−9195号公報のバンドの場合、耳部の板幅方向両端に外方に突出するリブ状部分を形成するとともに、リブ状部分の間に内方に凹むダボ部を形成している。あるいは前記日本特許第2538554号公報のバンドの場合には、平坦な形状の耳部の架橋部中央に耳部内方に凹む皿形の浅いくぼみを形成している。
【0005】
前記日本実公平2−9195号公報のバンドは、バンドを引き締めるために締付け工具によって耳部を塑性変形させた場合、耳部全体がΩ形状に座屈するため、耳部のバンド外方への突出量が大きくなってしまうことが問題となる。耳部の突出量を少くするには、締付け工具を工夫することにより、耳部の高さ方向への変形を抑制すればよい。しかしその場合、耳部の変形(締付け)に要する荷重が増大し、特殊な工具が必要となり、しかも工具が大形化するという問題が生じる。
【0006】
一方、前記日本特許第2538554号公報のバンドの場合には、耳部に皿状の浅いくぼみを設けているだけであるため耳部の剛性をさほど高めることができず、工具によって締付けたときに耳部全体がΩ形状に変形し、特に架橋部の板幅方向両端の耳部外方への突出高さが大きくなり、かつ、スプリングバック量も大きいという問題がある。この種のバンドは耳部の引き締め方向の長さを大きくすればバンドの引き締めストロークを大きくすることができるが、架橋部長さが長くなれば塑性変形後の耳部最大高さも大きくなってしまうことから、事実上、耳部を長くすることができなかった。
【0007】
なお、耳部の剛性は単に高ければ良いというものでもない。すなわち架橋部の剛性が高くなり過ぎると、工具によって締付けたときに脚部のみが変形する傾向となって脚部に応力が集中し、脚部が破損したり、脚部の板厚が薄くなってしまって耳部全体の強度がかえって低下することがあるからである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って本発明の目的は、耳部の剛性を高めることができ、かつ、耳部を変形させた後の突出高さを低くすることができるとともに、脚部の破損も防止できるようなブーツバンドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を果たすため本発明によるブーツバンドは、帯状の金属製バンドボディをリング状に丸めた状態で被締付部材に設けるブーツバンドであって、前記バンドボディの外側重なり部と内側重なり部とを固定する固定部と、前記バンドボディの周方向の一部に形成されかつ外側に突出する一対の脚部とこれら脚部をつなぐ架橋部と一対の脚部及び架橋部の間に形成されて一対の脚部と架橋部とを連ねる円弧状の湾曲部とを有してバンドボディの周長を縮める形状に塑性変形させることが可能な耳部とを具備し、前記耳部には、前記架橋部の板幅方向両端にそれぞれ耳部内側に向けて曲げたリブ状部分を形成すると共に、前記リブ状部分の間にバンドボディの長手方向に延びるように耳部内側に向けて凹ませたダボ部を形成し、前記リブ状部分は、前記架橋部の引き締め方向中央に向かうに従って耳部内方への突出量が大となるような円弧形状となっていると共に架橋部の引き締め方向の長さの60%以上で架橋部の引き締め方向の長さから架橋部両端の湾曲部の長さを減じた長さ以下の長さとなっており、前記ダボ部はリブ状部分の長さ以上の長さを有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
このような構成のブーツバンドは、耳部を締付け工具によって変形させることにより、バンドボディの巻き径すなわち周長を縮めることができる。この耳部は、リブ状部分とダボ部とによって剛性が高められているため、主に脚部が変形するが、リブ状部分が架橋部の引き締め方向の長さの60%以上で、架橋部の引き締め方向の長さから架橋部両端の湾曲部の長さを減じた長さ以下の長さに設定され、しかもダボ部がリブ状部分の長さと同等もしくはそれ以上の長さを有しているため、架橋部の引き締め方向中央から脚部に向かって剛性が小さくなるような剛性変化をもたせることができ、脚部と架橋部との間で剛性が急激に変化することを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に本発明のブーツバンドの一実施形態について、第1図から第10図を参照して説明する。
【実施例】
【0012】
第1図に示すブーツバンド10は、金属(例えばステンレス鋼)製の帯状部材からなるバンドボディ11を有している。バンドボディ11の長手方向の両端は、開放された第一端13と第二端14となっている。このバンドボディ11は、第一端13が外側に位置するように被締付部材17にリング状に巻かれる。被締付部材17の一例は、自動車の動力伝達系の円筒状の接続相手部材18に設けるゴムブーツである。被締付部材17の内側に接続相手部材18がある。
【0013】
リング状に丸めたバンドボディ11は、第一端13側に位置する外側重なり部21と、第二端14側に位置する内側重なり部22と、これら重なり部21,22間に位置する長手方向中間部23(重なり合わない部分)とを有している。バンドボディ11は、予めある程度リング状に成形されていると良い。
【0014】
バンドボディ11の長手方向中間部23に、締付用の耳部30が設けられている。耳部30は、バンドボディ11の外周側に立上がる前後一対の脚部31,32と、これら脚部31,32間にわたる架橋部33とを含み、塑性変形させたときにバンドボディ11を引き締めることのできる形状となっている。架橋部33の引き締め方向両端、すなわち脚部31,32に連なる部分には、脚部31,32に向かって円弧状に曲がる湾曲部(R部)34,35が形成されている。
【0015】
耳部30の剛性を高めるために、架橋部33の板幅方向両端にそれぞれ耳部30の内側に向けてプレス等(いわゆるフレアー加工)によって曲げたリブ状部分36が形成されている。また、これら一対のリブ状部分36の間に、耳部30の内側に向けてプレス等によって凹ませたダボ部37が形成されている。
【0016】
第2図に示すようにリブ状部分36は、バンド10を側面方向から見て、架橋部33の引き締め方向中央に向かうに従ってバンド内側への突出量が大となるような若干U状の円弧をなす凸形状を呈している。したがってこの架橋部33は、引き締め方向中央部の剛性が最も高く、脚部31,32に向かって剛性が下がるものとなっている。
【0017】
リブ状部分36の長さLは、耳部30を塑性変形させる際に脚部31,32に対して架橋部33の強度が高すぎないように、つまり脚部31,32のみが伸びてしまって脚部31,32が破損しないようにするために、リブ状部分36の両端が湾曲部34,35に達しない寸法としている。言い換えるとリブ状部分36の長さLは、架橋部33の引き締め方向の長さYから湾曲部34,35の長さ(R1+R2)を差し引いた長さよりも短く、しかも架橋部33の剛性確保および耳部30を塑性変形させた後の耳部最大高さ低減のため、リブ状部分36の長さLは架橋部33の引き締め方向の長さの60%以上としている。
【0018】
一方、ダボ部37は、第3図等に示すように、架橋部33の板幅方向中央部に同じ幅を有してバンドボディ11の長手方向に延びる形状に成形されている。ダボ部37の引き締め方向の長さはリブ状部分36の前記長さLと同等かそれ以上である。これらのリブ状部分36とダボ部37とを形成したことにより、架橋部33の板幅方向の横断面形状は第4図に示すように略M状となる。リブ状部分36とダボ部37とをつなぐ部分39は、塑性加工前の耳部高さ程度とすることが望ましい。
【0019】
バンドボディ11の外側重なり部21の第一端13寄りの部位には、バンドボディ11の長手方向複数箇所(例えば3箇所)に係止孔40が設けられている。これら係止孔40はバンドボディ11を板厚方向に貫通している。内側重なり部22には、各係止孔40と対応した位置に稜数(図示例は3つ)の係止爪41が形成されている。各係止爪41は外側重なり部21に向って突出し、それぞれ対応する係止孔40に挿入できるようになっている。これら係止孔40と係止爪41は、この発明でいう固定部の一例である。
【0020】
係止爪41の先端部41aは第一端13に向って突き出るように斜めにオーバーハングしている。従ってこの係止爪41は、先端部41aが係止孔40の前縁部40aに係合した状態において、外側重なり部21が内側重なり部22から離れることを阻止できる。
【0021】
次に、前記ブーツバンド10の組付手順等について説明する。第1図に示されるように、被締付部材17を接続相手部材18に被せ、さらにその外側に、予めある程度丸めておいたブーツバンド10を巻付ける。そして係止爪41を係止孔40に挿入する。
【0022】
このブーツバンド10は、バンドボディ11の弾性復元力によって巻き径が広がろうとする。このため係止爪41の先端部41aが係止孔40の前縁部40aに引っ掛かるようになり、バンドボディ11の巻き径がそれ以上広がることが阻止される。こうしてこのブーツバンド10は、第1図に示すように被締付部材17に仮止めされた状態を維持できる。
【0023】
耳部30の脚部31,32に、図示しない締付け用の治具(例えばペンチ状の工具あるいは自動かしめ機等)によって、第2図中に矢印Pで示す方向からかしめ荷重を与える。このかしめ荷重Pにより、架橋部33に比べて相対的に剛性の低い脚部31,32と、湾曲部34,35とが優先して塑性変形し、その結果、耳部30全体が第5図および第6図に示すように塑性変形する。つまり、主として脚部31,32が塑性変形し、湾曲部34,35も少し塑性変形する。
【0024】
この場合、架橋部33の湾曲部34,35に近い部分はリブ状部分36による剛性アップの影響が小さいため剛性変化が緩やかであり、局部的に変形量が大きくなり過ぎることが回避される。リブ状部分36とダボ部37とをつなぐ部分39は塑性加工前の耳部高さ程度となり、架橋部33がほぼ平坦に近い形状となるため、耳部30の高さを著しく低下させることができた。なお、先に述べたように、耳部30を塑性変形させる際に脚部31,32を破損しにくくするには、脚部31,32から架橋部33にかけて急激な剛性変化が生じないようにすることが望まれる。そこでこの実施形態では、ダボ部37の幅を全長にわたって同じとし、またダボ部37のバンド長手方向長さをリブ状部分36の長さと同等もしくはそれ以上としている。このことにより、脚部31,32から架橋部33への剛性をまずダボ部37で僅かに高めさらにリブ状部分36で高めることが可能となっている。
【0025】
こうして耳部30が所望形状に塑性変形することにより、バンドボディ11の巻き径すなわち周長が縮まるとともに、かしめ荷重を除荷したのちも、耳部30の変形形状すなわち周長が縮まった状態が維持される。このためバンドボディ11によって被締付部材17が接続相手部材18に緊縛される。
【0026】
この実施形態のブーツバンド10に関し、第7図に示すかしめ試験機50を使って耳部30を塑性変形させ、以下に示す3種類の評価項目について、実施例1,2,3と比較例1,2,3との比較検討を行なった。かしめ試験機50の一例はフレーム51の内側に設けた剛性の高い円筒部材52の外周に樹脂ブーツ53を被せ、さらにブーツ53の外側にブーツバンドを装着する。そして鋭角な先端を有するクランプ爪54,55の間に耳部30を挟み、図示しないロードセルを介して加圧部材56にかしめ荷重Pを負荷することによって、脚部31,32が互いに接するまで変形させるとともに、ロードセルによってかしめ荷重Pを測定した。
【0027】
クランプ爪54,55によって耳部30を塑性変形させたのち、ブーツバンド10のかしめ部から試験機50のクランプ爪54、55を外し、スプリングバックによるブーツ緊縛力の低下量を調べるために耳部30のスプリングバック量を測定した結果を第8図に示す。また塑性変形後の耳部30の最大高さを第9図に示す。かしめ荷重P(単位:ニュートン)と開口寸法(脚部31,32間の距離S)との関係を第10図に示す。
【0028】
ここに示す実施例1,2,3と比較例1,2,3は、いずれも板幅10mm、板厚1mmのステンレス鋼(SUS304)製の帯状バンドボディからなる、塑性加工前の脚部間長さSは10mmである。ここで実施例1のブーツバンド10は、耳部30に前記リブ状部分36とダボ部37を設け、リブ状部分36の長さLを架橋部33の引き締め方向の長さの60%以上とし、かつ、リブ状部分36の両端が湾曲部34,35に達しないようにしたものである。
【0029】
実施例2もリブ状部分36とダボ部37を有するが、リブ状部分36が実施例1よりも長く、リブ状部分36が湾曲部34,35に達するようにしたブーツバンドである。このため実施例2はリブ状部分36によって湾曲部34,35も補強される。実施例3も前記リブ状部分36とダボ部37を有するが、リブ状部分36の長さLが架橋部33の長さYの50%のブーツバンドである。
【0030】
一方、比較例1は、第11図に示した耳部100を有するブーツバンドであり、これは前述した日本実公平2−9195号公報に記載されたものに相当する。すなわち耳部100の架橋部101の板幅方向両端に、それぞれ外側に突出するリブ状部分102を形成するとともに、これら外向きのリブ状部分102の間に、耳部100の内側に凹むダボ部103が形成されている。
【0031】
比較例2は、第12図に示すように、耳部110の架橋部111の板幅方向両端に、耳部110の内側に突出するリブ状部分112を形成したブーツバンドである。
【0032】
比較例3は前述した日本特許第2538554号公報のバンドに相当し、第13図に示すように耳部120の架橋部121の中央に、耳部内方に凹む皿形の浅いくぼみ122を形成したブーツバンドである。
【0033】
第8図に示すようにスプリングバック量に関しては、実施例1,2,3と比較例1は大差なくいずれもスプリングバック量が僅かであり、緊縛力を維持するのに有効であったが、比較例2,3はスプリングバック量が大き過ぎるため緊縛力の低下が著しかった。
【0034】
第9図に示すように耳部最大高さに関しては、実施例1,2,3と比較例2は、いずれも十分低い値が得られたが、比較例1と比較例3は突出高さが大きすぎ、車両に組付けた状態ではバンド周囲の部材と干渉する可能性が大きくなる。
【0035】
第10図に示すかしめ荷重に関しては、実施例1〜3および比較例1〜3とも、脚部間長さが10mmから8mm付近となるまで締付けた時点でブーツバンドの内周面全体がブーツ外周面と接するようになり、さらにかしめ荷重を増加させて脚部間長さが8mm以下になるとブーツが厚み方向に圧縮されるようになる。つまり脚部間距離が8mmまでの初期荷重の領域では、耳部のみを変形させるのに必要な荷重となる。実施例1,2と比較例1はこの初期荷重が大きく、耳部の剛性が高いことが確認された。
【0036】
耳部をさらに変形させてゆき、脚部間距離が2mm以下になると、比較例1と実施例1については、かしめ荷重が大きい(耳部の剛性が高い)ことが確認されたが、実施例2,3と比較例2,3についてはかしめ荷重が低くなった。つまり脚部間距離が狭くなるにつれて、比較例2,3と実施例3は耳部全体の剛性が不足すると考えられる。なお、実施例2については、リブ状部分36、湾曲部34,35が補強されており、かしめたときに主として脚部のみが塑性変形するようになるため、脚部が延びてその板厚が減少する傾向となって、かしめ荷重が低くなると考えられる。すなわち、湾曲部34,35の剛性を高くすることはスプリングバックに対しては有効ではあるが、剛性があまりに高すぎると脚部のみを変形させてしまう問題がある。このような点から、架橋部の剛性バランスが重要となるものである。
【0037】
以上の結果をもとに、スプリングバック量と耳部最大高さ、およびかしめ荷重について総合的に評価することにより、実施例1が本発明の目的に沿うことが確認された。実施例1については、スプリングバック量と耳部最大高さとかしめ荷重のいずれについても優れた特性が得られた。そしてリブ状部分36の長さが架橋部33の引き締め方向の長さの60%以上のときに、実施例1と同等の高い剛性が得られた。
【0038】
この発明を実施するに当たって、バンドボディをはじめとして、耳部の形状、係止爪や孔(固定部)など、この発明の構成要素を必要に応じて適宜に変形して実施できることは言うまでもない。例えば固定部は前記実施形態のような係止爪と孔との組合わせに限ることはない。また、予めバンドボディをリング状に丸めて内側重なり部と外側重なり部とを固定部によって連結しておき、これを被締付部材の端面側から被締付部材に被せるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0039】
請求の範囲第1項に記載した発明によれば、耳部内方へ円弧形状となって突出し、且つ、架橋部の引き締め方向の長さの60%以上で、架橋部の引き締め方向の長さから架橋部両端の湾曲部の長さを減じた長さ以下に設定されたリブ状部分と、リブ状部分の長さと同等もしくはそれ以上の長さのダボ部とを耳部に形成して、脚部から架橋部にかけて急激な剛性変化が生じることを防止しているため、耳部を塑性変形させる際に脚部だけが過剰に塑性変形することがなく、脚部の破損を確実に防止することができる。また、耳部を締付け工具によって変形させた後の突出高さを低くすることができ、しかも耳部の剛性を高めることができるためにスプリングバック量が小さく、所定の緊縛力を誰持することができ、さらには、バンド周辺部材とバンドとのクリアランス確保量を低減することが可能となる。また、塑性変形後の架橋部を平坦な形状に近付けることができるため、架橋部の長さを長くしても塑性変形後の耳部最大高さを低くすることができ、このためバンド周辺部材とのクリアランス確保量を減らすことができ、また、耳部を長くしてバンドの引き締めストロークを大きくすることも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【第1図】この発明の一実施形態を示すブーツバンドの締付前の状態を示す断面図である。
【第2図】第1図に示されたブーツバンドの耳部の側面図である。
【第3図】第1図に示されたブーツバンドの耳部とその周辺部の平面図である。
【第4図】第2図中のF4−F4線に沿う断面図である。
【第5図】第1図に示されたブーツバンドの締付後の断面図である。
【第6図】第5図に示されたブーツバンドの耳部の斜視図である。
【第7図】耳部を塑性変形させるためのかしめ試験機の側面である。
【第8図】本発明の実施例と比較例のそれぞれのスプリングバック量を示す図である。
【第9図】本発明の実施例と比較例のそれぞれの耳部最大高さを示す図である。
【第10図】本発明の実施例と比較例のそれぞれのかしめ荷重の変化を示す図である。
【第11図】比較例1の耳部を示す斜視図である。
【第12図】比較例2の耳部を示す斜視図である。
【第13図】比較例3の耳部を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0041】
10 ブーツバンド
11 バンドボディ
17 被締付部材
21 外側重なり部
22 内側重なり部
30 耳部
31,32 脚部
33 架橋部
36 リブ状部分
37 ダボ部
40 孔(固定部)
41 係止爪(固定部)
Claims (1)
- 帯状の金属製バンドボディをリング状に丸めた状態で被締付部材に設けるブーツバンドであって、
前記バンドボディの外側重なり部と内側重なり部とを固定する固定部と、
前記バンドボディの周方向の一部に形成されかつ外側に突出する一対の脚部とこれら脚部をつなぐ架橋部と一対の脚部及び架橋部の間に形成されて一対の脚部と架橋部とを連ねる円弧状の湾曲部とを有してバンドボディの周長を縮める形状に塑性変形させることが可能な耳部とを具備し、
前記耳部には、前記架橋部の板幅方向両端にそれぞれ耳部内側に向けて曲げたリブ状部分を形成すると共に、前記リブ状部分の間にバンドボディの長手方向に延びるように耳部内側に向けて凹ませたダボ部を形成し、前記リブ状部分は、前記架橋部の引き締め方向中央に向かうに従って耳部内方への突出量が大となるような円弧形状となっていると共に架橋部の引き締め方向の長さの60%以上で架橋部の引き締め方向の長さから架橋部両端の湾曲部の長さを減じた長さ以下の長さとなっており、前記ダボ部はリブ状部分の長さ以上の長さを有していることを特徴とするブーツバンド。
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