JP3964717B2 - 桂皮酸誘導体から成る色素含有非線形有機材料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、芳香族系色素を含む桂皮酸誘導体、およびこれを重合させて得られた重合体、この重合体を架橋させて得られた非線形有機材料に関する。
重合体から得られたフィルムは、優れた二次の非線形光学性質を有し、フォトニクスの分野において、光スイッチ、レーザー発振等、種々の応用が可能である。
【0002】
【従来の技術】
二次非線形光学性質を有する高分子材料に関しては、メタクリレート系のビニルポリマーの側鎖に芳香族系色素を結合させたものが多く研究されている。しかし、これらの高分子は色素の含量が低く、また、電場配向の効率も低く、電場を除くと色素の配向緩和を速やかに起こり、実用化にはほど遠いものである。配向を維持する目的で、ガラス転移点の高い高分子(例えば、ポリアミドやポリイミド)が使用されている例もあるが、これらは電場配向が容易でなく、測定されている二次非線形定数も極めて低く、実用に役立たないものである。従って、従来にない新規な高分子材料が要求されているのが現状である。
【0003】
本発明の発明者は、以前にプロパルギルオキシ安息香酸誘導体からなる高分子を提案した(特許願2000−267701号)。これらの高分子は非常に優れた二次非線形定数を示した。その単量体の一例を以下に示す。
【0004】
【化3】
【0005】
Daltonらは、下記の如き高分子を過去に発表しているが、これらは本発明とは全く異なるものである(Chen.et.al.Macromolecules,vol.24,No.19,5421(1991))。
【0006】
【化4】
【0007】
【化5】
【0008】
二次非線形光学材料は、次の3つの条件を満たす必要がある。
(1)光学的高品位(特に、フイルム形態で)を有する。
(2)高い二次非線形光学定数を有する。
(3)電場配向させた芳香族系色素の配向緩和がない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記の3つの条件を満たす二次非線形光学材料を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、化学式(I):
【化6】
[式中、Rは、発色団および芳香環を有する有機基であり、X1およびX2は水素原子または炭素数1〜6の脂肪族基である。]
で表されるプロパルギルオキシ桂皮酸誘導体を提供する。
【0011】
本発明は、
式:
【化7】
[式中、Rは、発色団および芳香環を有する一価の有機基あり、X1およびX2は水素原子または炭素数1〜6の脂肪族基である。]
で表される繰り返し単位を有する重合体をも提供する。
【0012】
この重合体は、プロパルギルオキシ桂皮酸誘導体を重合することによって得られる。
さらに、本発明は、この重合体を溶媒に溶かし、重合体溶液を基板上に適用し、基板上に重合体のフィルムを生成させ、得られたフィルムを加熱下、電圧をかけながら、紫外線ランプをフィルムに照射して得られた熱硬化性樹脂フイルムからなる色素含有非線形有機材料を提供する。
【0013】
加えて、本発明は、プロパルギルオキシ桂皮酸誘導体を製造する方法であって、
(1)ヒドロキシ桂皮酸とハロゲン化プロパギルとを反応させて、プロパルギルオキシ桂皮酸を得る工程、
(2)プロパルギルオキシ桂皮酸を塩素化剤と反応させて酸クロリドを得る工程、および
(3)酸クロリドを芳香族系色素と反応させてプロパルギルオキシ桂皮酸誘導体を得る工程
からなる製造方法を提供する。
【0014】
式(I)および(II)において、Rにおける発色団の例は、窒素−窒素二重結合または炭素−炭素二重結合または炭素−炭素三重結合である。Rは、窒素−窒素二重結合または炭素−炭素二重結合または炭素−炭素三重結合および芳香環を有する一価の有機基であることが好ましい。Rは、例えば、−N=N−Ar、−C=C−Arまたは−C≡C−Arであってよい。ここで、Arは、置換基で置換されていてよい芳香環(特に、ベンゼン環)である。Arは、(−N=N−、−C=C−および−C≡C−に対して)パラ位で置換した置換基(特に、電子吸引性基)を有するベンゼン環であることが好ましい。置換基の例は、−NO2、−CH=C(CN)2、−C≡Nである。
【0015】
Rの具体例は、次のとおりである。
【化8】
【化9】
【0016】
X1およびX2は水素原子または炭素数1〜6の脂肪族基である。X1およびX2は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基(例えば、メチル基)であることが好ましい。
【0017】
本発明のプロパルギルオキシ桂皮酸誘導体は、次のようにして製造することができる。
ヒドロキシ桂皮酸(例えば、パラまたはメタヒドロキシ桂皮酸)とハロゲン化プロパギル(例えば、塩化または臭化プロパルギル)とを反応させて、プロパルギルオキシ桂皮酸を合成する。プロパルギルオキシ桂皮酸を塩素化剤(例えば、塩化チオニルまたは塩化オキサリル)と反応させて酸クロリドにする。この酸クロリドを芳香族系色素(例えば、N,N−ジエタノールアニリン系色素)と、(例えば、モル比2:1で)反応させて、モノマー(プロパルギルオキシ桂皮酸誘導体)を合成する。
【0018】
ハロゲン化プロパルギルとヒドロキシ桂皮酸との反応は、溶媒、特に極性溶媒(例えば、アルコール類、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトニトリル)中、塩基性触媒(例えば、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム)の存在下で、20℃〜100℃程度の温度で行うことができる。反応時間は、一般に、5〜20時間である。ヒドロキシ桂皮酸に代えて、ヒドロキシ桂皮酸のエステル(特に、メチルエステル)を使用することもできる。エステルを使用する場合、メタノールが良溶媒である。エステルの場合、加水分解によって酸にした後に、塩素化剤と反応させる。
【0019】
プロパルギルオキシ桂皮酸と塩素化剤との反応は、溶媒中、20〜60℃で行うことができる。好ましい溶媒は、塩素系溶媒、例えば、塩化メチレン(ジクロロメタン)である。反応時間は、一般に、3〜10時間である。
【0020】
酸クロリドと芳香族系色素との反応は、溶媒中、20〜80℃で行うことができる。好ましい溶媒は、塩素系溶媒、例えば、塩化メチレンである。反応時間は、一般に、5〜15時間である。
【0021】
使用される芳香族系色素としては、ジエタノールアニリン系色素(例えば、N,N−ジエタノールアニリン系色素)が好適である。ジエタノールアニリン系色素の具体例としては下記のようなものが挙げられる。
【0022】
【化10】
【0023】
【化11】
【0024】
上記の化合物(a)は、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−4−(4'−ニトロフェニルアゾ)アニリンである。
上記化合物のニトロ基の代わりにシアノ基(−C≡N)を使用してもよい。
【0025】
モノマーを得るための反応スキームの例は次のとおりである。
【0026】
【化12】
[式中、R、X1およびX2は上記と同意義である。]
【0027】
このモノマーを重合することによって、主鎖にジアセチレン結合を含みかつ側鎖に色素を含む重合体が得られる。重合は、例えば、酸化カップリング重合によって行える。
上記の桂皮酸誘導体モノマーのパラ体またはメタ体の一方を単独で重合してもよいし、または任意な割合のパラおよびメタ体の混合物を重合してもよい。あるいは、桂皮酸誘導体モノマーを他のジプロパルギルオキシ誘導体、例えば、プロパルギルオキシ安息香酸誘導体(すなわち、前記の式(A)の単量体)と共重合してもよい。得られた重合体は、二次非線形光学性を示す。
【0028】
重合体の分子量は、約1000〜100000、特に2000〜20000であってよい。分子量は、ゲル透過クロマログラフィー(GPC)により測定されるものである(スチレン換算)。
重合体はDMFやN−メチルピロリドンのような極性溶媒に易溶であり、これらの溶媒の溶液の対数粘度を計ることによっても、重合体がどの程度の分子量を有するか測定することが出来る。一般に対数粘度が0.2以上であると均一なフィルムを基材上に与えることができる。対数粘度が0.8以上になると、溶解度が減少するので、0.4〜0.7が理想的である。重合度は反応時間で調整することができる。GPCでよく使用されるクロロホルムには少量のみ可溶である。
【0029】
重合体を得るための反応スキームの例は次のとおりである。
【化13】
[式中、R、X1およびX2は上記と同意義、nは2以上の数、例えば2〜100である。]
【0030】
モノマーの重合は、重合体が可溶な溶媒(DMF,N−メチルピロリドン(NMP)等)中で、触媒の存在下で、酸素を吹き込みながら、20℃〜70℃の温度で行う。触媒の例は、塩化第一銅およびアミン(特に、N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン)である。重合反応の時間は、一般に、5〜10時間である。
【0031】
重合系の粘度が上昇すると、内容物を過剰のメタノール(例えば、希塩酸酸性メタノール)中に沈殿させる。濾過、乾燥後、再び溶媒に溶かし、不溶物を濾過し、メタノール中に再沈殿させる。
【0032】
得られた重合体は、溶媒、特に極性溶媒、例えば、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)やN−メチルピロリドン(NMP)等に可溶である。重合体の溶液(例えば、DMF溶液)を用いて基板上にフィルム(特に、薄膜)を形成することができる。溶媒蒸発またはスピンコートによって、フィルムを形成できる。重合体フィルムの厚さは、スピンコーターの回転速度及び溶液濃度に依存するが、例えば、1〜15μmの厚さのフィルムが得られる。
【0033】
このフィルムを重合体のガラス転移点付近の温度(例えば、90〜110℃)に加熱し、電圧(例えば、4〜10KV)を印加しながら、重合体主鎖中のジアセチレン基による架橋させることによって、電圧を除いた後も配向された色素の配向緩和を防ぐことができる。電圧を加えることによって、重合体中の色素を電場配向させる。架橋は、光、特に紫外線によって行うことが好ましい。電場配向と同時に、紫外線ランプをフィルムに照射(照射量:例えば400Wの中圧水銀ランプで10〜30分)して架橋させて、可溶性フィルムを不溶不融の熱硬化性樹脂フィルムにすることができる。
【0034】
フィルムに電圧を印加し、芳香族系色素を一定方向に配向させ、同時に紫外線をフィルムに照射して重合体鎖を架橋させて、熱硬化性樹脂に変化させ、電場配向させた色素の配向緩和を防ぐことができる。
【0035】
架橋させたフィルムは、フォトニクスの分野において、光スイッチ、レーザー発振等種々の用途に使用できる。
【0036】
【実施例】
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明する。
実施例において、次のようにして測定を行った。
二次非線形光学定数は、電気光学効果(EO効果)を測定することにより求めた。
DSC分析は、示差走査熱量計(デュポン製のDupont 2000)によって行う。
【0037】
実施例1
4−ヒドロキシ桂皮酸80gを少量(5g)の硫酸の存在下にメタノール600ml中で加熱して、メチルエステル70gを得た。このエステル70gに対し、臭化プロパルギルの80%トルエン溶液70gおよびアセトン600ml中の炭酸カリウム100gを加えて60〜70℃に撹拌下加熱した。20時間後に内容物を取り出し濾過して固形物を除いた。母液を蒸留で除き、残留物をクロロホルムに溶解し、分液漏斗中で水で洗浄した。クロロホルム液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、徐々に蒸発させて、生成物を結晶化させた。融点67〜68℃の4−プロパルギルオキシ桂皮酸メチルエステルの無色結晶74g(収率88%)を得た。このエステルを水酸化ナトリウムを含むメタノール・水混合液中で加水分解後、希塩酸を加えて沈殿した4−プロパルギルオキシ桂皮酸を濾過、水で洗浄した。メタノールで再結晶して、融点179〜180℃の4−プロパルギルオキシ桂皮酸を59g(86%収率)を得た。
【0038】
この4−プロパルギルオキシ桂皮酸15gを80mlのジクロロメタンに懸濁し、22mlの塩化チオニルを加えて、約6時間反応させた。ジクロロメタンと過剰の塩化チオニルを留去し、残留物をn−ヘキサンで再結晶し、10.6gの4−プロパルギルオキシ桂皮酸塩化物を得た。これを100mlのジクロロメタンに溶解し、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−4−(4'−ニトロフェニルアゾ)アニリン(前記のジエタノールアニリン系色素(a))4gを加え、7mlのトリエチルアミンを滴下した。6時間反応させた後、メタノールを加え、溶媒を留去し、残留物をブタノールより再結晶して、6.9gのN,N−ジ[2−(4−プロパルギルオキシシナモイルオキシ)エチル]−4−[4'−ニトロフォニルアゾ]アニリン(式(I)において、R基が具体例(i)である化合物)(以下、「パラ体」という。)を得た。融点157℃の濃赤色結晶。この1H NMRスペクトルを図1に示す。
【0039】
この反応は、4−ヒドロキシ桂皮酸と臭化プロパルギルとをメタノール中で水酸化ナトリウムを触媒として反応させ、直接4−プロパルギルオキシ桂皮酸としても可能であった。
元素分析値、理論値C40H34N4O8、C:68.76%、H:4.87%、N:8.02%。実験値C:68.40%、H:4.32%、N:7.66%。
【0040】
実施例2
3−ヒドロキシ桂皮酸50g(0.304モル)とプロパルギルブロマイド0.608モルを600mlのメタノール中に加え、炭酸カルシウム84gを加えて、16時間撹拌還流させた後、固形分を濾過し、濾液を減圧下に蒸発させた。残留物を水に溶かし、希塩酸で酸性にし、沈殿した3−プロパルギルオキシ桂皮酸を濾過、水洗した後、減圧乾燥後、メタノールより再結晶し、白色結晶を86%の収率で得た。融点151〜152℃。
【0041】
この酸15gを22mlの塩化チオニルと80mlのジクロロメタン中で6時間反応させた後、実施例1と同様な手順で、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−4−(4'−ニトロフェニルアゾ)アニリン(前記のジエタノールアニリン系色素(a))と反応させ、13.3g(収率96%)のN,N−ジ[2−(3−プロパルギルオキシシナモイルオキシ)エチル]−4−(4'−ニトロフェニルアゾ)アニリン(式(I)において、R基が具体例(i)である化合物)(以下、「メタ体」という。)を得た。融点140〜141℃の濃朱色粉末結晶で、元素分析値は、理論値C40H34N4O8として、C:68.76%、H:4.87%、N:8.02%。実験値C:68.23%、H:5.32%、N:7.84%。この1H NMRスペクトルを図2に示す。
【0042】
実施例3
実施例1で得られたモノマー4gをN−メチルピロリドン20mlに溶解し、N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミンを0.2mlを滴下し、0.05gの塩化第一銅を加えて撹拌下、酸素を緩やかに吹き込んだ。系の粘度が上昇してくるのが観察された。5時間反応させた後、系の内容物を、塩酸酸性メタノール400mlに加えて、得られたポリマーを沈殿させ、濾過、乾燥した後、再びジメチルホルムアミドに溶解させ、メタノール中へ再沈殿させた。減圧乾燥後、パラ体の重合体を収率100%で得た。このポリマーのDMF溶液の25℃における対数粘度は0.7であった。このポリマーのDSCを図3に示す。ガラス転移点Tgは120℃であった。150℃以上で主鎖に含まれるジアセチレン基による架橋反応が起こることがわかった。このポリマーをジメチルホルムアミドに溶解し、スピンコート法でガラス基板上に薄膜を形成し、5KVの電圧下120℃でポリマー中の色素基(前記のジエタノールアニリン系色素(a)より成る重合体の側鎖基)を配向させた後、1064nmのレーザーにより、二次非線形光学定数(SHG)を測定した結果、254pm/VなるSHG定数が測定された。
【0043】
実施例4
実施例3と同様に、実施例2で得られたモノマーを重合させ、メタ体の重合体を得た。このポリマーは対数粘度0.5を有し、ジメチルホルムアミド溶液からスピンコートにより薄膜を作ることができた。ポリマーの1H NMRスペクトルを図4に示す。
このフィルムを110℃で電場を印加したものを二次非線形光学定数d33は56pm/Vであった。
【0044】
実施例5
実施例1で得られたパラ体3.2gと実施例2で得られたメタ体4.8gを40mlのN−メチルピロリドンに溶解し、0.5mlのN,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミンおよび0.5gの塩化第一銅を加えて、反応温度を40〜50℃に保ちながら酸素を吹き込み撹拌した。2〜3時間で系の粘度が上昇してきた。5時間後、内容物を過剰のメタノール中に注ぎ、得られたポリマーを沈殿させ、濾過、メタノール洗浄後、常温で減圧乾燥した。収率は定量的(100%)であった。このポリマーをジメチルホルムアミドに溶解し、スピンコートにて薄膜にし、この膜を110℃で4KVの電圧を印加した後、1064nmのレーザーで二次非線形光学定数(d33値)を測定した結果、175pm/Vであった。
【発明の効果】
【0045】
本発明におけるジプロパルギルオキシ桂皮酸エステルの色素含有ポリマーにおいては、各モノマー単位が少なくとも1つの色素を有しているため、色素含有量が高い。これにより二次非線形光学定数の増大する。また、重合体の化学構造が極めて均一なため、フィルムの光学的性質(例えば、透明度、均一性)が極めて優れている。
【0046】
重合体主鎖はジアセチレン基を多く含んでいるが、これは光または熱によってジアセチレン基同志が反応し、重合体主鎖を極めて高度に架橋させる。これによって重合体フィルムは不溶不融の熱硬化性樹脂になり、配向された色素の配向緩和を防ぐので、電場配向させた芳香族色素の配向緩和がないという効果を与える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られたモノマーの1H NMRスペクトルである。
【図2】 実施例2で得られたモノマーの1H NMRスペクトルである。
【図3】 実施例3で得られたポリマーのDSC図である。
【図4】 実施例4で得られたポリマーの1H NMRスペクトルである。
Claims (4)
- 請求項2に記載の重合体を溶媒に溶かし、重合体溶液を基板上に適用し、基板上に重合体のフィルムを生成させ、得られたフィルムを加熱下、電圧をかけながら、紫外線ランプをフィルムに照射して得られた熱硬化性樹脂フイルムからなる色素含有非線形有機材料。
- 請求項1に記載のプロパルギルオキシ桂皮酸誘導体を製造する方法であって、
(1)ヒドロキシ桂皮酸とハロゲン化プロパギルとを反応させて、プロパルギルオキシ桂皮酸を得る工程、
(2)プロパルギルオキシ桂皮酸を塩素化剤と反応させて酸クロリドを得る工程、および
(3)酸クロリドを芳香族系色素と反応させてプロパルギルオキシ桂皮酸誘導体を得る工程
からなる製造方法。
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