JP3964944B2 - ブーツ取付構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用等速自在継手等の相手部材に取付けられるブーツの取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
等速自在継手の内部に封入されたグリースの洩れ出し防止や内部への異物侵入を防止するために設けられるブーツは、等速自在継手の外輪の外周に嵌着される大径部と、等速自在継手の軸の外周に嵌着される小径部と、この大径部と小径部の間の蛇腹部を有する。このブーツの大径部と小径部は、円筒状のブーツ固定部として形成され、等速自在継手の外輪や軸といった相手部材の外周に嵌着された後、ブーツバンド(金属製バンド)で締付けられて相手部材に気密に固定される。
【0003】
上記ブーツは、ゴムブーツと樹脂ブーツに大別され、近年では樹脂ブーツが多く使用される傾向にある。特に樹脂ブーツは、ゴムブーツに比べて弾性が小さいために、相手部材への嵌め込み固定状態が不安定になり易いこともあって、相手部材との取付構造に特別な工夫がなされており、その従来のブーツ取付構造としては図5及び図6に示すものが知られている。
【0004】
図5に示す取付構造は、樹脂ブーツの大径部、或いは、小径部であるブーツ固定部41を相手部材42(等速自在継手の外輪、軸)の外周に嵌合した後、ブーツ固定部41をブーツバンド43で締付けて弾性変形させ、その内周に設けた環状の凸部44を、相手部材42の外周に設けた環状の係合溝45に係合密着させて、樹脂ブーツを固定するものである。尚、図5は、ブーツバンド43による締付け後の状態が示される。
【0005】
図6に示す取付構造は、相手部材51の外周に複数の係合溝52と突起部53を交互に接近させて形成し、ブーツバンド54の締付け力によりブーツ固定部55の内周に突起部53を食い込ませて、樹脂ブーツを固定するものである。この図6の場合は、ブーツバンド54による締付け前の状態が示される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図5に示す取付構造では、係合溝45の形状が角状であるので、その加工は旋削加工(突切り加工)による必要があり、加工コストが高くなる。また、ブーツ固定部41の抜け止め強度とシール性を確保するために、ブーツ固定部41の凸部44の高さhを比較的大きくする必要があるため、樹脂ブーツの成形方法が限定され、このこともコスト高の要因となっている。また、樹脂ブーツは一般に、ゴムブーツに比べて硬度がかなり高く弾性変形し難いので、凸部44が高いと相手部材42への嵌合作業が困難になり、この嵌合作業を少しでも容易にするため凸部44を低くするとシール性が不十分となる問題もあった。
【0007】
図6に示す取付構造では、複数の係合溝52と突起部53を交互に近接形成しているので、複雑な倣い加工により成形する必要があった。そのため、加工工数が多く、上記と同様に加工コストが高くなっていた。また、ブーツバンド54の締付け力でブーツ固定部55を相手部材51の突起部53に食い込ませて良好なシール性を確保するようにしているが、一部の樹脂ブーツにおいては、突起部53への食い込み性との関係で、良好なシール性にやや不足をきたす場合のあることが予測される。
【0008】
以上の課題を解決するものとして、本出願人は先に図7(A)及び(B)に示すようなブーツ取付構造を開発し出願した(特願平6−72995号)。このブーツ取付構造を説明する。尚、図7(A)は、樹脂ブーツの大径部または小径部のブーツ固定部1と、等速自在継手の外輪または軸の相手部材2のバンド締め固定前の部分断面と部分側面が示され、図7(B)は相手部材2だけの部分側面が示される。
【0009】
ブーツ固定部1の内周11には環状の凸部12が一体に形成され、外周には環状のバンド溝4が形成される。ブーツ固定部1を有する樹脂ブーツは、TPE(熱可塑性エラストマー)等の樹脂材料から射出成形、ブロー成形等で形成される。ブーツ固定部1を相手部材2の外周23に嵌挿した後、バンド溝4にブーツバンド3が嵌着される。尚、ブーツバンド3は、金属製の結合バンドである。
【0010】
相手部材2の外周23には環状の係合溝21と、この係合溝21の両側に環状の突起部22が一体に形成される。係合溝21は曲率半径R’の円弧溝で、その両側の溝肩が突起部22である。図7(B)に示す係合溝21の幅bと深さaは、ここにブーツ固定部1の凸部12が適正に嵌合するように設定され、突起部22は相手部材2の外周23から所定の高さcで突出する。
【0011】
ブーツ固定部1を相手部材2の外周23に嵌挿し、凸部12を係合溝21に嵌合させて両者を位置決めした状態で、バンド溝4に嵌着したブーツバンド3を縮径させてブーツ固定部1を相手部材2に締付けると、ブーツ固定部1の内周11側が弾性変形を起こし、凸部12が係合溝21側に変位し、突起部22がブーツ固定部1の内周11側に食い込む。この凸部12と係合溝21の嵌合と突起部22の強い食い込みで、ブーツ固定部1が相手部材2に高い抜け止め強度とシール性で固定される。
【0012】
以上の先願のブーツ取付構造においては、次の寸法設定を行った。相手部材2の係合溝21の幅bと深さa、突起部22の高さcにおいては、
a=0.5〜1.5mm,b=3.0〜5.0mm,c=0.1〜0.5mm
の寸法範囲に設定し、かつ、(b/a)≧3に設定する。
【0013】
以上の寸法設定における係合溝21の幅bは、ブーツバンド3の幅wが通常の8〜12mmを前提に設定されたもので、この幅bの設定で突起部22がブーツ固定部1に安定して食い込むようになる。また、係合溝21の深さaは、凸部12が係合溝21に確実に嵌合し、ブーツ固定部1が軸方向のX方向または半径方向のY方向の合成力を受けた場合でも、相手部材2に対して位置ずれを起こさない程度の固定力が得られる深さである。また、突起部22の高さcは、突起部22がブーツ固定部1に確実に食い込み、かつ、ブーツ固定部1の内周11が相手部材2の外周23に気密に高いシール性で密着する値である。この場合の突起部22の幅の上限は1mm程度である。
【0014】
また、(b/a)≧3なる設定は、係合溝21を倣い加工可能な形状にするためである。この設定で係合溝21の加工コスト低減が図られる。尚、(b/a)<3であれば、係合溝21の加工が通常の倣い加工では難しくて、旋削加工(突っ切り加工)に頼らざるを得ず、加工コストが高くなる。
【0015】
また、上記寸法設定を行うと、ブーツ固定部1の凸部12の高さfを小さくしても、係合溝21と強固な係合密着力が得られ、ブーツ固定部1の高い抜け止め強度とシール性が確保できる。更に、凸部12の高さfを小さくすることで、樹脂ブーツの成形方法にダイレクトブロー法、プレスブロー法等の、より多様な方法が適用できて、成形コスト低減が可能となり、而も、高さhを小さくすることで相手部材2への嵌合の作業性が良くなる。
【0016】
以上の先願においては、図5や図6のブーツ取付構造上の課題を解決できることが分かっている。ところが、ブーツバンド3の幅wに対する凸部12の寸法関係、この凸部12に対する係合溝21と突起部22の寸法関係を更に追求していくと、より改善され、より多品種の等速自在継手のブーツに尚更に効果的なものが提供できると分かった。
【0017】
等速自在継手は固定式、摺動式、クロスグルーブ等多種類があり、また、使用されるブーツの材料も樹脂からクロロプレン等に代表されるゴム等まで多種類ある。これら多品種の等速自在継手のブーツ取付構造に図7構造が必ずしも好適であるとは言えない場合がある。例えば、特に、自動車の前輪アウトボード用として高転蛇角まで使用できる固定式等速自在継手で樹脂ブーツを使用したブーツ取付構造に図7構造を採用した場合、シール性に若干の問題が発生することがある。
【0018】
即ち、上記樹脂ブーツにおいては、ブーツ成形性向上、ブーツ耐摩耗性向上、ブーツ表面の擦過音抑制等の目的で樹脂中に添加剤を含有させる場合がある。この添加剤の種類や量によっては、無添加に比べてブーツ表面の摩擦抵抗が減少し、ブーツ固定部の相手部材とのシール部分において不利となり、これが図7構造のシール性を不安定なものにする場合がある。例えば、擦過音抑制に効果の見られる添加剤としては、効果の大小があるものの、一般的に潤滑作用をもたらす物質として知られる物質なら何でも良く、例えば、パラフィンワックス、クロスタリンワックス、ポリエチレンワックス、モンタンワックス、シリコーンオイル、脂肪酸、脂肪酸アミド、エステル系ワックス、脂肪アルコール、アルコールエステル、脂肪酸エステル、ポリエーテル化合物、鉱油、合成油、植物油など、ゴムや樹脂等に広く利用されているものや、その他の用途、例えば、潤滑油関連等に使用されているものなどが挙げられる。また、これらの添加剤は、ブーツ材料内に添加されて使用されても、ブーツ外表面に粘着(塗布)した状態で使用されても良い。ただし、この種類、用法・用量は、母材となるブーツ材料にとって表面改質がなされると共に、成形性、製品性能の面で満足できる範囲で行なわなければならない。この点から、最近、使用が増加しつつある等速自在継手用樹脂ブーツには、特開平3−139557号に開示された化合物
RO(R’O)nOH {Rはアルキル基、R’は炭素数1〜6のアルキレン基、nは1〜100の整数を示す。}を含有させることが特に効果的であると考えられる。しかし、このような擦過音抑制効果の高い添加剤では、摩擦抵抗の低下が起こり、その弊害として現在のシール力では不充分となる場合が起こる。
【0019】
従って、本発明の目的は、上記先願の寸法関係をより追求して、擦過音抑制のための添加物を含有する樹脂で形成された等速自在継手ブーツ、特に自動車の前輪アウトボード用として高転蛇角まで使用できる固定式等速自在継手用ブーツの取付けに効果的で、より一層高い取付強度、シール性が得られるブーツ取付構造を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ブーツ固定部の外周のバンド溝に嵌着したブーツバンドを締付けることで、ブーツ固定部の内周の凸部を相手部材の係合溝に押圧し、係合溝両側の突起部をブーツ固定部に食い込ませてブーツ固定部を相手部材外周に固定する図7のブーツ取付構造において、該ブーツは、化合物RO(R’O) OH {Rはアルキル基、R’は炭素数1〜6のアルキレン基、nは1〜100の整数を示す。}を含有する熱可塑性エラストマーで形成され、ブーツ固定部のバンド溝と凸部の幅方向中央での中心線がほぼ対向する位置に設定し、バンド溝の幅W、ブーツバンドの幅w、凸部の幅e、相手部材の係合溝の幅bの間に、[w<W≦1.3w],[0.3w≦b≦ 0.5w],[0.9b≦e≦b]の寸法関係を設定し、かつ、ブーツ固定部内周からの凸部の高さf、相手部材の係合溝の深さa、この係合溝両側の突起部の相手部材外周からの高さcの間に、[0.2mm≦c≦ 0.5mm],[ 0.5mm≦a≦1.5]mmの寸法範囲に設定し、更に、[f≦(a−c)],[(b/a)≧3]の寸法関係に設定することで、上記目的を達成するものである。
【0021】
また、上記相手部材の係合溝の相手部材軸線方向での断面形状は特定されないが、ブーツ固定部と相手部材の品種、材質によっては、係合溝の中央部が軸線と平行な平坦面で、この平坦面から係合溝両側の突起部頂点に向けて円弧面が連続する形状で、平坦面の少なくとも片側の円弧面の曲率半径Rが、[ 0.1mm≦R≦a]の寸法に設定することが望ましい場合もある。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図7のブーツ取付構造に適用した本発明実施例を図1乃至図4を参照して説明する。尚、図1乃至図4の図7と同一、または、相当部分には同一符号を付して説明の重複を避ける。
【0023】
図1(A)は、ブーツ固定部1を相手部材2に嵌合して、ブーツバンド3で締付ける前の状態が示され、図1(B)は、ブーツバンド3で締付けた後の状態が示される。ブーツは、化合物RO(R’O) OH {Rはアルキル基、R’は炭素数1〜6のアルキレン基、nは1〜100の整数を示す。}を含有する熱可塑性エラストマーで形成されている。このブーツ取付構造の概略的構造は、図7と同じで、相違するところは、次のより細かい寸法設定を実施したことにある。即ち、本発明は、ブーツバンド3の幅wとバンド溝4の幅Wの寸法関係、このブーツバンド3に対する凸部12の幅e、高さf、更には相手部材2の各寸法a〜cの関係を様々な条件下で実験調査し、また、相手部材2の係合溝21の軸線方向での断面形状も様々な条件下で実験調査した結果、次の寸法設定するに到った。
【0024】
図2に示すように、ブーツ固定部1においては、バンド溝4の幅方向中央での中心線と、内周11の凸部の幅方向中央での中心線をほぼ一致する位置に設定した上で、バンド溝4の幅W、ブーツバンド3の幅w、凸部12の幅e、相手部材2の係合溝21の幅bの間に、[w<W≦ 1.3w],[ 0.9b≦e≦b],[ 0.3w≦b≦ 0.5w]の寸法関係を設定する。
【0025】
ここで、[w<W≦ 1.3w]の寸法設定は、バンド溝4へのブーツバンド3の組付け性と、バンド溝4でのブーツバンド3の固定性を調査した結果である。この場合、w<Wは当然のことであり、W≦ 1.3wの設定は、幅Wが 1.3wを超えると、ブーツバンド3のバンド溝4内でのガタ付きが大きくなって、固定性が悪くなり、ブーツ固定部1を相手部材2に締付けるときに締付け力のバランスが崩れて、締付け不良が発生する可能性が出てくる。このブーツバンド3の固定性を尚一層良好なものにするには、[1.01w<W≦ 1.2w]の寸法設定が望ましく、この寸法設定はw= 5〜20mmの範囲で最も効果的であることが実験の結果分かっている。
【0026】
[ 0.9b≦e≦b]の寸法設定は、ブーツ固定部1の凸部12が相手部材2の係合溝21に整合性良く嵌合させるためのものである。凸部12の軸線方向での断面形状は円弧状や台形状等でも可能であり、凸部12が係合溝21に整合性良く嵌合し、バンド締付け時のX方向の力に対して位置ズレを起こさないようにするための幅eの上限は当然ながらbであり、下限は 0.9bであり、好ましい下限は0.95bであることが分かっている。
【0027】
また、凸部12の高さfは、低過ぎるとバンド締付け時のX方向の力に対する位置ズレ抑制力が不足し、高くなり過ぎるとブーツ成形性とブーツ組付性の問題が生じる。そこで、凸部12の高さfは、相手部材2の係合溝21の深さaを超えないものにする。このことは後述する。
【0028】
[ 0.3w≦b≦ 0.5w]の設定は、ブーツバンド3の締付け力の分布傾向から決定されたものである。バンド溝4の中心線と凸部12の中心線を一致させ、バンド溝4のブーツバンド3を締付けた場合の締付け力は、バンド幅方向中央部で最も強くて、バンド端に近付くにつれて低下する(特に、樹脂ブーツ用のブーツバンドとして一般的に使用されているΩ(オメガ)形状のクランプ部を持つ加締めタイプのブーツバンドは、その構造上、バンド幅方向での締付け力の差が顕著である)。そこで、ブーツバンド3でブーツ固定部1を相手部材2に締付けるとき、その締付け力が相手部材2の係合溝21と突起部22の部所に最も効果的に強く作用させるためには、バンド中央部で係合溝21を締付けるようにさせることが望ましく、そのためにはb≦ 0.5wと設定することが有効である。一方、係合溝21の幅bが 0.3wより小さくなると、特に係合溝21の成形が困難となり、相手部材2の製造コストが高くなる。
【0029】
本発明は以上の寸法設定と共に、構成部材の加工性やバンド締め付け時における相手部材2のブーツ固定部1への食い込み性を追求した結果、ブーツ固定部1の内周11からの凸部の高さf、相手部材2の係合溝21の深さa、突起部22の高さcの間に、[ 0.2mm≦c≦ 0.5mm],[ 0.5mm≦a≦ 1.5mm]の寸法範囲の規定と、[f≦(a−c)],[(b/a)≧3]の寸法関係を設定する。
【0030】
即ち、相手部材2の突起部22の高さcが小さ過ぎると、バンド締め付け時にブーツ固定部1の内周11が相手部材2の外周23に強く接触して、突起部22のブーツ固定部1への十分な食い込みが期待できない。そこで、突起部22がブーツ固定部1に十分良好に食い込むことが期待できる高さcの下限値を求めると、下限値は 0.2mmが適当であることが分かった。
【0031】
逆に、突起部22の高さcが大き過ぎると、相手部材2の素材径を大きくしなければならず、その材料コストが上がり、加工費が高くなるし、更には、ブーツ固定部1が固定された場合にブーツ固定部1と相手部材2の外周23との間に隙間が生じてゴミ類が溜まり、シール性も低下する不具合が発生することがある。また、高さcが大き過ぎると、樹脂ブーツの場合においては、相手部材2の径とブーツ固定部1の内径締代の選択幅が狭くなり、相手部材2の外周径とブーツ固定部1の内周径を合わせると、両者の組付性が極端に悪くなることもある。この高さcの各条件下での最良な上限値を求めると、 0.5mmが適当であると分かった。
【0032】
[ 0.5mm≦a≦ 1.5mm]の寸法規定は、次の理由に基づく。相手部材2の係合溝21の深さaは、バンド締め付け時に凸部12が係合溝21の底に接触しない大きさが望まれる。即ち、バンド締付け時に凸部12が係合溝21の底に接触して弾性変形すると、その変形分の反力だけ突起部22の食い込み性が低下する。また、深さaは、大き過ぎると係合溝21の強度が低下すると共に、係合溝21の倣い加工が難しくなって製造コスト、加工性が不利となる。逆に、深さaが小さ過ぎると、これに応じて凸部12の高さfを小さくせざるを得なくなり、凸部12による係合溝21への位置固定の効果が低下する。以上のことから係合溝21の深さaは、凸部12の位置固定を良好にするために 0.5mm以上が適切であり、倣い加工性を良好にするために 1.5mm以下が適切である。
【0033】
また、係合溝21の深さaと凸部12の高さfの関係は、バンド締付け時に凸部12が係合溝21の底に接触しないか、接触しても突起部22の食い込み性に影響を与えないようにする必要がある。この関係においては、突起部22の高さcやブーツ材質にも関係があり、これらを考慮して凸部12の高さfと係合溝21の深さa、突起部22の高さcの最良寸法関係を求めると、f≦(a−c)なる関係が分かった。
【0034】
また、[(b/a)≧3]の寸法関係は、図7取付構造と同様に係合溝21を倣い加工可能な形状にして、加工性向上と製造コスト低減を可能とするためのものである。
【0035】
以上のブーツ取付構造の各部所での寸法設定、寸法関係設定による効果は、相手部材2の係合溝21の軸線方向での断面形状によって多少の差異が見られる。即ち、係合溝21の軸線方向での断面形状は図2や図3、図4に示すものが適格である。図2の係合溝21は、その中央部が軸線と平行な平坦面21mで、この平坦面21mから係合溝21両側の突起部22頂点に向けて円弧面21nが連続する形状である。図3の係合溝21は、底全体が軸線と平行な平坦面21’mだけの形状である。図4の係合溝21は、図7と同様な全体が曲率半径R’の円弧面21’nである。
【0036】
図2乃至図4の各形状の係合溝21による突起部22のブーツ固定部1への食い込み性を考えた場合、図4よりも図2の食い込み性が良好であり、図2よりも図3の食い込み性が良好である。しかし、図3の係合溝21の形状においては、その平坦面21’mと突起部22のコーナー部の応力集中や加工性に問題が生じる場合がある。ここで、食い込み性と加工性を考慮した場合、最良なものは図2の形状の係合溝21であり、この係合溝21の更に良好な形状は、円弧面21nの曲率半径をRとすると、[ 0.1mm≦R≦a]の寸法範囲に設定することである。つまり、曲率半径Rが 0.1mmより小さくなると、図3と同様に食い込み性が増すが加工性が劣化する。逆に、曲率半径Rが係合溝21の深さaの寸法を超えると、加工性が良くなるが食い込み性が悪くなる。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、ブーツ固定部のバンド溝幅とブーツバンド幅の寸法設定、このバンド幅に対する凸部幅設定によって、ブーツバンドでブーツ固定部を相手部材に常に最良の形態で締付けることができ、而も、ブーツ固定部の凸部と相手部材の係合溝と突起部の寸法設定で、バンド締付け時の凸部と係合溝の係合性、突起部の食い込み性が常に最良に行われるので、ブーツ固定部の高い抜け止め強度とシール性が確実に確保できる。このような高いシール性の確保は、擦過音抑制のために化合物RO(R’O) OH {Rはアルキル基、R’は炭素数1〜6のアルキレン基、nは1〜100の整数を示す。}を含有する熱可塑性エラストマーで形成され、摩擦抵抗の減少によりシール性が不充分となり易いブーツの取付構造、特に、自動車の前輪アウトボード用として高転蛇角まで使用できる固定式等速自在継手樹脂ブーツブーツ取付構造において効果的である。また、ブーツ固定部の成形方法が限定されず、相手部材の係合溝も倣い加工が可能で、製造コストの低減化が容易であり、ブーツ固定部の相手部材への取付作業性も良好なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)は実施例に係わるブーツ固定部の周辺を示すバンド締付け前の断面図、図1(B)はバンド締付け後の断面図である。
【図2】図1の実施例に係わるブーツ固定部の断面図と相手部材の側面図である。
【図3】他の実施例に係わる相手部材の係合溝の周辺を示す側面図である。
【図4】他の実施例に係わる相手部材の係合溝の周辺を示す側面図である。
【図5】従来構成に係わるブーツ固定部の周辺を示す断面図である。
【図6】他の従来構成に係わるブーツ固定部の周辺を示す断面図である。
【図7】図7(A)は本発明の前提となるブーツ取付構造のブーツ固定部の周辺を示すバンド締付け前の断面図、図7(B)は図7(A)における相手部材の係合溝の周辺を示す側面図である。
【符号の説明】
1 ブーツ固定部
2 相手部材
3 ブーツバンド
4 バンド溝
11 内周
12 凸部
21 係合溝
22 突起部
23 外周
w ブーツバンド幅
W バンド溝幅
e 凸部幅
f 凸部高さ
a 係合溝深さ
b 係合溝幅
c 突起部高さ

Claims (2)

  1. ブーツの端部を構成する円筒状のブーツ固定部の外周に環状のバンド溝を形成し、同ブーツ固定部の内周の前記バンド溝と対向する部所に一体に環状の凸部を形成し、他方、前記ブーツ固定部が嵌合されて固定される相手部材の外周に、前記凸部が嵌合される環状の係合溝と、この係合溝の両側に相手部材外周より突出する環状の突起部を形成して、ブーツ固定部を相手部材外周に双方の凸部と係合溝に嵌合させて嵌め込み、ブーツ固定部外周のバンド溝に嵌着したブーツバンドでブーツ固定部を締付け、この締付け力でブーツ固定部内周を弾性変形させて相手部材外周に気密に固定するようにしたブーツ取付構造において、
    該ブーツは、化合物RO(R’O) OH {Rはアルキル基、R’は炭素数1〜6のアルキレン基、nは1〜100の整数を示す。}を含有する熱可塑性エラストマーで形成され、
    ブーツ固定部のバンド溝と凸部の幅方向中央での中心線がほぼ対向する位置に在って、バンド溝の幅がW、ブーツバンドの幅がw、凸部の幅がe、相手部材の係合溝の幅がbとして、[w<W≦ 1.3w],[0.3w≦b≦ 0.5w],[0.9b≦e≦b]の寸法関係に形成し、かつ、ブーツ固定部内周からの凸部の高さがf、相手部材の係合溝の深さがa、この係合溝両側の突起部の相手部材外周からの高さがcとして、[0.2mm≦c≦ 0.5mm],[0.5mm≦a≦1.5mm]の寸法範囲に設定し、更に、[f≦(a−c)],[(b/a)≧3]の寸法関係に設定したことを特徴とするブーツ取付構造。
  2. 上記相手部材の係合溝が、その中央部が相手部材軸線と平行な平坦面で、この平坦面から係合溝両側の突起部頂点に向けて円弧面が連続する形状で、前記平坦面の少なくとも片側の円弧面の曲率半径Rが、[0.1mm≦R≦a]の寸法であることを特徴とする請求項1記載のブーツ取付構造。
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